(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007368
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20250109BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023108720
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】502160992
【氏名又は名称】宏達國際電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】劉 奎均
(72)【発明者】
【氏名】陳 緯峻
(72)【発明者】
【氏名】周 敬家
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199BA06
2H199BA10
2H199BA26
2H199BB02
2H199BB10
2H199BB12
2H199BB15
2H199BB18
2H199BB42
2H199BB45
2H199CA23
2H199CA42
2H199CA47
2H199CA62
2H199CA63
2H199CA64
2H199CA65
2H199CA70
2H199CA74
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、ディスプレイと、画像焦点調整装置と、を備える。ディスプレイは、複数の隔壁を有する。隔壁は、複数の異なる偏光方向を有する複数の画像ビームをそれぞれ送信する。画像焦点調整装置とディスプレイは隣接して配置される。画像焦点調整装置は、根據各画像ビームの各偏光状態來各画像ビームの焦点距離を調整する。
【効果】表示画像の複数の部分は、異なる被写界深度の結像面をそれぞれ有することができ、複数の被写界深度の画像表示効果を有効に生み出すことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる偏光方向を有する複数の画像ビームをそれぞれ送信する複数の隔壁を有するディスプレイと、
前記ディスプレイと隣接して配置され、各前記画像ビームの各前記偏光方向に基づき、各前記画像ビームの焦点距離を調整する画像焦点調整装置と、を備える表示装置。
【請求項2】
前記ディスプレイは、
表示画像を生成するために用いられる表示パネルと、
前記表示パネルと重なり合うように配置され、前記表示画像の偏光状態を返還するために用いられる偏光板と、
前記偏光板と隣接して配置され、それぞれ複数の前記隔壁に対応する複数の液晶隔壁を有し、複数の前記液晶隔壁は、それぞれ前記表示画像の複数の隔壁画像を受信し、複数の前記隔壁画像の偏光方向を制御して、それぞれ前記画像ビームを生成する液晶アレイ基板と、を備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記液晶アレイの各前記液晶隔壁は、対応する制御電圧を受信し、前記制御電圧に基づき、各前記画像ビームの各前記偏光方向を所定の角度回転させる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
各前記液晶隔壁が前記制御電圧を受信しない場合、各前記液晶隔壁は、各前記画像ビームの各前記偏光方向を変更せず維持する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画像焦点調整装置は、各前記画像ビームの各前記偏光方向に基づき、各前記画像ビームの進行光路を調整する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画像焦点調整装置は、偏光選択ミラーであり、
前記偏光選択ミラーは、
複数の前記画像ビームを受信するために用いられる第1の遅延フィルムと、
前記第1の遅延フィルムと重なり合うように配置されるビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタと隣接して配置される第2の遅延フィルムと、
前記第2の遅延フィルムと重なり合うように配置され、各前記画像ビームの各前記偏光方向に基づき、各前記画像ビームを反射又は投射するために用いられる反射直線偏光板と、を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の遅延フィルムと前記ビームスプリッタとの間には、媒体を有する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記偏光選択ミラーは、
前記反射直線偏光板の出光面に隣接して設置されるレンズ群をさらに備える、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画像焦点調整装置は、偏光方向レンズである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ディスプレイの第1の隔壁は、第1の偏光方向を有する第1の画像ビームを送信し、前記ディスプレイの第2の隔壁は、第2の偏光方向を有する第2の画像ビームを送信し、前記偏光選択ミラーは、前記第1の画像ビームの前記第1の偏光方向に基づき、前記第1の画像ビームの伝送経路を調整し、前記第1の画像ビームの第1の平面における結像を制御し、前記偏光選択ミラーは、前記第2の画像ビームの前記第2の偏光方向に基づき、前記第2の画像ビームの伝送経路を調整し、前記第2の画像ビームの第2の平面における結像を制御し、ここで、前記第1の平面と前記第2の平面は互いに重なり合わない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
