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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007464
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】振動発電デバイス
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/18 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H02N2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108885
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】北山 賢
(72)【発明者】
【氏名】船井 星那
(72)【発明者】
【氏名】田島 悠聖
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681BB08
5H681DD23
5H681EE10
(57)【要約】
【課題】温度変化による発電量の低下を抑制できる振動発電デバイスが提供される。
【解決手段】振動発電デバイス(10)は、振動することができる振動部(12)と、振動部を少なくとも2点で固定する固定部(13)と、振動部の熱膨張と固定部の熱膨張との差によって少なくとも振動部に生じる張力を、固定部又は振動部に逆向きの力を与えることで緩和する緩和部(18)と、を備える。振動発電デバイスは、振動部の熱膨張係数が固定部の熱膨張係数より小さい場合に、緩和部の熱膨張係数は振動部の熱膨張係数より小さくてよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動することができる振動部と、
前記振動部を少なくとも2点で固定する固定部と、
前記振動部の熱膨張と前記固定部の熱膨張との差によって少なくとも前記振動部に生じる張力を、前記固定部又は前記振動部に逆向きの力を与えることで緩和する緩和部と、を備える、振動発電デバイス。
【請求項2】
前記振動部の熱膨張係数が前記固定部の熱膨張係数より小さい場合に、前記緩和部の熱膨張係数は前記振動部の熱膨張係数より小さい、請求項1に記載の振動発電デバイス。
【請求項3】
前記振動部の熱膨張係数が前記固定部の熱膨張係数より大きい場合に、前記緩和部の熱膨張係数は前記振動部の熱膨張係数より大きい、請求項1に記載の振動発電デバイス。
【請求項4】
前記緩和部は、熱膨張係数が異なる2つ以上の層を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【請求項5】
前記緩和部は、前記固定部と前記振動部との間に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【請求項6】
前記緩和部は、前記固定部の外側に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【請求項7】
前記緩和部は、前記固定部の内側に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【請求項8】
前記緩和部は、前記固定部の上面及び前記固定部の底面の一部又は全部である、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【請求項9】
前記緩和部は、前記固定部の内部に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【請求項10】
前記緩和部は、前記振動部の側面に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動発電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、振動発電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
周囲環境の振動エネルギーから電気エネルギーを発生させる振動発電デバイスと、振動発電デバイスを利用したセンサモジュールが知られている。例えば特許文献1は、複数の板状可撓体と重錘部体とを組み合わせた構造の発電素子を開示する。また、例えば特許文献2は、複数の圧電素子と複数の圧電素子を連結する連結部材とを備え、振動エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換できる発電デバイスを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-103170号公報
【特許文献2】特開2020-061938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、振動発電デバイスでは、振動する振動部と、振動部を固定する固定部との熱膨張係数が異なることが多いため、温度の変化によって、振動部に張力が加わることで、共振周波数が変化して、発電量が低下することがあった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、温度変化による発電量の低下を抑制できる振動発電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る振動発電デバイスは、
振動することができる振動部と、
前記振動部を少なくとも2点で固定する固定部と、
