(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007332
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】配線基板、パッケージおよび圧電デバイス
(51)【国際特許分類】
H03H 9/10 20060101AFI20250109BHJP
H01L 23/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H03H9/10
H01L23/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108644
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】松元 佑弥
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108BB02
5J108CC04
5J108EE03
5J108EE18
5J108GG03
5J108GG15
5J108GG16
(57)【要約】
【課題】様々な大きさの素子を収容可能なパッケージにおける接続信頼性の確保およびさらなる小型化を図る。
【解決手段】配線基板は、第1面を有する基部と、第1面に位置し、複数の段面を有する少なくとも1つの階段部と、素子の別々の端子に接続される、複数の接続電極と、を備える。複数の接続電極は、それぞれ、複数の段面に位置する第1部と、複数の第1部同士を繋ぐ第2部とを有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する基部と、
前記第1面に位置し、複数の段面を有する少なくとも1つの階段部と、
素子の別々の端子に接続される、複数の接続電極と、を備え、
前記複数の接続電極は、それぞれ、前記複数の段面に位置する第1部と、複数の前記第1部同士を繋ぐ第2部とを有している、配線基板。
【請求項2】
複数の階段部を備え、
前記複数の階段部は、互いに同じ高さの段面を有するとともに、互いに離隔して位置しており、
前記複数の接続電極は、それぞれ別の前記階段部に位置している、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記複数の接続電極は、1つの前記階段部に並んで位置している、請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記階段部と対向して位置する少なくとも1つの枕部をさらに備え、
前記枕部は、前記階段部の前記段面の高さに対応する枕部段面を有している、請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記複数の段面のうち、少なくとも1つの段面は、平面視においてL字形状を有している、請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
平面視において、前記第1部は、前記複数の段面の配置方向に直交する長さが、前記基部の中心に向かうほど短くなっている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項7】
前記接続電極は、前記第1面に位置するとともに前記第2部と繋がる第3部を有している、請求項1に記載の配線基板。
【請求項8】
前記第1部上面と、前記第1部が位置していない部分における前記段面とは面一である、請求項1に記載の配線基板。
【請求項9】
前記第1面に、前記素子が搭載される搭載領域および前記階段部を囲んで位置する枠部を備える、請求項1に記載の配線基板。
【請求項10】
前記枠部と、前記複数の段面のうち、前記階段部の最上段の段面に位置する前記第1部とは、平面視において離隔している、請求項9に記載の配線基板。
【請求項11】
前記階段部は、前記枠部と接続されている、請求項9に記載の配線基板。
【請求項12】
前記階段部と、前記枠部との間に位置する凹部を有する、請求項11に記載の配線基板。
【請求項13】
前記第1面の反対側の第2面に位置する外部電極と、
前記階段部および前記基部を貫通する貫通導体とを備え、
前記貫通導体は、前記複数の段面のうち最下の段面に位置する前記第1部と、前記外部電極とを接続する、請求項1に記載の配線基板。
【請求項14】
前記第1面の反対側の第2面に位置する外部電極と、
前記階段部および前記基部を貫通する貫通導体とを備え、
前記貫通導体は、前記複数の段面のうち最上の段面に位置する前記第1部と、前記外部電極とを接続する、請求項1に記載の配線基板。
【請求項15】
前記第1面の反対側の第2面に位置する外部電極と、
前記基部を貫通する貫通導体とを備え、
前記貫通導体は、前記第3部と、前記外部電極とを接続する、請求項7に記載の配線基板。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の配線基板と、蓋体とを備える、パッケージ。
【請求項17】
請求項16に記載のパッケージと、圧電振動素子と、を備える、圧電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は配線基板、パッケージおよび圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術文献1には、パッケージ内部に段差を設け、種々の大きさの圧電振動子の電極を接続することができる圧電振動子収納用パッケージが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、様々な大きさの素子を収容するパッケージにおいて、接続信頼性を確保しつつ、より一層小型化することが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る配線基板は、第1面を有する基部と、前記第1面に位置し、複数の段面を有する少なくとも1つの階段部と、素子の別々の端子に接続される、複数の接続電極と、を備え、前記複数の接続電極は、それぞれ、前記複数の段面に位置する第1部と、複数の前記第1部同士を繋ぐ第2部とを有している。
