(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007310
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電動ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/322 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
E06B9/322
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108610
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】西野 公久
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043BB04
2E043BC02
2E043BD02
2E043BE04
2E043BE14
2E043DA04
(57)【要約】
【課題】固定部材を介してヘッドボックス内に取り付けられる電子部品の配線を好適に扱い可能な電動ブラインドを提供する。
【解決手段】電動ブラインドは、ヘッドボックス内に固定される固定部材3と、固定部材3から配線62が引き出されるように固定部材3に取り付けられる電子部品4とを備える電動ブラインドであって、固定部材3は、電子部品4が取り付けられた状態において、電子部品4の配線62を固定部材3の側面に保持可能な少なくとも1つ以上の配線保持部63,64を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックス内に固定される固定部材と、前記固定部材から配線が引き出されるように前記固定部材に取り付けられる電子部品とを備える電動ブラインドであって、
前記固定部材は、前記電子部品が取り付けられた状態において、前記電子部品の前記配線を前記固定部材の側面に保持可能な少なくとも1つ以上の配線保持部を有する、電動ブラインド。
【請求項2】
前記固定部材は、前記ヘッドボックスの長手方向に沿って起立する第1壁部を有し、
前記配線保持部は、前記第1壁部に少なくとも1つ以上形成され、前記固定部材と前記ヘッドボックスとの間の空隙内において、前記配線を前記第1壁部の前記長手方向に沿って配回し可能に保持する第1配線保持部を有する、請求項1に記載の電動ブラインド。
【請求項3】
前記固定部材は、前記ヘッドボックスの短手方向に沿って起立する第2壁部を有し、
前記配線保持部は、前記第2壁部に少なくとも1つ以上形成され、前記第1壁部から前記第2壁部に沿って配回された前記配線を前記第2壁部の上下方向に沿って屈曲させて前記第2壁部に配回し可能に保持する第2配線保持部を有する、請求項2に記載の電動ブラインド。
【請求項4】
前記配線保持部は、前記第1壁部に少なくとも1つ以上形成され、前記空隙内において、前記電子部品の前記配線とは異なる他の配線を前記第1壁部の前記長手方向に沿って配回し可能に保持する第3配線保持部を有する、請求項2又は3に記載の電動ブラインド。
【請求項5】
遮蔽材を昇降させる昇降部材が巻取り及び巻解き可能に連結された巻取ドラムと、前記遮蔽材の下降動作時に前記昇降部材の弛みに基づき障害物とボトムレールとの接触を検知可能な障害検知機構と、を更に備え、
前記固定部材は、前記巻取ドラムを回転可能に支持するドラム受けであり、
前記電子部品は、前記障害検知機構が作動した際に、前記巻取ドラムを回転させるモータの回転を停止するスイッチである、請求項1に記載の電動ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されるように、チルターケースの上部に嵌着されるチルターカバーに、配線のたるみとなる余長分を掛け回して保持するためのピンや溝が設けられた電動ブラインドが知られている。このような電動ブラインドによれば、ヘッドボックス内においてチルターカバー付近を通る配線のたるみを抑制することができるため、たるんだ配線がチルター軸に接触して異音が発生したり、スラットの傾動が妨害されたりすることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される電動ブラインドの構成とは異なり、ヘッドボックス内に固定部材を介して電子部品を取り付けるような構成の場合には、電子部品の配線が固定部材から引き出されるため、部品梱包時に配線同士が絡まったり、ヘッドボックス内への固定部材の取付時にヘッドボックスと固定部材との間に配線が挟み込まれてしまったりすることがあった。そのため、固定部材を介してヘッドボックス内に取り付けられる電子部品の配線を好適に扱い可能とする技術が望まれている。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、固定部材を介してヘッドボックス内に取り付けられる電子部品の配線を好適に扱い可能な電動ブラインドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、固定部材の側面に電子部品の配線を保持することができる構成とすることで、上記の課題を解決できると考え、これに基づいて、以下のような新たな電動ブラインドを発明するに至った。
【0007】
(1)本発明による電動ブラインドは、ヘッドボックス内に固定される固定部材と、前記固定部材から配線が引き出されるように前記固定部材に取り付けられる電子部品とを備える電動ブラインドであって、前記固定部材は、前記電子部品が取り付けられた状態において、前記電子部品の前記配線を前記固定部材の側面に保持可能な少なくとも1つ以上の配線保持部を有する。
