(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025072289
(43)【公開日】2025-05-09
(54)【発明の名称】ビルドプレートから付加部品を取り外すためのキャビティプラグ
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20250430BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20250430BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20250430BHJP
【FI】
F02C7/00 D
F01D25/00 X
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024154665
(22)【出願日】2024-09-09
(31)【優先権主張番号】18/479,173
(32)【優先日】2023-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バートン、ブライアン イー.
(72)【発明者】
【氏名】モリッカ、ティモシー エム.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本出願は、付加製造システムで製造された部品の第1の壁を貫通するキャビティ用のキャビティプラグを提供する。
【解決手段】前記キャビティプラグ(370)は、外側シェル(380)、前記部品の第1の壁を貫通するキャビティを封止する大きさを有する第1のシール、及び前記外側シェル(380)内に配置されたロッキング機構(450)を含む。前記ロッキング機構(450)は、前記第1の壁に係合して前記キャビティプラグ(370)に適切な位置で封止を行わせるロッキングアーム(460)を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造システム(100)で製造された部品(110)の第1の壁(320)を貫通するキャビティ(360)用のキャビティプラグ(370)であって、前記キャビティプラグ(370)は、
外側シェル(380)、
前記部品(110)の第1の壁(320)を貫通するキャビティ(360)を封止する大きさを有する第1のシール(410)、及び
前記外側シェル(380)内に配置されたロッキング機構(450)
を含み、
前記ロッキング機構(450)は、前記第1の壁(320)に係合して前記キャビティプラグ(370)に適切な位置で封止を行わせるロッキングアーム(460)を含む、キャビティプラグ。
【請求項2】
前記外側シェル(380)は、上蓋(400)を含み、前記第1のシールは前記上蓋の周りに配置される、請求項1に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項3】
前記外側シェル(380)は第1の直径を有し、前記上蓋(400)は第2の直径を有し、前記第2の直径は第1の直径よりも長い、請求項2に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項4】
前記部品(110)は第2の壁(330)を含み、前記キャビティ(360)は前記第2の壁を貫通し、前記外側シェル(380)は、前記部品(110)の第2の壁(330)を貫通するキャビティ(360)を封止する大きさを有する第2のシール(440)を含む、請求項1に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項5】
前記外側シェル(380)は底部フランジ(430)を有し、前記第2のシール(440)は前記底部フランジ(430)の周りに配置されている、請求項4に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項6】
前記外側シェル(380)は第1の直径を有し、前記底部フランジ(430)は第2の直径を有し、前記第2の直径は前記第1の直径よりも短い、請求項5に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項7】
前記ロッキングアーム(460)は、一対のロッキングアーム(460)を含む、請求項1に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項8】
前記外側シェル(380)は一対のピボットスロット(480)を含み、前記一対のロッキングアーム(460)は前記ピボットスロット(480)内で枢動する、請求項7に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項9】
前記一対のロッキングアーム(460)の各ロッキングアームは、ピボットロッド(470)を中心に枢動する、請求項8に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項10】
