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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025073238
(43)【公開日】2025-05-13
(54)【発明の名称】コネクタ組立体およびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/61 20110101AFI20250502BHJP
   H01R 12/81 20110101ALI20250502BHJP
   H01R 27/00 20060101ALI20250502BHJP
【FI】
H01R12/61
H01R12/81
H01R27/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183832
(22)【出願日】2023-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】古本 哲也
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA30
5E223AC11
5E223AC50
5E223BA01
5E223BA07
5E223BA10
5E223BB01
5E223BB12
5E223CA21
5E223CD01
5E223CD02
5E223DA05
5E223DA33
5E223DB01
5E223DB08
5E223DB11
(57)【要約】
【課題】フレキシブルな実装対象物に実装され且つ電気的接続と流体流路の接続を同時に行いながらも容易に製造することができるコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】第1コネクタ11の第1ボトムインシュレータ13に、嵌合方向に沿って延び且つ内部に嵌合方向に沿って延びる中継流路13Cを有する筒状の流路接続ポート13Bが一体成形され、第2コネクタ21の第2ボトムインシュレータ23に、嵌合方向に沿って延び且つ流路接続ポート13Bを収容するための凹状の流路接続ポート収容部23Cが一体成形され、第1コネクタ11に第2コネクタ21が嵌合すると、第1コンタクト部材15は第2コンタクト部材25に電気的に接続され、流路接続ポート13Bが流路接続ポート収容部23Cに収容されることにより第1流通口R1が中継流路13Cを通して流体流通管P1に連通される。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線部が配置されたフレキシブルな実装対象物に実装される第1コネクタに対して流体流通管の先端に取り付けられる第2コネクタが嵌合方向に沿って嵌合されるコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、
前記実装対象物に取り付けられるように構成され、前記第1コネクタの外部に向けて開放された第1流通口を有し且つ絶縁性樹脂からなる第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに保持され且つ前記配線部に電気的に接続されるように構成された導電性の第1コンタクト部材と
を備え、
前記第2コネクタは、
前記流体流通管の先端に取り付けられるように構成され、前記第1ハウジングに対向し且つ絶縁性樹脂からなる第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに保持され且つ前記第1コンタクト部材に対応する導電性の第2コンタクト部材と
を備え、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの一方に、前記嵌合方向に沿って延び且つ内部に前記嵌合方向に沿って延びる中継流路を有する筒状の流路接続ポートが一体成形され、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの他方に、前記嵌合方向に沿って延び且つ前記流路接続ポートを収容するための凹状の流路接続ポート収容部が一体成形され、
前記第1コネクタに前記第2コネクタが嵌合すると、前記第1コンタクト部材は前記第2コンタクト部材に電気的に接続され、前記流路接続ポートが前記流路接続ポート収容部に収容されることにより前記第1流通口が前記中継流路を通して前記流体流通管に連通されるコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第1ハウジングは、前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合時に前記第2コネクタの一部が収容される第2コネクタ収容部が形成された第1トップインシュレータと前記第1トップインシュレータに連結される第1ボトムインシュレータからなり、
前記第1トップインシュレータと前記第1ボトムインシュレータの間に前記実装対象物が挟まれることにより前記第1コネクタは前記実装対象物に実装される請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記流路接続ポートは、前記第1ハウジングに形成され、
前記流路接続ポート収容部は、前記第2ハウジングに形成されている請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記流路接続ポートは、前記第1ボトムインシュレータに形成されている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記流路接続ポートは、前記第1トップインシュレータに形成されている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記中継流路は、前記嵌合方向に沿って前記第1ハウジングを貫通し、
前記中継流路の端部に前記第1流通口が配置されている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記第1ハウジングは、前記嵌合方向に直交する方向に延び且つ前記中継流路と前記第1流通口を互いに連通する第1流路を有する請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記第2ハウジングの前記流路接続ポート収容部内に前記流体流通管の先端が固定されている請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記流体流通管の先端は、前記嵌合方向に直交する方向から前記嵌合方向に向けて屈曲された状態で前記流路接続ポート収容部内に固定されている請求項8に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記流体流通管の先端は、前記嵌合方向に直交する方向に延びた状態で前記第2ハウジング内に固定され、
前記第2ハウジングは、一端が前記嵌合方向に直交する方向を向き且つ他端が前記嵌合方向を向いた屈曲流路を有し、
前記流体流通管の先端と前記流路接続ポート収容部は、前記屈曲流路を介して互いに連通している請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記流路接続ポートは、前記第2ハウジングに形成され、
