(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007353
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】サイドバイザーにおける装飾モールの飛散防止構造及びサイドバイザー
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20250109BHJP
B60R 13/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60J3/00 C
B60R13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108679
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】314014184
【氏名又は名称】DNP田村プラスチック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】織田 祐矢
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023AA01
3D023AB01
3D023AC03
3D023AD26
(57)【要約】
【課題】装飾モールの形状に左右されることなく、孔部を小さく設けるとともに、保持具の組み付け時における装飾モールの変形を防ぐことを可能とした装飾モールの飛散防止構造を提供する。
【解決手段】サイドバイザー1は、鍔部3と庇体4とを有し、鍔部3に装飾モール5が取り付けられる。そして、鍔部3に設けられた孔部7へ組み付けられる保持具6によって、装飾モール5を保持して、サイドバイザー1から飛散することを防止をする。保持具6は、装飾モール5の上方の被係止部9に係止される第一係止片11と、装飾モール5の下方の被係止部9に係止される第二係止片12とを有し、第一係止片11の上下幅よりも、第二係止片12の上下幅の方が長くなるように形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状の鍔部と、前記鍔部に沿って長尺帯状に形成された庇体とを含むサイドバイザーに取り付けられる装飾モールを保持具によって保持する装飾モールの飛散防止構造であって、
前記装飾モールは、前記鍔部に合わせた長尺帯状であると共に、短手方向上下端縁部に、被係止部が形成されて、
前記鍔部の所定箇所には、前記保持具を前記鍔部へ組み付けるために、前記鍔部の内面と外面とを貫通する孔部が設けられ、
前記保持具は、上側に延びる第一係止片と、下側に延びる第二係止片と、前記保持具が前記孔部を内側方向から外側方向へ通過することを防止する抜止部とを有し、
前記鍔部には、前記抜止部を抜け止めする被抜止部が設けられ、
前記第一係止片は、前記孔部を挿通可能であると共に、前記保持具が前記鍔部へ組み付けられている状態において、上側の前記被係止部、又は、前記孔部の外側上端に係止して、
前記第二係止片は、前記孔部を挿通可能であると共に、前記保持具が前記鍔部へ組み付けられている状態において、下側の前記被係止部に係止して、
前記第一係止片及び前記第二係止片は、どちらか一方の上下方向の寸法が、もう一方の上下方向の寸法よりも長くなるように形成されて、
前記孔部の上下幅が、前記被係止部の間の上下幅よりも短く、
前記孔部の上端は、上側の前記被係止部よりも下方に位置すると共に、前記孔部の下端は、下側の前記被係止部よりも上方に位置することを特徴とするサイドバイザーにおける装飾モールの飛散防止構造。
【請求項2】
長尺帯状の鍔部と、前記鍔部に沿って長尺帯状に形成された庇体とを含み、自動車の窓枠に取り付けられるサイドバイザーであって、
前記自動車への取付状態における前記サイドバイザーの外面に取付手段を介して取付可能な装飾モールと、前記サイドバイザーからの前記装飾モールの飛散を防止する保持具とが備えられ、
前記装飾モールは、前記鍔部に合わせた長尺帯状であると共に、短手方向上下端縁部に、被係止部が形成されて、
前記鍔部の所定箇所には、前記保持具を前記鍔部へ組み付けるために、前記鍔部の内面と外面とを貫通する孔部が設けられ、
前記保持具は、上側に延びる第一係止片と、下側に延びる第二係止片と、前記保持具が前記孔部を内側方向から外側方向へ通過することを防止する抜止部とを有し、
前記鍔部には、前記抜止部を抜け止めする被抜止部が設けられ、
前記第一係止片は、前記孔部を挿通可能であると共に、前記保持具が前記鍔部へ組み付けられている状態において、上側の前記被係止部、又は、前記孔部の外側上端に係止して、
前記第二係止片は、前記孔部を挿通可能であると共に、前記保持具が前記鍔部へ組み付けられている状態において、下側の前記被係止部に係止して、
