(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007298
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/105 20230101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108596
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】517157927
【氏名又は名称】株式会社SmartHR
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】金岡 亮
(72)【発明者】
【氏名】野沢 俊基
(72)【発明者】
【氏名】重松 裕三
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L010AA20
5L049AA08
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】従業員のスキル等の情報に対し、少なくとも利活用の機会を増やし、好ましくは統括的に管理する。
【解決手段】情報処理方法は、情報処理装置が、従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得すること、第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化すること、秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力すること、を実行する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得すること、
前記第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化すること、
秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力すること、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記出力することは、
第1企業の従業員の前記第2スキル関連情報を、前記第1企業とは異なる第2企業が管理する処理装置に出力することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記秘匿化することは、
前記秘匿化条件に含まれる各秘匿化項目の各設定情報に対応する情報が前記第1スキル関連情報に含まれる場合、当該対応する情報を秘匿化することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記秘匿化することは、
前記対応する情報を上位概念化する処理、又は、前記対応する情報が数値の場合、前記数値を含む所定範囲に丸める処理を行うことを含む、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記秘匿化することは、
前記第1スキル関連情報に含まれ得る情報が追加又は更新される場合、追加又は更新される情報に対して秘匿化条件を満たすかを判定することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記出力することは、
前記第2スキル関連情報を、各企業の各従業員の各第2スキル関連情報を格納する記憶装置に登録することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記記憶装置に記憶された各第2スキル関連情報と求人情報とを比較して類似性を判定することをさらに実行する、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記記憶装置に記憶された各第2スキル関連情報に基づいて、所定のカテゴリに含まれる各従業員の所定のスキル又は所定の経歴を比較することをさらに実行する、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記所定のカテゴリに含まれる第1従業員に対し、他の従業員のスキル又は経歴と差別化されるスキル又は経歴を提供することをさらに実行する、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記差別化されるスキル又は経歴のうちの前記第1従業員に特有のスキル又は経歴と、一時的に求人される各求人情報との比較により、前記特有のスキル又は経歴に対応する求人情報を前記第1従業員に提案することをさらに実行する、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得すること、
前記第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化すること、
秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力すること、
を実行させるプログラム。
【請求項12】
プロセッサを有する情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得すること、
前記第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化すること、
秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力すること、