主体部と、
前記主体部に設置される請求項1に記載の表示装置と、を備えるヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置に関し、特に、多重な被写界深度の表示画像を生成可能なヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(virtual reality head-mounted display,VR HMD)(又はスマートアイウェア(smart eyewear))でのめまいを軽減できるかどうかは、光学製品における非常に重要な指標である。したがって、複数の深度の設計については議論が尽きず、例えば、輻輳調節競合(Vergence-accommodation conflict)の問題を解決するために、複数の像平面を使用すれば、ヘッドマウントディスプレイを装着する際の視覚的な不快感を効果的に軽減することができる。しかし、多深度ディスプレイの構造では、多くのコンポーネントとコンポーネントの体積を増やす必要があることが多く、視覚的なめまい防止と快適度、着用時の軽さと装着感の追求、及び消費型電化製品が負担し得るコストの3者のバランスを取ることが困難となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、複数の被写界深度を有する表示画像を生成可能なヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の表示装置は、ディスプレイと、画像焦点調整装置と、を備える。ディスプレイは、複数の隔壁を有する。隔壁は、複数の異なる偏光方向を有する複数の画像ビームをそれぞれ送信する。画像焦点調整装置とディスプレイは隣接して配置される。画像焦点調整装置は、各画像ビームの各偏光方向に基づき、各画像ビームの焦点距離を調整する。
【0005】
本発明のヘッドマウントディスプレイは、主体部と、上記の表示装置と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づいて、本発明の表示装置は、複数の隔壁において、複数の異なる偏光状態を有する複数の画像ビームをそれぞれ生成可能なディスプレイを用い、さらに、各画像ビームの各偏光状態に応じて、各画像ビームの焦点距離を調整する偏光選択ミラーと協働することによって、表示画像の複数の部分は、異なる被写界深度の結像面をそれぞれ有することができ、複数の被写界深度の画像表示効果を有効に生み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態における、表示装置中のディスプレイの実施方法の概略図を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。
【
図4A】本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。
【
図4B】本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。
【
図5A】本発明の別の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。
【
図5B】表示装置中の異なる偏光方向における画像ビームの光路図を示す。
【
図5C】表示装置中の異なる偏光方向における画像ビームの光路図を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係るヘッドマウント表示装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。表示装置100は、ディスプレイ110と、画像焦点調整装置120と、を備える。ディスプレイ110と画像焦点調整装置120は隣接して配置され、互いに重なり合うように配置される。ディスプレイ110は、複数の隔壁111及び112を有する。ディスプレイ110は表示画像を生成するために用いられ、異なる隔壁111及び112において、異なる画像ビームIML1及びIML2をそれぞれ送信する。ここで、本実施形態では、画像ビームIML1とIML2は、複数の異なる偏光方向を有していても良い。
【0009】
画像焦点調整装置120は、ディスプレイ110が送信する画像ビームIML1及びIML2を受信するために用いられる。画像焦点調整装置120は、画像ビームIML1及びIML2の偏光方向に基づき、画像ビームIML1及びIML2の焦点距離をそれぞれ調整することができる。画像ビームIML1とIML2の偏光方向は異なることから、画像焦点調整装置120は、画像ビームIML1及びIML2がそれぞれ異なる焦点距離を有するようにすることができる。このようにして、画像ビームIML1及びIML2は、重なり合わない2つ結像面にそれぞれ結像することができ、表示画像は複数の被写界深度の効果を有することができる。
【0010】
本実施形態では、ディスプレイ110は、2つ以上の複数の隔壁を有していても良い。
図1に図示される2つの隔壁111、112は、専ら説明のための例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0011】
