(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007422
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】計測装置、計測方法、及び計測プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20250109BHJP
G06Q 30/0204 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/0242
G06Q30/0204
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108805
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】517238798
【氏名又は名称】Cinarra Systems Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細谷 正人
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L030BB08
5L049BB02
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザが属するセグメントに関する情報を広告主に提供可能とする。
【解決手段】計測装置は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶する記憶部と、広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報を取得する取得部と、セグメント情報および利用者情報に基づき、複数のセグメントそれぞれについて、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する計数部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶する記憶部と、
広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報を取得する取得部と、
前記セグメント情報および前記利用者情報に基づき、前記複数のセグメントそれぞれについて、前記広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に前記広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する計数部と、
を有することを特徴とする計測装置。
【請求項2】
前記計数部は、
前記利用者情報から特定されるクエリ文字列に基づき、前記Webサイトまたは前記Web広告への流入経路に関する流入情報を特定し、前記流入情報ごとに、前記ユーザの数を計数する、
ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記計数部による計数結果に基づく出力情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された出力情報を前記広告主に提供する提供部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項4】
前記生成部は、
前記出力情報として、前記ユーザの総数における前記複数のセグメントそれぞれに属するユーザの数の割合に関する情報を生成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記利用者装置の位置情報に基づいて、前記セグメント情報を生成する生成部
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記利用者装置の位置履歴情報に基づいて、前記ユーザが訪問した訪問場所、前記訪問場所での前記ユーザの滞在時間、前記ユーザが前記訪問場所を訪問した訪問時間または訪問頻度に関する情報を推定し、前記訪問場所、前記滞在時間、前記訪問時間または前記訪問頻度に関する情報に基づいて、前記セグメント情報を生成する、
ことを特徴とする請求項5に記載の計測装置。
【請求項7】
前記生成部は、
前記利用者装置の位置履歴情報に基づいて、前記ユーザが所定の頻度で移動する移動経路および前記ユーザが前記移動経路を移動するのに要する移動時間に関する移動情報を推定し、前記移動情報に基づいて、前記セグメント情報を生成する、
ことを特徴とする請求項5に記載の計測装置。
【請求項8】
複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶部に記憶する記憶工程と、
広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報を取得する取得工程と、
前記セグメント情報および前記利用者情報に基づき、前記複数のセグメントそれぞれについて、前記広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に前記広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する計数工程と、
を含む計測方法。
【請求項9】
複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報を取得する取得手順と、
前記セグメント情報および前記利用者情報に基づき、前記複数のセグメントそれぞれについて、前記広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に前記広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する計数手順と、
を計測装置に実行させるための計測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置、計測方法、及び計測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の広告配信システムでは、集客のための広告施策において、広告効果を測定するための成果数(例えば、来店等の潜在顧客から見込み顧客への転換点への到達回数等)の計数が行われている。具体的には、成果数として広告に接触したユーザの来店数を計数することで、広告が来店にどれだけ寄与したかを可視化する技術が知られている。
【0003】
