(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025073621
(43)【公開日】2025-05-13
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20250502BHJP
【FI】
H05K3/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184558
(22)【出願日】2023-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 曜志
【テーマコード(参考)】
5E314
【Fターム(参考)】
5E314AA32
5E314AA42
5E314BB07
5E314BB09
5E314BB12
5E314CC01
5E314CC20
5E314DD06
5E314FF01
5E314GG24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い形状保持性を有するプリント配線板を提供する。
【解決手段】半導体装置200において、プリント配線板10は、最外の樹脂絶縁層150Uと、最外の樹脂絶縁層150U上に形成されている最外の導体層158Uと、最外の樹脂絶縁層150Uと最外の導体層158U上に形成されていて、最外の導体層158Uを露出するための開口71Uを有するソルダーレジスト層70Uと、開口71Uにより露出される最外の導体層158U上に形成されているバンプ76Uと、バンプ76U上に塔載される電子部品90と、電子部品90とソルダーレジスト層70Uの間に充填されているアンダーフィル材100と、ソルダーレジスト層70U上に形成されていて、アンダーフィル材100の流れを防止するためのダム102、とを有する。ダム102は、シリカ、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムを含む樹脂で形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最外の樹脂絶縁層と、
前記最外の樹脂絶縁層上に形成されている最外の導体層と、
前記最外の樹脂絶縁層と前記最外の導体層上に形成されていて、前記最外の導体層を露出するための開口を有するソルダーレジスト層と、
前記開口により露出される前記最外の導体層上に形成されているバンプと、
前記バンプ上に塔載される電子部品と、
前記電子部品と前記ソルダーレジスト層の間に充填されている、アンダーフィル材と、
前記ソルダーレジスト層上に形成されていて、前記アンダーフィル材の流れを防止するためのダム、とを有するプリント配線板であって、
前記ダムは、シリカと炭酸カルシウム、硫酸バリウムを含む樹脂で形成されている。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記樹脂は、ディスペンサにより吐出されている。
【請求項3】
請求項2のプリント配線板であって、前記樹脂は連続して吐出される。
【請求項4】
請求項1のプリント配線板であって、前記樹脂は熱硬化型のエポキシ系樹脂である。
【請求項5】
請求項4のプリント配線板であって、前記樹脂中のシリカの量は40重量%以上50重量%以下であって、炭酸カルシウムの量は5重量%以上10重量%以下であって、硫酸バリウムの量は1重量%以上5重量%以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子部品の製造方法を開示している。特許文献1の
図5に示されるように、特許文献1は、ダム材を孔版の環状通孔に押し込むことで、ダム部を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
<特許文献1の課題>
特許文献1は、ダム材は超微粉のシリカ粉末或いは微細なゴム粒子を樹脂でくるんだコアシェル型の微細粒子を含むことができると述べている。そのため、印刷後の形状が保持され難いと考えられる。特許文献1の技術によれば、プリント配線板の生産性を向上することが難いと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、最外の樹脂絶縁層と、前記最外の樹脂絶縁層上に形成されている最外の導体層と、前記最外の樹脂絶縁層と前記最外の導体層上に形成されていて、前記最外の導体層を露出するための開口を有するソルダーレジスト層と、前記開口により露出される前記最外の導体層上に形成されているバンプと、前記バンプ上に塔載される電子部品と、前記電子部品と前記ソルダーレジスト層の間に充填されている、アンダーフィル材と、前記ソルダーレジスト層上に形成されていて、前記アンダーフィル材の流れを防止するためのダム、とを有する。前記ダムは、シリカと炭酸カルシウム、硫酸バリウムを含む樹脂で形成されている。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、ダムを形成する樹脂がシリカと炭酸カルシウムと硫酸バリウムを含む。そのため、ダムは目標値に近い高さと幅を有する。印刷後の形状保持性が高い。実施形態によれば、印刷後の形状保持性を向上できる。プリント配線板の生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