前記第一係止片及び前記第二係止片は、どちらか一方の上下方向の寸法が、もう一方の上下方向の寸法よりも長くなるように形成されて、
前記孔部の上下幅が、前記被係止部の間の上下幅よりも短く、
前記孔部の上端は、上側の前記被係止部よりも下方に位置すると共に、前記孔部の下端は、下側の前記被係止部よりも上方に位置することを特徴とするサイドバイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドバイザーに取り付けられる装飾モールの飛散防止構造及びサイドバイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車体を装飾する自動車外装品として装飾モールが知られており、サイドバイザーへの取り付けも広く行われている。装飾モールを備えるサイドバイザーには、サイドバイザーを自動車の窓枠へ取り付けるための取付部材の他、装飾モールをサイドバイザーに保持する保持具を備えるものがある。例えば、出願人は、特許文献1において、モール部材の長手方向上下端縁(短手方向上下端縁)を、自動車内側へ向かいカール状に折り曲げ形成する一方、孔に組み付けられる固定具(保持具)は係止爪を備えた脚を設け、長手方向上下端縁(短手方向上下端縁)に係止爪を係止させる装飾モールの取付構造を開示している。また、特許文献1において、サイドバイザーは、両面テープ等のシール部材によって、自動車の窓枠に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装飾モールの飛散防止構造は、孔(孔部)の上下幅と装飾モールの上下端縁間の上下幅とは実質的同一であるため、固定具(保持具)を組み付ける際において、装飾モールの上下端縁に当たってしまい、装飾モールの変形を招く恐れがあった。
また、装飾モールの形状に合わせて、固定具(保持具)及び孔(孔部)の形状が決められてしまうため、装飾モールが大きい場合、自動車へサイドバイザーを取り付けるための両面テープによって、孔(孔部)の全体を塞ぐことができなかった。そのため、被覆用テープ等を別途用いて孔(孔部)を塞いで水滴等の異物の侵入を防ぐ必要があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、保持具の組み付け時における装飾モールの変形を防ぐとともに、装飾モールの形状に左右されることなく、孔部を小さく設けることを可能とした装飾モールの飛散防止構造及びサイドバイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、長尺帯状の鍔部と、鍔部に沿って長尺帯状に形成された庇体とを含むサイドバイザーに取り付けられる装飾モールを保持具によって保持する装飾モールの飛散防止構造であって、装飾モールは、鍔部に合わせた長尺帯状であると共に、短手方向上下端縁部に、被係止部が形成されて、鍔部の所定箇所には、保持具を鍔部へ組み付けるために、鍔部の内面と外面とを貫通する孔部が設けられ、保持具は、上側に延びる第一係止片と、下側に延びる第二係止片と、保持具が孔部を内側方向から外側方向へ通過することを防止する抜止部とを有し、鍔部には、抜止部を抜け止めする被抜止部が設けられ、第一係止片は、孔部を挿通可能であると共に、保持具が鍔部へ組み付けられている状態において、上側の被係止部、又は、孔部の外側上端に係止して、第二係止片は、孔部を挿通可能であると共に、保持具が鍔部へ組み付けられている状態において、下側の被係止部に係止して、第一係止片及び第二係止片は、どちらか一方の上下方向の寸法が、もう一方の上下方向の寸法よりも長くなるように形成されて、孔部の上下幅が、被係止部の間の上下幅よりも短く、孔部の上端は、上側の被係止部よりも下方に位置すると共に、孔部の下端は、下側の被係止部よりも上方に位置することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、長尺帯状の鍔部と、鍔部に沿って長尺帯状に形成された庇体とを含み、自動車の窓枠に取り付けられるサイドバイザーであって、自動車への取付状態におけるサイドバイザーの外面に取付手段を介して取付可能な装飾モールと、サイドバイザーからの装飾モールの飛散を防止する保持具とが備えられ、装飾モールは、鍔部に合わせた長尺帯状であると共に、短手方向上下端縁部に、被係止部が形成されて、鍔部の所定箇所には、保持具を鍔部へ組み付けるために、鍔部の内面と外面とを貫通する孔部が設けられ、保持具は、上側に延びる第一係止片と、下側に延びる第二係止片と、保持具が孔部を内側方向から外側方向へ通過することを防止する抜止部とを有し、鍔部には、抜止部を抜け止めする被抜止部が設けられ、第一係止片は、孔部を挿通可能であると共に、保持具が鍔部へ組み付けられている状