前記流路接続ポート収容部は、前記第1ハウジングに形成されている請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記第1コンタクト部材は、前記嵌合方向に沿って延び且つ内側に凹部が形成された筒状部を有し、
前記第1ボトムインシュレータは、前記第1コンタクト部材の前記凹部に挿入される突起を有し、
前記実装対象物の前記配線部を間に挟んで前記突起が前記凹部に圧入されることにより、前記第1コンタクト部材は前記配線部に電気的に接続される請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項13】
前記第1コネクタは、前記第1ハウジングに保持され且つ前記実装対象物の表面に沿って前記第1ハウジングの外周部の外側にまで延びる補強用シートを備える請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項14】
前記第1ハウジングの前記第1流通口に実装対象物側流通管が連結され、
前記実装対象物側流通管が前記中継流路を通して前記流体流通管に連通される請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項15】
配線部が配置されたフレキシブルな実装対象物に実装され且つ嵌合方向に沿って相手側コネクタが嵌合されるコネクタであって、
前記実装対象物に取り付けられるように構成され、前記コネクタの外部に向けて開放された流通口を有し且つ絶縁性樹脂からなるハウジングと、
前記ハウジングに保持され且つ前記配線部に電気的に接続されるように構成された導電性のコンタクト部材と
を備え、
前記ハウジングに、前記嵌合方向に沿って延び且つ内部に前記嵌合方向に沿って延びる中継流路を有する筒状の流路接続ポートが一体成形され、
前記相手側コネクタが嵌合されると、前記コンタクト部材は前記相手側コネクタの相手側コンタクト部材に電気的に接続され、前記流路接続ポートが前記相手側コネクタの流路接続ポート収容部に収容されることにより、前記流通口が前記中継流路を通して、前記相手側コネクタに取り付けられている流体流通管に連通されるコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタ組立体およびコネクタに係り、特に、フレキシブルな実装対象物に実装される第1コネクタに対して流体流通管の先端に取り付けられる第2コネクタが嵌合方向に沿って嵌合されるコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、着用するだけで心拍数、体温等のユーザの生体情報を取得することができる、いわゆるスマート衣料が注目を浴びている。このスマート衣料は、計測箇所に配置された電極を備え、電極に計測機器としてのウエアラブルデバイスを電気的に接続することで、生体情報をウエアラブルデバイスに伝送することが可能となる。
電極とウエアラブルデバイスとの接続は、例えば、スマート衣料としての衣服に実装された衣服用コネクタを用いることにより行うことができる。
【0003】
また、例えば、心電図、血圧等を測定する際には、ユーザの負担を軽減する目的で、電極により圧迫されるユーザの体表に送風を行うことが望まれているが、上述したような衣服用コネクタでは、電気的接続を行うことはできるものの、空気等の流体を流通させることは困難である。
例えば、特許文献1には、被検体と測定装置との間において、空気、液体等を流通させる流体流路の接続と電気的接続とを同時に行うための接続装置が開示されている。この接続装置は、図31に示されるように、生体側コネクタ1と測定装置側コネクタ2を備えている。
【0004】
生体側コネクタ1は、ハウジング1Aと、ハウジング1Aに保持され且つ生体側ケーブル3の端部に取り付けられた複数の接続端子1Bと、ハウジング1Aに保持され且つ生体側チューブ4の端部に接続された接続ポート1Cを有している。また、測定装置側コネクタ2は、ハウジング2Aと、ハウジング2Aに保持され且つ測定装置側ケーブル5の端部に取り付けられた複数の接続端子2Bと、ハウジング2Aに保持され且つ測定装置側チューブ6の端部に接続された接続ポート2Cを有している。
【0005】
図32に示されるように、生体側コネクタ1の接続ポート1Cは、生体側チューブ4の端部に連結された後端側ノズル部1Dと、後端側ノズル部1Dに管継手により連結され且つハウジング1Aに取り付けられた先端側ノズル部1Eから構成されており、測定装置側コネクタ2の接続ポート2Cは、測定装置側チューブ6の端部に連結された後端側ノズル部2Dと、後端側ノズル部2Dに管継手により連結され且つハウジング2Aに取り付けられた先端側ノズル部2Eから構成されている。
このような接続装置により、生体側ケーブル3および測定装置側ケーブル5の間の電気的接続と、生体側チューブ4および測定装置側チューブ6の間の流体流路の接続を同時に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】再表2016/132879
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の接続装置は、衣服等のフレキシブルな実装対象物に実装することは難しいという問題がある。
また、生体側コネクタ1の接続ポート1Cを作製するためには、ハウジング1Aに先端側ノズル部1Eを取り付け、先端側ノズル部1Eに後端側ノズル部1Dを管継手により連結する必要があり、同様に、測定装置側コネクタ2の接続ポート2Cを作製するためには、ハウジング2Aに先端側ノズル部2Eを取り付け、先端側ノズル部2Eに後端側ノズル部2Dを管継手により連結する必要があり、接続装置の製造工程が複雑であるという問題もある。
【0008】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブルな実装対象物に実装され且つ電気的接続と流体流路の接続を同時に行いながらも容易に製造することができるコネクタ組立体およびコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るコネクタ組立体は、
配線部が配置されたフレキシブルな実装対象物に実装される第1コネクタに対して流体流通管の先端に取り付けられる第2コネクタが嵌合方向に沿って嵌合されるコネクタ組立体であって、
第1コネクタは、
実装対象物に取り付けられるように構成され、第1コネクタの外部に向けて開放された第1流通口を有し且つ絶縁性樹脂からなる第1ハウジングと、
第1ハウジングに保持され且つ配線部に電気的に接続されるように構成された導電性の第1コンタクト部材と
を備え、
第2コネクタは、
流体流通管の先端に取り付けられるように構成され、第1ハウジングに対向し且つ絶縁性樹脂からなる第2ハウジングと、
第2ハウジングに保持され且つ第1コンタクト部材に対応する導電性の第2コンタクト部材と
を備え、
第1ハウジングおよび第2ハウジングの一方に、嵌合方向に沿って延び且つ内部に嵌合方向に沿って延びる中継流路を有する筒状の流路接続ポートが一体成形され、
第1ハウジングおよび第2ハウジングの他方に、嵌合方向に沿って延び且つ流路接続ポートを収容するための凹状の流路接続ポート収容部が一体成形され、