例えば、従来技術では、ユーザによる広告掲載媒体の閲覧タイミングと予め設定された重み情報とに基づき、広告掲載媒体ごとの広告効果を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術は、ユーザによる広告閲覧に関するログに基づいて、広告掲載媒体ごとに算出される寄与度を用いて広告掲載媒体や広告キャンペーンごとの広告の効果を算出する。したがって、上記の従来技術では、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザが属するセグメントに関する情報を広告主に提供可能とすることができるとは限らなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る計測装置は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶する記憶部と、広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報を取得する取得部と、前記セグメント情報および前記利用者情報に基づき、前記複数のセグメントそれぞれについて、前記広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に前記広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する計数部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザが属するセグメントに関する情報を広告主に提供可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る広告効果計測システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る来店検知ロジックの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る広告効果計測システムの装置構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る計数条件の概要を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る利用者情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る計測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る計測装置、計測方法、および計測プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明に係る計測装置、計測方法、および計測プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
〔1.全体概要〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る広告効果計測システム1の構成を説明する。
図1は、実施形態に係る広告効果計測システム1の構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、広告効果計測システム1は、利用者装置10と、広告主装置20と、検知装置30と、計測装置100とを備えて構成されてよい。また、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30、計測装置100は、ネットワークNWを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。
【0012】
利用者装置10は、ユーザによって利用される情報処理端末であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等であってよい。また、ここでいうユーザとは、リアル店舗に出向いて買い物したり、サービスを受けたりする一般消費者(エンドユーザ)を指し示す。
【0013】
例えば、利用者装置10は、配信された広告(例えば、Web広告)を含む画面(広告媒体)を表示する。このような場合、ユーザは、広告に接触したユーザとなる。なお、本実施形態において広告への接触とは、広告が掲載されることだけでなく、広告に対する所定のユーザ操作(例えば、クリック)も含み得る。また、本実施形態においては広告ではない所定のWebページ(例えば、広告主に関するWebサイトに含まれるWebページ)への接触についても便宜上「広告への接触」と表現する場合がある。このように広告接触したことで興味を高められたユーザは、広告対象の店舗に訪問する場合がある。
【0014】
広告主装置20は、広告主によって利用される情報処理端末であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等であってよい。また、ここでいう広告主とは広告を入稿する入稿元を指し示し、例えば、広告主は、広告配信を仲介する配信事業者のクライアントとなっている企業であってよく、店舗を運営している場合がある。
【0015】
例えば、広告主装置20は、広告主の操作に応じて、計測装置100に対して広告配信や来店計測に関する各種設定ができる。また、広告主装置20は、広告主の操作に応じて、計測装置100に対して広告自体の入稿も行うことができる。
【0016】
検知装置30は、広告主(例えば、配信事業者のクライアント企業)により運営されるリアル店舗に設置される装置であって、来客を検知するための装置である。例えば、検知装置30は、クライアント企業の店舗に設置されるWi-Fiアクセスポイントであってよく、広告主に関するWebサイトに含まれるWebページまたはWeb広告に対して予め付与されている特定のタグとの間で相互作用が得られた場合に、利用者装置10を有する利用者を店舗への来客として検知する。また、検知装置30は、配信事業者、あるいは、配信事業者のパートナー企業により提供される場合がある。
【0017】
計測装置100は、本実施形態に係る情報処理装置の一例であり、来店計測に係る一連の情報処理を行う。なお、本実施形態における計測装置100は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報および広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報に基づき、複数のセグメントそれぞれについて、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する計測装置である。なお、計測装置100は、前提として次のような処理を実施可能である。
【0018】
計測装置100は、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得できる。また、計測装置100は、管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を広告主から受け付けることができる。このような状態で、計測装置100は、例えば、測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触ユーザの店舗への来店に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数することができる。
【0019】
