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特開2025-72165情報提供システム、情報提供方法および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025072165
(43)【公開日】2025-05-09
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0816 20220101AFI20250430BHJP
   H04L 43/0811 20220101ALI20250430BHJP
   H04L 61/30 20220101ALI20250430BHJP
【FI】
H04L41/0816
H04L43/0811
H04L61/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182739
(22)【出願日】2023-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和気 一郎
(72)【発明者】
【氏名】田渕 雅晶
(57)【要約】
【課題】既設システムから新設システムへの移行を効率よく実施することを課題とする。
【解決手段】情報提供システムは、プラントの機器を制御するコントローラのコンポーネントに設定されたタグにアクセスする操作画面を提供する制御装置と、タグの情報を管理する管理装置とを有する。管理装置は、第1システムから、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、第2システムから、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得する取得部と、第1タグ情報および第2タグ情報を基にして、有効なタグが第1タグから第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を制御装置に通知する変化通知部と、を有する。制御装置は、検出結果を基にして、有効なタグへのアクセス先を、第2コントローラに変更する設定変更部を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの機器を制御するコントローラのコンポーネントに設定されたタグにアクセスする操作画面を提供する制御装置と、前記タグの情報を管理する管理装置とを有する情報提供システムであって、
前記管理装置は、
第1システムから、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、第2システムから、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得する取得部と、
前記第1タグ情報および前記第2タグ情報を基にして、有効なタグが前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を前記制御装置に通知する変化通知部と、を有し、
前記制御装置は、
前記検出結果を基にして、前記有効なタグへのアクセス先を、前記第2コントローラに変更する設定変更部、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記第1システムは、前記制御装置と前記第1コントローラとの間の通信を中継する通信中継装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記第1タグ情報として、前記通信中継装置から、前記通信中継装置の識別情報、前記第1タグの識別情報、前記第1タグに関する通信品質を取得することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記第2タグ情報として、前記第2コントローラから、前記第2コントローラの識別情報、前記第2タグの識別情報、前記第2タグに関する通信品質を取得することを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記変化通知部は、前記第1タグ情報に含まれる通信品質と、前記第2タグ情報に含まれる通信品質とを基にして、同一の識別情報に対応するタグが、前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出することを特徴とする請求項4に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記変化通知部は、前記第1タグ情報に含まれる通信品質よりも、前記第2タグ情報に含まれる通信品質の方が良い通信品質の場合に、前記同一の識別情報に対応するタグが、前記第1タグから前記第2タグへの変化を検出することを特徴とする請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記設定変更部は、前記検出結果を基にして、前記同一の識別情報に対応するタグへのアクセス先を、前記通信中継装置から、前記第2コントローラに変更することを特徴とする請求項5または6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記管理装置は、前記第1タグから前記第2タグへの移行状況を表示する表示制御部を更に有することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項9】
プラントの機器を制御するコントローラのコンポーネントに設定されたタグにアクセスする操作画面を提供する制御装置と、前記タグの情報を管理する管理装置とを有する情報提供システムの情報提供方法であって、
前記管理装置が、第1システムから、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、
前記管理装置が、第2システムから、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得し、
前記管理装置が、前記第1タグ情報および前記第2タグ情報を基にして、有効なタグが前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を前記制御装置に通知し、
前記制御装置が、前記検出結果を基にして、前記有効なタグへのアクセス先を、前記第2コントローラに変更する、
処理を実行する情報提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、
第1システムから、プラントの機器を制御する第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、
第2システムから、前記プラントの機器を制御する第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得し、
前記第1タグ情報および前記第2タグ情報を基にして、有効なタグが前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を制御装置に通知する
処理を実行させる情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントに対して、オートメーションシステムを導入することで、各種の製品を製造するためのプロセスを自動化している。たとえば、特許文献1には、オートメーションシステムに関する技術が開示されている。
【0003】
なお、既設のオートメーションシステム(以下、既設システム)を新設のオートメーションシステム(以下、新設システム)へ移行する場合、可能な限り、ホットカットオーバーと呼ばれる手法で、システム移行を行うことが求められる。
【0004】
ホットカットオーバーとは、プラントの操業を止めることなく、制御ループ単位で、現場機器との配線を既設システムのI/O(Input/Output)から、新設システムのI/Oへ繋ぎ変え、I/Oと結合されている機能ブロックも同時に既設システムから新設システムへ移行する手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-46438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来では、既設システムから新設システムへの移行を効率よく実施することができない場合があった。
【0007】
