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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007307
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】開閉装置の部品着脱構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
E06B9/322
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108606
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】西野 公久
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043BC02
2E043BD02
2E043DA01
2E043DA04
(57)【要約】
【課題】部品を着脱する際の作業性を向上可能な開閉装置の部品着脱構造を提供する。
【解決手段】開閉装置の部品着脱構造は、遮蔽材と、遮蔽材を吊り下げ支持する支持部材2とを備える開閉装置の部品着脱構造であって、被係止部10を有する支持部材2と、被係止部10に係止可能であるとともに被係止部10に係止された係止状態を解除操作可能な解除操作部が設けられた複数の係止部42を有し、前記係止状態となることで支持部材2に取り付けられ、前記係止状態が解除されることで支持部材2から取り外し可能となる取付部品3と、複数の係止部42の解除操作部を同時に解除操作可能であり、複数の係止部42の係止状態を同時に解除することで、支持部材2から取付部品3を取り外し可能とする解除具と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽材と、前記遮蔽材を吊り下げ支持する支持部材とを備える開閉装置の部品着脱構造であって、
被係止部を有する前記支持部材と、
前記被係止部に係止可能であるとともに前記被係止部に係止された係止状態を解除操作可能な解除操作部が設けられた複数の係止部を有し、前記係止状態となることで前記支持部材に取り付けられ、前記係止状態が解除されることで前記支持部材から取り外し可能となる取付部品と、
前記複数の係止部の前記解除操作部を同時に解除操作可能であり、前記複数の係止部の係止状態を同時に解除することで、前記支持部材から前記取付部品を取り外し可能とする解除具と、を備える、開閉装置の部品着脱構造。
【請求項2】
前記係止部は、前記解除操作部が押圧されることにより前記係止状態を解除する方向に傾動可能であり、
前記解除具は、操作可能な操作部と、前記操作部から突出する少なくとも前記係止部の数以上の複数の脚部とを有し、前記操作部の操作により前記複数の脚部が前記複数の係止部の前記解除操作部を同時に押圧可能である、請求項1に記載の開閉装置の部品着脱構造。
【請求項3】
前記解除操作部は、前記係止状態にある前記被係止部と前記係止部との間の一部に空隙を形成する凹溝であって、前記凹溝に前記脚部の一部が挿入されることで前記係止部が前記係止状態を解除する方向に傾動するように前記脚部で押圧操作可能である、請求項2に記載の開閉装置の部品着脱構造。
【請求項4】
前記脚部は、基端側に設けられた幅広部と、前記幅広部の先端から先細り形状に形成された傾斜部と、前記傾斜部の先端から延びる幅狭部と、を有する、請求項3に記載の開閉装置の部品着脱構造。
【請求項5】
前記開閉装置は、ブラインドであり、
前記支持部材は、前記ブラインドの前記遮蔽材を吊り下げ支持するヘッドボックスである、請求項1に記載の開閉装置の部品着脱構造。
【請求項6】
前記被係止部は、前記支持部材の短手方向における一方側の壁面及び他方側の壁面から前記支持部材の内側に向かって突出する一対のリブであり、
前記係止部は、前記一対のリブに各々係止可能に、前記取付部品の前記短手方向における一方側及び他方側に少なくとも1つずつ以上形成される、請求項5に記載の開閉装置の部品着脱構造。
【請求項7】
前記取付部品は、前記遮蔽材を開閉させるためのドラムを回転可能に支持するドラム受けであり、
前記解除具は、前記ドラムを覆うドラムカバーとして前記ドラム受けに着脱可能に設けられる、請求項5又は6に記載の開閉装置の部品着脱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドなどの開閉装置の部品着脱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ヘッドボックスと、ヘッドボックス内に着脱可能に固定される回転装置とを備えるブラインドが開示されている。回転装置は、昇降ドラムと、回転ドラムと、昇降ドラム及び回転ドラムを回転可能に支持するドラム台とを備えている。ドラム台は、前後方向における一方側及び他方側の各々に2つずつ形成された爪状の係止部を有しており、各々の係止部がヘッドボックスの前壁の内側及び後壁の内側に形成されたリブ状の被係止部に係止されることで、ヘッドボックスに着脱可能に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-23532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のブラインドの場合、回転装置をヘッドボックスから取り外すためには、ドラム台が有する全ての係止部に対して係止状態を解除する作業を行わなければならない。そのため、例えば、ドラム台の前後方向一方側の係止部の係止状態を解除した後に、前後方向他方側の係止部の係止状態を解除する作業を行っている際に、前後方向一方側の係止部が再び係止状態となってしまう場合があり、作業性において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、部品を着脱する際の作業性を向上可能な開閉装置の部品着脱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、取り外される側の部品が有する複数の係止部の係止状態を同時に解除できるように、係止部及び被係止部を構成することで、上記の課題を解決できると考え、これに基づいて、以下のような新たな開閉装置の部品着脱構造を発明するに至った。
