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特開2025-7432分散電源管理システム及び分散電源管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007432
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】分散電源管理システム及び分散電源管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108822
(22)【出願日】2023-06-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石田 仁
(72)【発明者】
【氏名】西川 和秀
(72)【発明者】
【氏名】押田 崇生
(72)【発明者】
【氏名】黒木 友洋
(72)【発明者】
【氏名】人見 祐里
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】 施設に対する分散電源の貸し出しに伴う諸問題を解決しつつ、分散電源の普及を促進することを可能とする分散電源管理システム及び分散電源管理方法を提供する。
【解決手段】 分散電源管理システムは、第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバを備え、前記第1サーバは、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理する第1管理部を備え、前記第1管理部は、前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関する個人情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容し、前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバを備え、
前記第1サーバは、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理する第1管理部を備え、
前記第1管理部は、
前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関する個人情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容し、
前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、分散電源管理システム。
【請求項2】
前記施設に関するエリア情報に対する前記第1事業者のアクセスを前記第1管理部が許容するか否かの設定は、前記第1事業者による設定のみ許容される、請求項1に記載の分散電源管理システム。
【請求項3】
前記第1管理部は、前記分散電源に関する機器情報を管理し、
前記第1管理部は、前記分散電源に関する機器情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、請求項1に記載の分散電源管理システム。
【請求項4】
前記分散電源に関する機器情報に対する前記第1事業者のアクセスを前記第1管理部が許容するか否かの設定は、前記第1事業者による設定のみ許容される、請求項3に記載の分散電源管理システム。
【請求項5】
前記第1管理部は、前記分散電源にアクセスするためのアクセス情報を管理し、
前記第1管理部は、前記アクセス情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、請求項1に記載の分散電源管理システム。
【請求項6】
前記アクセス情報に対する前記第1事業者のアクセスを前記第1管理部が許容するか否かの設定は、前記第1事業者による設定のみ許容される、請求項5に記載の分散電源管理システム。
【請求項7】
前記施設に設置される前記分散電源の状態を少なくとも監視する第2サーバを備え、
前記第2サーバに対する前記第2事業者のアクセス権限は、前記分散電源を制御する権限を前記第2事業者が有するか否かによって設定される、請求項1に記載の分散電源管理システム。
【請求項8】
前記施設に設置される前記分散電源の状態を少なくとも監視する第2サーバを備え、
前記第2サーバに対する前記第2事業者のアクセス権限は、前記第1事業者によって設定される、請求項1に記載の分散電源管理システム。
【請求項9】
第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバが、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理するステップAと、
前記第1サーバが、前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容するステップBと、を備える、分散電源管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散電源管理システム及び分散電源管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の電力需給バランスの安定化のために、蓄電装置などの分散電源を用いる仕組み(以下、VPP(Virtual Power Plant))が注目を集めている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