を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、従業員の評価や担当割当等に利用するため、企業等に所属する従業員のスキルや経歴(以下、スキル等とも称す。)を管理することが行われている。例えば、デジタル署名又は認証を用いて資格証明書を発行することが知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】オープンバッジサービスのご案内,ネットラーニング,[on line],[令和5年6月14日検索],インターネット<https://www.netlearning.co.jp/openbadge/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、利用者が所定の資格を保有していることを、様々な場面において公式に証明することができる。しかし、企業の従業員等に対するスキル等が管理される場合、従業員のスキル等として様々な能力、資格、履修研修又は経歴等があり、これらを統括的に管理し、様々な場面、例えば社外でも利用できるようなことは想定されていなかった。
【0005】
そこで、開示技術は、従業員のスキル等の情報に対し、少なくとも利活用の機会を増やし、好ましくは統括的に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の一態様における情報処理方法は、情報処理装置が、従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得すること、前記第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化すること、秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力すること、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
開示技術によれば、従業員のスキル等の情報に対し、少なくとも利活用の機会を増やし、好ましくは統括的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバの一例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る人材情報の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るスキル関連情報の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る処理装置の一例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係る秘匿化に関する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図10】一実施形態に係るスキル登録画面の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係るスキル一覧画面の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係るスキル登録を要求する画面の一例を示す図である。
【
図13】一実施形態に係るスキル登録を依頼する画面の他の例を示す図である。
【
図14】一実施形態に係るスキル等の承認画面の一例を示す図である。
【
図15】一実施形態に係るスキル等の差し戻し画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すとおり、情報処理システム1は、サーバ10A、10Bと、1又は複数のユーザの処理装置20A、20B、20Cを含む。以下、サーバを個別に区別しない場合は、サーバ10と表記し、処理装置を区別しない場合は、処理装置20と表記する。例えば、実施形態に係る情報処理システム1は、各企業の各従業員のスキル又は経歴に関するスキル関連情報を管理し、必要に応じて秘匿情報を秘匿化する処理を実行するシステムを構成する。
【0011】
サーバ10と、処理装置20とは、ネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能である。サーバ10は複数の処理装置により構成されてもよく、処理装置20は任意の数でもよい。例えば、処理装置20は、本件サービスの提供を受ける組織(例、企業等)に属する各ユーザが、業務において使用する情報処理装置である。
【0012】
情報処理システム1は、所定組織に属する従業員のスキル又は経歴等に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得し、第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化し、秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力する。所定組織は、例えば企業や部署など、1又は複数の従業員により構成されるグループを含む。
【0013】
以上の情報処理システム1によれば、従業員等により登録されるスキル又は経歴等の各情報に対して、例えば、外部に知られたくない情報(例えば社外秘情報)を秘匿化することができる。具体例として、秘匿化された情報を含むスキル関連情報は、従業員の転職時などに転職先の企業に出力されてもよく、スキル関連情報の利活用の機会を増やすことが可能になる。
【0014】
また、情報処理システム1は、各企業の各従業員の秘匿化後の第2スキル関連情報をまとめて管理してもよい。これにより、同業種の従業員のスキル、資格又は経歴を比較、分析することが可能になり、特定の従業員に対して、足りないスキルへの自己啓発、又は、強みのスキルの把握等をさせることができる。以下、情報処理システム1に備えられるサーバ10と処理装置20とについて説明する。
【0015】
例えば、企業の従業員等(人材)を管理するサーバ10Aは、採用管理システムを管理するサーバ10Bと連携し、必要なデータを取得可能とする。また、サーバ10Aは、採用管理システムを管理するサーバ10Bから各求人情報を取得してもよい。
【0016】
処理装置20Aは、サーバ10Aに対し、処理装置20Aを利用する従業員Aのスキル等を登録する登録リクエストを出力する。処理装置20Aは、例えば、管理者が利用する処理装置20Bから従業員Aを指定してのスキル等の申請リクエストを、サーバ10Aを介して取得した場合に、上述したスキル等の登録処理を実行してもよい。また、処理装置20Aは、スキルとしての資格取得、能力獲得、研修受講、又は経歴としての学校卒業、業務完了、部署異動などの後に、従業員Aからのスキル等の申請を受け付けて、上述の登録処理を実行してもよい。
