(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007328
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ユーザ検出システム、ユーザ検出システムに含まれるセンサ装置、及び、ユーザ検出システムを備えたベッド
(51)【国際特許分類】
A61G 7/05 20060101AFI20250109BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20250109BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20250109BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61G7/05
A61G12/00 Z
A61B5/11 100
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108635
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清本 太郎
【テーマコード(参考)】
4C038
4C040
4C117
4C341
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA18
4C038VB14
4C038VB29
4C038VB40
4C038VC20
4C040AA03
4C040GG15
4C117XB01
4C117XB04
4C117XC02
4C117XD21
4C117XD31
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE52
4C117XQ20
4C341JJ03
4C341MR12
(57)【要約】
【課題】 ユーザ検出システムを備えないベッドに、後付けで追加的にそのシステムを取り付けたり、その後にそれを取り外したりできる。
【解決手段】ユーザ検出システムは、ベッド上のユーザの状態を検知するためのシステムであって、ユーザの荷重を検知する複数のセンサ装置と、複数のセンサ装置に電気的に接続され、複数のセンサ装置からの信号を受けて、ユーザの状態を検知する監視制御装置と、を有する。ユーザ検出システムは、ベッドに、後付けで着脱自在に取り付けできるように構成され、各センサ装置は、前記ベッドのボトムの下方に吊り下げられる様にして着脱自在に取り付けられる。各センサ装置は、ユーザの荷重で押圧される被押圧部を有し、被押圧部は、ボトムの通気用の貫通孔に挿入される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド上のユーザの状態を検知するためのユーザ検出システムであって、
前記ユーザ検出システムは、
前記ユーザの荷重を感知して前記荷重に応じた信号を発する複数のセンサ装置と、
前記複数のセンサ装置から前記信号を受けて、前記ユーザの状態を検知する監視制御装置と、
を有し、
前記ユーザ検出システムは、前記ベッドに、後付けで着脱自在に取り付けできるように構成され、
前記複数のセンサ装置は、前記ベッドのボトムに吊り下げられる態様で、前記ボトムの平面視で異なる複数の位置にそれぞれ着脱自在に取り付けられる、
ユーザ検出システム。
【請求項2】
前記ボトムが、前記ボトムをその厚み方向に貫通して通気孔として機能し得る複数の貫通孔を有し、
前記センサ装置の各々は、前記ユーザの前記荷重により押圧される被押圧部を有し、
前記各センサ装置が前記ボトムに取り付けられた状態において、前記被押圧部は前記貫通孔内に下方から挿入されており、
前記貫通孔内の前記被押圧部が前記ボトム上に載置されるマットレスから押圧されることで、前記各センサ装置は前記ユーザの前記荷重を感知するように構成される、
請求項1に記載のユーザ検出システム。
【請求項3】
前記各センサ装置が前記ボトムに取り付けられた状態において、前記ユーザの前記荷重により前記マットレスの底面が前記貫通孔内に入り込むことで前記マットレスにより前記被押圧部の上面が押圧されるように、前記被押圧部の前記上面が前記ボトムの上面と同じ高さかそれよりも下方に位置する、
請求項2に記載のユーザ検出システム。
【請求項4】
前記ボトムが、前記複数のセンサ装置の個数よりも多くの個数の前記複数の貫通孔を有する場合に、
前記各センサ装置の前記被押圧部が挿入される前記貫通孔を変更することで、前記ボトムへの前記各センサ装置の取付け位置が変更され得る、
請求項2または3に記載のユーザ検出システム。
【請求項5】
前記ボトムは、メッシュ構造のボトムであり、前記メッシュ構造のボトムの複数の網目を前記複数の貫通孔として利用する、
請求項2または3に記載のユーザ検出システム。
【請求項6】
前記ボトムは、金属製又は樹脂製の平板状のボトムであり、前記平板状のボトムは複数の通気孔を有し、
前記複数の通気孔を前記複数の貫通孔として利用する、
請求項2または3に記載のユーザ検出システム。
【請求項7】
さらに前記センサ装置を前記ボトムに着脱自在に取り付けるための固定具を備え、
前記固定具は、前記ボトムに前記センサ装置を作業員がねじを使って固定するか又はワンタッチで固定するように構成される、
請求項1に記載のユーザ検出システム。
【請求項8】
前記固定具は、前記ボトムに前記センサ装置を作業員がワンタッチで固定することを可能にするスナップフィット結合構造を有する、
請求項7に記載のユーザ検出システム。
【請求項9】
前記固定具の上面が前記ボトムの上面と同じ高さかそれよりも下方に位置する、
請求項7または8に記載のユーザ検出システム。
【請求項10】
8つの前記センサ装置を備え、
前記ユーザが前記ベッド上に身体を真っすぐに伸ばして前記ベッドの長手方向に身長方向を沿わせて仰臥している状態で、前記ユーザの上半身の背部、腰下部から臀部までの部分を含む腰部、大腿部から膝までの部分を含む下肢上部、及び/又は、下腿部から足までの部分を含む下肢下部の4つの部分からの荷重をそれぞれ受ける前記ボトムの4つの領域の各々に、8つの前記センサ装置から選ばれた2つの前記センサ装置が取り付けられ、
前記ボトムの前記各領域に取付けられた2つの前記センサ装置は、前記ボトムの前記各領域の幅方向の中央から前記幅方向の一端までの第1の半領域と、前記各領域の前記幅方向の前記中央から前記幅方向の他端までの第2の半領域とに、それぞれ配置される、
請求項1に記載のユーザ検出システム。
【請求項11】
前記ボトムは、前記ユーザの上半身の背部を支える背ボトムと、前記ユーザの腰下部から臀部までの部分を含む腰部を支える腰ボトムと、前記ユーザの大腿部から膝までの部分を含む下肢上部を支える膝ボトムと、前記ユーザの下腿部から足までの部分を含む下肢下部を支える足ボトムとを、4つの要素ボトムとして有し、前記背ボトムと、前記膝ボトム及び前記足ボトムとは、水平に対する角度が可変であり、
前記ユーザ検出システムは8つの前記センサ装置を備え、
前記4つの要素ボトムの各々に、8つの前記センサ装置から選ばれた2つの前記センサ装置が取り付けられ、
前記各要素ボトムに取付けられた2つの前記センサ装置は、前記各要素ボトムの幅方向の中央から前記幅方向の一端までの第1の半領域と、前記各要素ボトムの前記幅方向の前記中央から前記幅方向の他端までの第2の半領域とに、それぞれ配置される、
請求項1に記載のユーザ検出システム。
【請求項12】
前記各センサ装置は、支持体と、前記支持体の上側に配置された梃子カバーとを有し、
前記梃子カバーは、前記支持体に支持された支点と、平面視で前記支点から一方向へ延び出た延出部とをもち、