計測装置100は、利用者装置10の位置情報を利用者装置10から取得する。計測装置100は、利用者装置10を所持するユーザの位置情報として、利用者装置10の位置情報を取得する。以下では、利用者装置10の位置情報を「ユーザの位置情報」と記載する場合がある。また、以下では、利用者装置10の位置履歴に関する位置履歴情報を「ユーザの位置履歴情報」と記載する場合がある。ここで、ユーザの位置履歴情報とは、ユーザの位置情報とユーザの位置情報の取得日時を示す情報とを対応付けた情報のことを指す。
【0020】
計測装置100は、ユーザの位置情報の取得に際して、GPS(Global Positioning System)を含むGNSS(Global Navigation Satellite System)測位技術を活用してもよい。例えば、計測装置100は、利用者装置10にインストールされたアプリケーションによりGNSS測位技術等に基づいて取得された位置情報を取得してよい。計測装置100は、ユーザの位置情報を取得した場合、ユーザの位置情報、ユーザの位置情報の取得日時を示す情報、および、利用者装置10を識別する端末情報(以下、「利用者装置識別情報」と記載する場合がある。)を対応付けてユーザ情報記憶部123に蓄積する。
【0021】
また、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30は、顧客の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータであることに対して、計測装置100は、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、計測装置100は、サーバ装置であってよい。
【0022】
(来店ロジックについて)
次に、
図2を用いて、来店検知のロジックについて説明する。
図2は、実施形態に係る来店検知ロジックの一例を示す図である。まず、
図2の例によれば、配信事業者が提供する広告配信サービスでは、入稿された広告の掲載先となる広告媒体として、媒体M1、媒体M2および媒体M3が定められている。また、入稿された広告には、来店検知のためのタグTGが挿入される。なお、タグTGの挿入は、計測装置100によって行われてよい。
【0023】
このような状態において、利用者装置10は、タグTGが挿入された広告を含む画面である媒体M1を表示した場合には、利用者装置10の接触情報(ユーザが広告主に関するWebサイトに含まれるWebページまたはWeb広告に接触したことを示す情報で、以降は単に「接触情報」と表記)を計測装置100に送信する。接触情報には、利用者装置識別情報、広告の掲載日時、掲載先である媒体M1を示す媒体情報等が含まれてよい。また、接触情報は、広告配信における配信履歴としての一レコードとして、接触/来店情報データベース121に蓄積されてよい。
【0024】
広告に接触したことで広告接触ユーザとなったユーザは、
図2に示すように、検知装置30が備えられたリアル店舗に訪問したとする。係る場合、利用者装置10と、検知装置30とが近距離無線通信により接続され、この結果、検知装置30は、近距離無線通信を介して、利用者装置10を有するユーザを店舗への来客として検知する。そして、検知装置30は、来店検知を示す来店情報を計測装置100に送信する。来店情報には、利用者装置識別情報、店舗を識別する店舗情報等が含まれてよい。また、来店情報は、広告配信における配信履歴としての一レコードとして、接触/来店情報データベース121に蓄積されてよい。なお、近距離無線通信の一例としては、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等が挙げられる。
【0025】
なお、ここまで配信される広告を前提に説明をしてきたが、例えば、広告ではなく広告主に関するWebサイトに含まれるWebページであってもよい。その場合、前述したタグTGは、広告ではなく広告主に関するWebサイトに含まれるWebページに挿入されてもよい。
〔2.実施形態〕
ここから、本実施形態の広告効果計測システム1により実現される実施形態について説明を行う。本実施形態では、計測装置100は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報および広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報に基づき、複数のセグメントそれぞれについて、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する。なお、以下では、「広告主に関するWeb広告」のことを「広告」と略記する場合がある。また、以下では、「広告主に関するWebサイトに含まれるWebページ」のことを「Webページ」と略記する場合がある。
【0026】
〔2-1.広告効果計測システムの構成〕
次に、実施形態に係る広告効果計測システム1について説明する。
図3は、実施形態に係る広告効果計測システム1の装置構成の一例を示す図である。
図3に示すように、広告効果計測システム1は、計測装置100と検知装置30とが所定のネットワークNWを介して接続された構成を有する。なお、広告効果計測システム1に含まれる検知装置30の数は限定されず、複数の検知装置30が含まれていてよい。
【0027】
〔2-2.計測装置の構成〕
まず、実施形態に係る計測装置100の構成例について説明する。
図3に示すように、計測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0028】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNWと有線または無線で接続され、計測装置100と検知装置30との間で情報の送受信を行う。
【0029】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部120は、接触/来店情報データベース121と、計数条件記憶部122と、ユーザ情報記憶部123とを有する。
【0030】
(接触/来店情報データベース121について)
接触/来店情報データベース121は、ユーザの接触情報と来店情報を記憶する。例えば、接触/来店情報データベース121は、
図2に示す通り、利用者装置10によりタグTGが挿入された広告(またはWebページ)を含む画面である媒体M1を表示された場合に送信される接触情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、接触情報として、利用者装置識別情報、広告(またはWebページ)の掲載日時、挿入されたタグの情報、掲載先である媒体を示す媒体情報等を記憶してよい。
【0031】
他方、接触/来店情報データベース121は、
図2に示す通り、利用者装置10が検知装置30の備えられたリアル店舗に訪問し、近距離無線通信技術に基づき検知された場合に、検知装置30により送信された来店検知を示す来店情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、前述の来店情報として、利用者装置識別情報、広告(またはWebページ)の情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を記憶してよい。
