(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007334
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】衣服および通知システム
(51)【国際特許分類】
A41D 13/00 20060101AFI20250109BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20250109BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20250109BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A41D13/00 102
H04M11/00 302
G06Q50/04
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108647
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田名網 克周
(72)【発明者】
【氏名】林 美由希
(72)【発明者】
【氏名】前野 由恵
【テーマコード(参考)】
3B211
5E555
5K201
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3B211AB01
3B211AC12
5E555AA11
5E555BA02
5E555BA05
5E555BB02
5E555BB05
5E555BC09
5E555BE10
5E555CA15
5E555CB14
5E555DA22
5E555DA24
5E555DA27
5E555FA00
5K201AA05
5K201BC27
5K201EC05
5K201ED09
5K201EF06
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】ユーザが入力操作を行うにあたり、当該操作以外のユーザの行動の制限を低減する。
【解決手段】繊維状の導電体を有する接触センサ(21)であって、ユーザによる入力操作を検出する接触センサと、該入力操作を示す情報を管理装置(3)に送信する送信部(22)と、管理装置からの指示に応じた通知を実行する通知部(24)と、を備える衣服(2a、2b)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状の導電体を有する相互容量式の接触センサであって、衣服に取り付け可能、又は、衣服と一体的に形成可能であり、ユーザによる入力操作を検出する接触センサと、
前記接触センサが検出した前記入力操作を示す情報を外部の機器に送信する送信部と、
外部の機器から指示を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記指示に応じた通知を実行する通知部と、
を備えることを特徴とする衣服。
【請求項2】
前記接触センサは、前記入力操作を検出する複数のユニットを備えており、
各前記ユニット間には所定の距離の間隔が設けられており、
前記入力操作を示す情報は、複数の前記ユニットのうち前記入力操作を検出したユニットを特定する情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の衣服。
【請求項3】
前記受信部が受信する前記指示が特定する通知パターンに基づいて、前記通知部は前記通知を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の衣服。
【請求項4】
前記衣服は、複数の前記通知部を備えており、
前記受信部が受信する前記指示は、複数の前記通知部のうち前記通知を実行する前記通知部を特定する情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の衣服。
【請求項5】
請求項1に記載の衣服と、
前記衣服から送信された前記入力操作を示す情報を受信する管理装置と、
を含む通知システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記衣服が備える前記通知部の通知の実行を指示する