さらに、分散電源の所有権を事業者に残したまま、分散電源を施設に設置するモデル(いわゆる第三者所有モデル)も提案されている。例えば、事業者は、施設に電力を販売する電力小売事業者であってもよい。第三者所有モデルでは、分散電源の出力電力を施設で消費することによって、電力小売事業者から施設に販売される電力の減少が見込める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/041010号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2016/084396号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した第三者所有モデルでは、電力小売事業者が分散電源を購入する必要があり、分散電源の普及を十分に促進することができない。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、施設に対する分散電源の貸し出しに伴う諸問題を解決しつつ、分散電源の普及を促進することを可能とする分散電源管理システム及び分散電源管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の一態様は、第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバを備え、前記第1サーバは、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理する第1管理部を備え、前記第1管理部は、前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関する個人情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容し、前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、分散電源管理システムである。
【0008】
開示の一態様は、第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバが、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理するステップAと、前記第1サーバが、前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容するステップBと、を備える、分散電源管理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設に対する分散電源の貸し出しに伴う諸問題を解決しつつ、分散電源の普及を促進することを可能とする分散電源管理システム及び分散電源管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る分散電源の貸し出しの仕組みを示す図である。
図2図2は、実施形態に係る分散電源管理システム1を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る施設100を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る第1サーバ200を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る第2サーバ300を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るアクセス権限を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0012】
[実施形態]
(貸し出しの仕組み)
以下において、実施形態に係る分散電源の貸し出しの仕組みについて説明する。
具体的には、図1に示すように、第1事業者が所有権を有する分散電源について、第2事業者を介して施設に貸し出す仕組みについて説明する。
【0013】
第1事業者は、分散電源の所有権を有する。第1事業者は、分散電源を施設に貸し出す権利を第2事業者に与える。施設に貸し出す権利は、第1事業者から第2事業者に対する分散電源の貸し出しであると考えてもよい。第1事業者は、分散電源の貸し出しに対する料金を第2事業者から徴収してもよい。料金は、定額制で定められてもよい。第1事業者は、第1事業者が利用する第1端末と読み替えられてもよい。
【0014】
特に限定されるものではないが、第1事業者は、分散電源の製造者であってもよい。第1事業者は、第2事業者に対して分散電源の保証を行ってもよい。
【0015】
第2事業者は、分散電源を施設に貸し出す権利を有する。第2事業者は、分散電源を施設に貸し出す。第2事業者は、分散電源の貸し出しに対する料金を施設から徴収してもよい。料金は、定額制で定められてもよい。第2事業者は、第2事業者が利用する第2端末と読み替えられてもよい。
【0016】
特に限定されるものではないが、第2事業者は、施設に分散電源を設置する工事を請け負ってもよい。第2事業者は、施設に設置された分散電源のメンテナンスを請け負ってもよい。メンテナンスは、分散電源の点検及び修理を含んでもよい。
【0017】
ここで、第2事業者は、施設に電力を販売する事業者(小売電気事業者)であってもよい。第2事業者は、施設に設置された分散電源を制御する権限を有していてもよい。
【0018】
施設は、分散電源が設置される施設である。施設は、施設の顧客と読み替えられてもよく、分散電源を設置する施主と読み替えられてもよい。施設は、第2事業者から電力を購入する契約を有していてもよい。
【0019】
プラットフォームは、少なくとも第2事業者によってアクセス可能なプラットフォームである。プラットフォームは、第1事業者によってアクセス可能であってもよい。プラットフォームは、施設によってアクセス可能であってもよい。プラットフォームは、1以上のサーバ上に実装されてもよい。プラットフォームは、第1事業者によって提供されてもよい。
