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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007476
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車両システム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20250109BHJP
   B60N 99/00 20060101ALI20250109BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20250109BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N99/00
B60N2/06
B60N2/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108905
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多賀 柊子
(72)【発明者】
【氏名】飯島 泰昭
(72)【発明者】
【氏名】高畠 元
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BD03
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】車両用シートのシートポジションによらず、着座者が表示部に表示された操作部を操作することができる車両システムを得る。
【解決手段】車両システムは、シートポジションを変更可能な車両用シートと、車両前後方向に延在するセンタコンソール22と、センタコンソール22の上面22Aに設けられた表示部23と、表示部23に、車両電子機器を操作可能な操作部28を表示させ、且つ、操作部28の表示位置をシートポジションの変更に追従させる表示制御部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートポジションを変更可能な車両用シートと、
車両前後方向に延在するセンタコンソールと、
該センタコンソールの上面に設けられた表示部と、
該表示部に、車両電子機器を操作可能な操作部を表示させ、且つ、当該操作部の表示位置を前記シートポジションの変更に追従させる表示制御部と、
を備える車両システム。
【請求項2】
前記シートポジションは、車両前後方向のシート位置が変更されることにより変更される請求項1に記載の車両システム。
【請求項3】
前記シートポジションは、シート姿勢が変更されることにより変更される請求項1に記載の車両システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記センタコンソールの上面全域に亘って設けられている請求項1に記載の車両システム。
【請求項5】
前記車両用シートは、アームレストを備えており、
前記操作部は、前記センタコンソールの上面において乗員が前記アームレストに腕を置いた状態で、指で操作可能な位置に配置されている請求項1に記載の車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センタコンソールが搭載された車両の車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両電子機器を操作するためのタッチパネルが車両前方側に搭載されたセンタコンソールを備える車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-212682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両における自動運転技術の開発が進められており、自動運転時に乗員がリラックス姿勢で着座することができるように、車両前後方向のスライド量をより多くしたロングスライドが可能な車両用シートが提供されている。しかしながら、特許文献1に記載されているように、センタコンソールに設けられたタッチパネルは、車両の運転が可能な着座位置での操作に対応する位置に設けられているため、車両用シートを車両後方へスライドしたリラックス姿勢が可能な位置では乗員の手がタッチパネルに届かない可能性がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両用シートのシートポジションによらず、着座者が表示部に表示された操作部を操作することができる車両システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明に係る車両システムは、シートポジションを変更可能な車両用シートと、車両前後方向に延在するセンタコンソールと、該センタコンソールの上面に設けられた表示部と、該表示部に、車両電子機器を操作可能な操作部を表示させ、且つ、当該操作部の表示位置を前記シートポジションの変更に追従させる表示制御部と、を備える。
【0007】
請求項1に記載の本発明に係る車両システムでは、表示制御部が、車両電子機器を操作可能な操作部を、センタコンソールの上面に設けられた表示部に表示させ、かつ操作部の表示位置を車両用シートのシートポジションの変更に追従させている。そのため、車両用シートのシートポジションが変更されても、当該変更に追従して表示部における操作部の表示位置が変更されるので、車両用シートのシートポジションによらず、着座者が表示部に表示された操作部を操作することができる。
【0008】
請求項2に記載の本発明に係る車両システムは、請求項1に記載の構成において、前記シートポジションは、車両前後方向のシート位置が変更されることにより変更される。
【0009】
請求項2に記載の本発明に係る車両システムでは、シートポジションは、車両前後方向のシート位置が変更されることにより変更されるので、車両用シートの車両前後方向のシート位置が変更された場合、シート位置の変更に追従して表示部における操作部の表示位置を変更することができる。
【0010】
請求項3に記載の本発明に係る車両システムは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記シートポジションは、シート姿勢が変更されることにより変更される。
【0011】
請求項3に記載の本発明に係る車両システムでは、シートポジションは、シート姿勢が変更されることにより変更されるので、車両用シートのシート姿勢が変更された場合、シート姿勢の変更に追従して表示部における操作部の表示位置を変更することができる。