たとえば、図4のシステム構成を前提に、既設システムの全てのI/O・機能ブロックが、新設システムのI/O・機能ブロックへ切り替わるまでは、既設システムと新設システムのI/O・機能ブロックが混在する形でプラントの操業を継続することになる。ここで、プラントの操業で使用されるHMI(Human Machine Interface)で使用するタグの割付を、既設システムから新設システムへ変更する際、短時間でその割付を終了させる必要がある。かかる作業に時間がかかりすぎると、移行対象の制御ループがタイムリーに再開できなくなり、プラントを止めざるを得ない状況に陥る可能性が高くなる。
【0008】
また、図4とは違って、既設システムと新設システムの両方のHMIを稼働した状態でのホットカットオーバーの場合、プラントの操作監視オペレータを含む作業員のチームは、ホットカットオーバーの対象となるタグの関連図面を作業前に毎回確認する。この際、ホットカットオーバー中に発生が懸念されるイベントに対応するためのリスク評価と、それらのイベントに対応するためにプラントの操業方法の変更箇所と複雑な手順を、新旧HMIの画面コピーを使って確認する。しかしながら、システムの移行期間中は、毎回監視できるタグが新旧HMIで変わり、その新旧HMIを操作してイベントに対応する必要があり、ヒューマンエラーの確率が高くなり、プラントのシャットダウン等を招く可能性がある。
【0009】
一つの側面では、既設システムから新設システムへの移行を効率よく実施することを支援することができる情報提供システム、情報提供方法および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一側面にかかる情報提供システムは、プラントの機器を制御するコントローラのコンポーネントに設定されたタグにアクセスする操作画面を提供する制御装置と、タグの情報を管理する管理装置とを有する。管理装置は、第1システム(例えば、既設システム)から、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、第2システム(例えば、新設システム)から、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得する取得部と、第1タグ情報および第2タグ情報を基にして、有効なタグが第1タグから第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を制御装置に通知する変化通知部と、を有する。制御装置は、検出結果を基にして、有効なタグへのアクセス先を、第2コントローラに変更する設定変更部を有する。
【0011】
一側面にかかる情報提供方法は、管理装置が、第1システムから、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、第2システムから、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得し、第1タグ情報および第2タグ情報を基にして、有効なタグが第1タグから第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を制御装置に通知し、制御装置が、検出結果を基にして、有効なタグへのアクセス先を、第2コントローラに変更する。
【0012】
一側面にかかる情報提供プログラムは、第1システムから、プラントの機器を制御する第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、第2システムから、プラントの機器を制御する第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得し、第1タグ情報および第2タグ情報を基にして、有効なタグが第1タグから第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を制御装置に通知する処理を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
一実施形態によれば、既設システムから新設システムへの移行を効率よく実施することを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図(1)である。
図2】既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図(2)である。
図3】既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図(3)である。
図4】既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図(4)である。
図5】既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図(5)である。
図6】既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図(6)である。
図7】タグ情報テーブルの一例を示す図である。
図8】更新後のタグ情報テーブルの一例を示す図である。
図9】監視制御アプリケーションが保持するタグの構造の一例を示す図である。
図10】進捗状況画面の一例を示す図である。
図11】本実施形態に係るタグ情報提供サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
図12】情報管理テーブルの一例を示す図である。
図13】本実施形態に係る制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図14】本実施形態のタグ情報提供サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
図15】ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願の開示する情報提供システム、情報提供方法および情報提供プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略し、各実施形態は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0016】
(実施形態)
(既設システムから新設システムへの移行について)
プラントのオートメーションシステムを、既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明する。図1図6は、既設システムから新設システムに移行する過程の一例について説明するための図である。
【0017】
まず、図1について説明する。図1に示す既設システム10は、新設システムを設置する前のオートメーションシステムである。たとえば、既設システム10には、プラント1と、コントローラ5が含まれる。
【0018】
プラント1は、石油・石化、ガス、鉄・非鉄、化学、電力、食薬等の生産設備である。
【0019】
プラント1の様々な場所には、複数の機器が設けられる。図1に示す例では、機器2a,2b,2c,2dを示す。たとえば、機器2a,2cは、伝送器である。機器2b,2dは、バルブである。なお、プラント1には、他の機器が設けられていてもよい。他の機器は、圧力センサ、温度センサ、流量センサ、pHセンサ、速度センサ、加速度センサ、ポンプ、モーター等である。
【0020】
コントローラ5は、プラント1の流量、圧力、レベル、温度等のプロセス変数を設定範囲内に維持するハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントである。コントローラ5は、I/Oおよび機能ブロックを有する。
【0021】
I/Oは、コントローラ5から制御出力を受け取ってプラント1の機器に送信したり、プラント1の機器からプロセス値を受け取ってコントローラ5に送信したりする情報処理ハードウェアコンポーネントである。
【0022】
機能ブロックは、制御対象の現在の状態と目標の状態との差異(エラー)を基に、制御信号を計算し調整する制御(PID<Proportional Integral Derivative>制御)を行う。機能ブロックは、I/Oを介して、プラント1の機器に接続し、制御ループを構成する。
【0023】
コントローラ5のI/Oおよび機能ブロックにはタグ(Tag)が設定される。たとえば、図1に示す「Tag AI1」、「Tag AO1」、「Tag AI2」、「Tag AO2」は、コントローラ5のI/Oに設定されたタグである。「Tag PID1」、「Tag PID2」は、コントローラ5の機能ブロックに設定されたタグである。
【0024】