第1コネクタに第2コネクタが嵌合すると、第1コンタクト部材は第2コンタクト部材に電気的に接続され、流路接続ポートが流路接続ポート収容部に収容されることにより第1流通口が中継流路を通して流体流通管に連通されるものである。
【0010】
第1ハウジングは、第1コネクタと第2コネクタの嵌合時に第2コネクタの一部が収容される第2コネクタ収容部が形成された第1トップインシュレータと第1トップインシュレータに連結される第1ボトムインシュレータからなり、
第1トップインシュレータと第1ボトムインシュレータの間に実装対象物が挟まれることにより第1コネクタは実装対象物に実装されることが好ましい。
【0011】
流路接続ポートは、第1ハウジングに形成され、流路接続ポート収容部は、第2ハウジングに形成されるように構成することができる。
流路接続ポートは、第1ボトムインシュレータに形成されてもよく、また、第1トップインシュレータに形成されていてもよい。
中継流路は、嵌合方向に沿って第1ハウジングを貫通し、中継流路の端部に第1流通口が配置されるように構成することができ、あるいは、第1ハウジングは、嵌合方向に直交する方向に延び且つ中継流路と第1流通口を互いに連通する第1流路を有するように構成することもできる。
【0012】
第2ハウジングの流路接続ポート収容部内に流体流通管の先端が固定されるように構成することができる。この場合、流体流通管の先端は、嵌合方向に直交する方向から嵌合方向に向けて屈曲された状態で流路接続ポート収容部内に固定されることが好ましい。
あるいは、流体流通管の先端は、嵌合方向に直交する方向に延びた状態で第2ハウジング内に固定され、
第2ハウジングは、一端が嵌合方向に直交する方向を向き且つ他端が嵌合方向を向いた屈曲流路を有し、
流体流通管の先端と流路接続ポート収容部は、屈曲流路を介して互いに連通するように構成してもよい。
【0013】
流路接続ポートは、第2ハウジングに形成され、流路接続ポート収容部は、第1ハウジングに形成されているように構成することもできる。
第1コンタクト部材は、嵌合方向に沿って延び且つ内側に凹部が形成された筒状部を有し、
第1ボトムインシュレータは、第1コンタクト部材の凹部に挿入される突起を有し、
実装対象物の配線部を間に挟んで突起が凹部に圧入されることにより、第1コンタクト部材は配線部に電気的に接続されることが好ましい。
【0014】
第1コネクタは、第1ハウジングに保持され且つ実装対象物の表面に沿って第1ハウジングの外周部の外側にまで延びる補強用シートを備えることが好ましい。
また、第1ハウジングの第1流通口に実装対象物側流通管が連結され、実装対象物側流通管が中継流路を通して流体流通管に連通されるように構成することができる。
【0015】
この発明に係るコネクタは、
配線部が配置されたフレキシブルな実装対象物に実装され且つ嵌合方向に沿って相手側コネクタが嵌合されるコネクタであって、
実装対象物に取り付けられるように構成され、コネクタの外部に向けて開放された流通口を有し且つ絶縁性樹脂からなるハウジングと、
ハウジングに保持され且つ配線部に電気的に接続されるように構成された導電性のコンタクト部材と
を備え、
ハウジングに、嵌合方向に沿って延び且つ内部に嵌合方向に沿って延びる中継流路を有する筒状の流路接続ポートが一体成形され、
相手側コネクタが嵌合されると、コンタクト部材は相手側コネクタの相手側コンタクト部材に電気的に接続され、流路接続ポートが相手側コネクタの流路接続ポート収容部に収容されることにより、流通口が中継流路を通して、相手側コネクタに取り付けられている流体流通管に連通されるものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、第1ハウジングおよび第2ハウジングの一方に、嵌合方向に沿って延び且つ内部に嵌合方向に沿って延びる中継流路を有する筒状の流路接続ポートが一体成形され、第1ハウジングおよび第2ハウジングの他方に、嵌合方向に沿って延び且つ流路接続ポートを収容するための凹状の流路接続ポート収容部が一体成形され、第1コネクタに第2コネクタが嵌合すると、第1コンタクト部材は第2コンタクト部材に電気的に接続され、流路接続ポートが流路接続ポート収容部に収容されることにより第1流通口が中継流路を通して流体流通管に連通されるので、フレキシブルな実装対象物に実装され且つ電気的接続と流体流路の接続を同時に行いながらも容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】嵌合前の実施の形態1に係るコネクタ組立体を斜め上方から見た斜視図である。
図2】嵌合前の実施の形態1に係るコネクタ組立体を斜め下方から見た斜視図である。
図3】実施の形態1における第1コネクタの組立図である。
図4】実施の形態1における第1コネクタに用いられる第1ボトムインシュレータを示す斜視図である。
図5】実施の形態1における第1コネクタに用いられる第1トップインシュレータを示す斜視図である。
図6】実施の形態1における第1コネクタに用いられる補強用シートを示す斜視図である。
図7】実施の形態1における第1コネクタに用いられる第1コンタクト部材を示す斜視図である。
図8】実施の形態1における第1コネクタに用いられる第1コンタクト部材を示す断面図である。
図9】実施の形態1における第1コネクタが実装される実装対象物を示す斜視図である。
図10】実装対象物に実装され且つ実装対象物側流通管が取り付けられた実施の形態1における第1コネクタを示す断面図である。
図11】実施の形態1における第2コネクタの組立図である。
図12】実施の形態1における第2コネクタに用いられる第2ボトムインシュレータを示す斜視図である。
図13】実施の形態1における第2コネクタに用いられる第2トップインシュレータを示す斜視図である。
図14】実施の形態1における第2コネクタに用いられる第2コンタクト部材を示す斜視図である。
図15】実施の形態1における第2コネクタに用いられる回路基板を示す斜視図である。
図16】実施の形態1における第2コネクタが取り付けられる流体流通管を示す斜視図である。
図17】流体流通管に取り付けられた実施の形態1における第2コネクタを示す断面図である。
図18】嵌合状態の実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
図19】嵌合状態の実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す断面図である。
図20】実施の形態1の変形例1における第1コネクタを示す断面図である。
図21】実施の形態1の変形例2における第1コネクタを示す断面図である。
図22】実施の形態1の変形例3における第1コネクタを示す断面図である。
図23】実施の形態2のコネクタ組立体における第2コネクタの組立図である。
図24】実施の形態2における第2コネクタに用いられる第2ボトムインシュレータを示す斜視図である。
図25】実施の形態2における第2コネクタが取り付けられる流体流通管を示す斜視図である。
図26】流体流通管に取り付けられた実施の形態2における第2コネクタを示す断面図である。
図27】嵌合前の実施の形態3に係るコネクタ組立体を斜め上方から見た斜視図である。
図28】嵌合前の実施の形態3に係るコネクタ組立体を斜め下方から見た斜視図である。