請求項5に記載の通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外部の機器と通信を行うための衣服等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ端末と外部の機器との間で通信が行われる技術が従来技術として知られている。例えば、特許文献1にはタブレット端末が開示されている。詳細には、現場作業者は、当該タブレット端末の表示部に表示された4つのエリアのうち、入場前エリアに表示された自己の名前タグをドラッグ操作し、入場中エリア、休憩中エリア、退場エリアのいずれかに移動させる。自己の名前タグは、一覧呼び出しボタンあるいはID入力用キーを用いて表示させる。タブレット端末のCPUは、名前タグがドラッグ操作されると、現場作業者データと、変更後の状態データと、時刻データとを対応付けて管理サーバに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術はユーザが当該タブレット端末を使用するにあたり、操作以外のユーザの行動の制限を低減するという観点に基づいた技術ではない。
【0005】
本開示の一態様は、ユーザが機器を把持して操作することなく、外部の機器との通信を行うことができる衣服等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る衣服は、繊維状の導電体を有する相互容量式の接触センサであって、衣服に取り付け可能、又は、衣服と一体的に形成可能であり、ユーザによる入力操作を検出する接触センサと、前記接触センサが検出した前記入力操作を示す情報を外部の機器に送信する送信部と、外部の機器から指示を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記指示に応じた通知を実行する通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、ユーザが入力操作を行うにあたり、ユーザが機器を把持して操作することなく入力操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る通知システムの一例の要部構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る衣服の要部構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る管理装置が表示する表示画像の一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る通知システムにおける通知処理の流れの一例を表すフロー図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る通知システムにおける通知処理の流れの他の一例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
以下、本開示の一実施形態について、
図1から
図5を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
(通知システム1の概要)
はじめに、本実施形態の概要について、
図1を用いて説明する。
図1は通知システム1の一例の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、通知システム1は、ユーザが着衣する衣服2a、他のユーザが着衣する衣服2b、管理装置3および出力装置4を含む。
【0011】
また、
図2は衣服2aおよび衣服2bの要部構成の一例を示す図である。
図2に示すように、衣服2aおよび衣服2bは接触センサ21および送信部22を備えている。接触センサ21はユーザによる入力操作を検出する。送信部22は接触センサ21が検出した入力操作を示す情報を管理装置3に送信する。換言すると、管理装置3は、衣服2aおよび衣服2bから送信された入力操作を示す情報を受信する。
【0012】
また、衣服2aおよび衣服2bは受信部23および通知部24を備えている。受信部23は管理装置3から指示を受信する。通知部24は当該指示に応じた通知を実行する。換言すると、管理装置3は、衣服2aおよび衣服2bが備える通知部24の通知の実行を指示する。
【0013】
前記の構成によれば、衣服2aおよび衣服2bは、入力操作を検出する接触センサ21を備えている。そのため、ユーザが機器を把持して操作することなく、外部の機器との通信を行うことができる。すなわち、ユーザが手で保持するような情報端末に比べて、ユーザが入力操作を行う際に、入力操作以外のユーザの行動の制限を低減することができる。
【0014】
また、衣服2aおよび衣服2bは、管理装置3から受信した指示に応じた通知を実行する通知部24を備えている。そのため、ユーザが機器を把持することなく、外部の機器との通信を行うことができる。すなわち、ユーザが手で保持するような情報端末に比べて、ユーザが管理装置3から通知を受信する際に、ユーザの行動の制限を低減することができる。
