(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025072439
(43)【公開日】2025-05-09
(54)【発明の名称】筋萎縮性側索硬化症の治療方法および筋萎縮性側索硬化症の進行を抑制する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4152 20060101AFI20250430BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20250430BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20250430BHJP
【FI】
A61K31/4152
A61P21/00
A61P25/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025014555
(22)【出願日】2025-01-31
(62)【分割の表示】P 2023079093の分割
【原出願日】2018-10-04
(31)【優先権主張番号】62/567,873
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2018/020184
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000002956
【氏名又は名称】田辺三菱製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】シャーロット・メリル
(72)【発明者】
【氏名】ウェンディ・アニェーゼ
(72)【発明者】
【氏名】ナーゼム・アタッシ
(72)【発明者】
【氏名】タラ・グラボウスキー
(72)【発明者】
【氏名】坂田 武志
(57)【要約】 (修正有)
【課題】筋萎縮性側索硬化症の治療方法を提供する。
【解決手段】有効量の3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を、治療を必要とし、識別された特徴の群から選択される2つ以上の特徴を満たす患者に投与することを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を、それを必要とし、特徴1~特徴55から選択された少なくとも2つの特徴を満たす患者に投与することを含む、筋萎縮性側索硬化症の治療方法であって、
特徴1~特徴55が、以下:
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月4日出願の米国特許出願第62/567,873号に対する優先権の利点に基づき、かつそれを主張する、2018年2月28日出願の国際出願番号PCT/US2018/020184に対する優先権の利点に基づき、かつそれを主張する。これらの出願の開示の全体は、参照することにより本出願に包含される。
技術分野
本発明は、筋萎縮性側索硬化症(本明細書において、以降、ALSとも称する)の治療方法または該疾患の進行を抑制する方法、およびALSによって引き起こされる症状の治療方法または該症状の進行を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ALSの進行を抑えるのに有効な薬剤として、グルタミン酸作動性神経のグルタミン酸伝達を抑制する「リルゾール」が承認されている。しかしながら、リルゾールの有効性を確認することができないことも報告されている。したがって、この薬の評価は一貫していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
運動ニューロン疾患の一種であるALSは、難治性疾患である。ALSは、手の脱力、指の運動障害および上肢の線維束収縮などの初期症状から始まる。その後、ALSは、筋萎縮症および/または筋力低下、延髄麻痺および筋肉の線維束収縮を有し、最終的に呼吸不全をもたらす。ALSは、発症部位に応じて、上肢、延髄、下肢および混合型に分類される。これらのすべてのタイプにおいて、症状が進行するにつれて、全身の筋肉群が影響を及ぼされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概略
本発明の1つの実施態様による早期における筋萎縮性側索硬化症の治療方法は、有効量の3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を、識別された特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を有する患者に投与することを含む。識別された特徴1~特徴55は、以下から選択される:
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
【0005】
本発明のもう1つの実施態様による早期における筋萎縮性側索硬化症の進行を抑制する方法は、有効量の3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を、識別された特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を有する患者に投与することを含む。識別された特徴1~特徴55は、以下から選択される:
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
【0006】
本発明のさらにもう1つの実施態様による早期における筋萎縮性側索硬化症の進行を抑制する方法は、有効量の3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を、識別された特徴1~特徴11のうち、少なくとも2つの特徴を有する患者に投与することを含む。識別された特徴1~特徴11は、以下から選択される:
1.倦怠感および疲労、または筋力低下
2.非外傷性関節疾患または足首と足の後天的な変形
3.結合組織疾患
4.皮膚疾患
5.神経系障害
6.話す能力における何らかの変化
7.理学療法、神経科医、整形外科医、胃腸科専門医、または耳鼻咽喉科医への外来診療
8.磁気共鳴イメージング検査、または針筋電図検査
9.リルゾール、バクロフェン、ピリドスチグミン、抗痙攣薬
10.医療資源の利用の異常な増加
11.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査、シアノコバラミン(ビタミンB12)検査、または抗核抗体(ANA)検査。
【0007】
本発明のより完全な認識およびそれに付随する利点の多くは、添付の図面と併せて考慮される場合に以下の詳細な説明を参照することにより、より良く理解されるので、容易に得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】患者がALSを有すると診断される前の3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、本発明の1つの実施態様による上位20の2-特徴組み合わせを示す。
【
図2】患者がALSを有すると診断される前の6~9ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、本発明の1つの実施態様による上位20の2-特徴組み合わせを示す。
【
図3】患者がALSを有すると診断される前の9~12ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、本発明の1つの実施態様による上位20の2-特徴組み合わせを示す。
【
図4】患者がALSを有すると診断される前の12~18ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、本発明の1つの実施態様による上位20の2-特徴組み合わせを示す。
【
図5】相互情報量ランクによる本発明の1つの実施態様による選択された3-特徴組み合わせを示す。
【
図6】相互情報量ランクによる本発明の1つの実施態様による選択された4-特徴組み合わせを示す。
【
図7】相互情報量ランクによる本発明の1つの実施態様による選択された5-特徴組み合わせを示す。
【
図8】モデルの標的(ALS患者)および対照(対照患者)のスコア分布を示す。
【
図9】ROC(受信者動作特性)曲線を示す;モデルの真陽性率、偽陽性率、およびPPV vs. 閾値。
【
図10】確率閾値が0.1に設定される場合の混同行列を示す。
【
図11】確率閾値が0.9に設定される場合の混同行列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施態様の詳細な記載
次に、添付図面を参照して実施態様を説明するが、さまざまな図面を通して、同様の参照番号は対応するか、または同一の要素を示す。
【0010】
ALSの原因因子は、まだ十分に解明されていない。以下の仮説がALSの主な原因因子として提案されている:(1)自己免疫理論(Caチャネルに対する自己抗体の出現);(2)過剰な興奮性アミノ酸および/または中毒理論(細胞外グルタミン酸の増加およびグルタミン酸の輸送障害);(3)酸化ストレス障害理論(Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)遺伝的異常およびフリーラジカルによる神経細胞損傷);(4)細胞骨格障害理論(運動神経細胞における神経フィラメントの蓄積および封入体の出現);および(5)神経栄養因子の欠乏。
【0011】
ALSによって引き起こされる症状の例として、呼吸機能の低下、発話言語障害、嚥下障害、手足の運動障害などの臨床症状が挙げられる。本発明において、呼吸機能の低下は選ぶべき例である。この用語は、上記の定義に適合する限り最も広い意味で解釈されるべきであり、疾患名の違いに限定されるように解釈されるべきではない。ALSに相当する病気であるかどうかは、医師が診断することができる。
【0012】
さらに、ALSまたはALSに起因する症状の治療および/または進行の抑制の好ましい例は、筋萎縮性側索硬化症における呼吸機能の低下の抑制である。
【0013】