前記ロッキング機構(450)は、前記一対のロッキングアーム(460)に動力を伝えるピボットスプリング(490)を含む、請求項7に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項11】
前記ロッキング機構(450)は、前記ピボットスプリング(490)に動力を伝えるロッキングボルト(500)を含む、請求項10に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項12】
前記ロッキングボルト(500)はハンドル(510)を含む、請求項11に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項13】
前記部品(110)は燃料噴射器(300)を含む、請求項1に記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項14】
前記部品(110)はマイクロ混合噴射器(310)を含む、請求項1記載のキャビティプラグ(370)。
【請求項15】
付加製造システム(100)で、キャビティ(360)を有する部品(110)を製造する方法であって、
前記付加製造システム(100)のビルドプレート(120)上で前記部品(110)を形成すること、
キャビティプラグ(370)を前記キャビティ(360)に挿入して前記キャビティ(360)を封止すること、
一対のロッキングアーム(460)によって、前記キャビティプラグ(370)を前記キャビティ(360)に対して適切な位置にロックすること、及び
前記部品(110)を前記ビルドプレート(120)から取り外すこと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及びその結果として得られる特許は、一般に、付加製造システムに関し、より詳細には、付加部品がビルドプレートから取り外される際に付加部品の内部キャビティの汚染を防止するためのキャビティプラグなどの封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造システムを使用して複雑な部品を構築することができる。付加製造システムは、粉末材料を所定の領域に連続的に積層し、粉末材料に対して材料変化プロセス(焼結又は溶融など)を実行することによって、そのような部品を構築することができる。材料変化プロセスは、粉末材料の物理的状態を粒状組成物から固体材料に変化させ、部品を構築することができる。付加製造システムを用いて製造された部品は、典型的には原材料などに対して機械加工を実行することによって製造される従来の部品とほぼ同じ物理的属性を有することができる。
【0003】
従来の付加製造システムは、一般に、大きな固体のビルドプレート上に部品を製造する。従来のビルドプレート上で製造された多くの部品には、部品に形成されたキャビティ又は空隙が含まれることがある。部品を、例えば、鋸又はワイヤEDMによってビルドプレートから取り外すと、相当量の削りくず(即ち、金属片、粒子、研磨片、及び他の種類のデブリ)がキャビティに入り込む恐れがある。このような内部汚染が生じると、流体がキャビティを流れることが阻止される又は妨げられ、性能に悪影響を及ぼす恐れがある。その結果、このような汚染を除去するには、後処理および検査に時間が掛かり、費用も掛かることがある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本出願及びその結果として得られる特許は、付加製造システムで製造された部品の第1の壁を貫通するキャビティ用のキャビティプラグを提供する。前記キャビティプラグは、外側シェル、前記部品の第1の壁を貫通するキャビティを封止する大きさを有する第1のシール、及び前記外側シェル内に配置されたロッキング機構を含む。前記ロッキング機構は、前記第1の壁に係合して前記キャビティプラグに適切な位置で封止を行わせるロッキングアームを含む。
【0005】
本出願及びその結果として得られる特許は、更に、付加製造システムでキャビティを有する部品を製造する方法を提供する。本方法は、前記付加製造システムのビルドプレート上で前記部品を形成するステップ、キャビティプラグを前記キャビティに挿入して前記キャビティを封止するステップ、一対のロッキングアームによって、前記キャビティプラグを前記キャビティに対して適切な位置にロックすること、及び前記部品を前記ビルドプレートから取り外すことを含むことができる。
【0006】
本出願及びその結果として得られる特許は、更に、キャビティを有する部品を製造する付加製造システムを提供する。付加製造システムは、ビルドプレートであって、前記ビルドプレートの上で前記部品を製造するためのビルドプレートと、前記キャビティを封止するキャビティプラグとを含む。前記キャビティプラグは、前記キャビティ内で前記キャビティプラグに封止を行わせるために、一対のシールと、一対のロッキングアームを有するロッキング機構とを含む。
【0007】
