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特開2025-7377シール材およびガスケット付きの金属部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007377
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】シール材およびガスケット付きの金属部品
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
F16J15/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108735
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】松田 充弘
(72)【発明者】
【氏名】古賀 晶子
(72)【発明者】
【氏名】饗庭 貴文
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040AA01
3J040BA04
3J040EA01
3J040EA16
3J040FA06
3J040HA03
3J040HA05
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよいシール材を提供する。
【解決手段】シール材100は、自己接着性を有するシール本体110と、シール本体110の表面に設けられた粘着部120であって、シール本体110が変形するとき、その変形に追従して変形可能な粘着部120と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己接着性を有するシール本体と、
前記シール本体の表面に設けられた粘着部であって、前記シール本体が変形するとき、その変形に追従して変形可能な粘着部と、
を備えるシール材。
【請求項2】
前記粘着部は、前記シール本体と同等以下の剛性を有する請求項1に記載のシール材。
【請求項3】
前記粘着部は、前記シール本体と同等以下の弾性率を有する請求項1に記載のシール材。
【請求項4】
前記粘着部の前記シール本体とは反対側を覆うセパレータをさらに備える請求項1に記載のシール材。
【請求項5】
前記シール本体は前記粘着部および前記セパレータとともにロール状に巻回されている請求項4に記載のシール材。
【請求項6】
前記粘着部は、前記シール本体に貼り付いた面の粘着力よりも、それとは反対側の面の粘着力が弱い請求項1に記載のシール材。
【請求項7】
前記粘着部を複数備え、当該複数の粘着部は、前記シール本体の厚み方向に先細の凸状に形成される請求項1に記載のシール材。
【請求項8】
ガスケット付きの金属部品であって、
前記金属部品は平坦なシール面を有し、
前記ガスケットは、前記シール面に貼り付けられた請求項1から7のいずれかに記載の1つまたは複数のシール材であって、自己接着性により繋ぎ合わされた1つまた複数のシール材により構成される、
ガスケット付きの金属部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール材およびガスケット付きの金属部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、長尺のシール体であって、自由に変形可能な性状を有し、かつ、自己接着性を有するシール体を開示する。特許文献1によれば、長尺のシール体から、所望の形状のガスケットを形作ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2023/026752号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシール体は、使い勝手の観点からはさらなる改善の余地がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、使い勝手のよいシール材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のシール材は、自己接着性を有するシール本体と、シール本体の表面に設けられた粘着部であって、シール本体が変形するとき、その変形に追従して変形可能な粘着部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様はガスケット付きの金属部品である。この金属部品は、平坦なシール面を有し、ガスケットは、シール面に貼り付けられた上述の1つまたは複数のシール材であって、自己接着性により繋ぎ合わされた1つまた複数のシール材により構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使い勝手のよいシール材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)~(c)は、実施の形態に関する課題を説明する図である。