たとえば、「Tag AI1」が付与されたI/Oは、配線3aによって、機器2aに接続され、機器2aからプロセス値を受け取る。「Tag PID1」が付与された機能ブロックは、機器2aからのプロセス値を基にして、制御信号を生成し、生成した制御信号を「Tag AO1」が付与されたI/Oに出力する。「Tag AO1」が付与されたI/Oは、配線3bによって、機器2bに接続され、制御信号を機器2bに送信する。
【0025】
「Tag AI2」が付与されたI/Oは、配線3cによって、機器2cに接続され、機器2cからプロセス値を受け取る。「Tag PID2」が付与された機能ブロックは、機器2cからのプロセス値を基にして、制御信号を生成し、生成した制御信号を「Tag AO2」が付与されたI/Oに出力する。「Tag AO2」が付与されたI/Oは、配線3dによって、機器2dに接続され、制御信号を機器2dに送信する。
【0026】
図1に示す段階において、既設システム10のオペレータは、既設システム10のHMIを操作して、コントローラ5のI/Oおよび機能ブロックと通信する。また、既設システム10のオペレータは、Alarmsや、Trendsを確認する。Alarmsは、既設システム10内で発生する異常や問題を示す情報である。Trendsは、既設システム10内のプロセス値に関する履歴の変化をグラフ等で可視化した情報である。
【0027】
既設システム10は、各種のアプリケーションソフトウェア6を有する。たとえば、各種のアプリケーションソフトウェア6には、ヒストリアン(Historian)、MPC(Model Predictive Control)、AMS(Asset Management System)が含まれる。
【0028】
ヒストリアンは、プロセス変数、アラーム、イベントの履歴を記録するプロセスデータベースである。
【0029】
MPCは、プラントの予測モデルを利用して、将来のプラントの出力を予測する。
【0030】
AMSは、プラントの資産を監視および管理する資産管理システムである。
【0031】
図2の説明に移行する。既設システム10には、通信中継装置11が追加される。通信中継装置11は、OPC UA Server(Open Platform Communications Unified Architecture Server)等であり、新設システム20のGateway31と通信する。通信中継装置11は、既設システム10のI/Oおよび機能ブロックのデータを、新設システム20の監視制御アプリケーション30に公開する。
【0032】
図2では、新設システム20が追加される。新設システム20には、監視制御アプリケーション30が設定される。監視制御アプリケーション30は、Gateway31、各種のアプリケーションソフトウェア32、および、HMI、Alarms、Trendsを有する。Gateway31は、OPC UA Client等であり、既設システム10の通信中継装置11と通信し、既設システム10のI/Oおよび機能ブロックのデータを受信する。また、Gateway31は、各種のアプリケーションソフトウェア32およびHMI、Alarms、Trendsに既設システムのデータを提供するOPC UA Serverとしての機能も持つ。各種のアプリケーションソフトウェア32には、ヒストリアン、ソフトコントローラ、MPC、AMSが含まれる。また、監視制御アプリケーション30は、新設システム20のオペレータに、HMI、Alarms、Trendsを提供する。
【0033】
ソフトコントローラは、コントローラの一種であり、I/Oを備えていないが、プロセス変数を制御する機能を備えるソフトウェアコンポーネントである。
【0034】
図3の説明に移行する。図3に示すように、監視制御アプリケーション30のGateway31は、スイッチ7a,7bを介して、通信中継装置11に接続される。スイッチ7a,7bは、Gateway31の接続先を仮想的に示すものである。Gateway31は、通信中継装置11からコントローラ5に設定されたタグの情報を取得し、取得したタグの情報を記憶する。たとえば、Gateway31は、通信中継装置11と通信を行い、コントローラ5のI/Oおよび機能ブロックに設定された「Tag AI1」、「Tag AO1」、「Tag PID1」の組、「Tag AI2」、「Tag AO2」、「Tag PID2」の組を取得し、記録する。
【0035】
図3の移行段階において、新設システム20のオペレータは、監視制御アプリケーション30のHMIを操作して、既設システム10のコントローラ5のI/Oおよび機能ブロックに対して読み書きが可能となる。なお、既設システム10側のHMI、Alarms、Trends、各種のアプリケーションソフトウェア6は、新設システム20の監視制御アプリケーション30へ移行される。これによって、オペレータは、新設システム20の監視制御アプリケーション30を使って、既設システム10の操作に習熟することができる。
【0036】
図4の説明に移行する。新設システム20のオペレータとは別の作業員は、新設システム20にコントローラ40を設置する。コントローラ40は、OPC UA Serverの機能を有する。コントローラ40および検査用HMI45は、スイッチ7cを介して、相互に接続される。スイッチ7cは、コントローラ40の接続先を仮想的に示すものである。
【0037】
作業員は、既設システム10と同じ機能を持つ制御ループを、既設システム10のタグ名と同じ名前で、前もって検査しておく。作業員は、検査用HMI45を操作して、コントローラ40のI/Oおよび機能ブロックに、コントローラ5のI/Oおよび機能ブロックと同じタグを設定し、同じ制御ループを構築する。図4に示す例では、作業員は、コントローラ40のI/Oおよび機能ブロックに、「Tag AI1」、「Tag AO1」、「Tag PID1」を設定し、制御ループを構築する。
【0038】
作業員は、コントローラ40の「Tag AI1」が付与されたI/Oを、配線51aによって、プロセスシミュレータ50に接続する。作業員は、コントローラ40の「Tag AO1」が付与されたI/Oを、配線51bによって、プロセスシミュレータ50に接続する。作業員は、プロセスシミュレータ50を用いて、コントローラ40に設定された制御ループを検査する。
【0039】
図5の説明に移行する。作業員は、コントローラ40の制御ループの検査の結果に異常がなければ、コントローラ5,40から制御信号を受け取る機器に対して、ループ移行時にプロセス値が大きく変動しないように、物理的な養生を施す。たとえば、作業員は、プラント1の機器2b(バルブ)の開度を固定する。
【0040】
作業員は、機器に対して養生を施した後に、機器の配線を変更する。たとえば、作業員は、コントローラ5のI/Oと、機器2a,2bとの配線を取り除く。作業員は、コントローラ40の「Tag AI1」が付与されたI/Oを、配線52aによって、機器2aに接続する。作業員は、コントローラ40の「Tag AO1」が付与されたI/Oを、配線52bによって、機器2bに接続する。
【0041】
図6の説明に移行する。上述した図1図5では図示を省略したが、本システムには、タグ情報提供サーバ100が含まれる。以下の説明では、図1図6に示した既設システム10、新設システム20、タグ情報提供サーバ100をまとめて「情報提供システム」と表記する。
【0042】
既設システム10から新設システム20に移行する過程において、タグ情報提供サーバ100は、通信中継装置11およびコントローラ40と常時通信しており、配線の変更を検出すると、コントローラのタグとの通信に利用されるOPC UA Serverを、既設システム10から、新設システム20に切り替える。
【0043】
なお、作業員は、図5で行った物理的な養生を解除する。たとえば、作業員は、プラント1の機器2b(バルブ)の開度固定を解除する。新設システム20のコントローラ40は、「Tag AI1」が設定されたI/O、「Tag AO1」が設定されたI/O、「Tag PID1」が設定された機能ブロックに関する制御ループを開始する。
【0044】
たとえば、図1図6までの移行が完了した場合、新設システム20のHMIは、各タグ「Tag AI1」、「Tag AO1」、「Tag PID1」については、新設システム20と通信し、各タグ「Tag AI2」、「Tag AO2」、「Tag PID2」については、既設システム10と通信する。
【0045】
タグ情報提供サーバ100は、作業員によって残りの配線が繋ぎ変えられる度に、残りに制御ループについても同様にして、通信先の変更を行う。
【0046】