本発明の薬物の有効成分は、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンである。3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンは、以下の構造式によって表すことができる。3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンは、以下の構造式によって表される互変異性体を有する。しかしながら、本発明の薬物の有効成分として、これらの異性体のいずれかを使用することができる。
化学式1
【化1】
【0014】
人体に病気が発見される場合、医師が適切な治療を行ってもよい。薬物療法も治療の1つである。しかしながら、薬物療法では、病気が治るまで薬物を投与し続けることが必要な場合がある。対照的に、本発明の実施態様の薬物および方法については、薬物療法期間中、2回以上の14日間の休薬期間が提供され、すなわち、投与期間および休薬期間を含む単位期間が、2回以上繰り返される。ここで、投与期間と休薬期間が2回以上繰り返される場合、この期間の最後は、必ず休薬期間である。しかしながら、最後の休薬期間を提供する必要はない。すなわち、たとえば、投与期間と休薬期間が2回繰り返される場合、これは「投与期間、休薬期間、投与期間、休薬期間」の場合である。しかしながら、最終休薬期間を提供しない「投与期間、休薬期間、および投与期間」の場合も、本発明の実施態様に含まれる。さらに、本発明の実施態様において、休薬期間とは、連続して7日以上薬物投与を行わない期間である。
【0015】
本発明の実施態様において、投与期間は、14日間であるか、14日間のうちの10日間を含む期間である。14日間のうち10日間とは、連続する14日間のうちのいずれかの10日間を意味する。薬物投与が行われる10日間は、連続10日間、または薬物投与が行われない1~4日で分割された10日間の非連続日である。投与期間として、患者の状態を観察しながら、好ましい期間を選択することができる。
【0016】
本発明の実施態様における休薬期間は、14日間であるのが好ましい。
【0017】
14日間の投与期間と14日間の休薬期間を繰り返す場合の繰り返し回数は、繰り返し回数が2回以上であれば、特に限定されない。しかしながら、繰り返し回数は、2~12回が好ましく、2~6回がより好ましい。
【0018】
最初の14日間の投与期間に続く最初の14日間の休薬期間の後に、14日間のうち10日間の投与期間と14日間の休薬期間が繰り返される場合、14日間のうち10日間の投与期間と14日間の休薬期間の繰り返し回数は、繰り返し回数が1回以上であれば特に制限されない。しかしながら、繰り返し回数は、1~11回が好ましく、1~5回がより好ましい。
【0019】
もう1つの実施態様では、休薬期間を提供することなく、毎日またはほぼ毎日、薬物の投与を繰り返すことができる。
【0020】
有効成分の投与において、投与経路は、特に限定されず、有効成分は、経口投与または非経口投与されうる。さらに、ボーラス投与と持続投与が可能である。持続投与の場合、点滴による静脈内投与、経皮投与、舌下錠を用いる経口投与、徐放性製剤を用いる経口および直腸内投与などが使用されうる。しかしながら、点滴による静脈内投与が好ましい。注射によるボーラス投与または点滴による静脈内投与を行う場合、たとえば、特開昭63-132833号公報および特開2011-62529号公報に記載の注射剤を使用することができる。これらの文献の全ての開示内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0021】
有効成分の1日用量は、患者の年齢および状態などの条件に応じて適切に選択することができる。投与期間および休薬期間を提供する、注射による静脈内投与の場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン(有効成分が、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンである場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの量;有効成分が、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの生理学的に許容される塩である場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの等価量)の量は、成人の場合、好ましくは、約15~240 mg、より好ましくは、約30~180 mg、さらにより好ましくは、約60~120 mg、および特に好ましくは、約60 mgである。3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンが、経口投与される場合、用量は、薬物動態的に、静脈内投与と実質的に等価であるのが好ましい。特定の例は、血漿中の投与された3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリンまたはその生理学的に許容される塩の変化しない3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの濃度の経時変化が実質的に等価であると認められる用量である。経口投与剤形の例として、懸濁製剤、口腔フィルム、舌下錠、および徐放性製剤などを使用した経口投与が挙げられる。成人の場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの1日量は、約240 mg、約800 mg、約1,600 mg、約2,400 mg、約3,600 mg、およびより好ましくは、約800~2,400 mgなどの約240~3,600 mgであるのが好ましい。
【0022】
注射による静脈内投与が、休薬期間を提供することなく、毎日またはほぼ毎日繰り返される場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの1日量は、成人の場合、好ましくは、 約60 mg、約120 mg、または約180 mg、および特に好ましくは、約60 mg、または約120 mgである。
【0023】
3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンが、経口投与される場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの1日量は、成人の場合、約240 mg、約800 mg、約1,600 mg、約2,400 mg、約3,600 mg、およびより好ましくは、約800~2,400 mgなどの約240~3,600 mgであるのが好ましい。
【0024】
薬物投与期間中の1日当たりの投与回数は限定されず、患者の状態を観察しながら1日当たりの好ましい投与回数を選択することができる。しかしながら、患者の負担を考慮して、1日あたりの投与回数は、好ましくは、3、2および1回、およびよりより好ましくは、1回である。
【0025】
注射による静脈内投与の場合、投与速度は、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの量で、約0.5~5 mg/分、約0.5~1 mg/分、または約1~5 mg/分、ならびに時間に換算すると、約15~480分、および好ましくは、約30~120分、より好ましくは、約30~60分、およびさらにより好ましくは、約60分であるのが望ましい。
【0026】
本発明の1つの実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、薬物療法を受けている患者は、以下の識別された特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を有する:
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
【0027】
「歩行の異常」は、患者が、ICD-9コード781.2によって示される「歩行の異常」の疾患と診断されているか、または「歩行の異常」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0028】
「アルドラーゼ検査」は、患者が、CPTコード82085によって示される「アルドラーゼ」処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0029】
「抗核抗体(ANA)検査」は、患者が、CPTコード86038によって示される「抗核抗体(ANA)」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0030】
「頸椎症」は、患者が、ICD-9コード721.0によって示される「脊髄症を伴わない頸椎症」の疾患と診断されているか、または「脊髄症を伴わない頸椎症」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0031】
「シアノコバラミン(ビタミンB12)検査」は、患者が、CPTコード82607によって示される「シアノコバラミン(ビタミンB12)」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0032】
「頸椎椎間板の変性」は、患者が、ICD-9コード722.4によって示される「頸椎椎間板の変性」の疾患と診断されているか、または「頸椎椎間板の変性」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0033】
「脊髄症のない頸椎椎間板の変位」は、患者が、ICD-9コード722.0によって示される「脊髄症のない頸椎椎間板の変位」の疾患と診断されているか、または「脊髄症のない頸椎椎間板の変位」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0034】
「嚥下障害」は、患者が、ICD-9コード787.20によって示される「嚥下障害;詳細不明」の疾患と診断されているか、または「嚥下障害;詳細不明」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0035】