図2】実施の形態に係るシール材の側面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4図4(a)は、図2の粘着部付きのシール本体と、シール本体の単体と、を互いに同じ形状に湾曲させて金属板に押し付けた状態を示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のB-B線断面図である。
図5図5(a)は、ガスケット付きの金属部品の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のC-C線断面図である。
図6図2のシール材により構成されたガスケットを備える水素発生装置の概略構成図である。
図7図2のシール本体の製造方法の一例の流れを模式的に示す図である。
図8】変形例に係るシール材の断面図である。
図9図9(a)~(c)はそれぞれ、変形例に係るシール材を示す図である。
図10図10(a)、(b)は、変形例に係るシール材100の断面図である。
図11図11(a)、(b)は、変形例に係るシール材を示す図である。
図12図12(a)~(c)は、変形例に係るシール材100を示す図である。
図13】変形例に係るシール材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0011】
実施の形態に関する課題を説明する。図1(a)~(c)は、実施の形態に関する課題を説明する図である。図1では、柔軟性かつ自己接着性を有する長尺のシール材700により、第1被シール部材10と第2被シール部材12との間の空隙をシールするためのガスケット750を構成する。
【0012】
図1(a)では、シール材700が、第1被シール部材10に貼り付けられている。この例では、第1被シール部材10の外縁に沿ってシール材700が貼り付けられている。図1(b)では、シール本体110は、第1被シール部材10の外縁に沿って全周に貼り付けられ、長手方向の両端部700a,700bが自己接着性により接着され、ガスケット750を構成している。図1(c)では、第1被シール部材10に第2被シール部材12を重ね、ガスケット750を第1被シール部材10と第2被シール部材12との間に挟持している。
【0013】
図1(a)、(b)に示すように、シール材700は、その粘着性(タック性)により、或る程度は第1被シール部材10に貼り付く。しかしながら、シール材700を曲げて貼り付けているため、シール材700の反発力に比べてシール材700が第1被シール部材10に貼り付く力が弱いと、第1被シール部材10と第2被シール部材12との間にシール材700すなわちガスケット750を挟持する前に、すなわち図1(a)あるいは図1(b)の段階で、第1被シール部材10からシール材700が剥がれたり、第1被シール部材10に対するシール材700の位置がずれてしまう。なお、発明者らの検討によれば、被シール部材が金属(例えばアルミニウム)である場合に、シール材700の剥がれや位置ずれが生じやすかった。
【0014】
図2は、実施の形態に係るシール材100の側面図である。図3は、図2のA-A線断面図である。シール材100は、その限りでないが、ガスケットに用いられる。シール材100は、大型のガスケットに用いられてもよく、例えば、水電解用セルシールや燃料電池用セルシールなどのガスケットに用いられてもよい。例えば、長尺のシール材100が、被シール部材の縁に沿って貼り付けられ、その両端同士が自己接着性により接着されて環状(無端状)のガスケットを構成する。
【0015】
シール材100は、長尺のシール本体110と、シール本体110の表面に設けられた粘着部120と、粘着部120のシール本体110とは反対側を覆うセパレータ130と、を備える。シール材100は、セパレータ130を外側にして、円柱状あるいは円筒状の芯材104にロール状に巻回されている。
【0016】
シール本体110は、紐状または帯状の部材であり、長手方向に直交する断面形状は矩形状である。なお、変形例において後述するが、シール本体110の形状はこれには限定されない。
【0017】
シール本体110は、高い柔軟性を、言い換えると低い剛性を有する。これにより、シール本体110ひいてはシール材100を、被シール部材の縁などに沿うように自由に変形させることができる。例えば、シール本体110ひいてはシール材100を、湾曲させたり、略L字状に曲げたり、略U字状に曲げたりすることができる。したがってシール本体110は、例えば、要求される変形を実現可能な柔軟性すなわち剛性を有していればよい。
【0018】
シール本体110は、要求されるシール性、耐久性、耐圧性または耐熱性を有する。シール本体110は、一例としては、アクリルゴムを主原料とし、プレス成形あるいは押し出し成形によって成形される。
【0019】