【0020】
例えば、プラットフォームは、分散電源の資産管理を目的として第1事業者によって利用されてもよい。プラットフォームは、分散電源の貸し出しに対する料金計算を目的として第1事業者及び第2事業者によって利用されてもよい。プラットフォームは、分散電源の貸し出しに伴う顧客管理の目的で第2事業者によって利用されてもよい。
【0021】
実施形態において、分散電源の貸し出しは、分散電源の所有権の移転を伴わない行為である。すなわち、分散電源が施設に貸し出されたとしても、分散電源の所有権は第1事業者のままであり、分散電源は第1事業者の固定資産として管理される。なお、第1事業者から第2事業者に与えられる「分散電源を施設に貸し出す権利」は、分散電源の利用権と読み替えてもよい。
【0022】
(分散電源管理システム)
以下において、実施形態に係る分散電源管理システムについて説明する。分散電源管理システム1は、上述した分散電源の貸し出しの仕組みを実現するためのシステムである。
【0023】
図2に示すように、分散電源管理システム1は、施設100を有する。分散電源管理システム1は、第1サーバ200及び第2サーバ300を含む。
【0024】
ここで、施設100、第1サーバ200及び第2サーバ300は、ネットワーク11を介して通信可能に構成される。ネットワーク11は、インターネットを含んでもよく、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。
【0025】
施設100は、電力系統12に接続されており、電力系統12から電力が供給されてもよく、電力系統12に電力を供給してもよい。電力系統12から施設100への電力は、順潮流電力と称されてもよい。施設100から電力系統12への電力は、逆潮流電力と称されてもよい。図2では、施設100として、施設100A~施設100Cが例示されている。
【0026】
特に限定されるものではないが、施設100は、住宅などの施設であってもよく、店舗などの施設であってもよく、オフィスなどの施設であってもよい。施設100は、2以上の住宅を含む集合住宅であってもよい。施設100は、住宅、店舗及びオフィスの少なくともいずれか2以上の施設を含む複合施設であってもよい。施設100の詳細については後述する(図3を参照)。なお、施設100を所有又は管理するユーザを施設100と称することもある。
【0027】
第1サーバ200は、図1に示すプラットフォームが実装されるサーバである。第1サーバ200は、第1事業者によって管理されてもよい。第1サーバ200は、施設100に関する個人情報及び施設100に関するエリア情報を管理する。第1サーバ200の詳細については後述する(図4を参照)。
【0028】
第2サーバ300は、施設100に設置される分散電源の状態を少なくとも監視するサーバである。第2サーバ300は、施設100に設置される分散電源を制御してもよい。第2サーバ300は、第1事業者によって管理されてもよい。第2サーバ300に対するアクセス権限を第2事業者が有する場合に、第2サーバ300は、第2事業者によって利用されてもよい。第2サーバ300の詳細については後述する(図5を参照)。
【0029】
(施設)
以下において、実施形態に係る施設について説明する。図3に示すように、施設100は、太陽電池装置110と、蓄電装置120と、燃料電池装置130と、負荷機器140と、EMS(Energy Management System)160と、を有してもよい。施設100は、測定装置190を有してもよい。
【0030】
太陽電池装置110は、太陽光などの光に応じて発電をする分散電源である。例えば、太陽電池装置110は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。ここで、設置とは、太陽電池装置110と電力系統12とが接続されることであってもよい。太陽電池装置110は、第1事業者が所有権を有しており、第2事業者から施設100に貸し出される分散電源の一例であってもよい。
【0031】
蓄電装置120は、電力の充電及び電力の放電をする分散電源である。例えば、蓄電装置120は、PCS及び蓄電セルによって構成される。ここで、設置とは、蓄電装置120と電力系統12とが接続されることであってもよい。蓄電装置120は、第1事業者が所有権を有しており、第2事業者から施設100に貸し出される分散電源の一例であってもよい。
【0032】
燃料電池装置130は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。例えば、燃料電池装置130は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。ここで、設置とは、燃料電池装置130と電力系統12とが接続されることであってもよい。燃料電池装置130は、第1事業者が所有権を有しており、第2事業者から施設100に貸し出される分散電源の一例であってもよい。
【0033】
例えば、燃料電池装置130は、固体酸化物型燃料電池(SOFC; Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC; Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC; Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC; Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0034】
負荷機器140は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器140は、空調装置、ヒートポンプ給湯器、照明装置などを含んでもよい。
【0035】