【0015】
すなわち、通知システム1は、ユーザが機器を把持して操作することなく、外部の機器との通信を行うことができる。すなわち、ユーザが通知システム1を使用するにあたり、当該システムの使用とは異なるユーザの行動の制限を低減することができる。
【0016】
例えば、当該ユーザは工場の製造ラインにて作業する作業者などであってもよい。このような場合、ユーザが管理装置3との通信を行う際に、製造ライン等におけるユーザの行動の制限を低減することができる。すなわち、ユーザは製造ラインにおける作業の制限をなるべく受けずに、管理装置3との通信を行うことができる。
【0017】
また、接触センサ21が衣服2aおよび衣服2bに備わっているため、腕時計などのウェアラブル装置に比べ、ユーザによる端末装置の装着忘れ等を低減することができる。
【0018】
また、接触センサ21および通知部24が衣服2に備わっているため、小さなウェアラブル装置などに比べて、接触センサ21および通知部24の設置位置の自由度を高めることができる。
【0019】
(通知システム1)
上述のように、通知システム1は、衣服2a、衣服2b、管理装置3および出力装置4を含む。
図1に示す例では、通知システム1が複数の衣服2a、2bを含む例を示している。他の通知システム1の例として、通知システム1が任意の複数の衣服2を含んでいてもよいし、通知システム1が1着のみの衣服2を含んでいてもよい。
【0020】
また、本実施形態では、衣服2aおよび衣服2bが送信する入力操作を示す情報の送信先と、衣服2aおよび衣服2bが受信する指示の送信元とが、同一の管理装置3である例について説明する。
【0021】
他の例としては、衣服2aおよび衣服2bが送信する入力操作を示す情報の送信先と、衣服2aおよび衣服2bが受信する指示の送信元とが、異なる機器であってもよい。
【0022】
<衣服2>
図2に示すように、衣服2aおよび衣服2bは接触センサ21、送信部22、受信部23および通知部24を備えている。また、
図2に示すように、衣服2aおよび衣服2bは同様の構成を備えるため、ここでは、衣服2aおよび衣服2bを衣服2と総称して説明する。
【0023】
〈接触センサ21〉
接触センサ21はユーザの接触による入力操作を検出する。接触センサ21は繊維状の導電体を有する相互容量式の接触センサであって、衣服2に取り付け可能、又は、衣服2と一体的に形成可能である。
【0024】
詳細には、接触センサ21は、衣服2のユーザが直接、又は、間接に接触可能な接触面を有していてもよい。衣服2のユーザは、例えば、指先で接触面に直接接触して、接触センサ21を操作できる。衣服2のユーザは、何らかの事物を介して、接触面に間接的に接触して、接触センサ21を操作してもよい。接触面に人が接触すると、接触面上で人が接触した箇所の静電容量が変化する。接触センサ21は、この静電容量の変化、ひいては、接触センサ21の接触面上に人が接触したこと、および、その接触箇所を検出することができる。
【0025】
例えば、電界発生用の繊維状の第1の導電体と電界吸収用の繊維状の第2の導電体を着衣に格子状に織り込む(例えば、刺繍)ことによって、接触センサ21を衣服2と一体的に形成できる。これに対して、接触センサ21は、衣服2に取り付けられてもよい。すなわち、形成された接触センサ21を衣服2に取り付けてもよい。接触センサ21は、例えば、ワッペンやシールのような形態にして、衣服2に取り付けられてもよい。
【0026】
接触センサ21は、衣服2のユーザが着用する衣服2、特に左袖、右袖の少なくとも一方と一体的に形成し、又は、衣服2の左袖、右袖の少なくとも一方に取り付けてもよい。衣服2のユーザが右利きの場合、衣服2のユーザの左袖に配置し、衣服2のユーザが左利きの場合、衣服2の右袖に配置することができる。これにより、衣服2のユーザは、利き手で接触センサ21を操作できる。2つの接触センサ21を衣服2の左袖、右袖の双方に配置してもよい。衣服2のユーザが右利き、左利きの何れでも、利き手での接触センサ21の操作が容易となる。
【0027】
接触センサ21は、例えば、接触センサ21の電極に電圧を印加するための電圧発生部、接触センサ21の容量を検出する容量検出部を備えていてもよい。
【0028】
また、