【0006】
本開示の一態様に係るパッケージは、上記配線基板と、蓋体とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る圧電デバイスは、上記パッケージと、圧電振動素子とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様は、様々な大きさの素子を収容可能なパッケージにおいて、接続信頼性を確保しつつ、さらなる小型化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態1に係るパッケージの分解斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態1に係る配線基板の上面図である。
【
図3】本開示の実施形態1に係る圧電デバイスの断面図である。
【
図9】実施形態4に係る圧電デバイスの断面図である。
【
図10】実施形態5に係る配線基板の斜視図である。
【
図11】実施形態5に係る配線基板の上面図である。
【
図12】実施形態6に係る配線基板の斜視図である。
【
図13】実施形態6に係る配線基板の上面図である。
【
図14】実施形態6に係る圧電デバイスの断面図である。
【
図15】実施形態7に係る配線基板の斜視図である。
【
図16】実施形態7に係る配線基板の上面図および断面図である。
【
図17】実施形態8に係る配線基板の斜視図である。
【
図18】実施形態8に係る配線基板の上面図および断面図である。
【
図19】実施形態9に係る配線基板の斜視図である。
【
図20】実施形態9に係る配線基板の上面図および断面図である。
【
図21】実施形態9に係る配線基板の別の態様の配線基板の断面図である。
【
図22】実施形態10に係る配線基板の斜視図である。
【
図23】実施形態10に係る配線基板の上面図および断面図である。
【
図24】実施形態11に係る配線基板の斜視図である。
【
図25】実施形態11に係る配線基板の上面図および断面図である。
【
図26】実施形態12に係る配線基板の斜視図である。
【
図27】実施形態12に係る配線基板の上面図および断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
本開示の第1の実施形態に係る配線基板、パッケージおよび圧電デバイスについて添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に配線基板、パッケージおよび圧電デバイスが使用されるときの上下を限定するものではない。本明細書では、配線基板100において、圧電振動素子400が搭載される側の面を上面と定義する。また、図面中、Z軸方向正方向を上方向とする。X軸方向は、配線基板100の長軸方向であり、Y軸は、X軸およびZ軸と垂直に交わる軸である。
【0012】
図1は、本開示の例示的なパッケージ300の分解斜視図である。
図2は、本開示の例示的な配線基板100の上面図である。
図3は、本開示の例示的な圧電デバイス500の断面図である。
図3は、
図2に示す配線基板100のIII-III線矢視断面に、圧電振動素子400および蓋体200を加えた断面図である。
【0013】
圧電デバイス500は、パッケージ300と、圧電振動素子400とを備える。パッケージ300は、配線基板100と、蓋体200とを備える。
【0014】
配線基板100は、基部110と、階段部120と、枕部130と、枠部140と、配線基板100の表面および内部に位置する配線導体とを有する。
【0015】
基部110は、第1面111と、第1面111の反対に位置する第2面112とを有する平板状の絶縁体であってよい。階段部120は、第1面111に位置し、複数の段面121および複数の段側面122を有する階段状の絶縁体であってよい。段側面122は、段面121と段面121、または段面121と第1面111とを繋ぐ面である。枕部130は、第1面111において、階段部120と対向して位置する階段状の絶縁体であってよい。枕部130は、階段部120の各段面121に対応する複数の枕部段面131を有している。枕部段面131の高さは、対応する段面121の高さと略同じ高さを有していてもよい。あるいは、枕部段面131の高さは、対応する段面121に位置する接続電極150(後述)の上面と略同じ高さを有していてもよい。さらには、枕部段面131の高さは、接続電極150と接合材410の厚みを加えた高さであってもよい。
【0016】
階段部120および枕部130は、基部110と一体となっていてもよい。つまり、基部110は、第1面111から突出した階段部120と、同じく第1面111から突出した枕部130とを有していてもよい。
【0017】
枠部140は、第1面111に、搭載領域180、階段部120および枕部130を囲んで位置している。配線基板100が枠部140を備えることにより、蓋体200のない状態において、素子などを保護することができる。枠部140もまた、基部110と一体となっていてもよい。平面視において、枠部140の外縁は、基部110の外縁と重なっていてもよい。
【0018】
図2に示す一点鎖線は、3種類の大きさの異なる圧電振動素子400を配線基板100に配置したときの、各圧電振動素子400の外縁を仮想線として示したものである。配線基板100の搭載領域180は、配線基板100において、平面視したときに、圧電振動素子400と重なる領域であってよい。すなわち、
図2において一点鎖線で示される領域であってよい。あるいは、搭載領域180は、圧電振動素子400を配置する際に用いる、アライメントマーク(図示せず)同士を結ぶ仮想線で囲まれた領域であってよい。搭載領域180は、搭載される圧電振動素子400の大きさに応じて規定され得る。
【0019】
基部110、階段部120、枕部130、および枠部140は、絶縁性の無機材料から構成されていてもよい。絶縁性の無機材料は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスを含む。基部110、階段部120、枕部130、および枠部140は、一体形成されていてもよいし、積層された複数の絶縁層または1つの絶縁層から構成されていてもよい。