【0007】
(1)本発明による開閉装置の部品着脱構造は、遮蔽材と、前記遮蔽材を吊り下げ支持する支持部材とを備える開閉装置の部品着脱構造であって、被係止部を有する前記支持部材と、前記被係止部に係止可能であるとともに前記被係止部に係止された係止状態を解除操作可能な解除操作部が設けられた複数の係止部を有し、前記係止状態となることで前記支持部材に取り付けられ、前記係止状態が解除されることで前記支持部材から取り外し可能となる取付部品と、前記複数の係止部の前記解除操作部を同時に解除操作可能であり、前記複数の係止部の係止状態を同時に解除することで、前記支持部材から前記取付部品を取り外し可能とする解除具と、を備える。
【0008】
(2)上記(1)において、前記係止部は、前記解除操作部が押圧されることにより前記係止状態を解除する方向に傾動可能であり、前記解除具は、操作可能な操作部と、前記操作部から突出する少なくとも前記係止部の数以上の複数の脚部とを有し、前記操作部の操作により前記複数の脚部が前記複数の係止部の前記解除操作部を同時に押圧可能であるのが好ましい。
【0009】
(3)上記(2)において、前記解除操作部は、前記係止状態にある前記被係止部と前記係止部との間の一部に空隙を形成する凹溝であって、前記凹溝に前記脚部の一部が挿入されることで前記係止部が前記係止状態を解除する方向に傾動するように前記脚部で押圧操作可能であるのが好ましい。
【0010】
(4)上記(3)において、前記脚部は、基端側に設けられた幅広部と、前記幅広部の先端から先細り形状に形成された傾斜部と、前記傾斜部の先端から延びる幅狭部と、を有するのが好ましい。
【0011】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記開閉装置は、ブラインドであり、前記支持部材は、前記ブラインドの前記遮蔽材を吊り下げ支持するヘッドボックスであるのが好ましい。
【0012】
(6)上記(5)において、前記被係止部は、前記支持部材の短手方向における一方側の壁面及び他方側の壁面から前記支持部材の内側に向かって突出する一対のリブであり、前記係止部は、前記一対のリブに各々係止可能に、前記取付部品の前記短手方向における一方側及び他方側に少なくとも1つずつ以上形成されるのが好ましい。
【0013】
(7)上記(5)又は(6)において、前記取付部品は、前記遮蔽材を開閉させるためのドラムを回転可能に支持するドラム受けであり、前記解除具は、前記ドラムを覆うドラムカバーとして前記ドラム受けに着脱可能に設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明による開閉装置の部品着脱構造は、支持部材の被係止部と取付部品の係止部との係止状態を同時に解除できる構成である。従って、部品を着脱する際の作業性を向上可能な開閉装置の部品着脱構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態による開閉装置の部品着脱構造が適用される開閉装置の一例を示す正面図である。
図2】本発明の第1実施形態による開閉装置の部品着脱構造の取付部品を示す概略斜視図であり、上方から見た状態を示している。
図3】本発明の第1実施形態による開閉装置の部品着脱構造の取付部品を示す概略斜視図であり、下方から見た状態を示している。
図4】取付部品の支持部材への取付過程を示す説明図であり、(a)は取付前の状態、(b)は取付途中の状態、(c)は取付後の状態を示している。
図5】取付部品が支持部材に取り付けられた状態を示す概略縦断面図であり、一部を拡大して示している。
図6】本発明の第1実施形態による開閉装置の部品着脱構造の解除具を示す概略斜視図である。
図7】取付部品が解除具によって支持部材から取り外される過程を示す説明図であり、(a)は取付部品が支持部材に取り付けられた状態、(b)は取付部品が支持部材から取り外される途中の状態を示している。
図8】取付部品が解除具によって支持部材から取り外される過程を示す説明図であり、(a)は取付部品が支持部材から取り外される途中の状態、(b)は取付部品が支持部材から取り外し可能となった状態を示している。
図9】本発明の第2実施形態による開閉装置の部品着脱構造の取付部品を示す概略斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態による開閉装置の部品着脱構造の解除具を示す概略斜視図である。
図11】本発明の第3実施形態による開閉装置の部品着脱構造の取付部品と解除具との関係を示す説明図であり、(a)は取付部品に解除具が設けられた状態、(b)は取付部品から解除具が取り外された状態、(c)は取付部品から取り外された解除具を使用している状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0017】
図1から図8に示すように、第1実施形態の開閉装置1の部品着脱構造は、支持部材2、取付部品3、及び解除具4を備える。第1実施形態の部品着脱構造が適用される開閉装置1は、遮蔽材5と、遮蔽材5を吊り下げ支持する支持部材2とを備える。図1に示すように、開閉装置1は、例えば、建物の窓枠などの開口部の内部に設置されるブラインドである。開閉装置1は、建物の室外に対して、窓ガラスなどで仕切られた室内に設置される。開閉装置1がブラインドの場合、支持部材2は、ブラインドの遮蔽材5を吊り下げ支持するヘッドボックスであり、取付部品3は、遮蔽材5を開閉させるためのドラムを回転可能に支持するドラム受けである。