「葉酸;血清検査」は、患者が、CPTコード82746によって示される「葉酸;血清」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0036】
「血清免疫固定電気泳動検査」は、患者が、CPTコード86334によって示される「免疫固定電気泳動;血清」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0037】
「磁気共鳴イメージング検査」は、患者が、CPTコードA9579によって示される「注射;ガドリニウム系磁気共鳴イメージング剤;特定不能(nos);1mlあたり」の処置、CPTコード70551によって示される「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脳(脳幹を含む);造影剤なし」の処置、CPTコード70553によって示される「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脳(脳幹を含む);造影剤なし;続いて造影剤およびその後のシーケンス」の処置、CPTコード72141によって示される「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脊柱管と内容物;頸部;造影剤なし」の処置、CPTコード72148によって示される「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脊柱管と内容物;腰部;造影剤なし」の処置、またはCPTコード72156によって示される「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脊柱管と内容物;造影剤なし;続いて造影剤およびその後のシーケンス;頸部」の処置、または同等の処置を受けていることを意味する。
【0038】
「用手療法技術」は、患者が、CPTコード97140によって示される「用手療法技術(たとえば、モビリゼーション/手技;手動リンパドレナージ;手動牽引);1つ以上の領域;各15分」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0039】
「筋力低下」は、患者が、ICD-9コード728.87によって示される「筋力低下(全身性)」の疾患と診断されているか、または「筋力低下(全身性)」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0040】
「針筋電図検査」は、患者が、CPTコード95860によって示される「針筋電図;関連する傍脊椎領域の有無にかかわらず1つの肢」の処置またはCPTコード95861によって示される「針筋電図;関連する傍脊椎領域の有無にかかわらず2つの肢」の処置、または同等の処置を受けていることを意味する。
【0041】
「足首と足の他の後天的な変形」は、患者が、ICD-9コード736.79によって示される「足首と足の他の後天的な変形」の疾患と診断されているか、または「足首と足の他の後天的な変形」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0042】
「倦怠感および疲労」は、患者が、ICD-9コード780.79によって示される「他の倦怠感および疲労」の疾患と診断されているか、または「他の倦怠感および疲労」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0043】
「理学療法の評価」は、患者が、CPTコード97001によって示される「理学療法の評価」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0044】
「血清タンパク質電気泳動分画および定量試験」は、患者が、CPTコード84165によって示される「タンパク質;電気泳動分画および定量;血清」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0045】
「赤血球沈降速度検査」は、患者が、CPTコード85652によって示される「沈降速度;赤血球;自動」の処置またはCPTコード85651によって示される「沈降速度;赤血球;非自動」の処置、または同等の処置を受けていることを意味する。
【0046】
「頸部の脊柱管狭窄症」は、患者が、ICD-9コード723.0によって示される「頸部の脊柱管狭窄症」の疾患と診断されているか、または「頸部の脊柱管狭窄症」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0047】
「嚥下機能;シネラジオグラフィー/ビデオラジオグラフィーによる」は、患者が、CPTコード74230によって示される「嚥下機能;シネラジオグラフィー/ビデオラジオグラフィーによる」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0048】
「運動の神経筋の再教育のための治療処置;バランス;協調;運動感覚;姿勢;および/または、座るおよび/または立つ活動の固有受容」は、患者が、CPTコード97112によって示される「治療処置;1つ以上の領域;各15分;運動の神経筋の再教育;バランス;協調;運動感覚;姿勢;および/または、座るおよび/または立つ活動の固有受容」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0049】
「強さと持久力を発達させるための治療体操のための治療処置;可動域および柔軟性」は、患者が、CPTコード97110によって示される「治療処置;1つ以上の領域;各15分;強さと持久力を発達させるための治療体操;可動域および柔軟性」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0050】
「甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査」は、患者が、CPTコード84443によって示される「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0051】
「詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害」は、患者が、ICD-9コード356.9によって示される「詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害」の疾患と診断されているか、または「詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0052】
「神経系障害」は、患者が、「他の神経系障害」の疾患と診断されているか、または「他の神経系障害」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0053】
「遺伝性および変性神経系の状態」は、患者が、「他の遺伝性および変性神経系の状態」の疾患と診断されているか、または「他の遺伝性および変性神経系の状態」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0054】
「結合組織疾患」は、患者が、「結合組織疾患」の疾患と診断されているか、または「結合組織疾患」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0055】
「非外傷性関節疾患」は、患者が、「他の非外傷性関節疾患」の疾患と診断されているか、または「他の非外傷性関節疾患」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0056】
「多発性硬化症」は、患者が、「多発性硬化症」の疾患と診断されているか、または「多発性硬化症」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0057】
「対麻痺」は、患者が、「対麻痺」の疾患と診断されているか、または「対麻痺」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0058】
「麻痺」は、患者が、「麻痺」の疾患と診断されているか、または「麻痺」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0059】
「他の神経系診断処置」は、患者が、「他の神経系診断処置」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0060】
「耐久性のある医療機器(DME)および消耗品」は、患者が、「耐久性のある医療機器(DME)および消耗品」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0061】
「理学療法」は、患者が、「理学療法」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0062】
「喉頭鏡検査」は、患者が、「喉頭鏡検査」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0063】
「脊椎穿刺」は、患者が、「脊椎穿刺」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0064】
「話す能力の治療」は、患者が、「話す能力の治療」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0065】
「リルゾール」は、患者が、有効成分として「リルゾール」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0066】
「バクロフェン」は、患者が、「バクロフェン」を処方されていることを意味する。
【0067】
「ピリドスチグミン」は、患者が、有効成分として「ピリドスチグミン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0068】
「抗痙攣薬」は、患者が、「抗痙攣薬」として分類される有効成分を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0069】
