(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007253
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】機器診断方法及び機器診断プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20250109BHJP
【FI】
G06F3/0482
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108529
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井田 昇
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 秀雄
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC17
5E555BD01
5E555CB14
5E555CB33
5E555CB42
5E555CC03
5E555DB11
5E555DB41
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】機器状態を診断する際にユーザを支援することができる機器診断方法及び機器診断アルゴリズムを提供する。
【解決手段】家電機器のセルフ診断を情報端末が行う機器診断方法であって、情報端末は、選択肢IDに係るボタン表示情報、説明情報、質問情報、機器診断の資料情報、選択肢数の値及び該選択肢数の値に対応する関連の選択肢IDが含んで構成される定義情報にアクセス可能である。情報端末の処理部は、タップされた選択肢IDに係る資料情報がある場合、該資料情報を前記情報端末の資料表示部50に表示する資料表示ステップと、タップされた選択肢IDに係る前記選択肢数の値がある場合、該選択肢数の値の数だけ前記関連の選択肢IDに係るボタン表示情報を診断表示部40に表示する関連ステップと、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器のセルフ診断を情報端末が行う機器診断方法であって、
前記情報端末は、選択肢IDに係るボタン表示情報、説明情報、質問情報、機器診断の資料情報、選択肢数の値及び該選択肢数の値に対応する関連の選択肢IDが含んで構成される定義情報にアクセス可能であり、
前記情報端末の処理部は、
前記情報端末の診断表示部に表示された選択肢がタップされたことを検知すると、該タップされた選択肢の選択肢IDを前記定義情報から検索し、該当する選択肢IDの各情報を参照する参照ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記説明情報がある場合、該説明情報を前記診断表示部に表示する説明表示ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記質問情報がある場合、該質問情報を前記診断表示部に表示する質問表示ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記資料情報がある場合、該資料情報を前記情報端末の資料表示部に表示する資料表示ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記選択肢数の値がある場合、該選択肢数の値の数だけ前記関連の選択肢IDに係る前記ボタン表示情報を前記診断表示部に表示する関連ステップと、を有する
ことを特徴とする機器診断方法。
【請求項2】
請求項1に記載の機器診断方法において、
前記情報端末は、前記定義情報を、前記家電機器の診断方法を管理するサーバから更新があった旨の通知があった際に、前記サーバから該更新があった定義情報を取得して記憶部に記憶する
ことを特徴とする機器診断方法。
【請求項3】
請求項1に記載の機器診断方法において、
前記資料情報は、ユーザが機器の診断を進めるにあたり、前記タップされた選択肢、前記説明情報、前記質問情報の各ボタン表示の内容をユーザに補足説明する資料情報であり、前記資料表示部は、前記診断表示部の左右または上下方向のどちらか一方に分割独立して表示される
ことを特徴とする機器診断方法。
【請求項4】
請求項1に記載の機器診断方法において、
前記資料情報は、前記家電機器の性能及び/または構造に関する情報、前記家電機器が生成する生成物に関する情報、前記家電機器の故障モードに関する情報、前記家電機器のサービスメンテナンス情報、のうち少なくともいずれかである
ことを特徴とする機器診断方法。
【請求項5】
請求項1に記載の機器診断方法において、
前記情報端末の処理部は、メニューボタンのタップを検知すると、メニューリスト表示部に資料情報メニューを表示し、該資料情報メニューからユーザが選択した資料情報を前記資料表示部に表示する