【0020】
配線基板100が備える配線導体は、接続電極150と、第1貫通導体171Aと、第2貫通導体171Bと、外部電極172と、枠状メタライズ層173と、を含む。
【0021】
接続電極150は、圧電振動素子400の端子と電気的に接続される電極である。添付の各図面において、平面図および斜視図では、接続電極150にドットハッチングを付している。接続電極150は、それぞれ、階段部120の段面121に位置する第1部151と、複数の第1部151同士を繋ぐ第2部152と、第1面111に位置するとともに第2部152と繋がる第3部153とを有している。接続電極150が第3部を有する場合、第2部152は第1部151と第3部153とを繋ぐ部分であってもよい。第2部152は、階段部120の段側面122に位置する部分であると定義してもよい。接続電極150は、それぞれ、一連の帯形状を有しており、階段部120の最上に位置する段面121から、第1面111にかけて延在している。
【0022】
配線基板100が第3部153を有することにより、第1面111にも圧電振動素子400を搭載することができ、より低背化が可能となる。また、
図3に示すように、接続電極150の第3部153の上面は、第1面111と同じ高さであってよい。第3部153の上面が第1面111と同じ高さであることにより、より低背化が可能となる。第3部153の表面は、他の露出導体と同様に、ニッケルおよび/または金によるめっき層で覆われていてもよい。この場合、当該めっき層の厚み分、第1面111から突出していてもよい。めっき層についての詳細は後述する。
【0023】
外部電極172は、第1外部電極172Aおよび第2外部電極172Bを含む。第1外部電極172Aおよび第2外部電極172Bはそれぞれ、基部110の第2面112に位置する。第1外部電極172Aは、接続電極150と電気的に接続される電極である。接続電極150の数と、第1外部電極172Aの数は同じであってよく、各接続電極150は、それぞれ別の第1外部電極172Aに接続され得る。第2外部電極172Bは、蓋体200と電気的に接続される電極である。第1外部電極172Aおよび第2外部電極172Bはそれぞれ、第2面112の対角線に沿って位置していてもよい。第1外部電極172Aおよび第2外部電極172Bは、基部110の第2面112から側面(側面間の角も含む)に延在していてもよい。
【0024】
第1外部電極172Aおよび第2外部電極172Bはいずれも基部110の第2面112に位置しているため、パッケージ300および圧電デバイス500は、実装基板上に表面実装可能である。
【0025】
第1貫通導体171Aは、基部110および必要に応じて階段部120を貫通し、接続電極150と第1外部電極172Aとを接続する配線である。第2貫通導体171Bは、枠部140および基部110を貫通し、枠状メタライズ層173と第2外部電極172Bとを接続する配線である。配線基板100において、第1貫通導体171Aは、最上の段面121に位置する第1部151と、第1外部電極172Aとを接続している。最上の段面121は、搭載可能な圧電振動素子400のうち、大きいサイズの素子を搭載するため、平面視における面積を、他の段面121よりも大きく設計してもよい。この場合、第1貫通導体171Aを、面積の大きい、最上の段面121に位置する第1部151に接続することにより、平面透視したときの第1部151に対する第1貫通導体171Aの大きさの比率が小さくなる。これにより、接続電極150において第1貫通導体171Aと重なる部分が盛り上がる、いわゆるビア凸の影響を低減することができる。
【0026】
枠状メタライズ層173は、枠部140の上面に位置する導体層である。枠状メタライズ層173は、金すず合金(AuSn)又は銀ろうなどの封止材(図示せず)を用いて蓋体200と接合される。
【0027】
枠状メタライズ層173、接続電極150の露出面及び外部電極172の露出面などは、ニッケル及び/又は金によるめっき層で覆われていてもよい。例えば、露出面にニッケルめっきが1~20μmの厚みで施され、このニッケルめっき層上に金めっきが0.1~3.0μmの厚みで施されてもよい。これにより、配線導体表面の酸化腐食の可能性を低減することができる。また、枠状メタライズ層173と金属導体である蓋体200との接続を容易かつ強固なものとすることができる。
【0028】
蓋体200は、導体金属からなり、枠状メタライズ層173に対して接合されることにより、パッケージ300を気密封止する。蓋体200は、接地されていてもよい。より具体的には、
図8に示されるように、枠状メタライズ層173は、第2貫通導体171Bを介して配線基板100の第2外部電極172Bに接続される。第2外部電極172Bが接地されることで、蓋体200は接地電位を得ることができる。蓋体200が接地されることでパッケージ300内への外部ノイズの伝搬を低減することができる。
【0029】
実施形態1において、配線基板100は、2つの階段部120と、1つの枕部130と、2つの接続電極150とを備える。2つの階段部120は、互いに同じ高さの段面121を有しており、配線基板100の一辺に沿って配されている。また、2つの階段部120は、枠部140から離れた位置に互いに離隔して配置されている。枕部130は、階段部120と対向する位置に枠部140と隣接して配置されている。枕部130は、枠部140と一体となっていてもよい。
【0030】
2つの接続電極150は、それぞれ圧電振動素子400の別々の端子に接続される。2つの接続電極150は、それぞれ別の階段部120に位置しており、平面視において階段部120全体を覆うとともに、第1面111の一部と重なっている。
【0031】
図2に示すように、圧電振動素子400は、その大きさに応じて、異なる段面121または第1面111に搭載され得る。