前記延出部が前記支点を中心に上下方向に回動可能であり、かつ、前記支持体から弾性的に持ち上げられており、
前記梃子カバーは、前記延出部の上部に前記被押圧部を有し、
前記各センサ装置は、前記延出部の延び出た前記一方向が前記ボトムの幅方向に沿うように、かつ、平面視で前記被押圧部が前記支点よりも、前記ボトムの前記幅方向の中央に近い位置になるように配置される、
請求項2に記載のユーザ検出システム。
【請求項13】
前記各センサ装置は、
前記梃子カバーの前記延出部の下方に配置されたクッションと、
前記支持体の上方かつ前記クッションの下方に配置された感圧センサと、
を有し、
前記ユーザの前記荷重により前記被押圧部が下方へ押されると、前記梃子カバーが降下して前記クッションを介して前記感圧センサに圧力を加え、前記感圧センサが前記圧力に応じた信号を出力するように構成された、
請求項12に記載のユーザ検出システム。
【請求項14】
前記ボトムは、前記ボトムの前記幅方向に異なる位置で配列された2以上の前記貫通孔を有し、
前記各センサ装置は、前記延出部の上部に、平面視で前記延出部の延び出た前記一方向に異なる位置で配列された2以上の前記被押圧部を有し、
前記各センサ装置が前記ボトムに取付けられた状態で、2以上の前記被押圧部が、前記ボトムの前記幅方向に配列された2以上の前記貫通孔にそれぞれ挿入されている、
請求項12または13に記載のユーザ検出システム。
【請求項15】
前記各センサ装置の前記梃子カバーは、前記支持体の上側の全領域を上方から覆っている、
請求項12または13に記載のユーザ検出システム。
【請求項16】
前記監視制御装置は、前記腰ボトムの下側に配置される、
請求項11に記載のユーザ検出システム。
【請求項17】
前記ベッドは、1以上の前記要素ボトムを駆動するボトム駆動システムを備え、
前記監視制御装置は、前記ボトム駆動システムに接続されて、前記複数のセンサ装置からの前記信号と、前記ボトム駆動システムからの前記要素ボトムの駆動に関する信号とに基づいて、前記ユーザの状態を検知する、
請求項11に記載のユーザ検出システム。
【請求項18】
前記複数のセンサ装置の各々は、前記ユーザの前記荷重により押圧される被押圧部と、前記被押圧部を介して前記ユーザの前記荷重を検知する1つの感圧センサとを有し、
前記被押圧部は、前記ボトムを厚み方向に貫通する貫通孔内に挿入されており、
前記各センサ装置は、前記被押圧部が押圧されることで、前記ユーザの前記荷重を検知するように構成される、
請求項1に記載のユーザ検出システム。
【請求項19】
前記ベッドは、前記ボトム上に載置されるマットレスを有し、
前記ユーザの前記荷重により、前記マットレスが前記貫通孔内に膨出することにより、前記被押圧部が押圧される、
請求項18に記載のユーザ検出システム。
【請求項20】
請求項1に記載のユーザ検出システムに含まれる前記センサ装置。
【請求項21】
請求項1に記載のユーザ検出システムを備えた前記ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可動サブボトムを有するベッドにおけるユーザの離床又はベッド上での体位などユーザ状態を検出するシステム、同システムに含まれるセンサ装置、並びに同システムを備えたベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
関連する技術が、例えば特許文献1~4に開示されている。
特許文献1に開示されたベッド装置は、背板上の幅方向の両端部と中央部に配置された3つの圧力センサ部と、固定板上の幅方向の両端部と中央部に配置された3つの圧力センサ部とを用いて、ベッド上のユーザの体位が正常仰臥か、転落危惧か、離床か、在床か、転落かを判断する。
【0003】
特許文献2に開示された使用者位置検出装置は、エアマットの幅方向及び長手方向にそれぞれ配置された多数の袋状セルを有し、隣接する袋状セル間の空気圧の差圧を検出することで、使用者のエアマット上の位置を演算する。
【0004】
特許文献3に開示された離床確認装置は、マットレスの下面を支える多数の蝶型バネとマットレスとの間の空隙内であって、ユーザの肩部と腰部と足部に対応する位置に、ベッドの幅方向に伸びた短冊状センサを有し、短冊状センサは触覚スイッチを有し、それら触覚センサの出力を用いて、マットレス上の人の在・不在及び体位の変動を検出する。
【0005】
特許文献4に開示された生体情報計測用パメルは、ベッドの寝床面上に配置されたパネルであって、弾性的に撓曲可能な受け板部を有し、受け板部に歪みゲージが設けられ、受け板部の中央部の振動に応じた歪みゲージの出力を用いて、ユーザの生体情報を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008―100039号公報
【特許文献2】特開2017―000318号公報
【特許文献3】国際公開第2012/053599号公報
【特許文献4】特開2005-253957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されたベッド装置は、ユーザの離床あるいはベッド上での体位などのユーザ状態を検出するためのユーザ検出システムを、出荷時から標準的に備えたものあると推測される。そのようなベッドはそうでないベッドより高価である。しかし、ユーザによりユーザ検出システムの要否は異なる。また、同じユーザでも、健康状態や介護環境等により同システムの要否が異なる。したがって、ユーザ検出システムを備えないベッドに、後付けで追加的にそのシステムを取り付けたり、その後にそれを取り外したりできるならば、より利便である。
【0008】
その場合、ユーザ検出システムのベッドへの取り付けと取り外しの作業は、できるだけ簡単で短時間でやれることが好ましい。
【0009】
上述した従来技術によれば、ユーザ検出システムは、ユーザからの荷重又は体動などに反応するセンサ装置を有し、そのセンサ装置は、マットレスを支えるボトムの上面に設けられる。しかし、センサ装置が、その厚みのためにボトムの上面より上方へ突出する場合、突出したセンサ装置がユーザの寝心地を悪化させる恐れがある。
【0010】
ユーザ検出システムを備えるベッドの大半は介護用または医療用のベッドである。この種のベッドの多くは複数の可動サブボトムを備え、それらのサブボトムが傾斜した姿勢をとることにより、ユーザの姿勢を例えば横たわった姿勢、上半身を起こした姿勢、及び、脚を上げた姿勢などの異なる姿勢に変えることができる。このようなボトムの姿勢つまりユーザの姿勢のバリエーションに対して、フレキシブルにユーザ検出システムが適応できることも望まれる。
【0011】
ユーザの体格は各人各様である。また、ベッドのボトムの長さや幅にもバリエーションがある。ユーザの体格やベッドのボトムサイズなどのバリエーションに対して、ユーザ検出システムが適応できることが望まれる。
【0012】
したがって、本発明の一つの目的は、ベッド用のユーザ検出システムの利便性又は適応性を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書に開示された一実施形態に係る、ベッド用のユーザ検出システムは、ユーザの荷重を感知して前記荷重に応じた信号を発する複数のセンサ装置と、前記複数のセンサ装置から前記信号を受けて、前記ユーザの状態を検知する監視制御装置とを有する。前記ユーザ検出システムは、前記ベッドに、後付けで着脱自在に取り付けできるように構成される。前記複数のセンサ装置は、前記ベッドのボトムに吊り下げられる態様で、前記ボトムの平面視で異なる複数の位置にそれぞれ着脱自在に取り付けられる。
【0014】