ことを特徴とする機器診断方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の機器診断方法において、
前記家電機器は、生活家電、キッチン家電、空調家電のいずれかである
ことを特徴とする機器診断方法。
【請求項7】
家電機器のセルフ診断を行う機器診断プログラムであって、
コンピュータは、選択肢IDに係るボタン表示情報、説明情報、質問情報、機器診断の資料情報、選択肢数の値及び該選択肢数の値に対応する関連の選択肢IDが含んで構成される定義情報にアクセス可能であり、
前記コンピュータに、
診断表示部に表示された選択肢がタップされたことを検知すると、該タップされた選択肢IDを前記定義情報から検索し、該当する選択肢IDの各情報を参照する参照処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記説明情報がある場合、該説明情報を前記診断表示部に表示する説明表示処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記質問情報がある場合、該質問情報を前記診断表示部に表示する質問表示処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記資料情報がある場合、該資料情報を資料表示部に表示する資料表示処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記選択肢数の値がある場合、該選択肢数の値の数だけ前記関連の選択肢IDに係る前記ボタン表示情報を前記診断表示部に表示する関連処理と、を
実行させるための機器診断プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の機器診断プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記定義情報を、前記家電機器の診断方法を管理するサーバから更新があった旨の通知があった際に、前記サーバから該更新があった定義情報を取得して記憶部に記憶させる処理を実行させる
ことを特徴とする機器診断プログラム。
【請求項9】
請求項7に記載の機器診断プログラムにおいて、
前記資料情報は、ユーザが機器の診断を進めるにあたり、前記タップされた選択肢、前記説明情報、前記質問情報の各ボタン表示の内容をユーザに補足説明する資料情報であり、前記資料表示部を前記診断表示部の左右または上下方向のどちらか一方に分割独立して表示する処理を前記コンピュータに実行させる
ことを特徴とする機器診断プログラム。
【請求項10】
請求項7に記載の機器診断プログラムにおいて、
前記資料情報は、前記家電機器の性能及び/または構造に関する情報、前記家電機器が生成する生成物に関する情報、前記家電機器の故障モードに関する情報、前記家電機器のサービスメンテナンス情報、のうち少なくともいずれかである
ことを特徴とする機器診断プログラム。
【請求項11】
請求項7に記載の機器診断プログラムにおいて、
メニューボタンのタップを検知すると、メニューリスト表示部に資料情報メニューを表示し、該資料情報メニューからユーザが選択した資料情報を前記資料表示部に表示する処理を前記コンピュータに実行させる
ことを特徴とする機器診断プログラム。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれか1項に記載の機器診断プログラムにおいて、
前記家電機器は、生活家電、キッチン家電、空調家電のいずれかである
ことを特徴とする機器診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電機器の機器診断方法及び機器診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器の不具合があった場合、ユーザは、家電機器メーカのインターネット上のサイトを探し故障診断のページを参照し、又は取扱説明書を参照して不具合を解消しようとするのが常である。
【0003】
特許文献1には、車両に搭載された電子制御装置に接続し、電子制御装置内に記憶された自己診断データを外部診断装置で読み出して故障診断を行う故障診断方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の故障診断方法においては、故障事象を特定する故障コードを電子制御装置から外部診断装置に読み出す故障コード読出しステップと、読み出した故障コードに応じた作業を案内する作業案内画面を表示する作業案内ステップとを備え、作業案内画面には、故障コードに対応する故障事象を生じさせる故障発生箇所を特定するための複数の作業項目からなる全体作業フローチャートを含むと共に複数の作業項目のうち選択されたものを強調表示する全体作業表示領域と、強調表示された作業項目に対応する具体的作業内容を示す具体的作業表示領域と、を並べて設けている。特許文献1の場合、機器診断装置を装置に接続する必要があり、車両に搭載された電子制御装置を対象としている。