本出願及びその結果として得られる特許の上記の及び他の特徴及び改良点は、いくつかの図面及び特許請求の範囲と併せて、以下の発明を実施するための形態を検討することにより当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】圧縮機、燃焼器、タービン、及び外部負荷を含むガスタービンエンジンの概略図である。
【
図2】
図1のガスタービンエンジンと共に使用することができる燃焼器の概略図である。
【
図3】制御システムを含む付加製造システムのブロック図である。
【
図4】キャビティプラグが部分的に取り付けられたマイクロ混合噴射器の中央キャビティの斜視図である。
【
図5】キャビティプラグが取り付けられたマイクロ混合噴射器の斜視図である。
【
図6】本明細書に記載のキャビティプラグの正面斜視図である。
【
図7】
図6のキャビティプラグの側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面を参照すると、いくつかの図において、同種類の数字は同種類の要素を表しており、
図1は、本明細書に記載されるガスタービンエンジン10の概略図を示す。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことができる。圧縮機15は、流入する空気流20を圧縮する。圧縮機15は、圧縮された空気流20を幾つかの燃焼器缶25に供給する。燃焼器缶25は、圧縮された空気流20を加圧された燃料流30と混合し、混合物に点火して高温の燃焼ガス流35を生成する。単一の燃焼器缶25のみが示されているが、ガスタービンエンジン10は、周方向アレイに配置された任意の数の燃焼器缶25などを含むことができる。あるいは、燃焼器25は環状型燃焼器であってもよい。燃焼ガス流35は、タービン40に送られる。燃焼ガス流35によって、タービン40が駆動され機械的な仕事が発生する。タービン40で発生した機械的な仕事は、ロータシャフト45を介して圧縮機15を駆動する。タービン40およびロータシャフト45は、外部負荷50(発電機など)を駆動することもできる。
【0010】
ガスタービンエンジン10は、天然ガス、様々な種類の合成ガス、水素燃料、液体燃料、並びに/又は他の種類の燃料およびそれらの混合物を使用することができる。ガスタービンエンジン10は、ニューヨーク州シェネクタディのGeneral Electric Companyによって提供される幾つかの異なるガスタービンエンジンのうちのいずれかのガスタービンエンジン(7シリーズ又は9シリーズのヘビーデューティガスタービンエンジン、ならびにLM6000及びLM9000の航空転用ガスタービンエンジンなどであるが、これらに限定されることはない)とすることができる。ガスタービンエンジン10は、単純サイクル発電システムの一部であってもよいし、複合サイクル発電システムの一部であってもよいし、他の種類の発電システムの一部であってもよい。ガスタービンエンジン10は、他の構成を有することができ、他の種類の部品を使用してもよい。本明細書では、他の種類のガスタービンエンジンを使用することもできる。本明細書において、複数のガスタービンエンジン、他の種類のタービン、及び他の種類の発電装置を一緒に使用することもできる。
【0011】
図2は、燃焼器25の部分断面図である。燃焼器25は、幾つかの燃料噴射器52を組み込むことができる。燃料噴射器52は、燃料ノズルアセンブリ53に結合することができる。この例では、燃料噴射器52は、束ねられたチューブ燃料噴射器などとすることができる。燃焼器25は、少なくとも部分的に外側ケーシング54に囲まれている。外側ケーシング54は、燃焼器25の周囲に高圧プレナム56を形成する。高圧プレナム56は、空気流20を燃焼器25に供給する圧縮機15又は他の供給源と流体連通することができる。エンドカバー58が外側ケーシング54に結合されている。エンドカバー58は、燃料流30と流体連通することができる。
【0012】
燃料噴射器52は、エンドカバー58から下流側に延在している。燃料噴射器52は、燃料流30が流れ込むようにエンドカバー58に流体連通することができる。例えば、流体導管60によって、エンドカバー58と燃料噴射器52との間に流体連通を形成することができる。環状ライナ62(燃焼ライナ及び/又は移行ダクトなど)の一端は、燃焼室66を少なくとも部分的に画定するように、燃料噴射器52の下流端64を取り囲む。ライナ62は、燃焼室66から燃焼ガス35を導くための高温ガス経路68を画定する。
【0013】
動作においては、空気流20は、エンドカバー58に向かって流れ、空気流20はエンドカバー58で方向を反転して、複数の燃料噴射器52のうちの1つ以上の燃料噴射器52を流れる。燃料流30は、燃料噴射器52に供給され、燃料流30と空気流20は、燃料噴射器52内で予混合され又は混ざり合い、その後に、燃焼室66に噴射され、燃焼する。
【0014】