図2を参照すると、
図2は、本発明の一実施形態における、表示装置中のディスプレイの実施方法の概略図を示す。ディスプレイ200は、表示パネル210と、偏光板220と、液晶アレイ基板230と、を備える。表示パネル210は、表示画像を生成するために用いられる。偏光板220と表示パネル210互いに重なり合うように配置され、表示パネル210が生成した表示画像のビームを受信するために用いられる。本実施形態では、偏光板220直線偏光子であって良く、表示パネル210が生成した表示画像のビームの偏光方向を偏光板220の直線透過軸と平行に変換するために用いられる。本実施形態では、偏光板220は、表示パネル210が表示画像のビームを生成する表面と互いに接触していても良い。
【0012】
また、液晶アレイ基板230と偏光板220は隣接して配置される。液晶アレイ基板230は、複数の液晶隔壁231及び232を有していても良い。表示パネル210は、偏光板220と協働して、液晶隔壁231及び232に対し、隔壁画像DIM1及びDIM2をそれぞれ送信することができる。液晶隔壁231及び232は、隔壁画像DIM1及びDIM2の偏光方向をそれぞれ制御して、画像ビームIML1及びIML2をそれぞれ生成する。
【0013】
より詳細には、液晶隔壁231及び232は、それぞれ制御電圧を受信し、制御電圧の受信状態に基づき、隔壁画像DIM1及びDIM2の偏光方向を調整するかどうかを決定することができる。例えば、液晶隔壁231が制御電圧を受信した場合、液晶隔壁231中の液晶アレイが偏向され、隔壁画像DIM1が直接通過して、画像ビームIML1を生成する。このような条件において、隔壁画像DIM1の偏光方向は調整されず、維持される。一方、液晶隔壁232が制御電圧を受信しない場合、液晶隔壁232中の液晶アレイは偏向されず、隔壁画像DIM2の偏光方向を所定の角度回転させて、画像ビームIML2を生成することができる。本実施形態における所定の角度は、例えば90度である。このようにして、画像ビームIML1とIML2は、異なる偏光方向を有することができる。
【0014】
図1の実施形態と同様に、液晶アレイ基板230が有する液晶隔壁の数は、2つ又は2つ以上であって良い。
図2に図示される液晶アレイ基板230が有する2つの液晶隔壁231、232は、専ら説明のための例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。また、本発明の実施形態に係る液晶アレイ基板230は、ツイストネマティック(Twist Nematic, TN)液晶アレイであっても良い。
【0015】
以下、
図3を参照すると、
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。本実施形態では、画像焦点調整装置300は、偏光経路選択レンズ群である。画像焦点調整装置300は、画像ビームの進行光路を調整するために用いることができる。画像焦点調整装置300は、第1の遅延フィルム311と、ビームスプリッタ312と、第2の遅延フィルム313と、反射直線偏光板314と、レンズ群320と、を備える。第1の遅延フィルム311とビームスプリッタ312は、互いに重なり合うように配置され、第1の遅延フィルム311は、ディスプレイからの画像ビームを受信するために用いられる。第2の遅延フィルム313は、反射直線偏光板314と互いに重なり合うように配置される。ここで、第2の遅延フィルム313は、ビームスプリッタ312の出光面に対応する入光面を有する。第2の遅延フィルム313とビームスプリッタ312との間には、媒体330を有していても良い。本実施形態では、媒体330は、空気媒体であって良い。
【0016】
なお、反射直線偏光板314は、異なる偏光方向の画像ビームに対して、異なる作用を奏することができることに留意されたい。例えば、反射直線偏光板314は、第1の偏光方向を有する画像ビームに対して反射作用を奏し、さらに、反射直線偏光板314は、第2の偏光方向を有する画像ビームに対して透過作用を奏することができる。ここで、第1の偏光方向と第2の偏光方向は異なる。したがって、反射直線偏光板314は、画像ビームの偏光方向に基づき、画像ビームの進行光路を調整し、さらに、画像ビームの焦点距離及び結像位置を調整することができる。
【0017】
具体的には、画像焦点調整装置300に入る画像ビームが第1の偏光(直線偏光)方向にある場合、第1の遅延フィルム311は、画像ビームを第1の円偏光に変換し、さらに、ビームスプリッタ312及び第2の遅延フィルム313により、画像ビームを第1の偏光方向に変換することができる。さらに、反射直線偏光板314は、第1の偏光方向の画像ビームを反射することができ、第2の遅延フィルム313は、反射された画像ビームを第1の円偏光に変換する。次いで、画像ビームがビームスプリッタ312に送信され、ビームスプリッタ312は、第1の円偏光状態を有する画像ビームを第2の遅延フィルム313に反射することができる。このとき、第2の遅延フィルム313は、画像ビームを第2の偏光(直線偏光)方向に変換し、画像ビームが反射直線偏光板314を通過するようにする。
【0018】
一方、画像焦点調整装置300に入る画像ビームが第2の偏光(線偏光)方向にある場合、画像ビームは、第1の遅延フィルム311により第2の円偏光に変換され、さらに、ビームスプリッタ312及び第2の遅延フィルム313により、さらに第2の偏光方向に変換される。このようにして、画像ビームは、反射直線偏光板314を直接通過することができる。