【0006】
家電機器のユーザにとって、家電機器の故障コード等が不明な場合が多々あり、ユーザにフレンドリーな機器診断方法が望まれていた。
【0007】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、機器状態を診断する際にユーザを支援することができる機器診断方法及び機器診断アルゴリズムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の機器診断方法は、家電機器のセルフ診断を情報端末が行う機器診断方法であって、前記情報端末は、選択肢IDに係るボタン表示情報、説明情報、質問情報、機器診断の資料情報、選択肢数の値及び該選択肢数の値に対応する関連の選択肢IDが含んで構成される定義情報にアクセス可能であり、前記情報端末の処理部は、前記情報端末の診断表示部に表示された選択肢がタップされたことを検知すると、該タップされた選択肢の選択肢IDを前記定義情報から検索し、該当する選択肢IDの各情報を参照する参照ステップと、前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記説明情報がある場合、該説明情報を前記診断表示部に表示する説明表示ステップと、前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記質問情報がある場合、該質問情報を前記診断表示部に表示する質問表示ステップと、前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記資料情報がある場合、該資料情報を前記情報端末の資料表示部に表示する資料表示ステップと、前記タップされた選択肢の選択肢IDに係る前記選択肢数の値がある場合、該選択肢数の値の数だけ前記関連の選択肢IDに係る前記ボタン表示情報を前記診断表示部に表示する関連ステップと、を有することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る機器診断システムを示す図である。
【
図4】アプリケーション画面の他の例を示す図である。
【
図6】質問情報及び選択肢の関連情報の表示例を示す図である。
【
図7】質問情報、選択肢の関連情報、及び資料情報の表示例を示す図である。
【
図8】
図7からさらに質問情報、選択肢の関連情報を追加した例を示す図である。
【
図9】
図6において、他の選択肢が選択された場合の例を示す図である。
【
図10】メニューリスト表示部の例を示す図である。
【
図11】メニュー処理を示すフローチャートである。
【
図13】スマートフォンでのアプリケーション画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る機器診断システム100を示す図である。機器診断システム100は、情報端末20とサーバ21とを含んで構成される。サーバ21は、記憶部22を有し、記憶部22には診断プログラム23、定義情報70等が記憶されている。情報端末20には、記憶部20M、処理部20S、入出力部等を有する。なお、記憶部20M、処理部20Sは図示していない。
【0011】
ユーザは、家電機器10の機器診断をする際に、予め情報端末20に、インターネット27を介してサーバ21から、診断プログラム23と、診断プログラム用の定義情報70をダウンロードする。これにより、情報端末20が、インターネット27にオフラインでも、家電機器10のセルフ診断を行うことができる。情報端末20は、定義情報70を、サーバ21から更新があった旨の通知があった際に、サーバ21から該更新があった定義情報70を取得する。すなわち、ユーザは、最新の機器診断の情報を得ることができる。
【0012】
なお、本実施形態では、オフラインでも機器診断できるように、情報端末20に定義情報70をダウンロードしているが、常時、オンライン接続できる場合は、定義情報70をダウンロードせず運用することもできる。すなわち、情報端末20は、オンラインやオフラインで定義情報70にアクセス可能である。
【0013】
(機器診断システムの運用方法と特徴)
本システムは、診断アプリケーション(診断プログラム23)と定義情報70(データ)を分割している。情報端末20はサーバ21より診断アプリケーションをダウンロードし、情報端末20内の記憶部20Mに診断アプリケーションを備え、診断アプリケーション内には定義情報70を備える。
【0014】