態において、上側の被係止部、又は、孔部の外側上端に係止して、第二係止片は、孔部を挿通可能であると共に、保持具が鍔部へ組み付けられている状態において、下側の被係止部に係止して、第一係止片及び第二係止片は、どちらか一方の上下方向の寸法が、もう一方の上下方向の寸法よりも長くなるように形成されて、孔部の上下幅が、被係止部の間の上下幅よりも短く、孔部の上端は、上側の被係止部よりも下方に位置すると共に、孔部の下端は、下側の被係止部よりも上方に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のサイドバイザーにおける装飾モールの飛散防止構造及びサイドバイザーによれば、孔部の上端が、上側の被係止部よりも下方に位置すると共に、孔部の下端が、下側の被係止部よりも上方に位置するため、第一係止片及び第二係止片を孔部に挿通して被係止部へ係止させる際、第一係止片及び第二係止片が被係止部に当たることがなく、装飾モールの変形を防ぐことが可能となる。また、装飾モールの形状に左右されることなく、孔部の上下幅を短くすることができるため、被覆用テープ等によって、孔部を塞ぐ必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】自動車の窓枠に装飾モール付きのサイドバイザーが取り付けられた状態を示す説明図である。
【
図2】装飾モールが取り付けられているサイドバイザーの一部を示す正面図である。
【
図3】装飾モールが取り付けられているサイドバイザーの一部を示す斜視図である。
【
図5】
図3において装飾モールを省略した状態を示す斜視図である。
【
図6】
図5において内側方向から見た状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8において内側方向から見た状態を示す斜視図である。
【
図10】
図4において孔部及び装飾モールの寸法を示す拡大断面図である。
【
図11】保持具を鍔部へ組み付ける際の軌跡を示す参考断面図である。
【
図13】変形例1のサイドバイザーのみを示す斜視図である。
【
図14】変形例1の保持具が組み付けられたサイドバイザーを示す参考断面図である。
【
図15】変形例2の装飾モールの飛散防止構造を示す参考断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、自動車の窓枠に装飾モール5付きのサイドバイザー1が取り付けられた状態を示す説明図である。
図2及び3は、装飾モール5が取り付けられているサイドバイザー1の一部を示す図であって、
図2は正面図、
図3は斜視図である。尚、図面内における方向は、自動車への取付状態における方向で示し、車体側を内側、車体から離れる方向を外側とする。
【0011】
サイドバイザー1は、
図1乃至3に示すように、自動車の窓枠2に取り付けられ、日除けや雨除けとして機能する。サイドバイザー1は、長尺帯状の鍔部3と、鍔部3に沿って長尺帯状に一体成形された庇体4とを含んでなる。そして、鍔部3の外面には、鍔部3の形状に合わせた長尺帯状の装飾モール5が両面テープT1によって取り付けられている。また、装飾モール5が取り付けられたサイドバイザー1は、両面テープT2によって、窓枠2に取り付けられている。
【0012】
図4は、
図2におけるA-A線拡大断面図である。
図5は、
図3において装飾モール5を省略した状態を示す斜視図である。
図6は、
図5において内側方向から見た状態を示す斜視図であって、両面テープT2は省略されている。
サイドバイザー1に取り付けられた装飾モール5は、
図4乃至6に示すように、保持具6によって飛散しないように保持されている。また、鍔部3には、所定箇所に保持具6を組み付けるための孔部7が設けられている。装飾モール5は、SUSやアルミ等の金属製であって、被係止部9,9が上下端部から内側へとカールするように形成されている。
【0013】
図7は、保持具6を示す斜視図である。保持具6は、
図7に示すように、板状の胴部10と、胴部10の上端部から外側に向かって折り曲げ形成された第一係止片11と、胴部10の下端部から外側に向かって折り曲げ形成された第二係止片12とを有する。また、2つの抜止部13,13が、胴部10の前後両端縁から延設されている。第一係止片11及び第二係止片12は、孔部7を挿通すると共に、被係止部9,9への係止が可能となるように形状が決められる。また、第一係止片11は、上端縁から内側方向に折り返されるように引掛部16が形成されている。孔部7に組み付けられた保持具6において、第一係止片11の引掛部16が装飾モール5の上側の被係止部9に係止するように、且つ、第二係止片12の下端部が装飾モール5の下側の被係止部9に係止するように寸法及び形状が決められる。そして、第二係止片の上下幅bは、第一係止片11の上下幅aよりも長くなるように形状が決められている。