シール本体110は、自己接着性を有する。「自己接着性」とは、シール本体110同士を接触させた場合、例えば、紐状や帯状などの長尺の1つのシール本体110の両端面同士を接触させたり、2つのシール本体110の端面同士を接触させたりした場合に、接触面の少なくとも一部が架橋反応によって接着される性質をいう。より詳しくは、「自己接着性」とは、シール本体110同士を接触させた場合に、それぞれの接触面を構成する化合物の分子鎖に含まれる架橋点と架橋剤とが接触し、それらが架橋反応を起こして結合する、すなわちそれぞれの接触面を構成する化合物の分子鎖が架橋して結合することで、接触面の少なくとも一部が接着される性質をいう。したがって、シール本体110同士を接触させることで、シール本体110同士を接着できる。例えば、シール本体110同士を接触させることで、接触面の一部が架橋反応により接着し、接触面の他の少なくとも一部がタック性により接着される。シール本体110の長手方向の両端同士を接着すれば、シール本体110は環状(無端状)になる。
【0020】
粘着部120は、シール本体110の1つの面110aに設けられる。粘着部120は、シール本体110の面110aの全体を覆うように設けられている。
【0021】
粘着部120は、アクリル系、ゴム系、シリコーン系またはウレタン系の粘着剤により構成されてもよい。いずれにせよ、粘着部120は、シール本体110よりも高い粘着力を有する。粘着力は、剥離試験などの公知の測定方法によって測定される粘着力であってもよい。この場合、「粘着部120はシール本体110よりも高い粘着力を有する」とは、剥離試験などの公知の測定方法によって測定される粘着部120の粘着力が、当該測定方法によって測定されるシール本体110の粘着力よりも高いことであってもよい。あるいは、「粘着部120はシール本体110よりも高い粘着力を有する」とは、図4に示すように、所定の長さ(例えば100mm)の、粘着部120付きのシール本体110と、シール本体110の単体(すなわち粘着部120が着いていないシール本体110)と、を互いに同じ形状(例えば図4に示すようにU字状)に湾曲させて金属板(例えばアルミニウム板)8に押し付けた場合に、粘着部120付きのシール本体110が、シール本体110の単体よりも長い時間、金属板に貼り付いた状態を維持することであってもよい。
【0022】
粘着部120は、液状あるいは半液状の粘着剤をシール本体110に塗布(すなわちコーティング)し、それを硬化することにより形成されてもよい。粘着部120は、両面テープを貼り付けることにより形成されてもよい。両面テープは、液状あるいは半液状の粘着剤を硬化することにより形成されたものでもよい。両面テープは、典型的には不織布などの基材を含むが、基材を含まないものであってもよい。
【0023】
粘着部120は、シール本体110が変形するとき、その変形に追従して変形可能に構成される。したがって粘着部120は、少なくとも、シール本体110の変形を許容するように構成される。粘着部120は、好ましくは、シール本体110の変形を妨げないように構成される。言い換えると、粘着部120は、好ましくは、シール本体110と同じかシール本体110よりも低い剛性を有するように、すなわちシール本体110と同等以下の剛性を有するように構成される。粘着部120が基材を含む両面テープで構成される場合、両面テープの基材および粘着剤の両方が、シール本体110と同等以下の剛性を有していればよい。
【0024】
粘着部120は、好ましくは、シール本体110と同じかシール本体110よりも低い弾性率を有するように、すなわちシール本体110と同等以下の弾性率を有するように構成される。シール本体110を変形させた状態、例えば曲げた状態を維持したい場合において、シール本体110に追従して変形した粘着部120が元の形に戻ろうとする力が、シール本体110が元の形に戻ろうとする力よりも強いと、粘着部120が浮き上がるなどの不具合が生じるためである。
【0025】
粘着部120が基材を含む両面テープで構成される場合、好ましくは、両面テープの基材および粘着剤の両方が、シール本体110と同等以下の弾性率を有していればよい。
【0026】
セパレータ130は、粘着部120のシール本体110とは反対側の表面に貼り合わされる。セパレータ130は、シール材100の使用時に、使用者によって剥がされる。セパレータ130により、粘着部120が保護される。また、セパレータ130により、意図しない粘着部120の貼り付きが抑止され、その結果、シール材100の取り扱いが容易になる。セパレータ130は、その限りでないが、帯状の基材(シート)132と、基材132の片面または両面に形成された離型層134と、を含む。図3の例では、基材132の片面にのみ離型層134が形成されている。
【0027】
基材132は、その限りでないが、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリプロピレン、アラミド、ポリオレフィン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PCV)、ポリエチレンまたは紙により構成される。
【0028】
離型層134は、粘着部120からの軽剥離を実現するための層である。離型層134は、その限りでないが、例えば、シリコーン、フロロシリコーンにより構成される。
【0029】