EMS160は、施設100に関する電力を管理する。EMS160は、太陽電池装置110、蓄電装置120、燃料電池装置130、負荷機器140を制御してもよい。EMS160は、分散電源から分散電源の状態を収集し、分散電源の状態を第2サーバ300に送信してもよい。分散電源の状態は、分散電源の運転状態、太陽電池装置110の発電電力、蓄電装置120の蓄電状態(SOC)、蓄電装置120の放電電力、蓄電装置120の充電電力、燃料電池装置130の出力電力などを含んでもよい。
【0036】
ここで、EMS160は、分散電源の各々について仮想的に又は物理的に別々に設置されてもよい。EMS160は、分散電源にアクセスするためのゲートウェイ(GW)として機能してもよい。このようなケースにおいて、EMS160(GW)へのアクセスは、分散電源へのアクセスと同義であると考えてもよい。GWには、GWを識別するためのGW-IDが割り当てられてもよい。
【0037】
測定装置190は、電力系統12から施設100への順潮流電力(以下、需要電力とも称する)を測定する。測定装置190は、施設100から電力系統12への逆潮流電力を測定してもよい。例えば、測定装置190は、電力会社に帰属するSmart Meterであってもよい。
【0038】
(第1サーバ)
以下において、実施形態に係る第1サーバについて説明する。図4に示すように、第1サーバ200は、通信部210と、管理部220と、制御部230と、を有する。
【0039】
通信部210は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0040】
通信部210は、第1事業者からアクセス要求を受け付けてもよい。通信部210は、第1事業者がアクセス権限を有する情報を第1事業者に送信してもよい。
【0041】
通信部210は、第2事業者からアクセス要求を受け付けてもよい。通信部210は、第2事業者がアクセス権限を有する情報を第2事業者に送信してもよい。
【0042】
なお、「アクセス権限を有する」とは、情報に対するアクセスが許容されることを意味し、「アクセス権限を有しない」とは、情報に対するアクセスが許容されないことを意味する。
【0043】
管理部220は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、不揮発性メモリなどの記憶媒体によって構成される。
【0044】
管理部220は、図6に示すように、機器情報、顧客氏名、顧客住所、販売店ID、施行店ID、エリアID、GW-ID、第1契約情報、第2契約情報などを管理してもよい。管理部220で管理される情報は、第2事業者から施設100に対する分散電源の貸し出しに関する情報を少なくとも含めばよい。
【0045】
機器情報は、施設100に設置される分散電源に関する機器情報である。機器情報は、分散電源の種別、施設100に設置される分散電源のスペックなどを含んでもよい。スペックは、太陽電池装置110の定格発電電力、蓄電装置120の定格充電電力、蓄電装置120の定格放電電力、燃料電池装置130の定格出力電力を含んでもよい。スペックは、蓄電装置120の定格容量、最大充放電電力などを含んでもよい。
【0046】
機器情報に対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。機器情報に対する第2事業者のアクセスは許容されてもよい。機器情報は、第1事業者による資産管理及び料金計算に用いられてもよい。機器情報は、第2事業者による顧客管理及び料金計算に用いられてもよい。
【0047】
顧客氏名は、施設100に関する顧客の氏名である。顧客氏名は、施主氏名と読み替えられてもよい。顧客氏名は、施設100に関する個人情報の一例である。
【0048】
顧客氏名に対する第1事業者のアクセスは許容されない。顧客氏名に対する第2事業者のアクセス権限は、第2事業者によって設定されてもよい。顧客氏名に対する顧客のアクセス権限は、第2事業者によって設定されてもよい。顧客氏名は、第2事業者による顧客管理に用いられてもよい。
【0049】
顧客住所は、施設100に関する顧客の住所である。顧客住所は、施主住所と読み替えられてもよい。顧客住所は、施設100に関する個人情報の一例である。
【0050】
顧客住所に対する第1事業者のアクセスは許容されない。顧客住所に対する第2事業者のアクセス権限は、第2事業者によって設定されてもよい。顧客住所に対する顧客のアクセス権限は、第2事業者によって設定されてもよい。顧客住所は、第2事業者による顧客管理に用いられてもよい。顧客住所は、第2事業者による分散電源のメンテナンスに用いられてもよい。
【0051】
販売店IDは、第2事業者の委託を受けて施設100に分散電源を販売する販売店を識別する情報である。販売店IDは、施設100に関するエリア情報の一例であってもよい。
【0052】
販売店IDに対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。販売店IDは、第1事業者による資産管理に用いられてもよい。
【0053】
施行店IDは、第2事業者の委託を受けて施設100に分散電源を設置する施行店を識別する情報である。施行店IDは、施設100に関するエリア情報の一例であってもよい。
【0054】
施行店IDに対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。施行店IDに対する第2事業者のアクセスは許容されてもよい。施行店IDは、第1事業者による資産管理に用いられてもよい。施行店IDは、第2事業者による分散電源のメンテナンスに用いられてもよい。
【0055】
エリアIDは、施設100が存在するエリアを識別する情報である。エリアIDによって識別されるエリアの粒度は、顧客住所が特定されないレベルの粒度であることが好ましい。エリアIDは、施設100に関するエリア情報の一例であってもよい。