【0017】
また、処理装置20は、ウェブブラウザを用いて、サーバ10Aが提供するウェブサイト(又はウェブページ)にアクセスし、このウェブサイトにおいて提供されるスキル等の管理に関するサービスを受けてもよい。
【0018】
また、処理装置20には、サーバ10が提供する本件サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされてもよい。このアプリは、サーバ10が提供するサービスにおいて、以下に示す実施形態において開示されたスキル等の管理に関する処理の少なくとも一部を処理装置20に実行させる。このアプリが実行されることにより、処理装置20はサーバ10Aにアクセスして、アプリの実行に用いる情報を送受信する。以下、スキル等の管理に関するサービスを実行可能にする情報処理システム1の各構成等について詳細に説明する。
【0019】
<サーバの構成>
図2は、開示の一実施形態に係るサーバ10の一例を示すブロック図である。サーバ10は、1つ又は複数のプロセッサ(例えばCPU)110、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120、記憶装置(記憶部)130、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0020】
サーバ10は、場合によりユーザインタフェース150を含んでもよく、これとしては、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を挙げることができる。
【0021】
記憶装置130は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、記憶装置130は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、記憶装置130は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、記憶装置130は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0022】
記憶装置130は、情報処理システム1により用いられるデータ、プログラム等を記憶する。例えば、記憶装置130は、システムを利用するユーザ情報(従業員情報)、スキル又は経歴を含むスキル関連情報などを記憶する。なお、ユーザ情報及びスキル関連情報については、
図3及び
図4を用いて後述される。
【0023】
また、記憶装置130の他の例として、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、記憶装置130はプロセッサ110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0024】
プロセッサ110は、記憶装置130に記憶されるプログラムを実行することで、例えば、サービス制御部111、取得部112、秘匿化部113、出力部114、判定部115、分析部116、提案部117を構成する。
【0025】
サービス制御部111は、実施形態に開示されるサービスを制御する。例えば、サービス制御部111は、各処理装置20からスキル等の申請リクエストを取得したり、スキル等の登録リクエストを取得したり、各従業員のスキル等を登録、管理したりする処理を制御する。また、サービス制御部111は、実施形態に開示されるサービスの実行を制御するために、取得部112、秘匿化部113、出力部114、判定部115、分析部116、提案部117を有する。以下、サービス制御部111が提供可能な処理毎に説明する。
【0026】
(スキル関連情報の秘匿化)
取得部112は、従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得する。取得部112は、例えば、所定のタイミングで、所定の従業員の第1スキル関連情報を取得してもよい。所定のタイミングは、例えば、所定の従業員から選択又は入力されて設定されたスキル又は経歴を登録する登録時、所定の従業員によるスキル又は経歴の更新時、又は所定の従業員が退職する退職時などの少なくともいずれかのタイミングを含む。
【0027】
秘匿化部113は、取得部112により取得される第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化する。例えば、秘匿化部113は、事前に管理者等により設定された秘匿化条件を参照し、秘匿化条件に対応する情報があれば、秘匿化処理を実行する。秘匿化条件は、例えば社外秘情報や、案件を特定する情報などを含むリスト内の情報に対応するか否かを含む。秘匿化処理は、例えば、削除、置換、ぼかしなどのうち、少なくとも1つの処理を含む。
【0028】
出力部114は、秘匿化部113により秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力する。例えば、第2スキル関連情報は、秘匿化部113により秘匿化された情報以外の情報は、第1スキル関連情報の情報と同じである。出力部114は、例えば、第2スキル関連情報を、出力対象の第2スキル関連情報を有する従業員とは異なる他人が利用する処理装置に出力してもよい。
【0029】
以上の処理により、従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含むスキル関連情報に対して、秘匿対象の情報を秘匿するため、例えば、他人に公開してもよい情報となり、スキル関連情報の利活用の機会を増やすことが可能になる。例えば、企業内だけの秘密情報(社外秘情報)、案件プロジェクトが特定される情報(例、プロジェクト名、費用、クライアント、固有名詞、時期等)を秘匿化することにより、従業員のスキル関連情報は、同企業内のスキル管理以外にも他の用途で利用されることが可能になる。