上記のように、既設システム10から新設システム20が混在する期間のプラント操業において、プラントの操業監視の一貫性を提供し、操作画面上のタグ名を、自動的かつ短期間で変更できるため、システム移行の作業効率が高く、オペレーションミスを防げ、プラントのシャットダウンのリスクを軽減させることができる。たとえば、情報提供システムによれば、既設システム10から新設システム20への移行を効率よく実施することを支援することができる。
【0047】
(情報提供システムが有する機能について)
情報提供システムでは、既設システム10から新設システム20が混在する期間において、プラントの操作監視のためのシングルインターフェースを提供するために、タグ情報提供機能、変化通知機能、設定変更機能、システム移行状況監視機能を有する。以下において、情報提供システムのタグ情報提供機能、変化通知機能、設定変更機能、システム移行状況監視機能について順に説明する。
【0048】
なお、たとえば、図6に示した情報提供システムにおいて、既設システム10は、「第1システム」の一例である。コントローラ5は、「第1コントローラ」の一例である。コントローラ5のコンポーネント(I/O、機能ブロック)は、「第1コンポーネント」の一例である。コントローラ5のコンポーネント(I/O、機能ブロック)に設定されたタグは、「第1タグ」の一例である。コントローラ5のコンポーネント(I/O、機能ブロック)に設定されたタグに関する情報は「第1タグ情報」の一例である。
【0049】
図6に示した情報提供システムにおいて、新設システム20は、「第2システム」の一例である。コントローラ40は、「第2コントローラ」の一例である。コントローラ40のコンポーネント(I/O、機能ブロック)は、「第2コンポーネント」の一例である。コントローラ40のコンポーネント(I/O、機能ブロック)に設定されたタグは「第2タグ」の一例である。コントローラ40のコンポーネント(I/O、機能ブロック)に設定されたタグに関する情報は「第2タグ情報」の一例である。
【0050】
(タグ情報提供機能について)
タグ情報提供機能について説明する。たとえば、タグ情報提供機能は、I/Oおよび機能ブロックのタグ情報を監視制御アプリケーション30に提供する機能である。たとえば、タグ情報提供機能は、タグ情報提供サーバ100が有する機能である。
【0051】
たとえば、タグ情報提供サーバ100は、OPC UA Part 12: Discovery and Global Services、および、Part 17: Alias Namesに準拠して構築されたGlobal Discovery ServerおよびAlias Name Serverの役割を持つ。
【0052】
タグ情報提供サーバ100は、既設システム10の通信中継装置11、および、新設システム20のコントローラ40と通信を行い、既設システム10のコントローラ5および新設システム20のコントローラ40に設定されたI/Oおよび機能ブロックのタグ名をエイリアス名として、タグ情報テーブルに登録する。
【0053】
図7は、タグ情報テーブルの一例を示す図である。図7に示すように、タグ情報テーブル141は、エイリアス名と、サーバインデックスと、そのサーバインデックスに紐づいたOPC UA Server名とを有する。エイリアス名は、情報提供システム内の任意の制御ノード(たとえば、I/O、コントローラ等)に対して、明確に定義された代替名のことであり、監視制御アプリケーション30に情報が公開される。本実施形態では、エイリアス名は、タグ名の代替名として取り扱い、OPC UA Serverの名前空間名とサーバインデックス等の情報を持つ。
【0054】
サーバインデックスは、OPC UA Serverを識別するインデックスである。本実施形態では、既設システム10において、OPC UA Serverとして機能する通信中継装置11のサーバインデックスを「SA11」とする。新設システム20において、OPC UA Serverとして機能するコントローラ40のサーバインデックスを「SA40」とする。
【0055】
図7に示す例では、サーバインデックス「SA11」に対して、エイリアス名「AI1」、「PID1」、「AO1」がそれぞれ設定されている。また、サーバインデックス「SA11」に対して、OPC UA Server名「通信中継装置(既設システム)」が対応付けられる。このため、サーバインデックス「SA11」に対応する通信中継装置11の配下のコントローラ5の位置に、タグ「AI1」、「PID1」、「AO1」が存在することが示される。
【0056】
タグ情報提供サーバ100は、図7に示すタグ情報テーブル141の情報を、当該タグを使用する監視制御アプリケーション30(たとえば、HMIのOPC UA Client)に通知し、監視制御アプリケーション30は、タグ情報テーブル141を使って、OPC UA Serverと通信する。
【0057】
ここで、新設システム20において、OPC UA Serverとして機能するコントローラ40にタグ名「PID1」が設定されたものとする。タグ情報提供サーバ100は、コントローラ4と通信を行い、タグ情報テーブル141を、図8のように更新する。
【0058】
図8は、更新後のタグ情報テーブルの一例を示す図である。図8に示すように、タグ情報テーブル141には、エイリアス名「PID1」と、サーバインデックス「SA40」と、OPC UA Server名「コントローラ(新設システム)」の組が追加されている。なお、タグ情報テーブル141では、同一のエイリアス名について、異なるサーバインデックスが設定されることを許容する。たとえば、図8のタグ情報テーブル141では、タグ「PID1」が、通信中継装置11の配下のコントローラ5およびコントローラ40の両方に存在することを示す。
【0059】
(変化通知機能について)
続いて、変化通知機能について説明する。たとえば、変化通知機能は、有用なタグの存在場所が変わったとき、かかる変化を監視制御アプリケーション30に通知する機能である。変化通知機能は、タグ情報提供サーバ100が有する機能である。
【0060】
タグ情報提供サーバ100は、特定のエイリアス名に対して、あるサーバインデックスが、他のサーバインデックスに変わったことを検知すると、特定のエイリアス名に対するサーバインデックスであって、変化後のサーバインデックスの情報を、監視制御アプリケーション30に通知する。たとえば、タグ情報提供サーバ100は、エイリアス名「PID1」に対して、有効なサーバインデックスが「SA11」から、「SA40」に変わったことを検知した場合、エイリアス名「PID1」に対する有効なサーバインデックスが「SA40」であることを、監視制御アプリケーション30に通知する。
【0061】
タグ情報提供サーバ100は、サーバインデックスが変わったことの検知を以下のように行う。タグ情報提供サーバ100は、通信中継装置11およびコントローラ40と常時通信している。
【0062】
通信中継装置11は、コントローラ5に設定されたタグのエイリアス名、自身のサーバインデックス、品質識別データを含む情報を、タグ情報提供サーバ100に送信する。品質識別データは、タグが配線によって機器に接続され、アクセス可能な場合には「GOOD」となる。一方、品質識別データは、タグが配線によって機器に接続されておらず、アクセス不可能な場合には「BAD」となる。なお、品質識別データは、「通信品質」に対応する。
【0063】
たとえば、通信中継装置11は、コントローラ5の機能ブロックに、タグ「Tag PID1」が設定され、タグ「Tag AI1」が配線3aを介して機器2aに接続され、タグ「Tag AO1」が配線3bを介して機器2bに接続されている場合に、情報「エイリアス名:PID1@{サーバインデックス:SA11}品質識別データ:GOOD」を、タグ情報提供サーバ100に送信する。
【0064】
一方、通信中継装置11は、コントローラ5の機能ブロックに、タグ「Tag PID1」が設定され、タグ「Tag AI1」およびタグ「Tag AO1」が配線を介して機器2a,2bに接続されていない場合に、情報「エイリアス名:PID1@{サーバインデックス:SA11}品質識別データ:BAD」を、タグ情報提供サーバ100に送信する。
【0065】
たとえば、コントローラ40は、自身の機能ブロックに、タグ「Tag PID1」が設定され、タグ「Tag AI1」が配線52aを介して機器2aに接続され、タグ「Tag AO1」が配線52bを介して機器2bに接続されている場合に、情報「エイリアス名:PID1@{サーバインデックス:SA40}品質識別データ:GOOD」を、タグ情報提供サーバ100に送信する。