図3では、階段部120の2つの段面のうち、下方に位置する段面121に、接合材410を介して圧電振動素子400が搭載されている例を示している。接合材410は、導電性接合材である。接合材410は、例えば、銀などの導電性粒子が添加された樹脂であってよい。接合材410が熱硬化性のものである場合には、接合材410を予め接続電極150に塗布し、接続電極150(接合材410)に対して圧電振動素子400を位置決めして配置した状態で加熱する。これにより、圧電振動素子400が接合材410を介して接続電極150に接続される。
【0032】
配線基板100では、2つの階段部120が互いに離隔しているため、接合材410を介して接合される圧電振動素子400の電極同士が、接合材410を介して短絡する可能性を低減することができる。
【0033】
また、配線基板100では、枠部140と、階段部120の最上段の段面121に位置する第1部151とは、平面視において離隔している。これにより、上面視で、接続電極150の枠部140側の端部が視認できるため、画像処理等で素子を配置するときのアライメントマークとして利用しやすい。また、接合材410が枠部140の内壁を伝って這い上がり、封止面まで到達することによって封止性が悪化する可能性を低減できる。
【0034】
以上のように、本開示に係る配線基板100は、第1面111を有する基部110と、第1面111に位置し、複数の段面121を有する少なくとも1つの階段部120と、圧電振動素子400の別々の端子に接続される、複数の接続電極150と、を備える。複数の接続電極150は、それぞれ、複数の段面121に位置する第1部151と、複数の第1部151同士を繋ぐ第2部152とを有している。
【0035】
階段部120を有することにより、様々な大きさの圧電振動素子400を搭載する際に、平面方向および上下方向において、適切な位置に搭載することができる。
【0036】
また、接続電極150の第2部152が階段部の段側面122にも位置しているため、接合材410を用いて接続電極150と圧電振動素子400とを接合したときに、段側面122においても導通可能となる。そのため、平面方向に延びる接続電極150の面積を小さくすることができ、接続信頼性を確保しつつ、さらなる小型化を実現できる。
【0037】
また、様々な大きさの圧電振動素子400それぞれに対応して、分離した複数の接続電極を有する構成(第1部151のみの構成)では、各接続電極と外部電極とを接続する内部配線を設ける必要がある。しかしながら、配線基板100は、様々な大きさの素子と接続する接続電極150が一連となっているため、1つの貫通導体によって外部電極に接続できる。これにより、内部配線を簡略化でき、接続電極150の平坦度が向上するとともに、基板の強度が向上する。また、内部配線の簡略化により、配線間の間隔を確保しやすいため、絶縁性を維持しつつ、より小型化・薄型化できる。
【0038】
また、配線基板100は、階段部120の段面121の高さに対応する枕部段面131を有する枕部130を備えている。これにより、様々な大きさの圧電振動素子400を正しい姿勢に固定することができる。また、圧電デバイス500において、様々な大きさの圧電振動素子400それぞれに対して枕部130が適切な高さ位置にあることにより、圧電デバイス500に衝撃が加わったときに、圧電振動素子400が破損する可能性を低減することができる。
【0039】
実施形態1では、配線基板100が枠部140を備える例を示したが、配線基板100は、枠部140を備えていなくてもよい。この場合、蓋体200が、階段部120および圧電振動素子400を収容可能な凹部を有するキャップ形状を有していてもよい。キャップ形状を有する蓋体200は、配線基板100の第1面111に設けられる枠状メタライズ層173に封止材を介して接続され得る。
【0040】
(配線基板の製造方法)
次に、配線基板100の製造方法の一例について説明する。
【0041】
まず、基部110、階段部120、枕部130、および枠部140となるセラミックグリーンシートに貫通孔が設けられて導体が注入され、第1貫通導体171Aおよび第2貫通導体171Bが形成される。
【0042】
そして、セラミックグリーンシートの上面における接続電極150および枠状メタライズ層173の位置に、マスクを用いてメタライズペーストが塗布される。セラミックグリーンシートの下面側には、マスクを用いて外部電極172の各位置にメタライズペーストが塗布される。また、セラミックグリーンシートの下面側には、さらに、外部電極172同士を接続する配線を含む内部配線の位置に、メタライズペーストが塗布される。さらに、セラミックグリーンシートの下面側には、外部電極172同士を接続する内部配線を覆うセラミックペーストが塗布される。メタライズペーストの塗布およびセラミックペーストの塗布は、例えばスクリーン印刷によって行われる。
【0043】
両面にメタライズペーストが塗布されたセラミックグリーンシートが平板上に載置され、階段部120、枕部130、および枠部140および接続電極150に対応した形状の凹凸を有する加圧治具により上面側から加圧される。これにより、階段部120、枕部130、枠部140、および階段部120に位置する接続電極150が形成される。
【0044】
また、セラミックグリーンシートの下面側ではメタライズペースト及びセラミックペーストが平面形状となり、内部配線を介して接続された外部電極172が形成される。続いて1300~1600℃の温度で焼成処理を行うことにより、配線基板100が得られる。その後必要に応じてめっき処理、圧電振動素子400の取り付け、蓋体200の接合などがなされることにより、圧電デバイス500が得られる。
【0045】
上述のように、加圧治具を用いて形成する場合、枠状メタライズ層173と、第2外部電極172Bとを接続する配線として、
図23の断面図に示すような、板状導体1711を含む配線導体171Cを形成することができる。板状導体1711は、枠部140内に位置している。板状導体1711は、階段部120または枕部130内に位置していてもよい。板状導体1711は、基部110内に位置する、貫通導体1712などの内部配線と接続されてもよい。換言すると、配線導体171Cは、板状導体1711と貫通導体1712とを含んでいてもよい。
【0046】