「ジアゼパム」は、患者が、有効成分として「ジアゼパム」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0070】
「ヒドロコドン」は、患者が、有効成分として「ヒドロコドン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0071】
「プロポキシフェン」は、患者が、有効成分として「プロポキシフェン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0072】
「プロポキシフェン」は、患者が、有効成分として「交感神経様作用薬」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0073】
「グリコピロレート」は、患者が、有効成分として「グリコピロレート」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0074】
「プレドニゾン」は、患者が、有効成分として「プレドニゾン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0075】
「プレガバリン」は、患者が、有効成分として「プレガバリン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0076】
「クロナゼパム」は、患者が、有効成分として「クロナゼパム」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0077】
「チザニジン」は、患者が、有効成分として「チザニジン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0078】
「レボドパまたはカルビドパ」は、患者が、有効成分として「レボドパ」を含む薬物療法、または有効成分として「カルビドパ」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0079】
「キニーネ」は、患者が、有効成分として「キニーネ」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0080】
「トルテロジン」は、患者が、有効成分として「トルテロジン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0081】
本発明によって識別された特徴を有する患者は、他の患者と比較して、ALS患者である可能性が高く、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を含む薬剤を患者に投与することが特に効果的であると予想される。
【0082】
さらに、本発明の1つの実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、薬物療法を受けている患者は、1つ以上の以下の特徴を有する。
- 皮膚疾患
- 話す能力における何らかの変化
- 理学療法、神経科医、整形外科医、胃腸科専門医、または耳鼻咽喉科医への外来診療
- 医療資源の利用の異常な増加(すなわち、通院、処置(MRI、EMG)、新たな診断、処方箋の増加)
- 異常に高い医療の利用
【0083】
医師、看護師、セラピスト、および医療提供者などの医療専門家による、目立った、顕著な、認識可能な、および/または認識された、発話における変化。
【0084】
医師、看護師、セラピスト、および医療提供者などの医療専門家による、目立った、顕著な、認識可能な、および/または認識された、医療資源の利用の異常な増加。
【0085】
医師、看護師、セラピスト、および医療提供者などの医療専門家による、目立った、顕著な、認識可能な、および/または認識された、異常に高い医療の利用。
【0086】
本発明の1つの実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の初回投与を受ける前の一定期間中、薬物療法を受けている患者が、特徴1~特徴55のうちの少なくとも2つを有するのが好ましい。期間は、初回投与を受ける前の120ヶ月以内の一定期間でありうる。より好ましくは、期間は、初回投与を受ける前の96ヶ月、72ヶ月、60ヶ月、48ヶ月、36ヶ月、24ヶ月、または12ヶ月以内の一定期間である。
【0087】
期間の開始と終了は、初回投与を受ける前の120ヶ月以内であれば、特に限定されない。期間は、1つの期間または2つ以上の期間を包含してもよく、期間の長さは、同じであるか、または異なりうる。期間の数は、特に限定されないが、好ましくは、1~20、より好ましくは、1~15、およびさらにより好ましくは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10のいずれかである。期間の長さは、特に限定されないが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、30ヶ月、36ヶ月、48ヶ月、60ヶ月、72ヶ月、96ヶ月、および120ヶ月でありうる。いくつかの実施態様では、初回投与を受ける前、0~3ヶ月、3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月、18~24ヶ月、24~36ヶ月、および36~48ヶ月の期間の少なくとも1つにおいて、薬物療法を受ける患者は、特徴1~特徴55のうちの少なくとも2つの特徴を有する。
【0088】
本発明のもう1つの実施態様では、薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、薬物療法を受ける患者は、以下のペア1~ペア46にて識別された特徴のうち少なくとも1つのペアを有する:
1.特徴(1)および特徴(14)
2.特徴(1)および特徴(18)
3.特徴(1)および特徴(30)
4.特徴(2)および特徴(5)
5.特徴(3)および特徴(5)
6.特徴(3)および特徴(6)
7.特徴(3)および特徴(18)
8.特徴(3)および特徴(31)
9.特徴(4)および特徴(14)
10.特徴(5)および特徴(6)
11.特徴(5)および特徴(18)
12.特徴(5)および特徴(20)
13.特徴(5)および特徴(25)
14.特徴(5)および特徴(26)
15.特徴(5)および特徴(31)
16.特徴(6)および特徴(10)
17.特徴(6)および特徴(13)
18.特徴(6)および特徴(14)
19.特徴(6)および特徴(16)
20.特徴(6)および特徴(18)
21.特徴(6)および特徴(20)
22.特徴(6)および特徴(24)
23.特徴(6)および特徴(26)
24.特徴(6)および特徴(31)
25.特徴(7)および特徴(14)
26.特徴(8)および特徴(14)
27.特徴(9)および特徴(28)
28.特徴(11)および特徴(13)
29.特徴(12)および特徴(14)
30.特徴(13)および特徴(16)
31.特徴(14)および特徴(15)
32.特徴(14)および特徴(18)
33.特徴(14)および特徴(20)
34.特徴(14)および特徴(22)
35.特徴(14)および特徴(27)
36.特徴(15)および特徴(21)
37.特徴(17)および特徴(30)
38.特徴(18)および特徴(19)
39.特徴(18)および特徴(21)
40.特徴(18)および特徴(22)
41.特徴(18)および特徴(30)
42.特徴(18)および特徴(31)
43.特徴(18)および特徴(32)
44.特徴(21)および特徴(30)
45.特徴(23)および特徴(30)
46.特徴(29)および特徴(30)
【0089】
特徴(1)は、「歩行の異常」である;
特徴(2)は、「アルドラーゼ」である;
特徴(3)は、「抗核抗体(ANA)」である;
特徴(4)は、「脊髄症を伴わない頸椎症」である;
特徴(5)は、「クレアチンキナーゼ(CK);(CPK);合計」である;
特徴(6)は、「シアノコバラミン(ビタミンB12)」である;
特徴(7)は、「頸椎椎間板の変性」である;
特徴(8)は、「脊髄症のない頸椎椎間板の変位」である;
特徴(9)は、「嚥下障害;詳細不明」である;
特徴(10)は、「葉酸;血清」である;
特徴(11)は、「注射;ガドリニウム系磁気共鳴イメージング剤;特定不能(nos);1mlあたり」である;
特徴(12)は、「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脳(脳幹を含む);造影剤なし」である;
特徴(13)は、「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脳(脳幹を含む);造影剤なし;続いて造影剤およびその後のシーケンス」である;
特徴(14)は、「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脊柱管と内容物;頸部;造影剤なし」である;
特徴(15)は、「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脊柱管と内容物;腰部;造影剤なし」である;
特徴(16)は、「磁気共鳴(たとえば、プロトン)イメージング;脊柱管と内容物;造影剤なし;続いて造影剤およびその後のシーケンス;頸部」である;
特徴(17)は、「用手療法技術(たとえば、モビリゼーション/手技;手動リンパドレナージ;手動牽引);1つ以上の領域;各15分」である;
特徴(18)は、「筋力低下(全身性)」である;
特徴(19)は、「針筋電図検査;関連する傍脊椎領域の有無にかかわらず1つの肢」である;
特徴(20)は、「針筋電図検査;関連する傍脊椎領域の有無にかかわらず2つの肢」である;
特徴(21)は、「足首と足の他の後天的な変形」である;
特徴(22)は、「他の倦怠感および疲労」である;
特徴(23)は、「理学療法の評価」である;
特徴(24)は、「タンパク質;電気泳動分画および定量;血清」である;
特徴(25)は、「沈降速度;赤血球;自動」である;
特徴(26)は、「沈降速度;赤血球;非自動」である;
特徴(27)は、「頸部の脊柱管狭窄症」である;