【0008】
(2)上記(1)において、前記固定部材は、前記ヘッドボックスの長手方向に沿って起立する第1壁部を有し、前記配線保持部は、前記第1壁部に少なくとも1つ以上形成され、前記固定部材と前記ヘッドボックスとの間の空隙内において、前記配線を前記第1壁部の前記長手方向に沿って配回し可能に保持する第1配線保持部を有するのが好ましい。
【0009】
(3)上記(2)において、前記固定部材は、前記ヘッドボックスの短手方向に沿って起立する第2壁部を有し、前記配線保持部は、前記第2壁部に少なくとも1つ以上形成され、前記第1壁部から前記第2壁部に沿って配回された前記配線を前記第2壁部の上下方向に沿って屈曲させて前記第2壁部に配回し可能に保持する第2配線保持部を有するのが好ましい。
【0010】
(4)上記(2)又は(3)において、前記配線保持部は、前記第1壁部に少なくとも1つ以上形成され、前記空隙内において、前記電子部品の前記配線とは異なる他の配線を前記第1壁部の前記長手方向に沿って配回し可能に保持する第3配線保持部を有するのが好ましい。
【0011】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、遮蔽材を昇降させる昇降部材が巻取り及び巻解き可能に連結された巻取ドラムと、前記遮蔽材の下降動作時に前記昇降部材の弛みに基づき障害物とボトムレールとの接触を検知可能な障害検知機構と、を更に備え、前記固定部材は、前記巻取ドラムを回転可能に支持するドラム受けであり、前記電子部品は、前記障害検知機構が作動した際に、前記巻取ドラムを回転させるモータの回転を停止するスイッチであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明による電動ブラインドは、固定部材の側面に電子部品の配線を保持することができる構成である。従って、固定部材を介してヘッドボックス内に取り付けられる電子部品の配線を好適に扱い可能な電動ブラインドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態による電動ブラインドを示す概略正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による電動ブラインドの固定部材を示す概略斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による電動ブラインドの固定部材を示す概略上面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による電動ブラインドの固定部材を示す概略斜視図であり、左右方向の一方側から見た状態を示している。
【
図5】本発明の第1実施形態による電動ブラインドの固定部材を示す概略斜視図であり、左右方向の他方側から見た状態を示している。
【
図6】固定部材のヘッドボックスへの取付過程を示す説明図であり、(a)は取付前の状態、(b)は取付後の状態を示している。
【
図7】本発明の第2実施形態による電動ブラインドの固定部材を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
図1に示すように、第1実施形態の電動ブラインド1は、例えば、建物の窓枠などの開口部の内部に設置される横型ブラインドである。電動ブラインド1は、建物の室外に対して、窓ガラスなどで仕切られた室内に設置される。
図1から
図6に示すように、電動ブラインド1は、ヘッドボックス2内に固定される固定部材3と、固定部材3に設けられる電子部品4と、遮蔽材5を昇降させる巻取ドラム6と、障害物とボトムレール7との接触を検知可能な障害検知機構8とを備える。ここでは、固定部材3は、巻取ドラム6を回転可能に支持するドラム受けであり、電子部品4は、巻取ドラム6を回転させるモータ9の回転を停止するスイッチである。
本明細書において、電動ブラインド1が設置された状態において、ヘッドボックス2の長手方向を左右方向、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向とする。また、前後方向について、室内の側を前方、室外の側を後方とする。
【0016】
図6に示すように、ヘッドボックス2は、C形チャンネル状で、底壁部10、前壁部11及び後壁部12を有している。底壁部10は、左右方向に細長い略矩形の板状で、板面を上下に向けて配置される。底壁部10は、後述する固定部材3が配置される部分に上下方向に貫通する図示しない貫通孔を複数有する。貫通孔は、平面視略四角形状である。第1実施形態では、底壁部10は、3つの貫通孔を有する。前壁部11は、左右方向に細長い略矩形の板状である。前壁部11は、板面を前後に向けて底壁部10の前端部に設けられる。後壁部12は、左右方向に細長い略矩形の板状である。後壁部12は、板面を前後に向けて底壁部10の後端部に設けられる。なお、底壁部10、前壁部11及び後壁部12は、一体形成されるが、各壁部をそれぞれ連結することで形成してもよい。
【0017】