板状導体1711は、セラミックグリーンシートに、板状導体1711となるメタライズペースト(導体層)を塗布し、当該導体層上にセラミックペーストを塗布した後、加圧治具によって加圧することにより、形成され得る。板状導体1711は、薄く形成できるため、枠部140の厚みを薄くすることができ、より小型化できる。
【0047】
さらに加圧治具を用いて形成する場合、
図23の断面図に示すように、枕部130の凹角を丸く形成してもよい。これにより、角を起点としたクラックが生じる可能性を低減できる。凹角を丸くする形成は、加圧治具の形状を変更することにより容易に可能である。
【0048】
あるいは、配線基板100は、適切な位置に貫通孔を有する複数のセラミックグリーンシートの積層、導体の注入、メタライズペーストの塗布を行った後、1300~1600℃の温度で焼成することによって作製してもよい。
【0049】
〔実施形態2〕
本開示の第2の実施形態について、以下に説明する。説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以下に示す他の実施形態についても同様である。
【0050】
図4は、実施形態2に係る配線基板100Aの斜視図である。
図5の符号5001で示す図は、
図4のV-V線矢視断面に、圧電振動素子400を加えた断面図である。
図5の符号5002で示す図は、配線基板100Aの別の実施態様である配線基板100A2および圧電振動素子400の断面図である。
【0051】
配線基板100Aおよび配線基板100A2は、階段部120Aおよび階段部120A2全体が導体金属によって構成されている点が実施形態1の配線基板100と異なる。他の点は実施形態1の配線基板100と同じである。
【0052】
図5の符号5001に示す配線基板100Aは、導体金属によって構成される階段部120Aを有している。この場合、階段部120Aの段面121および段側面122の表面が、接続電極150Aの第1部151および第2部152である。接続電極150の第3部153Aは、階段部120Aと接続されている。第3部153Aの上面は、第1面111と面一である。
【0053】
階段部120Aが導体金属によって構成されることにより、圧電振動素子400と外部電極172との接続において導通抵抗を小さくすることができる。より詳細には、階段部120Aが一体形成された導体金属であるため、階段部120Aのどの段面に圧電振動素子400が接続されても、導通経路の断面積を大きくすることができる。これにより、導通抵抗が小さい状態で圧電振動素子400と外部電極172とを接続できる。
【0054】
図5の符号5002に示す配線基板100A2もまた、導体金属によって構成される階段部120Aを有している。階段部120A2の段面121および段側面122の表面が、接続電極150Aの第1部151および第2部152である。階段部120A2は、3つの段面121を有している。階段部120A2の少なくとも一部は、基部110に設けられた凹部内に位置しており、3つの段面121のうち、最下の段面121は、基部110の第1面111と面一である。
【0055】
配線基板100A2において、第1貫通導体171Aは、最下の段面121に位置する第1部151と、第1外部電極172Aとを接続している。最下の段面121は、配線基板100A2において、配線基板100A2の外縁から離れた位置にある。圧電デバイスの製造における蓋体の接合時、または圧電デバイスの実装時には、配線基板100A2の角部に大きな熱応力が加わる。大きな応力の加わる角部から離れた位置に第1貫通導体171Aが位置することにより、応力による貫通導体起点のクラックが発生する可能性が低減される。これにより、第1貫通導体171Aと接続電極150、および第1貫通導体171Aと第1外部電極172Aとの接続信頼性が向上する。
【0056】
〔実施形態3〕
本開示の第3の実施形態について、以下に説明する。
図6は、実施形態3に係る配線基板100Bの上面図である。
【0057】
配線基板100Bは、2つの階段部120と、2つの枕部130とを備えている。配線基板100Bの2つの階段部120は、互いに同じ高さの段面121を有するとともに、配線基板100Bの第1面111の対角線に沿って位置している。枕部130は、それぞれの階段部120と対向して位置している。他の点は実施形態1の配線基板100と同じ構成である。
【0058】
当該構成により、対角線に沿って端子を有するタイプの素子を搭載し得る基板を実現できる。
【0059】
〔実施形態4〕
本開示の第4の実施形態について、以下に説明する。
図7は、実施形態4に係る配線基板100Cの斜視図である。
図8は、配線基板100Cの上面図である。
図9は、圧電デバイス500Cの断面図である。
図9は、
図8に示す配線基板100CのIX-IX線矢視断面に、圧電振動素子400および蓋体200を加えた断面図である。
【0060】
配線基板100Cは、階段部120Cおよび接続電極150Cを有している。圧電デバイス500Cは、配線基板100Cと、圧電振動素子400と、蓋体200とを備える。
【0061】
配線基板100Cの平面視において、接続電極150Cの第1部151は、複数の段面121の配置方向に直交する長さが、配線基板100Cの中心に向かうほど短くなっている。さらに、接続電極150Cの第3部153の上記長さは、最下の段面121に位置する第1部151の上記長さよりも短い。当該構成により、各段面121における接続電極150Cの面積を、搭載する素子の大きさに合わせることができ、接続電極150Cにおける、接合材410との導通に寄与しない不要な金属部分の面積を低減することができる。
【0062】
平面視において、各接続電極150Cにおける、別の接続電極150Cと対向する辺は直線形状であり、該辺の反対側は、階段形状を有している。このような階段形状を有することにより、例えば、第1部151の外側の角部を、画像処理等で圧電振動素子400を配置するときのアライメントマークとして利用することができる。
【0063】