【0019】
なお、本実施形態では、第1の遅延フィルム311及び第2の遅延フィルム313は、1/4遅延フィルムであっても良い。
【0020】
また、レンズ群320は、反射直線偏光板314の出光面に隣接して配置される。レンズ群320は、画像ビームを受信し、結像画像を生成するために用いられる。
【0021】
以上の説明から分かるように、画像焦点調整装置300は、異なる偏光方向を有する画像ビームの進行光路に基づき、異なる程度の調整動作を行い、異なる偏光方向を有する画像ビームを異なる結像面に結像することにより、表示画像の被写界深度レベルを向上させることができる。
【0022】
以下、
図4Aを参照すると、
図4Aは、本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。本実施形態では、画像焦点調整装置400は、偏光方向レンズ(Polarization Directed Lens)である。本実施形態では、画像焦点調整装置400は、液晶アレイ基板により構成することができる。画像焦点調整装置400は、特殊な液晶配向により、異なる偏光状態で異なる焦点距離を有することができる。
図4Aにおいて、焦点距離fは0よりも大きい数値であり、画像焦点調整装置400は、受信した画像ビームIML1の進行光路を合焦状態にすることができる。
【0023】
図4Bでは、焦点距離fは0よりも小さい数値であり、画像焦点調整装置400は、受信した画像ビームIML2の進行光路を非合焦状態にすることができる。ここで、画像ビームIML1及びIML2は、異なる偏光方向を有する。
【0024】
図5Aから
図5Cを参照すると、
図5Aは、本発明の別の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。
図5B及び
図5Cは、それぞれ表示装置中の異なる偏光方向における画像ビームの光路図を示す。表示装置500は、ディスプレイ510と、画像焦点調整装置520と、を備える。ディスプレイ510と画像焦点調整装置520は、隣接して配置される。ディスプレイ510は、複数の隔壁Z1及びZ2を有していても良く、隔壁Z1及びZ2は、異なる偏光方向を有する複数の画像ビームIML1及びIML2をそれぞれ生成することができる。ここで、画像ビームIML1の偏光方向と画像ビームIML2の偏光方向は互いに直交する。画像ビームIML1の進行光路P1の詳細は、
図5Bに示される通りであって良く、ここで、画像ビームIML1は、複数回の屈折により進行することができる。画像ビームIML2の進行光路P2の詳細は、
図5Cに示される通りであって良く、ここで、画像ビームIML2は、2度の反射及び複数回の屈折により進行することができる。
【0025】
画像焦点調整装置520を用いた画像ビームIML1及び画像ビームIML2の進行光路の調整動作により、画像ビームIML1は、結像面M1上に第1の虚像を形成することができる。画像ビームIML2は、結像面M2に第2の虚像を形成することができる。ここで、結像面M1と結像面M2は重なり合わない。観察者の眼球EYEの位置に対して、画像ビームIML1に対応する第1の虚像は像距離d1を有していても良く、画像ビームIML2に対応する第2の虚像は像距離d2を有していても良い。ここで、像距離d1は像距離d2よりも小さい。
【0026】
以上の説明から分かるように、表示装置500は、ディスプレイ510が異なる隔壁の表示画像に対して異なる偏光方向を有する画像ビームを生成し、さらに、画像焦点調整装置520が偏光方向に基づき画像ビームの焦点距離に対する調整動作を行う。このようにして、表示画像中、異なる隔壁に対応する表示対象を異なる像距離を有する結像面に結像することができる。表示装置500が生成する表示画像は、複数の被写界深度を有し、表示画像の表示品質を効果的に向上させることができる。
【0027】
以下、
図6を参照すると、
図6は、本発明の一実施形態に係るヘッドマウント表示装置の概略図を示す。ヘッドマウント表示装置600は、主体部610と、表示装置620と、を備える。表示装置620は、主体部610に設けられ、使用者の眼球EYEに表示画像を投射するために用いられる。
【0028】
表示装置620は、前述の実施形態の表示装置100又は500を応用して実施することができる。表示装置620の実施の詳細については、前述の複数の実施形態及び実施方法で詳細に説明されているので、ここでは繰り返さない。
【0029】
なお、主体部610における表示装置620の設置位置は、ヘッドマウント表示装置600の設置に応じて適宜調整できることに言及しておく価値がある。
図6は、専ら説明のための例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0030】
まとめると、本発明の表示装置では、ディスプレイが異なる偏光方向を有する画像ビームを生成し、さらに、画像焦点調整装置が偏光方向に基づき画像ビームの焦点距離に対する調整動作を行う。このようにして、表示画面の各部分の結像の像距離を効果的に制御し、複数の被写界深度を有する表示画像を効果的に生成し、表示品質を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の表示装置は、異なる偏光方向を有する画像ビームに対して焦点距離の調整を行い、異なる画像ビームを異なる像距離の結像面に結像することにより、表示装置が呈する表示効果を効果的に向上させることができる。本発明の表示装置は、例えば、ヘッドマウント表示装置などの虚像表示システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