【0030】
また、出力部114は、第1企業の従業員の第2スキル関連情報を、第1企業とは異なる第2企業が管理する処理装置に出力することを含んでもよい。例えば、出力部114は、企業Aの従業員Aの転職先の企業Bが利用する処理装置に、従業員Aの第2スキル関連情報を出力する。サーバ10Aは、転職後の従業員A又は企業Bからの取得リクエストや、企業Aからの従業員Aの転職先の登録処理などにより、従業員Aの転職先である企業Bの情報を取得することが可能である。
【0031】
以上の処理により、従業員が転職する際に、その従業員のスキル関連情報を転職先に出力することにより、その従業員は転職後に一からスキル関連情報を登録する必要がない。また、転職先の企業の人材管理システムにおいても、不要な登録処理等を削減することが可能になる。
【0032】
また、転職前の企業と転職後の企業とが、上述のスキル等の管理を含む、サーバ10Aが提供する人材管理システムを利用している場合、第2スキル関連情報は、同一フォーマットで出力され、利用されることが可能になる。この場合、従業員IDは、同一人物である限り、所属する会社に限らず共通にすることも可能である。
【0033】
また、サーバ10は、転職先の企業を知ることができるため、サービス制御部111は、この従業員の職務経歴を自動で登録してもよい。例えば、サービス制御部111は、前職の在籍期間を職歴に記入し、転職先企業と業務開始月とを職歴に記入してもよい。また、サービス制御部111は、社内の部署異動についても自動でスキル関連情報に登録してもよい。
【0034】
また、秘匿化部113は、秘匿化条件に含まれる各秘匿化項目の各設定情報に対応する情報が第1スキル関連情報に含まれる場合、各設定情報に対応する情報を秘匿化することを含んでもよい。例えば、各秘匿化項目は、社外秘、業種、費用に関する金額、クライアント名などを含み、各設定情報は、社外秘登録された情報、建設業、飲食業などの業種名情報、〇〇円などの金額情報、A社などの企業名情報などを含む。例えば、秘匿化部113は、各設定情報に対応する情報を第1スキル関連情報から検知した場合、検知された情報を、公開可能な他の情報に置換してもよい。公開可能な他の情報は、例えば、秘匿化項目ごとに設定されてもよく、また、条件に応じて変更されてもよい。
【0035】
また、秘匿化部113は、秘匿化項目の設定情報に対応する情報を上位概念化する処理、又は、秘匿化項目の設定情報に対応する情報が数値の場合、数値を含む所定範囲に丸める処理を行ってもよい。例えば、秘匿化部113は、設定情報に対応する情報が製品名、食品名などの名称である場合、上位概念の業種、製造業、食品業などに変更したり、また、業種も秘匿したい場合は、XXXなどのマスキング処理を行ったりしてもよい。また、秘匿化部113は、設定情報に対応する情報がプロジェクトの金額である場合、この金額を丸める処理を行ってもよい。例えば、金額が1億円である場合、5千万円~1億5千万円などに丸められてもよい。
【0036】
上述のとおり、秘匿化部113は、事前に設定された1又は複数の秘匿化処理を用いて、秘匿化項目に応じて適切な秘匿化処理を行ってもよい。以上の処理により、秘匿化項目に応じた秘匿化処理を行うことができ、必要以上に秘匿化されずに済み、情報としての有用性を保持することが可能になる。
【0037】
また、判定部115は、第1スキル関連情報に含まれ得る情報が追加又は更新される場合、追加又は更新される情報に対して秘匿化条件を満たすか否かを判定することを含んでもよい。例えば、従業員からスキル又は経歴に関して登録又は更新申請リクエストがあった場合、新たに登録又は更新されるスキル又は経歴に対して秘匿化条件を満たすか否かを判定してもよい。以上の処理により、秘匿化処理を適時に行うことができる。
【0038】
また、サービス制御部111は、第2スキル関連情報を従業員単位や部署単位で一覧化してリスト化し、出力部114は、リクエストに応じて一覧化されたリストをユーザインタフェース150などに出力してもよく、外部装置からのリクエストに応じて、ネットワーク通信インタフェース120を介して外部装置に出力してもよい。
【0039】
また、サービス制御部111は、従業員のスキル又は経歴の登録申請時に、管理者の承認を必要としてもよい。例えば、サービス制御部111は、従業員Aからスキル又は経歴の登録申請があった場合、従業員Aの管理者(上司やセキュリティ部門の担当者等)を特定し、スキル又は経歴について、管理者に承認申請を行ってもよい。管理者は、登録申請時点で、秘匿化を指示してもよいし、スキル関連情報の登録に不適切なスキル又は経歴の登録を拒否してもよい。
【0040】
また、サービス制御部111は、従業員本人からスキル関連情報にアクセスがある場合は、秘匿化前の第1スキル関連情報を出力するように制御してもよい。また、従業員本人が社内に限り第1スキル関連情報を公開することを許可している場合は、社内の従業員からのアクセスであれば、第1スキル関連情報を出力するように制御してもよい。この場合、出力部114は、誰からのアクセスであるかを判定し、第1スキル関連情報の出力が許可されているユーザからのアクセスであれば、第1スキル関連情報の出力を許可し、許可されていないユーザからのアクセスであれば、第2スキル関連情報を出力するようにしてもよい。
【0041】
秘匿化部113は、秘匿化処理を行った後、管理者に確認申請を行ってもよい。例えば、秘匿化部113は、管理者から登録許可された場合に、秘匿化した情報を含む第2スキル関連情報を記憶装置130に記憶したり、出力部114に出力させたりしてもよい。
【0042】
また、秘匿部113は、確認する管理者又は秘匿化条件を設定する管理者ごとにレベルを設定し、そのレベルに応じて秘匿化の度合いを変更してもよい。例えば、レベル1~3があり、以下の秘匿化が行われる。
レベル1:固有名詞を置換する
レベル2:固有名詞、業種などの分類を置換する
レベル3:固有名詞、業種などの分類、数値を置換する