本明細書において、ブラインドである開閉装置1が設置された状態において、ヘッドボックスである支持部材2の長手方向を左右方向、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向とする。また、前後方向について、室内の側を前方、室外の側を後方とする。
【0018】
ヘッドボックスである支持部材2は、C形チャンネル状で、底壁部6、前壁部7及び後壁部8を有している。底壁部6は、左右方向に細長い略矩形の板状で、板面を上下に向けて配置される。底壁部6は、後述する取付部品3が配置される部分に上下方向に貫通する貫通孔9を複数有する。貫通孔9は、平面視略四角形状である。前壁部7は、左右方向に細長い略矩形の板状である。前壁部7は、板面を前後に向けて底壁部6の前端部に設けられる。後壁部8は、左右方向に細長い略矩形の板状である。後壁部8は、板面を前後に向けて底壁部6の後端部に設けられる。なお、底壁部6、前壁部7及び後壁部8は、一体形成されるが、各壁部をそれぞれ連結することで形成してもよい。
【0019】
支持部材2は、取付部品3が係止される前後一対の被係止部10,10を有する。第1実施形態では、一対の被係止部10,10のうち、前側に位置する被係止部10は、前壁部7の内面の上下方向中途部から支持部材2の内側に延出する板状で、板面を上下に向けて配置される。前側の被係止部10は、左右方向に細長い略矩形の板状で、支持部材2の左右方向の一端部から他端部まで連続して延出している。一対の被係止部10,10のうち、後側に位置する被係止部10は、後壁部8の内面の上下方向中途部から支持部材2の内側に延出する板状で、板面を上下に向けて配置される。後側の被係止部10は、左右方向に細長い略矩形の板状で、支持部材2の左右方向の一端部から他端部まで連続して延出している。従って、被係止部10は、支持部材2の短手方向における一方側の壁面及び他方側の壁面から支持部材2の内側に向かって突出する一対のリブである。
【0020】
このような構成の支持部材2は、複数のブラケット11を介して、窓枠の上面又は天井に固定される。これにより、ブラインドである開閉装置1は、窓の内側に配置される。支持部材2には、複数のラダーコード12を介して、遮蔽材5が吊り下げられる。
【0021】
支持部材2内には、複数のチルトドラム13及び複数の巻取ドラム14が回転自在に設けられる。各チルトドラム13及び各巻取ドラム14は、ドラム受けである取付部品3を介して、支持部材2内に設けられる。チルトドラム13及び巻取ドラム14は、取付部品3に回転可能に支持される。チルトドラム13及び巻取ドラム14は、取付部品3に保持された状態において、同軸上に配置される。
【0022】
取付部品3は、下壁部15、第1壁部16、第2壁部17、第3壁部18、第4壁部19及び第5壁部20を有している。下壁部15は、略矩形の板状で、板面を上下に向けて配置される。下壁部15は、上下方向に貫通する複数の挿通孔21を有する。挿通孔21は、平面視略四角形状である。挿通孔21の周囲には、略四角形の枠状の突出部22が設けられる。突出部22は、下壁部15から下方に突出している。突出部22は、基端側に位置する嵌合部23と、先端側に位置する導入部24とを有する。嵌合部23は、略四角形の枠状で、下壁部15に設けられる。導入部24は、略四角形の枠状で、嵌合部23の先端部に設けられる。導入部24の外周面は、テーパ状である。具体的には、導入部24の外周面は、下方に行くに従って導入部24の内側に傾斜している。
【0023】
第1壁部16は、支持部材2の長手方向に沿って下壁部15から起立している。具体的には、第1壁部16は、略矩形の板状で、板面を前後に向けて下壁部15の前端部に設けられる。第1壁部16の左右方向の長さは、下壁部15の左右方向の長さよりも小さい。第1壁部16は、下壁部15の左側に位置している。第2壁部17は、支持部材2の短手方向に沿って下壁部15から起立している。具体的には、第2壁部17は、略矩形の板状で、板面を左右に向けて下壁部15の左端部に設けられる。第3壁部18は、支持部材2の長手方向に沿って下壁部15から起立している。具体的には、第3壁部18は、略矩形の板状で、板面を前後に向けて下壁部15の後端部に設けられる。第3壁部18の左右方向の長さは、下壁部15の左右方向の長さよりも小さい。第3壁部18は、下壁部15の左側に位置している。第4壁部19は、支持部材2の短手方向に沿って下壁部15から起立している。具体的には、第4壁部19は、略矩形の板状で、板面を左右に向けて下壁部15の略中央部に設けられる。第4壁部19は、第2壁部17と対面するように配置される。第5壁部20は、支持部材2の短手方向に沿って下壁部15から起立している。具体的には、第5壁部20は、略矩形の板状で、板面を左右に向けて下壁部15の右端部に設けられる。第5壁部20は、第4壁部19と対面するように配置される。なお、下壁部15、突出部22、第1壁部16、第2壁部17、第3壁部18、第4壁部19及び第5壁部20は、一体形成されるが、各部をそれぞれ連結することで形成してもよい。
【0024】
取付部品3に回転可能に支持される巻取ドラム14は、従来公知の構成である。典型的には、巻取ドラム14は、巻取ドラム本体25及び巻取ドラム片26を有する。巻取ドラム本体25は、筒状の軸部27と、軸部27の軸方向の一端側に設けられる板状の鍔部28と、軸部27の軸方向の一端側に設けられるボス部29とを有している。軸部27は、左右方向に延出する円筒状である。鍔部28は、円板状で、軸部27の右端部に径方向外側に張り出すようにして設けられる。ボス部29は、円柱状で、軸部27の右端部に鍔部28から右方に突出するようにして設けられる。ボス部29は、中央部に軸方向に貫通する図示しない貫通孔を有している。ボス部29の貫通孔は、軸部27の内孔30と連通している。なお、軸部27、鍔部28及びボス部29は、一体形成されるが、それぞれを連結することで形成してもよい。巻取ドラム片26は、筒状の軸部31と、軸部31の軸方向の一端側に設けられる鍔部32とを有している。軸部31は、左右方向に延出する短円筒状である。鍔部32は、円板状で、軸部31の左端部に径方向外側に張り出すように設けられる。なお、軸部31及び鍔部32は、一体形成されるが、それぞれを連結することで形成してもよい。