ヘッドボックス2は、固定部材3が係止される前後一対の被係止部13,13を有する。第1実施形態では、一対の被係止部13,13のうち、前側に位置する被係止部13は、前壁部11の内面の上下方向中途部からヘッドボックス2の内側に延出する板状で、板面を上下に向けて配置される。前側の被係止部13は、左右方向に細長い略矩形の板状で、ヘッドボックス2の左右方向の一端部から他端部まで連続して延出している。一対の被係止部13,13のうち、後側に位置する被係止部13は、後壁部12の内面の上下方向中途部からヘッドボックス2の内側に延出する板状で、板面を上下に向けて配置される。後側の被係止部13は、左右方向に細長い略矩形の板状で、ヘッドボックス2の左右方向の一端部から他端部まで連続して延出している。従って、被係止部13は、支持部材の短手方向における一方側の壁面及び他方側の壁面からヘッドボックス2の内側に向かって突出する一対のリブである。
【0018】
このような構成のヘッドボックス2は、複数のブラケット14を介して、窓枠の上面又は天井に固定される。これにより、電動ブラインド1は、窓の内側に配置される。ヘッドボックス2には、複数のラダーコード15を介して、遮蔽材5が吊り下げられる。
【0019】
ヘッドボックス2内には、複数のチルトドラム16及び複数の巻取ドラム6が回転自在に設けられる。各チルトドラム16及び各巻取ドラム6は、ドラム受けである固定部材3を介して、ヘッドボックス2内に設けられる。チルトドラム16及び巻取ドラム6は、固定部材3に回転可能に支持される。チルトドラム16及び巻取ドラム6は、固定部材3に保持された状態において、同軸上に配置される。
【0020】
固定部材3は、下壁部18、第1壁部19、第2壁部20、第3壁部21、第4壁部22及び第5壁部23を有している。下壁部18は、略矩形の板状で、板面を上下に向けて配置される。下壁部18は、上下方向に貫通する複数の挿通孔24を有する。挿通孔24は、平面視略四角形状である。第1実施形態では、下壁部18は、3つの挿通孔24を有する。挿通孔24の周囲には、略四角形の枠状の突出部25が設けられる。突出部25は、下壁部18から下方に突出している。突出部25は、基端側に位置する嵌合部26と、先端側に位置する導入部27とを有する。嵌合部26は、略四角形の枠状で、下壁部18に設けられる。導入部27は、略四角形の枠状で、嵌合部26の先端部に設けられる。導入部27の外周面は、テーパ状である。具体的には、導入部27の外周面は、下方に行くに従って導入部27の内側に傾斜している。
【0021】
第1壁部19は、ヘッドボックス2の長手方向に沿って下壁部18から起立している。具体的には、第1壁部19は、略矩形の板状で、板面を前後に向けて下壁部18の前端部に設けられる。第1壁部19の左右方向の長さは、下壁部18の左右方向の長さよりも小さい。第1壁部19は、下壁部18の左側に位置している。第2壁部20は、ヘッドボックス2の短手方向に沿って下壁部18から起立している。具体的には、第2壁部20は、略矩形の板状で、板面を左右に向けて下壁部18の左端部に設けられる。第3壁部21は、ヘッドボックス2の長手方向に沿って下壁部18から起立している。具体的には、第3壁部21は、略矩形の板状で、板面を前後に向けて下壁部18の後端部に設けられる。第3壁部21の左右方向の長さは、下壁部18の左右方向の長さよりも小さい。第3壁部21は、下壁部18の左側に位置している。第4壁部22は、ヘッドボックス2の短手方向に沿って下壁部18から起立している。具体的には、第4壁部22は、略矩形の板状で、板面を左右に向けて下壁部18の略中央部に設けられる。第4壁部22は、第2壁部20と対面するように配置される。第5壁部23は、ヘッドボックス2の短手方向に沿って下壁部18から起立している。具体的には、第5壁部23は、略矩形の板状で、板面を左右に向けて下壁部18の右端部に設けられる。第5壁部23は、第4壁部22と対面するように配置される。なお、下壁部18、突出部25、第1壁部19、第2壁部20、第3壁部21、第4壁部22及び第5壁部23は、一体形成されるが、各部をそれぞれ連結することで形成してもよい。
【0022】
固定部材3に回転可能に支持される巻取ドラム6は、従来公知の構成である。典型的には、巻取ドラム6は、巻取ドラム本体28及び巻取ドラム片29を有する。巻取ドラム本体28は、筒状の軸部30と、軸部30の軸方向の一端側に設けられる板状の鍔部31と、軸部30の軸方向の一端側に設けられるボス部32とを有している。軸部30は、左右方向に延出する円筒状である。鍔部31は、円板状で、軸部30の右端部に径方向外側に張り出すようにして設けられる。ボス部32は、円柱状で、軸部30の右端部に鍔部31から右方に突出するようにして設けられる。ボス部32は、中央部に軸方向に貫通する貫通孔を有している。ボス部32の貫通孔は、軸部30の内孔33と連通している。なお、軸部30、鍔部31及びボス部32は、一体形成されるが、それぞれを連結することで形成してもよい。巻取ドラム片29は、筒状の軸部34と、軸部34の軸方向の一端側に設けられる鍔部35とを有している。軸部34は、左右方向に延出する短円筒状である。鍔部35は、円板状で、軸部34の左端部に径方向外側に張り出すように設けられる。なお、軸部34及び鍔部35は、一体形成されるが、それぞれを連結することで形成してもよい。
【0023】
巻取ドラム片29は、巻取ドラム本体28に着脱可能に取り付けられる。具体的には、巻取ドラム本体28のボス部32の右面に巻取ドラム片29の鍔部35の左面が取り付けられることで、巻取ドラム片29は、巻取ドラム本体28に設けられる。これにより、巻取ドラム本体28のボス部32は、巻取ドラム本体28の鍔部31と巻取ドラム片29の鍔部35との間に配置される。このような構成の巻取ドラム6は、巻取ドラム本体28の軸部30の左端部が第2壁部20に回転可能に設けられるとともに、巻取ドラム片29の軸部34の右端部が第4壁部22に回転可能に設けられることで、固定部材3に回転可能に支持される。