セパレータ130の両面に離型層134が形成される場合は、セパレータ130の表裏を気にすることなくセパレータ130を粘着部120に貼り合わせられる。したがって、シール材100の製造時のセパレータ130の取り扱いが容易である。
【0030】
セパレータ130の片面にのみ離型層134が形成される場合は、離型層134が形成されていない側は基材132が露出し、シール材100がロール状に巻回されている状態では、シール本体110は基材132と接触する。この場合、シール本体110が基材132よりも摩擦係数が低い離型層134と接触する場合と比べ、すなわちセパレータ130の両面に離型層134が設けられる場合と比べ、シール材100のロール状態が崩れにくい。
【0031】
以上がシール材100の基本構成である。
【0032】
シール材100を貼り付ける場合、セパレータ130を剥がしながら、シール材100すなわち粘着部120付きのシール本体110を、被シール部材の例えば外縁に沿って貼り付ける。粘着部120付きのシール本体110の両端を接触させて接着し、粘着部120付きのシール本体110を環状にする。粘着部120付きのシール本体110は、必要に応じて、被シール部材に貼り付ける前にあるいは貼り付けを行っている最中に、適当な長さにカットされてもよい。
【0033】
なお、シール本体110のカットされた端面は、通常、微細な凹凸を有するため、シール本体110の端面同士を接触させるだけではミクロ的には接触されない部分も存在しうる。ミクロ的に接触されない部分は、架橋反応起こらないため、結合されない。したがって、シール本体110同士を自己接着性により接着させる場合、好ましくは、端面同士を圧着させる、すなわち力をかけて端面同士を押し付ける。これにより、ミクロ的に接触されない部分を少なくでき、より強力に接着できる。
【0034】
また、一般的な粘着テープは、基材、粘着部、セパレータがこの順に重なった構造を有する。シール材100も同様に、シール本体110(基材)、粘着部120、セパレータ130がこの順に重なった構造を有する。つまり、シール材100は一般的な粘着テープと同様の構造を有する。したがって、一般的な粘着テープの貼り付けに用いる既存の貼り付け装置を用いてシール材100を貼り付けることもできる。貼り付け装置を用いてシール材100を貼り付ける場合、当該貼り付け装置がシール材100を位置決めするため、被シール部材に位置決めのための溝は不要となる。
【0035】
一方、被シール部材に貼り付けられた粘着部120付きのシール本体110を剥がして巻き取る場合、粘着部120にセパレータ130を貼り合わせながら、セパレータ130を外側にして芯材104にロール状に巻き取ればよい。
【0036】
続いて、シール材100の応用例を説明する。
【0037】
図5(a)は、ガスケット150付きの金属部品(金属板)200の平面図であり、図5(b)は、図5(a)のC-C線断面図である。図5(a)では、シール材100が金属部品200の外縁に沿って曲げられて金属部品200の平坦なシール面200aに貼り付けられている。シール材100は、長手方向の両端部100a,100bが自己接着性により繋ぎ合わされ、環状のガスケット150を構成している。なお、貼り付け装置を用いてシール材100を貼り付けることで、溝の無い平坦なシール面200aにも、適切な位置にシール材100を貼り付けることができる。
【0038】
図6は、水素発生装置300の概略構成図である。この水素発生装置300では、シール材100により構成された2つのガスケット150が、それぞれ、水素イオン交換膜302と、2つの水電解用セパレータ304との間に配置されている。この場合、水素発生装置300を組み立てる前に、あらかじめ水電解用セパレータ304に、シール材100ひいてはガスケット150を、粘着部120の粘着力により貼り付けておけばよい。
【0039】
続いて、シール本体110の製造方法の一例について説明する。
【0040】
図7は、シール本体110の製造方法の一例の流れを模式的に示す図である。この製造方法は、架橋剤添加工程S1と、混練工程S2と、加圧工程S3と、切断工程S4と、を含む。
【0041】
架橋剤添加工程S1では、シール本体110の主原料となる化合物2に対し、予め規定された添加量の架橋剤3を添加し、周知の攪拌機等(図示せず)を用いてアクリルゴム2および架橋剤3を均一に混合し、混合物4を形成する。
【0042】
シール体8の主原料となる化合物2には、例えば、アクリルモノマーから誘導されたアクリルモノマー誘導の構成単位(アクリルモノマー誘導構成単位)と、ハロゲン基含有モノマーから誘導されたハロゲン基含有モノマー誘導の構成単位(ハロゲン基含有モノマー誘導構成単位)とをそれぞれ含み、これらの構成単位がそれぞれ繰り返し単位として含んで構成されたアクリルゴム等を用いることができる。さらに、アクリルモノマー(アクリルモノマー誘導構成単位)としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシエチル等を使用することが可能であり、一方、ハロゲン基含有モノマー(ハロゲン基含有モノマー誘導構成単位)としては、例えば、2-クロロエチルビニルエーテル等の2-クロロエチルビニルモノマー等を使用することが可能である。なお、ハロゲン基含有モノマーにおけるハロゲン基として、上記の塩素基以外にもフッ素基、ブチル基、およびヨウ素基等が使用されるものであっても構わない。