一実施形態によれば、前記ボトムが、前記ボトムをその厚み方向に貫通して通気孔として機能し得る複数の貫通孔を有する。前記センサ装置の各々は、前記ユーザの前記荷重により押圧される被押圧部を有する。前記各センサ装置が前記ボトムに取り付けられた状態において、前記被押圧部は前記貫通孔内に下方から挿入されており、前記貫通孔内の前記被押圧部が前記ボトム上に載置されるマットレスから押圧されることで、前記各センサ装置は前記ユーザの荷重を感知するように構成される。
【0015】
一実施形態によれば、前記各センサ装置が前記ボトムに取り付けられた状態において、前記ユーザの前記荷重により前記マットレスの底面が前記貫通孔内に入り込むことで前記マットレスにより前記被押圧部の上面が押圧されるように、前記被押圧部の前記上面が前記ボトムの上面と同じ高さかそれよりも下方に位置する。
【0016】
一実施形態によれば、前記ボトムが、前記複数のセンサ装置の個数よりも多くの個数の前記複数の貫通孔を有する場合に、前記各センサ装置の前記押圧部が挿入される前記貫通孔を変更することで、前記ボトムへの前記各センサ装置の取付け位置が変更され得る。
【0017】
一実施形態によれば、前記ボトムは、メッシュ構造のボトムであり、前記メッシュ構造のボトムの複数の網目が前記複数の貫通孔として利用され。請求項2または3に記載のユーザ検出システム。
【0018】
一実施形態によれば、前記ボトムは、金属製又は樹脂製の平板状のボトムであり、前記平板状のボトムは複数の通気孔を有し、前記複数の通気口が前記複数の貫通孔として利用される。
【0019】
一実施形態によれば、前記センサ装置を前記ボトムに着脱自在に取り付けるための固定具を備え、前記固定具は、前記ボトムに前記センサ装置を作業員がねじを使って固定するか又はワンタッチで固定するように構成される。
【0020】
一実施形態によれば、前記固定具は、前記ボトムに前記センサ装置を作業員がワンタッチで固定することを可能にするスナップフィット結合構造を有する。
【0021】
一実施形態によれば、前記固定具の上面が前記ボトムの上面と同じ高さかそれよりも下方に位置する。
【0022】
一実施形態によれば、ユーザ検出システムは8つの前記センサ装置を備え、前記ユーザが前記ベッド上に身体を真っすぐに伸ばして前記ベッドの長手方向に身長方向を沿わせて仰臥している状態で、前記ユーザの上半身の背部、腰下部から臀部までの部分を含む腰部、大腿部から膝までの部分を含む下肢上部、及び/又は、下腿部から足までの部分を含む下肢下部の4つの部分からの荷重をそれぞれ受ける前記ボトムの4つの領域の各々に、8つの前記センサ装置から選ばれた2つの前記センサ装置が取り付けられる。前記ボトムの前記各領域に取付けられた前記2つのセンサ装置は、前記ボトムの前記各領域の幅方向の中央から前記幅方向の一端までの第1の半領域と、前記各領域の前記幅方向の前記中央から前記幅方向の他端までの第2の半領域とに、それぞれ配置される。
【0023】
一実施形態によれば、前記ボトムは、前記ユーザの前記背部を支える背ボトムと、前記ユーザの前記腰部を支える腰ボトムと、前記ユーザの前記下肢上部を支える膝ボトムと、前記ユーザの前記下肢下部を支える足ボトムとを、4つの要素ボトムとして有し、前記背ボトムと、前記膝ボトム及び前記足ボトムとは、水平に対する角度が可変である。そして、ユーザ検出システムは8つの前記センサ装置を備え、前記4つの要素ボトムの各々に、前記8つのセンサ装置から選ばれた2つの前記センサ装置が取り付けられる。前記各要素ボトムに取付けられた前記2つのセンサ装置は、前記各要素ボトムの幅方向の中央から前記幅方向の一端までの第1の半領域と、前記各要素ボトムの前記幅方向の前記中央から前記幅方向の他端までの第2の半領域とに、それぞれ配置される。
【0024】
一実施形態によれば、前記各センサ装置は、支持体と、前記支持体の上側に配置された梃子カバーとを有する。前記梃子カバーは、前記支持体に支持された支点と、平面視で前記支点から一方向へ延び出た延出部とをもつ。前記延出部が前記支点を中心に上下方向に回動可能であり、かつ、前記支持体から弾性的に持ち上げられている。前記梃子カバーは、前記延出部の上部に前記被押圧部を有する。前記各センサ装置は、前記延出部の延び出た前記一方向が前記ボトムの前記幅方向に沿うように、かつ、平面視で前記被押圧部が前記支点よりも、前記ボトムの前記幅方向の中央に近い位置になるように配置される。
【0025】
一実施形態によれば、前記各センサ装置は、前記梃子カバーの前記延出部の下方に配置されたクッションと、前記支持体の上方かつ前記クッションの下方に配置された感圧センサとを有する。前記ユーザの荷重により前記被押圧部が下方へ押されると、前記梃子カバーが降下して前記クッション部材を介して前記感圧センサに圧力を加え、前記感圧センサが前記圧力に応じた信号を出力する。
【0026】
一実施形態によれば、前記ボトムは、前記ボトムの前記幅方向に異なる位置で配列された2以上の前記貫通孔を有する。前記各センサ装置は、前記延出部の上部に、平面視で前記延出部の延び出た前記一方向に異なる位置で配列された2以上の前記被押圧部を有する。前記各センサ装置が前記ボトムに取付けられた状態で、前記2以上の被押圧部が、前記ボトムの前記幅方向に配列された前記2以上の貫通孔にそれぞれ挿入されている。
【0027】
一実施形態によれば、前記各センサ装置の前記梃子カバーは、前記支持体の上側の全領域を上方から覆っている。
【0028】
一実施形態によれば、前記監視制御装置は、前記腰ボトムの下側に配置される。
【0029】
一実施形態によれば、前記ベッドは、1以上の前記要素ボトムを駆動するボトム駆動システムを備える。前記監視制御装置は、前記複数のセンサ装置と前記ボトム駆動システムとに接続されて、前記複数のセンサ装置からの前記信号と、前記ボトム駆動システムからの前記要素ボトムの駆動に関する信号とに基づいて、前記ユーザの状態を検知する。
【0030】
一実施形態によれば、前記複数のセンサ装置の各々は、前記ユーザの荷重により押圧される被押圧部と、前記被押圧部を介して前記ユーザの荷重を検知する1つの感圧センサとを有する。前記被押圧部は、前記ボトムを厚み方向に貫通する貫通孔内に挿入されている。前記各センサ装置は、前記被押圧部が押圧されることで、前記ユーザの荷重を検知するように構成される。
【0031】
一実施形態によれば、前記ベッドは、前記ボトム上に載置されるマットレスを有する。前記ユーザの荷重により、前記マットレスが前記貫通孔内に膨出することにより、前記被押圧部が押圧される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本実施形態ユーザ検出システムを搭載したベッドの斜視図
【
図2】
図1のベッドの平面図(A)、側面図(B)、正面図(C)
【
図4】ユーザ検出システムの各部の配置を示す概略図
【
図5】センサ装置の要素ボトムへの取り付け状態を示す図
【
図8】センサ装置のクッション材と感圧センサとの配置を説明する図
【
図9】センサ装置がメッシュボトムに取り付けられた状態を示す図
【
図10】メッシュボトムに取り付けられたセンサ装置の第2方向に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照し本実施形態を説明する。
図1~
図2に示される本実施形態に係るベッド1は、平面視でほぼ長方形である。
【0034】
以下の説明にいて、用語「長さ方向」はベッド1の長方形の長辺に沿った方向を意味し、「幅方向」はベッド1の短辺に沿った方向を意味し、また、「高さ方向」はベッド1が水平な床上に置かれた状態での鉛直方向を意味する。また、「頭方向」は、ベッド1にユーザがあおむけで寝たときに、ユーザから視て足から頭へ向かう方向を意味し、「頭側」はユーザの頭により近い側を意味し、「足方向」はユーザの頭から足へ向かう方向を意味し、「足側」はユーザの足により近い側を意味し、また、「前」、「後」、「左」及び「右」は、上記ユーザから視て前、後、左及び右の方向又は側を意味する。