実際に使用されるシーンにおいて、例えば、保守サービスでは、各サービスエージェントの情報端末20には、あらかじめ、診断アプリケーションが配信され、その後、各サービスエージェントは各自の情報端末のアプリケーション内にサーバ21から定義情報70をダウンロード後、ユーザ宅(顧客宅など)のサービス現場にて、診断が実施される。なお、診断方法の変更や改善が発生した場合は、定義情報70の更新が必要であることの情報が各サービスエージェントの情報端末20に表示され、サービスエージェントが、定義情報70(データ)を更新する。
【0015】
一方、次のステップとして、ユーザ自身が使用される場合は、ユーザ(顧客)がサービス会社と契約後、ユーザがユーザの情報端末20にアプリをダウンロードし、ユーザがセルフ診断を実施する。なお、この場合のアプリケーション内には、あらかじめ初回の定義情報70(データ)が記憶されている。また、診断方法の変更や改善が発生した場合は、定義情報70(データ)の更新が必要であることの情報がユーザの情報端末20に表示され、ユーザが、定義情報70(データ)を更新する。
【0016】
(アプリケーションとデータを分割する理由)
使用するOS(オペレーティングシステム)により、機器で使用するアプリケーション(プログラム)を変更する際は、都度OS開発会社の審査が必要な場合がある。しかし、一旦審査を受けたアプリケーションは、アプリケーションの変更をしなければ、アプリケーションでアクセスする定義情報(データやパラメータ)を変更しても再審査せずに運用することが可能である。
【0017】
このため、アプリケーションはシンプル、かつ定義情報70(データ)により発展性と汎用性のあるプログラムにしておくことで、例えば、急な診断方法の変更や改善対応が容易であり、また、同一の情報端末を使用し、定義情報(データやパラメータ)を応用することで、他の機種や他の家電製品の診断が可能となる。
【0018】
図2は、定義情報70の一例を示す図である。情報端末20の記憶部20Mには、定義情報70が記憶されている。定義情報70は、選択肢ID71と、選択肢ID71に係るボタン表示情報72(ボタン表示テキスト)、説明情報73、質問情報74、機器診断の資料情報75、選択肢数の値76(選択肢数)及び該選択肢数の値76に対応する関連の選択肢ID77が含んで構成される。例えば、選択肢ID71が「A01」の場合、ボタン表示情報72には「ランプが点滅する」が記載されており、質問情報74には「〇〇を確認してください」が記載されている。資料情報75には「a01.jpg」が記載されており、選択肢数の値76には「2」とあり、その「2」に対応する関連の選択肢ID77として「A02、A03」が記載されている。「A02」については、本例の場合には次の行に記載されている。関連の選択肢は、定義情報70に定義されることにより、複数のIDの関連付けができる。
【0019】
家電機器10は、生活家電、キッチン家電、空調家電がある。生活家電には、洗濯機・衣類乾燥機、クリーナー、ふとん乾燥機、衣類スチーマー、アイロン等がある。キッチン家電には、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、IHクッキングヒーター、オーブントースター、卓上IH調理器、パーソナルブレンダー等がある。空調家電には、エアコン(空気調和機)、空気洗浄機、除菌脱臭機、加湿器、除湿機、扇風機等がある。
【0020】
情報端末20が、家電機器10ごとに定義情報70を取得した場合、各種の家電機器10に対し、機器診断を行うことができる。
【0021】
図3は、アプリケーション画面の例を示す図である。
図4は、アプリケーション画面の他の例を示す図である。情報端末20の画面30は、診断表示部40と、資料表示部50とで構成されている。診断表示部40と、資料表示部50とは、表示領域仕切り線33で仕切られている。
【0022】
本機能はアプリケーション、またはアプリケーション内の一つの機能で提供され、不具合が発生した家電機器10を診断し、不具合の解消や原因の特定につなげ、不必要な部品または家電機器本体の交換の抑制を狙いとするものである。
【0023】
診断はチャット形式であり、家電機器10の状態を確認するためにあらかじめ定義されている質問とそれ対する選択肢を表示し、手動でタップすることで、不具合の絞り込みを行う。また、質問と回答を繰り返すことで不具合の原因を特定し、対応方法の表示を行う。
【0024】
画面は分割またはピクチャーインピクチャーで表示され片方にチャット形式の診断表示部40、もう片方に診断するうえで回答に関連する内容の資料を表示する資料表示部50を有する。
【0025】
(診断表示部40)