前記振動部の熱膨張と前記固定部の熱膨張との差によって少なくとも前記振動部に生じる張力を、前記固定部又は前記振動部に逆向きの力を与えることで緩和する緩和部と、を備える。
【0007】
(2)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記振動部の熱膨張係数が前記固定部の熱膨張係数より小さい場合に、前記緩和部の熱膨張係数は前記振動部の熱膨張係数より小さい。
【0008】
(3)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記振動部の熱膨張係数が前記固定部の熱膨張係数より大きい場合に、前記緩和部の熱膨張係数は前記振動部の熱膨張係数より大きい。
【0009】
(4)本開示の一実施形態として、(1)から(3)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、熱膨張係数が異なる2つ以上の層を含む。
【0010】
(5)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、前記固定部と前記振動部との間に設けられる。
【0011】
(6)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、前記固定部の外側に設けられる。
【0012】
(7)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、前記固定部の内側に設けられる。
【0013】
(8)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、前記固定部の上面及び前記固定部の底面の一部又は全部である。
【0014】
(9)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、前記固定部の内部に設けられる。
【0015】
(10)本開示の一実施形態として、(1)から(4)のいずれかにおいて、
前記緩和部は、前記振動部の側面に設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、温度変化による発電量の低下を抑制できる振動発電デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る振動発電デバイスを含むセンサモジュールの概略構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る振動発電デバイスの振動方向に沿った断面図である。
図3A図3Aは、振動部、固定部及び緩和部の熱膨張の差を説明するための断面図である。
図3B図3Bは、振動部、固定部及び緩和部の熱膨張の差を説明するための断面図である。
図4図4は、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図5A図5Aは、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図5B図5Bは、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図6A図6Aは、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図6B図6Bは、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図7図7は、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図8図8は、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
図9図9は、振動発電デバイスにおける振動部及び固定部に対する緩和部の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態に係る振動発電デバイスが説明される。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号が付されている。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。ただし、図面は模式的なものである。例えば厚さと幅との関係等は現実のものと異なる。また、以下に示す実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するためのデバイス等を例示するものであって、構成部品の形状、構造、配置等を下記のものに限定するものでない。
【0019】
図1は、本実施形態に係る振動発電デバイス10を含むセンサモジュール21の概略構成を示す機能ブロック図である。センサモジュール21は、センサ22、通信部23、コントローラ24及び振動発電デバイス10を含んで構成される。センサモジュール21は、外部からの電力の供給を受けずに、多様な状態を検出し、検出結果として外部機器に送信してよい。センサモジュール21は、例えば、橋、電車、車両、発電所、屋外機械装置又は工場装置などにおいて用いられる。
【0020】
センサ22は、例えば、振動センサ、温度センサ及び圧力センサなどであって、任意の対象物の任意の状態を検出する。センサ22は、振動発電デバイス10から供給される電力で駆動する。
【0021】