【0032】
なお、前述した情報はあくまで一例であり、接触/来店情報データベース121は、接触情報や来店情報の範疇に含まれる情報であれば、限定無く記憶することができる。
【0033】
(計数条件記憶部122について)
計数条件記憶部122は、後述の計数部132が所定の計数を実施するために用いる計数条件に関する情報を記憶する。具体的には、計数条件記憶部122は、計数条件に関する情報としてレポート期間に関するレポート情報122aと、プレレポート期間に関するプレレポート情報122bと、ポストレポート期間に関するポストレポート情報122cとを記憶する。
【0034】
ここから、
図4を用いて、計数条件記憶部122が記憶する計数条件の概要について説明する。
図4は、実施形態に係る計数条件の概要を示す図である。
【0035】
図4には、計数条件に関する情報として、レポート期間122aと、プレレポート期間122bと、ポストレポート期間122cとが示されている。なお、計数条件記憶部122は、
図4に示されている情報をテーブル形式等で記憶してよい。
【0036】
(レポート期間122aについて)
レポート期間122aは、計測装置100による広告主に関するWebサイトまたはWeb広告へのユーザの接触に関する接触情報の計測が行われる期間に関する情報である。
図4の一例では、レポート期間122aは、6/1から6/30までの期間が設定されている。計測装置100は、レポート期間122a中に広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザの接触情報を取得できる。
図4では、計測装置100は、ユーザの接触情報を6/5に取得する。また、計測装置100によって接触情報が取得された後、レポート期間122aに来店したユーザは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザとして計数される。
【0037】
(プレレポート期間122bについて)
プレレポート期間122bは、レポート期間122aの直前に設定される期間である。例えば、
図4の一例では、プレレポート期間122bは、5/1から5/31までの期間で設定されている。なお、プレレポート期間122b中に広告主の店舗を来店し検知されたユーザは、「総来店(広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したか否かに関係なく広告主の店舗を来店したユーザの総数)」として計数される。なお、プレレポート期間122bは、設定されなくてもよい。例えば、プレレポート期間122bが設定されない場合、レポート期間122aよりも前に広告主の店舗を来店し検知されたユーザが、「総来店(広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したか否かに関係なく広告主の店舗を来店したユーザの総数)」として計数される。
【0038】
(ポストレポート期間122cについて)
ポストレポート期間122cは、レポート期間122aの直後に設定される期間である。ポストレポート期間122cは、レポート期間122aの期間中にユーザが広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触して来店するまでのタイムラグを考慮して設定される期間である。例えば、
図4の一例では、ポストレポート期間122cは、7/1から7/31までの期間で設定されている。ポストレポート期間122cでは計測装置100による接触情報の計測は終了しているが、広告主の店舗に来店したユーザの検知装置30による検知は継続している。言い換えると、ポストレポート期間122cに来店したユーザは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザとして計数される。
【0039】
(ユーザ情報記憶部123について)
ここから、
図5を用いて、ユーザ情報記憶部123が記憶する利用者情報の概要について説明する。
図5は、実施形態に係る利用者情報の一例を示す図である。
【0040】
ユーザ情報記憶部123は、広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置に関する利用者情報を記憶する。
図5に示す例では、ユーザ情報記憶部123は、利用者情報として、利用者装置10を識別する端末情報である利用者装置識別情報、ユーザの位置履歴に関する位置履歴情報、および、利用者装置10を所有するユーザが属するセグメントに関するセグメント情報を記憶する。ユーザ情報記憶部123は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶する。
図5に示す例では、ユーザ情報記憶部123は、セグメント情報として、「残業続きのビジネスパーソン」、「長時間通勤者」、「平日渋谷にいた人」および「スーパーを週1回以上利用する人」といった情報を記憶する。このように、記憶部120は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶する。
【0041】
(制御部130について)
ここで、
図3に戻り説明を続ける。制御部130は、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等によって、計測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図3に示す通り、制御部130は、取得部131と、計数部132と、生成部133と、提供部134とを有する。
【0042】
(取得部131について)
取得部131は、広告主から計数条件に関する情報を受け付ける。具体的には、取得部131は、計数条件として、レポート期間、プレレポート期間およびポストレポート期間を受け付ける。例えば、取得部131は、レポート情報、プレレポート情報およびポストレポート情報を広告主装置20から取得する。
【0043】
また、取得部131は、レポート期間、プレレポート期間およびポストレポート期間に設定される期間の変更を受け付けることができる。例えば、
図4の一例では、レポート期間、プレレポート期間およびポストレポート期間はそれぞれ「30日間」と設定されているが、取得部131は、30日間に限定せず、対象の広告やビジネスに基づいて任意の期間(例えば、15日間、45日間、60日間等)を受け付けることができる。
【0044】
また、取得部131は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告へのユーザの接触情報を利用者装置10から取得する。例えば、取得部131は、接触情報として、利用者装置識別情報、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触日時、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告のURL、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告のURLの末尾に続くクエリ文字列、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に挿入されたタグの情報、掲載先である媒体を示す媒体情報等を利用者装置10から取得できる。また、取得部131は、なお、取得部131は、接触情報が利用者装置10以外の外部の装置に記憶されている場合には、当該外部の装置から接触情報を取得することができる。