図29】嵌合状態の実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
図30】嵌合状態の実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す断面図である。
図31】従来の接続装置における生体側コネクタと測定装置側コネクタを示す斜視図である。
図32】従来の接続装置における生体側コネクタと測定装置側コネクタの接続ポートの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1および図2に、嵌合前の実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、嵌合方向に沿って互いに嵌合される第1コネクタ(コネクタ)11と第2コネクタ(相手側コネクタ)21から構成されている。第1コネクタ11は、例えば、衣服の生地等のフレキシブルな実装対象物Cに実装される第1ハウジング(ハウジング)12を有し、第2コネクタ21は、流体流通管P1の先端に取り付けられる第2ハウジング22を有している。
【0019】
ここで、便宜上、実装対象物CがXY面に沿って延び、流体流通管P1が延びる方向をY方向、第1コネクタ11から第2コネクタ21に向かう方向を+Z方向と呼ぶことにする。Z方向は、第1コネクタ11と第2コネクタ21が互いに嵌合する嵌合方向となる。
なお、第2コネクタ21は、実装対象物Cの+Z方向側に配置されており、実装対象物Cの-Z方向側において、第1コネクタ11の第1ハウジング12に実装対象物側流通管P2が連結されている。
【0020】
図3に、第1コネクタ11の組立図を示す。第1ハウジング12は、絶縁性樹脂からなり、実装対象物Cの-Z方向側に配置される第1ボトムインシュレータ13と、実装対象物Cの+Z方向側に配置される第1トップインシュレータ14から形成されている。
第1トップインシュレータ14の-Z方向側に一対の第1コンタクト部材(コンタクト部材)15が配置され、一対の第1コンタクト部材15の-Z方向側に補強用シート16が配置され、補強用シート16の-Z方向側に実装対象物Cが配置されている。さらに、実装対象物Cの-Z方向側にOリング17を介して第1ボトムインシュレータ13が配置され、第1ボトムインシュレータ13の-Z方向側に実装対象物側流通管P2が配置されている。
【0021】
図4に示されるように、第1ボトムインシュレータ13は、XY面に沿って延びる平板部13Aを有し、平板部13Aの中央部に、平板部13Aの+Z方向側の面から+Z方向に延びる円筒形状の流路接続ポート13Bが一体成形されている。流路接続ポート13Bの内部には、Z方向に延び且つ第1ボトムインシュレータ13を貫通する中継流路13Cが形成されている。図4には示されていないが、中継流路13Cが、第1ボトムインシュレータ13を貫通することで、平板部13Aの-Z方向側の面に中継流路13Cの開口端部により第1コネクタ11の外部に向けて開放された第1流通口R1が配置されている。
【0022】
また、流路接続ポート13Bの外周部には、XY面に沿って流路接続ポート13Bを囲むように配置された環状溝13Dが形成されている。
平板部13Aの+Z方向側の面には、流路接続ポート13Bを間に挟んで流路接続ポート13BのY方向の両側に位置し且つそれぞれ+Z方向に突出する一対の突起13Eが形成されている。
さらに、平板部13Aの周縁部近傍には、複数の貫通孔13Fが形成されている。
【0023】
図5に示されるように、第1トップインシュレータ14は、+Z方向に向かって開口する凹状の第2コネクタ収容部14Aを有しており、第2コネクタ収容部14A内の中央部に、第1トップインシュレータ14をZ方向に貫通する接続ポート用貫通孔14Bが形成されている。第2コネクタ収容部14A内には、さらに、接続ポート用貫通孔14Bを間に挟んで接続ポート用貫通孔14BのY方向の両側に位置し且つそれぞれ第1トップインシュレータ14をZ方向に貫通する一対のコンタクト用貫通孔14Cが形成されている。
【0024】
また、第1トップインシュレータ14の-Z方向を向いた面の周縁部に、それぞれ-Z方向に突出する複数のボス14Dが形成されている。複数のボス14Dは、第1ボトムインシュレータ13の複数の貫通孔13Fに対応している。
【0025】
図6に示されるように、補強用シート16は、第1コネクタ11が実装される実装対象物Cを補強するためのもので、絶縁性材料からなり、中央に形成された開口部16Aを有している。さらに、補強用シート16の開口部16Aの周縁に沿って,第1トップインシュレータ14の複数のボス14Dに対応する複数の切り欠き16Bが形成されている。
【0026】
図7に示されるように、第1コンタクト部材15は、例えば金属等の導電性材料から形成され、+Z方向に向かって突出する円筒形状の筒状部15Aと、筒状部15Aの-Z方向端部の外周からXY面に沿って径方向に延びる円板状のフランジ15Bを有している。
図8に示されるように、筒状部15Aの内部には、-Z方向に向かって開放された凹部15Cが形成されている。
【0027】
図9に示されるように、実装対象物Cは、例えば衣服の生地からなり、第1ボトムインシュレータ13の流路接続ポート13Bを通すための1つの貫通孔C1と、貫通孔C1の周辺に配置され且つ第1トップインシュレータ14の複数のボス14Dに対応する複数の貫通孔C2を有している。
また、実装対象物Cには、例えば導電糸からなる刺繍糸を用いた刺繍により形成された一対の配線部C3および一対の電極C4が配置されている。一対の配線部C3は、貫通孔C1の近傍から+Y方向および-Y方向に向かってそれぞれ延び、対応する電極C4に接続されている。
【0028】
第1コネクタ11を組み立てる際には、まず、第1トップインシュレータ14の一対のコンタクト用貫通孔14Cにそれぞれ対応する第1コンタクト部材15の筒状部15Aが-Z方向から挿入され、第1トップインシュレータ14の複数のボス14Dが補強用シート16の複数の切り欠き16Bおよび実装対象物Cの複数の貫通孔C2に順次挿入される。このとき、一対の第1コンタクト部材15は、補強用シート16の開口部16A内に位置し、第1トップインシュレータ14の接続ポート用貫通孔14Bは、実装対象物Cの貫通孔C1の+Z方向側に重なった位置となる。
【0029】
次に、第1ボトムインシュレータ13の流路接続ポート13Bの環状溝13DにOリング17が嵌め込まれ、実装対象物Cを間に挟んで、第1ボトムインシュレータ13が実装対象物Cの-Z方向側から第1トップインシュレータ14に向けて+Z方向に押し付けられる。このとき、図10に示されるように、第1ボトムインシュレータ13の流路接続ポート13Bが、実装対象物Cの貫通孔C1および第1トップインシュレータ14の接続ポート用貫通孔14Bを貫通して第1トップインシュレータ14の第2コネクタ収容部14A内に突出し、また、第1ボトムインシュレータ13の一対の突起13Eが、実装対象物Cの一対の配線部C3を押し込みながら、対応する第1コンタクト部材15の凹部15Cに挿入される。
【0030】
これにより、第1コンタクト部材15の凹部15C内に押し込まれた実装対象物Cの配線部C3は、第1ボトムインシュレータ13の突起13Eの側面と第1コンタクト部材15の凹部15Cの内面との間に挟まれて、第1コンタクト部材15に電気的に接続される。