診断表示部40は、説明表示部41、質問表示部42、選択肢表示部43、回答表示部44、ひとつ戻るボタン45、終了ボタン46、スクロールボタン47を含んで構成されている。診断表示部40は、質問(質問表示部42)、選択肢(選択肢表示部43)、選択後は回答に変化(回答表示部44)、説明(説明表示部41)で表現されている。選択肢は背景色が濃緑色で白色の文字で表現され、タップして選択することができる。ユーザが選択肢をタップして選択すると他の選択肢は消え、選択した選択肢は色が変わる。選択した選択肢によって資料表示部50に資料を自動で表示される。
【0026】
診断表示部下部には、ひとつ戻るボタン45と終了ボタン46がある。ひとつ戻るボタン45をタップすると、ひとつ前の質問と選択肢群に戻る。終了ボタン46をタップすると、診断初期画面に戻る。診断表示部40は終了しないかぎり、一般的なチャットアプリケーション同様過去のやりとり、本機能の場合は診断にいたる経緯が残る。上記経緯が長くなると1画面で表示できなくなるが、スクロールボタン47により、上下にスクロールすることで診断の前半など確認し難い箇所を見ることができる。なお、スワイプでスクロールが可能である。1画面表示ができなくなり、診断表示部40下欄外にチャットが進行している場合は診断表示部右下に、スクロールボタン47が表示され、診断表示部下欄外にチャットが進行していることを示し、スクロールボタン47を押すとチャットを一番下までスクロールすることができる。
【0027】
(資料表示部50)
資料表示部50の資料はピンチインアウトで大きさを変更できる。資料表示部50の右上の×ボタン(表示資料消去ボタン51)をタップすると、表示している資料が消える。診断表示部40と資料表示部50はそれぞれ独立で上下にスクロールができる。資料表示部50は左右のスクロールができる。なお、スワイプで操作が可能である。
図4の資料表示部50には、資料例52及び異常時の表示部点灯パターン例53が表示されている。
(他の機能)
ヘッダー右の診断表示部表示範囲切替ボタン32をタップすると診断表示部40の表示範囲を変更できる。
ヘッダー左のメニューボタン31をタップすると、資料表示部50の資料や補助機能がリスト形式で表示される。詳細は、
図10~
図12を参照して後述する。
【0028】
情報端末20の処理部20Sは、情報端末の診断表示部40に表示された選択肢がタップされたことを検知すると、該タップされた選択肢ID71を前記定義情報から検索し、該当する選択肢IDの各情報を参照する参照ステップと、タップされた選択肢ID71に係る説明情報73がある場合、該説明情報を診断表示部40に表示する説明表示ステップと、タップされた選択肢ID71に係る質問情報74がある場合、該質問情報を診断表示部40に表示する質問表示ステップと、タップされた選択肢ID71に係る資料情報75がある場合、該資料情報を前記情報端末の資料表示部50に表示する資料表示ステップと、タップされた選択肢ID71に係る選択肢数の値76がある場合、該値の数だけ前記関連の選択肢ID77に係るボタン表示情報72を診断表示部40に表示する関連ステップと、を有する。以下、
図5~
図9を参照して、診断処理について具体的に説明する。
【0029】
(機器診断処理)
図5は、機器診断処理S60を示すフローチャートである。処理部20Sは、最初の質問と選択肢を診断表示部40に表示し(ステップS61)、ユーザが選択肢をタップしたことを検知すると(ステップS62)、選択肢をすべて消去し(ステップS63)、タップされた選択肢を表示する(ステップS64)。
【0030】
処理部20Sは、タップされた選択肢のIDを定義情報70から検索し、そのIDの各情報を参照し(ステップS65)、定義情報70の説明情報73(説明欄)に情報があるか否かを判定し(ステップS66)、説明欄に情報がある場合(ステップS66,Yes)、説明欄の情報を診断表示部40に表示し(ステップS67)、ステップS68に進む。一方、処理部20Sは、説明欄に情報がない場合(ステップS66,No)、そのままステップS68に進む。
【0031】
ステップS68において、処理部20Sは、定義情報70の質問情報74(質問欄)に情報があるか否かを判定し、質問欄に情報がある場合(ステップS68,Yes)、質問欄の情報を診断表示部40に表示し(ステップS69)、ステップS70に進む。一方、処理部20Sは、質問欄に情報がない場合(ステップS68,No)、そのままステップS70に進む。
【0032】
ステップS70において、処理部20Sは、定義情報70(
図2参照)の資料情報75(資料欄)に情報があるか否かを判定し、資料欄に情報がある場合(ステップS70,Yes)、資料欄の情報を資料表示部50に表示し(ステップS71)、ステップS72に進む。一方、処理部20Sは、資料欄(
図2の資料情報75)に情報がない場合(ステップS70,No)、そのままステップS72に進む。
【0033】