【0045】
また、取得部131は、来店情報を検知装置30から取得する。例えば、取得部131は、ユーザの来店情報として利用者装置識別情報、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告の情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を取得できる。なお、取得部131は、前述した情報に限定されず、所定の計数を実施するために用いる情報を限定無く取得することができる。
【0046】
また、取得部131は、広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置10に関する利用者情報を取得する。例えば、取得部131は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置10に関する利用者情報を利用者装置10から取得する。具体的には、取得部131は、利用者情報として、利用者装置識別情報、ユーザの位置履歴情報、およびユーザの接触情報を取得してよい。
【0047】
また、取得部131は、利用者情報として、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザが属するセグメントに関するセグメント情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザ情報記憶部123を参照して、利用者装置10から取得した利用者装置識別情報と対応付けられたセグメント情報を取得する。
【0048】
(計数部132について)
計数部132は、セグメント情報および利用者情報に基づき、複数のセグメントそれぞれについて、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する。計数部132は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数をセグメントごとに計数する。例えば、計数部132は、
図4で説明したレポート期間内に広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触した後、
図4で説明したレポート期間内またはポストレポート期間内に広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する。計数部132は、ユニークユーザの数を計数してよい。
【0049】
また、計数部132は、利用者情報から特定されるクエリ文字列に基づき、WebサイトまたはWeb広告への流入経路に関する流入情報を特定し、流入情報ごとに、ユーザの数を計数する。具体的には、計数部132は、接触情報に基づいて、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告のURLの後に続くクエリ文字列を特定する。続いて、計数部132は、クエリ文字列に基づき、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への流入元に関する情報を特定し、流入元ごとに、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告へ流入したユーザ(以下、流入ユーザと記載する場合がある。)の数を計数する。例えば、計数部132は、流入元である検索サイトを特定し、特定した検索サイトごとに、流入ユーザの数を計数する。
【0050】
(生成部133について)
生成部133は、ユーザの位置情報に基づいて、セグメント情報を生成する。具体的には、生成部133は、利用者装置10の位置履歴情報(言い換えると、ユーザの位置履歴情報)に基づいて、ユーザが訪問した訪問場所、訪問場所でのユーザの滞在時間、ユーザが訪問場所を訪問した訪問時間または訪問頻度に関する情報を推定し、訪問場所、滞在時間、訪問時間または訪問頻度に関する情報に基づいて、セグメント情報を生成する。より具体的には、生成部133は、訪問場所、滞在時間、訪問時間または訪問頻度に関する情報を推定した場合、訪問場所、滞在時間、訪問時間または訪問頻度に関する情報に基づいて、ユーザの行動パターンを推定する。続いて、生成部133は、推定した行動パターンに対応するセグメントにユーザを分類する。続いて、生成部133は、推定した行動パターンに対応するセグメントにユーザを分類した場合、推定した行動パターンを示すセグメント情報を生成する。生成部133は、セグメント情報を生成した場合、ユーザが所有する利用者装置識別情報とユーザが分類されたセグメント(ユーザが属するセグメント)に関するセグメント情報とを対応付けてユーザ情報記憶部123に格納する。
【0051】
例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および各業種に対応する施設の住所情報に基づいて、所定期間内にユーザが訪問した訪問場所およびその訪問場所でのユーザの滞在時間に関する情報を推定する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および各業種に対応する施設の住所情報に基づいて、ユーザが頻繁に訪れる場所(例えば、ユーザが所定期間内に所定回数以上訪れた場所。以下、「所定の頻度で訪れる場所」と記載する。)を特定する。また、生成部133は、特定された場所でのユーザの滞在時間(例えば、1回の訪問にかかる平均滞在時間など)を算出する。続いて、生成部133は、ユーザが所定の頻度で訪れる場所およびユーザのその場所での滞在時間に基づいて、ユーザの行動パターンを推定し、推定された行動パターンに対応するセグメントにユーザを分類する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および各業種に対応する施設の住所情報に基づいて、所定期間内に所定時間(例えば、1週間に40時間)以上ユーザが滞在した訪問場所をユーザの勤務地として特定する。また、生成部133は、特定された勤務地におけるユーザの平均滞在時間を算出する。続いて、生成部133は、ユーザの勤務地における平均滞在時間が所定の時間(例えば、10時間)を超える場合に、ユーザが連日残業をするという行動パターンをとっていると推定する。また、生成部133は、ユーザが連日残業をするという行動パターンをとっていると推定した場合、ユーザを「残業続きのビジネスパーソン」であることを示すセグメントに分類してよい。また、生成部133は、ユーザを「残業続きのビジネスパーソン」であることを示すセグメントに分類した場合、ユーザが所有する利用者装置10の利用者装置識別情報と「残業続きのビジネスパーソン」であることを示すセグメント情報とを対応付けてユーザ情報記憶部123に格納する。