【0056】
エリアIDに対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。エリアIDに対する第2事業者のアクセスは許容されてもよい。エリアIDは、第1事業者による資産管理に用いられてもよい。エリアIDは、第2事業者による分散電源のメンテナンスに用いられてもよい。
【0057】
GW-IDは、GWを識別する情報である。GW-IDは、分散電源にアクセスするためのアクセス情報の一例である。
【0058】
GW-IDに対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。GW-IDに対する第2事業者のアクセスは許容されてもよい。GW-IDへのアクセスによって、太陽電池装置110の累積発電電力、蓄電装置120の累積放電電力、蓄電装置120の累積充電電力、蓄電装置120の累積充放電サイクル、燃料電池装置130の累積出力電力などを取得することができる。従って、GW-IDは、第1事業者による分散電源の保証に用いられてもよい。GW-IDは、第2事業者による分散電源のメンテナンスに用いられてもよい。
【0059】
第1契約情報は、第1事業者と第2事業者との間で締結された契約に関する情報である。第1契約情報は、契約の内容を含んでもよく、契約を識別する番号を含んでもよい。
【0060】
第1契約情報に対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。第1契約情報に対する第2事業者のアクセスは許容されてもよい。
【0061】
第2契約情報は、第2事業者と顧客との間で締結された契約に関する情報である。第2契約情報は、契約の内容を含んでもよく、契約を識別する番号を含んでもよい。
【0062】
第2契約情報に対する第2事業者のアクセス権限は、第2事業者によって設定されてもよい。第2契約情報に対する顧客のアクセス権限は、第2事業者によって設定されてもよい。第2契約情報は、第2事業者による顧客管理に用いられてもよい。
【0063】
実施形態では、管理部220は、施設100に関する個人情報及び施設100に関するエリア情報を管理する第1管理部の一例である。
【0064】
制御部230は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
【0065】
制御部230は、管理部220によって管理される情報に対するアクセスを許容するか否かを判定する。制御部230は、アクセス権限を有しない情報に対するアクセスを許容せず、アクセス権限を有する情報に対するアクセスを許容する。
【0066】
例えば、図6に示したように、制御部230は、施設100に関する個人情報(例えば、顧客氏名、顧客住所)に対する第1事業者のアクセスを許容せずに、施設100に関する個人情報に対する第2事業者のアクセスを許容する。制御部230は、施設100に関するエリア情報(例えば、施行店ID、エリアID)に対する第2事業者のアクセスを許容する。
【0067】
実施形態では、制御部230は、管理部220とともに、施設100に関する個人情報及び施設100に関するエリア情報を管理する第1管理部を構成してもよい。
【0068】
(第2サーバ)
以下において、実施形態に係る第2サーバについて説明する。図5に示すように、第2サーバ300は、通信部310と、管理部320と、制御部330と、を有する。
【0069】
通信部310は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0070】
通信部310は、第1事業者からアクセス要求を受け付けてもよい。通信部310は、第1事業者がアクセス権限を有する情報を第1事業者に送信してもよい。
【0071】
通信部310は、第2事業者からアクセス要求を受け付けてもよい。通信部310は、第2事業者がアクセス権限を有する情報を第2事業者に送信してもよい。
【0072】
通信部310は、施設100(例えば、EMS160)から分散電源の状態を受信する。分散電源の状態は、分散電源の運転状態、太陽電池装置110の発電電力、蓄電装置120の蓄電状態(SOC)、蓄電装置120の放電電力、蓄電装置120の充電電力、燃料電池装置130の出力電力などを含んでもよい。
【0073】
管理部320は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、不揮発性メモリなどの記憶媒体によって構成される。
【0074】
管理部320は、分散電源の状態を管理する。分散電源の状態は、太陽電池装置110の累積発電電力、蓄電装置120の累積放電電力、蓄電装置120の累積充電電力、蓄電装置120の累積充放電サイクル、燃料電池装置130の累積出力電力などを含んでもよい。
【0075】
管理部320は、図6に示すように、GW-IDを管理してもよい。
【0076】
GW-IDは、GWを識別する情報である。GW-IDは、分散電源にアクセスするためのアクセス情報の一例である。
【0077】
GW-IDに対する第1事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。GW-IDに対する第2事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。GW-IDに対する顧客のアクセス権限は、第1事業者によって設定されてもよい。
【0078】