ステップS72において、処理部20Sは、定義情報70の選択肢数の値76が0(ゼロ)であるか否かを判定し、0でない場合(ステップS72,No)、値の数だけ選択肢を表示し選択肢IDを割り当て、割り当てたIDからボタン表示情報72(ボタン表示テキスト欄)のテキストを選択肢に表示し(ステップS73)、ステップS62に戻る。一方、処理部20Sは、選択肢数の値76が0である場合(ステップS72,Yes)、処理を終了する。
【0034】
機器診断処理S60の具体例について、適宜
図6を参照して説明する。
図6は、質問情報及び選択肢の関連情報の表示例を示す図である。
図6は、冷蔵庫の製氷不良故障診断の例である。ステップS61において、質問表示部42に「症状を教えてください」の質問を表示し、選択肢表示部43に複数の選択肢(例えば、「操作パネルのランプが点滅する」、「給水ランプが点滅する」)を表示している。そして、ユーザが選択肢表示部43に表示されている選択肢の中から「操作パネルのランプが点滅する」をタップすると、
図7へ遷移する。
【0035】
図7は、質問情報、選択肢の関連情報、及び資料情報の表示例を示す図である。
図7は、ステップS62,S63を経由して(タップを検知と選択肢をすべて消去のステップを経由して)、ステップS64(タップされた選択肢を表示)において、回答表示部44には「操作パネルのランプが点滅する」のユーザ回答を表示している。また、
図7は、ステップS69(質問欄の情報を診断表示部に表示)において、診断表示部40の質問表示部42に「点滅しているランプは?」の質問が表示され、ステップS73において、すなわち、値の数だけ選択肢を表示し選択肢IDを割り当て、割り当てた選択肢IDからボタン表示テキスト欄のテキストを選択肢に表示するというステップS73において、選択肢表示部43には、「アイスメーカユニット異常」と「製氷皿氷挟み込み」という2つの選択肢が表示された状態である。また、ステップS71(資料表示部に資料を表示)において、資料表示部50に資料例52が表示されている。資料としては、故障検出時の操作パネル表示内容であり、選択肢の「アイスメーカユニット異常」と「製氷皿氷挟み込み」の詳細情報が表示されている。
【0036】
図8は、
図7からさらに質問情報、選択肢の関連情報を追加した例を示す図である。
図8は、
図7において、ユーザが「アイスメーカユニット異常」の選択肢をタップした場合の表示画面である。ステップS64において、「アイスメーカユニット異常」のユーザ回答が表示され、ステップS67において、「製氷皿が製氷ケース内の食品にあたっている可能性があります」の説明が表示され、ステップS69において、「食品や氷を取り除き、『製氷おそうじ』運転で再点検してください。ランプは点滅しますか?」が表示され、ステップS73において、選択肢表示部43には、「ランプが点滅する」と「ランプが点滅しない」という2つの選択肢が表示された状態である。このように、本実施形態では、ユーザは、質問と資料とを参照して答えていくことにより、セルフ機器診断をすることができる。
【0037】
図9は、
図6において、他の選択肢が選択された場合の例を示す図である。
図6では、選択肢表示部43には9つの選択肢が表示されていた。
図9は、
図6に表示された9つの選択肢のなかから、ユーザが「自動製氷機が途中で止まっている」の選択肢を選択すると、ステップS64において、「自動製氷機が途中で止まっている」のユーザ回答が表示され、ステップS67において、「『製氷おそうじ』運転で点検してください」の説明が説明表示部41に表示され、ステップS69において、「『製氷おそうじ』運転の点検結果は?」が質問表示部42に表示され、次に選択肢が表示される直前の状態である(
図9ではまだ選択肢は表示されていない)。このように、本実施形態では、複数の選択肢に対応して、機器診断が進むことができる。
【0038】
(メニューリスト表示部)
図10は、メニューリスト表示部60の例を示す図である。メニューボタン31がタップされると、メニューリスト表示部60が画面左から表示される。メニューリスト表示部60には、表示資料リスト61a、アプリ切り替えボタン63、定義情報ダウンロードボタン64を含んでいる。
【0039】
表示資料リスト61a内のメニュー内の資料表示部の資料をタップするとその資料を表示できる。また、表示資料リスト61aの右端には、アコーディオンリスト状態表示部62a(折り畳まれている状態),62b(展開されている状態)がある。アコーディオンリスト状態表示部62bで展開されている場合、表示資料リスト61bのようにリストが展開されて表示される。
【0040】
ユーザがメニュー内のアプリ切り替えボタン63(
図12参照)をタップすると関連するアプリケーションが起動する。ユーザがメニュー内の定義情報ダウンロードボタン64(