【0052】
また、生成部133は、利用者装置10の位置履歴情報に基づいて、ユーザが所定の頻度で移動する移動経路およびユーザが移動経路を移動するのに要する移動時間に関する移動情報を推定し、移動情報に基づいて、セグメント情報を生成してよい。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および鉄道や高速道路などの路線図に関する情報に基づいて、ユーザが所定の頻度で移動する移動経路(例えば、ユーザが所定期間内に所定回数以上移動した移動経路。以下、「所定の頻度で移動する移動経路」と記載する。)を特定する。また、生成部133は、特定された移動経路を移動するのに要する移動時間(例えば、1回の移動にかかる平均移動時間など)を算出する。続いて、生成部133は、ユーザが所定の頻度で移動する移動経路および移動時間に基づいて、ユーザの行動パターンを推定し、推定された行動パターンに対応するセグメントにユーザを分類する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および鉄道や高速道路などの路線図に関する情報に基づいて、ユーザの通勤経路を特定する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および鉄道や高速道路などの路線図に関する情報に基づいて、ユーザが所定期間内に所定回数(例えば、1週間に5回)以上往復した経路をユーザの通勤経路として特定する。また、生成部133は、特定された通勤経路の移動にかかる平均移動時間(以下、通勤時間)を算出する。続いて、生成部133は、ユーザの通勤時間が所定の時間(例えば、2時間)を超える場合に、ユーザが長い時間をかけて通勤するという行動パターンをとっていると推定する。また、生成部133は、ユーザが長い時間をかけて通勤するという行動パターンをとっていると推定した場合、ユーザを「長時間通勤者」であることを示すセグメントに分類してよい。また、生成部133は、ユーザを「長時間通勤者」であることを示すセグメントに分類した場合、ユーザが所有する利用者装置の利用者装置識別情報と「長時間通勤者」であることを示すセグメント情報とを対応付けてユーザ情報記憶部123に格納する。
【0053】
また、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および地図情報に基づいて、ユーザが特定の日(例えば、2023年7月1日など)、曜日(例えば、平日または休日など)または時間帯(例えば、10:00~11:00、日中または夜間など)などの訪問時間に訪問した場所(以下、訪問場所)を特定する。続いて、生成部133は、ユーザの訪問場所および訪問時間に基づいて、ユーザの行動パターンを推定し、推定された行動パターンに対応するセグメントにユーザを分類する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および地図情報に基づいて、ユーザが所定の頻度で特定の訪問時間に特定の訪問場所を訪問したことを特定する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および地図情報に基づいて、ユーザが所定の頻度で特定の曜日に訪問した場所を特定する。例えば、生成部133は、ユーザの位置履歴情報および地図情報に基づいて、所定期間内に所定の回数以上、ユーザが平日(月曜日~金曜日のうちいずれかの曜日)に渋谷区を訪問したことを特定する。続いて、生成部133は、所定期間内に所定の回数以上、ユーザが平日に渋谷区を訪問したことを特定した場合、ユーザが平日渋谷区にいるという行動パターンをとっていると推定する。また、生成部133は、ユーザが平日渋谷区にいるという行動パターンをとっていると推定した場合、ユーザを「平日渋谷区にいる人」であることを示すセグメントに分類する。また、生成部133は、ユーザを「平日渋谷区にいる人」であることを示すセグメントに分類した場合、ユーザが所有する利用者装置の利用者装置識別情報と「平日渋谷区にいる人」であることを示すセグメント情報とを対応付けてユーザ情報記憶部123に格納する。
【0054】
また、生成部133は、所定期間内に所定の回数以上、ユーザが週1回以上スーパーを訪問したことを特定する。続いて、生成部133は、所定期間内に所定の回数以上、ユーザが週1回以上スーパーを訪問したことを特定した場合、ユーザが週1回以上スーパーを利用するという行動パターンをとっていると推定する。また、生成部133は、ユーザが週1回以上スーパーを利用するという行動パターンをとっていると推定した場合、ユーザを「スーパーを週1回以上利用する人」であることを示すセグメントに分類する。また、生成部133は、ユーザを「スーパーを週1回以上利用する人」であることを示すセグメントに分類した場合、ユーザが所有する利用者装置の利用者装置識別情報と「スーパーを週1回以上利用する人」であることを示すセグメント情報とを対応付けてユーザ情報記憶部123に格納する。
【0055】
また、生成部133は、計数部132による計数結果に基づく出力情報を生成する。具体的には、生成部133は、出力情報として、ユーザの総数における複数のセグメントそれぞれに属するユーザの数の割合に関する情報を生成する。例えば、生成部133は、ユーザの総数における複数のセグメントそれぞれに属するユーザの数の割合に関する情報として、後述する
図6に示すような出力情報51および
図7に示すような出力情報52を生成する。なお、以下では、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に流入したユニークなユーザのことを「ユニーク接触ユーザ」と記載する場合がある。
【0056】
図6は、実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。生成部133は、
図6に示すような出力情報51を生成する。
図6では、生成部133は、検索サイトAから広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に流入したユニーク接触ユーザのうち、「残業続きのビジネスパーソン」であることを示すセグメントに属するユーザの割合が75%、「長時間通勤者」であることを示すセグメントに属するユーザの割合が90%であることを示す出力情報51を生成する。また、生成部133は、検索サイトBから広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に流入したユニーク接触ユーザのうち、「残業続きのビジネスパーソン」であることを示すセグメントに属するユーザの割合が83%、「長時間通勤者」であることを示すセグメントに属するユーザの割合が92%であることを示す出力情報51を生成する。
【0057】
図7は、実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。生成部133は、
図7に示すような出力情報52を生成する。