100、500、620:表示装置
110、200、510:ディスプレイ
111、112:隔壁
120、300、400、520:画像焦点調整装置
210:表示パネル
220:偏光板
230:液晶アレイ基板
231、232:液晶隔壁
311:第1の遅延フィルム
312:ビームスプリッタ
313:第2の遅延フィルム
314:反射直線偏光板
320:レンズ群
330:媒体
600:ヘッドマウント表示装置
610:主体部
d1、d2:像距離
DIM1、DIM2:隔壁画像
EYE:眼球
f:焦点距離
IML1、IML2:画像ビーム
M1、M2:結像面
P1、P2:進行光路
Z1、Z2:隔壁
【手続補正書】
【提出日】2024-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる偏光方向を有する複数の画像ビームをそれぞれ送信する複数のサブ領域を有するディスプレイと、
前記ディスプレイと隣接して配置され、各前記画像ビームの各前記偏光方向に基づき、各前記画像ビームの焦点距離を調整する画像焦点調整装置と、を備え、
前記画像焦点調整装置は、偏光選択ミラーであり、
前記偏光選択ミラーは、
複数の前記画像ビームを受信するために用いられる第1の遅延フィルムと、
前記第1の遅延フィルムと重なり合うように配置されるビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタと隣接して配置される第2の遅延フィルムと、
前記第2の遅延フィルムと重なり合うように配置され、各前記画像ビームの各前記偏光
方向に基づき、各前記画像ビームを反射又は投射するために用いられる反射直線偏光板と
、を備える表示装置。
【請求項2】
前記ディスプレイは、
表示画像を生成するために用いられる表示パネルと、
前記表示パネルと重なり合うように配置され、前記表示画像の偏光状態を変換するために用いられる偏光板と、
前記偏光板と隣接して配置され、それぞれ複数の前記サブ領域に対応する複数の液晶サ
ブ領域を有し、複数の前記液晶サブ領域は、それぞれ前記表示画像の複数のサブ領域画像を受信し、複数の前記サブ領域画像の偏光方向を制御して、それぞれ前記画像ビームを生成する液晶アレイ基板と、を備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記液晶アレイの各前記液晶サブ領域は、対応する制御電圧を受信し、前記制御電圧に基づき、各前記画像ビームの各前記偏光方向を所定の角度回転させる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
各前記液晶サブ領域が前記制御電圧を受信しない場合、各前記液晶サブ領域は、各前記画像ビームの各前記偏光方向を変更せず維持する、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画像焦点調整装置は、各前記画像ビームの各前記偏光方向に基づき、各前記画像ビームの進行光路を調整する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2の遅延フィルムと前記ビームスプリッタとの間には、媒体を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記偏光選択ミラーは、
前記反射直線偏光板の出光面に隣接して設置されるレンズ群をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ディスプレイの第1のサブ領域は、第1の偏光方向を有する第1の画像ビームを送信し、前記ディスプレイの第2のサブ領域は、第2の偏光方向を有する第2の画像ビームを送信し、前記偏光選択ミラーは、前記第1の画像ビームの前記第1の偏光方向に基づき、前記第1の画像ビームの伝送経路を調整し、前記第1の画像ビームの第1の平面における結像を制御し、前記偏光選択ミラーは、前記第2の画像ビームの前記第2の偏光方向に基づき、前記第2の画像ビームの伝送経路を調整し、前記第2の画像ビームの第2の平面における結像を制御し、ここで、前記第1の平面と前記第2の平面は互いに重なり合わない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
主体部と、
前記主体部に設置される請求項1に記載の表示装置と、を備えるヘッドマウントディスプレイ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置に関し、特に、多重な被写界深度の表示画像を生成可能なヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(virtual reality head-mounted display,VR HMD)(又はスマートアイウェア(smart eyewear))でのめまいを軽減できるかどうかは、光学製品における非常に重要な指標である。したがって、複数の深度の設計については議論が尽きず、例えば、輻輳調節競合(Vergence-accommodation conflict)の問題を解決するために、複数の像平面を使用すれば、ヘッドマウントディスプレイを装着する際の視覚的な不快感を効果的に軽減することができる。