図12参照)をタップすると定義情報を更新できる。ただし、アプリケーションをオンラインで起動しておく必要がある。
【0041】
図11は、メニュー処理S80を示すフローチャートである。処理部20Sは、ユーザがメニューボタン31をタップしたことを検知すると(ステップS81)、メニューリスト表示部60が画面左から表示され(メニューを展開)(ステップS82)、ユーザがみたい資料を端プしたことを検知すると(ステップS83)、タップされた資料を資料表示部50に表示する(ステップS84)。処理部20Sは、ユーザがメニューボタン31を再度タップしたことを検知すると、メニューリスト表示部60が閉じる(ステップS85)。
【0042】
図12は、メニューリストの例を示す図である。メニューリスト表示部60には、前記したように、表示資料リスト61a、アプリ切り替えボタン63(アプリ切替え)、定義情報ダウンロードボタン64(最新定義ダウンロード)を含んでいる。表示資料リスト61aでのメニューリストには、操作方法、説明、エラー表示、構造、氷の形状、サービス技術ニュース、その他がある。メニューリストから、ユーザが知りたい情報を得ることができる。
【0043】
図13は、スマートフォンでのアプリケーション画面の例を示す図である。スマートフォン(情報端末20a)においても、
図3と同様に、診断表示部40及び資料表示部50を画面30に表示することができる。なお、画面30の領域が小さい場合、診断表示部40を画面30に表示し(
図13の左側参照)、資料がある場合、関連資料有り明示ボタン54が表示される。ユーザは、関連資料有り明示ボタン54をタップすると、画面30に資料表示部50が表示される(
図13の右側参照)。
【0044】
図13の左に示す診断表示部40は、説明表示部41、質問表示部42、選択肢表示部43、回答表示部44、ひとつ戻るボタン45、終了ボタン46、スクロールボタン47を含んで構成されている。診断表示部40は、質問(質問表示部42)、選択肢(選択肢表示部43)、選択後は回答に変化(回答表示部44)、説明(説明表示部41)で表現されている。選択肢は背景色が濃緑色で白色の文字で表現され、タップして選択することができる。ユーザが選択肢をタップして選択すると他の選択肢は消え、選択した選択肢は色が変わる。選択した選択肢によって、関連資料有り明示ボタン54が表示される。
【0045】
図14は、コンピュータ980のブロック図である。
図1に示した情報端末20は、
図14に示すコンピュータ980により構成される。
図14において、コンピュータ980は、CPU(Central Processing Unit)981と、記憶部982と、通信I/F(インタフェース)983と、入出力I/F984と、DSP(Digital Signal Processor)985と、を備える。ここで、記憶部982は、RAM982aと、ROM982bと、を備える。通信I/F983は、通信回路986に接続される。入出力I/F984は、入出力装置987に接続される。
【0046】
ROM982bには、CPU981およびDSP985によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。CPU981およびDSP985は、これらプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。
図1のサーバ21は、
図14に示すコンピュータ980を1台またはそれ以上の台数で構成される。
【0047】
本実施形態の機器診断方法及び機器診断プログラムは、次の特徴を有する。
(1)家電機器のセルフ診断を情報端末20が行う機器診断方法であって、
前記情報端末20は、選択肢ID71に係るボタン表示情報72、説明情報73、質問情報74、機器診断の資料情報75、選択肢数の値76及び該選択肢数の値76に対応する関連の選択肢ID77が含んで構成される定義情報70にアクセス可能である。
【0048】
前記情報端末20の処理部20Sは、前記情報端末20の診断表示部40に表示された選択肢がタップされたことを検知すると、該タップされた選択肢の選択肢ID71を前記定義情報70から検索し、該当する選択肢ID71の各情報を参照する参照ステップと、 前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記説明情報73がある場合、該説明情報73を前記診断表示部40に表示する説明表示ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記質問情報74がある場合、該質問情報74を前記診断表示部40に表示する質問表示ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記資料情報75がある場合、該資料情報75を前記情報端末20の資料表示部50に表示する資料表示ステップと、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記選択肢数の値76がある場合、該選択肢数の値76の数だけ前記関連の選択肢ID77に係る前記ボタン表示情報72を前記診断表示部40に表示する関連ステップと、を有する。これによれば、機器状態を診断する際にユーザを支援することができる。