特徴(28)は、「嚥下機能;シネラジオグラフィー/ビデオラジオグラフィーによる」である;
特徴(29)は、「治療処置;1つ以上の領域;各15分;運動の神経筋の再教育;バランス;協調;運動感覚;姿勢;および/または、座るおよび/または立つ活動の固有受容」である;
特徴(30)は、「治療処置;1つ以上の領域;各15分;強さと持久力を発達させるための治療体操;可動域および柔軟性」である;
特徴(31)は、「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」である;
特徴(32)は、「詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害」である。
【0090】
さらに、なお別の実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、薬物療法を受ける患者は、以下の識別された特徴のうち少なくとも3つの特徴、好ましくは、少なくとも4つの特徴、およびより好ましくは、少なくとも5つの特徴を有する:
1.倦怠感および疲労、または筋力低下
2.非外傷性関節疾患または足首と足の後天的な変形
3.結合組織疾患
4.皮膚疾患
5.神経系障害
6.話す能力における何らかの変化
7.理学療法、神経科医、整形外科医、胃腸科専門医、または耳鼻咽喉科医次への外来診療
8.磁気共鳴イメージング検査、または針筋電図検査
9.リルゾール、バクロフェン、ピリドスチグミン、抗痙攣薬
10.医療資源の利用の異常な増加
11.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査、シアノコバラミン(ビタミンB12)検査、または抗核抗体(ANA)検査
【0091】
もう1つの実施態様の薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の初回投与を受ける前に、0~3ヶ月、3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月、18~24ヶ月、24~36ヶ月、および36~48ヶ月のうちの少なくとも1つの期間において、薬物療法を受ける患者は、以下の識別された特徴のうち少なくとも3つの特徴、好ましくは、少なくとも4つの特徴、およびより好ましくは、少なくとも5つの特徴を有する:
1.倦怠感および疲労、または筋力低下
2.非外傷性関節疾患または足首と足の後天的な変形
3.結合組織疾患
4.皮膚疾患
5.神経系障害
6.話す能力における何らかの変化
7.理学療法、神経科医、整形外科医、胃腸科専門医、または耳鼻咽喉科医への外来診療
8.磁気共鳴イメージング検査、または針筋電図検査
9.リルゾール、バクロフェン、ピリドスチグミン、抗痙攣薬
10.医療資源の利用の異常な増加
11.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査、シアノコバラミン(ビタミンB12)検査、または抗核抗体(ANA)検査
【0092】
この実施態様では、0から1の間の数値を、識別された各特徴に対して適切に選択し、重み付けを各特徴に対して実行することも可能である。この場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の初回投与を受ける前の薬物療法を受ける患者に対して、0~3ヶ月、3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月、18~24ヶ月、24~36ヶ月、および36~48ヶ月の期間の少なくとも1つにおいて、上記識別された特徴の数値の合計は、3以上、好ましくは、4以上、およびより好ましくは、5以上である。
【0093】
さらに、もう1つの実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の初回投与を受ける前に、0~3ヶ月、3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月、18~24ヶ月、24~36ヶ月、および36~48ヶ月の期間において、薬物療法を受ける患者が、以下の識別された特徴のうちで有する特徴の数の合計は、少なくとも15、好ましくは、少なくとも20、およびより好ましくは、少なくとも25である。
【0094】
1.倦怠感および疲労、または筋力低下
2.非外傷性関節疾患または足首と足の後天的な変形
3.結合組織疾患
4.皮膚疾患
5.神経系障害
6.話す能力における何らかの変化
7.理学療法、神経科医、整形外科医、胃腸科専門医、または耳鼻咽喉科医への外来診療
8.磁気共鳴イメージング検査、または針筋電図検査
9.リルゾール、バクロフェン、ピリドスチグミン、抗痙攣薬
10.医療資源の利用の異常な増加
11.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査、シアノコバラミン(ビタミンB12)検査、または抗核抗体(ANA)検査
【0095】
この実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、0から1の間の数値を、識別された各特徴に対して適切に選択し、重み付けを各特徴に対して実行することも可能である。この場合、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の初回投与を受ける前の薬物療法を受ける患者に対して、0~3ヶ月、3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月、18~24ヶ月、24~36ヶ月、および36~48ヶ月の期間において、上記識別された特徴の数値の合計は、15以上、好ましくは、20以上、およびより好ましくは、25以上である。
【0096】
もう1つの実施態様による薬物、治療方法または疾患の進行の抑制方法に関して、識別された特徴が、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の初回投与を受ける前に選択されるステップが提供されてもよい。
【0097】
図1は、患者がALSを有すると診断される前の3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、上位20の2-特徴組み合わせを示す。特徴-特徴のヒートマップにプロットされた診断前の3~6ヶ月間における上位20の2-特徴組み合わせ。各軸は、組み合わせに含まれるすべての単一の特徴をリストする。特徴組み合わせの相互情報量の値のブロック表現は、グリッド上の特徴の交差点にプロットされ、より大きく、より色の濃いブロックは、より高い相互情報量の値を表す。
【0098】
図2は、患者がALSを有すると診断される前の3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、上位20の2-特徴組み合わせを示す。特徴-特徴のヒートマップにプロットされた診断前の6~9ヶ月間における上位20の2-特徴組み合わせ。各軸は、組み合わせに含まれるすべての単一の特徴をリストする。特徴組み合わせの相互情報量の値のブロック表現は、グリッド上の特徴の交差点にプロットされ、より大きく、より色の濃いブロックは、より高い相互情報量の値を表す。
【0099】
図3は、患者がALSを有すると診断される前の3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、上位20の2-特徴組み合わせを示す。特徴-特徴のヒートマップにプロットされた診断前の9~12ヶ月間における上位20の2-特徴組み合わせ。各軸は、組み合わせに含まれるすべての単一の特徴をリストする。特徴組み合わせの相互情報量の値のブロック表現は、グリッド上の特徴の交差点にプロットされ、より大きく、より色の濃いブロックは、より高い相互情報量の値を表す。
【0100】
図4は、患者がALSを有すると診断される前の3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクおよび値に基づく、上位20の2-特徴組み合わせを示す。特徴-特徴のヒートマップにプロットされた診断前の12~18ヶ月間における上位20の2-特徴組み合わせ。各軸は、組み合わせに含まれるすべての単一の特徴をリストする。特徴組み合わせの相互情報量の値のブロック表現は、グリッド上の特徴の交差点にプロットされ、より大きく、より色の濃いブロックは、より高い相互情報量の値を表す。
【0101】
図5は、患者がALSを有すると診断される前の36~48ヶ月、24~36ヶ月、18~24ヶ月、12~18ヶ月、9~12ヶ月、6~9ヶ月、および3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクによる、選択された3-特徴組み合わせを示す。
【0102】
図6は、患者がALSを有すると診断される前の18~24ヶ月、12~18ヶ月、9~12ヶ月、6~9ヶ月、および3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクによる、選択された4-特徴組み合わせを示す。
【0103】
図7は、患者がALSを有すると診断される前の118~24ヶ月、12~18ヶ月、9~12ヶ月、6~9ヶ月、および3~6ヶ月の期間における相互情報量ランクによる、選択された5-特徴組み合わせを示す。
【0104】
図7では、特徴(1)~特徴(32)は上記と同じである。
特徴(33)は、「免疫固定電気泳動;血清」である。
【0105】