【0066】
一方、コントローラ40は、自身の機能ブロックに、タグ「Tag PID1」が設定され、タグ「Tag AI1」およびタグ「Tag AO1」が配線を介して機器2a,2bに接続されていない場合に、情報「エイリアス名:PID1@{サーバインデックス:SA40}品質識別データ:BAD」を、タグ情報提供サーバ100に送信する。
【0067】
タグ情報提供サーバ100は、通信中継装置11から、情報「エイリアス名:PID1@{サーバインデックス:SA11}品質識別データ:BAD」を受信し、かつ、コントローラ40から、情報「エイリアス名:PID1@{サーバインデックス:SA40}品質識別データ:GOOD」を受信した場合に、エイリアス名「PID1」に対して、有効なサーバインデックスが「SA11」から、「SA40」に変わったことを検知する。
【0068】
タグ情報提供サーバ100は、エイリアス名「PID1」に対して、有効なサーバインデックスが「SA11」から、「SA40」に変わったことを検知すると、検知内容を設定した「Model Change Event」を通信ネットワークにマルチキャストすることで、監視制御アプリケーション30は、サーバインデックスの変化を知ることができる。
【0069】
(設定変更機能について)
続いて、設定変更機能について説明する。たとえば、設定変更機能は、タグに対応しているサーバインデックスが変わったことを捉えて、かかるタグに接続されているOPC UA Server名を変更する。設定変更機能は、監視制御アプリケーション30が有する機能である。
【0070】
監視制御アプリケーション30は、OPC UA Client機能を有し、かかるOPC UA Client機能を介して、通信中継装置(OPC UA Server)11、コントローラ(OPC UA Server)40、タグ情報提供サーバ100と通信する。監視制御アプリケーション30のOPC UA Clientは、タグ情報提供サーバ100から送信されるModel Change Eventを受信する機能をサポートする。
【0071】
監視制御アプリケーション30は、通信相手のOPC UA Server名をパラメータとして保持する。図9は、監視制御アプリケーション30が保持するタグの構造の一例を示す図である。図9に示すタグの構造は、タグ名「PID1」のタグに関するデータ構造である。タグ名「PID1」の配下60には、複数のアイテム名が定義されている。各アイテム名の配下には、各種のパラメータが定義されている。たとえば、アイテム名「MV」の配下には、図9の右側に示すような、各種のパラメータが含まれており、かかるパラメータの一つに「OPC Server名(OPC UA Server名と同様)」がある。
【0072】
たとえば、監視制御アプリケーション30は、タグ情報提供サーバ100から、エイリアス名「PID1」に対して、有効なサーバインデックスが「SA11」から、「SA40」に変わったことを示す「Model Change Event」を取得すると、「OPC Server名(OPC UA Server名と同様)」に設定されたOPC UA Server名を、サーバインデックス「SA11」に紐づいた名前から、「SA40」に紐づいた名前に更新する。
【0073】
図示を省略するが、監視制御アプリケーション30は、タグ名「PID1」の配下60の全てのアイテム名の配下に含まれる「OPC Server名」に設定されたOPC UA Server名を、サーバインデックス「SA11」に紐づいた名前から、「SA40」に紐づいた名前に更新する。これによって、監視制御アプリケーション30は、変更されたタグ「PID1」に対しては、コントローラ40(新しいOPC UA Server)と通信するようになる。
【0074】
なお、各タグに関する情報は、監視制御アプリケーション30のGateway31に設定される。
【0075】
(システム移行状況監視機能について)
続いて、システム移行状況監視機能について説明する。たとえば、システム移行状況監視機能は、システム移行の進捗状況を一覧として表示する画面を提供する。システム移行状況監視機能は、タグ情報提供サーバ100が有する機能である。以下の説明では、システム移行の進捗状況を一覧として表示する画面を「進捗状況画面」と表記する。
【0076】
図10は、進捗状況画面の一例を示す図である。図10に示すように、進捗状況画面70には、タグ名、移行ステータス、OPC UA Server名、最新のプロセス値、データ更新タイムスタンプ、品質識別データが含まれる。
【0077】
タグ名は、タグに割り付けられた文字列である。移行ステータスは、移行の状況を、マーカの色で表現する。OPC UA Server名は、タグ名に対応するタグを配下に持つOPC UA Serverの名前であり、たとえば、既設システム10の通信中継装置11および新設システム20のコントローラ40が設定される。最新のプロセス値は、タグ名に対応するタグに対応する最新のプロセス値である。データ更新タイムスタンプを該当データが更新された時間に関する情報(年、月、日付、時間等)を示す。品質識別データに関する説明は、上記の説明と同様である。図10の説明では、既設システム10のコントローラ5に設定されたタグを「既設タグ」と表記し、新設システム20のコントローラ40に設定されたタグを「新設タグ」と表記する。
【0078】
タグ情報提供サーバ100は、既設タグに対応する品質識別データが「BAD」、かつ、新設タグに対応する品質識別データが「GOOD」となる場合に、新設タグで正常通信できていると判定する。タグ情報提供サーバ100は、新設タグで正常通信できている、つまり移行が完了しているタグの場合、移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を第1の色(たとえば、緑色)で表示する。たとえば、タグ情報提供サーバ100は、進捗状況画面70のタグ名「AI1」、「AO1」については、既設システム10から新設システム20に移行が完了しており、マーカ71,72の背景色を第1の色で表示する。
【0079】
タグ情報提供サーバ100は、既設タグに対応する品質識別データが「GOOD」、かつ、新設タグに対応する品質識別データが「BAD」となる場合に、既設タグで正常通信できていると判定する。タグ情報提供サーバ100は、既設タグで正常通信できている、つまり移行を始めていないタグの場合、移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を第2の色(たとえば、黄色)で表現する。たとえば、タグ情報提供サーバ100は、進捗状況画面70のタグ名「AI2」については、既設システム10から移行が開始されておらず、マーカ73の背景色を第2の色で表示する。
【0080】
タグ情報提供サーバ100は、既設タグに対応する品質識別データが「BAD」、かつ、新設タグに対応する品質識別データが「BAD」となる場合に、新設タグおよび既設タグにおいて正常通信できていないと判定する。タグ情報提供サーバ100は、新設タグおよび既設タグにおいて正常通信できていない、つまり移行中のタグの場合、移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を第3の色「たとえば、オレンジ色」で表示する。たとえば、タグ情報提供サーバ100は、進捗状況画面70のタグ名「AO2」については、新設タグおよび既設タグにおいて正常通信できておらず、マーカ74aの背景色を第3の色で表示する。
【0081】
更に、タグ情報提供サーバ100は、既設タグに対応する品質識別データが「BAD」、かつ、新設タグに対応する品質識別データが「BAD」となる期間が、所定時間(たとえば、デフォルト値を60秒とする)以上継続した場合、移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を、第4の色「たとえば、赤色」と第5の色「たとえば、黒色」で500ミリ秒毎にブリンキングさせる。たとえば、タグ情報提供サーバ100は、進捗状況画面70のタグ名「AO2」について、既設タグに対応する品質識別データが「BAD」、かつ、新設タグに対応する品質識別データが「BAD」となる期間が、所定時間以上継続した場合、マーカ74bの背景色を第4の色、第5の色でブリンキングさせる。
【0082】
図10では、説明の便宜上、マーカ74aと、マーカ74bとを別々に示したが、進捗状況画面70のタグ名「AO2」に対応するマーカは、他のタグ名に対応するマーカと同様にして、一つである。
