(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007260
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】床置き手摺及び床置き手摺用錘
(51)【国際特許分類】
A61G 7/053 20060101AFI20250109BHJP
A61H 3/00 20060101ALI20250109BHJP
E04F 11/18 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61G7/053
A61H3/00 Z
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108537
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】藤川 稔
【テーマコード(参考)】
2E301
4C040
4C046
【Fターム(参考)】
2E301JJ06
2E301JJ07
2E301LL13
2E301MM06
4C040AA05
4C040AA06
4C040GG14
4C046AA22
4C046AA27
4C046AA43
4C046BB07
4C046DD08
4C046DD33
4C046DD44
4C046FF04
4C046FF11
(57)【要約】
【課題】床置き手摺の台座と手摺とを分離させることなく床置き手摺用錘を床置き手摺に容易に装着又は取外すことができるようにすること。
【解決手段】本発明では、台座(2)の上部に手摺(3)を設けた床置き手摺(1)の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘(19)において、手摺(3)の支柱部分を錘本体(20)と保持具(21)とで囲繞した状態で装着され、又は、手摺(3)の支柱部分を複数の錘本体(20,20)で囲繞した状態で装着され、若しくは、手摺(3)の支柱部分を複数の錘本体(20,20)で囲繞した状態で装着され、複数の錘本体(20,20)を保持具(21)で保持し、錘本体(20)に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部(22)を形成することにした。また、前記複数の錘本体(20,20)に、分離阻止手段(23)又は/及び位置ずれ阻止手段(24)を設けることにした。また、前記複数の錘本体(20,20)をそれぞれ同一形状で形成することにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座の上部に手摺を設けた床置き手摺の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘において、
手摺の支柱部分を錘本体と保持具とで囲繞した状態で装着され、
錘本体に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成したことを特徴とする床置き手摺用錘。
【請求項2】
台座の上部に手摺を設けた床置き手摺の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘において、
手摺の支柱部分を複数の錘本体で囲繞した状態で装着され、
少なくとも1個の錘本体に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成したことを特徴とする床置き手摺用錘。
【請求項3】
台座の上部に手摺を設けた床置き手摺の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘において、
手摺の支柱部分を複数の錘本体で囲繞した状態で装着され、複数の錘本体を保持具で保持し、
少なくとも1個の錘本体に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成したことを特徴とする床置き手摺用錘。
【請求項4】
前記複数の錘本体に、それぞれの挿入凹部への支柱部分の挿入方向と逆方向に互いに動いて分離するのを阻止するための分離阻止手段を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の床置き手摺用錘。
【請求項5】
前記複数の錘本体に、それぞれの挿入凹部への支柱部分の挿入方向と直交する方向に互いに動いて位置がずれるのを阻止するための位置ずれ阻止手段を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の床置き手摺用錘。
【請求項6】
前記複数の錘本体をそれぞれ同一形状で形成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の床置き手摺用錘。
【請求項7】
台座とその台座の上部に設けた手摺とを支柱部分の連結具で着脱自在に連結した床置き手摺において、