【0035】
本実施形態に係るベッド1は、ベースフレーム11、センターフレーム12、ヘッドフレーム13、及びフットフレーム14を備える。ベースフレーム11は平面視でほぼ長方形であり、その四隅に設けられたキャスター15(又は、図示しない固定足)を介して、設置床面上に配置される。
【0036】
ベースフレーム11の上に、センターフレーム12、ヘッドフレーム13、及びフットフレーム14が搭載される。センターフレーム12の頭側にヘッドフレーム13が配置されて両者が結合され、センターフレーム12より足側にフットフレーム14が配置されて両者が結合される。このようにセンターフレーム12、ヘッドフレーム13、及びフットフレーム14が相互に結合されて、全体として平面視でほぼ長方形の1つの昇降フレーム12、13、14を構成する。
【0037】
昇降フレーム12、13、14(例えばセンターフレーム12は)は、ベースフレーム11上に設けられた昇降機構16に結合され、昇降機構16により高さ方向に昇降され得る。
【0038】
昇降フレーム12、13、14上にボトム2が配置される。ボトム2は、平面視でほぼ長方形の板であり、その上に敷かれるマットレス(図示せず)を支える。ボトム2は、長さ方向で異なる位置に配置された、複数の各々ほぼ長方形の平板状の要素ボトムを有する。それらの要素ボトムは、例えば、頭側から足側へ順に、背ボトム21、腰ボトム23、膝ボトム25、及び、足ボトム27である。
【0039】
図3は、各要素ボトムの可動状態を説明する図である。背ボトム21は、ユーザの上半身、例えば背部、を支えるためのものである。背ボトム21は、例えば、上位背ボトム21Aと、上位背ボトム21Aより足側に配置された下位背ボトム21Bとを含む。上位背ボトム21Aと下位背ボトム21Bは、上位背ボトム21Aの足側端部と下位背ボトム21Bの頭側端部にて、背曲げヒンジ21Cを介して、相互間で回動可能にリンクされる。背ボトム21(そのうちの下位背ボトム21B)は、その足側端部にて、背上げヒンジ24を介して、昇降フレーム12、13、14に対し回動可能にリンクされる。
【0040】
上位背ボトム21Aは、ユーザの上半身のうちの比較的に高い位置の部分(例えば頭から肩甲骨付近の部分)を支えるためものである。下位背ボトム21Bは、ユーザの上半身のうちの比較的に低い位置の部分(例えば肩甲骨付近から腰上部)を支えるためものである。
【0041】
背ボトム21は、例えば昇降フレーム12、13、14に設けられた背上げ機構(図示せず)に結合され、背上げ機構によって全体的に背上げヒンジ24を中心に回動して、水平姿勢から所定角度だけ前方へ傾斜した姿勢までの様々な角度の姿勢をとることができる。これにより、ユーザの上半身を起したり寝せたりすることができる。なお、
図3(A)、(B)には、回動による背ボトム21の角度の変化の例が示される。
【0042】
背ボトム21の上位背ボトム21Aと下位背ボトム21Bは、上記背上げ機構(又は、それとは別の背曲げ機構)に結合され、その機構によって、上位背ボトム21Aが下位背ボトム21Bに対して背曲げヒンジ21Cを中心に回動して(回動状態は図示せず)、面一の姿勢から所定角度だけ前方へ折れ曲がった姿勢までの様々な角度の姿勢をとることができる。これにより、ユーザの上半身(背骨)の姿勢を、まっすぐな姿勢から或る程度前かがみになった姿勢までの間で調節できる。
【0043】
上位背ボトム21Aと下位背ボトム21Bとをリンクする背曲げヒンジ21Cの長さ方向の位置は、所定の距離範囲内で可変であり、例えば、複数の異なる位置の内の任意の位置に設定できる(図示せず)。これにより、ユーザの体格や身体特徴などに適応するように、背曲げヒンジ21Cの位置、つまり、ユーザの背を曲げる位置を調整できる。
【0044】
腰ボトム23は、ユーザのヒップ、例えば腰下部から臀部までの部分(腰部)を支えるためのものである。腰ボトム23は、例えば、昇降フレーム12、13、14に水平に固定される。
【0045】
膝ボトム25は、ユーザの例えば大腿から膝付近までの部分(下肢上部)を支えるためのものである。膝ボトム25は、その頭側端部にて、膝上げヒンジ28を介して、昇降フレーム12、13、14に回動可能にリンクされる。膝ボトム25は、例えば昇降フレーム12、13、14に設けられた膝上げ機構(図示せず)に結合され、膝上げ機構によって膝上げヒンジ28を中心に回動して、水平姿勢から所定角度だけ前方へ傾斜した姿勢までの様々な角度の姿勢をとることができる。これにより、ユーザの膝を上げて膝関節を曲げさせたり、膝を下ろして膝関節をまっすぐにさせたりすることができる。
【0046】
足ボトム27は、ユーザの膝付近から足までの部分(下肢下部)を支えるためのものである。膝ボトム25と足ボトム27は、膝ボトム25の足側端部と足ボトム27の頭側端部にて、膝曲げヒンジ26を介して、相互間で回動可能にリンクされる。足ボトム27の足側端部は、長さ方向へスライド可能な状態で昇降フレーム12、13、14上に載置される。膝上げ機構により膝ボトム25が膝上げヒンジ28を中心に回動すると、これに伴って足ボトム27も膝曲げヒンジ26を中心に回動する。なお、
図3(A)、(B)には、回動による膝ボトム25と足ボトム27の角度の変化の例が示される。
【0047】
あるいは、足ボトム27が、昇降フレーム12、13、14上に設けられた足上げ機構に結合されて、足上げ機構によって足ボトム27が膝曲げヒンジ26を中心に回動して、ユーザの足の高さを調節できるようになっていてもよい(図示せず)。
【0048】
膝曲げヒンジ26の長さ方向の位置は、所定の距離範囲内で可変であり、例えば、複数の異なる位置の内の任意の位置に設定できる(図示せず)。これにより、ユーザの体格や身体特徴などに適応するように、膝曲げヒンジ26の位置、つまり、ユーザの膝を曲げる位置を調整できる。
【0049】
背ボトム21、腰ボトム23、膝ボトム25、及び、足ボトム27は、各々の長さ寸法及び/又は幅寸法が可変に構成されていてよい(寸法可変のための具体的な構成は、図示してないが、公知技術を用いることができる)。
【0050】
各要素ボトムの姿勢は、ベッド1に設けられたコントロールパネル又はリモートコントローラー(図示せず)を使って、ユーザまたは介護者が制御することができる。
【0051】
背ボトム21、腰ボトム23、膝ボトム25、及び足ボトム27等の要素ボトムの各々は、例えばメッシュ構造をもつ。メッシュの要素ボトムは、一般に、比較的に太く剛性の高い平面視でほぼ長方形に成形された外フレーム31と、外フレーム31の内側に相互間に間隔を空けて長さ方向に張られた細長い複数本の縦ワイヤ33Aと、外フレーム31の内側に相互間に間隔を空けて幅方向に張られた細長い複数本の横ワイヤ33Bとを有する。それらの縦ワイヤ33Aと横ワイヤ33Bが交差してメッシュ構造を形成する。このようなメッシュの要素ボトムは、長さ方向と幅方向に行列状に配置された多数の網目(つまり、ボトムをその上面から下面へとその厚み方向に貫通する貫通孔35)を有する。
【0052】
ベッド1は、複数のセンサ装置5を含むユーザ検出システム4が搭載される。
【0053】
以下、本実施形態に係るベッド1のためのユーザ検出システム4について説明する。
図4は、ユーザ検出システム4の各部の配置例を示す概略図である。
図5は、センサ装置5の各要素ボトム(代表的に背ボトム21を例示する)への取り付け状態例を示す図である。
【0054】