【0025】
巻取ドラム片26は、巻取ドラム本体25に着脱可能に取り付けられる。具体的には、巻取ドラム本体25のボス部29の右面に巻取ドラム片26の鍔部32の左面が取り付けられることで、巻取ドラム片26は、巻取ドラム本体25に設けられる。これにより、巻取ドラム本体25のボス部29は、巻取ドラム本体25の鍔部28と巻取ドラム片26の鍔部32との間に配置される。このような構成の巻取ドラム14は、巻取ドラム本体25の軸部27の左端部が第2壁部17に回転可能に設けられるとともに、巻取ドラム片26の軸部31の右端部が第4壁部19に回転可能に設けられることで、取付部品3に回転可能に支持される。
【0026】
取付部品3に回転可能に支持されるチルトドラム13は、従来公知の構成である。典型的には、チルトドラム13は、ドラム本体33、回転体34及びクラッチバネ35を有している。ドラム本体33は、右方に開口した円形の箱状である。回転体34は、左右方向に延出する円筒状である。クラッチバネ35は、回転体34の外周面に巻き付けられる。このような構成のチルトドラム13は、ドラム本体33内にクラッチバネ35が設けられた回転体34を収容した状態で、取付部品3に回転可能に支持される。チルトドラム13が取付部品3に支持された状態において、巻取りドラム本体25の軸部27は、ドラム本体33及び回転体34を貫通しており、チルトドラム13の回転体34は、巻取ドラム14と一体回転可能である。このようにして回転体34が回転すると、ドラム本体33は、クラッチバネ35によって回転させることができる。従って、チルトドラム13は、巻取ドラム14と一体回転可能である。
【0027】
チルトドラム13には、ラダーコード12の一端部が前後方向から係留される。チルトドラム13が上述した構成の場合、ラダーコード12の一端部は、ドラム本体33に係留される。ラダーコード12には、複数の遮蔽材(スラット)5が支持されている。具体的には、遮蔽材5は、長手方向が左右方向に沿うようにして、ラダーコード12の各中段コードに支持されている。複数の遮蔽材5がラダーコード12に支持された状態において、複数の遮蔽材5は、上下方向に間隔をあけて配置されている。このようにして、複数の遮蔽材5は、支持部材2に吊り下げられる。
【0028】
巻取ドラム14には、遮蔽材5を昇降させる昇降部材である昇降テープ36が巻取り及び巻解き可能に連結される。巻取ドラム14が上述した構成の場合、昇降テープ36は、ボス部29の外周面に巻取り可能である。巻取ドラム14には、昇降テープ36の一端部が係留される。昇降テープ36は、ラダーコード12とは別の部材であって、支持部材2にボトムレール37を昇降可能に吊下支持するものである。ボトムレール37は、昇降テープ36の他端部に設けられる。また、ボトムレール37は、ラダーコード12の他端部が前後方向から係留される。このようにして、ボトムレール37は、支持部材2に吊り下げられる。支持部材2に吊り下げられたボトムレール37は、最も下側に配置された遮蔽材5よりも下方に位置している。
【0029】
図1に示すように、支持部材2内には、回転軸38が回転自在に設けられる。回転軸38が支持部材2内に設けられた状態において、回転軸38の軸線方向は、支持部材2の長手方向に沿っている。回転軸38は、支持部材2内に設けられた状態において、自身の軸線まわりに回転可能である。回転軸38は、支持部材2内に設けられた状態において、チルトドラム13及び巻取ドラム14を貫通している。回転軸38がチルトドラム13及び巻取ドラム14を貫通した状態において、チルトドラム13及び巻取ドラム14は、回転軸38と一体回転可能である。チルトドラム13及び巻取ドラム14が上述した構成の場合、回転軸38は、巻取ドラム本体25の軸部27の内孔30、巻取ドラム本体25のボス部29の貫通孔及び巻取ドラム片26の軸部31の内孔を貫通している。この際、巻取ドラム14は、回転軸38と一体回転に連結される。前述したように、チルトドラム13は、巻取ドラム14と一体回転可能である。従って、チルトドラム13は、回転軸38と一体回転可能である。
【0030】
図示例では、支持部材2内に、チルトドラム13及び巻取ドラム14が設けられた取付部品3が複数設けられる。従って、回転軸38は、各取付部品3に設けられたチルトドラム13及び巻取ドラム14を貫通しており、回転軸38が貫通したチルトドラム13及び巻取ドラム14は、回転軸38と一体回転可能である。これにより、回転軸38は、その回転を各取付部品3に設けられたチルトドラム13及び巻取ドラム14に同時に伝達できる。
【0031】
回転軸38が支持部材2内に設けられた状態において、回転軸38は、支持部材2内に設けられるモータ39に連結される。回転軸38は、図示しない減速機構を介して、モータ39に連結される。このような構成であるので、モータ39を駆動すると、モータ39の回転は、減速機構で減速されて回転軸38に伝達される。従って、回転軸38は、モータ39を駆動することで回転させることができる。
【0032】
回転軸38を回転させるモータ39は、支持部材2内に設けられる制御ユニット40によって制御される。モータ39及び制御ユニット40には、支持部材2内に設けられるスイッチング電源41から電力が供給される。スイッチング電源41には、図示しない電源コードが接続される。電源コードからスイッチング電源41に交流電源が入力されると、スイッチング電源41は、交流電源を直流電源に変換して、直流電源をモータ39及び制御ユニット40に供給する。