【0043】
架橋剤3として、例えば、1-ブチルイミダゾール等のイミダゾール化合物を添加し使用することができる。すなわち、アクリルゴム等の化合物2に添加され、均一に混合可能なものであり、化合物2との間に架橋反応を進行させることが可能な架橋剤3であれば構わない。
【0044】
化合物2に対する架橋剤3の添加量は、下記に基づいて規定することが可能である。すなわち、アクリルゴム2に含まれるハロゲン基含有モノマーのハロゲン基に対し、当該架橋剤3のモル等量が0.2~4.0の範囲とすることができる。
【0045】
なお、かかるモル等量の範囲をmol%に換算した場合、架橋剤3の添加量は、アクリルゴム2の添加量に対し、0.8mol%~4.2mol%の範囲とすることができる。上記の通り規定されたモル等量(若しくはmol%)の架橋剤3を添加することにより、化合物2が良好な架橋反応を促進することができる。
【0046】
混練工程S2では、混合物4をさらに混練する。混練工程S2は、周知の混練機を用いて実施することが可能であり、特に限定されるものではなく、混合物4を混練し、所定の粘度に調整するものである。
【0047】
例えば、駆動用モータに接続されたローター羽根を用い、当該ローター羽根を回転させることで混合物4を混練するミル混練機(図示しない)や、複数のロール間の間で混合物4を混練するロール混練機(図示しない)等を用いることができる。
【0048】
混練工程S2は、上述したミル混練機およびロール混練機をそれぞれ混練機として用い、二段階の工程で実施することが可能である。具体的に説明すると、架橋剤添加工程S1によって得られた混合物4を第一段階として、ミル混練機を混練機として用いて混練するミル混練工程S2aと、ミル混練工程S2aによって得られたミル混練物5aを第二段階として、さらにロール混練機を混練機として用いて混練するロール混練工程S2bとを行うことができる。なお、混練工程S2は、上記に限定されるものではなく、ミル混練工程S2aおよびロール混練工程S2bのいずれか一方のみ、或いは、ミル混練工程S2aの前にロール混練工程S2bを実施するものであっても構わない。
【0049】
混合物4に対する混練条件は、特に限定されるものではなく、例えば、ミル混練工程S2aを行うミル混練機におけるローター羽根の回転速度を5rpm~20rpmの範囲、混練温度を30℃~70℃の範囲、および、混練時間を30分~60分の範囲としたり、ロール混練工程S2bを行うロール混練機におけるロールの回転速度を7rpm~20rpmの範囲、混練温度を30℃~80℃の範囲、および、混練時間を10分~30分の範囲としたりすることができる。
【0050】
混練工程S2(ミル混練工程S2a、ロール混練工程S2b)による混練を実施することで、混練工程S2に送出された混合物4は次工程を実施するための適度な粘性や流動性を有する性状の物質に調整される。
【0051】
加圧工程S3では、混練工程S2によって得られた混練物5をプレス機を使用して加圧する。
【0052】
加圧工程S3は、周知のプレス機を使用することが可能であり、予め規定された加圧圧力で加熱をしながら圧力を加えることにより、混練工程S2から送出された例えば、塊状の混練物5を所定の厚さ(例えば、2mm厚さ)となるように薄く引き延ばした薄板状の加圧体6の形状とすることができる。
【0053】
加圧工程S3におけるプレス機の加圧条件は、特に限定されるものではないが、例えば、プレス圧:95~105kgf/cm、プレス温度:150℃、プレス時間:1時間等で周知のプレス型内でプレスを行うことにより、加圧後の加圧体厚さtが2mm厚さに調整された加圧体6を形成することが可能となる。
【0054】
切断工程S4では、加圧工程S3によって均一の厚さとなるようにプレスされた薄板状の加圧体6をさらに帯状体7にカットする。切断工程S4は、特に限定されるものではなく、薄板状の加圧体6を所定幅の帯状体7(換言すれば、細長形状の態様)に切断加工可能なものであればよく、例えば、周知の切断手段(カッター)等を用いてカットする、若しくは、帯状体7の形状に合わせた型を用い、型抜きすることにより形成するものであってもよい。これにより、最終的に長手方向及び短手方向を有する所定の幅の細長形状(或いは短冊状)の帯状体7(帯状のシール本体110)とすることができる。
【0055】
続いて、実施の形態が奏する効果を説明する。実施の形態によれば、シール材100が粘着部120を備えるため、粘着力が不足することによるシール材100の剥がれや位置ずれが抑止され、シール材100の位置決め精度の向上、生産性の向上、シール性の向上を図ることができる。
【0056】
本実施の形態では、粘着部20の粘着力により、シール材100が被シール部材に貼り付く。これにより、複雑な形状にシール材100を変化させる場合であっても、シール材100の位置ずれが抑止される。つまり、被シール部材の形状による制約を受けることなく、本実施の形態のシール材100を用いることができる。