【0043】
(スキル関連情報の管理)
次に、スキル関連情報の統合的な管理について説明する。出力部114は、秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を、各企業の各従業員の各第2スキル関連情報を格納する記憶装置130に登録することを含んでもよい。記憶装置130に対応するデータベースには、各企業の各従業員の第2スキル関連情報がまとめて記憶される。
【0044】
以上の処理により、データベースには、各従業員のスキル関連情報が収集される。また、データベースに格納されるスキル関連情報は、公開されたり分析されたりしてもよいように少なくとも一部の情報が秘匿化されているため、様々な用途で利活用することが可能になる。
【0045】
(活用例1)
次に、第2スキル関連情報の活用例1について説明する。活用例1では、第2スキル関連情報が採用活動に活用される例である。分析部116は、記憶装置130に記憶された各第2スキル関連情報と求人情報とを比較して類似性を判定する。例えば、取得部112は、採用管理システムを管理するサーバ10Bから各求人情報を取得し、分析部116は、取得部112が取得した各求人情報と、記憶装置130に記憶されている各第2スキル関連情報とを比較して、所定の求人情報に類似する第2スキル関連情報を有する従業員(ユーザ)を特定する。出力部114は、所定の求人情報を掲載した企業に対し、特定されたユーザを通知し、又は、特定されたユーザに対し、所定の求人情報がマッチすることを通知してもよい。
【0046】
例えば、分析部116は、求人情報に含まれるスキル又は経歴と、各第2スキル関連情報に含まれるスキル又は経歴との類似度を求め、類似度が高い順にユーザをリスト化してもよい。また、分析部116は、各第2スキル関連情報を学習データとして機械学習を行い、スキル又は経歴に関する情報を入力情報とし、入力情報に類似するユーザを出力する学習モデルを生成しておいてもよい。この場合、分析部116は、所定の求人情報に含まれるスキル又は経歴を学習モデルに入力し、この入力情報に類似するユーザを学習結果として取得してもよい。また、分析部116は、スキル等の類似度を用いて候補者の書類選考を支援してもよい。
【0047】
以上の処理により、採用活動において、求人情報にマッチするユーザをデータベースから探すことが可能になり、採用活動を効率よく行うことが可能になる。また、人事を担当するユーザは、分析部116による分析結果を用いることで、求人情報にマッチする社内又は社外のユーザにスカウトメールを送ることなどが可能になる。
【0048】
また、分析部116は、候補者のスキル関連情報と、社内メンバーのスキル関連情報とを比較して候補者のスキル合致度(例、類似度)を求め、このスキル合致度に基づいて候補者の活躍可能性を分析したり、面接官を選択したりしてもよい。
【0049】
また、分析部116は、過去選考を受けたが採用に至らなかったユーザをタレントプールとして所定記憶部に格納しておいてもよい。この場合、分析部116は、新たな募集ポジションが発生した際にそのポジションでの必要スキルとタレントプールの候補者のスキルの合致度を比較し、提案部117は、類似度が高いユーザを提案してもよい。
【0050】
(活用例2)
次に、第2スキル関連情報の活用例2について説明する。活用例2では、第2スキル関連情報が自己啓発等に活用される例である。分析部116は、記憶装置130に記憶された各第2スキル関連情報に基づいて、所定のカテゴリに含まれる各従業員の所定のスキル又は所定の経歴を比較してもよい。分析部116は、例えば、業界ごとに、どんな資格が保有されているか、どんな研修が受講されているかなどを分析してもよい。具体例として、分析部116は、業界ごとに、保有資格のランキング、受講研修のランキング、大学の学部ランキングなどを分析してもよい。また、分析部116は、業界ごとに分析した情報を統計情報として出力してもよい。
【0051】
以上の処理により、データベースに蓄積された各第2スキル関連情報を利用し、業界分析等を行うことが可能になり、データの有効活用を促進することができる。
【0052】
また、分析部116は、所定のカテゴリに含まれる第1従業員に対し、他の従業員のスキル又は経歴と差別化されるスキル又は経歴を特定してもよい。例えば、分析部116は、業界内の他の従業員が保有しているが、第1従業員が保有していないスキル等(弱み情報)を特定したり、逆に、業界内の他の従業員が保有していないが、第1従業員が保有しているスキル等(強み情報)を特定したりしてもよい。
【0053】
また、分析部116は、業界内の管理者が保有しているスキル等と、第1従業員のスキル等とを比較することで、第1従業員が管理者になるために必要なスキル等(必要スキル情報)を特定してもよい。出力部114は、特定された弱み情報、強み情報、及び/又は必要スキル情報を第1従業員に提供してもよい。
【0054】
以上の処理により、客観的な各スキル関連情報を用いて、所定従業員のスキル等に関しての強み、弱み、昇格に必要なスキル等を提供することが可能になる。この結果、所定従業員に対して自己啓発を促すことができる。
【0055】
また、提案部117は、分析部116により差別化されるスキル又は経歴のうちの第1従業員に特有のスキル又は経歴と、一時的に求人される各求人情報との比較により、特有のスキル又は経歴に対応する求人情報を第1従業員に提案する。例えば、取得部112は、採用管理システムを管理するサーバ10Bから一時的に求人される副業等の各求人情報(スポット求人情報ともいう)を取得し、分析部116は、取得部112により取得されたスポット求人情報と、強み情報に含まれるスキル又は経歴とを比較し、マッチする従業員を特定する。提案部117は、分析部116により特定された従業員に対し、スポット求人情報を提案する。
【0056】
以上の処理により、一時的に求人された仕事、例えば副業に対し、その仕事に必要なスキルを有する適切なユーザを特定するマーケットプレイスを提供することが可能になる。
【0057】