本実施形態に係るベッド1は、その出荷時には、ユーザ検出システム4を備えていなくていい。出荷後に、ユーザ検出システム4をオプション品としてベッド1に追加的に着脱自在に取り付けることができる。さらに、ユーザ検出システム4がベッド1に一旦取り付けられた後に、ユーザ検出システム4をベッド1から取り外すこともできる。ユーザ検出システム4をベッド1に着脱する作業は、作業員がスクリュードライバーで固定ねじを締めたり外したりする程度、あるいはワンタッチで着脱できる程度の、簡単なもので、短時間で終わる。
【0055】
ユーザ検出システム4は、複数(図示例では8つ)のセンサ装置5と、それらセンサ装置5に電気的に接続された少なくとも1つの監視制御装置6とを有する。
【0056】
監視制御装置6は、ナースコールシステム9に電気的に接続されてもよい。ナースコールシステム9については、後述する。
【0057】
監視制御装置6は、さらに、ベッド1のボトム2の姿勢を変えるための幾つかの機構、例えば上記した背上げ機構、背曲げ機構、膝上げ機構、及びそれらを駆動しコントロールするボトム駆動制御装置7を含むボトム駆動システムと(本実施形態では例えば、ボトム駆動制御装置7と)、電気的に接続されてよい。
【0058】
8つのセンサ装置5は、基本的に同じ構成をもつが、異なってもよい。各センサ装置5は、ユーザからマットレス(図示せず)を通じて各要素ボトムの上面に加わる荷重をセンスして、その荷重に応じた値を示す電気信号を出力する。その具体的な構成は後述する。
【0059】
以下、
図4を用いて説明する。8つのセンサ装置5は、2つのセンサ装置5がペアにされて、4つのペアのセンサ装置5を構成する。これら4つのペアのセンサ装置5が、平面視でボトム2に対して次のような配置で取り付けられる。すなわち、ユーザがベッド1上に身体を真っすぐに伸ばして、ベッド1の長手方向に身長方向を沿わせて仰臥している状態で、ユーザの上半身の背部、腰下部から臀部までの部分を含む腰部、大腿部から膝までの部分を含む下肢上部、及び/又は、下腿部から足までの部分を含む下肢下部の4つの部分からの荷重をそれぞれ受けるボトム2の4つの領域に、4つのペアのセンサ装置5がそれぞれ取り付けられる。
【0060】
そして、ボトム2の上記各領域に取付けられたペアのセンサ装置5は、ボトム2の上記各領域の幅方向の中央から幅方向の一端までの右半領域と、各領域の幅方向の中央から幅方向の他端までの左半領域とに、それぞれ配置される。そのペアのセンサ装置5の相互間には、間隔が空けられ、その間隔の中にボトム2の幅方向中央が位置する。その間隔の場所には、センサ装置5は配置されない。
【0061】
このような4つのペアのセンサ装置5の一つの例が、
図4に示される。すなわち、4つのペアのセンサ装置5が、背ボトム21、腰ボトム23、膝ボトム25、及び足ボトム27という4つの要素ボトムに、それぞれ取り付けられる。例えば、第1ペアのセンサ装置5(a)、5(a)が背ボトム21に取付けられ、第2ペアのセンサ装置5(b)、5(b)が腰ボトム23に取付けられ、第3ペアのセンサ装置5(c)、5(c)が膝ボトム25に取付けられ、第4ペアのセンサ装置5(d)、5(d)が足ボトム27に取付けられる。ここで、第1ペアのセンサ装置5(a)、5(a)は、背ボトム21の上位背ボトム21Aと下位背ボトム21Bの内、例えば下位背ボトム21Bに取り付けられるのが望ましい。下位背ボトム21Bは、上位背ボトム21Aより、ユーザからの荷重をより大きく受けることが多いからである。
【0062】
このように4つのペアのセンサ装置5(つまり、合計で8個のセンサ装置5)をボトム2に配置することにより、ベッド1上でのユーザの体位や姿勢などの状態を適切に検出することが可能である。換言すれば、あまりにも多くのセンサ装置5を使う必要なしに、8個という多すぎず少なすぎない適度なセンサ装置5の個数で、ユーザの状態が正常か要注意か危険といった判別を、実用上十分な分解能で行える。また、上記のように4つのペアのセンサ装置5(つまり、合計で8個のセンサ装置5)をボトム2に配置することにより、背上げや膝上げ等のボトム駆動でボトム2の姿勢が水平でない折れ曲がった姿勢になっている時にも、ユーザの状態について、正常か要注意か危険といった判別が可能である。
【0063】
各ペアのセンサ装置5は、平面視で、基本的に、各要素ボトムの幅方向の中央線CLについて線対称の位置に配置されてよい。例えば、第1ペアの一方のセンサ装置5(a)が、背ボトム21の幅方向の中央線CLから所定距離だけ左側へずれた位置から背ボトム21の左端部までの間の範囲に配置され、それと線対称の右側の位置範囲に他方のセンサ装置5(a)が配置されてよい。
【0064】
これと同様に、他の3つのペアのセンサ装置5も、それぞれの要素ボトムの幅方向の中央線CLについて、その左側と右側の線対称の位置に配置されてよい。また、ユーザの愛体格や行動パターンやその他の環境条件によっては、各ペアのセンサ装置5が、上記のような線対称の位置ではなく、それから長さ方向又は幅方向へ多少ずれた位置に配置されてもよい。
【0065】
以下、
図5を用いて説明する。例えば、
図5(A)及び(C)に示すように、第1ペアのセンサ装置5(a)、5(a)は、ボトム2の幅方向での相互間の距離(間隔)を可変することができる、つまり中央線CLから各センサ装置5(a)、5(a)までの距離を可変することができる。また、
図5(A)及び(B)に示すように、第1ペアのセンサ装置5(a)、5(a)は、背ボトム21上の長手方向の位置も可変できる。つまり、各センサ装置5(a)、5(a)の各要素ボトム上での配置は、患者の体格や状態(例えば、病状)等、必要に応じて適切に調節することができる。なお、上記は図示の簡略化のため、第1ペアのセンサ装置5(a)、5(a)のみ説明したが、ユーザ検出システム4が有するすべてのセンサ装置5に対して同様であることは言うまでもない。
【0066】
図4に戻る。監視制御装置6は、ボトム2の下方にある空き空間に配置される。例えば、監視制御装置6は、腰ボトム23の下方にある空き空間に配置され得る。腰ボトム23の下方には、収容場所に適した空き空間が形成されやすく、また腰ボトム23は回動せず固定されているため、収容し易いためである。また、この配置により、監視制御装置6と、すべて(図示例では8個)のセンサ装置5とが、適度な距離で配置される。例えば、監視制御装置6と各センサ装置5とが、有線接続されている場合(図示例では、配線を点線で示している)、配線の整理がし易く、また、配線の長さについても極端に長いものや短いものを設ける必要がなく、同程度の長さに設定すれば済む。なお、監視制御装置6は、ボトム2の他の空き空間に収容されてもよいし、ベッド1の横などの他の場所に収容されてもよい。
【0067】
<センサ装置の構造>
次に、図を参照しセンサ装置5の構造を説明する。
図6は、センサ装置5の斜視図である。
図7は、
図6のA-A断面図であり、
図8は、センサ装置5のクッション材72と感圧センサとの配置を説明する図である。
図9は、センサ装置5がメッシュ構造の要素ボトム(腰ボトム23)に取り付けられた状態を示す図である。
図10は、メッシュ構造のボトム2に取り付けられたセンサ装置5を第2方向に沿って切り取った断面図である。
【0068】
センサ装置5は、全体として、例えば細長いほぼ直方体の形状を有する。以下の説明では、用語「第1方向」はセンサ装置5の平面視の長手方向を意味し、「第2方向」はセンサ装置5の平面視の短手(妻手)方向を意味する。
【0069】
センサ装置5は、その第1方向がベッド1の幅方向に一致する姿勢で、ベッド1のいずれかの要素ボトムに取り付けられる。
【0070】