図3は、造形プラットフォーム130に配置された造形プレート120上で部品110を製造するための例示的なコンピュータ付加製造システム100の概略図/ブロック図である。付加製造システム100を使用して、部品110(燃料噴射器52及び他の種類の高温ガス経路部品など)を製造することができる。この例では、付加製造システム100は、直接金属レーザ溶融(DMLM)(即ち、金属粉末付加製造プロセス)用に設計されている。本開示の一般的な教示は、他の形態の付加製造(バインダージェット、Eビームなど)にも等しく適用可能であることが理解される。付加製造システム100は、一般に、コンピュータ付加製造制御システム140と、付加製造プリンタ150とを含んでいる。付加製造システム100は、付加製造プリンタ150を用いてビルドプレート120上に部品110を物理的に生成するために、コンピュータ実行可能命令のセットを含むコード160を実行する。各付加製造プロセスでは、例えば微細粒金属粉末175の形態の異なる原料を使用することができ、そのストックは付加製造プリンタ150のチャンバ170に保持することができる。例えば、部品110は、金属又は金属合金で作ることができる。アプリケータ180は、ブランクキャンバスとして広がる原料190の薄層を形成し、最終部品110の各連続スライスを形成することができる。図示の例では、レーザ又は電子ビーム200は、ビルドプレート120の上方に配置されており、コード160によって定義されるように、各スライスに対して粒子を溶融させる。1つのレーザ又は電子ビーム200が示されているが、付加製造システム100は任意の数のレーザ又は電子ビームを含んでもよいことが理解される。付加製造プリンタ150の様々な部品は、各新しい層の追加に適応するように移動することができる。
【0015】
付加製造制御システム140は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ210に実装されるものとして示されている。ここで、コンピュータ210は、メモリ220、プロセッサ230、入出力(I/O)インターフェース240、及びバス250を含むように示されている。さらに、コンピュータ210は、外部I/Oデバイス/リソース260及び外部記憶システム270と通信するように示されている。一般に、プロセッサ230は、部品110を表現するコード160からの指示の下で、メモリ220及び/又は記憶システム270に記憶することができるコンピュータプログラムコード(付加製造制御システム140など)を実行する。コンピュータ210は、本明細書で使用することができるハードウェア及びソフトウェアの考えられる様々な組合せの代表的なものに過ぎない。
【0016】
付加製造プロセスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ220、記憶システム270など)が部品110を表現するコード160を記憶することから始まる。前述のように、コード160は、部品110を定義するコンピュータ実行可能命令のセットを含んでおり、この命令のセットは、部品110を物理的に生成するために使用することができる。例えば、コード160は、部品110を正確に定義した3Dモデルを含むことができ、多種多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのうちのいずれかのCADソフトウェアシステムから生成することができる。付加製造システム100は、コード160を実行し、部品110を一連の薄いスライスに分割し、付加製造プリンタ150を使用して粉末の連続層で部品を組み立てる。DMLMの例では、各層は、コード160によって定義された正確な形状に溶融され又は焼結され、先に存在している層に融合することができる。その後、部品110は任意の様々な仕上げプロセス(例えば、簡単な機械加工、シーリング、研磨、別の部品に組み付けること、及び類似のプロセス)を受けることができる。
【0017】
図4及び
図5は、付加製造システム100によって製造された部品110を示す。この例では、部品は、上述した燃料噴射器52と同様の燃料噴射器300とすることができる。具体的には、燃料噴射器300は、プレ混合噴射器又はマイクロ混合噴射器310とすることができる。一般的に、マイクロ混合噴射器310は、第1のプレート又は壁320、第2のプレート又は壁330、及びその間の側壁340を有することができる。そして、幾つかのプレ混合管又はマイクロ混合管350が、第1の壁320から第2の壁330まで延在している。第1の壁320と第2の壁330との間には、中央キャビティ360が広がっている。マイクロ混合管350は、中央キャビティ360を取り囲んでいる。上述したように、部品110がビルドプレート120(
図5に示されている)から取り外されるとき、削りくず及び他のデブリが中央キャビティ360に入り込むことがある。このデブリは除去が困難であり、動作上の問題を引き起こす恐れがある。(一方、マイクロ混合管350は、第1の壁320から第2の壁330まで真っ直ぐに延びているため、清掃が容易である)。
【0018】
図5~