【0014】
図8及び9は、サイドバイザー1のみを示す図であって、
図8は、サイドバイザー1を外側から見た状態を示す斜視図、
図9は、サイドバイザー1を内側から見た状態を示す斜視図である。
【0015】
孔部7は、
図8に示すように、鍔部3の所定箇所に、鍔部3の内面と外面とを貫通して設けられる。孔部7は、保持具6の第一係止片11及び第二係止片12が挿通可能に寸法及び形状が決められている。また、
図9に示すように、孔部7の内側周縁前後方向には、保持具6の抜止部13,13が嵌合する凹部14,14が設けられている。そして、孔部7は、保持具6の形状に合わせて鍔部3の上部に位置している。また、上下幅が長い第二係止片を孔部7へスムーズに挿通させるために、孔部7の外側周縁の下部には、孔部7に向かって徐々に板厚が薄くなるように傾斜部15が設けられている。
【0016】
図10は、
図4において、孔部7及び装飾モール5の寸法を示す拡大断面図である。
孔部7の上下幅cは3mm≦c≦15mm、被係止部9,9の端縁間の上下幅dは4mm≦d≦25mmであり、且つ、c<dである。また、cは3mm≦c≦8mm、dは4mm≦d≦13mmの範囲で形成されることがより好ましい。そして、孔部7の上端は、上側の被係止部9よりも下側に位置すると共に、孔部7の下端は、下側の被係止部9よりも上側に位置する。
【0017】
図11は、保持具6を鍔部3へ組み付ける際の軌跡を示す参考断面図である。
以下、サイドバイザー1への装飾モール5の取り付け、及び保持具6によって装飾モール5を保持する手順を説明する。
まず、サイドバイザー1の鍔部3の外側に装飾モール5を両面テープT1によって所定位置に取り付ける。次に、保持具6の第二係止片12を、
図11に示す想像線で描かれた保持具6のように、孔部7の内側から外側へと挿通させるとともに、第二係止片12の下端部を装飾モール5の下側の被係止部9へと係止させるように差し込む。その後、
図11に示す矢印方向へ移動するように、第一係止片11を押圧し、保持具6を一時的に撓ませて、第一係止片11を孔部7の外側へと挿通させた後、第一係止片11の撓みを解放することで、引掛部16を装飾モール5の上側の被係止部9へ係止させる。これにより、保持具6の第一係止片11及び第二係止片12によって、装飾モール5の被係止部9,9に係止し、装飾モールが保持される。この時、抜止部13,13が凹部14,14へと嵌合することで保持具6が孔部7を内側から外側へ通過することを防ぎ、抜け止めされる。このようにして、保持具6によって、サイドバイザー1から装飾モール5が飛散することを防ぐ。その後、両面テープT2によって、装飾モール5が外側に位置するように、サイドバイザー1を車体の窓枠2へと固定する。この時、孔部7は、両面テープT2によって全体が塞がれている。
【0018】
上述した形態の装飾モール5の飛散防止構造は、長尺帯状の鍔部3と、鍔部3に沿って長尺帯状に形成された庇体4とを含むサイドバイザー1に取り付けられる装飾モール5を保持具6によって保持する構造であって、保持具6は、装飾モール5の被係止部9,9に係止される第一係止片11と第二係止片12とを有し、第一係止片11の上下幅よりも第二係止片12の上下幅が長くなるように形成される。また、孔部7の上下幅は、被係止部9,9間の上下幅よりも短い。更に、孔部7の上端は、上側の被係止部9よりも下側に位置すると共に、孔部7の下端は、下側の被係止部9よりも上側に位置する。また、保持具6は、抜止部13,13を有し、鍔部3の内側に設けられる凹部14,14へ抜止部13,13が嵌合されることで、保持具6が孔部7を内側から外側へ通過することを防止する。
【0019】
このようにして構成される装飾モール5の飛散防止構造は、孔部7の上端が、上側の被係止部9よりも下方に位置すると共に、孔部7の下端が、下側の被係止部9よりも上方に位置するため、第一係止片11及び第二係止片12を孔部7に挿通して被係止部9,9へ係止させる際、第一係止片11及び第二係止片12が被係止部9,9に当たることがなく、装飾モール5の変形を防ぐことが可能となる。また、装飾モール5の形状に左右されることなく、孔部7の上下幅を短くすることができるため、被覆用テープ等によって、孔部7を塞ぐ必要がない。また、第二係止片12の上下幅よりも第一係止片11の上下幅が短いため、第二係止片12を孔部7に挿通させた後に、第一係止片11を挿通させることで、保持具6を大きく撓ませずに、孔部7へ容易に組み付けることが可能となる。また、第二係止片12の寸法を長く取ることで、下側の被係止部9へ確実に係止される。また、凹部14を設けることで、保持具6を組み付けた際に、鍔部3の内側の面を平坦にすることができ、両面テープT2による鍔部3内側への接着を強固にすることが可能となる。