GW-IDに対する第2事業者のアクセス権限は、分散電源を制御する権限を第2事業者が有するか否かによって設定されてもよい。分散電源を制御する権限を第2事業者が有する場合に、GW-IDに対する第2事業者のアクセス権限が設定され、分散電源を制御する権限を第2事業者が有しない場合に、GW-IDに対する第2事業者のアクセス権限が設定されなくてもよい。例えば、分散電源を制御する権限は、VPP(Virtual Power Plant)などにおいて、蓄電装置120の充電又は放電を制御する権限であってもよい。
【0079】
GW-IDに対する顧客のアクセス権限は、分散電源の状態を閲覧する機能(見える化機能)を利用する権限を顧客が有しているか否かによって設定されてもよい。見える化機能を利用する権限を顧客が有する場合に、GW-IDに対する顧客のアクセス権限が設定され、見える化機能を利用する権限を顧客が有しない場合に、GW-IDに対する顧客のアクセス権限が設定されなくてもよい。
【0080】
なお、GW-IDに対するアクセス権限は、第2サーバ300に対するアクセス権限と読み替えてもよい。GW-IDに対するアクセス権限は、第2サーバ300と連携するAPI(Application Programming Interface)の提供によって設定されてもよい。
【0081】
制御部330は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
【0082】
制御部330は、管理部320によって管理される情報に対するアクセスを許容するか否かを判定する。制御部330は、アクセス権限を有しない情報に対するアクセスを許容せず、アクセス権限を有する情報に対するアクセスを許容する。
【0083】
制御部330は、分散電源の状態を監視してもよい。例えば、制御部330は、分散電源が異常である場合に、分散電源の異常を第1事業者に通知する制御を実行してもよい。
【0084】
制御部330は、分散電源を制御してもよい。例えば、制御部330は、VPPなどにおいて、蓄電装置120の充電又は放電を制御してもよい。或いは、制御部330は、分散電源で異常が生じた場合に、分散電源の動作を停止してもよい。
【0085】
制御部330は、分散電源の状態を施設100毎に管理しており、上述した見える化機能を提供してもよい。
【0086】
(作用及び効果)
実施形態では、第1サーバ200(プラットフォーム)は、施設100に関する個人情報(例えば、顧客氏名、顧客住所)に対する第1事業者のアクセスを許容せずに、施設100に関する個人情報に対する第2事業者のアクセスを許容する。このような構成によれば、顧客と直接的な接点のない第1事業者に対する個人情報の漏洩を抑制することができ、かつ、分散電源の貸し出しに伴う顧客管理に必要な情報を第2事業者に提供することができる。
【0087】
実施形態では、第1サーバ200は、施設100に関するエリア情報(例えば、施行店ID、エリアID)に対する第2事業者のアクセスを許容する。このような構成によれば、分散電源のメンテナンスを容易に実行することができる。
【0088】
実施形態では、施設100に関するエリア情報に対する第1事業者のアクセスを第1サーバ200が許容するか否かの設定は、第1事業者による設定のみ許容される。施設100に関するエリア情報に対する第1事業者のアクセスが許容される場合には、分散電源の資産管理に必要な情報を第1事業者に提供することができる。
【0089】
実施形態では、第1サーバ200は、分散電源に関する機器情報に対する第2事業者のアクセスを許容する。このような構成によれば、分散電源の貸し出しに対する料金計算及び顧客管理に必要な情報を第2事業者に提供することができる。
【0090】
実施形態では、分散電源に関する機器情報に対する第1事業者のアクセスを第1サーバ200が許容するか否かの設定は、第1事業者による設定のみ許容される。分散電源に関する機器情報に対する第1事業者のアクセスが許容される場合には、分散電源の貸し出しに対する料金計算及び分散電源の資産管理に必要な情報を第1事業者に提供することができる。
【0091】
実施形態では、第1サーバ200は、アクセス情報(GW-ID)に対する前記第2事業者のアクセスを許容する。このような構成によれば、分散電源のメンテナンスに必要な情報を第2事業者に提供することができる。
【0092】
実施形態では、アクセス情報(GW-ID)に対する第1事業者のアクセスを第1サーバ200が許容するか否かの設定は、第1事業者による設定のみ許容される。アクセス情報(GW-ID)に対する第1事業者のアクセスが許容される場合には、分散電源の保証に必要な情報を第1事業者に提供することができる。
【0093】
実施形態では、第2サーバ300に対する第2事業者のアクセス権限は、分散電源を制御する権限を第2事業者が有するか否かによって設定される。例えば、分散電源を制御する権限を第2事業者が有する場合に、第2サーバ300に対する第2事業者のアクセス権限が設定され、分散電源の制御に必要な情報を第2事業者に提供することができる。
【0094】
実施形態では、第2サーバ300に対する第2事業者のアクセス権限は、第1事業者によって設定される。第1事業者によって管理される第2サーバ300に対する第2事業者のアクセス権限が設定された場合には、分散電源の制御に必要な情報を第2事業者に提供することができる。
【0095】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0096】
上述した開示では、第1サーバ200(プラットフォーム)は、第1事業者によって管理される。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。第1サーバ200(プラットフォーム)は、第三者によって提供されるクラウドサービスによって実現されてもよい。このようなケースにおいて、第1サーバ200(プラットフォーム)を管理する主体は、第1事業者であってもよく、第1事業者以外の事業者であってもよい。