【0033】
回転軸38を一方の方向に回転させると、チルトドラム13の回転体34は、巻取ドラム14と一体回転する。回転体34が回転すると、クラッチバネ35の一端部がドラム本体33内に設けられた図示しない押圧部を押圧することで、ドラム本体33を回転させる。ドラム本体33が回転すると、ラダーコード12に支持された複数の遮蔽材5は、略水平に配置された状態から同時に傾動する。これにより、複数の遮蔽材5を傾斜した状態とすることができる。回転軸38を一方の方向にさらに回転させると、複数の遮蔽材5が上下方向に沿った閉状態となり、クラッチバネ35の他端部が押圧されることで、クラッチバネ35の回転体34への巻き付きが弛緩される。クラッチバネ35の回転体34への巻き付きが弛緩されると、回転体34は、クラッチバネ35と相対回転する。これにより、ドラム本体33の押圧部がクラッチバネ35の一端部に押圧されないので、ドラム本体33は、回転体34と相対回転する。すなわち、チルトドラム13は回転を停止して、巻取ドラム14及び回転軸38がチルトドラム13と相対回転する。
【0034】
回転軸38を他方の方向に回転させると、チルトドラム13の回転体34は、巻取ドラム14と一体回転する。回転体34が回転すると、クラッチバネ35の他端部がドラム本体33内に設けられた図示しない押圧部を押圧することで、ドラム本体33を回転させる。ドラム本体33が回転すると、ラダーコード12に支持された複数の遮蔽材5は、略水平に配置された状態から先ほどとは逆側に同時に傾動する。これにより、複数の遮蔽材5を傾斜した状態とすることができる。回転軸38を他方の方向にさらに回転させると、複数の遮蔽材5が上下方向に沿った閉状態となり、クラッチバネ35の一端部が押圧されることで、クラッチバネ35の回転体34への巻き付きが弛緩される。クラッチバネ35の回転体34への巻き付きが弛緩されると、回転体34は、クラッチバネ35と相対回転する。これにより、ドラム本体33の押圧部がクラッチバネ35の他端部に押圧されないので、ドラム本体33は、回転体34と相対回転する。すなわち、チルトドラム13は回転を停止して、巻取ドラム14及び回転軸38がチルトドラム13と相対回転する。このようにしてチルトドラム13を一方の方向又は他方の方向に回転させることで、複数の遮蔽材5は、傾斜角度を同時に調整することができる。
【0035】
回転軸38を回転させると、回転軸38に一体回転可能に設けられた巻取ドラム14が回転する。昇降テープ36を巻き取る方向に巻取ドラム14を回転させると、ボトムレール37は、昇降テープ36によって上昇する。ボトムレール37が上昇すると、ボトムレール37上に遮蔽材5が順次に重ね合わされる。これにより、複数の遮蔽材5が上昇するので、ブラインドである開閉装置1を開くことができる。開閉装置1が開いた状態において、昇降テープ36を巻き解く方向に巻取ドラム14を回転させると、ボトムレール37は、昇降テープ36によって下降する。ボトムレール37が下降すると、ボトムレール37上に重ね合わされた遮蔽材5の数が減少していく。これにより、複数の遮蔽材5が下降するので、開閉装置1を閉じることができる。
【0036】
前述したように、チルトドラム13及び巻取ドラム14は、取付部品3を介して支持部材2に設けられる。この場合、取付部品3は、支持部材2に着脱可能に取り付けられる。取付部品3は、支持部材2の被係止部10に係止可能な複数の係止部42を有している。各係止部42には、係止部42が被係止部10に係止された係止状態を解除操作可能な解除操作部43が設けられる。第1実施形態では、係止部42は、前後一対の被係止部10,10に各々係止可能に、取付部品3の前後方向(支持部材2の短手方向)における一方側及び他方側に少なくとも1つずつ以上形成される。図示例では、取付部品3の前側に位置する第1壁部16に1つの係止部42が形成され、取付部品3の後側に位置する第3壁部18に1つの係止部42が形成される。
【0037】
取付部品3の第1壁部16に設けられる係止部42は、第1壁部16の上端部を前方へ向けて略矩形状に切り起した形状に形成される。第1壁部16の係止部42は、基端部から前方に行くに従って上方に傾斜した傾斜部44と、傾斜部44の先端部から上方に延出する延出部45とを有する。このような構成であるので、第1壁部16の係止部42は、前後方向に傾動可能である。第1壁部16の係止部42に設けられる解除操作部43は、前方に開口する凹溝である。解除操作部43は、前方に開口する溝形状で、第1壁部16の係止部42の延出部45の前面に上下方向に沿って形成される。解除操作部43は、上側に位置する第1溝部46と、下側に位置する第2溝部47とを有している。第1溝部46は、前方に開口する溝形状で、上下方向に開口している。第2溝部47は、前方に開口する溝形状で、上下方向に開口している。第2溝部47は、第1溝部46と連続しており、第1溝部46に連通している。第2溝部47の左右両側壁の厚さが第1溝部46の左右両側壁の厚さよりも大きいので、第2溝部47の左右両側壁の内面間の距離は、第1溝部46の左右両側壁の内面間の距離よりも小さい。また、第2溝部47の左右両側壁は、第1溝部46の左右両側壁よりも前方に突出している。従って、第1壁部16の係止部42の左右両端部には、上面が上下方向に向いた段部48が形成される。なお、第3壁部18の上端部を後方へ向けて略矩形に切り起した形状に形成される係止部42と第1壁部16の係止部42とは、前後方向に対称に構成されているので、ここでは説明を省略する。
【0038】