【0083】
作業員は、システム移行状況監視機能によって表示される進捗状況画面70を参照することで、作業の進捗状態を素早く認識でき、予定通りにシステム移行を終わらせることに貢献できる。
【0084】
(タグ情報提供サーバ100の機能構成)
次に、図6に示したタグ情報提供サーバ100の構成例について説明する。図11は、本実施形態に係るタグ情報提供サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。図11に示すように、タグ情報提供サーバ100は、通信部110、入力部120、表示部130、記憶部140、制御部150を有する。なお、タグ情報提供サーバ100が有する機能部は、図示したものに限られず、他の機能部を有していてもよい。なお、タグ情報提供サーバ100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよい。タグ情報提供サーバ100は、「管理装置」の一例である。
【0085】
通信部110は、既設システム10の通信中継装置11、新設システムの監視制御アプリケーション30、コントローラ40とデータ通信を実行する。
【0086】
入力部120は、タグ情報提供サーバ100の制御部150に各種の情報を入力する。入力部120は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
【0087】
表示部130は、タグ情報提供サーバ100の制御部150から出力される情報を表示する。たとえば、表示部130は、図10で説明した進捗状況画面70を表示する。
【0088】
記憶部140は、タグ情報テーブル141、情報管理テーブル142を記憶する。記憶部140は、メモリやハードディスクなどにより実現される。
【0089】
タグ情報テーブル141は、エイリアス名と、サーバインデックスと、そのサーバインデックスに紐づいたOPC UA Server名とを対応付けて記憶する。タグ情報テーブル141に関する説明は、図7を用いて説明した内容と同様である。
【0090】
情報管理テーブル142は、既設システム10のコントローラ5および新設システム20のコントローラ40からの得られる情報を保持するテーブルである。図12は、情報管理テーブル142の一例を示す図である。図12に示すように、情報管理テーブル142は、エイリアス名、サーバインデックス、品質識別データ、最新のプロセス値、データ更新タイムスタンプを有する。エイリアス名、サーバインデックスに関する説明は、図7で説明した内容と同様である。品質識別データ、最新のプロセス値、データ更新タイムスタンプに関する説明は、図10で説明した内容と同様である。
【0091】
制御部150は、タグ情報提供サーバ100全体を司る処理部であり、たとえばプロセッサなどにより実現される。この制御部150は、タグ情報提供部151と、変化通知部152と、システム移行状況監視部153とを有する。タグ情報提供部151は、「取得部」の一例である。システム移行状況監視部153は、表示制御部の一例である。
【0092】
タグ情報提供部151は、上述した「タグ情報提供機能」で説明した処理を実行し、I/Oおよび機能ブロックのタグ情報を監視制御アプリケーション30に提供する。
【0093】
タグ情報提供部151は、既設システム10の通信中継装置11、および、新設システム20のコントローラ40と通信を行い、タグに関する各種情報を取得する。たとえば、タグに関する各種情報には、エイリアス名、サーバインデックス(OPC UA Server名を含む)、品質識別データ、最新のプロセス値、データ更新タイムスタンプが設定される。タグ情報提供部151は、取得したタグ情報を、情報管理テーブル142に登録する。なお、タグに関する各種情報には、上記以外の情報が含まれていてもよい。
【0094】
タグ情報提供部151は、情報管理テーブル142に登録されたエイリアス名と、サーバインデックスとの関係を、タグ情報テーブル141に設定する。タグ情報提供部151は、タグ情報テーブル141の情報を、監視制御アプリケーション30に提供する。
【0095】
タグ情報提供部151は、既設システム10の通信中継装置11、および、新設システム20のコントローラ40と通信を行い、タグに関する各種情報を取得する度に、上記処理を繰り返し実行する。タグ情報提供部151に関するその他の説明は、上述した「タグ情報提供機能」の説明と同様である。
【0096】
変化通知部152は、上述した「変化通知機能」で説明した処理を実行し、有用なタグの存在場所が変わったとき、かかる変化を監視制御アプリケーション30に通知する。
【0097】
変化通知部152は、情報管理テーブル142を基にして、特定のエイリアス名に対して、あるサーバインデックス(たとえば、SA11)が、他のサーバインデックス(SA40)に変わったことを検知すると、特定のエイリアス名に対するサーバインデックスであって、変化後のサーバインデックスの情報を、監視制御アプリケーション30に通知する。たとえば、変化通知部152は、特定のエイリアス名と、変化後のサーバインデックスとの情報を設定した「Model Change Event」を通信ネットワークにマルチキャストする。
【0098】
変化通知部152は、情報管理テーブル142が更新される度に、上記処理を繰り返し実行する。変化通知部152に関するその他の説明は、上述した「変化通知機能」の説明と同様である。
【0099】
システム移行状況監視部153は、上述した「システム移行状況監視機能」で説明した処理を実行し、表示部130に、進捗状況画面70を表示させる。
【0100】
システム移行状況監視部153は、情報管理テーブル142を基にして、タグ名(エイリアス名)に関する移行の状況を特定し、移行の状況を正方形マーカの色で表現する。
【0101】
たとえば、システム移行状況監視部153は、あるタグ名に関し、サーバインデックス「SA11」に対応する品質識別データが「BAD」であり、サーバインデックス「SA40」に対応する品質識別データが「GOOD」となる場合には、該当タグの移行が完了したとして、あるタグ名の移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を第1の色(たとえば、緑色)で表示する。
【0102】
システム移行状況監視部153は、あるタグ名に関し、サーバインデックス「SA11」に対応する品質識別データが「GOOD」であり、サーバインデックス「SA40」に対応する品質識別データが「BAD」となる場合には、該当タグの移行を始めていないとして、あるタグ名の移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を第2の色(たとえば、黄色)で表示する。
【0103】
システム移行状況監視部153は、あるタグ名に関し、サーバインデックス「SA11」に対応する品質識別データが「BAD」であり、サーバインデックス「SA40」に対応する品質識別データが「BAD」となる場合には、該当タグが移行中であるとして、あるタグ名の移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を第3の色(たとえば、オレンジ色)で表示する。
【0104】
システム移行状況監視部153は、あるタグ名に関し、サーバインデックス「SA11」に対応する品質識別データが「BAD」であり、サーバインデックス「SA40」に対応する品質識別データが「BAD」となる期間が、所定時間(たとえば、デフォルト値を60秒とする)以上継続した場合、あるタグの移行ステータスを示す正方形マーカの背景色を、第4の色「たとえば、赤色」と第5の色「たとえば、黒色」で500ミリ秒毎にブリンキングさせる。
【0105】
システム移行状況監視部153に関するその他の説明は、上述した「システム移行状況監視機能」の説明と同様である。
【0106】
(監視制御アプリケーションの機能を有する装置の機能構成)
次に、監視制御アプリケーション30の機能を有する装置の機能構成について説明する。ここでは、監視制御アプリケーション30の機能を有する装置を、「制御装置200」として説明を行う。なお、制御装置200は、複数のコンピュータで実現してもよいし、仮想マシンとして、実現してもよい。
【0107】
図13は、本実施形態に係る制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、制御装置200は、Gateway210、入力部220、表示部230、記憶部240、制御部250を有する。