国際公開第WO 2002/034264号は、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンが、ALSの治療に有用であることを記載する。しかしながら、ALS患者に対する、この化合物の剤形、用量、投与回数などは、具体的に開示されていない。国際公開第WO 2005/075434号は、疾患の治療および/または進行の抑制の期間において、1日以上の休薬期間が設定される、有効成分として3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む、筋萎縮性側索硬化症または筋萎縮性側索硬化症によって引き起こされる症状の治療および/または進行の抑制のための薬物を記載する。さらに、30 mgの3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンが、14日間の輸液によって、次いで、1ヶ月当たり10日間の投与によって、ALS患者に投与される方法が報告されている(Neurotherapy、2003、Vol.20、No. 5、pages 557-564)。3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンが、治療を必要とするALS患者のうち、特に高い治療効果を有する患者に投与される、ALSの治療方法が報告されている。
【0106】
ALSに対する診断基準として、EL Escorial 診断基準、EL Escorial 改定 Airlie House 診断基準、Awaji 診断基準などが挙げられる。
【0107】
ALSの初期症状の出現からALSの診断を受けるまでの平均期間は、1年であると報告されている。ALSの診断が遅れるには複数の要因がある。1つ目は、初期症状の出現から初診までの期間が長いことである。2つ目は、ALSの早期症状が、他の疾患の症状と似ていることである。初診から最終診断を受けるまでに、ALS患者は、平均で最初の3人の医師を訪れる(Paganoni S、et al. Amyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener. 2014;15(5~6)、453)。したがって、ALSの初期症状の出現から最終診断を受けるまでの期間を短縮するため、および早期にALS患者を治療するか、または早期にALS患者のALSの進行を抑制するために、新たな治療方法および抑制方法が必要である。
【0108】
ALSFRS-R(ALS機能評価スケール)は、ALS患者用の重症度指数であり、手足の運動機能障害、延髄機能障害、および呼吸機能障害に関する12の評価項目の合計を含む。たとえば、臨床試験では、有効成分の患者への投与の開始前のALSFRS-Rスコア、投与の開始後の一定の期間のALSFRS-Rスコア、および/または投与後のALSFRS-Rスコアを比較することによって、有効成分の効果を確認することができる。
【0109】
本発明の有効成分である、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンの合成方法の一例は、欧州特許第208874号明細書(または特公平5-31523号)に記載の製造方法である。これらの刊行物の全ての開示内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0110】
本発明の薬物の有効成分の例として、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、その生理学的に許容される塩、その水和物、およびその溶媒和物が挙げられる。生理学的に許容される塩として、塩酸、臭化水素酸塩、およびリン酸などの鉱酸との塩;メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、およびリンゴ酸などの有機酸との塩;ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;およびアンモニア、エタノールアミン、および2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールなどのアミンとの塩;が挙げられる。さらに、塩のタイプは、塩が生理学的に許容されるものである限り、特に限定されない。
【0111】
本発明の薬物の有効成分である、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその塩を、患者に直接投与することもできる。しかしながら、有効成分および薬理学的および薬学的に許容される添加剤を加えることによって得られた製剤を提供するのが好ましい。
【0112】
薬理学的および薬学的に許容される添加剤として、たとえば、賦形剤、崩壊剤または崩壊助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、顔料、希釈剤、基剤、可溶化剤または溶解補助剤、等張化剤、pH調整剤、安定剤、噴射剤、接着剤などを使用することができる。経口投与に適した製剤の例として、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤などが挙げられる。非経口投与に適した製剤の例として、注射剤、点眼剤、貼付剤、坐剤などが挙げられる。
【0113】
経口投与に適した製剤用の添加剤として、たとえば、以下の添加剤を使用することができる:グルコース、ラクトース、D-マンニトール、デンプン、または結晶セルロースなどの賦形剤;カルボキシメチルセルロース、デンプン、またはカルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤または崩壊助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはゼラチンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウムまたはタルクなどの滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコールまたは酸化チタンなどのコーティング剤;およびワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、または硬質脂肪などの基剤。
【0114】
注射または輸液に適した製剤のために、以下の製剤用添加剤を使用することができる:注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコールなどの、水性の注射用薬物または使用時に溶解可能な注射用薬物を形成することができる、可溶化剤または溶解補助剤;グルコース、塩化ナトリウム、D-マンニトール、グリセリンなどの等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基または有機塩基などのpH調整剤;など。
【0115】
有効成分として、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む脳保護剤(注射剤)は、臨床的にすでに使用されている(一般名:「エダラボン」;商品名:「ラジカット(登録商標)」「ラジカバ(登録商標)」:田辺三菱製薬により、製造および販売されている)。したがって、本発明の薬物および方法において使用される3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンとして、上記製剤を直接使用してもよい。
【実施例0116】
以下、本発明の実施態様について、実施例に基づいてさらに説明する。しかしながら、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されることはない。
【0117】
方法
この分析では、1億7千万人を超える患者についての患者レベルの請求を含むTruvenMarketScan(登録商標)データベースを、コードの事前選択なしで使用した。
【0118】
ALSの患者を、ICD-9コード335.20およびICD-10コードG12.21を使用して識別した。2010年1月から2016年6月までの間に、ALS ICD-9またはICD-10コードの患者の全国的なセットについて患者の人口統計を報告した。ALS ICD-9コードおよびALS診断前の少なくとも1年間の裁定された請求履歴を有する、2006年から2014年にわたる完全な全国的な裁定された請求データベースからの患者を、頻度分析に含めた。ALS ICD-9コードおよびALS診断前の5年以上の裁定された請求履歴を有する、2006年から2014年にわたる完全な全国的な裁定された請求データベースからの患者を、進行分析に含めた。
【0119】
この分析は、2つのデータランキング法(頻度法および相互情報量(MI)法)を利用した;MI測定を用いて、米国における将来的ALS診断へのMarketScan(登録商標)における特徴の統計的妥当性を数値化した;差別化する特徴をランク付けするために、妥当なイベントの相対的頻度をコンピューターで計算した。
【0120】
これらの分析では、完全な全国的データセットからの患者を含めた(n=13,882)。
【0121】
考慮された特徴は、診断コード、処置コード、薬物療法、標準的プロバイダータイプ、および標準的療養施設タイプを包含した。
【0122】
ALS診断予測子の選択とランク付けを最適化するために、機械学習技術を通して開発されたアンサンブル分類子のスイートをMarketScan(登録商標)請求データベースに適用した。
【0123】
診断予測子を、相互情報量によって選択された差別化する特徴から誘導し、機械学習技術を使用してランク付けした。
【0124】
特徴を、個々の特徴に加えて、組み合わせで分析した。最大5つの薬物の組み合わせ、手順、および診断。同じ特徴タイプ(薬物1+薬物2、処置1+処置2)ならびに複数の特徴タイプ(処置+診断)の組み合わせ。
【0125】
診断予測子は、次の時間範囲内で具体的に検索された:初回ALS診断前の3、6、9、12、18、24、36、48、および60か月間。
【0126】
初期ALS診断前の3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月間の特徴1-特徴2の組み合わせの相互情報量(MI)値について、これらの期間のそれぞれの上位20のMI値を次の表に示す。
【0127】
【0128】
各セルの数値は、特徴1-特徴2の組み合わせの相互情報量(MI)値を示す。斜線の入ったセルは、MI値が上位20に含まれない組み合わせを示す。
【0129】
上の表では、特徴1-特徴2の組み合わせを持つ患者はALS患者である可能性が高く、発症初期のALS患者に3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を投与することは特に効果的である。