次に、図4及び図5を用いて、取付部品3を支持部材2に取り付ける過程について説明する。取付部品3を支持部材2に取り付ける際には、まず、取付部品3の下壁部15が下方に位置するようにして、支持部材2内に取付部品3を収容する。支持部材2内に取付部品3を収容後、取付部品3の前後方向の一方側を下方に押し込む。これにより、取付部品3の前後方向の一方側に配置される係止部42は、支持部材2の前後方向の一方側に位置する被係止部10に接触して後方に押し込まれた後、被係止部10との接触が解除されることで元の姿勢に戻る。このようにして、取付部品3の前後方向の一方側に配置される係止部42は、支持部材2の前後方向の一方側に位置する被係止部10を乗り越える。係止部42が被係止部10を乗り越えた後、取付部品3の前後方向の一方側に配置される係止部42の段部48の上面に、支持部材2の前後方向の一方側に位置する被係止部10が当接する。その後、取付部品3の前後方向の他方側を下方に押し込む。これにより、取付部品3の前後方向の他方側に配置される係止部42は、支持部材2の前後方向の他方側に位置する被係止部10に接触して前方に押し込まれた後、被係止部10との接触が解除されることで元の姿勢に戻る。このようにして、取付部品3の前後方向の他方側に配置される係止部42は、支持部材2の前後方向の他方側に位置する被係止部10を乗り越える。係止部42が被係止部10を乗り越えた後、取付部品3の前後方向の他方側に配置される係止部42の段部48の上面に、支持部材2の前後方向の他方側に位置する被係止部10が当接する。
【0039】
以上のように、取付部品3の前後方向の一方側の係止部42に支持部材2の前後方向の一方側の被係止部10が当接した状態、及び取付部品3の前後方向の他方側の係止部42に支持部材2の前後方向の他方側の被係止部10が当接した状態となることで、係止部42は、被係止部10に係止した係止状態となる。係止部42が被係止部10に係止した係止状態となることで、取付部品3は、支持部材2に取り付けられる。前述したように、係止部42は、第1溝部46、第2溝部47、及び段部48を有している。従って、凹溝である解除操作部43は、係止状態にある被係止部10と係止部42との間の一部に空隙を形成することができる。すなわち、係止状態において、解除操作部43は、上下方向に貫通している。支持部材2に取付部品3が取り付けられた状態において、取付部品3の係止部42の段部48の上側に被係止部10が位置しているので、取付部品3は、支持部材2に対して上方に移動するのが規制される。
【0040】
前述したように取付部品3が支持部材2に取り付けられる際、取付部品3の複数の突出部22はそれぞれ、支持部材2の底壁部6に設けられた複数の貫通孔9それぞれに差し込まれる。図4に示すように、取付部品3の前後方向の一方側が下方に押し込まれた際、突出部22の前後方向の他方側に位置する導入部24の外面は、貫通孔9の縁部に接触する。その後、取付部品3の前後方向の他方側が下方に押し込まれると、突出部22は、前後方向の他方側に位置する導入部24の外面が貫通孔9の縁部に接触しつつ下方に押し込まれる。これにより、突出部22は、貫通孔9に差し込まれ、嵌合部23が貫通孔9の縁部に嵌合することで、突出部22の前後左右方向の移動が規制される(図4(c)参照)。第1実施形態の場合、突出部22の導入部24の外周面がテーパ状に形成されているので、取付部品3を支持部材2に取り付ける際に、取付部品3の突出部22を支持部材2の貫通孔9にスムーズに差し込むことができる。
【0041】
突出部22が貫通孔9に差し込まれた状態において、3つの挿通孔21のうちの前後方向に離隔した挿通孔21及び3つの貫通孔9のうちの前後方向に離隔した貫通孔9,9には、ラダーコード12が通され、残りの1つの挿通孔21及び残りの1つの貫通孔9には、昇降テープ36が通される。
【0042】
次に、図6から図8を用いて、支持部材2から取付部品3を取り外す過程について説明する。支持部材2から取付部品3を取り外すには、図6に示す専用の解除具4が用いられる。解除具4は、複数の係止部42の解除操作部43を同時に解除操作可能である。そのため、解除具4は、作業者が操作可能な操作部49と、操作部49に設けられる複数の脚部50とを有している。図示例では、解除具4は、略門形状で、板状の操作部49と、操作部49の両端部に設けられる一対の脚部50,50とを有する。操作部49は、板面を左右に向けた状態で、側面視略矩形の板状である。操作部49は、上方に切り欠かれた切り欠き部51を有する。一対の脚部50,50は、略棒状で、操作部49の両端部から一方向に突出している。脚部50の数は、少なくとも取付部品3に設けられる係止部42の数以上であればよい。第1実施形態では、係止部42は、取付部品3に2つ設けられており、解除具4は、2つの脚部50,50を有している。
【0043】
解除具4の脚部50は、基端側に設けられた幅広部52と、幅広部52の先端から先細り形状に形成された傾斜部53と、傾斜部53の先端から延びる幅狭部54とを有する。幅広部52は、横断面略四角形の棒状で、操作部49から一方向に突出している。傾斜部53は、横断面略四角形の棒状で、幅広部52の先端部から突出している。傾斜部53の外面のうち、解除具4の内側に位置する外面は、先端に行くに従って外方に傾斜した傾斜面となっている。これにより、傾斜部53は、先細り形状に形成されている。幅狭部54は、横断面略四角形の棒状で、傾斜部53の先端部から突出している。幅狭部54の幅(板厚方向に直交する方向の長さ)は、幅広部52の幅よりも小さい。
【0044】