【0020】
図12及び13は、装飾モール5の飛散防止構造の変形例1を示す図であって、
図12は、保持具6の変形例1である保持具6aを示す斜視図、
図13は、サイドバイザー1の変形例1であるサイドバイザー1aを示す斜視図である。また、
図14は、保持具6aをサイドバイザー1aに組み付けた状態を示す断面図である。
尚、
図1乃至11に示した構成と同様の効果を示す構成については、
図1乃至11と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0021】
保持具6aは、
図12に示すように、板状の胴部10と、胴部10の上端部から外側に向かって折り曲げ形成された第一係止片11と、胴部10の下端部から外側に向かって折り曲げ形成された第二係止片12とを有する。また、胴部10の内側が抜止部13aとなっている。また、第一係止片11は、上端縁から内側方向に折り返されるように引掛部16が形成されている。そして、サイドバイザー1aには、
図13に示すように、孔部7の中央部前後に亘って架橋部20が設けられている。
図14に示すように、保持具6aが孔部7に組み付けられた際、抜止部13aは、架橋部20に当接し、保持具6aの通過を防ぐ。
【0022】
図15は、装飾モール5の飛散防止構造の変形例2を示す断面図である。
尚、
図1乃至11に示した構成と同様の効果を示す構成については、
図1乃至11と同じ符号を付し、説明を省略する。
図15に示すように、装飾モール5aの上端部には、サイドバイザー1の鍔部3の上端部に引っ掛けるための、被係止部9aが形成されている。また、装飾モール5aの下端部には、被係止部9が形成されている。そして、孔部7に組み付けられた保持具6において、第一係止片11の引掛部16は、孔部7の外側上部に係止される。保持具6が組み付けられた状態において、装飾モール5aは、被係止部9aが鍔部3の上端に設けられた係止部21へ引っ掛かるように係止すると共に、装飾モール5a下端部の被係止部9が保持具6の第二係止片12によって係止されることで、サイドバイザー1から飛散しないように保持される。
【0023】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その技術範囲はこれに限定されるものではない。
例えば、実施例では、第二係止片12の上下幅が第一係止片11の上下幅より長くなるように形成されているが、第一係止片11の上下幅が第二係止片12の上下幅より長くなるよう形成されていても良い。この場合、孔部7の位置も保持具6に合わせて、鍔部3の下部に位置する。
また、装飾モール5の被係止部9,9が保持具6の第一係止片11及び第二係止片12によって、係止されることで、装飾モール5が保持具6に保持される構成であれば、被係止部9,9と、第一係止片11と、第二係止片12との構造及び形状は、適宜決められるものである。
また、必ずしも第一係止片11の引掛部16は形成されている必要はなく、第一係止片11の端縁が被係止部9に係止される構成であっても良い。
また、必ずしも抜止部13は凹部14に嵌合される必要はなく、抜止部13が凹部14に嵌合せずに当接する構成であっても良い。
また、抜止部13を抜け止め可能であれば、鍔部3に設けられる被抜止部は、凹部14や架橋部20等に限定されない。例えば、鍔部3に凹部14等を設けずに、鍔部3の内側において、抜止部13が当接する箇所を被抜止部としても良い。
【0024】
また、装飾モール5の被係止部9,9は、装飾モール5の長手方向前端から後端にわたって設けられても良いし、装飾モール5の短手方向上下両端縁の一部に設けられても良いし、それらの組み合わせであっても良い。なお、装飾モール5は被係止部9,9を形成可能であれば、SUSやアルミ等の金属性の材料以外にも、アクリル、アクリルニトリルブタジエンスチレン、アクリレートスチレンアクリルニトリル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の樹脂性の材料であっても良い。
また、鍔部3の上端に係止部21が形成される場合、鍔部3の前端から後端に亘って形成されても良いし、一部にのみ形成されていても良い。係止部21が一部にのみ形成される場合、形成箇所は、孔部7近傍に限られず、孔部7と同じ数が設けられていなくても良い。
【符号の説明】
【0025】
1,1a・・サイドバイザー、2・・窓枠、3・・鍔部、4・・庇体、5,5a・・装飾モール、6,6a・・保持具、7・・孔部、9,9a・・被係止部、10・・胴部、11・・第一係止片、12・・第二係止片、13,13a・・抜止部、14・・凹部(被抜止部)、15・・傾斜部、16・・引掛部、20・・架橋部(被抜止部)、21・・係止部、T1,T2・・両面テープ。