(各データの例)
次に、サーバ10の記憶装置130に格納される各データの例について
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、一実施形態に係る人材情報の一例を示す図である。
図4は、一実施形態に係るスキル関連情報の一例を示す図である。
【0058】
図3に示す人材情報には、従業員ID、氏名、連絡先、住所、部署などの各データ/情報が含まれる。従業員IDは、本開示のシステムを利用する従業員IDを含み、氏名は、ユーザの氏名情報を含み、連絡先は、電話番号、メールアドレス、SNSのアカウントなどの情報を含む。住所は、従業員の住所を含み、部署は、従業員が所属する部署を含む。なお、職位、評価などの情報が人材情報に含まれてもよい。
【0059】
図4に示すスキル関連情報には、従業員ID、能力、資格、履修研修、経歴などの各データ/情報が含まれる。従業員IDは、人材情報と使用される従業員IDであり、同一の従業員には同一のIDが割り振られる。能力は、業務可能な内容を含み、資格は、従業員が保有している資格を含み、履修研修は、従業員が履修した研修を含み、経歴は、学歴や職務経歴を含む。
【0060】
<処理装置の構成>
図5は、開示の一実施形態に係る処理装置20の一例を示す図である。例えば、処理装置20は、組織の従業員(管理者を含む)等が利用する装置である。処理装置20は、1つ又は複数のプロセッサ(例、CPU)210、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース220、記憶装置(記憶部)230、ユーザインタフェース250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0061】
ユーザインタフェース250は、ディスプレイ251、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)252を含む。
【0062】
記憶装置230は、例えば、DRAM、SRAM、又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、記憶装置230は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、記憶装置230は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、記憶装置230は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0063】
記憶装置230は、情報処理システム1により用いられるデータやプログラムを記憶する。例えば、記憶装置230は、情報処理システム1における処理装置20用のアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0064】
プロセッサ210は、記憶装置230に記憶されるプログラムを実行することで、サービス処理部211を構成する。サービス処理部211は、例えば、ウェブブラウザやメールアプリケーションなどを含む。ウェブブラウザは、サーバ10により提供されるウェブページの閲覧を可能にする。また、インストールされたユーザ端末用のアプリケーションの実行により、上述したサービスが提供されるウェブページの閲覧が可能になる。サービス処理部211は、サービス提供を受けるため、通信制御部212、表示制御部213、操作制御部214を有する。
【0065】
通信制御部212は、サーバ10から送信されたスキル等の登録申請画面、スキル承認画面、スキル一覧画面、第1スキル関連情報又は第2スキル関連情報の表示画面などの各画面情報を取得する。また、通信制御部212は、サーバ10に対し、各画面を利用して選択、設定された情報や、所定のリクエスト、本件サービスに関する作業情報などを出力する。
【0066】
表示制御部213は、通信制御部212により取得された各画面情報に基づいて、本件サービスのスキル等の登録申請画面、スキル承認画面、スキル一覧画面、第1スキル関連情報又は第2スキル関連情報の表示画面などをディスプレイ251に表示するよう制御する。
【0067】
操作制御部214は、各画面に表示されたUI部品に対するユーザの操作を受け付け、操作情報を処理装置20のアプリケーションに伝達したり、サーバ10に向けて出力したりする。例えば、操作制御部214は、従業員等が選択、設定、または入力したスキル又は経歴の各情報をサーバ10に向けて出力したりする。
【0068】
通信制御部212は、操作制御部214が受け付けた各操作情報を、ネットワーク通信インタフェース220を介して、サーバ10に送信する。
【0069】
<具体例>
次に、本件サービスにおいて提供可能な活用の具体例を説明する。
図6は、開示の一実施形態に係る具体例Aを示す図である。活用例Aは、転職時にスキル関連情報の社外秘情報を秘匿化する技術である。
【0070】
図6に示す例では、以下のステップにより秘匿化が行われる。
(1)スキルデータの登録
従業員の従業員IDに、従業員等により設定されたスキル又は経歴を含む従業員スキルデータを関連付ける。例えば、取得部112は、従業員が利用する処理装置20から、従業員IDと従業員スキルデータとを取得し、従業員IDに関連付けられるスキル関連情報に従業員スキルデータを登録する。なお、本件システムにおける従業員IDは、転職をしても同じ従業員であれば同じIDが使用されてもよい。
【0071】
(2)秘匿化条件の登録
管理者は、事前に社外秘情報にしたい項目(秘匿化項目)を秘匿化条件として登録する。例えば、取得部112は、管理者が利用する処理装置20から、秘匿化条件を示す秘匿化条件情報を取得し、記憶装置130に登録する。
【0072】
(3)言語モデルで秘匿化条件の参照
言語モデルを用いて秘匿化条件に含まれる社外秘情報が参照される。例えば、秘匿化部113は、形態素解析、単語抽出、単語比較等を行う言語モデルに秘匿化条件を登録し、秘匿化処理の際に、この言語モデルを利用する。
【0073】