【0024】
固定部材3に回転可能に支持されるチルトドラム16は、従来公知の構成である。典型的には、チルトドラム16は、ドラム本体36、回転体37及びクラッチバネ38を有している。ドラム本体36は、右方に開口した円形の箱状である。回転体37は、左右方向に延出する円筒状である。クラッチバネ38は、回転体37の外周面に巻き付けられる。このような構成のチルトドラム16は、ドラム本体36内にクラッチバネ38が設けられた回転体37を収容した状態で、固定部材3に回転可能に支持される。チルトドラム16が固定部材3に支持された状態において、巻取りドラム本体28の軸部30は、ドラム本体36及び回転体37を貫通しており、チルトドラム16の回転体37は、巻取ドラム6と一体回転可能である。このようにして回転体37が回転すると、ドラム本体36は、クラッチバネ38によって回転させることができる。従って、チルトドラム16は、巻取ドラム6と一体回転可能である。
【0025】
チルトドラム16には、ラダーコード15の一端部が前後方向から係留される。チルトドラム16が上述した構成の場合、ラダーコード15の一端部は、ドラム本体36に係留される。ラダーコード15には、複数の遮蔽材(スラット)5が支持されている。具体的は、遮蔽材5は、長手方向が左右方向に沿うようにして、ラダーコード15の各中段コードに支持されている。複数の遮蔽材5がラダーコード15に支持された状態において、複数の遮蔽材5は、上下方向に間隔をあけて配置されている。このようにして、複数の遮蔽材5は、ヘッドボックス2に吊り下げられる。
【0026】
巻取ドラム6には、遮蔽材5を昇降させる昇降部材である昇降テープ39が巻取り及び巻解き可能に連結される。巻取ドラム6が上述した構成の場合、昇降テープ39は、ボス部32の外周面に巻取り可能である。巻取ドラム6には、昇降テープ39の一端部が係留される。昇降テープ39は、ラダーコード15とは別の部材であって、ヘッドボックス2にボトムレール7を昇降可能に吊下支持するものである。ボトムレール7は、昇降テープ39の他端部に設けられる。また、ボトムレール7は、ラダーコード15の他端部が前後方向から係留される。このようにして、ボトムレール7は、ヘッドボックス2に吊り下げられる。ヘッドボックス2に吊り下げられたボトムレール7は、最も下側に配置された遮蔽材5よりも下方に位置している。
【0027】
図1に示すように、ヘッドボックス2内には、回転軸40が回転自在に設けられる。回転軸40がヘッドボックス2内に設けられた状態において、回転軸40の軸線方向は、ヘッドボックス2の長手方向に沿っている。回転軸40は、ヘッドボックス2内に設けられた状態において、自身の軸線まわりに回転可能である。回転軸40は、ヘッドボックス2内に設けられた状態において、チルトドラム16及び巻取ドラム6を貫通している。回転軸40がチルトドラム16及び巻取ドラム6を貫通した状態において、チルトドラム16及び巻取ドラム6は、回転軸40と一体回転可能である。チルトドラム16及び巻取ドラム6が上述した構成の場合、回転軸40は、巻取ドラム本体28の軸部30の内孔33、巻取ドラム本体28のボス部32の貫通孔及び巻取ドラム片29の軸部34の内孔を貫通している。この際、巻取ドラム6は、回転軸40と一体回転に連結される。前述したように、チルトドラム16は、巻取ドラム6と一体回転可能である。従って、チルトドラム16は、回転軸40と一体回転可能である。
【0028】
図示例では、ヘッドボックス2内に、チルトドラム16及び巻取ドラム6が設けられた固定部材3が複数設けられる。従って、回転軸40は、各固定部材3に設けられたチルトドラム16及び巻取ドラム6を貫通しており、回転軸40が貫通したチルトドラム16及び巻取ドラム6は、回転軸40と一体回転可能である。これにより、回転軸40は、その回転を各固定部材3に設けられたチルトドラム16及び巻取ドラム6に同時に伝達できる。
【0029】
回転軸40がヘッドボックス2内に設けられた状態において、回転軸40は、ヘッドボックス2内に設けられるモータ9に連結される。回転軸40は、図示しない減速機構を介して、モータ9に連結される。このような構成であるので、モータ9を駆動すると、モータ9の回転は、減速機構で減速されて回転軸40に伝達される。モータ9の回転が回転軸40に伝達されると、回転軸40と一体回転可能な巻取ドラム6及びチルトドラム16に回転軸40の回転が伝達される。従って、巻取ドラム6及びチルトドラム16は、モータ9を駆動することで回転させることができる。
【0030】
回転軸40を回転させるモータ9は、ヘッドボックス2内に設けられる制御ユニット41によって制御される。モータ9及び制御ユニット41には、ヘッドボックス2内に設けられるスイッチング電源42から電力が供給される。スイッチング電源42には、図示しない電源コードが接続される。電源コードからスイッチング電源42に交流電源が入力されると、スイッチング電源42は、交流電源を直流電源に変換して、直流電源をモータ9及び制御ユニット41に供給する。
【0031】