【0108】
Gateway210は、OPC UA Server、または、OPC UA Client等であり、上述したGateway31に対応する。
【0109】
入力部220は、制御装置200の制御部250に各種の情報を入力する。入力部220は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
【0110】
表示部230は、制御装置200の制御部250から出力される情報を表示する。たとえば、表示部230は、HMIによる操作画面や、Alarmsや、Trendsの情報を表示する。
【0111】
記憶部240は、制御部250で利用される各種のデータを記憶する。記憶部240は、メモリやハードディスクなどにより実現される。
【0112】
インターフェース提供部251は、HMIによる操作画面を、表示部230に表示させる。また、インターフェース提供部251は、Alarmsや、Trendsの情報を、表示部230に表示させる。
【0113】
インターフェース提供部251は、Gateway210を介して、通信中継装置11またはコントローラ40に接続し、有効なタグへのアクセスを可能とする。たとえば、Gateway210には、図9で説明したように、タグ名と、かかるタグ名に対応するサーバインデックスとの関係が設定されており、Gateway210は、係る情報を基にして、インターフェース提供部251の接続先を切り替える。
【0114】
たとえば、Gateway210に、タグ名(エイリアス名)「PID1」に対応するサーバインデックスとして「SA11」が設定されているものとする。この場合、インターフェース提供部251は、タグ名(エイリアス名)「PID1」に対応する有効なタグにアクセスする場合、Gateway210によって、接続先が通信中継装置11となり、通信中継装置11を介して、コントローラ5のタグ(PID1のタグ)にアクセスする。
【0115】
一方、Gateway210に、タグ名(エイリアス名)「PID1」に対応するサーバインデックスとして「SA40」が設定されているものとする。この場合、インターフェース提供部251は、タグ名(エイリアス名)「PID1」に対応する有効なタグにアクセスする場合、Gateway210によって、接続先がコントローラ40となり、コントローラ40のタグ(PID1のタグ)にアクセスする。
【0116】
実行処理部252は、図2等で説明した各種のアプリケーションソフトウェア32に対応する機能を有する。
【0117】
設定変更部253は、上述した「設定変更機能」で説明した処理を実行し、タグに対応しているサーバインデックスが変わったことを捉えて、Gateway210に設定されているタグ名に対応するOPC UA Server名を変更する。
【0118】
設定変更部253は、タグ情報提供サーバ100から送信されるModel Change Eventを受信し、タグ名(エイリアス名)に対応するサーバインデックスが変更された場合に、変更後のサーバインデックスを設定する。
【0119】
たとえば、設定変更部253は、タグ情報提供サーバ100から、エイリアス名「PID1」に対して、有効なサーバインデックスが「SA11」から、「SA40」に変わったことを示す「Model Change Event」を取得すると、「OPC Server名(OPC UA Server名と同様)」に設定されたOPC UA Server名を、サーバインデックス「SA11」に紐づいた名前から、「SA40」に紐づいた名前に更新する。また、設定変更部253は、タグ名「PID1」の配下60の全てのアイテム名の配下に含まれる「OPC Server名」に設定されたOPC UA Server名を、サーバインデックス「SA11」に紐づいた名前から、「SA40」に紐づいた名前に更新する。
【0120】
設定変更部253に関するその他の説明は、上述した「設定変更機能」の説明と同様である。
【0121】
(処理の流れ)
次に、本実施形態のタグ情報提供サーバ100の処理の流れについて説明する。図14は、本実施形態のタグ情報提供サーバ100の処理の流れを示すフローチャートである。図14に示すように、タグ情報提供サーバ100のタグ情報提供部151は、既設システム10の通信中継装置11および新設システム20のコントローラ40と通信を行い、タグに関する各種情報を取得し、取得した各種情報を、情報管理テーブル142に登録する(ステップS101)。
【0122】
タグ情報提供サーバ100は、情報管理テーブル142を基にして、エイリアス名とサーバインデックスとの関係を特定し、タグ情報テーブル141を更新する(ステップS102)。タグ情報提供サーバ100は、タグ情報テーブル141の情報を、監視制御アプリケーション30(制御装置200)に通知する(ステップS103)。
【0123】
タグ情報提供サーバ100の変化通知部152は、情報管理テーブル142を基にして、特定のエイリアス名に対して、通信中継装置11のサーバインデックスが、コントローラ40のサーバインデックスに変化したか否かを判定する(ステップS104)。
【0124】
変化通知部152は、変化した場合には(ステップS105,Yes)、変化後のサーバインデックスと特定のエイリアス名との関係を設定したModel Change Eventを通信ネットワークにマルチキャストする(ステップS106)。一方、変化通知部152は、変化していない場合には(ステップS105,No)、ステップS107に移行する。
【0125】
タグ情報提供サーバ100のシステム移行状況監視部153は、情報管理テーブル142を基にして、進捗状況画面70を生成する(ステップS107)。システム移行状況監視部153は、進捗状況画面70を表示部130に表示させる(ステップS108)。
【0126】
タグ情報提供サーバ100は、処理を継続する場合には(ステップS109,Yes)、ステップS101に移行する。一方、タグ情報提供サーバ100は、処理を継続しない場合には(ステップS109,No)、処理を終了する。
【0127】
(効果)
次に、本実施形態に係る情報提供システムの効果について説明する。情報提供システムのタグ情報提供サーバ100は、既設システム10のコントローラ5のコンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、新設システム20のコントローラ40のコンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を受信する。タグ情報提供サーバ100は、第1タグ情報および第2タグ情報を基にして、有効なタグが第1タグから第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を監視制御アプリケーション30(制御装置200)に通知する。情報提供システムの制御装置200は、タグ情報提供サーバ100の検出結果を基にして、有効なタグへのアクセス先を、コントローラ40に変更する。これによって、既設システム10から新設システム20への移行を効率よく実施することを支援することができる。
【0128】
また、情報提供システムによれば、タグ名の割付変更を自動的に、かつ、短期間で行うので、制御再開に係る遅れ時間は、現場の配線の繋ぎ変え時間のみとなり、プラントのシャットダウンのリスクを軽減することができる。
【0129】
また、情報提供システムによれば、ループの移行時間を短縮でき、プラントの操作監視オペレータのストレスを軽減できる。
【0130】
また、情報提供システムによれば、HMIによる操作画面のタグ名の移行が自動的に行われるので、既設システム10から新設システム20への移行に要する時間を短縮できる。
【0131】
また、情報提供システムによれば、既設システム10から新設システム20への移行期間中に、一貫性のあるプラントの操作監視環境を提供でき、不測のイベントが発生した場合でも、カットオーバー中のタグを除いて、普段と変わらない対応が可能である。
【0132】
また、既設システム10には、通信中継装置11が配置され、タグ情報提供サーバ100は、通信中継装置11から、第1タグに関する各種情報(サーバインデックス、タグ名(エイリアス名)、品質識別データ)を取得し、コントローラ40から、第2タグに関する各種情報(サーバインデックス、タグ名(エイリアス名)、品質識別データ)を取得する。これによって、タグ情報提供サーバ100は、既設システム10のコントローラ5のタグの状況と、新設システム20のコントローラ40のタグの状況を容易に把握することができる。
【0133】