前記請求項1~請求項3のいずれかの床置き手摺用錘を装着したことを特徴とする床置き手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台座の上部に手摺を設けた床置き手摺及びその床置き手摺の支柱部分に装着される床置き手摺用錘に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢者や要介護者などが起立・着座動作や立位保持や歩行動作などを行う際の補助器具として、床に載置することができるとともに移動させることができる床置き手摺が利用されている。
【0003】
この床置き手摺は、台座の上部に手摺が着脱自在に取付けられており、搬送時や収納時には台座と手摺とを分離した状態にして搬送や収納を容易なものとし、使用時には台座に手摺を装着した状態に組み立てることができるようになっている。そして、床置き手摺では、使用時に使用者の体重等の荷重が手摺にかかるために、高齢者や要介護者などが転倒やバランスを崩してしまうのを防止する必要がある。
【0004】
そのために、従来の床置き手摺では、台座と手摺とを接続する支柱部分に円筒形状の床置き手摺用錘が装着されている(たとえば、特許文献1の背景技術参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の床置き手摺用錘では、台座と手摺とを分離させてから装着しなければならず、さらに、台座に設けた支柱に手摺を固定するためには、床置き手摺用錘を持上げた状態で台座に設けた支柱と手摺とをネジ等で連結しなければならない。また、床置き手摺用錘を取外す際にも、床置き手摺用錘を持上げた状態で台座に設けた支柱と手摺とを連結するネジ等を外して台座と手摺とを分離させなければならない。
【0007】
そのため、上記従来の床置き手摺では、床置き手摺用錘を容易に装着や取外すことが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、台座の上部に手摺を設けた床置き手摺の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘において、手摺の支柱部分を錘本体と保持具とで囲繞した状態で装着され、錘本体に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、台座の上部に手摺を設けた床置き手摺の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘において、手摺の支柱部分を複数の錘本体で囲繞した状態で装着され、少なくとも1個の錘本体に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成することにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、台座の上部に手摺を設けた床置き手摺の支柱部分に装着するための床置き手摺用錘において、手摺の支柱部分を複数の錘本体で囲繞した状態で装着され、複数の錘本体を保持具で保持し、少なくとも1個の錘本体に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成することにした。
【0011】
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項2又は請求項3に係る本発明において、前記複数の錘本体に、それぞれの挿入凹部への支柱部分の挿入方向と逆方向に互いに動いて分離するのを阻止するための分離阻止手段を設けることにした。
【0012】
また、請求項5に係る本発明では、前記請求項2又は請求項3に係る本発明において、前記複数の錘本体に、それぞれの挿入凹部への支柱部分の挿入方向と直交する方向に互いに動いて位置がずれるのを阻止するための位置ずれ阻止手段を設けることにした。
【0013】
また、請求項6に係る本発明では、前記請求項2又は請求項3に係る本発明において、前記複数の錘本体をそれぞれ同一形状で形成することにした。
【0014】
また、請求項7に係る本発明では、台座とその台座の上部に設けた手摺とを支柱部分の連結具で着脱自在に連結した床置き手摺において、前記請求項1~請求項3のいずれかの床置き手摺用錘を装着することにした。
【発明の効果】
【0015】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0016】
すなわち、本発明では、床置き手摺用錘に、台座と手摺とを接続する支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部を形成しているために、台座と手摺とを分離させることなく床置き手摺の支柱部分に床置き手摺用錘を着脱することができ、床置き手摺用錘を床置き手摺に容易に装着又は取外すことができる。
【0017】
特に、床置き手摺用錘に分離阻止手段や位置ずれ阻止手段を設けた場合には、使用時に床置き手摺から床置き手摺用錘が不用意に外れてしまうのを防止することができるとともに、床置き手摺用錘を床置き手摺に、より一層容易に装着することができる。
【0018】
また、床置き手摺用錘を同一形状の複数の錘本体で構成した場合には、床置き手摺用錘の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】床置き手摺を示す平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)。
【