通信部23は、ネットワークを介して外部機器と通信するインタフェースである。通信部23は、例えば、ネットワークを介して外部機器と通信する通信モジュールを含んでよい。通信部23は、例えば、センサ22が検出した任意の状態を示す検出値を信号として外部機器に送信する。ここで、検出値は、検出結果を数値化したものである。通信部23は、外部機器から指令を受信してコントローラ24に送信してよい。通信部23は、振動発電デバイス10から供給される電力で駆動する。
【0022】
コントローラ24は、センサ22及び通信部23の動作を制御する。例えばコントローラ24は、1以上のプロセッサ及びメモリを含んで構成されてよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ24は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)及びSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ24は、振動発電デバイス10から供給される電力で駆動する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る振動発電デバイス10の振動方向に沿った断面図である。振動発電デバイス10は、錘部11、振動部12、圧電部17、緩和部18及び固定部13を含んで構成される。さらに、振動発電デバイス10は、筐体14を含んで構成されてよい。本実施形態において、筐体14が固定部13として機能する。
【0024】
錘部11は、慣性力を与えることにより、固定部13に支持される振動部12の振動を増大させる。錘部11は、振動部12に対して、振動させる方向として定められた振動方向側の面に設けられてよい。
【0025】
ここで、図2には直交座標が示されている。この直交座標は、後に参照する図3A図9でも用いられる。z軸方向は、通常の使用時に錘部11が振動する方向、すなわち振動方向である。z軸方向は、振動発電デバイス10の厚さ方向(高さ方向)でもある。x軸方向は、振動発電デバイス10の幅方向に対応する。また、y軸方向は、振動発電デバイス10の奥行き方向に対応する。以下において、z軸正方向に位置する場合を上と、z軸負方向に位置する場合を下として、相対的な位置関係を説明することがある。例えば固定部13及び振動部12の面のうち、上(z軸正方向側)に位置する面は上面と称される。例えば固定部13及び振動部12の面のうち、下(z軸負方向側)に位置する面は下面又は底面と称される。また、例えば固定部13及び振動部12の面のうち、上面と底面とを接続する面を側面と称することがある。
【0026】
以下、振動発電デバイス10の構成要素のそれぞれが説明される。錘部11は、本体部15及び首部16を有してよい。本体部15は例えば板状である。首部16は、本体部15に比べて細い、円柱などの柱状であってよい。首部16の軸が本体部15の中心を通り、板状の本体部15に対して垂直であってよい。首部16は、軸が振動方向に平行となるように振動部12に固定されてよい。
【0027】
振動部12は例えば薄板状であり、板面が振動方向に垂直であってよい。振動部12は、振動することができるものであればよく、形状が限定されるものでない。例えば振動部12は、板状だけでなく、十字状、十字にさらに斜め方向にも延びた形状、円形状、多角形状、球状であってよい。振動部12は電気的な接続のための配線を有する基板であってよい。振動部12は、金属で形成されてよいし、樹脂で形成されてよい。振動部12は、例えばSUSなどにより形成されてよい。
【0028】
圧電部17は、振動部12に設けられる。圧電部17は、振動部12の振動により応力が生じる位置に配置されてよい。圧電部17は、振動部12における振動方向側の面に設けられてよい。複数の圧電部17が、振動部12の延在する方向に沿って並ぶように設けられてよい。複数の圧電部17が、振動部12の振動方向の両側の面に設けられてよい。つまり、複数の圧電部17が、振動部12の上面及び底面に設けられてよい。
【0029】
圧電部17は圧電体及び電極を含んで構成される。振動部12が振動により変形すると、圧電部17は、振動部12と共に変形する。これにより、振動部12が振動すると、圧電部17内の圧電体に応力が加えられ、圧電体の圧電効果によりこの応力が電力に変換される。圧電体で生成された電力は電極を介して、振動発電デバイス10の外部に出力される。
【0030】
固定部13は、振動部12を任意の方法により固定する。固定部13は、振動部12を少なくとも2点で固定する。ここで、「固定部13が振動部12を固定する」とは、固定部13が直接的に振動部12を固定する場合だけでなく、固定部13が緩和部18などの他の部材を介して振動部12を固定する場合を含む。固定部13は、剛性の大きな部材で形成されることが好ましく、例えば、Feなどの金属単体、Fe、Ni、Crなどを含む合金、SUS又は樹脂などの非金属の物質によって形成されてよい。本実施形態において、錘部11及び振動部12を収容する筐体14の一部が固定部13として機能する。
【0031】
ここで、振動発電を行う装置において、振動部材と、振動部材を固定する固定部材との熱膨張係数が異なることが多い。そのため、温度の変化(例えば低温から高温への変化)に応じて、固定部材が振動部材を引っ張ったり、逆に緩めたりすることがある。つまり、温度の変化によって、振動部12の張力が変化する。振動発電において、振動部材が所定の共振周波数で振動することによって効率よく電力を発生できるが、共振周波数は張力の平方根に比例して変化することが知られている。従来、例えば温度が高温に変化して、振動部材にかかる張力が大きくなると、共振周波数が高域側に変化して、発電量が低下することがあった。
【0032】