【0097】
上述した開示では、第1事業者から第2事業者に対する分散電源の貸し出し対する料金が定額制であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。料金は、分散電源の使用(例えば、発電電力、充電電力、放電電力、出力電力)などに対する従量制であってもよい。
【0098】
上述した開示では、第2事業者から顧客に対する分散電源の貸し出し対する料金が定額制であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。料金は、分散電源の使用(例えば、発電電力、充電電力、放電電力、出力電力)などに対する従量制であってもよい。
【0099】
上述した開示では特に触れていないが、販売店は、第2事業者の一部であると考えてもよく、第2事業者の委託などによって第2事業者の管理下にあると考えてもよい。同様に、施行店は、第2事業者の一部であると考えてもよく、第2事業者の委託などによって第2事業者の管理下にあると考えてもよい。
【0100】
上述した開示では特に触れていないが、アクセス権限の設定は、アクセスを許容するか否かの設定と読み替えてもよい。
【0101】
上述した開示では特に触れていないが、分散電源のメンテナンスは、第2事業者から販売店又は施行店に委託されてもよい。
【0102】
上述した開示では特に触れていないが、第1サーバ200は、契約管理に用いられてもよい。
【0103】
[付記]
上述した開示は以下のように表されてもよい。
第1の特徴は、第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバを備え、前記第1サーバは、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理する第1管理部を備え、前記第1管理部は、前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関する個人情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容し、前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、分散電源管理システムである。
【0104】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記施設に関するエリア情報に対する前記第1事業者のアクセスを前記第1管理部が許容するか否かの設定は、前記第1事業者による設定のみ許容される、分散電源管理システムである。
【0105】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記第1管理部は、前記分散電源に関する機器情報を管理し、前記第1管理部は、前記分散電源に関する機器情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、分散電源管理システムである。
【0106】
第4の特徴は、第3の特徴において、前記分散電源に関する機器情報に対する前記第1事業者のアクセスを前記第1管理部が許容するか否かの設定は、前記第1事業者による設定のみ許容される、分散電源管理システムである。
【0107】
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記第1管理部は、前記分散電源にアクセスするためのアクセス情報を管理し、前記第1管理部は、前記アクセス情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容する、分散電源管理システムである。
【0108】
第6の特徴は、第5の特徴において、前記アクセス情報に対する前記第1事業者のアクセスを前記第1管理部が許容するか否かの設定は、前記第1事業者による設定のみ許容される、分散電源管理システムである。
【0109】
第7の特徴は、第1の特徴乃至第6の特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記施設に設置される前記分散電源の状態を少なくとも監視する第2サーバを備え、前記第2サーバに対する前記第2事業者のアクセス権限は、前記分散電源を制御する権限を前記第2事業者が有するか否かによって設定される、分散電源管理システムである。
【0110】
第8の特徴は、第1の特徴乃至第7の特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記施設に設置される前記分散電源の状態を少なくとも監視する第2サーバを備え、前記第2サーバに対する前記第2事業者のアクセス権限は、前記第1事業者によって設定される、分散電源管理システムである。
【0111】
第9の特徴は、第1事業者が所有権を有する分散電源を施設に貸し出す権利を有する第2事業者によってアクセス可能な第1サーバが、前記施設に関する個人情報及び前記施設に関するエリア情報を管理するステップAと、前記第1サーバが、前記施設に関する個人情報に対する前記第1事業者のアクセスを許容せずに、前記施設に関するエリア情報に対する前記第2事業者のアクセスを許容するステップBと、を備える、分散電源管理方法である。
【符号の説明】
【0112】
1…分散電源管理システム、11…ネットワーク、12…電力系統、100…施設、110…太陽電池装置、120…蓄電装置、130…燃料電池装置、140…負荷機器、160…EMS、190…測定装置、200…第1サーバ、210…通信部、220…管理部、230…制御部、300…第2サーバ、310…通信部、320…管理部、330…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6