(4)転職時
従業員が転職する時に、A社で入力されたスキル関連情報が言語モデルに出力され、秘匿化条件と比較され、スキル関連情報の各情報に対して社外秘情報を使用しない表現に変換される。例えば、秘匿化部113は、転職時に従業員のスキル関連情報を記憶装置130から取得し、スキル関連情報の各情報のうち、秘匿化条件に対応する情報を他の情報に秘匿化する。
【0074】
(5)データベースに登録
秘匿化された情報について、管理者、必要に応じて従業員に最終確認を依頼し、秘匿化後の情報を含むスキル関連情報(第2スキル関連情報)がデータベースに登録される。例えば、秘匿化部113は、秘匿化後の情報について、出力部114を介して管理者又は従業員に最終確認を依頼する。
【0075】
(6)引継ぎ
従業員の第2スキル関連情報は、従業員の転職後にB社に引き継がれる。例えば、出力部114は、従業員の第2スキル関連情報を、B社が利用する情報処理装置に出力する。
【0076】
(7)更新
転職後、引き継がれた第2スキル関連情報と従業員の従業員IDとが関連付けられているため、従業員は、新たなスキル等を設定、登録することが可能となる。例えば、取得部112は、従業員IDと新たなスキルデータとを取得し、従業員IDに対応するスキル関連情報に、新たなスキルデータを登録する。
【0077】
具体例Aに関し、本件システムを導入しなければ、従業員及び管理者双方に以下の課題があった。従業員に対し、転職時にスキルデータを再度入力する必要がある、職務経歴書等を記録したり更新したりする必要があり、転職に対する心理的ハードルが高いなどの課題があった。管理者に対し、転職者のスキル関連情報は社外秘情報に関連付けられるケースがあり、情報漏洩リスクがあるという課題があった。
【0078】
そこで、具体例Aによれば、スキル関連情報について、社外秘に登録された情報は秘匿化されるため、また、管理者が外部出力前に最終確認を行うことができるため、スキル関連情報を流用することが可能になり、かつ、情報漏洩リスクを低減することが可能になる。
【0079】
図7は、開示の一実施形態に係る具体例Bを示す図である。具体例Bは、スキル関連情報を採用活動に活用する技術である。これにより、採用活動に関わるユーザに対して適切な情報を提供するシステムを構築することが可能になる。
【0080】
図7に示す例の候補者側において、職を求める候補者は、スキル関連情報をサーバ10に登録する。この際に、秘匿化部113は、登録されたスキル関連情報(第1スキル関連情報)と、登録されている各秘匿化条件とを比較し、秘匿化処理を実行するとよい。秘匿化後のスキル関連情報は第2スキル関連情報として、各社共通のデータベース(求人/人材プール)に登録される。
【0081】
また、分析部116は、候補者のスキルの習得変遷を分析し、提案部117は、今後のキャリアを提案することも可能である。例えば、分析部116は、候補者のスキル習得変遷と類似する変遷を有するユーザをデータベースの中から特定し、提案部117は、特定されたユーザの現在の職務経歴等の経歴を参考にして、候補者にキャリアを提案してもよい。
【0082】
図7に示すA社側の採用担当者は、業界ごとのスキル傾向を見て企業単位の強み、弱みを把握してもよい。また、サーバ10の分析部116は、A社内で定義された人材要件(求人情報)と、データベースに登録されたスキル関連情報とを比較し、求人情報にマッチする候補者を特定してもよい。
【0083】
分析部116は、候補者のスキル関連情報からスキルを抽出し、選考における情報提供を行ってもよい。例えば、分析部116は、候補者のスキル成熟推移やスキル習得変遷から個人の学習意欲を可視化してもよい。また、分析部116は、A社内のスキル関連情報に基づいて、候補者のスキル関連情報にマッチするA社内の最適な面接官を特定してもよい。
【0084】
具体例Bに関し、本件システムを導入しなければ、候補者及び採用担当者の双方に以下の課題があった。候補者に対し、自分のスキルとマッチングする企業や転職タイミングを見極めることはエージェントの提案や個人の主観に委ねられており、客観的なデータに基づき自発的に判断することは難しかった。
【0085】
また、企業の採用担当者に対し、自社の要件にあった候補者を見つけることは難しく、見つけたとしてもミスマッチのリスクがある。また、候補者の実力を見極められる面接官を見つけることが難しく、入社後のミスマッチの原因になる。
【0086】
そこで、具体例Bによれば、候補者に対し、業界のスキル関連情報を基に分析された客観的データに基づいてキャリアや求人情報の提案を受けることができ、採用担当者に対し、ミスマッチのリスクを低減した候補者及び/又は面接官の選定が可能になる。
【0087】
図8は、開示の一実施形態に係る活用例Cを示す図である。活用例Cは、スキル関連情報を自己啓発に活用する技術である。これにより、ユーザに対して自己啓発を促すシステムを構築することが可能になる。
【0088】
図8に示す例の候補者側において、職を求める候補者は、スキル関連情報をサーバ10に登録する。この際に、秘匿化部113は、登録されたスキル関連情報(第1スキル関連情報)と、登録されている各秘匿化条件とを比較し、秘匿化処理を実行するとよい。秘匿化後のスキル関連情報は第2スキル関連情報として、各社共通のデータベースに登録される。
【0089】
分析部116は、上述したとおり、記憶装置130に記憶された各第2スキル関連情報に基づいて、同業界内の各ユーザの所定のスキル又は所定の経歴を比較してもよい。これにより、同じ業界で他の人とのスキル比較による弱みや強みを把握、可視化することが可能になる。
【0090】
また、採用担当者が副業の人材を検索する際に、提案部117は、分析部116により特定される候補者に特有のスキル又は経歴と、一時的に求人される各求人情報との比較により、特有のスキル又は経歴に対応する求人情報を候補者又は採用担当者に提案してもよい。
【0091】