センサ装置5は、支持体51と梃子カバー52とを有する。支持体51も梃子カバー52も例えば細長いほぼ直方体の箱である。支持体51は、例えば底壁51aと側壁51bを有し、天壁の無い開口した天部51cをもつ箱である。梃子カバー52は例えば天壁52aと側壁52bを有し、底壁の無い開口した底部52cをもつ箱である。第1方向と第2方向の両方向において、梃子カバー52のサイズが支持体51のサイズより大きい。支持体51の開口した天部51cを含む部分は、梃子カバー52の底部52cの開口内に完全に収容され、支持体51の開口した天部51cとその周囲の側壁51bの上部は、梃子カバー52の天壁52aとその周囲の側壁52bによって外部から覆われる。
【0071】
支持体51は、その第1方向の一端部近くの両側面の2個所と他端部近くの両側面の2個所から第2方向の外方へ一定距離だけ伸び出た4つの腕53を有する。これら4つの腕53は、センサ装置5を要素ボトムに取り付けるための固定具の一部として機能する。
【0072】
すなわち、4つの腕53の各々には、その上面から下方へ雌ネジ穴が形成されている。固定具の他の部分として、さらに、2枚の固定板54が用意される。一方の固定板54は、上記一端部近くの両側面から伸びた2本の腕53と結合するためのものであり、その2本の腕53の雌ネジ穴(図示せず)に対応する2個所に貫通孔54aを有する。他方の固定板54は、上記他端部近くの両側面から伸びた2本の腕53と結合するためのものであり、その2本の腕53の雌ネジ穴に対応する2個所に貫通孔54aを有する。
【0073】
センサ装置5の梃子カバー52は、ユーザの荷重により押圧される被押圧部としての凸部56を有する。具体的には、例えば、梃子カバー52は、その天壁52aの上部に、第1方向に一列に並ぶ複数のメサ形状(つまり平らな上面をもつ台地状)の凸部(被押圧部)56を有する。各凸部56は平面視で正方形又は長方形であり、この形状は要素ボトムの各網目(貫通孔35)内に下側から挿入されて収容され得るように選ばれている。梃子カバー52の天壁52aの上部には、各凸部56に隣接して、凹んだ溝57がある。各溝57の幅と深さは、要素ボトムの各網目を画成する縦ワイヤ33A又は横ワイヤ33Bを収容できるように選ばれている。
【0074】
その結果、センサ装置5の梃子カバー52の第1方向に並ぶ複数のメサ形状の凸部56は、要素ボトムの幅方向に並ぶ複数の網目(貫通孔35)の内側に収容される。そして、それらの凸部(被押圧部)56の上面は、要素ボトムの上面、つまり、本実施形態では横ワイヤ33Bの上に配置された縦ワイヤ33Aの上面と同じ高さか、それよりも低い高さに位置する。例えば、凸部56の上面の高さは、縦ワイヤ33Aの上面の高さと同じ、またはそれより僅か(例えば0.数ミリメートル)に低い高さになるのが望ましい。よって、センサ装置5の上面は、要素ボトムの上面より高くは突出することない。したがって、センサ装置5がユーザの寝心地に影響することはない。その一方で、ユーザの荷重がボトム上のマットレス(図示せず)に加わると、マットレスが要素ボトムの網目(貫通孔35)の中に入り込んで下方へ膨出して、梃子カバー52の凸部56を下方に押圧するので、マットレスからセンサ装置5の梃子カバー52にユーザの体重による荷重が加わる。センサ装置5は、この荷重を検出することができる。また、固定具の上面についても、ボトムの上面より突出しないことが望ましい。具体的には、固定板54の上面が要素ボトムの上面と同じか又はそれよりも下方に位置するのが望ましい。センサ装置5の取り付け方が、ユーザの寝心地に悪影響を及ぼすことを防止する。
【0075】
荷重を検出するためのセンサ装置5の内部の構造について、以下に説明する。
【0076】
例えば、
図7に示すように、センサ装置5は、支持体51と梃子カバー52との間に、感圧センサ71と、クッション材72と、弾性部材とを有する。
【0077】
梃子カバー52は、その天壁52aの下面の第1方向の一端に近い個所に、下方へ突出した支持ロッド58を有する。支持ロッド58の下端部58aが、支持体51の底壁51aの1個所に当接する。また、梃子カバー52の天壁52aの第1方向の他端に近い1個所と、その箇所の真下に位置する支持体51の底壁51aの1個所との間に、弾性部材、例えばコイルバネ73が挿入される。コイルバネ73は、梃子カバー52を上方へ持ち上げて弾性的に支持する。これにより、梃子カバー52において、平面視で支持ロッド58の下端部58aから第1方向の上記他端へ向かって延び出た延出部59が、支持体51に直接に接しておらず支持体51から浮いている。したがって、梃子カバー52は、支持ロッド58の下端部58aを支点にして、シーソー式に上下方向に揺動可能な状態で、支持体51上に支持されている。
【0078】
支持体51の底壁51aの上面における、平面視で第1方向での支点(図示例では下端部58a、以下同様)と弾性部材(図示例ではコイルバネ73、以下同様)との間の個所に、感圧センサ71が設置される。
【0079】
例えば、
図8に示すように、感圧センサ71の上面と梃子カバー52の天壁52aの下面との間に、クッション材72が挿入される。例えば、クッション材72は、接着剤等で又はその他の方法によって、梃子カバー52の天壁52aの下方に固定されてよいし、支持体51側の感圧センサ71の上方に固定されてもよいし、いずれの部材にも固定されず、ユーザにより感圧センサ71の上面と梃子カバー52の天壁52aの下面との間に挿入されるような構成であってもよい。
【0080】
感圧センサ71は、支持体51の底壁51a上に取付けられた、例えば平板状の薄板であり、その上面に加えられる圧力を、その圧力値に応じた値をもつ電気信号に変換して出力する。感圧センサ71の出力信号は監視制御装置6に入力される。
【0081】
クッション材72は、梃子カバー52と感圧センサ71の間に位置し、梃子カバー52が感圧センサ71に与える機械的衝撃を緩和する。クッション材72は例えばシリコンゴムなどの柔らかい弾性材料製である。
【0082】
このように構成されたセンサ装置5の梃子カバー52の延出部59のいずれかの凸部56に、上方から下向きの荷重が加わると、梃子カバー52の延出部59が支点を中心に回動して降下し、クッション材72を介して感圧センサ71を押圧する。感圧センサ71は、その押圧力に応じた値をもつ電気信号を監視制御装置6に与える。感圧センサ71に加わる圧力が無くなると、梃子カバー52が弾性部材(例えばコイルバネ73)の作用で元の位置に戻り、感圧センサ71からの出力信号がゼロ圧力を示す。なお、
図8は、弾性部材の図示を省略している。
【0083】
センサ装置5は、第1方向のほぼ全長にわたるベッド1の幅方向範囲の何処に(つまり、複数の凸部56のいずれに)ユーザからの荷重をかかっても、それを検出する。このように検知可能な幅方向範囲が広いのにかかわらず、各センサ装置5に必要な感圧センサ71の個数は1個であるから、低コストである。
【0084】
センサ装置5は、梃子カバー52の作用点(感圧センサ71を押圧する部分)が要素ボトムの幅方向の中央寄り(つまり、中央線CLに近接するよう)に位置し、梃子カバー52の支点がボトム2の右または左の端部寄りに(つまり、中央線CLから離れて)位置する姿勢で、ボトム2に取付けられる。
【0085】
センサ装置5がこの姿勢でボトム2に取付けられることで、それとは逆の姿勢で取り付けられた場合に比較して、ボトム2上のユーザの状態をより確実に検知することができる。なぜなら、ユーザはボトム2の中央近くの位置に居ることが多い。したがって、上記の姿勢で取り付けられたセンサ装置5の梃子カバー52において、その支点から比較的に遠い個所つまりボトム2の中央寄りに位置する個所に、ユーザからの荷重が加わることが多い。感圧センサ71を働かせるのに要する梃子カバー52の移動ストロークは、支点から比較的に遠い個所では比較的に長いので、荷重の検出の確度も比較的に良い。