配線基板100Cの階段部120Cは、その外縁が、平面視において接続電極150Cと重なる形状を有しているが、実施形態1の階段部120の上に、実施形態4の接続電極150Cが位置していてもよい。当該構成であっても、上述した効果を得ることができる。階段部120Cの外縁が、平面視において接続電極150Cと重なる形状を有していることにより、画像処理等で圧電振動素子400を配置するときのアライメントマークとして利用するときの視認性がさらに向上する。
【0064】
また、配線基板100Cにおいて、第1貫通導体171Aは、第3部153と、第1外部電極172Aとを接続している。第3部153は、配線基板100Cにおいて、配線基板100Cの外縁から離れた位置にある。圧電デバイス500Cの製造における蓋体200の接合時、または圧電デバイス500Cの実装時には、配線基板100Cの角部に大きな熱応力が加わる。大きな応力の加わる角部から離れた位置に第1貫通導体171Aが位置することにより、応力による貫通導体起点のクラックが発生する可能性が低減される。これにより、第1貫通導体171Aと接続電極150、および第1貫通導体171Aと第1外部電極172Aとの接続信頼性が向上する。
【0065】
〔実施形態5〕
本開示の第5の実施形態について、以下に説明する。
図10は、実施形態5に係る配線基板100Dの斜視図である。
図11は、配線基板100Dの上面図である。
【0066】
配線基板100Dは、階段部120Dおよび接続電極150Dを有している。配線基板100Dの平面視において、接続電極150Dの第1部151は、複数の段面121の配置方向に直交する長さが、配線基板100Dの中心に向かうほど短くなっている。さらに、接続電極150Dの第3部153の上記長さは、最下の段面121に位置する第1部151の上記長さよりも短い。当該構成により、各段面121における接続電極150Dの面積を、搭載する素子の大きさに合わせることができ、接続電極150Dにおける、接合材410との導通に寄与しない不要な金属部分を低減することができる。
【0067】
平面視において、各接続電極150Dにおける、別の接続電極150Dと対向する辺および該辺の反対側の辺は、いずれも階段形状を有している。このような階段形状を有することにより、例えば、第1部151の外側の角部を、画像処理等で圧電振動素子400を配置するときのアライメントマークとして利用することができる。
【0068】
また、実施形態4と比較して、階段部120上に位置する接続導体間の距離が大きくなる。これにより、接合材410が階段部120間に流れ出した場合の、接続導体間の短絡の可能性を低減できる。
【0069】
〔実施形態6〕
本開示の第6の実施形態について、以下に説明する。
図12は、実施形態6に係る配線基板100Eの斜視図である。
図13は、配線基板100Eの上面図である。
図14は、圧電デバイス500Eの断面図である。
図14は、
図13に示す配線基板100EのXIV-XIV線矢視断面に、圧電振動素子400および蓋体200を加えた断面図である。
【0070】
配線基板100Eの平面視において、接続電極150の第1部151は、階段部120の段面121よりも小さい。換言すると、階段部120の段面121の外縁部は露出している。また、
図14に示されるように、第1部151の上面と、第1部151が位置していない部分における段面121とは面一である。さらに、第3部153の上面と、第1面111とは面一である。
【0071】
当該構成により接続電極150の外縁が階段部120または基部110によって保護されるため、接続電極150が剥離する可能性を低減できる。また、更なる薄型化が可能となる。
【0072】
〔実施形態7〕
本開示の第7の実施形態について、以下に説明する。
図15は、実施形態7に係る配線基板100Fの斜視図である。
図16は、配線基板100Fの上面図および断面図である。
【0073】
配線基板100Fは、1つの階段部120と、1つの枕部130と、2つの接続電極150とを備える。配線基板100Fにおいて、2つの接続電極150は、1つの階段部120に位置している。階段部120は、枠部140と接続されている。枕部130もまた、枠部140と接続されている。
【0074】
階段部120と枕部130とがそれぞれ1つであり、対向して配置されるため、配線基板100Fにおける基板厚みの熱い部分の配置バランスが良く、応力による歪みが小さくなる。配線基板100Fは、階段部120および枠部140のどちらも枠部140と接続されているが、枠部140と接続されていなくても当該応力による歪み低減の効果を得ることができる。
【0075】
階段部120および/または枕部130が枠部140と接続されていることにより、配線基板100Fの強度をより向上させることができる。階段部120または枕部130は、実施形態の配線基板100における枕部130のように、枠部140の短辺にのみ接続していてもよい。実施形態7の配線基板100Fのように、階段部120または枕部130が、枠部140短辺および長辺の両方に接続していることにより、基板強度はより向上する。
【0076】
また、実施形態1の配線基板100のように、階段部120が2つの場合においても、2つの階段部120のそれぞれが枠部140と接続されていてもよい。2つの階段部120それぞれが、枠部140の短辺または長辺のいずれかにのみ接続していてもよいし、短辺と長辺の両方に接続していてもよい。階段部120が、枠部140短辺および長辺の両方に接続していることにより、基板強度はより向上する。
【0077】
さらに、階段部120の各段面121および第1面111において、2つの接続電極150間に凹部を有していてもよい。共通の階段部120に複数の接続電極150が位置する場合に、接続電極150間に凹部を有することにより、素子の接合に用いる接合材410を介して電極同士が短絡する可能性を低減できる。また、当該凹部を、深さが第1面111まで到達し、X軸方向の長さを階段部の長さまたはそれ以上に形成することにより、枠部140短辺および長辺の両方に接続する階段部120の形状を実現してもよい。
【0078】
〔実施形態8〕
本開示の第8の実施形態について、以下に説明する。
図17は、実施形態8に係る配線基板100Gの斜視図である。
図18は、配線基板100Gの上面図および断面図である。