【0031】
また、第1ボトムインシュレータ13を第1トップインシュレータ14に向けて押し付けることにより、補強用シート16の複数の切り欠き16Bおよび実装対象物Cの複数の貫通孔C2を順次貫通している第1トップインシュレータ14の複数のボス14Dが第1ボトムインシュレータ13の複数の貫通孔13Fを貫通する。そして、第1ボトムインシュレータ13の-Z方向側に突出する複数のボス14Dの先端を熱変形させることにより、第1ボトムインシュレータ13と第1トップインシュレータ14が互いに固定され、第1コネクタ11の組み立てが完了すると共に第1コネクタ11が実装対象物Cに実装される。
なお、実装対象物Cを補強するために、第1ボトムインシュレータ13と第1トップインシュレータ14の外側に延びている補強用シート16を縫合等により実装対象物Cに固定することが好ましい。
【0032】
さらに、図10に示されるように、第1ボトムインシュレータ13の流路接続ポート13Bの内部に形成されている中継流路13Cに、-Z方向から実装対象物側流通管P2の端部が差し込まれることにより、中継流路13Cの-Z方向側の開口端部により形成され且つ第1コネクタ11の外部に向けて開放された第1流通口R1に実装対象物側流通管P2が連結される。
【0033】
図11に、第2コネクタ21の組立図を示す。第2ハウジング22は、絶縁性樹脂からなり、第2ボトムインシュレータ23と第2トップインシュレータ24から形成されている。
第2トップインシュレータ24の-Z方向側に流体流通管P1が配置され、流体流通管P1の-Z方向側に回路基板26が配置され、回路基板26の-Z方向側に一対の第2コンタクト部材(相手側コンタクト部材)25が配置され、一対の第2コンタクト部材25の-Z方向側に第2ボトムインシュレータ23が配置され、第2ボトムインシュレータ23の-Z方向側に防水部材27が配置されている。
【0034】
図12に示されるように、第2ボトムインシュレータ23は、XY面に沿って延びる平板部23Aを有し、平板部23Aの中央部に、平板部23Aの+Z方向側の面から+Z方向に延びる円筒形状部23Bが突出形成され、円筒形状部23Bの内部に、Z方向に延び且つ第2ボトムインシュレータ23を貫通する凹状の流路接続ポート収容部23Cが一体成形されている。
また、第2ボトムインシュレータ23は、平板部23Aから-Z方向に突出する凸部23Dを有し、凸部23Dの内側に、それぞれ+Z方向に向かって開放され且つ円筒形状部23Bを間に挟んで円筒形状部23BのY方向の両側に位置する一対の凹状のコンタクト収容部23Eが形成されている。なお、それぞれのコンタクト収容部23Eの底部には、貫通孔23Fが形成されている。
【0035】
平板部23Aには、円筒形状部23Bの-Y方向側において、互いにX方向に離間して配置され且つ+Z方向に向かって突出する一対の位置決めピン23Gが形成されている。
また、平板部23Aの周縁部には、+Z方向に突出する周壁部23Hが形成され、凸部23Dの外周部には、XY面に沿って凸部23Dを囲むように配置された周溝23Jが形成されている。
さらに、第2ボトムインシュレータ23の+Y方向端部に位置する周壁部23Hに、流体流通管P1の一部が挿入される切り欠き23Kが形成されている。
【0036】
図13に示されるように、第2トップインシュレータ24は、XY面に沿って延びる上板部24Aを有し、上板部24Aの周縁部には、-Z方向に突出する周壁部24Bが形成されている。上板部24Aと周壁部24Bにより、第2トップインシュレータ24は、-Z方向に開口する箱形状を有している。
また、第2トップインシュレータ24の+Y方向端部に位置する周壁部24Bに、流体流通管P1を通すための切り欠き24Cが形成されている。
【0037】
図14に示されるように、第2コンタクト部材25は、例えば導電性の金属板から形成されており、XY面に沿って延びる基部25Aを有している。基部25Aには、第1コネクタ11および第2コネクタ21の嵌合時に第1コネクタ11の対応する第1コンタクト部材15の筒状部15Aが挿入される貫通孔25Bが形成されている。
また、基部25Aには、第1コンタクト部材15の筒状部15Aに弾性的に接触する一対の接触部25Cが連結されている。さらに、第2コンタクト部材25には、+Z方向を向いた固定部25Dが形成されている。
【0038】
図15に示されるように、回路基板26は、平板形状を有し、回路基板26の中央部に、流体流通管P1の先端を通すための貫通孔26Aが形成されている。
また、貫通孔26Aの+Y方向側における回路基板26の+Z方向側の面には、接続パッド26Bが配置され、回路基板26の-Z方向側の面にも、接続パッド26Bに電気的に接続された図示しない接続パッドが配置されている。
さらに、回路基板26には、貫通孔26Aの-Y方向側において、互いにX方向に離間して配置され且つ回路基板26をZ方向に貫通する一対の位置決め孔26Cが形成されている。
【0039】
図16に示されるように、流体流通管P1は、外皮Sにより覆われており、外皮Sの内側に、空気、水等の流体を流通するための流体流通管P1と電気信号を伝送するための電線Wが収容された、いわゆる複合ケーブルを構成している。
流体流通管P1の-Y方向端部近傍においては、外皮Sが所定の長さにわたって除去されることにより流体流通管P1が外皮Sから露出し、図示されていないが、電線Wも露出している。
外皮Sから露出する流体流通管P1の-Y方向の先端は、-Z方向に向かって屈曲している。
【0040】
第2コネクタ21を組み立てる際には、まず、一対の第2コンタクト部材25がそれぞれ回路基板26に取り付けられる。このとき、それぞれの第2コンタクト部材25の固定部25Dが、はんだ付け等により回路基板26の-Z方向側の面に配置されている図示しない接続パッドに固定される。
【0041】
次に、回路基板26の一対の位置決め孔26Cに第2ボトムインシュレータ23の一対の位置決めピン23Gを通しながら、回路基板26が第2ボトムインシュレータ23の周壁部23Hの内側に配置される。これにより、図17に示されるように、回路基板26に固定されている一対の第2コンタクト部材25は、第2ボトムインシュレータ23の一対の凹状のコンタクト収容部23Eに収容され、それぞれの第2コンタクト部材25の貫通孔25Bは、対応するコンタクト収容部23Eの貫通孔23Fの+Z方向側に重なる位置となる。
【0042】
この状態で、第2ボトムインシュレータ23の+Z方向側に流体流通管P1が配置され、流体流通管P1の-Y方向の先端は、Y方向から-Z方向に向かって屈曲された状態で第2ボトムインシュレータ23の流路接続ポート収容部23C内に挿入され、固定される。例えば、接着剤を用いて流体流通管P1の先端を円筒形状部23Bの内面に接着することもできる。
また、流体流通管P1の-Y方向端部近傍において外皮Sから露出する電線Wが、回路基板26の接続パッド26Bにはんだ付け等により接続され、これにより、一対の第2コンタクト部材25が電線Wに電気的に接続される。
【0043】
その後、第2ボトムインシュレータ23の+Z方向側に第2トップインシュレータ24が配置され、第2ボトムインシュレータ23の周壁部23Hと第2トップインシュレータ24の周壁部24Bが互いにZ方向に突き合わされて接着剤により接着されることにより、第2トップインシュレータ24が第2ボトムインシュレータ23に固定される。また、第2ボトムインシュレータ23の凸部23Dの周溝23Jに防水部材27が嵌め込まれる。このようにして第2コネクタ21の組み立てが完了する。