このような構成の解除具4は、以下のように使用される。図7に示すように、作業者は、解除具4の操作部49を持った状態で解除具4を下方に移動させて、解除具4の脚部50を係止部42と被係止部10との間の空隙に差し込む。解除具4は、2つの脚部50,50を有しているので、前側の係止部42と前側の被係止部10との間の空隙及び後側の係止部42と後側の被係止部10との間の空隙に同時に脚部50を差し込むことができる。係止部42と被係止部10との間の空隙に脚部50を差し込んでいくと、脚部50は、傾斜部53の傾斜面に係止部42が接触しつつ下方に移動していく。これにより、解除操作部43が脚部50によって押圧されるので、係止部42は、内側に傾動される。すなわち、前側の係止部42は、後方に傾動し、後側の係止部42は、前方に傾動する。係止部42が内側に傾動すると、段部48は、被係止部10の下方に位置した状態から移動して、被係止部10から外れた位置に配置される。段部48が被係止部10から外れた位置に配置されると、係止部42と被係止部10との係止状態が解除された状態となる。係止部42と被係止部10との係止状態が解除されることで、取付部品3は、支持部材2に対して上方に移動させることができるため、支持部材2から取り外し可能である。
【0045】
このように、係止部42は、解除操作部43が押圧されることによって、係止部42と被係止部10との係止状態を解除する方向に傾動可能である。解除具4は、操作部49の操作により複数の脚部50が複数の係止部42の解除操作部43を同時に押圧可能である。解除操作部43は、凹溝に脚部50の一部が挿入されることで、係止部42が係止状態を解除する方向に傾動するように、脚部50で押圧操作可能である。従って、解除具4は、複数の係止部42の係止状態を同時に解除することで、支持部材2から取付部品3を取り外し可能な状態とすることができる。第1実施形態では、操作部49に切り欠き部51が形成されているので、解除具4の操作時に、取付部品3やドラム13,14などに操作部49が接触するのを防止できる。
【0046】
ところで、第1実施形態では、図2に示すように、図示しない障害検知機構とモータ39の回転を停止させる電子部品55とが取付部品3に設けられる。障害検知機構は、遮蔽材5の下降動作時に、昇降テープ36の弛みに基づき障害物とボトムレール37との接触を検知可能である。電子部品55は、障害物とボトムレール37とが接触して障害検知機構が作動した際に、巻取ドラム14を回転させるモータ39の回転を停止するスイッチである。典型的には、電子部品55は、マイクロスイッチである。図2に示すように、電子部品55は、第4壁部19と第5壁部20との間において、下壁部15に載置される。取付部品3に載置された電子部品55の上部は、取付部品3に設けられるカバー56によって覆われる。
【0047】
取付部品3に載置された電子部品55からは、1又は複数の配線57が引き出されている。取付部品3は、電子部品55から引き出された配線57を保持する配線保持部58を有する。図示例では、配線保持部58は、第1壁部16、第2壁部17及び第3壁部18に設けられる。電子部品55から引き出された配線57を配線保持部58で保持することで、配線57を取付部品3の外側に配回すことができる。なお、図示例では、支持部材2内にドラム13,14が設けられた取付部品3が3つ取り付けられており、そのうちの中央に位置する取付部品3には、障害検知機構及び電子部品55が設けられていない。
【0048】
次に、図9及び図10を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記実施形態で付した符号と同じ符号を有する構成部品は、その作用を同じにするので以下、説明を省略することがある。
【0049】
前記第1実施形態では、係止部42は、取付部品3の前側及び取付部品3の後側に1つずつ設けられたが、第2実施形態では、取付部品3の前側及び取付部品3の後側に2つずつ設けられる。すなわち、第2実施形態では、取付部品3は、4つの係止部42を有する。前記第1実施形態では、第1壁部16は、下壁部15の左側に位置しており、下壁部15の右側には配置されていなかった。具体的には、第1壁部16は、第4壁部19と第5壁部20との間において、下壁部15の前端部に設けられていなかった。第2実施形態では、第1壁部16は、第1実施形態の場合とは異なり、第4壁部19と第5壁部20との間において、下壁部15の前端部にも配置されている。前記第1実施形態では、第3壁部18は、下壁部15の左側に位置しており、下壁部15の右側には配置されていなかった。具体的には、第3壁部18は、第4壁部19と第5壁部20との間において、下壁部15の後端部に設けられていなかった。第2実施形態では、第3壁部18は、第1実施形態の場合とは異なり、第4壁部19と第5壁部20との間において、下壁部15の後端部にも配置されている。
【0050】
図9に示すように、係止部42は、第1壁部16に左右に離隔して設けられるとともに、第3壁部18に左右に離隔して設けられる。第1壁部16に設けられる2つの係止部42は、第1壁部16の上端部を前方へ向けて略矩形状に切り起した形状に形成されており、第1実施形態において取付部品3の前側に設けられる係止部42と同様の構成である。第3壁部18に設けられる2つの係止部42,42は、第3壁部18の上端部を後方へ向けて略矩形状に切り起した形状に形成されており、第1実施形態において取付部品3の後側に設けられる係止部42と同様の構成である。
【0051】
第2実施形態では、取付部品3は、4つの係止部42を有している。そのため、第2実施形態では、解除具4は、4つの脚部50を有する構成である。典型的には、解除具4は、下方に開口する略矩形の箱状の操作部49と、操作部49の四隅に設けられる脚部50とを有する。操作部49の4つの側壁のうち、対向する一対の側壁は、上方に切り欠かれた切り欠き部51を有している。4つの脚部50は、略棒状で、操作部49の下端部の四隅から下方に突出している。各脚部50は、第1実施形態の場合と同様に、幅広部52、傾斜部53及び幅狭部54を有している。4つの脚部50のうち、切り欠き部51が形成された側壁の板面方向に対向する一対の脚部50,50は、第1実施形態の前後一対の脚部50,50と同様の構成である。すなわち、切り欠き部51が形成された側壁の板面方向に対向する一対の脚部50,50の傾斜面は、下方に行くに従って互いに離れる方向に傾斜している。
【0052】