【0057】
従来、ガスケットの成形にはそれ専用の金型が必要であり、大型のガスケットの成形には大型の金型が必要であった。大型の金型は、製造コストがかかり、その管理も煩雑である。これに対し、本実施の形態によれば、紐状や帯状などの長尺のシール材100から所望のガスケットを形作ることができるため、従来のガスケットのような専用の金型は不要となる。つまり、大型のガスケットのための大型の金型も不要となる。したがって、本実施の形態のシール材100を大型のガスケットに適用すると特に有利である。
【0058】
ガスケットをシート材から打ち抜いて作成する場合、抜きカス、すなわちガスケットとして使われずに捨てられる無駄が出る。大型のガスケットをシート材から打ち抜いて作成する場合は、当然ながら、大きな抜きカスすなわち大量の無駄が出る。これに対し、本実施の形態によれば、紐状や帯状などの長尺のシール材からガスケットを作ることができるため、抜きカスは生じない。したがって、本実施の形態によれば、材料をより効率的に利用できる。
【0059】
本実施の形態では、粘着部120は、シール本体110と同等以下の剛性を有するため、シール本体110の変形を妨げずにシール本体110の変形に追従して変形する。これにより、シール本体110のシール性能が損なわれない。
【0060】
シール材がロール状に巻回される場合、シール材が粘着部を備えない場合であっても、自己接着性を有するシール本体同士が接触すると接着されてしまうため、それらの間にセパレータが必要である。しかしながら、セパレータに対するシール本体の接着力は弱いため、シール材の取り扱い時に崩れやすい。これに対し本実施の形態では、粘着部120は、シール本体110と比べてセパレータ130に対しても一定の粘着力があるため、取り扱い時の型崩れが抑止され、取り扱いを容易にする。
【0061】
本実施の形態によれば、シール材100の貼り付けに、一般的な粘着テープを貼り付けるための既存の貼り付け装置を用いることができる。したがって、新たな貼り付け装置の開発が不要であり、コストを抑えられる。また、貼り付け装置を用いてシール材100を貼り付けることで、言い換えると自動でシール材100を貼り付けることで、シール材100の位置決め精度が向上し、その結果、組み付け精度も向上する。貼り付け装置がシール材100を位置決めするため、被シール部材に位置決めのための溝を設けなくてよく、被シール部材の製造コストが低減する。また、貼り付け装置を用いてシール材100を貼り付けることで、より高速にシール材100を貼り付けることができ、生産性が向上する。
【0062】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0063】
(変形例1)
実施の形態では特に言及しなかったが、粘着部120は、シール本体110に貼り付いた面120aの粘着力よりも、それとは反対側の、セパレータ130に貼り付いた(すなわち被シール部材に貼り付けられる)面120bの粘着力が弱くてもよい。
【0064】
上述の粘着力の関係は、粘着部120を、面120aから面120bに向かって粘着力が傾斜的に徐々に弱まるように形成することによって実現されてもよい。
【0065】
図8は、変形例に係るシール材100の断面図である。図8は、図3に対応する。上述の粘着力の関係は、図8に示すように、粘着部120を第1粘着部121と第2粘着部122との二層構造にすることによって実現されてもよい。詳しくは、粘着部120を、シール本体110に接触する第1粘着部121と、第1粘着部121よりも粘着が弱い第2粘着部122であって、シール本体110とは反対側において第1粘着部121に重なる第2粘着部122と、で構成することによって実現されてもよい。
【0066】
本変形例によれば、粘着部120は、シール本体110からは剥がれにくく、被シール部材からは剥がしやすい。したがって、被シール部材に対するシール材100の貼り付け位置がズレてしまった場合、すなわちシール材100の貼り付けをミスした場合などに、シール材100を貼り直しやすい。
【0067】
(変形例2)
実施の形態および上述の変形例とは異なり、粘着部120は、シール本体110の面110aを部分的に覆うように設けられてもよい。図9(a)~(c)はそれぞれ、変形例に係るシール材100を示す図である。図9(a)~(c)では、ロール状ではなく展開した状態のシール材100を示す。図9(a)~(c)では、セパレータ130の表示を省略している。
【0068】
図9(a)では、シール本体110の長手方向に直交する方向(以下、幅方向という)に延在する複数の粘着部120が、シール本体110の長手方向に間隔をあけて配置されている。
【0069】
図9(b)では、シール本体110の長手方向と幅方向とに交差する方向に延在する複数の粘着部120が、シール本体110の長手方向に間隔をあけて配置されている。
【0070】