回転軸40を一方の方向に回転させると、チルトドラム16の回転体37は、巻取ドラム6と一体回転する。回転体37が回転すると、クラッチバネ38の一端部がドラム本体36内に設けられた図示しない押圧部を押圧することで、ドラム本体36を回転させる。ドラム本体36が回転すると、ラダーコード15に支持された複数の遮蔽材5は、略水平に配置された状態から同時に傾動する。これにより、複数の遮蔽材5を傾斜した状態とすることができる。回転軸40を一方の方向にさらに回転させると、複数の遮蔽材5が上下方向に沿った閉状態となり、クラッチバネ38の他端部が押圧されることで、クラッチバネ38の回転体37への巻き付きが弛緩される。クラッチバネ38の回転体37への巻き付きが弛緩されると、回転体37は、クラッチバネ38と相対回転する。これにより、ドラム本体36の押圧部がクラッチバネ38の一端部に押圧されないので、ドラム本体36は、回転体37と相対回転する。すなわち、チルトドラム16は回転を停止して、巻取ドラム6及び回転軸40がチルトドラム16と相対回転する。
【0032】
回転軸40を他方の方向に回転させると、チルトドラム16の回転体37は、巻取ドラム6と一体回転する。回転体37が回転すると、クラッチバネ38の他端部がドラム本体36内に設けられた図示しない押圧部を押圧することで、ドラム本体36を回転させる。ドラム本体36が回転すると、ラダーコード15に支持された複数の遮蔽材5は、略水平に配置された状態から先ほどとは逆側に同時に傾動する。これにより、複数の遮蔽材5を傾斜した状態とすることができる。回転軸40を他方の方向にさらに回転させると、複数の遮蔽材5が上下方向に沿った閉状態となり、クラッチバネ38の一端部が押圧されることで、クラッチバネ38の回転体37への巻き付きが弛緩される。クラッチバネ38の回転体37への巻き付きが弛緩されると、回転体37は、クラッチバネ38と相対回転する。これにより、ドラム本体36の押圧部がクラッチバネ38の他端部に押圧されないので、ドラム本体36は、回転体37と相対回転する。すなわち、チルトドラム16は回転を停止して、巻取ドラム6及び回転軸40がチルトドラム16と相対回転する。このようにしてチルトドラム16を一方の方向又は他方の方向に回転させることで、複数の遮蔽材5は、傾斜角度を同時に調整することができる。
【0033】
回転軸40を回転させると、回転軸40に一体回転可能に設けられた巻取ドラム6が回転する。昇降テープ39を巻き取る方向に巻取ドラム6を回転させると、ボトムレール7は、昇降テープ39によって上昇する。ボトムレール7が上昇すると、ボトムレール7上に遮蔽材5が順次に重ね合わされる。これにより、複数の遮蔽材5が上昇するので、電動ブラインド1を開くことができる。電動ブラインド1が開いた状態において、昇降テープ39を巻き解く方向に巻取ドラム6を回転させると、ボトムレール7は、昇降テープ39によって下降する。ボトムレール7が下降すると、ボトムレール7上に重ね合わされた遮蔽材5の数が減少していく。これにより、複数の遮蔽材5が下降するので、電動ブラインド1を閉じることができる。
【0034】
前述したように、チルトドラム16及び巻取ドラム6は、固定部材3を介してヘッドボックス2に設けられる。この場合、固定部材3は、ヘッドボックス2に着脱可能に取り付けられる。固定部材3は、ヘッドボックス2の被係止部13に係止可能な複数の係止部43を有している。各係止部43には、係止部43が被係止部13に係止された係止状態を解除操作可能な解除操作部44が設けられる。第1実施形態では、係止部43は、前後一対の被係止部13,13に各々係止可能に、固定部材3の前後方向(ヘッドボックス2の短手方向)における一方側及び他方側に少なくとも1つずつ以上形成される。図示例では、固定部材3の前側に位置する第1壁部19に1つの係止部43が形成され、固定部材3の後側に位置する第3壁部21に1つの係止部43が形成される。
【0035】
固定部材3の第1壁部19に設けられる係止部43は、第1壁部19の上端部を前方へ向けて略矩形状に切り起して形成される。第1壁部19の係止部43は、基端部から前方に行くに従って上方に傾斜した傾斜部45と、傾斜部45の先端部から上方に延出する延出部46とを有する。このような構成であるので、第1壁部19の係止部43は、前後方向に傾動可能である。第1壁部19の係止部43に設けられる解除操作部44は、前方に開口する凹溝である。解除操作部44は、前方に開口する溝形状で、第1壁部19の係止部43の延出部46の前面に上下方向に沿って形成される。解除操作部44は、上側に位置する第1溝部47と、下側に位置する第2溝部48とを有している。第1溝部47は、前方に開口する溝形状で、上下方向に開口している。第2溝部48は、前方に開口する溝形状で、上下方向に開口している。第2溝部48は、第1溝部47と連続しており、第1溝部47に連通している。第2溝部48の左右両側壁の厚さが第1溝部47の左右両側壁の厚さよりも大きいので、第2溝部48の左右両側壁の内面間の距離は、第1溝部47の左右両側壁の内面間の距離よりも小さい。また、第2溝部48の左右両側壁は、第1溝部47の左右両側壁よりも前方に突出している。従って、第1壁部19の係止部43の左右両端部には、上面が上下方向に向いた段部49が形成される。なお、第3壁部21の上端部を後方へ向けて略矩形に切り起して形成される係止部43と第1壁部19の係止部43とは、前後方向に対称に構成されているので、ここでは説明を省略する。
【0036】