なお、流体流通管P1は、第2ボトムインシュレータ23の切り欠き23Kおよび第2トップインシュレータ24の切り欠き24Cを通して第2コネクタ21から+Y方向に延びている。
【0044】
図18に示されるように、実装対象物Cに実装された第1コネクタ11に向けて+Z方向から第2コネクタ21を押し込むことにより、第2コネクタ21が第1コネクタ11に嵌合し、実施の形態1に係るコネクタ組立体が組み立てられる。
このとき、図19に示されるように、第2コネクタ21の第2ボトムインシュレータ23の凸部23Dが、第1コネクタ11の第1トップインシュレータ14の第2コネクタ収容部14Aに挿入され、第1コネクタ11の流路接続ポート13Bが第2コネクタ21の流路接続ポート収容部23Cに収容される。
【0045】
これにより、流路接続ポート収容部23C内に先端が挿入されている流体流通管P1が、流路接続ポート13Bの中継流路13Cを介して第1コネクタ11の第1流通口R1に連通されることとなるが、第1流通口R1に実装対象物側流通管P2が連結されているので、流体流通管P1と実装対象物側流通管P2とが互いに連通する状態となる。このため、図示しないポンプ等を利用することにより、流体流通管P1を通して実装対象物側流通管P2へ空気、水等の流体を供給することができ、あるいは、実装対象物側流通管P2を通して流体流通管P1に流体を吸引することができる。
【0046】
また、第2コネクタ21を第1コネクタ11に向けて押し込むことにより、第1コネクタ11の一対の第1コンタクト部材15が第2コネクタ21の一対の第2コンタクト部材25に接触して導通する。ここで、第1コンタクト部材15は、実装対象物Cの配線部C3に接続され、第2コンタクト部材25は、電線Wに接続されているため、第1コンタクト部材15と第2コンタクト部材25とが互いに導通することにより、実装対象物Cの配線部C3が電線Wに電気的に接続される。さらに、実装対象物Cにおいて、配線部C3に電極C4が接続されているので、電極C4が、配線部C3、第1コンタクト部材15および第2コンタクト部材25を介して電線Wに電気的に接続されることとなる。
従って、スマート衣料の生地を実装対象物Cとして適用することで、電極C4により取得されたユーザの生体情報を、電線Wを介して測定装置等に伝送することが可能となる。
【0047】
このように、実施の形態1によれば、第2コネクタ21を第1コネクタ11に嵌合するだけで、電気的接続と流体流路の接続を同時に行うことができ、実用性に優れたコネクタ組立体が実現される。
また、流体流路の接続を行うための流路接続ポート13Bは絶縁性樹脂からなる第1ボトムインシュレータ13に一体成形され、流路接続ポート収容部23Cは絶縁性樹脂からなる第2ボトムインシュレータ23に一体成形されているので、コネクタ組立体の製造工程が簡素化され、コネクタ組立体を容易に製造することが可能となる。
【0048】
なお、実装対象物Cとしては、スマート衣料等の衣服の生地を適用することができ、流体流通管P1および実装対象物側流通管P2を互いに連通させて、ユーザの体表への空気、水等の流体の供給、あるいは、ユーザ側から汗、尿等を吸引するように構成することもできる。
流路接続ポート13Bの外周部にOリング17が配置されることにより、流路接続ポート収容部23Cの内周面と流路接続ポート13Bの外周面との間がシールされ、第2ボトムインシュレータ23の凸部23Dの外周部に防水部材27が配置されることにより、第1トップインシュレータ14の第2コネクタ収容部14Aの内周面と第2ボトムインシュレータ23の凸部23Dの外周面との間がシールされている。
【0049】
[実施の形態1の変形例1]
上述した実施の形態1における第1コネクタ11では、流路接続ポート13Bが第1ボトムインシュレータ13に一体成形されているが、これに限るものではない。
図20に、実施の形態1の変形例1における第1コネクタ31を示す。第1コネクタ31は、いずれも絶縁性樹脂からなる第1ボトムインシュレータ33と第1トップインシュレータ34を有しており、第1トップインシュレータ34に流路接続ポート34Bが一体成形されている。
【0050】
第1トップインシュレータ34は、+Z方向に向かって開口する凹状の第2コネクタ収容部34Aを有しており、第2コネクタ収容部34A内の中央部に、+Z方向に向かって突出する流路接続ポート34Bが形成され、流路接続ポート34Bの内部には、第1トップインシュレータ34をZ方向に貫通する中継流路34Cが形成されている。
また、第1ボトムインシュレータ33には、中継流路34Cの-Z方向側に連通し且つ中継流路34Cと同じ内径を有する開口部33Gが形成され、開口部33Gの-Z方向側の開口端部により、第1コネクタ31の外部に向けて開放された第1流通口R1が配置されている。
【0051】
第1ボトムインシュレータ13に流路接続ポート13Bが形成される代わりに第1トップインシュレータ34に流路接続ポート34Bが形成され且つ第1ボトムインシュレータ33に開口部33Gが形成される点以外の第1ボトムインシュレータ33および第1トップインシュレータ34の構成は、実施の形態1における第1コネクタ11の第1ボトムインシュレータ13および第1トップインシュレータ14と同様である。
このような構成の第1コネクタ31を第1コネクタ11の代わりに用いても、実施の形態1と同様に、第2コネクタ21を第1コネクタ31に嵌合するだけで、電気的接続と流体流路の接続を同時に行うことが可能となる。
【0052】
[実施の形態1の変形例2]
図21に、実施の形態1の変形例2における第1コネクタ41を示す。第1コネクタ41は、いずれも絶縁性樹脂からなる第1ボトムインシュレータ43と第1トップインシュレータ44を有しており、第1トップインシュレータ44に流路接続ポート44Bが一体成形されている。
【0053】
第1トップインシュレータ44は、+Z方向に向かって開口する凹状の第2コネクタ収容部44Aを有しており、第2コネクタ収容部44A内の中央部に、+Z方向に向かって突出する流路接続ポート44Bが形成されている。
また、流路接続ポート44Bの-Z方向側に、第1トップインシュレータ44から-Z方向に突出する円筒形状部44Eが形成されており、流路接続ポート44Bおよび円筒形状部44Eの内部には、第1トップインシュレータ44をZ方向に貫通する中継流路44Cが形成されている。
【0054】
第1トップインシュレータ44の円筒形状部44Eは、第1ボトムインシュレータ43に形成された開口部43Gに挿入され、-Z方向を向いた円筒形状部44Eの端面が第1ボトムインシュレータ43の-Z方向側に露出している。すなわち、中継流路44Cは、第1コネクタ41をZ方向に貫通しており、円筒形状部44Eの-Z方向側の開口端部により、第1コネクタ41の外部に向けて開放された第1流通口R1が配置されている。
【0055】
第1ボトムインシュレータ13に流路接続ポート13Bが形成される代わりに第1トップインシュレータ44に流路接続ポート44Bおよび円筒形状部44Eが形成され且つ第1ボトムインシュレータ43に開口部43Gが形成される点以外の第1ボトムインシュレータ43および第1トップインシュレータ44の構成は、実施の形態1における第1コネクタ11の第1ボトムインシュレータ13および第1トップインシュレータ14と同様である。