【
図2】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図3】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図4】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【
図5】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態のプリント配線板>
図3は途中基板2の断面を示す。
図1は、実施形態の半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、実施形態のプリント配線板10とプリント配線板10に実装されている電子部品90で形成されている。
【0009】
図1に示されるように、プリント配線板10は、コア基板30とコア基板30の表裏に形成されているビルドアップ層80A,80Bを有する。ビルドアップ層80A,80Bは、樹脂絶縁層150U、150Lと導体層158U、158Lと樹脂絶縁層150を貫通し隣接する導体層を接続するビア導体160U、160Dで形成されている。樹脂絶縁層150Uは最外の樹脂絶縁層である。導体層158Uは最外の導体層である。
【0010】
プリント配線板10は、ビルドアップ層80A,80B上にソルダーレジスト層70U、70Dを有する。ソルダーレジスト層70Uは第1開口71Uを有する。第1開口71Uにより露出される導体層158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。パッド158p上に電子部品90を実装するための半田バンプ76Uが形成されている。
【0011】
図1に示されるように、実施形態の半導体装置200は、電子部品90とソルダーレジスト層70Uとの間にアンダーフィル材100を有する。プリント配線板10は第1ソルダーレジスト層70Uの上にアンダーフィル材100の流れを防止するためのダム102を有する。ダム102は電子部品90を囲んでいる。ダム102の平面形状の例は環である。ダム102は、シリカと炭酸カルシウム、硫酸バリウムを含む樹脂で形成されている。樹脂は、熱硬化型のエポキシ系樹脂である。樹脂中のシリカの量は40重量%以上50重量%以下であって、炭酸カルシウムの量は5重量%以上10重量%以下であって、硫酸バリウムの量は1重量%以上5重量%以下である。
実施形態のプリント配線板10では、ダム102を形成する樹脂がシリカと炭酸カルシウムと硫酸バリウムを含む。そのため、ダム102は目標値に近い高さと幅を有する。印刷後の形状保持性が高い。実施形態によれば、印刷後の形状保持性が向上する。プリント配線板10の生産性が向上する。
【0012】
<実施形態のプリント配線板の製造方法>
図2~
図5は実施形態のプリント配線板10の製造方法を示す。
図2~
図5は断面図である。
【0013】
図2に示される第1途中基板1が製造される。第1途中基板1は、コア基板30と上側のビルドアップ層80Aと下側のビルドアップ層80Bを有する。コア基板30とビルドアップ層80A、80Bは周知な方法で製造される。上側のビルドアップ層80Aは樹脂絶縁層150Uと樹脂絶縁層150U上の導体層158Uを有する。
【0014】
図3に示されるように、樹脂絶縁層150Uと導体層158U上に、ソルダーレジスト層70Uが形成される。ソルダーレジスト層70Uは、導体層158Uを露出する開口71Uを有する。開口71Uにより露出される導体層158Uは電子部品90を搭載するためのパッド158pとして機能する。パッド158p上に半田バンプ76Uが形成される。
【0015】
図4に示されるように、ソルダーレジスト層70U上にダム102が形成される。ダム102はダム材料の樹脂を吐出することで形成される。ダム材料の樹脂は、シリカと炭酸カルシウム、硫酸バリウムを含む。ダム材料の樹脂は図示しないディスペンサを用いて吐出される。ダム材料の樹脂は連続して吐出される。ダム材料の樹脂の吐出後にダム102が硬化される。
実施形態のプリント配線板10では、ダム材料の樹脂はディスペンサにより吐出されている。そのため、印刷性が高い。実施形態によれば、印刷性と印刷後の形状保持性が向上する。
【0016】
図5に示されるように、半田バンプ76U上に電子部品90が搭載される。
図1に示されるように、電子部品90とソルダーレジスト層70Uの間にアンダーフィル材100が充填される。実施形態のプリント配線板10(
図1参照)が得られる。
【符号の説明】
【0017】
1 :第1途中基板
10 :プリント配線板
30 :コア基板
70D :ソルダーレジスト層
70U :ソルダーレジスト層
71U :開口
76U :半田バンプ
90 :電子部品
100 :アンダーフィル材
102 :ダム
150U:樹脂絶縁層
158L:導体層
158U:導体層
158p:パッド
160D:ビア導体
160U:ビア導体
200 :半導体装置