タグ情報提供サーバ100は、第1タグの通信品質と、第2タグの通信品質とを基にして、同一の識別情報に対応するタグが、第1タグから第2タグに変化したか否かを検出する。たとえば、タグ情報提供サーバ100は、第1タグ情報に含まれる通信品質よりも、第2タグ情報に含まれる通信品質の方が良い通信品質の場合に、同一の識別情報に対応するタグが、第1タグから第2タグへの変化を検出する。これによって、有効なタグの変化を適切に特定することができる。
【0134】
制御装置200は、第1タグから第2タグに変化したか否かを検出すると、同一の識別情報に対応するタグへのアクセス先を、通信中継装置11から、コントローラ40に変更する。これによって、新設システム20のオペレータは、操作画面によって、移行先のタグに容易にアクセスできる。
【0135】
タグ情報提供サーバ100は、第1タグから第2タグへの移行状況(たとえば、進捗状況画面70)を表示する。これによって、ホットカットオーバー手法によるシステム移行プロジェクトに関わる管理者等は、タグの移行状況を容易に把握することができる。
【0136】
(ハードウェア)
次に、タグ情報提供サーバ100のハードウェア構成例を説明する。図15は、ハードウェア構成例を説明する図である。図15に示すように、タグ情報提供サーバ100は、通信装置6a、HDD(Hard Disk Drive)6b、メモリ6c、プロセッサ6dを有する。また、図15に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0137】
通信装置6aは、既設システム10の通信中継装置11、新設システム20の監視制御アプリケーション30、コントローラ40等との通信を行う。HDD6bは、図11に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0138】
プロセッサ6dは、図11に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD6b等から読み出してメモリ6cに展開することで、図11等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。たとえば、このプロセスは、タグ情報提供サーバ100が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ6dは、タグ情報提供部151、変化通知部152、システム移行状況監視部153等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0139】
このように、タグ情報提供サーバ100は、プログラムを読み出して実行することで情報提供方法を実行するタグ情報提供サーバとして動作する。また、タグ情報提供サーバ100は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、タグ情報提供サーバ100によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0140】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0141】
(その他)
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0142】
(1)プラントの機器を制御するコントローラのコンポーネントに設定されたタグにアクセスする操作画面を提供する制御装置と、前記タグの情報を管理する管理装置とを有する情報提供システムであって、
前記管理装置は、
第1システムから、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、第2システムから、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得する取得部と、
前記第1タグ情報および前記第2タグ情報を基にして、有効なタグが前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を前記制御装置に通知する変化通知部と、を有し、
前記制御装置は、
前記検出結果を基にして、前記有効なタグへのアクセス先を、前記第2コントローラに変更する設定変更部と、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【0143】
(2)前記第1システムは、前記制御装置と前記第1コントローラとの間の通信を中継する通信中継装置を更に有することを特徴とする(1)に記載の情報提供システム。
【0144】
(3)前記取得部は、前記第1タグ情報として、前記通信中継装置から、前記通信中継装置の識別情報、前記第1タグの識別情報、前記第1タグに関する通信品質を取得することを特徴とする(2)に記載の情報提供システム。
【0145】
(4)前記取得部は、前記第2タグ情報として、前記第2コントローラから、前記第2コントローラの識別情報、前記第2タグの識別情報、前記第2タグに関する通信品質を取得することを特徴とする(3)に記載の情報提供システム。
【0146】
(5)前記変化通知部は、前記第1タグ情報に含まれる通信品質と、前記第2タグ情報に含まれる通信品質とを基にして、同一の識別情報に対応するタグが、前記第1タグから第2タグに変化したか否かを検出することを特徴とする(4)に記載の情報提供システム。
【0147】
(6)前記変化通知部は、前記第1タグ情報に含まれる通信品質よりも、前記第2タグ情報に含まれる通信品質の方が良い通信品質の場合に、前記同一の識別情報に対応するタグが、前記第1タグから前記第2タグへの変化を検出することを特徴とする(5)に記載の情報提供システム。
【0148】
(7)前記設定変更部は、前記検出結果を基にして、前記同一の識別情報に対応するタグへのアクセス先を、前記通信中継装置から、前記第2コントローラに変更することを特徴とする(5)または(6)に記載の情報提供システム。
【0149】
(8)前記管理装置は、前記第1タグから前記第2タグへの移行状況を表示する表示制御部を更に有することを特徴とする(1)~(7)の何れか一つに記載の情報提供システム。
【0150】
(9)プラントの機器を制御するコントローラのコンポーネントに設定されたタグにアクセスする操作画面を提供する制御装置と、前記タグの情報を管理する管理装置とを有する情報提供システムの情報提供方法であって、
前記管理装置が、第1システムから、第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、
前記管理装置が、第2システムから、第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得し、
前記管理装置が、前記第1タグ情報および前記第2タグ情報を基にして、有効なタグが前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を前記制御装置に通知し、
前記制御装置が、前記検出結果を基にして、前記有効なタグへのアクセス先を、前記第2コントローラに変更する、
処理を実行する情報提供方法。
【0151】
(10)コンピュータに、
第1システムから、プラントの機器を制御する第1コントローラの第1コンポーネントに設定された第1タグに関する第1タグ情報を受信し、
第2システムから、前記プラントの機器を制御する第2コントローラの第2コンポーネントに設定された第2タグに関する第2タグ情報を取得し、
前記第1タグ情報および前記第2タグ情報を基にして、有効なタグが前記第1タグから前記第2タグに変化したか否かを検出し、検出結果を制御装置に通知する
処理を実行させる情報提供プログラム。
【符号の説明】
【0152】
1 プラント
2a,2b,2c,2d 機器
5,40 コントローラ
10 既設システム
11 通信中継装置
20 新設システム
30 監視制御アプリケーション
31,210 Gateway
50 プロセスシミュレータ
70 進捗状況画面
100 タグ情報提供サーバ
110 通信部
120,220 入力部
130,230 表示部
140,240 記憶部
141 タグ情報テーブル
142 情報管理テーブル
150,250 制御部
151 タグ情報提供部
152 変化通知部
153 システム移行状況監視部
200 制御装置
251 インターフェース提供部
252 実行処理部
253 設定変更部
図1
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