このような構成の第1コネクタ41を第1コネクタ11の代わりに用いても、実施の形態1と同様に、第2コネクタ21を第1コネクタ41に嵌合するだけで、電気的接続と流体流路の接続を同時に行うことが可能となる。
【0056】
[実施の形態1の変形例3]
図22に、実施の形態1の変形例3における第1コネクタ51を示す。第1コネクタ51は、いずれも絶縁性樹脂からなる第1ボトムインシュレータ53と第1トップインシュレータ14を有しており、第1ボトムインシュレータ53に流路接続ポート53Bが一体成形されている。第1トップインシュレータ14は、実施の形態1の第1コネクタ11における第1トップインシュレータ14と同一である。
【0057】
流路接続ポート53Bは、第1トップインシュレータ14の接続ポート用貫通孔14Bを貫通して第1トップインシュレータ14の第2コネクタ収容部14Aから+Z方向に向かって突出している。
流路接続ポート53Bの内部には、流路接続ポート53Bの+Z方向端部から-Z方向に向かって延びる中継流路53Cが形成されているが、中継流路53Cは、第1ボトムインシュレータ53をZ方向に貫通することなく、第1ボトムインシュレータ53の内部をY方向に延びるように形成された第1流路53Gに連通している。
【0058】
第1流路53Gは、第1ボトムインシュレータ53の-Y方向端部において開口しており、この第1流路53Gの開口端部により、第1コネクタ51の外部に向けて開放された第1流通口R1が配置されている。
図示しないが、実施の形態1で用いられているような実装対象物側流通管P2を第1流通口R1に連結することができる。
【0059】
第1ボトムインシュレータ53は、流路接続ポート13Bおよび中継流路13Cの代わりに流路接続ポート53B、中継流路53Cおよび第1流路53Gが形成される点以外は、実施の形態1の第1コネクタ11における第1ボトムインシュレータ13と同様の構成を有している。
このような構成の第1コネクタ51を第1コネクタ11の代わりに用いても、実施の形態1と同様に、第2コネクタ21を第1コネクタ51に嵌合するだけで、電気的接続と流体流路の接続を同時に行うことが可能となる。
【0060】
また、第1ボトムインシュレータ53に、それぞれ中継流路53Cに連通する複数の第1流路53Gを形成し、複数の第1流路53Gに対応して複数の第1流通口R1を形成することもできる。このようにすれば、例えば、流体流通管P1を通して複数の第1流通口R1から空気、水等の流体を分配供給することもできる。
さらに、第1ボトムインシュレータ53の内部をY方向に延びる第1流路53Gを中継流路53Cに連通しながら、中継流路53Cを、第1ボトムインシュレータ53をZ方向に貫通するように形成してもよい。
【0061】
[実施の形態2]
図23に、実施の形態2のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタ61の組立図を示す。
第2トップインシュレータ24の-Z方向側に流体流通管P3が配置され、流体流通管P3の-Z方向側に回路基板26が配置され、回路基板26の-Z方向側に一対の第2コンタクト部材25が配置され、一対の第2コンタクト部材25の-Z方向側に第2ボトムインシュレータ63が配置され、第2ボトムインシュレータ63の-Z方向側に防水部材27が配置されている。
【0062】
第2トップインシュレータ24、回路基板26、第2コンタクト部材25および防水部材27は、それぞれ、実施の形態1の第2コネクタ21において同一の番号が付された部材と同一である。
【0063】
図24に示されるように、第2ボトムインシュレータ63は、絶縁性樹脂からなり、平板部23Aの中央部に突出形成された円筒形状部23Bの+Z方向側に一体に形成された屈曲管部63Aを有している。屈曲管部63Aの内部には、一端が嵌合方向であるZ方向に直交する+Y方向を向き、他端が-Z方向を向くように屈曲する屈曲流路63Bが形成されている。
第2ボトムインシュレータ63は、屈曲管部63Aを有する点以外は、実施の形態1の第2コネクタ21における第2ボトムインシュレータ23と同様の構成を有している。
【0064】
図25に示されるように、流体流通管P3は、外皮Sにより覆われており、流体流通管P3の-Y方向端部近傍において、外皮Sが所定の長さにわたって除去されることにより流体流通管P3が外皮Sから露出し、流体流通管P3の-Y方向の先端は、屈曲されることなく-Y方向に向かって直線状に延びている。
流体流通管P3は、-Y方向の先端が屈曲されずに-Y方向に直線状に延びる点以外は、実施の形態1で用いられる流体流通管P1と同様の構成を有している。
【0065】
第2コネクタ61を組み立てる際には、実施の形態1の第2コネクタ21の組み立てと同様に、一対の第2コンタクト部材25がそれぞれ取り付けられた回路基板26が第2ボトムインシュレータ63内に配置された後、図26に示されるように、+Y方向を向いている第2ボトムインシュレータ63の屈曲管部63Aの端部に流体流通管P3の-Y方向端部が固定される。
これにより、流体流通管P3が、屈曲管部63Aの屈曲流路63Bを介して、円筒形状部23Bの内部に形成されている流路接続ポート収容部23Cに連通される。
【0066】
なお、流体流通管P3の-Y方向端部は、屈曲管部63Aの+Y方向端部の内側に挿入され、例えば、接着剤を用いて屈曲管部63Aの内面に接着される。
また、流体流通管P3の外皮Sから露出する電線Wが回路基板26の接続パッド26Bに接続され、さらに、第2ボトムインシュレータ63の+Z方向側に第2トップインシュレータ24が固定されることで、第2コネクタ61の組み立てが完了する。
【0067】
このような第2コネクタ61を実施の形態1の第1コネクタ11に嵌合することにより実施の形態2に係るコネクタ組立体が組み立てられる。実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、第2コネクタ61を第1コネクタ11に嵌合するだけで、電気的接続と流体流路の接続を同時に行うことが可能となり、また、流路接続ポート収容部23Cは絶縁性樹脂からなる第2ボトムインシュレータ63に一体成形されているので、コネクタ組立体を容易に製造することができる。
なお、実施の形態2における第2コネクタ61を、図20図22に示される第1コネクタ31~51のいずれかに嵌合させてコネクタ組立体を組み立てることもできる。
【0068】
[実施の形態3]
実施の形態1では、実装対象物Cに実装される第1コネクタ11が流路接続ポート13Bを有し、流体流通管P1の先端に取り付けられる第2コネクタ21が流路接続ポート収容部23Cを有しているが、これに限るものではない。
図27および図28に、嵌合前の実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、実装対象物Cに実装される第1コネクタ71と、流体流通管P1の-Y方向の先端に取り付けられる第2コネクタ81を備えており、第1コネクタ71が、流路接続ポート収容部73Cを有し、第2コネクタ81が、流路接続ポート83Bを有している。
【0069】