図7では、生成部133は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に流入したユニーク接触ユーザであって、「残業続きのビジネスパーソン」であることを示すセグメントに属するユーザのうち、検索サイトAから流入したユーザの割合が60%、検索サイトBから流入したユーザの割合が30%であることを示す出力情報52を生成する。また、生成部133は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に流入したユニーク接触ユーザであって、「長時間通勤者」であることを示すセグメントに属するユーザのうち、検索サイトAから流入したユーザの割合が50%、検索サイトBから流入したユーザの割合が40%であることを示す出力情報52を生成する。
【0058】
(提供部134について)
提供部134は、生成部133によって生成された出力情報を広告主に提供する。例えば、提供部134は、広告主装置20に出力情報を送信する。
【0059】
〔2-3.検知装置の構成〕
次に、実施形態に係る検知装置30の構成例について説明する。
図3に示すように、検知装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。
【0060】
(通信部31について)
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部31は、ネットワークNWと有線または無線で接続され、検知装置30と計測装置100との間で情報の送受信を行う。
【0061】
(記憶部32について)
記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部32は、電波強度32aと、経過日数32bと、滞在時間32cとを有する。
【0062】
(電波強度32aについて)
電波強度32aは、後述の検知部33bが対象の利用者装置10を検知する際に用いる条件である。具体的には、電波強度32aは、利用者装置10と検知装置30との電波による通信における電波強度に基づき検知対象とするか否かについての閾値に関する情報である。
【0063】
(経過日数32bについて)
経過日数32bは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザ(利用者装置10)が広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触してから来店するまでの日数に基づき検知対象とするか否かについての閾値に関する情報である。
【0064】
(滞在時間32cについて)
滞在時間32cは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザ(利用者装置10)が入店してから退店するまでに滞在した時間に基づき計数対象とするか否かについての閾値に関する情報である。
【0065】
(制御部33について)
制御部33は、CPUやMPU等によって、検知装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図3に示す通り、制御部33は、受付部33a、検知部33bを有する。
【0066】
(受付部33aについて)
受付部33aは、後述の検知部33bが利用者装置10を検知する際に用いる検知条件を受け付ける。受付部33aは、検知条件入力画面60(図示略)に表示された各項目に入力された検知条件を受け付ける。検知条件入力画面60(図示略)には、「電波強度61」と、「経過日数62」と、「下限滞在時間63a」と、「上限滞在時間63b」と、「営業時間(開始)」と、「営業時間(終了)」と、「備考」と、といった項目が表示されている。
【0067】
例えば、検知条件入力画面60の電波強度61に入力された情報は、電波強度32aとして記憶される。また、経過日数62に入力された情報は、経過日数32bとして記憶される。また、下限滞在時間63aまたは上限滞在時間63bに入力された情報は、滞在時間32cとして記憶される。
【0068】
このようにして、受付部33aは、端末装置等に表示された検知条件入力画面60に入力された情報を受け付けることができる。なお、前述の項目数や項目名等はあくまで一例であり、上記の内容に限定されない。
【0069】
(検知部33bについて)
検知部33bは、利用者装置10を有するユーザが広告主の店舗を訪れた際に、所定の短距離無線通信技術(例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等)を用いて、利用者装置10を検知する。なお、ここでは短距離無線通信技術と表記しているが、検知部33bは、近距離無線通信に限らず、例えば、GNSS測位技術やLTE通信等を用いて、利用者装置10を検知してもよい。
【0070】
具体的には、検知部33bは、当該短距離無線通信技術における所定の電波強度と、予め設定された広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触から広告主の店舗をユーザが訪れるまでの経過日数と、来店後の滞在時間との条件を満たす利用者装置10を検知する。なお、検知部33bは、前述の条件について1つ、または複数を組み合わせて検知条件として用いることができる。
【0071】
例えば、検知部33bは、ユーザ(利用者装置10)と検知装置30との間の電波強度が、電波強度32aに設定された所定の閾値を超える場合に来店したと検知できる。また、検知部33bは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザ(利用者装置10)の広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触してから来店するまでの日数が経過日数32bで設定された日数を超えない場合に来店したと検知できる。また、検知部33bは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザ(利用者装置10)の来店してからの滞在時間が滞在時間32cで設定された滞在時間を超えた場合に来店したと検知できる。
【0072】
〔3.処理手順〕
ここから、本実施形態に係る計測装置100および検知装置30による情報処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。まず、取得部131は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告へのユーザの接触情報を利用者装置10から取得する(ステップS101)。検知装置30の検知部33bは、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの利用者装置10を検知する(ステップS102)。そして、取得部131は、来店情報を検知装置30から取得する。計数部132は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数をセグメントごとに計数する(ステップS103)。生成部133は、計数部132による計数結果に基づく出力情報を生成する(ステップS104)。提供部134は、生成部133によって生成された出力情報を広告主に提示する(ステップS105)。