【0049】
(2)前記(1)の機器診断方法において、情報端末20は、定義情報70を、家電機器10の診断方法を管理するサーバ21から更新があった旨の通知があった際に、サーバ21から該更新があった定義情報70を取得する。これにより、最新の定義情報70を得ることができる。
【0050】
(3)前記(1)の機器診断方法において、資料情報75は、ユーザが機器の診断を進めるにあたり、タップされた選択肢、説明情報73、質問情報74の各ボタン表示の内容をユーザに補足説明する資料情報であり、資料表示部50は、診断表示部40の左右または上下方向のどちらか一方に分割独立して表示される。これにより、ユーザは機器診断において、詳細な情報を得ることができる。
【0051】
(4)前記(1)の機器診断方法において、資料情報75は、家電機器10の性能及び/または構造に関する情報、家電機器10が生成する生成物に関する情報、家電機器10の故障モードに関する情報、家電機器10のサービスメンテナンス情報、のうち少なくともいずれかである。
【0052】
(5)前記(1)の機器診断方法において、情報端末の処理部20Sは、メニューボタン31のタップを検知すると、メニューリスト表示部60に資料情報メニューを表示し、該資料情報メニューからユーザが選択した資料情報を資料表示部50に表示する。これにより、ユーザは、紙ベース取扱説明書によらず、適切な資料をみることができる。
【0053】
(6)前記(1)乃至(5)のいずれかの機器診断方法において、家電機器10は、生活家電、キッチン家電、空調家電のいずれかである。
【0054】
(7)家電機器のセルフ診断を行う機器診断プログラムであって、
コンピュータは、選択肢ID71に係るボタン表示情報72、説明情報73、質問情報74、機器診断の資料情報75、選択肢数の値76及び該選択肢数の値76に対応する関連の選択肢ID77が含んで構成される定義情報70にアクセス可能であり、
前記コンピュータに、
診断表示部40に表示された選択肢がタップされたことを検知すると、該タップされた選択肢ID71を前記定義情報70から検索し、該当する選択肢ID71の各情報を参照する参照処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記説明情報73がある場合、該説明情報73を前記診断表示部40に表示する説明表示処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記質問情報74がある場合、該質問情報74を前記診断表示部40に表示する質問表示処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記資料情報75がある場合、該資料情報75を資料表示部50に表示する資料表示処理と、
前記タップされた選択肢の選択肢ID71に係る前記選択肢数の値76がある場合、該選択肢数の値76の数だけ前記関連の選択肢ID77に係る前記ボタン表示情報72を前記診断表示部40に表示する関連処理と、を実行させるための機器診断プログラムである。
【符号の説明】
【0055】
10 家電機器
20,20a 情報端末
20M 記憶部
20S 処理部
21 サーバ
22 記憶部
23 診断プログラム
30 画面
31 メニューボタン
32 診断表示部表示範囲切替ボタン
33 表示領域仕切り線
40 診断表示部
41 説明表示部
42 質問表示部
43 選択肢表示部
44 回答表示部
45 ひとつ戻るボタン
46 終了ボタン
47 スクロールボタン
50 資料表示部
51 表示資料消去ボタン
52 資料例
53 異常時の表示部点灯パターン例
54 関連資料有り明示ボタン
60 メニューリスト表示部
61a 表示資料リスト(アコーディオン型第一階層)
61b 表示資料リスト(アコーディオン型第二(最終)階層)
62a アコーディオンリスト状態表示部(折り畳まれている状態)
62b アコーディオンリスト状態表示部(展開されている状態)
63 アプリ切り替えボタン
64 定義情報ダウンロードボタン
70 定義情報
71 選択肢ID
72 ボタン表示情報
73 説明情報
74 質問情報
75 資料情報
76 選択肢数の値
77 選択肢ID(関連の選択肢ID)
100 機器診断システム
S60 機器診断処理
S80 メニュー処理