図29に示されるように、第1コネクタ71に向けて+Z方向から第2コネクタ81を押し込むことにより、第2コネクタ81が第1コネクタ71に嵌合し、実施の形態3に係るコネクタ組立体が組み立てられる。
【0070】
図30に示されるように、第1コネクタ71は、いずれも絶縁性樹脂からなる第1ボトムインシュレータ73と第1トップインシュレータ74を有している。第1ボトムインシュレータ73は、XY面に沿って延びる平板部73Aを有し、平板部73Aの中央部に、Z方向に延び且つ第1ボトムインシュレータ73を貫通する凹状の流路接続ポート収容部73Cが一体成形されている。流路接続ポート収容部73Cの-Z方向側に、第1ボトムインシュレータ73から-Z方向に突出する円筒形状部73Bが形成されており、円筒形状部73Bの-Z方向側の開口端部により、第1コネクタ71の外部に向けて開放された第1流通口R1が配置されている。
【0071】
第1ボトムインシュレータ73は、流路接続ポート13Bの代わりに流路接続ポート収容部73Cを有する点以外は、実施の形態1の第1コネクタ11における第1ボトムインシュレータ13と同様の構成を有しており、第1トップインシュレータ74は、実施の形態1の第1コネクタ11における第1トップインシュレータ14と同様の構成を有している。
また、第1ボトムインシュレータ73に一対の第1コンタクト部材15が取り付けられている。
【0072】
第2コネクタ81は、いずれも絶縁性樹脂からなる第2ボトムインシュレータ83と第2トップインシュレータ84を有している。第2ボトムインシュレータ83の中央部に-Z方向に延びる円筒形状の流路接続ポート83Bが一体成形され、流路接続ポート83Bの内部に、Z方向に延び且つ第2ボトムインシュレータ83を貫通する中継流路83Cが形成されている。
【0073】
第2ボトムインシュレータ83は、流路接続ポート収容部23Cの代わりに流路接続ポート83Bを有する点以外は、実施の形態1の第2コネクタ21における第2ボトムインシュレータ23と同様の構成を有しており、第2トップインシュレータ84は、実施の形態1の第2コネクタ21における第2トップインシュレータ24と同様の構成を有している。
また、第2ボトムインシュレータ83に一対の第2コンタクト部材25が取り付けられている。
【0074】
-Z方向に向かって屈曲する流体流通管P1の先端が、第2コネクタ81の第2ボトムインシュレータ83の流路接続ポート83Bの+Z方向端部に固定されている。流体流通管P1の先端は、例えば、接着剤を用いて流路接続ポート83Bに接着される。
また、第1コネクタ71の第1ボトムインシュレータ73の流路接続ポート収容部73Cに-Z方向から実装対象物側流通管P4の端部が差し込まれることにより、第1コネクタ71の外部に向けて開放された第1流通口R1に実装対象物側流通管P4が連結されている。
【0075】
第1コネクタ71に向けて+Z方向から第2コネクタ81が押し込まれることで、第2コネクタ81の流路接続ポート83Bが第1コネクタ71の流路接続ポート収容部73Cに収容され、これにより、流体流通管P1が、流路接続ポート83Bの中継流路83Cを介して実装対象物側流通管P4に連通される。このため、図示しないポンプ等を利用することにより、流体流通管P1を通して実装対象物側流通管P4へ空気、水等の流体を供給することができ、あるいは、実装対象物側流通管P4を通して流体流通管P1に流体を吸引することができる。
【0076】
また、第2コネクタ81を第1コネクタ71に嵌合することにより、第1コネクタ71の一対の第1コンタクト部材15が第2コネクタ81の一対の第2コンタクト部材25に接触して導通する。
従って、スマート衣料の生地を実装対象物Cとして適用することで、取得されたユーザの生体情報を、電線Wを介して測定装置等に伝送することが可能となる。
【0077】
このように、第1コネクタ71が、流路接続ポート収容部73Cを有し、第2コネクタ81が、流路接続ポート83Bを有していても、実施の形態1と同様に、第2コネクタ81を第1コネクタ71に嵌合するだけで、電気的接続と流体流路の接続を同時に行うことができる。
また、流路接続ポート収容部73Cは絶縁性樹脂からなる第1ボトムインシュレータ73に一体成形され、流路接続ポート83Bは絶縁性樹脂からなる第2ボトムインシュレータ83に一体成形されているので、コネクタ組立体の製造工程が簡素化され、コネクタ組立体を容易に製造することが可能となる。
【0078】
なお、実施の形態3においても、第2コネクタ81が、実施の形態2で用いられた屈曲管部63Aを有し、屈曲管部63Aの端部に流体流通管P3が固定されるように構成することができる。
【0079】
上記の実施の形態1~3では、実装対象物Cが、導電糸からなる刺繍糸を用いた刺繍により形成された一対の配線部C3および一対の電極C4を有しているが、絶縁性樹脂フィルムの表面上に印刷等により導電層が形成された配線部および電極を実装対象物Cの表面に貼り付けた構造とすることもできる。
また、電極C4の代わりに、圧力センサ等の各種のセンサを配線部C3に接続するようにしてもよい。
【0080】
上記の実施の形態1~3においては、一対の第1コンタクト部材15と一対の第2コンタクト部材25が用いられているが、少なくとも1つの第1コンタクト部材15および第2コンタクト部材25を有していればよく、第1コンタクト部材15および第2コンタクト部材25の数は限定されない。
【符号の説明】
【0081】
1 生体側コネクタ、1A,2A ハウジング、1B,2B 接続端子、1C,2C 接続ポート、1D,2D 後端側ノズル部、1E,2E 先端側ノズル部、2 測定装置側コネクタ、3 生体側ケーブル、4 生体側チューブ、5 測定装置側ケーブル、6 測定装置側チューブ、11、31,41,51,71 第1コネクタ、12 第1ハウジング12、13,33,43,53,73 第1ボトムインシュレータ、13A,23A,73A 平板部、13B,34B,44B,53B,83B 流路接続ポート、13C,34C,44C,53C,83C 中継流路、13D 環状溝、13E 突起、13F,23F,25B,26A,C1,C2 貫通孔、14,34,44,74 第1トップインシュレータ、14A,34A,44A 第2コネクタ収容部、14B 接続ポート用貫通孔、14C コンタクト用貫通孔、14D ボス、15 第1コンタクト部材、15A 筒状部、15B フランジ、15C 凹部、16 補強用シート、16A,33G,43G 開口部、16B,23K,24C 切り欠き、17 Oリング、21,61,81 第2コネクタ、22 第2ハウジング、23,63,83 第2ボトムインシュレータ、23B,44E 円筒形状部、23C,73C 流路接続ポート収容部、23D 凸部、23E コンタクト収容部、23G 位置決めピン、23H,24B 周壁部、23J 周溝、24,84 第2トップインシュレータ、24A 上板部、25 第2コンタクト部材、25A 基部、25C 接触部、25D 固定部、26 回路基板、26B 接続パッド、26C 位置決め孔、27 防水部材、53G 第1流路、63A 屈曲管部、63B 屈曲流路、C 実装対象物、P1,P3 流体流通管、P2,P4 実装対象物側流通管、R1 第1流通口、C3 配線部、C4 電極、S 外皮、W 電線。
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