図9(c)では、複数の点状の粘着部120が、シール本体110の面110aに分布している。粘着部120の分布は、特に限定されず、一様であってもよいし、粘着部120が密な部分と疎な部分とが長手方向に繰り返していてもよい。
【0071】
本変形例によれば、粘着部120がシール本体110の面110aの全体を覆うように設けられる場合と比べて、粘着部120の表面積は小さく、そのため粘着部120が被シール部材と接触する面積も小さいため、シール材100を被シール部材に貼り付けた場合にシール材100を被シール部材から剥がしやすく、したがって貼り付けをミスした場合などにシール材100を貼り直しやすい。
【0072】
(変形例2)
実施の形態および上述の変形例とは異なり、粘着部120は、シール本体110の面110aの幅方向における一部の範囲のみを覆うように設けられてもよい。例えば、粘着部120は、幅方向における中央の範囲のみ、両端の範囲のみ、または一方側(片側)の範囲のみを覆うように設けられてもよい。この変形例によれば、粘着部120がシール本体110の面110aの全体を覆うように設けられる場合と比べて、粘着部120の表面積は小さく、そのため粘着部120が被シール部材と接触する面積も小さいため、シール材100を被シール部材に貼り付けた場合にシール材100を被シール部材から剥がしやすく、したがって貼り付けをミスした場合などにシール材100を貼り直しやすい。また、粘着部120が設けられていない幅方向の範囲において、シール本体110の面110aが直接に被シール部材に接触するため、より高いシール性を実現できる。以下、具体例を説明する。
【0073】
図10(a)、(b)は、変形例に係るシール材100の断面図である。図10(a)は、シール材100を被シール部材14に貼り付ける前の状態を示し、図10(b)は、シール材100を被シール部材14に貼り付けた状態を示す。この変形例のシール材100では、粘着部120は、シール本体110の面110aの幅方向における中央の範囲のみを覆うように設けられている。言い換えると、粘着部120は、シール本体110の面110aの幅方向における両端を避けた範囲に設けられている。セパレータ130は、粘着部120とセパレータ130とを合わせた厚みが幅方向に一様になるように、粘着部120に対応する部分が、その他の部分に比べて薄肉に形成されている。
【0074】
この変形例によれば、粘着部120の表面積は比較的小さく、そのため粘着部120が被シール部材14と接触する面積も比較的小さいため、シール材100の貼り付けをミスした場合などに貼り付け直しやすい。また、シール本体110の面110aの幅方向における両端の範囲が直接に被シール部材に接触するため、より高いシール性を実現できる。加えて、この変形例によれば、密封対象物に対する耐性(例えば化学的な耐性)を有しないおそれがある粘着部120が密封対象物に接触するのを避けられる。
【0075】
図11(a)、(b)は、変形例に係るシール材100の断面図である。図11(a)は、シール材100を被シール部材14に貼り付ける前の状態を示し、図11(b)は、シール材100を被シール部材14に貼り付けた状態を示す。この変形例のシール材100では、粘着部120は、シール本体110の面110aの幅方向における一方側(片側)のみを覆うように設けられている。図11(a)、(b)では、幅方向において、粘着部120で覆われている範囲R1が、粘着部120で覆われていない範囲R2よりも狭いが、その限りでなく、範囲R1が範囲R2より広くてもよく、2つの範囲R1,R2の広さが同じでもよい。セパレータ130は、粘着部120とセパレータ130とを合わせた厚みが幅方向に一様になるように、粘着部120に対応する部分が、その他の部分に比べて薄肉に形成されている。
【0076】
この変形例によれば、粘着部120の表面積は比較的小さく、そのため粘着部120が被シール部材14と接触する面積も比較的小さいため、シール材100の貼り付けをミスした場合などに貼り付け直しやすい。また、シール本体110の面110aの幅方向における他方側が直接に被シール部材に接触するため、より高いシール性を実現できる。また、粘着部120で覆われていない範囲R2側がガスケットの内周側に位置するように被シール部材14に貼り付けられることで、密封対象物に対する耐性(例えば化学的な耐性)を有しないおそれがある粘着部120が密封対象物に接触するのを避けられる。
【0077】
(変形例3)
実施の形態および上述の変形例では特に言及しなかったが、複数の粘着部120がそれぞれ、厚み方向に先細の(すなわちシール本体110の面110aから離れるほど細い)凸状に形成されてもよく、あるいは、1つまたは複数の粘着部120が、それぞれ、厚み方向に先細の複数の凸状部を有してもよい。以下、一例を具体的に説明する。
【0078】
図12(a)~(c)は、変形例に係るシール材100を示す図である。図12(a)は、展開した状態のシール材100の側面図である。図12(b)、(c)は、図12(a)のD-D線断面図である。図12(a)、(b)は、シール材100を被シール部材14に貼り付ける前の状態を示す。図12(a)、(b)は、シール材100を被シール部材14に軽く押し当てた(接触させた)状態ともいえる。図12(c)は、シール材100を被シール部材14に貼り付けた状態、特に、シール材100を被シール部材14に強く押し付けた状態を示す。