【0079】
配線基板100Gは、1つの階段部120と、1つの枕部130と、2つの接続電極150とを備える。階段部120は、枠部140と接続されている。枕部130もまた、枠部140と接続されている。配線基板100Gは、階段部120と枠部140との間に凹部190を有している。
【0080】
図17および
図18に示す例では、階段部120と枠部140との接続部分全体にわたって凹部190が形成されているが、当該例に限定されない。凹部190は、少なくとも各接続電極150と、枠部140との間に位置していればよい。例えば、配線基板100Gは、
図22および
図23に示す配線基板100Iのように、2つの凹部190を備え、それぞれの凹部190が、各接続電極150と枠部140との間に位置していてもよい。あるいは、凹部190が、上面視において枠部140の長辺側にも延伸していてもよい。
【0081】
図17および
図18に示す例では、凹部190の底部が第1面111と略同じであるが、当該例に限定されず、凹部190の深さは、
図22および
図23に示す配線基板100Iのように、
図17および
図18に示す例よりも浅くてもよい。
【0082】
凹部190を有することにより、圧電振動素子400を搭載するときに用いられる接合材410が枠部140の内壁を伝って這い上がり、封止面まで到達することによって封止性が悪化する可能性を低減できる。凹部190が枠部140の長辺側にも延伸している場合には、枠部140の長辺側においても内壁を伝って接合材410が這い上がる可能性を低減できる。
【0083】
さらに、階段部120の各段面121および第1面111において、2つの接続電極150間に凹部を有していてもよい。共通の階段部120に複数の接続電極150が位置する場合に、接続電極150間に凹部を有することにより、素子の接合に用いる接合材410を介して電極同士が短絡する可能性を低減できる。
【0084】
〔実施形態9〕
本開示の第9の実施形態について、以下に説明する。
図19は、実施形態9に係る配線基板100Hの斜視図である。
図20は、配線基板100Hの上面図および断面図である。
【0085】
配線基板100Hは、枠部140の内側に、枠部140よりも高さの低い第2枠部141を有している。配線基板100Hでは、第2枠部141の一部が、階段部120の一部および枕部130の一部を構成している。接続電極150は、第2枠部141の上面から、第1面111にかけて位置している。
【0086】
枠部140の内側に位置する枠部は1つに限定されず、配線基板100Hは、複数の枠部を有していてもよい。
図26に示す配線基板100Kのように、複数の枠部がそれぞれ階段部120の一部および枕部130の一部を構成していてもよい。
【0087】
当該構成により、実施形態8の配線基板100Gよりもさらに強度を向上させることができる。
【0088】
図21は、配線基板100Hの別の態様の配線基板100HAの断面図である。配線基板100HAのように、接続電極150は、階段部120の上面および第1面111から突出していてもよい。この場合、枕部130の各枕部段面131の高さは、それぞれに対応する接続電極150の上面に対応した高さに設定されてもよい。
【0089】
〔実施形態10〕
本開示の第10の実施形態について、以下に説明する。
図22は、実施形態10に係る配線基板100Iの斜視図である。
図23は、配線基板100Iの上面図および断面図である。
【0090】
配線基板100Iは、実施形態9の配線基板100Hと、階段部120と枠部140との間に凹部190を有している点が異なっている。また、配線基板100Iは、2つの凹部190を備え、それぞれの凹部190が、各接続電極150と枠部140との間に位置している点において、実施形態8の配線基板100Gと異なっている。さらに、枠状メタライズ層173と、第2外部電極172Bとを接続する配線が、板状導体1711を含む配線導体171Cとなっている。
【0091】
凹部190を有することにより、圧電振動素子400を搭載するときに用いられる接合材410が枠部140の内壁を伝って這い上がり、封止面まで到達することによって封止性が悪化する可能性を低減できる。また、配線基板100Iのように、2つの凹部190を備える場合には、各接続電極150に配される接合材410同士が凹部内で合流することによる短絡の可能性を低減できる。
【0092】
凹部190の形状は、
図22および
図23に示される例に限定されず、各凹部190が、上面視において枠部140の長辺側にも延伸したL字形状を有していてもよい。当該構成により、枠部140の長辺側においても内壁を伝って接合材410が這い上がる可能性を低減できる。
【0093】
さらに、配線導体171Cが薄い板状導体1711を含むため、枠部140の厚みを薄くすることができ、より小型化できる。
【0094】
凹部190を有することにより、配線基板100Iは、基板強度を向上させつつ、圧電振動素子400を搭載するときに用いられる接合材410が枠部140の内壁を伝って這い上がり、接地電位の枠状メタライズ層173と短絡する可能性を低減できる。
【0095】
〔実施形態11〕
本開示の第11の実施形態について、以下に説明する。
図24は、実施形態11に係る配線基板100Jの斜視図である。
図25は、配線基板100Jの上面図および断面図である。
【0096】
配線基板100Jは、階段部120Jおよび接続電極150Jを有している。配線基板100Jの平面視において、階段部120の段面121は、L字形状を有している。
【0097】
階段部120Jの段面121がL字形状を有していることにより、1段上に位置する枠部の内壁が接合材410の流れを制限する堤として作用する。これにより、圧電振動素子400を接合するときの接合材410の拡がりを制限することができるとともに、接合強度を向上させることができる。また、L字形状の角部は、視認性が高いため、画像処理等で素子を配置するときのアライメントマークとして有利に用いることができる。
【0098】
〔実施形態12〕
本開示の第12の実施形態について、以下に説明する。
図26は、実施形態12に係る配線基板100Kの斜視図である。