次に、固定部材3をヘッドボックス2に取り付ける過程について説明する。固定部材3をヘッドボックス2に取り付ける際には、まず、固定部材3の下壁部18が下方に位置するようにして、ヘッドボックス2内に固定部材3を収容する。ヘッドボックス2内に固定部材3を収容後、固定部材3の前後方向の一方側を下方に押し込む。これにより、固定部材3の前後方向の一方側に配置される係止部43は、ヘッドボックス2の前後方向の一方側に位置する被係止部13に接触して後方に押し込まれた後、被係止部13との接触が解除されることで元の姿勢に戻る。このようにして、固定部材3の前後方向の一方側に配置される係止部43は、ヘッドボックス2の前後方向の一方側に位置する被係止部13を乗り越える。係止部43が被係止部13を乗り越えた後、固定部材3の前後方向の一方側に配置される係止部43の段部49の上面に、ヘッドボックス2の前後方向の一方側に位置する被係止部13が当接する。その後、固定部材3の前後方向の他方側を下方に押し込む。これにより、固定部材3の前後方向の他方側に配置される係止部43は、ヘッドボックス2の前後方向の他方側に位置する被係止部13に接触して前方に押し込まれた後、被係止部13との接触が解除されることで元の姿勢に戻る。このようにして、固定部材3の前後方向の他方側に配置される係止部43は、ヘッドボックス2の前後方向の他方側に位置する被係止部13を乗り越える。係止部43が被係止部13を乗り越えた後、固定部材3の前後方向の他方側に配置される係止部43の段部49の上面に、ヘッドボックス2の前後方向の他方側に位置する被係止部13が当接する。
【0037】
以上のように、固定部材3の前後方向の一方側の係止部43にヘッドボックス2の前後方向の一方側の被係止部13が当接した状態、及び固定部材3の前後方向の他方側の係止部43にヘッドボックス2の前後方向の他方側の被係止部13が当接した状態となることで、係止部43は、被係止部13に係止した係止状態となる。係止部43が被係止部13に係止した係止状態となることで、固定部材3は、ヘッドボックス2に取り付けられる。前述したように、係止部43は、第1溝部47、第2溝部48、及び段部49を有している。従って、凹溝である解除操作部44は、係止状態にある被係止部13と係止部43との間の一部に空隙を形成することができる。すなわち、係止状態において、解除操作部44は、上下方向に貫通している。ヘッドボックス2に固定部材3が取り付けられた状態において、固定部材3の係止部43の段部49の上側に被係止部13が位置しているので、固定部材3は、ヘッドボックス2に対して上方に移動するのが規制される。
【0038】
前述したように固定部材3がヘッドボックス2に取り付けられる際、固定部材3の複数の突出部25はそれぞれ、ヘッドボックス2の底壁部10に設けられた複数の貫通孔それぞれに差し込まれる。固定部材3の前後方向の一方側が下方に押し込まれた際、突出部25の前後方向の他方側に位置する導入部27の外面は、貫通孔の縁部に接触する。その後、固定部材3の前後方向の他方側が下方に押し込まれると、突出部25は、前後方向の他方側に位置する導入部27の外面が貫通孔の縁部に接触しつつ下方に押し込まれる。これにより、突出部25は、貫通孔に差し込まれ、嵌合部26が貫通孔の縁部に嵌合することで、突出部25の前後左右方向の移動が規制される。第1実施形態の場合、突出部25の導入部27の外周面がテーパ状に形成されているので、固定部材3をヘッドボックス2に取り付ける際に、固定部材3の突出部25をヘッドボックス2の貫通孔にスムーズに差し込むことができる。
【0039】
突出部25が貫通孔に差し込まれた状態において、3つの挿通孔24のうちの2つの挿通孔24,24及び3つの貫通孔のうちの2つの貫通孔には、ラダーコード15が通され、残りの1つの挿通孔24及び残りの1つの貫通孔には、昇降テープ39が通される。
【0040】
次に、ヘッドボックス2から固定部材3を取り外す過程について説明する。ヘッドボックス2から固定部材3を取り外すには、専用の解除具が用いられる。解除具は、係止部43と被係止部13との間の空隙に差し込まれる。この際、解除具は、前側の係止部43と前側の被係止部13との間の空隙及び後側の係止部43と後側の被係止部13との間の空隙に同時に差し込まれる。このようにして解除具が空隙に差し込まれると、解除具は、解除操作部44を内側に押圧する。これにより、係止部43は、前述したように傾動可能であるので、内側に傾動される。すなわち、前側の係止部43は、後方に傾動し、後側の係止部43は、前方に傾動する。係止部43が内側に傾動すると、段部49は、被係止部13の下方に位置した状態から移動して、被係止部13から外れた位置に配置される。段部49が被係止部13から外れた位置に配置されると、係止部43と被係止部13との係止状態が解除された状態となる。係止部43と被係止部13との係止状態が解除されることで、固定部材3は、ヘッドボックス2に対して上方に移動させることができるため、ヘッドボックス2から取り外し可能である。
【0041】
このように、係止部43は、解除操作部44が押圧されることによって、係止部43と被係止部13との係止状態を解除する方向に傾動可能である。解除具は、複数の係止部43の解除操作部44を同時に押圧可能である。解除操作部44は、凹溝に解除具が挿入されることで、係止部43が係止状態を解除する方向に傾動するように、解除具で押圧操作可能である。従って、解除具は、複数の係止部43の係止状態を同時に解除することで、ヘッドボックス2から固定部材3を取り外し可能な状態とすることができる。
【0042】
図2及び