【0086】
監視制御装置6は、8つのセンサ装置5からの出力信号と、ボトム駆動制御装置7からの出力信号とを入力して、ベッド1上でユーザの状態を推定的に判別する。判別されるユーザの状態には、例えば、ベッド1上で仰臥しているか上半身を起こしているか、ボトム2の幅方向端部分に腰かけている(端座位)か、ベッド1の幅方向の端部付近で寝てないか(落下の危険性がないか)、立ち上がってベッド1から離れてないか(離床か)、離床状態が長時間続いてないか、などである。
【0087】
さらには、背ボトム21が起立した状態でユーザの上半身が右、左又は前方に倒れてないか、背ボトム21を寝た状態から起立した状態まで移動させている間にユーザの臀部が腰ボトム23より前方へ滑り出てないか、などの状態が判別されてもよい。判別されるユーザ状態のバリエーションは上記以外でも、上記より多くても少なくてもよい。
【0088】
あるいは、監視制御装置6は、ボトム駆動制御装置7のようなボトム駆動システムに接続されていなくて、ボトム2の角度や移動を考慮した判定をしなくてもよい。
【0089】
監視制御装置6は、ユーザ状態の推定結果に応じた信号をナースコールシステム9に有線通信又は無線通信を通じて送り、それにより、ユーザケアに役立つ情報(例えば、ユーザが正常にベッド1に仰臥しているか否か、ベッド1から落下する危険があるか否か、ベッド上に居るか居ないか、上半身を起こした座り姿勢の時に身体が異常に傾いていないか否か、など)を、ナース又は介護者に通知することができる。
【0090】
ナースコールシステム9は、例えばベッド1の近くに設置された子機91と、ナースステーションなどに設置された親機92と含んでいるが、ナース又は介護者が携帯する携帯通信端末90などに接続され又はさらにこれを含んでもよく、その具体的な構成にはさまざまなバリエーションがあり得る。図示例では、監視制御装置6はナースコールシステム9の子機91に接続され、監視制御装置6からの信号は子機91を通じて親機92へ送られるようになっている。
【0091】
図11は、監視制御装置6の制御の流れの一例を示す。以下説明する。
監視制御装置6は、8つのセンサ装置5から出力された信号を入力し、入力された信号に基づいて、ボトム2におけるユーザの荷重の分布(例えば、どのセンサ装置5、つまりどの要素ボトムのどの位置に、ユーザの荷重が加わっているか否か、又は、それぞれのセンサ装置5に加わっている圧力の大きさ、など)を把握する(S1)。
【0092】
また、監視制御装置6は、ボトム駆動制御装置7からから出力された信号を入力し、入力された信号に基づいて、ボトム2の姿勢(例えば、複数の要素ボトムの傾きの組合せで決まる各種の姿勢、及び、或る姿勢から別の姿勢への移行動作中、など)を把握する(S2)。
【0093】
次に、監視制御装置6は、把握した荷重分布とボトム2の姿勢とに基づいて、ベッド1上での現在のユーザ状態であるかを推定的に判別する(S3)。
【0094】
次に、監視制御装置6は、S3の判別結果に基づき、必要に応じて、所定の情報又は信号をナースコールシステム9又は携帯通信端末90へ送信する(S4)。
【0095】
監視制御装置6は、上記のステップ(S1~S4)を繰り返す。
【0096】
<センサ装置のベッドへの取付け>
センサ装置5を要素ボトムに取り付ける時には、以下のように作業することができる。
【0097】
作業員によって、センサ装置5が要素ボトムの下側に配置され、且つ、センサ装置5の4つの腕53の上面が1つの要素ボトムの2本の横ワイヤ33Bの下面に当接される。また、要素ボトムの上側に2枚の固定板54が配置され、その2枚の固定板54がその2本の横ワイヤ33Bの上面に当接される。そして、2枚の固定板54の4つの貫通孔54aに上方から4本の固定ねじ(図示せず)が挿しこまれ、それらの固定ねじが4本の腕53の雌ネジ穴(図示せず)に入れられ、作業員が操作するスクリュードライバーで固定ねじが締められる。それにより、2枚の固定板54と4本の腕53との間に、要素ボトムの2本の横ワイヤ33Bが強固に挟み込まれて、センサ装置5が要素ボトムに、吊り下がる形で強固に固定される。
【0098】
この取り付け作業は、作業員がスクリュードライバーを使うだけで行えるから簡単であり、短時間でやれる。
【0099】
固定板54の厚みは、固定板54の上面が、要素ボトムの上面より上方へ出ないように(つまり、要素ボトムの上面と同じか若干下方に位置するように)選ばれていることが好ましい。
【0100】
<センサ装置、固定具の変形例>
固定具の変形例を説明する。
図12は、固定具の変形例の一つの態様を示す図である。固定作業を一層簡単にするために、固定具は、次のように例えばスナップフィット結合構造を採用してもよい。ここで、スナップフィット結合構造とは、弾力部材を利用した結合構造であって、その構造の相互に結合し得る部分が分離している状態からその構造の或る個所を人が一方向に押す又は引くことで、その結合し得る部分の結合が完成する構造を意味する。スナップフィット結合構造の一例は、以下に説明するような、2つの部材が一方向に沿って接近し合うことで、少なくとも一方の部材が弾性的に変形して、他方の部材に係合し、係合後は、変形した部材が弾性的に元の形状に戻って、係合を維持するようになった構造である。
【0101】
本例の固定具は、固定板154が例えばその両端近くの下面から下方へ延びる2本の係止突起155を有する。係止突起155はバネ性を有し、それを曲げる力を受けると曲がり、その力が無くなると元の直線的な形状に戻る。係止突起155の先端部155aは、例えば銛のように顎の付いた先細り形状である。係止突起155の先端部155aの顎の外面は、係止突起155の延び出た方向に対して傾斜した傾斜面155bをもつ。それぞれの腕153の先端近くには係止孔153aが上下に貫通して設けられる。各係止孔153aは、各係止突起155の先端部155aが挿通可能な形状とサイズを有する。
【0102】
2本の係止突起155間の間隔と2つの係止孔153a間の間隔が適切に選ばれている。それにより、次のようにして固定板154を腕153に係合させることができる。
【0103】
すなわち、作業者が、固定板154を2本の腕153の真上に配置してから固定板154を腕153に向けて下ろすと、固定板154の2本の係止突起155の先端部155aが、2本の腕153の2つの係止孔153a内に入り、かつ、2本の係止突起155の先端部155aの傾斜面155bがそれぞれ2つの係止孔153aの内面に接触する。
【0104】
その後、作業者がさらに深く固定板154を下ろすと、2本の係止突起155がそのバネ性で曲がって、それぞれの先端部155aが2つの係止孔153aを通過する。2本の係止突起155の先端部155aが2つの係止孔153aを完全に通過すると、係止突起155がそのバネ性により元の直線形状に戻り、それにより、係止突起155の先端部155aが係止孔153aに係合する。
【0105】
このようにワンタッチで固定板154を腕153に固定できるスナップフィット結合構造を採用することで、センサ装置5を要素ボトムに取付ける作業は非常に容易に短時間で行える。なお、係止突起155と係止孔153aの配置は、上記と逆、つまり、係止突起155が腕153に設けられ、係止孔が固定板154に設けられてよい。
【0106】
このようにボトム2の下部にセンサ装置5が取り付けられた状態において、例えば、ベッド1に飲み物がこぼれた場合、ユーザが失禁した場合、ベッドを水拭きする場合など、ボトム2の上からセンサ装置5に水がかかってしまった場合であっても、センサ装置5の内部に水が浸入することがほとんどない。上述したように、梃子カバー52が支持体51の上部と周囲を外側からカバーするからである。