しかし、多深度ディスプレイの構造では、多くのコンポーネントとコンポーネントの体積を増やす必要があることが多く、視覚的なめまい防止と快適度、着用時の軽さと装着感の追求、及び消費型電化製品が負担し得るコストの3者のバランスを取ることが困難となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、複数の被写界深度を有する表示画像を生成可能なヘッドマウントディスプレイ及びその表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の表示装置は、ディスプレイと、画像焦点調整装置と、を備える。ディスプレイは、複数のサブ領域を有する。サブ領域は、複数の異なる偏光方向を有する複数の画像ビームをそれぞれ送信する。画像焦点調整装置とディスプレイは隣接して配置される。画像焦点調整装置は、各画像ビームの各偏光方向に基づき、各画像ビームの焦点距離を調整する。
【0005】
本発明のヘッドマウントディスプレイは、主体部と、上記の表示装置と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記に基づいて、本発明の表示装置は、複数のサブ領域において、複数の異なる偏光状態を有する複数の画像ビームをそれぞれ生成可能なディスプレイを用い、さらに、各画像ビームの各偏光状態に応じて、各画像ビームの焦点距離を調整する偏光選択ミラーと協働することによって、表示画像の複数の部分は、異なる被写界深度の結像面をそれぞれ有することができ、複数の被写界深度の画像表示効果を有効に生み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態における、表示装置中のディスプレイの実施方法の概略図を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。
【
図4A】本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。
【
図4B】本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。
【
図5A】本発明の別の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。
【
図5B】表示装置中の異なる偏光方向における画像ビームの光路図を示す。
【
図5C】表示装置中の異なる偏光方向における画像ビームの光路図を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係るヘッドマウント表示装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。表示装置100は、ディスプレイ110と、画像焦点調整装置120と、を備える。ディスプレイ110と画像焦点調整装置120は隣接して配置され、互いに重なり合うように配置される。ディスプレイ110は、複数の
サブ領域111及び112を有する。ディスプレイ110は表示画像を生成するために用いられ、異なる
サブ領域111及び112において、異なる画像ビームIML1及びIML2をそれぞれ送信する。ここで、本実施形態では、画像ビームIML1とIML2は、複数の異なる偏光方向を有していても良い。
【0009】
画像焦点調整装置120は、ディスプレイ110が送信する画像ビームIML1及びIML2を受信するために用いられる。画像焦点調整装置120は、画像ビームIML1及びIML2の偏光方向に基づき、画像ビームIML1及びIML2の焦点距離をそれぞれ調整することができる。画像ビームIML1とIML2の偏光方向は異なることから、画像焦点調整装置120は、画像ビームIML1及びIML2がそれぞれ異なる焦点距離を有するようにすることができる。このようにして、画像ビームIML1及びIML2は、重なり合わない2つ結像面にそれぞれ結像することができ、表示画像は複数の被写界深度の効果を有することができる。
【0010】
本実施形態では、ディスプレイ110は、2つ以上の複数の
サブ領域を有していても良い。
図1に図示される2つの
サブ領域111、112は、専ら説明のための例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0011】
図2を参照すると、
図2は、本発明の一実施形態における、表示装置中のディスプレイの実施方法の概略図を示す。ディスプレイ200は、表示パネル210と、偏光板220と、液晶アレイ基板230と、を備える。表示パネル210は、表示画像を生成するために用いられる。偏光板220と表示パネル210互いに重なり合うように配置され、表示パネル210が生成した表示画像のビームを受信するために用いられる。本実施形態では、偏光板220直線偏光子であって良く、表示パネル210が生成した表示画像のビームの偏光方向を偏光板220の直線透過軸と平行に変換するために用いられる。本実施形態では、偏光板220は、表示パネル210が表示画像のビームを生成する表面と互いに接触していても良い。
【0012】
また、液晶アレイ基板230と偏光板220は隣接して配置される。液晶アレイ基板230は、複数の液晶サブ領域231及び232を有していても良い。表示パネル210は、偏光板220と協働して、液晶サブ領域231及び232に対し、サブ領域画像DIM1及びDIM2をそれぞれ送信することができる。液晶サブ領域231及び232は、サ