図2に示すように、接触センサ21は、ユーザの入力操作を検出する複数のユニット211a、211b、211cおよび211dを備えていてもよい。接触センサ21が複数のユニット211a-211dを備える構成では、ユニット211a-211dのそれぞれが、入力操作を検出する構成としてもよい。本実施形態では、接触センサ21が4つのユニットを備えている例について説明するが、接触センサ21が備えるユニットの数は任意に設定できる。また、各ユニット211a-211d間には、所定の距離の間隔が設けられていてもよい。例えば、衣服2から管理装置3に送信する入力操作を示す情報には、ユニット211aから211dのうち入力操作を検出したユニットを特定する情報が含まれていてもよい。
【0029】
各ユニット211a-211d間に所定の距離の間隔が設けられていることによって、各ユニット211a-211dに対する入力操作においてユーザは大きい動作で入力操作を行うことができる。詳細には、入力対象物が大きいため、腕時計などのウェアラブル装置への入力操作と比べて、ユーザは接触センサ21に対して大きい動作で入力操作を行うことができる。
【0030】
また、それぞれのユニット211a-211dに対する入力操作には、所定の通知事項が対応付いていてもよい。それぞれのユニット211a-211dに対する入力操作に対応する所定の通知事項は任意に設定できる。
【0031】
例えば、ユニット211aにおける入力操作は、ユーザが製造ラインから退出することを要望していることを通知する入力操作であってもよい。また、ユニット211bにおける入力操作は、製造ラインに異常があることを通知する入力操作であってもよい。また、ユニット211cにおける入力操作は、製造ラインにおいて商品のロットが変更したことを通知する入力操作であってもよい。また、ユニット211dにおける入力操作は、ユーザが作業を開始することを通知する入力操作であってもよい。
【0032】
〈送信部22〉
送信部22は接触センサ21が検出した入力操作を示す情報を外部の機器である管理装置3に送信する。送信部22は管理装置3と無線または有線による通信を行ってもよい。
【0033】
送信部22は接触センサ21を識別するための識別情報および入力操作を検出したユニットを特定するユニット情報を管理装置3に送信してもよい。
【0034】
〈受信部23〉
受信部23は、外部の機器である管理装置3から通知部24の通知実行に関する指示を受信する。受信部23は管理装置3と無線または有線による通信を行ってもよい。
【0035】
〈通知部24〉
通知部24は、受信部が管理装置3から受信した指示に応じた通知を実行する。詳細には、通知部24は、受信部が受信する指示が特定する通知パターンに基づいて通知を実行する。
【0036】
例えば、通知部24は光を発光する機構を備えたものであってもよいし、報知音を発するスピーカであってもよいし、振動するバイブレータであってもよい。通知部24はユーザに通知を認識させることができる通知を実行できる構成であればよく、特に限定されない。通知部24が発光する機構を備えている場合、上述の通知パターンを光の点滅の周期等としてもよい。このような構成では、複数の光の点滅の周期のそれぞれに所定の通知事項が対応付いていてもよい。例えば、ある周期の光の点滅は、衣服2のユーザに製造ラインに加わることを指示する通知事項等としてもよい。また、通知部24がスピーカである場合、上述の通知パターンを報知音の種類等としてもよい。このような構成では、複数の報知音の種類のそれぞれに所定の通知事項が対応付いていてもよい。また、通知部24がバイブレータである場合、上述の通知パターンを振動の周期または振動の強弱としてもよい。このような構成では、複数の振動の周期のそれぞれ、または、複数の振動の強さのそれぞれに所定の通知事項が対応付いていてもよい。
【0037】
前記の構成によれば、通知部24の通知パターンをユーザが認識することによって、複数ある通知事項のうち当該通知パターンに対応する通知事項が通知されたことをユーザは認識することができる。
【0038】
また、衣服2は、複数の通知部24を備えていてもよい。受信部23が管理装置3から受信する指示は、複数の通知部24のうち通知を実行する通知部24を特定する情報を含んでいてもよい。前記の構成によれば、どの通知部24が通知を実行したかをユーザが認識することによって、複数ある通知事項のうち通知部24に対応する通知事項が通知されたことをユーザは認識することができる。
【0039】
また、衣服2が通知部24を一つだけ備える場合は、複数の所定の通知事項のそれぞれに対応する複数の通知パターンが設定されていてもよい。一方で、衣服2が複数の通知部24を備える場合は、複数の所定の通知事項のそれぞれに対応する複数の通知パターンは設定されていなくてもよい。
【0040】
<管理装置3>
図1に示すように、管理装置3は、通信部31、制御部32、表示部33および操作部34を備えている。また、管理装置3は、通信部31、制御部32、表示部33および操作部34の全てを備えていなくてもよく、管理装置3が備える構成は任意に設定可能である。