図3に示すように、固定部材3には、障害検知機構8及び電子部品4が設けられる。障害検知機構8は、遮蔽材5の下降動作時に、昇降テープ39の弛みに基づき障害物とボトムレール7との接触を検知可能である。障害検知機構8は、回転部50、検知レバー部51、ローラ支持部52及びガイドローラ53を有する。回転部50は、円筒状である。回転部50は、自身の軸線まわりに回転可能に、固定部材3の下壁部18に上方に突出して設けられる円柱状の軸部54に保持される。この際、回転部50の内孔に固定部材3の軸部54が差し込まれた状態で、回転部50は、軸部54に回転可能に保持される。検知レバー部51は、棒状で、回転部50に設けられる。検知レバー部51は、回転部50の外周面から外方に突出している。この際、検知レバー部51は、第4壁部22と第5壁部23との間に配置される。ローラ支持部52は、ローラ支持片55及び連結片56を有する。ローラ支持片55は、互いに対向する一対の棒状の第1片57,57と、一対の第1片57,57の軸方向の一端部同士を接続する棒状の接続片58とを有する。連結片56は、棒状で、回転部50に設けられる。連結片56は、回転部50の外周面から外方に突出している。ローラ支持片55は、連結片56を介して、回転部50に連結される。この際、連結片56の先端部に、一対の第1片57,57の一方の第1片57の軸方向の他端部が固定される。なお、回転部50、検知レバー部51及びローラ支持部52は、一体形成されるが、それぞれを連結することで形成してもよい。ガイドローラ53は、一対の第1片57,57間を架け渡すように設けられる。ガイドローラ53は、自身の軸線まわりに回転可能である。ガイドローラ53は、一対の第1片57,57間に設けられた状態において、昇降テープ39が通される挿通孔24の上方に配置される。
【0043】
電子部品4は、障害物とボトムレール7とが接触して障害検知機構8が作動した際に、巻取ドラム6を回転させるモータ9の回転を停止するスイッチである。典型的には、電子部品4は、マイクロスイッチである。
図2に示すように、電子部品4は、第4壁部22と第5壁部23との間において、下壁部18に載置される。固定部材3に載置された電子部品4及び障害検知機構8の検知レバー部51は、固定部材3に設けられるカバー59によって覆われる。
【0044】
前述したように、障害検知機構8のガイドローラ53は、昇降テープ39が通される挿通孔24に対応した位置に配置されている。従って、ボトムレール7が障害物に接触していない正常状態では、昇降テープ39にテンションがかかっているので、昇降テープ39によってガイドローラ53が後方に押圧されている。ガイドローラ53が後方に押圧されている場合、障害検知機構8は、
図3において時計方向に回動される。これにより、障害検知機構8の検知レバー部51は、電子部品4であるマイクロスイッチのレバー部60を押圧した状態となる。電子部品4のレバー部60が押圧された状態では、電子部品4のスイッチ部61が押し込まれており、電子部品4のスイッチがオンの状態となっている。
【0045】
遮蔽材5の下降動作時にボトムレール7が障害物に接触すると、昇降テープ39にたるみが生じる。昇降テープ39にたるみが生じると、昇降テープ39がガイドローラ53を後方に押し込んでいない状態となる。この状態では、電子部品4のレバー部60によって障害検知機構8の検知レバー部51が後方に押し込まれる。検知レバー部51が後方に押し込まれると、障害検知機構8は、
図2において反時計まわりに回動される。この状態では、電子部品4のレバー部60によって電子部品4のスイッチ部61が押し込まれていないので、電子部品4のスイッチは、オフの状態となる。電子部品4のスイッチがオフの状態となると、モータ9が停止される。
【0046】
図4及び
図5に示すように、電子部品4は、固定部材3から1又は複数の配線62が引き出されるように、固定部材3に取り付けられる。固定部材3は、電子部品4が取り付けられた状態において、電子部品4の配線62を固定部材3の側面に保持可能な少なくとも1つ以上の配線保持部を有する。第1実施形態では、配線保持部は、第1壁部19及び第3壁部21に設けられる第1配線保持部63と、第2壁部20に設けられる第2配線保持部64とを有する。
【0047】
第1配線保持部63は、第1壁部19及び第3壁部21に少なくとも1つ以上形成される。第1実施形態では、第1壁部19及び第3壁部21に1つの第1配線保持部63が形成される。第1壁部19の第1配線保持部63は、第1壁部19から前方に突出する第1突出片65と、第1突出片65の先端部から上方に突出する第2突出片66とを有する。第3壁部21の第1配線保持部63は、第3壁部21から後方に突出する第1突出片65と、第1突出片65の先端部から上方に突出する第2突出片66とを有する。このような構成であるので、固定部材3から引き出された配線62は、第2突出片66と第1壁部19との間に保持される。従って、第1配線保持部63は、固定部材3の第1壁部19とヘッドボックス2の前壁部11との間の空隙内において、配線62を第1壁部19の左右方向(ヘッドボックス2の長手方向)に沿って配回し可能に保持できる。
図6に示すように、配線62は第1配線保持部63に保持されることで、固定部材3の第1壁部19とヘッドボックス2の前壁部11との間の空隙内に配回された状態になるため、ヘッドボックス2内に固定部材3を取り付ける際に、ヘッドボックス2と固定部材3との間に配線62を挟み込んでしまうことを防止できる。
【0048】