図2】床置き手摺用錘を示す平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)、断面図(d)。
【
図3】錘本体を示す正面図(a)、側面図(b)、背面図(c)、平面図(d)。
【
図5】床置き手摺用錘を示す平面図(a)、側面図(b)、平面図(c)、側面図(d)。
【
図6】床置き手摺用錘を示す平面図(a)、側面図(b)、平面図(c)、側面図(d)、平面図(e)、側面図(f)。
【
図7】床置き手摺用錘を示す平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る床置き手摺及び床置き手摺用錘の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、床置き手摺1は、床に移動可能に載置される台座2と、台座2に着脱自在に装着される手摺3とから構成している。そして、床置き手摺1の搬送時や収納時には、台座2と手摺3とを分離した状態にして搬送や収納を容易なものとし、床置き手摺1の使用時には、図示するように台座2に手摺3を装着した状態に組み立てることができるようになっている。
【0022】
この床置き手摺1の台座2は、矩形板状の台板4の上部中央に手摺3を支持するための2本の支持管5,6を左右に間隔をあけて設けている。各支持管5,6は、中空円管形状となっており、上端を開口させている。
【0023】
手摺3は、台座2の支持管5,6に支持される2本の支柱7,8を左右に間隔をあけて設け、支柱7,8の間に上端から上下に間隔をあけて3本の梁9,10,11を継手12~17を介して接続している。
【0024】
床置き手摺1は、台座2の支持管5,6に手摺3の支柱7,8を挿入することで、台座2に手摺3を着脱自在に装着している。この床置き手摺1では、台座2と手摺3とを接続する支柱部分(支持管5,6及び支柱7,8の下端部分)においてネジ等の連結具18で台座2の支持管5,6と手摺3の支柱7,8とを着脱自在に連結している。
【0025】
この床置き手摺1には、台座2と手摺3とを接続する左右の支柱部分にそれぞれ床置き手摺用錘19を着脱自在に装着している。
【0026】
床置き手摺用錘19は、
図2及び
図3に示すように、床置き手摺1の支柱部分の外周を全周にわたって囲繞する複数(ここでは、2個)の錘本体20,20と、複数の錘本体20,20が支柱部分から外れてしまうのを阻止するための保持具21とで構成している。ここでは、2個の錘本体20,20として同一形状で形成した一対のものを用いている。
【0027】
錘本体20は、半円管形状で中央部に上下に伸延する断面半円弧状に凹んだ挿入凹部22を形成している。錘本体20は、床置き手摺1の支柱部分の一側方から支柱部分を挿入凹部22に挿入することで、支柱部分に装着されるようになっている。ここでは、錘本体20の挿入凹部22の内周面の形状を床置き手摺1の支柱部分の外周面の形状とほぼ同一とし、支柱部分の外周面よりも若干大きなサイズで挿入凹部22の内周面を形成している。
【0028】
この錘本体20は、床置き手摺1への装着時に複数(ここでは、2個)で床置き手摺1の支柱部分の外周を全周にわたって囲繞し、その際に、複数の錘本体20がそれぞれの挿入凹部22への支柱部分の挿入方向と逆方向に互いに動いて分離してしまうおそれがあり、また、複数の錘本体20がそれぞれの挿入凹部22への支柱部分の挿入方向と直交する方向に互いに動いて位置がずれてしまうおそれがある。
【0029】
そのため、錘本体20には、前後の分離を防止するための分離阻止手段23と、左右への位置ずれを防止するための位置ずれ阻止手段24とが設けられている。
【0030】
分離阻止手段23としては、各錘本体20に形成した挿入凹部22の左右側部の下部に前方へ向けて張り出させた張出部25,26を形成するとともに、各張出部25,26の上部に前低後高状の傾斜面27,28を形成している。
【0031】
そして、分離阻止手段23は、2個の錘本体20を上下逆さまにした状態(一方の錘本体20の張出部25,26を下側にし、他方の錘本体20の張出部25,26を上側にした状態)で床置き手摺1の支柱部分の前後両側から支柱部分を挟んで(支柱部分を各挿入凹部22に挿入させて)当接させ、一方の錘本体20の上方から他方の錘本体20を降下させると、一方の錘本体20の傾斜面27,28と他方の錘本体20の傾斜面28,27とが当接(付合)し、前後方向への分離(移動)を阻止するようになっている。
【0032】
また、位置ずれ阻止手段24としては、各錘本体20に形成した挿入凹部22の左右側部の上部に前方へ向けて突出させた上下一条の凸部29,30を形成するとともに、挿入凹部22の左右側部の下部に形成した張出部25,26に後方へ向けて陥没させた上下一条の凹部31,32を形成している。凸部29,30と凹部31,32とは互いに付合する形状としている。
【0033】
そして、位置ずれ阻止手段24は、2個の錘本体20を上下逆さまにした状態(一方の錘本体20の張出部25,26を下側にし、他方の錘本体20の張出部25,26を上側にした状態)で床置き手摺1の支柱部分の前後両側から支柱部分を挟んで(支柱部分を各挿入凹部22に挿入させて)当接させ、一方の錘本体20の上方から他方の錘本体20を降下させると、一方の錘本体20の凸部29,30と他方の錘本体20の凹部31,32とが当接(付合)するとともに、一方の錘本体20の凹部31,32と他方の錘本体20の凸部29,30とが当接(付合)し、左右方向への位置ずれ(移動)を阻止するようになっている。