図27は、配線基板100Kの上面図および断面図である。
【0099】
配線基板100Kは、枠部140の内側に第2枠部141および第3枠部142を有している。第2枠部141および第3枠部142の一部が、階段部120の一部および枕部130の一部を構成している。接続電極150は、第2枠部141の上面から、第1面111にかけて位置している。
【0100】
配線基板100Kの平面視において、接続電極150の第1部151は、第2枠部141の角部および第3枠部142の角部に位置しており、L字形状を有している。
【0101】
当該構成により、実施形態11の配線基板100Jと同様、圧電振動素子400を接合するときの接合材410の拡がりを制限することができるとともに、接合強度を向上させることができる。また、各枠部の角部は、視認性が高いため、画像処理等で素子を配置するときのアライメントマークとして有利に用いることができる。
【0102】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る配線基板は、第1面を有する基部と、前記第1面に位置し、複数の段面を有する少なくとも1つの階段部と、素子の別々の端子に接続される、複数の接続電極と、を備え、前記複数の接続電極は、それぞれ、前記複数の段面に位置する第1部と、複数の前記第1部同士を繋ぐ第2部とを有している。
【0103】
本開示の態様2に係る配線基板は、上記態様1において、複数の階段部を備え、前記複数の階段部は、互いに同じ高さの段面を有するとともに、互いに離隔して位置しており、前記複数の接続電極は、それぞれ別の前記階段部に位置している。
【0104】
本開示の態様3に係る配線基板は、上記態様1において、前記複数の接続電極は、1つの前記階段部に並んで位置している。
【0105】
本開示の態様4に係る配線基板は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記階段部と対向して位置する少なくとも1つの枕部をさらに備え、前記枕部は、前記階段部の前記段面の高さに対応する枕部段面を有している。
【0106】
本開示の態様5に係る配線基板は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記複数の段面のうち、少なくとも1つの段面が、平面視においてL字形状を有している。
【0107】
本開示の態様6に係る配線基板は、上記態様1から5のいずれかにおいて、平面視において、前記第1部は、前記複数の段面の配置方向に直交する長さが、前記基部の中心に向かうほど短くなっている。
【0108】
本開示の態様7に係る配線基板は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記接続電極は、前記第1面に位置するとともに前記第2部と繋がる第3部を有している。
【0109】
本開示の態様8に係る配線基板は、上記態様1から7のいずれかにおいて、前記第1部上面と、前記第1部が位置していない部分における前記段面とは面一である。
【0110】
本開示の態様9に係る配線基板は、上記態様1から8のいずれかにおいて、前記第1面に、前記素子が搭載される搭載領域および前記階段部を囲んで位置する枠部を備える。
【0111】
本開示の態様10に係る配線基板は、上記態様1から9のいずれかにおいて、前記枠部と、前記複数の段面のうち、前記階段部の最上段の断面に位置する前記第1部とは、平面視において離隔している。
【0112】
本開示の態様11に係る配線基板は、上記態様1から9のいずれかにおいて、前記階段部は、前記枠部と接続されている。
【0113】
本開示の態様12に係る配線基板は、本開示の態様11において、前記階段部と、前記枠部との間に位置する凹部を有する。
【0114】
本開示の態様13に係る配線基板は、上記態様1から12のいずれかにおいて、前記第1面の反対側の第2面に位置する外部電極と、前記階段部および前記基部を貫通する貫通導体とを備え、前記貫通導体は、前記複数の段面のうち最下の段面に位置する前記第1部と、前記外部電極とを接続する。
【0115】
本開示の態様14に係る配線基板は、上記態様1から12のいずれかにおいて、前記第1面の反対側の第2面に位置する外部電極と、前記階段部および前記基部を貫通する貫通導体とを備え、前記貫通導体は、前記複数の段面のうち最上の段面に位置する前記第1部と、前記外部電極とを接続する。
【0116】
本開示の態様15に係る配線基板は、上記態様7において、前記第1面の反対側の第2面に位置する外部電極と、前記基部を貫通する貫通導体とを備え、前記貫通導体は、前記第3部と、前記外部電極とを接続する、請求項7に記載の配線基板。
【0117】
本開示の態様16に係るパッケージは、上記態様1から15のいずれかの配線基板と、蓋体とを備える。
【0118】
本開示の態様17に係る圧電デバイスは、上記態様16のパッケージと、圧電振動素子と、を備える。
【0119】
以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施例に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0120】
100、100A、100A2、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100HA、100I、100J、100K・・・配線基板
110・・・基部
120、120A、120A2、120C、120D、120J・・・階段部
121・・・段面
122・・・段側面
130・・・枕部
131・・・枕部段面
140・・・枠部
141・・・第2枠部
142・・・第3枠部
150、150A、150C、150D、150J・・・接続電極
171A・・・第1貫通導体
171B・・・第2貫通導体
171C・・・配線導体
172・・・外部電極
173・・・枠状メタライズ層
180・・・搭載領域
190・・・凹部
200・・・蓋体
300・・・パッケージ
400・・・圧電振動素子
410・・・接合材
500、500C、500E・・・圧電デバイス