具体例Cに関し、本件システムを導入しなければ、候補者及び採用担当者の双方に以下の課題があった。候補者に対し、業界内での自分のレベルを把握、可視化させる手段がなかった。また、採用担当者に対し、副業で人材を確保したい場合に、マッチングする人材を見つけることが困難であった。
【0092】
そこで、具体例Cによれば、業界内でユーザのレベルを把握、可視化させることができ、自己啓発、リスキリングのモチベーションを向上させることができる。また、副業において、企業と個人とのマッチングを行うマーケットプレイスを提供することが可能になる。
【0093】
<動作説明>
次に、情報処理システム1の各動作について説明する。
図9は、一実施形態に係る秘匿化に関する処理の一例を示すフローチャート図である。
図9に示す例は、サーバ10が秘匿化処理を行う例である。
【0094】
ステップS102において、取得部112は、従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含む第1スキル関連情報を取得する。
【0095】
ステップS104において、秘匿化部113は、取得部112により取得される第1スキル関連情報に含まれる各情報が、秘匿化条件を満たすか否かを判定する。第1スキル関連情報が秘匿化条件を満たす場合(ステップS104-YES)、処理はステップS106に進み、第1スキル関連情報が秘匿化条件を満たさない場合(ステップS104-NO)、処理は終了する。
【0096】
ステップS106において、秘匿化部113は、第1スキル関連情報に含まれる各情報のうち、秘匿化条件を満たす情報を秘匿化する。
【0097】
ステップS108において、出力部114は、秘匿化部113により秘匿化された情報を含む第2スキル関連情報を出力する。出力部114は、例えば、第2スキル関連情報を、出力対象の第2スキル関連情報を有する従業員とは異なる他人が利用する処理装置に出力してもよい。
【0098】
以上の処理により、従業員のスキル又は経歴に関する各情報を含むスキル関連情報に対して、秘匿対象の情報を秘匿するため、例えば、他人に公開してもよい情報となり、スキル関連情報の利活用の機会を増やすことが可能になる。
【0099】
<画面例>
次に、情報処理システム1において表示される各画面の一例について説明する。
図10は、一実施形態に係るスキル登録画面の一例を示す図である。
図10に示すスキル登録画面D2には、管理者が、従業員に対してスキルの有無を設定して欲しいスキルを登録する画面例である。
【0100】
例えば、管理者は、画面D2の左欄にあるマスターデータの項目から、スキル、資格、研修等を選択することで、スキル等を登録することができる。画面D2は、研修を設定する画面であり、管理者は、画面D2に表示される研修一覧から必要な研修の登録、編集、削除を行う。
【0101】
図11は、一実施形態に係るスキル一覧画面の一例を示す図である。
図11に示す例では、スキル一覧をスキルマップとして表示し、各部署の各従業員が保有するスキルが一覧として表示される。例えば、管理者は、資格、研修などのマップの種類を選択することで、選択したスキル項目について、従業員が保有するスキル一覧を把握することができる。
【0102】
図12は、一実施形態に係るスキル登録を要求する画面の一例を示す図である。
図12に示す例では、管理者は、スキル登録を依頼する従業員を検索したり、従業員一覧から従業員を選択したりすることが可能である。
図12に示す画面は、スキル登録の依頼中の従業員を示す画面であり、画面D6では、依頼中の従業員はいないことを示す。
【0103】
図13は、一実施形態に係るスキル登録を依頼する画面の他の例を示す図である。
図13に示す例では、従業員一覧が選択されており、画面D8には、従業員「BCD」と「CDE」に登録されたスキル、資格、研修が表示されている。
【0104】
例えば、従業員「BCD」は、スキルとして、生産ラインの設計、改善、管理技術等が登録され、資格として2次元CAD利用技術者試験2級が登録され、研修として、食品加工における衛生管理と安全対策の研修が登録されている。
【0105】
ここで、管理者により従業員が選択されてスキルの登録が依頼されたとする。従業員は、この依頼に基づいて、スキル、資格、研修等を登録して本件システムに申請する。このとき、スキルに関して、社内の社外秘プロジェクトの名称や、研修に関して、社内独自の固有の研修名が登録された場合、秘匿化部113は、社外秘プロジェクトの名称や、固有の研修名を秘匿化することが可能である。
【0106】
図14は、一実施形態に係るスキル等の承認画面の一例を示す図である。
図14に示す画面D10は、管理者が、スキル等の申請を承認する画面であり、管理者に対して申請を承認する場合の注意事項が表示される。
【0107】
図15は、一実施形態に係るスキル等の差し戻し画面の一例を示す図である。
図15に示す画面D12は、管理者が、スキル等の申請を差し戻す画面であり、管理者に対して申請を差し戻す場合の注意事項が表示される。管理者は、従業員のスキル等の申請時点で、社外秘情報があれば、申請を拒否したり差し戻したりすることが可能である。これにより、管理者等による目視確認と秘匿化処理とを合わせて、多段階で社外秘情報が漏洩することを防ぐことができる。
【0108】
以上、実施形態は、本開示技術を説明するための例示であり、本開示技術をその実施形態のみに限定する趣旨ではなく、本開示技術は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、サーバ側、ユーザの処理装置側の各処理を適宜統合したり、他方の装置に処理を移行したり、別の装置に処理を移行したりしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…情報処理システム、10…サーバ、20…処理装置、110…プロセッサ、130…記憶装置、111…サービス制御部、112…取得部、113…秘匿化部、114…出力部、115…判定部、116…分析部、117…提案部、210…プロセッサ、211…サービス処理部、212…通信制御部、213…表示制御部、214…操作制御部、230…記憶装置、251…ディスプレイ