このような構成であるので、第1実施形態の場合と同様に解除具4を下方に移動させることで、解除具4の4つの脚部50は、取付部品3の4つの係止部42の係止状態を同時に解除することができる。具体的には、解除具4は、4つの係止部42を同時に、係止状態を解除する方向に傾動させることができる。
【0053】
次に、図11を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態で付した符号と同じ符号を有する構成部品は、その作用を同じにするので以下、説明を省略することがある。
【0054】
解除具4は、ドラム13,14を覆うドラムカバーとして、ドラム受けである取付部品3に着脱可能に設けられる。そのため、解除具4は、取付部品3に設けられたドラム13,14を覆うことができる操作部49と、操作部49に設けられる一対の脚部50,50とを有する。操作部49は、下方に開口する略矩形の箱状である。操作部49の側壁のうち、左右方向に対向する一対の側壁は、上方に切りかかれた切り欠き部51を有する。一対の脚部50,50は、操作部49の四隅のうち、前後に位置する角部に設けられる。一対の脚部50,50は、操作部49の下端部の角部から下方に突出している。各脚部50は、第1実施形態の場合と同様に、幅広部52、傾斜部53及び幅狭部54を有している。一対の脚部50,50は、第1実施形態の前後一対の脚部50,50と同様の構成である。すなわち、一対の脚部50,50の傾斜面は、下方に行くに従って互いに離れる方向に傾斜している。
【0055】
このような構成であるので、第1実施形態の場合と同様に解除具4を下方に移動させることで、解除具4の2つの脚部50,50は、取付部品3の2つの係止部42,42の係止状態を同時に解除することができる。第3実施形態では、解除具4は、不使用時において、取付部品3に取り付けられる。解除具4は、一対の脚部50,50で取付部品3を挟み込むことで、取付部品3に取り付けられる。解除具4が取付部品3に取り付けられた状態において、操作部49は、ドラム13,14の上部を覆っている。取付部品3から解除具4を取り外して使用する際には、解除具4は、上方に移動させた後に上下方向に沿う軸回りに回転させて、係止部42と被係止部10との間に脚部50を差し込むように下方に移動させればよい。
【0056】
上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造の場合、取付部品3が有する複数の係止部42の係止状態を解除具4によって同時に解除できるため、従来のように係止状態を解除した係止部42が作業中に再び係止状態となってしまうことを防止できる。従って、上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造によれば、支持部材2から取付部品3を取り外す際の作業性を向上させることができる。
【0057】
上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造の場合、係止部42は、傾動可能であり、解除具4は、操作部49及び脚部50を有し、解除操作部43は、脚部50で押圧操作可能である。従って、上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造によれば、解除具4を押圧操作するだけの簡単な作業で、全ての係止部42を同時に傾動させて、支持部材2から取付部品3を取り外し可能な状態とすることができる。
【0058】
上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造の場合、ヘッドボックスである支持部材2とドラム受けである取付部品3とを係止させる作業、及びヘッドボックスである支持部材2とドラム受けである取付部品3との係止状態を解除する作業を容易に行うことができる。従って、上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造によれば、従来は作業性に難があったブラインドのヘッドボックス内への部品の着脱作業を容易にすることができる。
【0059】
上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造の場合、解除具4は、不使用時において、ドラムカバーとしてドラム受けに取り付けておくことができる。従って、上記実施形態の開閉装置の部品着脱構造によれば、ヘッドボックスから部品を取り外す作業を行う度に、解除具4を持ち運びする必要がなくなる。
【0060】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
【0061】
例えば、上記実施形態では、1つの脚部50で1つの係止部42を操作する構成とされたが、複数の脚部50で1つの係止部42を操作する構成としてもよい。この場合、係止部42は、左右方向に細長い形状となる。
【0062】
上記実施形態では、取付部品3に設けられる係止部42の数は、2つ又は4つとされたが、これに限定されるものではなく、複数であればよい。上記実施形態では、取付部品3の前側に設けられる係止部42の数と取付部品3の後側に設けられる係止部42の数とは、同数とされたが、異なっていてもよい。
【0063】
上記実施形態では、開閉装置1は、ブラインドとされたが、これに限定されるものではなく、例えば、映写スクリーン装置やシャッターであってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 開閉装置
2 支持部材
3 取付部品
4 解除具
5 遮蔽材
10 被係止部
13 チルトドラム
14 巻取ドラム
42 係止部
43 解除操作部
49 操作部
50 脚部
52 幅広部
53 傾斜部
54 幅狭部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11