【0073】
〔4.効果〕
ここまで述べてきたように、本実施形態に係る計測装置100は、記憶部120と取得部131と計数部132を有する。記憶部120は、複数のセグメントそれぞれに属するユーザに関するセグメント情報を記憶する。取得部131は、広告主の店舗に来店したユーザが所有する利用者装置10に関する利用者情報を取得する。計数部132は、セグメント情報および利用者情報に基づき、複数のセグメントそれぞれについて、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告への接触後に広告主の店舗に来店したユーザの数を計数する。これにより、計測装置100は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザが属するセグメントに関する情報を広告主に提供可能とすることができる。
【0074】
また、計数部132は、利用者情報から特定されるクエリ文字列に基づき、WebサイトまたはWeb広告への流入経路に関する流入情報を特定し、流入情報ごとに、ユーザの数を計数する。これにより、計測装置100は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザの流入経路に関する情報を広告主に提供可能とすることができる。
【0075】
また、本実施形態に係る計測装置100は、生成部133と提供部134をさらに備える。生成部133は、計数部132による計数結果に基づく出力情報を生成する。提供部134は、生成部133によって生成された出力情報を広告主に提供する。これにより、計測装置100は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザが属するセグメントに関する情報を広告主に提供することができる。
【0076】
また、生成部133は、出力情報として、ユーザの総数における複数のセグメントそれぞれに属するユーザの数の割合に関する情報を生成する。これにより、計測装置100は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザが属するセグメントの割合に関する情報を広告主に提供可能とすることができる。
【0077】
また、生成部133は、利用者装置10の位置情報に基づいて、セグメント情報を生成する。例えば、生成部133は、利用者装置10の位置履歴情報に基づいて、ユーザが訪問した訪問場所、訪問場所でのユーザの滞在時間、ユーザが訪問場所を訪問した訪問時間または訪問頻度に関する情報を推定し、訪問場所、滞在時間、訪問時間または訪問頻度に関する情報に基づいて、セグメント情報を生成する。これにより、計測装置100は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザのセグメントであって、例えば、ユーザの位置情報に基づいて推定されるユーザの行動パターンに関するセグメントに関する情報を広告主に提供可能とすることができる。
【0078】
また、生成部133は、利用者装置10の位置履歴情報に基づいて、ユーザが所定の頻度で移動する移動経路およびユーザが移動経路を移動するのに要する移動時間に関する移動情報を推定し、移動情報に基づいて、セグメント情報を生成する。これにより、計測装置100は、広告主に関するWebサイトまたはWeb広告に接触したユーザのセグメントであって、例えば、ユーザの位置情報に基づいて推定されるユーザの移動パターンに関するセグメントに関する情報を広告主に提供可能とすることができる。
【0079】
〔5.ハードウェア構成〕
前述してきた広告効果計測システム1に含まれる計測装置100または検知装置30は、例えば、
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、計測装置100を例に挙げて説明する。
図9は、本実施形態に係る計測装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(通信I/F)1500、入出力インターフェイス(入出力I/F)1600、およびメディアインターフェイス(メディアI/F)1700を有する。
【0080】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0081】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定のネットワークNWを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定のネットワークNWを介して他の機器へ送信する。
【0082】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、およびキーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータについて入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0083】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0084】
例えば、コンピュータ1000が計測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定のネットワークNWを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0085】
また、例えば、コンピュータ1000が計測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部の機能を実現する。
【0086】
〔6.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0087】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0088】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0089】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0090】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 広告効果計測システム
10 利用者装置
20 広告主装置
30 検知装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
33a 受付部
33b 検知部
100 計測装置
110 通信部
120 記憶部
121 接触/来店情報データベース
122 計数条件記憶部
123 ユーザ情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 計数部
133 生成部
134 提供部