【0034】
この錘本体20には、外周にベルト状の保持具21を巻回した際に保持具21が上下にずれないように外周面中央部に左右に伸延する括れ部33を形成するとともに、括れ部33の中央部に前後に貫通する挿通孔34,34を形成し、この挿通孔34,34を利用して保持具21の端部を錘本体20に着脱自在に取付けている。
【0035】
保持具21は、ベルト状で両面に互いに連結可能な面ファスナーを形成している。
【0036】
そして、保持具21は、一端(基端)を1個の錘本体20の挿通孔34,34を通して連結し、複数の錘本体20の外周に巻回し、錘本体20の外周で中途部に他端(先端)を連結することで、複数の錘本体20の外周に着脱自在に巻回することができ、複数の錘本体20,20が支柱部分から外れてしまうのを阻止するようになっている。
【0037】
床置き手摺用錘19は、以上に説明したように構成しており、床置き手摺1に装着するときは、1個の錘本体20の挿入凹部22に床置き手摺1の支柱部分を一側方から挿入して台座2の上部に載置し、その後、その錘本体20の上方で残りの錘本体20の挿入凹部22に床置き手摺1の支柱部分を他側方から挿入するとともに位置ずれ阻止手段24の凸部29,30と凹部31,32とを符合させて分離阻止手段23の傾斜面27,28が符合するよう降下させて台座2の上部に載置し、その後、保持具21を巻回して先端を面ファスナーで連結する。床置き手摺1から床置き手摺用錘19を取り外すときには、上記と逆の動作を行えばよい。このように、上記床置き手摺用錘19では、台座2と手摺3とを分離させることなく床置き手摺1の支柱部分に床置き手摺用錘19を着脱することができ、床置き手摺用錘19を床置き手摺1に容易に装着又は取外すことができる。
【0038】
上記床置き手摺用錘19では、手摺3の支柱部分を複数(ここでは、2個)の錘本体20,20で囲繞した状態で装着され、複数の錘本体20,20を保持具21で保持し、少なくとも1個の錘本体20に、支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部22を形成した構成となっている。
【0039】
床置き手摺用錘19は、少なくとも1個の錘本体20に支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部22を形成した構成となっていればよく、
図4(a)に示す床置き手摺用錘19のように複数の錘本体20と保持具21とで構成した場合に限られず、たとえば、
図4(b)に示す床置き手摺用錘35のように、手摺3の支柱部分を複数(ここでは、2個)の錘本体20,20で囲繞した状態で装着される構成としてもよく、また、
図4(c)に示す床置き手摺用錘36のように、手摺3の支柱部分を1個の錘本体20と保持具21とで囲繞した状態で装着される構成としてもよい。
【0040】
ここで、
図4(a)に示した床置き手摺用錘19のように複数の錘本体20と保持具21とで構成する場合には、たとえば、
図5(a)及び(b)に示す床置き手摺用錘37のように、半円管状の一対の錘本体38,38の中央部に支柱部分の略半分を挿入できる挿入凹部39を形成するとともに、一対の錘本体38,38の外周で面ファスナーからなるベルト状の保持具40で連結した構成としてもよい。
【0041】
また、
図5(c)及び(d)に示す床置き手摺用錘41のように、半円管状の一対の錘本体38,38の中央部に支柱部分の略半分を挿入できる挿入凹部39を形成するとともに、一対の錘本体38,38の上端同士をテープやシールなどの保持具42で連結した構成としてもよい。
【0042】
また、
図4(b)に示した床置き手摺用錘35のように複数の錘本体20だけで構成する場合には、分離阻止手段23及び/又は位置ずれ阻止手段24を設けることが望ましい。
【0043】
たとえば、
図6(a)及び(b)に示す床置き手摺用錘43のように、半円管状の一対の錘本体44,44の中央部に支柱部分の略半分を挿入できる挿入凹部45を形成し、挿入凹部45の一側部に上下一条の前方へ向けて突出させた凸部46を形成するとともに、挿入凹部45の他側部に上下一条の後方へ向けて陥没させた凹部47を形成している。凸部46と凹部47とは、互いに付合する形状で、かつ、互いに付合させた状態で前後左右両方向への錘本体44の移動を阻止できる形状としている。これにより、凸部46と凹部47とで錘本体44,44の前後方向への分離を阻止する分離阻止手段48を構成し、凸部46と凹部47とで錘本体44,44の左右方向への位置ずれを阻止する位置ずれ防止手段49を構成している。
【0044】
また、
図6(c)及び(d)に示す床置き手摺用錘50のように、半円管状の一対の錘本体51,51の中央部に支柱部分の略半分を挿入できる挿入凹部52を形成し、挿入凹部52の側部それぞれに上下一条の凸部53及び凹部54を形成している。凸部53と凹部54とは、互いに付合する形状で、かつ、互いに付合させた状態で前後方向への錘本体51の移動を阻止できる形状としている。これにより、凸部53と凹部54とで錘本体51,51の前後方向への分離を阻止する分離阻止手段55を構成している。