【0130】
特徴(1)~(33)と、ICD-9コード、CPT コード、またはHCPCSコードにおける特徴、コードおよびコードタイプとの間の対応
【0131】
【0132】
特徴-特徴のヒートマップにプロットされた診断前の3~6、6~9、9~12、12~18ヶ月間における上位20の2-特徴組み合わせ(
図1~4)。特徴組み合わせの相互情報量の値のブロック表現は、グリッド上の特徴の交差点にプロットされ、より大きく、より色の濃いブロックは、より高い相互情報量の値を表す。
【0133】
抗核抗体、クレアチンキナーゼ、甲状腺刺激ホルモン、およびシアノコバラミン(ビタミンB12)などの診断labは、一緒にクラスターする傾向がある。
【0134】
全体的に筋力低下が顕著であり、時間の経過とともにさまざまなラボテストおよびイメージングと組み合わせられるように思われる。
【0135】
筋力低下および倦怠感/疲労は、診断前の18ヶ月間にわたって特徴の強固なペアである。
【0136】
理学療法は、2-特徴組み合わせの重要な部分である。
【0137】
ツール#1:患者または医師のチェックリスト
【表7】
【0138】
ツール#1の使用方法:「症状またはイベント」の列に記載されている症状またはイベントが過去3年以内に経験されている場合、該当するすべての項目に対応する右側のセルをチェックする。
【0139】
解釈:患者が9つの「症状/イベント」のうち4つ以上を経験している場合、患者はALS患者である可能性が高く、患者に3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を投与することは特に効果的である。
【0140】
【0141】
ツール#2の使用方法:患者が、「私は経験したことがある」列にリストされた症状またはイベントを経験したことがある場合、該当するすべての項目に対応する「当てはまるもの全てをチェックしてください」列のセルをチェックする。任意に、「追加の情報をこの症状またはイベントを最初に経験したのは何ヶ月前ですか」列および「この症状またはイベントは持続性ですか(はい またはいいえ)」列に記入する。
【0142】
解釈:以下の条件を満たす患者はALS患者である可能性が高く、患者に3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を投与することは特に効果的である:
・患者は、カテゴリーAにリストされている5つの「症状/イベント」のうち3つ以上を経験している;
または
・患者は、カテゴリーAにリストされている「症状/イベント」のうち2つ以上+カテゴリーBにリストされている「症状/イベント」のうち3つを経験している。
【0143】
ツール#3:病歴の一部として患者が記入する。
【表9】
【0144】
【0145】
ツール#3の使用方法:患者が、ツール#3を使用する前の0~3ヶ月、3~6ヶ月、6~9ヶ月、9~12ヶ月、12~18ヶ月、18~24ヶ月、24~36ヶ月、および36~48ヶ月の期間において、左端の列にリストされたイベントを経験したことがある場合、該当する期間のすべてのセルをチェックする。
【0146】
解釈:患者が、いずれかの時間枠で5を得点した場合、または患者の合計が、25より大きい場合、患者はALS患者である可能性が高く、患者に3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を投与することは特に効果的である:
【0147】
ツール#4:ツール#3から誘導された、Electronic Health Recordデータベースにアップロードすることができるアルゴリズム
将来のALS診断のためのリスクポテンシャルを計算する。リスクポテンシャルが>Xである場合、患者はALS患者である可能性が高く、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を患者に投与することが特に効果的である。
【0148】
リスクポテンシャル=(イベント:疲労または筋力低下 * イベントが起こった時間枠の数)+(イベント:足首または足の変形 * イベントが起こった時間枠の数)+(イベント:結合組織疾患 * イベントが起こった時間枠の数)+(イベント:神経系障害 * イベントが起こった時間枠の数)+(イベント:CK、Vit B12、またはANAについてチェックまたはモニターされたLab * イベントが起こった時間枠の数)+(イベント:イメージング:MRIまたはEMG * イベントが起こった時間枠の数)+(イベント:異常に高い医療利用 * イベントが起こった時間枠の数)
【0149】
・イベント/症状が起こった場合は、「1」の値を割り当てる。イベント/症状が起こらなかった場合は、「0」の値を割り当てる。
・組み合わせの考察を考慮に入れるための値を方程式に追加する。
・起こった時間枠までの値に重みを付ける可能性
【0150】
【0151】
解釈:リスクポテンシャルが>Xである場合、患者はALS患者である可能性が高く、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を患者に投与することが特に効果的である。
【0152】
診断、薬物および処置などの特徴の別の例示的なモデルを以下に示す。上記の同じ用語および語句を有する特徴は、同じ定義を共有する。
【0153】
【0154】
「異常な不随意運動」は、患者が、CD-9コード781.0によって示される「異常な不随意運動」の疾患と診断されているか、または「異常な不随意運動」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0155】
「上腕神経炎または神経根炎 NOS」は、患者が、ICD-9コード723.4によって示される「上腕神経炎または神経根炎 NOS」の疾患と診断されているか、または「上腕神経炎または神経根炎 NOS」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「前頸部痛」は、患者が、ICD-9コード723.1によって示される「前頸部痛」の疾患と診断されているか、または「前頸部痛」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「皮膚感覚障害」は、患者が、ICD-9コード782.0によって示される「皮膚感覚障害」の疾患と診断されているか、または「皮膚感覚障害」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「構音障害」は、患者が、ICD-9コード355.9によって示される「構音障害」の疾患と診断されているか、または「構音障害」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0156】
「不特定部位の単神経炎」は、患者が、ICD-9コード784.51によって示される「不特定部位の単神経炎」の疾患と診断されているか、または「不特定部位の単神経炎」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「ミオパチー;詳細不明」は、患者が、ICD-9コード359.9によって示される「ミオパチー;詳細不明」の疾患と診断されているか、または「ミオパチー;詳細不明」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「手足に関連する他の筋骨格症状」は、患者が、ICD-9コード729.89によって示される「手足に関連する他の筋骨格症状」の疾患と診断されているか、または「手足に関連する他の筋骨格症状」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「他の言語障害」は、患者が、ICD-9コード784.59によって示される「他の言語障害」の疾患と診断されているか、または「他の言語障害」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
【0157】
「手足の痛み」は、患者が、ICD-9コード729.5によって示される「手足の痛み」の疾患と診断されているか、または「手足の痛み」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「胸部または腰仙神経炎または神経根炎;詳細不明」は、患者が、ICD-9コード724.4によって示される「胸部または腰仙神経炎または神経根炎;詳細不明」の疾患と診断されているか、または「胸部または腰仙神経炎または神経根炎;詳細不明」の疾患に対応する症状を有することを意味する。
「ガバペンチン」は、患者が、有効成分として、「ガバペンチン」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0158】
「ヒドロコドン&組み合わせ」は、患者が、有効成分として、「ヒドロコドンまたはヒドロコドンと他の薬物の組み合わせ」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
「メトホルミン&組み合わせ」は、患者が、有効成分として、「メトホルミンまたはメトホルミンと他の薬物の組み合わせ」を含む薬物療法を処方されていることを意味する。
【0159】
「神経伝導、振幅および潜時/速度検査、各神経;運動、F波検査なし」は、患者が、CPTコード95900によって示される「神経伝導、振幅および潜時/速度検査、各神経;運動、F波検査なし」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
「神経伝導、振幅および潜時/速度検査、各神経;運動、F波検査あり」は、患者が、CPTコード95903によって示される「神経伝導、振幅および潜時/速度検査、各神経;運動、F波検査あり」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
「神経伝導、振幅および潜時/速度検査、各神経;感覚」は、患者が、CPTコード95904によって示される「神経伝導、振幅および潜時/速度検査、各神経;感覚」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0160】