【0079】
本変形例のシール材100は、複数の粘着部120を含む。複数の粘着部120はそれぞれ、被シール部材14に強く押し付けられる前の状態において、厚み方向に先細の凸状に形成されている。粘着部120の形状は限定されず、図12(a)、(b)に示すように半球状であってもよいし、円錐台状、円錐状、その他の形状であってもよい。粘着部120は、図12(a)において紙面方向に長尺な形状であってもよい。図12(c)では、シール材100を被シール部材14に強く押し付けたことにより、複数の粘着部120は平たく潰れている。
【0080】
この変形例によれば、粘着部120が厚み方向に先細であるため、シール材100を被シール部材14に軽く押し当てたときは凸状の粘着部120の先端部のみが被シール部材14と接触するため粘着部120と被シール部材14との接触面積は比較的小さい。したがって、位置決めのためにシール材100を被シール部材14に軽く押し当てたときは、シール材100の貼り付けをミスしても貼り付け直しやすい。一方で、シール材100を被シール部材14に強く押し当てたときは粘着部120が潰れて粘着部120と被シール部材14の接触面積は比較的大きくなるため、シール材100はしっかりと被シール部材14に貼り付けられる。
【0081】
(変形例4)
図13は、変形例に係るシール材100の側面図である。図13図2に対応する。この変形例では、実施の形態および上述の変形例とは異なり、シール本体110の両面110a,110bに粘着部120が設けられている。この場合、シール材100がロール状に巻回されている状態において、型崩れしにくい。
【0082】
(変形例5)
実施の形態および上述の変形例では、シール材100は円柱状あるいは円筒状の芯材104にロール状に巻回されていたが、これには限定されない。シール材100は、薄い板に巻回されてもよい。またシール材100は、巻回されていなくてもよく、例えば巻回されないまま収納袋または収納箱に収納されてもよい。あるいはシール材100は、シート状または板状のセパレータに貼り付けられていてもよい。例えば複数本のシール材100が、シート状または板状の1つのセパレータに平行に並べられてもよい。
【0083】
(変形例6)
実施の形態および上述の変形例では、シール本体110の長手方向に直交する断面形状は矩形状であったが、シール本体110の形状はこれに限られない。例えば、シール本体110の粘着部120が設けられる面110aは平坦で、反対側の面は当該平坦面とは反対側に凸の曲面であってもよい。なお、シール本体110の粘着部120が設けられる面110aが曲面であってもよい。
【0084】
(変形例7)
実施の形態および上述の変形例では、シール材100は紐状または帯状であったが、これには限定されない。シール材100は、例えば平面視で矩形状に形成されてもよい。この場合、シール材は、使用者により、所望の形状、例えば紐状または帯状にカットされてから使用されてもよい。
【0085】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0086】
上述した実施の形態および変形例を一般化すると以下の態様が得られる。
【0087】
〔態様1〕
自己接着性を有するシール本体と、
前記シール本体の表面に設けられた粘着部であって、前記シール本体が変形するとき、その変形に追従して変形可能な粘着部と、
を備えるシール材。
【0088】
〔態様2〕
前記粘着部は、前記シール本体と同等以下の剛性を有する態様1に記載のシール材。
【0089】
〔態様3〕
前記粘着部は、前記シール本体と同等以下の弾性率を有する態様1または2に記載のシール材。
【0090】
〔態様4〕
前記粘着部の前記シール本体とは反対側を覆うセパレータをさらに備える態様1から3のいずれかに記載のシール材。
【0091】
〔態様5〕
前記シール本体は前記粘着部および前記セパレータとともにロール状に巻回されている態様4に記載のシール材。
【0092】
〔態様6〕
前記粘着部は、前記シール本体に貼り付いた面の粘着力よりも、それとは反対側の面の粘着力が弱い態様1に記載のシール材。
【0093】
〔態様7〕
前記粘着部を複数備え、当該複数の粘着部は、前記シール本体の厚み方向に先細の凸状に形成される態様1に記載のシール材。
【0094】
〔態様8〕
ガスケット付きの金属部品であって、
前記金属部品は平坦なシール面を有し、
前記ガスケットは、前記シール面に貼り付けられた請求項1から4のいずれかに記載の1つまたは複数のシール材であって、自己接着性により繋ぎ合わされた1つまた複数のシール材により構成される、
ガスケット付きの金属部品。
【符号の説明】
【0095】
100 シール材、 110 シール本体、 120 粘着部、 130 セパレータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13