第2配線保持部64は、第2壁部20に少なくとも1つ以上形成される。第1実施形態では、第2壁部20に2つの第2配線保持部64が形成される。前側の第2配線保持部64は、第2壁部20から左方に突出する第1突出片67と、第1突出片67の先端部から後方に突出する第2突出片68とを有する。後側の第2配線保持部64は、第2壁部20から左方に突出する第1突出片67と、第1突出片67の先端部から前方に突出する第2突出片68とを有する。このような構成であるので、固定部材3から引き出された配線62は、第1配線保持部63に保持された状態で、第2突出片68と第2壁部20との間に保持される。この際、固定部材3から引き出された配線62は、上下方向に沿った状態で第2突出片68と第2壁部20との間に保持されるので、上下方向に沿うように中途部において屈曲される。従って、第2配線保持部64は、第1壁部19から第2壁部20に沿って配回された配線62を第2壁部20の上下方向に沿って屈曲させて、第2壁部20に配回し可能に保持できる。
【0049】
このようにして電子部品4から引き出された配線62を第1配線保持部63及び第2配線保持部64で保持することで、配線62を固定部材3の外側に配回すことができる。なお、図示例では、ヘッドボックス2内にドラム6,16が設けられた固定部材3が3つ取り付けられており、そのうちの中央に位置する固定部材3には、障害検知機構8及び電子部品4が設けられていない。
【0050】
次に、
図7を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記実施形態で付した符号と同じ符号を有する構成部品は、その作用を同じにするので以下、説明を省略することがある。
【0051】
第2実施形態では、配線保持部は、第1配線保持部63及び第2配線保持部64に加えて、第1壁部19に設けられる第3配線保持部69を有する。第3配線保持部69は、第1壁部19に少なくとも1つ以上形成される。第2実施形態では、第1壁部19に1つの第3配線保持部69が形成される。第3配線保持部69は、第1配線保持部63よりも上方の位置する箇所において、第1壁部19から前方に突出する第1突出片70と、第1突出片70の先端部から上方に突出する第2突出片71とを有する。このような構成であるので、第2突出片71と第1壁部19との間に、左右方向に沿って配線72が保持される。この配線72は、電子部品4からの配線62ではなく、電動ブラインド1が備える部品のうち、電子部品4以外の部品からの配線72である。従って、第3配線保持部69は、固定部材3の第1壁部19とヘッドボックス2の前壁部11との間の空隙内において、電子部品4の配線62とは異なる他の配線72を、上下方向に離間した位置において第1壁部19の左右方向(ヘッドボックス2の長手方向)に沿って配回し可能に保持できる。
【0052】
上記実施形態の電動ブラインド1の場合、電子部品4の配線62を固定部材3の側面に沿って配回すように固定部材3に保持することができるため、配線同士が絡まることを防止できる。特に、電子部品4を固定部材3に取り付けた状態で輸送のために梱包する場合には、配線同士の絡まりが課題となっていたが、上記実施形態の電動ブラインド1によれば、その課題を簡易な構成で解決できる。また、上記実施形態の電動ブラインド1によれば、意図せず配線を引っ張ってしまった際に、配線がコネクタ等から抜けて断線してしまうようなことも防止できるようになる。従って、上記実施形態の電動ブラインド1によれば、固定部材3を介してヘッドボックス2内に取り付けられる電子部品4の配線62を好適に扱い可能である。
【0053】
上記実施形態の電動ブラインド1の場合、第1壁部19及び第3壁部21に第1配線保持部63が形成されている。従って、上記実施形態の電動ブラインド1によれば、固定部材3を介して電子部品4をヘッドボックス2内に取り付ける際に、ヘッドボックス2と固定部材3との間に配線62を挟み込んでしまうことを防止できる。
【0054】
上記実施形態の電動ブラインド1の場合、第2壁部20に第2配線保持部64が形成されている。従って、上記実施形態の電動ブラインド1によれば、電子部品4の配線62を固定部材3の側面に沿って柔軟に配回すことができる。
【0055】
上記実施形態の電動ブラインド1の場合、第1壁部19に第3配線保持部69が形成されている。従って、上記実施形態の電動ブラインド1によれば、固定部材3に固定される電子部品4の配線62と合わせて、例えば電源の配線のような他の配線72も固定部材3の側面に保持することができる。
【0056】
上記実施形態の電動ブラインド1の場合、スイッチとしての電子部品4を含む障害検知機構8をドラム受けである固定部材3上に構成した仕様において、上述した効果を得ることができる。
【0057】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
【0058】
例えば、上記実施形態では、固定部材3は、ドラム6,16を回転可能に保持するドラム受けとされたが、これに限定されるものではない。電子部品4は、モータ9の回転を停止するスイッチとされたが、これに限定されるものではなく、配線を有する部品であればよい。
【0059】
第1配線保持部63、第2配線保持部64及び第3配線保持部69の数はそれぞれ、適宜に変更可能である。
【0060】
上記実施形態において、第3配線保持部69がない状態で第1配線保持部63又は第2配線保持部64が設けられていてもよいし、第2配線保持部64がない状態で第1配線保持部63及び第3配線保持部69が設けられていてもよいし、第1配線保持部63がない状態で第2配線保持部64及び第3配線保持部69が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 電動ブラインド
2 ヘッドボックス
3 固定部材
4 電子部品
5 遮蔽材
6 巻取ドラム
7 ボトムレール
8 障害検知機構
9 モータ
39 昇降テープ
62 配線
63 第1配線保持部
64 第2配線保持部
69 第3配線保持部
72 配線