図8は、本明細書に記載されるキャビティプラグ370を示す。キャビティプラグ370は、マイクロ混合噴射器310の中央キャビティ360を充填及び封止する大きさとすることができる。キャビティプラグ370は、外側シェル380を含むことができる。外側シェル380は円筒形として示されているが、適切な形状とすることができる。外側シェル380は、実質的に剛性のある材料(ステンレス鋼など)で作ることができる。外側シェル380は、上蓋400及び上蓋シール410によって上端又は第1の端部390が覆われる。上蓋400及び上蓋シール410は、外側シェル380の直径よりも大きい直径であるが、マイクロ混合噴射器310の第1の壁320を貫通して中央キャビティ360の内部又は上部で封止することができる直径を有することができる。外側シェル380は、底部フランジ430及び底部フランジシール440によって第2の端部又は底部端部420を閉じる封止することができる。底部フランジ430及び底部フランジシール440は、外側シェル380の直径よりも小さい直径であるが、マイクロ混合噴射器310の第2の壁330を貫通して中央キャビティ360の内部で封止することができる直径を有することができる。シール410、440は、任意の実質的な可撓性及び/又は形状に適合する材料から作製することができる。本明細書では、他の部品及び他の構成を使用してもよい。
【0019】
キャビティプラグ370は、ロッキング機構450を含むことができる。ロッキング機構450は、一対のピボットロッキングアーム460を含むことができる。ロッキングアーム460は、壁320、330又は部品110の他の要素の形状に対応するように凹部を有する又は当該形状に合う外形を有することができる。各ロッキングアーム460は、ピボットロッド470を中心にして枢動することができる。ピボットロッド470は、外側シェル380に取り付けることができる。各ロッキングアーム460は、外側シェル380のピボットスロット480に沿って枢動することができる。ロッキングアーム460は、ピボットスプリング490によって動かすことができる。ピボットスプリング490は、ロッキングボルト500によって圧縮され、解放される。ロッキングボルト500は、回しやすいようにハンドル510を有することができる。他の種類の直線運動装置(空気圧シリンダ、油圧シリンダ、サーボなど)を使用することもできる。本明細書では、他の部品及び他の構成を使用することもできる。
【0020】
使用時には、マイクロ混合噴射器310又は他の種類の部品110は、上述のように付加製造システム100で製造される。マイクロ混合噴射器310がビルドプレート120から取り外される前に、キャビティプラグ370を、中央キャビティ360内に配置することができる。ロッキングボルト500を回すと、ロッキングアーム460がマイクロ混合噴射器310の第1の壁320の下で係合する。この動きにより、上蓋400と上蓋シール410が第1の壁320を貫通して中央キャビティ360の上部及び内部で係合するとともに、底部フランジ430および底部フランジシール440が第2の壁330を貫通して中央キャビティ360の上部及び内部で係合する。この引っ張り作用により、シール410、440が圧縮され、気密シールが形成される。マイクロ混合噴射器310は、中央キャビティ360を汚染してしまう恐れが生じることなく、ビルドプレート120から取り外すことができる、したがって、キャビティプラグ370を取り外すことができる。そして、マイクロ混合噴射器310は、必要に応じてさらに処理することができる。本明細書では、他の部品及び他の構成を使用してもよい。
【0021】
前述の記載は、本出願及び結果として得られる特許の特定の実施形態にのみ関することは明らかである。特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の一般的な趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者であれば本明細書において多数の変更及び修正を行うことができる。
【0022】
本発明のさらなる態様は、以下の実施形態によって提供される。
[実施形態1]
付加製造システムで製造された部品の第1の壁を貫通するキャビティ用のキャビティプラグであって、前記キャビティプラグは、外側シェル、前記部品の第1の壁を貫通するキャビティを封止する大きさを有する第1のシール、及び前記外側シェル内に配置されたロッキング機構を含み、前記ロッキング機構は、前記第1の壁に係合して前記キャビティプラグに適切な位置で封止を行わせるロッキングアームを含む、キャビティプラグ。
[実施形態2]
前記外側シェルは、上蓋を含み、前記第1のシールは前記上蓋の周りに配置される、実施形態1に記載のキャビティプラグ。
[実施形態3]
前記外側シェルは第1の直径を有し、前記上蓋は第2の直径を有し、前記第2の直径は第1の直径よりも長い、実施形態1又は2に記載のキャビティプラグ。
[実施形態4]
前記部品は第2の壁を含み、前記キャビティは前記第2の壁を貫通し、前記外側シェルは、前記部品の第2の壁を貫通するキャビティを封止する大きさを有する第2のシールを含む、実施形態1~3のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態5]