【0045】
また、
図6(e)及び(f)に示す床置き手摺用錘56のように、半円管状の一対の錘本体57,57の中央部に支柱部分の略半分を挿入できる挿入凹部58を形成し、挿入凹部58の一側部に上下一条の側方へ向けて突出させた凸部59を形成し、挿入凹部58の他側部に上下一条の側方へ向けてU字状(鉤状)に突出させた凹部60を形成している。凸部59と凹部60とは、互いに付合する形状で、かつ、互いに付合させた状態で左右方向への錘本体57の移動を阻止できる形状としている。これにより、凸部59と凹部60とで錘本体57,57の左右方向への位置ずれを阻止する位置ずれ阻止手段61を構成している。
【0046】
さらに、
図4(c)に示した床置き手摺用錘36のように1個の錘本体20と保持具21とで構成する場合には、たとえば、
図7に示す床置き手摺用錘62のように、断面U字状で上下に伸延する錘本体63の中央部に支柱部分の全体を挿入できる挿入凹部64を形成し、挿入凹部64の左右両側部に錘本体63の上端から下方へ向けて一定深さの溝65を形成し、その左右の溝65,65に横長矩形薄板状の保持具66を着脱自在に挿入させた構成とすることもできる。
【0047】
以上に説明したように、上記床置き手摺用錘36,62は、手摺3の支柱部分を錘本体20,63と保持具21,66とで囲繞した状態で装着され、錘本体20,63に支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部22,64を形成した構成となっている。
【0048】
また、上記床置き手摺用錘35,43,50,56は、手摺3の支柱部分を複数の錘本体20,44,51,57で囲繞した状態で装着され、少なくとも1個の錘本体20,44,51,57に支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部22,45,52,58を形成した構成となっている。
【0049】
また、上記床置き手摺用錘36,37,41は、手摺3の支柱部分を複数の錘本体20,38で囲繞した状態で装着され、複数の錘本体20,38を保持具21,40,42で保持し、少なくとも1個の錘本体20,38に支柱部分を一側方から挿入させるための挿入凹部22,39を形成した構成となっている。
【0050】
そのため、上記構成の床置き手摺用錘19,35,36,37,41,43,50,56,62では、台座2と手摺3とを分離させることなく床置き手摺1の支柱部分に床置き手摺用錘19,35,36,37,41,43,50,56,62を着脱することができ、床置き手摺用錘19,35,36,37,41,43,50,56,62を床置き手摺1に容易に装着又は取外すことができる。
【0051】
また、上記床置き手摺用錘19,43,50は、複数の錘本体20,44,51が前後に分離してしまうのを阻止するための分離阻止手段23,48,55を設けた構成となっている。
【0052】
そのため、上記構成の床置き手摺用錘19,43,50では、使用時に床置き手摺1から床置き手摺用錘19,43,50が不用意に外れてしまうのを防止することができるとともに、床置き手摺用錘19,43,50を床置き手摺1により一層容易に装着することができる。
【0053】
また、上記床置き手摺用錘19,43,56は、複数の錘本体20,44,57が左右に位置ずれしてしまうのを阻止するための位置ずれ防止手段24,49,61を設けた構成となっている。
【0054】
そのため、上記構成の床置き手摺用錘19,43,56では、使用時に床置き手摺1から床置き手摺用錘19,43,56が不用意に外れてしまうのを防止することができるとともに、床置き手摺用錘19,43,56を床置き手摺1により一層容易に装着することができる。
【0055】
また、上記床置き手摺用錘19,35,36,41,43,50,56は、同一形状の複数の錘本体20,38,44,51,57で構成している。
【0056】
そのため、上記構成の床置き手摺用錘19,35,36,41,43,50,56では、製造コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 床置き手摺 2 台座
3 手摺 4 台板
5,6 支持管 7,8 支柱
9,10,11 梁 12~17 継手
18 連結具 19 床置き手摺用錘
20 錘本体 21 保持具
22 挿入凹部 23 分離阻止手段
24 位置ずれ阻止手段 25,26 張出部
27,28 傾斜面 29,30 凸部
31,32 凹部 33 括れ部
34 挿通孔 35 床置き手摺用錘
36 床置き手摺用錘 37 床置き手摺用錘
38 錘本体 39 挿入凹部
40 保持具 41 床置き手摺用錘
42 保持具 43 床置き手摺用錘
44 錘本体 45 挿入凹部
46 凸部 47 凹部
48 分離阻止手段 49 位置ずれ防止手段
50 床置き手摺用錘 51 錘本体
52 挿入凹部 53 凸部
54 凹部 55 分離阻止手段
56 床置き手摺用錘 57 錘本体
58 挿入凹部 59 凸部
60 凹部 61 位置ずれ阻止手段
62 床置き手摺用錘 63 錘本体
64 挿入凹部 65 溝
66 保持具