【0041】
〈通信部31〉
通信部31は衣服2aと通信を行う。また、通信部31は出力装置4と通信を行う。当該通信は、無線または有線による通信であってもよい。
【0042】
〈制御部32〉
制御部32は、管理装置3の各部を統括して制御する。制御部32は、通知事項特定部321、表示制御部322および通知指示部323を含む。
【0043】
≪通知事項特定部321≫
通知事項特定部321は、通信部31を介して、衣服2aおよび衣服2bから入力操作を示す情報を取得する。
【0044】
上述のように、当該入力操作を示す情報には、接触センサ21を識別するための識別情報が含まれていてもよい。接触センサ21を識別するための識別情報とは、複数の衣服2aおよび衣服2bから入力操作を受け付けた衣服2aまたは衣服2bを識別する情報であってもよい。また、該識別情報は、入力操作を受け付けた衣服2aまたは衣服2bのユーザを識別する情報であってもよい。すなわち、識別情報は、衣服2aまたは2bを介して入力操作を行ったユーザを識別するための情報であってもよい。例えば、管理装置3は識別情報とユーザとの対応関係を示すデータを備えていてもよい。通知事項特定部321は、識別情報から入力操作を行ったユーザを特定してもよい。
【0045】
また、上述のように、当該入力操作を示す情報には、接触センサ21が備える複数のユニットのうち入力操作を検出したユニットを特定するユニット情報が含まれていてもよい。接触センサ21が備える各ユニット211と所定の通知事項との対応付けについては、上述の〈接触センサ21〉にて説明したため、ここでの説明を繰り返さない。例えば、管理装置3は各ユニット211a-211dによる入力操作と通知事項との対応関係を示すデータを備えていてもよい。通知事項特定部321は、ユニット情報から複数の所定の通知事項から衣服2aまたは2bのユーザが入力した通知事項を特定してもよい。
【0046】
≪表示制御部322≫
表示制御部322は、通知事項特定部321が特定した入力操作を行ったユーザおよび通知事項特定部321が特定した通知事項を表示部33に表示させる。
【0047】
≪通知指示部323≫
通知指示部323は、後述する操作部34が受け付けたユーザの入力に応じて、通知部24による通知の実行の指示を、通信部31を介して、衣服2aまたは衣服2bに送信する。
【0048】
通知指示部323は、操作部34から入力された通知事項に対応する通知部24の通知パターンを決定し、決定した通知パターンによる通知の実行の指示を衣服2aまたは衣服2bに送信してもよい。例えば、所定の通知事項と通知部24の所定の通知パターンとが予め対応付いていてもよい。管理装置3は通知事項と通知パターンとの対応関係を示すデータを備えていてもよい。
【0049】
また、指示が送信される衣服2aまたは衣服2bが複数の通知部24を備えている場合、通知指示部323は、操作部34から入力された通知事項に対応する通知部24を決定してもよい。通知指示部323は、決定した通知部24による通知の実行を衣服2aまたは衣服2bに送信してもよい。例えば、所定の通知事項と所定の通知部24とが予め対応付いていてもよい。管理装置3は通知事項と通知部24との対応関係を示すデータを備えていてもよい。
【0050】
また、通知指示部323は、操作部34が受け付けたユーザの入力に応じて、出力装置4に動作の実行の指示を、通信部31を介して送信してもよい。
【0051】
〈表示部33〉
表示部33は、表示制御部322の指示に従い、衣服2aまたは衣服2bから入力操作を行ったユーザおよび該ユーザが入力した通知事項を表示する。表示部33の例としては、ディスプレイ、モニタ等が挙げられる。
【0052】
図3は表示部33が表示する表示画像の一例を示す図である。
図3に示すように表示画像D1には、「作業者Aさん、BB作業開始」とのメッセージが表示されている。ここで、「作業者Aさん」は入力操作を行った衣服2aまたは衣服2bのユーザである。また、「BB作業開始」とは、衣服2aまたは衣服2bのユーザが入力操作によって通知した通知事項である。
【0053】
〈操作部34〉
操作部34は、衣服2aの通知部24または衣服2bの通知部24に対する通知実行の指示について、管理装置3のユーザによる入力操作を受け付ける。操作部34は、衣服2aおよび衣服2bのうち指示が送信される対象の選択についての入力操作を受け付けてもよい。また、操作部34は、指示が送信される対象に送信する通知事項の選択を受け付けてもよい。
【0054】