【0107】
要素ボトムの全部または一部は、上記したメッシュとは異なるタイプの構造をもっても良い。例えば、合成樹脂あるいは金属などで作られた平板タイプの構造であっても良い。平板タイプの要素ボトムについて以下に説明する。
【0108】
図13は、要素ボトムの第1の変形例を示す図である。本例の背ボトム、腰ボトム、膝ボトム、及び足ボトム等の要素ボトムの各々は、例えば金属製の平板タイプの構造をもつ。
【0109】
図13(A)は、要素ボトム(図示例は腰ボトム123、以下同様)の概略を示す図であり、
図13(B)は、センサ装置5が取り付けられた要素ボトムの例を示す図である。以下、図面を参照し説明する。各要素ボトムは、各要素ボトムをその上面から下面へとその厚み方向に貫通する複数の貫通孔123a、123bを有する。これら複数の貫通孔123a、123bは、ボトム2に載置されるマットレスの底面の通気をよくする通気孔として機能し得る。
【0110】
第1の貫通孔123aは、要素ボトムの第1方向に沿って複数形成される。要素ボトムにセンサ装置5を取り付けたとき、第1の貫通孔123aの内側に梃子カバー52の凸部56が収容され得る。
【0111】
第2の貫通孔123bは、センサ装置5を要素ボトムに取り付けるための固定具を挿通する。
【0112】
例えば、センサ装置5は、要素ボトムの下方であって、梃子カバー52の複数の凸部56が、複数の第1の貫通孔123aからそれぞれ上方に表出され、4つの腕53の雌ネジ穴が、4つの第2の貫通孔123bからそれぞれ上方に表出される位置に配置され、そして、2枚の固定板54の貫通孔54aがそれぞれ、第2の貫通孔123bの上にそれぞれ配置され、これにより各固定ねじ(図示せず)により、各固定板54と各腕53とが要素ボトムに固定されて、センサ装置5が要素ボトムに、吊り下がる形で強固に固定される。
【0113】
上述した構成及び図に示す要素ボトムの形状は、一例である。例えば、要素ボトムに形成された第1の貫通孔123a及び第2の貫通孔123bは、センサ装置5の形状に合わせて、金属性の平板タイプの要素ボトムを加工するようにしてもよいし、要素ボトムに予め設けられている穴の形状に合わせてセンサ装置5を形成してもよい。なお、ここでは腰ボトム123の例を図示して説明したが、他の要素ボトムについても同様である。
【0114】
図14は、要素ボトムの第2の変形例を示す図である。本例の背ボトム、腰ボトム、膝ボトム、及び足ボトム等の要素ボトムの各々は、例えば樹脂製の平板タイプの構造をもつ。
【0115】
図14(A)は、要素ボトム(図示例は腰ボトム323、以下同様)の概略を示す図であり、
図14(B)は、センサ装置5が取り付けられた要素ボトムの例を示す図である。各要素ボトムは、複数の貫通孔323a、323bを有する。複数の貫通孔323a、323bは、各要素ボトムをその上面から下面へとその厚み方向に貫通する貫通孔として機能する。例えば、複数の貫通孔323a、323bは、ボトムに載置されるマットレスの通気をよくするために、各要素ボトムに予め形成されている通気孔であってもよい。
【0116】
本例は、各要素ボトムの構成は第1の変形例と同様であるが、樹脂製である点で異なる。本例のように樹脂製の要素ボトムは、金属製のものに比べて、貫通孔等の成形が簡易で、また他部材との接触音を低減させることができる。
【0117】
図15は、要素ボトムの第3の変形例を示す図である。本例の背ボトム、腰ボトム、膝ボトム、及び足ボトム等の要素ボトムの各々は、第1の変形例(
図13)と同様に、金属製の平板タイプの構造をもつ。本例の要素ボトム(図示例は腰ボトム223、以下同様)は、各センサ装置5を取り付けるための構成(具体的には、第1の貫通孔223a及び第2の貫通孔223bの構成)については第1の変形例と同様であるが、センサ装置5の位置を可変できる点で、第1の変形例と異なる。
【0118】
図15(A)は、要素ボトムの概略を示す図であり、
図15(B)、(C)、(D)は、センサ装置5が取り付けられた要素ボトムの例を示す図である。以下、図面を参照し説明する。
【0119】
本例の要素ボトムは、第1方向に沿って第1の貫通孔223a及び第2の貫通孔223bの数を第2の変形例よりも増やして設けている。これにより、例えば、
図15(B)及び(D)に示すように、センサ装置5の位置をベッド1の幅方向に可変可能にできる。
【0120】
また、要素ボトムは、各センサ装置5に対応する、第1の貫通孔223a及び第2の貫通孔223bのセットを、第2方向に沿って複数設けている。これにより、例えば、
図15(C)及び(D)に示すように、センサ装置5の位置をベッド1の長さ方向に可変可能にできる。
【0121】
図16は、要素ボトムの第4の変形例を示す図である。本例の背ボトム、腰ボトム、膝ボトム、及び足ボトム等の要素ボトムの各々は、第3の変形例(
図15)と同様に、樹脂製の平板タイプの構造をもつ。本例の要素ボトム(図示例は腰ボトム423、以下同様)は、各センサ装置5を取り付けるための構成(具体的には、第1の貫通孔423a及び第2の貫通孔423bの構成)については第2の変形例と同様であるが、センサ装置5の位置を可変できる点で、第2の変形例と異なる。
【0122】
図16(A)は、要素ボトムの概略を示す図であり、
図16(B)、(C)、(D)は、センサ装置5が取り付けられた要素ボトムの例を示す図である。以下、図面を参照し説明する。
【0123】
本例の要素ボトムは、第1方向に沿って第1の貫通孔423a及び第2の貫通孔423bの数を第2の変形例よりも増やして設けている。これにより、例えば、
図16(B)及び(D)に示すように、センサ装置5の位置をベッド1の幅方向に可変可能にできる。
【0124】
また、要素ボトムは、各センサ装置5に対応する、第1の貫通孔423a及び第2の貫通孔423bのセットを、第2方向に沿って複数設けている。これにより、例えば、
図16(C)及び(D)に示すように、センサ装置5の位置をベッド1の長さ方向に可変可能にできる。
【0125】
以上説明した実施形態は、説明のための単なる例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施形態とは違うさまざまな形態で、実施することができる。
【符号の説明】
【0126】
1:ベッド、2:ボトム、4:ユーザ検出システム、5:センサ装置、6:監視制御装置、7:ボトム駆動システム、9:ナースコールシステム、11:ベースフレーム、12:センターフレーム、13:ヘッドフレーム、14:フットフレーム、15:キャスター、16:昇降機構、21:背ボトム、21A:上位背ボトム、21B:下位背ボトム、21C:背曲げヒンジ、23:腰ボトム、24:背上げヒンジ、25:膝ボトム、26:膝曲げヒンジ、27:足ボトム、28:膝上げヒンジ、31:外フレーム、33A:縦ワイヤ,33B:横ワイヤ、35:貫通孔、51:支持体、51a:底壁、51b:側壁、51c:天部、52:梃子カバー、52a:天壁、52b:側壁、52c:底部、53:腕、54:固定板、54a:貫通孔、56:凸部、57:溝、58:支持ロッド、58a:下端部、71:感圧センサ、72:クッション材、73:コイルバネ、90:携帯通信端末、91:子機、92:親機、123:腰ボトム、123a:第1の貫通孔、123b:第2の貫通孔、153:腕、153a:係止孔、154:固定板、155:係止突起、155a:先端部、155b:傾斜面、223:腰ボトム、223a:第1の貫通孔、223b:第2の貫通孔、323:腰ボトム、323a:第1の貫通孔、323b:第2の貫通孔、423:腰ボトム、423a:第1の貫通孔、423b:第2の貫通孔