本実施形態に係る振動発電デバイス10が備える緩和部18は、振動部12の熱膨張と固定部13の熱膨張との差によって少なくとも振動部12に生じる張力を、固定部13又は振動部12に逆向きの力を与えることで緩和する。ここで、熱膨張の差は、振動部12と固定部13の熱膨張係数の違いから得られる。熱膨張係数として、例えば線膨張係数を用いることができる。線膨張係数(α[1/℃])は、α=(Δl/Δt)×(1/L)で算出できる。ここで、Δl[m]は長さの変化量である。Δt[℃]は温度の変化量である。また、L[m]は長さである。
【0033】
図3A及び図3Bは、振動部12、固定部13及び緩和部18の熱膨張の差を説明するための断面図である。図3A図3B及び後で参照する図4図9において、見やすさのために、図2で示されていた錘部11及び圧電部17の表示は省略されている。図3A及び図3Bにおいて、α(12)、α(13)、α(18)はそれぞれ振動部12の線膨張係数、固定部13の線膨張係数、緩和部18の線膨張係数を意味する。また、矢印の長さは線膨張係数の相対的な大きさを示している。振動部12の熱膨張係数が固定部13の熱膨張係数より小さい場合に、緩和部18の熱膨張係数は振動部12の熱膨張係数より小さいように選択される。図3Aのように、固定部13の大きな熱膨張を、緩和部18が抑える(逆向きの力を与える)ように作用している。また、振動部12の熱膨張係数が固定部13の熱膨張係数より大きい場合に、緩和部18の熱膨張係数は振動部12の熱膨張係数より大きいように選択される。図3Bのように、固定部13の熱膨張は小さいが、緩和部18が引っ張るように(逆向きの力を与える)ように作用している。このように振動部12と固定部13との熱膨張係数の大小関係に基づいて、適切な熱膨張係数を有するように緩和部18が選択される。そして、緩和部18は温度変化に伴う振動部12への張力の変化を緩和し、振動発電デバイス10の共振周波数の変化を抑制することができる。
【0034】
ここで、図3A及び図3Bの例では、緩和部18は、固定部13と振動部12との間に設けられている。ただし、緩和部18の配置及び構成は、これに限定されない。
【0035】
例えば図4に示すように、緩和部18は、熱膨張係数が異なる2つ以上の層を含んでよい。振動部12の熱膨張係数が固定部13の熱膨張係数より小さい場合に、緩和部18のそれぞれの層の熱膨張係数は振動部12の熱膨張係数より小さいように選択されることが好ましい。また、振動部12の熱膨張係数が固定部13の熱膨張係数より大きい場合に、緩和部18のそれぞれの層の熱膨張係数は振動部12の熱膨張係数より大きいように選択されることが好ましい。緩和部18が複数の層で構成されることによって、温度変化に伴う振動部12への張力の変化を緩和する効果をさらに高めることができる。
【0036】
例えば図5A及び図5Bに示すように、緩和部18は、固定部13の外側に設けられてよい。ここで、筐体14である固定部13によって囲まれる空間に対する位置で内側と外側とが定められる。内側は固定部13の空間に面する側である。また、外側は固定部13の空間に面していない、空間から遠い側である。図5Aのように、緩和部18は、固定部13の上面及び固定部13の底面の外側に設けられてよい。また、図5Bのように、緩和部18は、固定部13の側面の外側に設けられてよい。この構成の場合に、緩和部18を取り付ける加工が容易になる。
【0037】
例えば図6A及び図6Bに示すように、緩和部18は、固定部13の内側に設けられてよい。図6Aのように、緩和部18は、固定部13の上面及び固定部13の底面の内側に設けられてよい。また、図5Bのように、緩和部18は、固定部13の側面の内側に設けられてよい。この構成の場合に、緩和部18の面積を小さくできるので、緩和部18の材料の量を少なくすることができる。
【0038】
例えば図7に示すように、緩和部18は、固定部13の上面及び固定部13の底面の一部又は全部であってよい。この構成の場合に、振動発電デバイス10の全体としての材料の量を少なくすることができる。
【0039】
さらに別の構成として、例えば図8に示すように、緩和部18は、固定部13の内部に設けられてよい。また、例えば図9に示すように、緩和部18は、振動部12の側面に設けられてよい。
【0040】
以上のように、本実施形態に係る振動発電デバイス10は、上記の構成によって、緩和部18が温度変化に伴う振動部12への張力の変化を緩和し、振動発電デバイス10の共振周波数の変化を抑制することができる。そのため、本実施形態に係る振動発電デバイス10は、温度変化による発電量の低下を抑制できる。
【0041】
本開示の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【0042】
上記の実施形態において、センサモジュール21が図1に示される構成を有するとして説明したが、構成要素の全てを含む必要はない。例えばセンサモジュール21は、センサ22を備えずに、振動発電デバイス10がセンサ22の機能を兼ねる構成であってよい。例えば振動発電デバイス10は、圧電部17内の圧電体で生成された電力とともに、振動の強さを示す信号などを出力してよい。例えばコントローラ24が振動の強さを示す信号に基づいてセンサモジュール21を搭載する移動体の速度を算出し、速度センサとしての機能が実現されてよい。
【符号の説明】
【0043】
10 発電振動デバイス
11 錘部
12 振動部
13 固定部
14 筐体
15 本体部
16 首部
17 圧電部
18 緩和部
21 センサモジュール
22 センサ
23 通信部
24 コントローラ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9