また、操作部34は、指示が送信される対象が備える通知部24に実行させる通知パターンの選択を受け付けてもよい。また、操作部34は、指示が送信される対象が備える複数の通知部24のうち、通知を実行させる通知部の選択を受け付けてもよい。
【0055】
また、操作部34は、出力装置4に対する動作実行の指示を受け付けてもよい。
【0056】
<出力装置4>
出力装置4は、管理装置3から送信される指示を受信し、当該指示に従い動作を実行する。例えば、出力装置4として、警告灯を点灯および回転させるパトランプ、警報音を発する警報機等を挙げることができる。
【0057】
(通知システム1における衣服2aまたは衣服2bから管理装置3に対する通知処理の流れの一例)
図4は通知システム1における衣服2aまたは2bから管理装置3に対する通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、接触センサ21は衣服2aまたは衣服2bのユーザによって行われる接触による入力操作を検出する(S1)。続いて、送信部22は接触センサ21が検出した入力操作を示す情報を管理装置3に送信する(S2)。続いて、管理装置3の通知事項特定部321は、入力操作を行ったユーザおよび当該ユーザが入力した通知事項を特定する(S3)。続いて、表示部33は、通知事項特定部321が特定したユーザおよび通知事項を表示する(S4)。
【0058】
上述の通知システム1の処理の流れの適用の一例を以下に示す。
【0059】
例えば、衣服2aのユーザである作業者Aが製造ラインから退出する要望を通知するために、接触センサ21における対応するユニット211aの入力操作を行う。衣服2aの接触センサ21は、当該入力操作を検出する(S1)。送信部22は当該入力操作を示す情報を管理装置3に送信する(S2)。続いて、管理装置3の通知事項特定部321は、入力操作を行ったユーザである作業者Aおよび通知事項である「製造ラインから退出することの要望」を特定する(S3)。続いて、表示部33は、「作業者Aさん、退出要望」等のメッセージを表示する(S4)。
【0060】
(通知システム1における管理装置3から衣服2aまたは衣服2bに対する通知処理の流れの一例)
図5は通知システム1における管理装置3から衣服2aまたは衣服2bに対する通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、操作部34は管理装置3のユーザによって行われる入力操作を受け付ける(S11)。続いて、通知指示部323は、ユーザによる操作部34からの入力に対応する通知実行の指示を衣服2aまたは衣服2bに送信する(S12)。続いて、衣服2aまたは衣服2bの通知部24は通知を実行する(S13)。
【0061】
上述の通知システム1の処理の流れの適用の一例を以下に示す。
【0062】
例えば、管理装置3の表示部33が、「作業者Aさん、退出要望」等のメッセージを表示しているとする。
【0063】
操作部34は、管理装置3のユーザによる、衣服2bのユーザである作業者Bに製造ラインに加わることを通知するための入力操作を受け付ける(S11)。続いて、通知指示部323は、通知事項である「製造ラインに加わること」に対応する通知部24の通知パターンの指示を衣服2bに送信する(S12)。続いて、受信した指示に基づいて、衣服2bの通知部24は通知を実行する(S13)。例えば、管理装置3のユーザは作業者Bが加わるべき製造ラインを示すために、退出を要望している作業者Aが作業をしている製造ラインに設けられたパトランプの動作の実行についての入力操作を操作部34にて行ってもよい。
【0064】
(変形例)
また、上述の例では、管理装置3のユーザによる入力操作を受け付けることによって、管理装置3が衣服2aの通知部24、衣服2bの通知部24または出力装置4に対する動作の実行の指示を送信する例について説明した。
【0065】
他の例として、管理装置3のユーザによる入力操作を受け付けずに、衣服2aまたは衣服2bから受信した入力操作を示す情報に基づいて、管理装置3が衣服2aまたは衣服2bに通知部24に対する通知の実行の指示を送信してもよい。
【0066】
例えば、衣服2aから製造ラインから退出することを要望する通知を受信した場合、ユーザによる入力操作を受け付けずに、管理装置3は衣服2bに対して、通知事項である「製造ラインに加わること」に対応する通知部24の通知の実行の指示を送信してもよい。さらに、ユーザによる入力操作を受け付けずに、管理装置3は、衣服2bのユーザが加わるべき製造ラインを示すために、衣服2aのユーザが作業をしている製造ラインに設けられたパトランプに対して動作の実行の指示を送信してもよい。
【0067】
〔付記〕