ブ領域画像DIM1及びDIM2の偏光方向をそれぞれ制御して、画像ビームIML1及びIML2をそれぞれ生成する。
【0013】
より詳細には、液晶サブ領域231及び232は、それぞれ制御電圧を受信し、制御電圧の受信状態に基づき、サブ領域画像DIM1及びDIM2の偏光方向を調整するかどうかを決定することができる。例えば、液晶サブ領域231が制御電圧を受信した場合、液晶サブ領域231中の液晶アレイが偏向され、サブ領域画像DIM1が直接通過して、画像ビームIML1を生成する。このような条件において、サブ領域画像DIM1の偏光方向は調整されず、維持される。一方、液晶サブ領域232が制御電圧を受信しない場合、液晶サブ領域232中の液晶アレイは偏向されず、サブ領域画像DIM2の偏光方向を所定の角度回転させて、画像ビームIML2を生成することができる。本実施形態における所定の角度は、例えば90度である。このようにして、画像ビームIML1とIML2は、異なる偏光方向を有することができる。
【0014】
図1の実施形態と同様に、液晶アレイ基板230が有する液晶
サブ領域の数は、2つ又は2つ以上であって良い。
図2に図示される液晶アレイ基板230が有する2つの液晶
サ
ブ領域231、232は、専ら説明のための例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。また、本発明の実施形態に係る液晶アレイ基板230は、ツイストネマティック(Twist Nematic, TN)液晶アレイであっても良い。
【0015】
以下、
図3を参照すると、
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。本実施形態では、画像焦点調整装置300は、偏光経路選択レンズ群である。画像焦点調整装置300は、画像ビームの進行光路を調整するために用いることができる。画像焦点調整装置300は、第1の遅延フィルム311と、ビームスプリッタ312と、第2の遅延フィルム313と、反射直線偏光板314と、レンズ群320と、を備える。第1の遅延フィルム311とビームスプリッタ312は、互いに重なり合うように配置され、第1の遅延フィルム311は、ディスプレイからの画像ビームを受信するために用いられる。第2の遅延フィルム313は、反射直線偏光板314と互いに重なり合うように配置される。ここで、第2の遅延フィルム313は、ビームスプリッタ312の出光面に対応する入光面を有する。第2の遅延フィルム313とビームスプリッタ312との間には、媒体330を有していても良い。本実施形態では、媒体330は、空気媒体であって良い。
【0016】
なお、反射直線偏光板314は、異なる偏光方向の画像ビームに対して、異なる作用を奏することができることに留意されたい。例えば、反射直線偏光板314は、第1の偏光方向を有する画像ビームに対して反射作用を奏し、さらに、反射直線偏光板314は、第2の偏光方向を有する画像ビームに対して透過作用を奏することができる。ここで、第1の偏光方向と第2の偏光方向は異なる。したがって、反射直線偏光板314は、画像ビームの偏光方向に基づき、画像ビームの進行光路を調整し、さらに、画像ビームの焦点距離及び結像位置を調整することができる。
【0017】
具体的には、画像焦点調整装置300に入る画像ビームが第1の偏光(直線偏光)方向にある場合、第1の遅延フィルム311は、画像ビームを第1の円偏光に変換し、さらに、ビームスプリッタ312及び第2の遅延フィルム313により、画像ビームを第1の偏光方向に変換することができる。さらに、反射直線偏光板314は、第1の偏光方向の画像ビームを反射することができ、第2の遅延フィルム313は、反射された画像ビームを第1の円偏光に変換する。次いで、画像ビームがビームスプリッタ312に送信され、ビームスプリッタ312は、第1の円偏光状態を有する画像ビームを第2の遅延フィルム313に反射することができる。このとき、第2の遅延フィルム313は、画像ビームを第2の偏光(直線偏光)方向に変換し、画像ビームが反射直線偏光板314を通過するようにする。
【0018】
一方、画像焦点調整装置300に入る画像ビームが第2の偏光(線偏光)方向にある場合、画像ビームは、第1の遅延フィルム311により第2の円偏光に変換され、さらに、ビームスプリッタ312及び第2の遅延フィルム313により、さらに第2の偏光方向に変換される。このようにして、画像ビームは、反射直線偏光板314を直接通過することができる。
【0019】
なお、本実施形態では、第1の遅延フィルム311及び第2の遅延フィルム313は、1/4遅延フィルムであっても良い。
【0020】
また、レンズ群320は、反射直線偏光板314の出光面に隣接して配置される。レンズ群320は、画像ビームを受信し、結像画像を生成するために用いられる。
【0021】
以上の説明から分かるように、画像焦点調整装置300は、異なる偏光方向を有する画像ビームの進行光路に基づき、異なる程度の調整動作を行い、異なる偏光方向を有する画像ビームを異なる結像面に結像することにより、表示画像の被写界深度レベルを向上させることができる。
【0022】
以下、
図4Aを参照すると、