「確定された患者の評価と管理のための外来または他の通院患者の来院」は、患者が、CPTコード99212によって示される「確定された患者の評価と管理のための外来または他の通院患者の来院」の処置または同等の処置を受けていることを意味する。
【0161】
モデルは、既知のALS患者の診断前の履歴に適用され、人口統計学的に一致する対照患者(非ALS対照)の履歴を要求する。選択された特徴に基づいて、既知のALS患者のグループおよび対照患者のグループ内の各患者は、ALS患者である確率を表すスコアを受けた。モデルの感度および特異度を変化させることは、以下に記載するように、患者をALS患者と見なすための確率閾値を調整することによって達成することができる。
【0162】
図8は、モデルの標的(ALS患者)と対照(対照患者)のスコア分布を示す。
図8では、横軸は、スコアを示し、縦軸は、標的と対照に対する各スコアのパーセンテージを示す。スコアが高いほど、患者が標的(ALS患者)である可能性が高いことを意味する。
【0163】
図9は、ROC(受信者動作特性)曲線を示す;モデルの真陽性率、偽陽性率、およびPPV vs. 閾値。
【0164】
図10は、確率閾値が0.1に設定される場合の混同行列を示す。確率閾値が0.1に設定される場合、ALS患者である確率が10%以上の患者は、ALS患者とみなされる。この確率閾値により、精度と真陽性率に基づいた優れたパフォーマンスが得られる。偽陽性の数が多いのは閾値が低いためである。これは、真陽性率が偽陽性率よりも重要である場合に使用する適切な閾値である。より低い閾値は、より多くの真陽性を達成するために偽陽性が許容される状況にとって有利である。
【0165】
図11は、確率閾値が0.9に設定される場合の混同行列を示す。確率閾値が0.9に設定される場合、ALS患者である確率が90%以上の患者は、ALS患者とみなされる。この確率閾値は、良好なパフォーマンスおよび真陽性率をもたらす。この確率閾値により、精度と真陽性率に基づいた優れたパフォーマンスが得られる。偽陽性の数が少ないのは閾値が高いためである。これは、偽陽性率が真陽性率よりも重要である場合に使用する適切な閾値である。より高い閾値は、偽陽性を最小にするために真陽性を犠牲にすることができる状況にとって有利である。
【0166】
以下の表は、対照患者と比較して、将来のALS診断との相関が最も高かった2-特徴組み合わせのヒートマップを示す。表では、より濃い色調は、特定の期間内の特徴の組み合わせの相対的な重要性が高いことを示す。各横行は、MI分析で評価されたALS診断前のさまざまな期間を表す。各縦列には、ALS診断前の個々の期間における上位3の一般的な差別化要因(MI分析によって決定)に含まれる2つの特徴の組み合わせが含まれる。組み合わせが複数の期間で上位3に含まれた場合、期間当たりの3つの組み合わせを維持するために、上位3に出現した最も早い期間にリストされ、以降の期間で次に上位の組み合わせに置き換えられる。
【0167】
理学療法と歩行の異常を含む組み合わせは、早ければ診断の48~60ヶ月前に患者の差別化を開始する。
【0168】
脳または脊柱の磁気共鳴イメージング(MRI)、筋力低下、および筋電図検査(EMG)を含む組み合わせは、早ければ診断の36~48ヶ月前にALS患者を差別化する。
【0169】
筋力低下、他の倦怠感および疲労、ならびに抗核抗体(ANA)、クレアチンキナーゼ、またはビタミンB-12の血清レベルの評価を含む組み合わせは、早ければ診断の24~36ヶ月前にALS患者の差別化を開始し、初回診断が近づくにつれて着実に増加する。
【0170】
嚥下障害と嚥下機能の組み合わせは、診断の前の年に重要な差別化要因になる。
【0171】
甲状腺刺激ホルモンに対する血清評価ならびに筋力低下またはビタミンB12の組み合わせは、診断の6ヶ月前に患者の差別化を開始する。
【0172】
心エコー検査関連の組み合わせは、診断の48~60ヶ月前において上位3の差別化要因であり、診断の24ヶ月前まで差別化を継続し、次いで、24ヶ月後にはもはや上位100の差別化要因に含まれなかった。
【0173】
インフルエンザワクチンと免疫付与関連の組み合わせは、診断の18~24か月前のみにおいて上位差別化要因であった。
【0174】
ALS患者を差別化することができたいくつかの付随する診断は、彼らの初回ALS診断の前に識別された。再度、患者の請求履歴における特徴の組み合わせを見ると、ALS患者は、初回ALS診断の何年も前に差別化された。本発明の実施態様による方法は、適切な介入を容易にするために、より早期にALS患者を識別するために適用されてもよい。
【表14】
【0175】
特定の特徴を有する患者は、ALS患者である可能性が高く、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンを含む薬物を早期患者に投与することは特に効果的である。
【0176】
本発明の実施態様によれば、早期に筋萎縮性側索硬化症を治療すること、または早期に筋萎縮性側索硬化症の進行を抑制することは、有効量の3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を、識別された特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を有する患者に投与することを包含する。識別された特徴1~特徴55は、以下から選択される。
【0177】
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
【0178】
いくつかの実施態様では、14日間の投与期間と14日間の休薬期間を繰り返すか、または最初の14日間の投与期間に続く最初の14日間の休薬期間の後に、14日間のうち10日間の投与期間と14日間の休薬期間を繰り返すことが可能である。最初の14日間の投与期間に続く最初の14日間の休薬期間の後に、14日間のうち10日間の投与期間と14日間の休薬期間を繰り返すような投与期間と休薬期間であるのが好ましい。
【0179】
もう1つの実施態様では、休薬期間を提供することなく、毎日、薬物の投与を繰り返すことができる。
【0180】
筋萎縮性側索硬化症によって引き起こされる症状は、呼吸機能の低下、発話言語障害、嚥下障害、手足の運動障害などの臨床症状であるのが好ましい。
【0181】
3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩の患者への初回投与の60ヶ月前から初回投与までの期間において、患者は、上記特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を満たすのが好ましい。より好ましい期間は、初回投与の18ヶ月前から初回投与までの期間である。
【0182】
さらに、本発明の1つの実施態様は、筋萎縮性側索硬化症の治療または進行を抑制するための、有効成分として、3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を含む薬物を包含する。薬物療法を受ける患者は、識別された特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を有する。
【0183】
識別された特徴1~特徴55は、以下から選択される。
【0184】
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
【0185】
さらに、本発明の実施態様は、筋萎縮性側索硬化症の治療または進行の抑制のための3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オンまたはその生理学的に許容される塩を包含する。薬物療法を受ける患者は、識別された特徴1~特徴55のうち、少なくとも2つの特徴を有する。
【0186】
識別された特徴1~特徴55は、以下から選択される。
【0187】
1.歩行の異常
2.アルドラーゼ検査
3.抗核抗体(ANA)検査
4.脊髄症を伴わない頸椎症
5.クレアチンキナーゼ(CK):(CPK)検査
6.シアノコバラミン(ビタミンB12)検査
7.頸椎椎間板の変性
8.脊髄症のない頸椎椎間板の変位
9.嚥下障害
10.葉酸;血清検査
11.血清免疫固定電気泳動検査
12.磁気共鳴イメージング検査
13.用手療法技術
14.筋力低下
15.針筋電図検査
16.足首と足の後天的な変形
17.倦怠感および疲労
18.理学療法の評価
19.血清タンパク質電気泳動分画および定量試験
20.赤血球沈降速度検査
21.頸部の脊柱管狭窄症
22.嚥下機能検査
23.神経筋の再教育のための治療処置
24.治療体操のための治療処置
25.甲状腺刺激ホルモン(TSH)検査
26.詳細不明の遺伝性および特発性末梢神経障害
27.神経系障害
28.遺伝性および変性神経系の状態
29.結合組織疾患
30.非外傷性関節疾患
31.多発性硬化症
32.対麻痺
33.麻痺
34.他の神経系診断処置
35.耐久性のある医療機器(DME)および消耗品
36.理学療法
37.喉頭鏡検査
38.脊椎穿刺
39.話す能力の治療
40.リルゾール
41.バクロフェン
42.ピリドスチグミン
43.抗痙攣薬
44.ジアゼパム
45.ヒドロコドン
46.プロポキシフェン
47.交感神経様作用薬
48.グリコピロレート
49.プレドニゾン
50.プレガバリン
51.クロナゼパム
52.チザニジン
53.レボドパまたはカルビドパ
54.キニーネ
55.トルテロジン
【0188】
本発明の実施態様は、ALSまたはALSによって引き起こされる症状の治療または進行の抑制に有用な薬物投与方法および薬物を包含する。さらに、本発明の実施態様による薬物投与方法および薬物により、ALSの発症時の早期に患者に薬物を投与するのが可能になる。さらに、本発明の実施態様による薬物投与方法および薬物により、ALSの発症時の早期に患者を選択するのが可能になり、かつ、高い治療効果または高い疾患抑制効果を得ることができる。
【0189】
上記の教示に照らして、本発明の多数の修正および変更が可能であることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で本発明を実施できることが理解されるべきである。