態様1の衣服は、繊維状の導電体を有する相互容量式の接触センサであって、衣服に取り付け可能、又は、衣服と一体的に形成可能であり、ユーザによる入力操作を検出する接触センサと、前記接触センサが検出した前記入力操作を示す情報を外部の機器に送信する送信部と、外部の機器から指示を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記指示に応じた通知を実行する通知部と、を備える。
【0068】
態様1の衣服は、入力操作を検出する接触センサが衣服に備わっている。そのため、ユーザが機器を把持して操作することなく、外部の機器との通信を行うことができる。すなわち、ユーザが手で保持するような情報端末に比べて、ユーザが入力操作を行う際に、入力操作以外のユーザの行動の制限を低減することができる。また、当該衣服は、外部装置から受信した指示に応じた通知を実行する通知部を備えている。そのため、ユーザが機器を把持することなく、外部の機器との通信を行うことができる。すなわち、ユーザが手で保持するような情報端末に比べて、ユーザが外部装置から通知を受信する際に、ユーザの行動の制限を低減することができる。
【0069】
また、接触センサが衣服に備わっているため、腕時計などのウェアラブル装置に比べ、ユーザによる端末装置の装着忘れ等を低減することができる。また、接触センサおよび通知部が衣服に備わっているため、小さなウェアラブル装置などに比べて、接触センサおよび通知部の設置位置の自由度を高めることができる。
【0070】
態様2の衣服は、態様1の衣服において、前記接触センサは、前記入力操作を検出する複数のユニットを備えており、各前記ユニット間には所定の距離の間隔が設けられており、前記入力操作を示す情報は、複数の前記ユニットのうち前記入力操作を検出したユニットを特定する情報を含む。
【0071】
態様2の衣服では、各ユニット間に所定の距離の間隔が設けられているため、各ユニットに対する入力操作においてユーザは大きい動作で入力操作ができる。
【0072】
態様3の衣服は、態様1または2おいて、前記受信部が受信する前記指示が特定する通知パターンに基づいて、前記通知部は前記通知を実行する。
【0073】
態様3の衣服では、通知部が実行する当該通知パターンによって、ユーザは外部装置からの通知内容を認識することができる。
【0074】
態様4の衣服は、態様1から3の何れかにおいて、前記衣服は、複数の前記通知部を備えており、前記受信部が受信する前記指示は、複数の前記通知部のうち前記通知を実行する前記通知部を特定する情報を含む。
【0075】
態様4の衣服では、どの通知部が通知したかを認識することで、衣服を着衣しているユーザは外部装置からの通知内容を認識することができる。
【0076】
態様5の通知システムは、態様1から4の何れかの衣服と、前記衣服から送信された前記入力操作を示す情報を受信する管理装置と、を含む。
【0077】
態様5の通知システムでは、態様1と同様の効果を奏する。
【0078】
態様6の通知システムは、態様5の通知システムにおいて、前記管理装置は、前記衣服が備える前記通知部の通知の実行を指示する。
【0079】
態様6の通知システムでは、態様1と同様の効果を奏する。
【0080】
〔ソフトウェアによる実現例〕
衣服2a、衣服2bおよび管理装置3の機能は、当該衣服および当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該衣服および当該装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0081】
この場合、上記衣服および上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0082】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記衣服および上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記衣服および上記装置に供給されてもよい。
【0083】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0084】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0085】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1 通知システム、2,2a,2b 衣服、3 管理装置、21 接触センサ、22 送信部、23 受信部、24 通知部、211a-211d ユニット、3 管理装置