図4Aは、本発明の実施形態に係る表示装置の画像焦点調整装置の一実施方法の概略図を示す。本実施形態では、画像焦点調整装置400は、偏光方向レンズ(Polarization Directed Lens)である。本実施形態では、画像焦点調整装置400は、液晶アレイ基板により構成することができる。画像焦点調整装置400は、特殊な液晶配向により、異なる偏光状態で異なる焦点距離を有することができる。
図4Aにおいて、焦点距離fは0よりも大きい数値であり、画像焦点調整装置400は、受信した画像ビームIML1の進行光路を合焦状態にすることができる。
【0023】
図4Bでは、焦点距離fは0よりも小さい数値であり、画像焦点調整装置400は、受信した画像ビームIML2の進行光路を非合焦状態にすることができる。ここで、画像ビームIML1及びIML2は、異なる偏光方向を有する。
【0024】
図5Aから
図5Cを参照すると、
図5Aは、本発明の別の一実施形態に係る表示装置の概略図を示す。
図5B及び
図5Cは、それぞれ表示装置中の異なる偏光方向における画像ビームの光路図を示す。表示装置500は、ディスプレイ510と、画像焦点調整装置520と、を備える。ディスプレイ510と画像焦点調整装置520は、隣接して配置される。ディスプレイ510は、複数の
サブ領域Z1及びZ2を有していても良く、
サブ領域Z1及びZ2は、異なる偏光方向を有する複数の画像ビームIML1及びIML2をそれぞれ生成することができる。ここで、画像ビームIML1の偏光方向と画像ビームIML2の偏光方向は互いに直交する。画像ビームIML1の進行光路P1の詳細は、
図5Bに示される通りであって良く、ここで、画像ビームIML1は、複数回の屈折により進行することができる。画像ビームIML2の進行光路P2の詳細は、
図5Cに示される通りであって良く、ここで、画像ビームIML2は、2度の反射及び複数回の屈折により進行することができる。
【0025】
画像焦点調整装置520を用いた画像ビームIML1及び画像ビームIML2の進行光路の調整動作により、画像ビームIML1は、結像面M1上に第1の虚像を形成することができる。画像ビームIML2は、結像面M2に第2の虚像を形成することができる。ここで、結像面M1と結像面M2は重なり合わない。観察者の眼球EYEの位置に対して、画像ビームIML1に対応する第1の虚像は像距離d1を有していても良く、画像ビームIML2に対応する第2の虚像は像距離d2を有していても良い。ここで、像距離d1は像距離d2よりも小さい。
【0026】
以上の説明から分かるように、表示装置500は、ディスプレイ510が異なるサブ領
域の表示画像に対して異なる偏光方向を有する画像ビームを生成し、さらに、画像焦点調整装置520が偏光方向に基づき画像ビームの焦点距離に対する調整動作を行う。このようにして、表示画像中、異なるサブ領域に対応する表示対象を異なる像距離を有する結像面に結像することができる。表示装置500が生成する表示画像は、複数の被写界深度を有し、表示画像の表示品質を効果的に向上させることができる。
【0027】
以下、
図6を参照すると、
図6は、本発明の一実施形態に係るヘッドマウント表示装置の概略図を示す。ヘッドマウント表示装置600は、主体部610と、表示装置620と、を備える。表示装置620は、主体部610に設けられ、使用者の眼球EYEに表示画像を投射するために用いられる。
【0028】
表示装置620は、前述の実施形態の表示装置100又は500を応用して実施することができる。表示装置620の実施の詳細については、前述の複数の実施形態及び実施方法で詳細に説明されているので、ここでは繰り返さない。
【0029】
なお、主体部610における表示装置620の設置位置は、ヘッドマウント表示装置600の設置に応じて適宜調整できることに言及しておく価値がある。
図6は、専ら説明のための例にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0030】
まとめると、本発明の表示装置では、ディスプレイが異なる偏光方向を有する画像ビームを生成し、さらに、画像焦点調整装置が偏光方向に基づき画像ビームの焦点距離に対する調整動作を行う。このようにして、表示画面の各部分の結像の像距離を効果的に制御し、複数の被写界深度を有する表示画像を効果的に生成し、表示品質を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の表示装置は、異なる偏光方向を有する画像ビームに対して焦点距離の調整を行い、異なる画像ビームを異なる像距離の結像面に結像することにより、表示装置が呈する表示効果を効果的に向上させることができる。本発明の表示装置は、例えば、ヘッドマウント表示装置などの虚像表示システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
100、500、620:表示装置
110、200、510:ディスプレイ
111、112:サブ領域
120、300、400、520:画像焦点調整装置
210:表示パネル
220:偏光板
230:液晶アレイ基板
231、232:液晶サブ領域
311:第1の遅延フィルム
312:ビームスプリッタ
313:第2の遅延フィルム
314:反射直線偏光板
320:レンズ群
330:媒体
600:ヘッドマウント表示装置
610:主体部
d1、d2:像距離
DIM1、DIM2:サブ領域画像
EYE:眼球
f:焦点距離
IML1、IML2:画像ビーム
M1、M2:結像面
P1、P2:進行光路
Z1、Z2:サブ領域
【外国語明細書】