前記外側シェルは底部フランジを有し、前記第2のシールは前記底部フランジの周りに配置されている、実施形態1~4のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態6]
前記外側シェルは第1の直径を有し、前記底部フランジは第2の直径を有し、前記第2の直径は前記第1の直径よりも短い、実施形態1~5のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態7]
前記ロッキングアームは、一対のロッキングアームを含む、実施形態1~6のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態8]
前記外側シェルは一対のピボットスロットを含み、前記一対のロッキングアームは前記ピボットスロット内で枢動する、実施形態1~7のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態9]
前記一対のロッキングアームの各ロッキングアームは、ピボットロッドを中心に枢動する、実施形態1~8のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態10]
前記ロッキング機構は、前記一対のロッキングアームに動力を伝えるピボットスプリングを含む、実施形態1~9のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態11]
前記ロッキング機構は、前記ピボットスプリングに動力を伝えるロッキングボルトを含む、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態12]
前記ロッキングボルトはハンドルを含む、実施形態1~11のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態13]
前記部品は燃料噴射器を含む、実施形態1~12のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態14]
前記部品はマイクロ混合噴射器を含む、実施形態1~13のうちのいずれかの実施形態に記載のキャビティプラグ。
[実施形態15]
付加製造システムで、キャビティを有する部品を製造する方法であって、前記付加製造システムのビルドプレート上で前記部品を形成すること、キャビティプラグを前記キャビティに挿入して前記キャビティを封止すること、一対のロッキングアームによって、前記キャビティプラグを前記キャビティに対して適切な位置にロックすること、及び前記部品を前記ビルドプレートから取り外すことを含む、方法。
[実施形態16]
キャビティを有する部品を製造する付加製造システムであって、ビルドプレートであって、前記ビルドプレートの上で前記部品を製造するためのビルドプレートと、前記キャビティを封止するキャビティプラグとを含み、前記キャビティプラグは、前記キャビティ内で前記キャビティプラグに封止を行わせるために、一対のシールと、一対のロッキングアームを有するロッキング機構とを含む、付加製造システム。
[実施形態17]
前記キャビティプラグは外側シェルを含み、上蓋と、前記一対のシールのうちの第1のシールが、前記外側シェルの周囲で封止をする、実施形態16に記載の付加製造システム。
[実施形態18]
前記外側シェルは、底部フランジと、前記一対のシールのうちの底部フランジの周囲に位置する第2のシールとを含む、実施形態16又は17に記載の付加製造システム。
[実施形態19]
前記外側シェルは一対のピボットスロットを含み、前記一対のロッキングアームは前記ピボットスロット内で枢動する、実施形態16~18のうちのいずれかの実施形態に記載の付加製造システム。
[実施形態20]
前記ロッキング機構は、一対のロッキングアームに動力を伝えるロックボルト及びピボットスプリングを含む、実施形態16~19のうちのいずれかの実施形態に記載の付加製造システム。
【符号の説明】
【0023】
10 ガスタービンエンジン
15 圧縮機
20 空気流
30 燃料流
40 タービン
45 ロータシャフト
50 外部負荷
52 燃料噴射器
53 燃料ノズルアセンブリ
54 外側ケーシング
56 高圧プレナム
58 エンドカバー
60 流体導管
64 下流端
66 燃焼室
68 高温ガス経路
130 造形プラットフォーム
150 付加製造プリンタ
160 コード
170 チャンバ
175 微細粒金属粉末
180 アプリケータ
190 原料
200 電子ビーム
210 コンピュータ
220 メモリ
230 プロセッサ
240 インターフェース
250 バス
260 リソース
300 燃料噴射器
310 マイクロ混合噴射器
340 側壁
350 マイクロ混合管
370 キャビティプラグ
380 外側シェル
390 第1の端部
400 上蓋
420 底部端部
430 底部フランジ
440 底部フランジシール
450 ロッキング機構
470 ピボットロッド
480 ピボットスロット
490 ピボットスプリング
500 ロッキングボルト
510 ハンドル
【外国語明細書】