【0012】
請求項4に記載の本発明に係る車両システムは、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の構成において、前記表示部は、前記センタコンソールの上面全域に亘って設けられている。
【0013】
請求項4に記載の本発明に係る車両システムでは、表示部がセンタコンソールの上面全域に亘って設けられているので、表示部における操作部の表示位置の移動量をより多くすることができ、シートポジションのより大きな変更に対応させることができる。
【0014】
請求項5に記載の本発明に係る車両システムは、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の構成において、前記車両用シートは、アームレストを備えており、前記操作部は、前記センタコンソールの上面において乗員が前記アームレストに腕を置いた状態で、指で操作可能な位置に配置されている。
【0015】
請求項5に記載の本発明に係る車両システムでは、操作部が、センタコンソールの上面において乗員がアームレストに腕を置いた状態で、指で操作可能な位置に配置されているので、乗員は、アームレストに腕を置いた状態で操作部を操作することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る車両システムは、車両用シートのシートポジションによらず、着座者が表示部に表示された操作部を操作することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る車両システムを模式的に示した平面図である。
図2図1の車両の一部を示す側面図である。
図3図1の車両をシート前方側から見た主要部を示す正面図である。
図4図3をシート上側から見た主要部を示す平面図である。
図5図1の車両をシート左側から見た主要部を示す側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る車両システムの構成を示すブロック図である。
図7】表示部における操作部の表示位置の変更を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る車両システムの制御部による一連の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図8を用いて本発明の一実施形態に係る車両10Aを備えた車両システム10について説明する。なお、以下の説明において前後左右上下の方向を示して説明するときは、車両10Aの前後左右上下の方向を示すものとする。また、各図に適宜示す矢印FRは前方向、矢印UPは上方向、矢印RHは右方向、矢印LHは左方向をそれぞれ示すものとする。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、前方向を向いた場合の左右を示すものとする。
【0019】
図1に示されるように、本実施形態の車両システム10は、車両10Aと表示制御部としての制御部100とを備えている。
【0020】
(車両10Aの構成)
車両10Aは、車室内14の乗員が着座する車両用シート12で構成された運転席16及び助手席18と、車両用シート13で構成された後席20とを備えている。なお、本実施形態の車両10Aでは、一例として、ステアリングホイール15が車室内14の左側に配置されていると共に運転席16が車室内14の左側に配置され、助手席18が運転席16に対して右側に配置されている。また、運転席16と助手席18との間には、センタコンソール22が設けられており、運転席16及び助手席18の前方側には、ダッシュボード24が設けられている。
【0021】
センタコンソール22は、図3に示されるように、後述するシートクッション12Aの乗員の着座面よりも車両上方側に上面22Aが位置されている。また、図1に示されるように、センタコンソール22は、車両前後方向に延在されており、上面22Aには、一例として、2つのカップホルダ25及び車両10Aに搭載された各種車両電子機器(図示省略)を操作可能な操作部28が設けられている。車両電子機器としては、例えば、カーナビゲーションシステム、音響システム、車両10Aの運転を制御する制御装置等がある。本実施形態においては、一例として、操作部28は、タッチパネル式の液晶画面で構成された表示部23に表示されており、表示部23はセンタコンソール22の上面22A全域に亘って設けられている。すなわち、センタコンソール22の上面22Aは、カップホルダ25内を除く全領域が液晶画面で形成されている。
【0022】
後席20は、運転席16及び助手席18の後方に設けられており、後席20を構成する車両用シート13は、一例として3人の乗員が着座可能なベンチ式のシートが採用されている。なお、車両用シート13は、ベンチ式のシートに限られず、独立した車両用シート12が設けられていてもよい。
【0023】
図1及び図2に示されるように、運転席16及び助手席18を構成する車両用シート12は、乗員が着座するシートクッション12Aと、シートクッション12Aの後端部に連結されて乗員の背部を支持可能なシートバック12Bとを含んで構成されている。また、シートバック12Bの上端部には、乗員の頭部を支持可能なヘッドレスト12Cが設けられている。また、車両用シート12は、センタコンソール22側に、アームレスト30を備えている。なお、各図においては、一例として、センタコンソール22側のみにアームレスト30を設けた態様が記載されているが、車幅方向の外側にもアームレストが設けられていてもよい。
【0024】
シートクッション12Aは、シートクッション12Aの骨格を形成するフレームと、発泡ウレタンにより形成されたクッション材と、当該クッション材の表面を覆う布製又は革製の表皮材と、を含んで構成されている。車両用シート12には、シートクッション12Aを車両前後方向にスライド可能にするシートスライド部40が設けられている。
【0025】
シートスライド部40は、図示は省略するが車両10Aの床部と締結されるシートレールと、車両用シート12が取り付けられシートレールに対してスライド可能なアッパレールとを備えている。シートレール及びアッパレールは、車両前後方向に延びる左右一対のレールで構成されている。また、シートスライド部40は、アッパレールの左右一対のレール間に掛け渡された図示しない伝達シャフトと、この伝達シャフトを回転駆動するスライド用モータ42とを備えており、制御部100によりスライド用モータ42の回転駆動が制御される。アッパレールに取り付けられた車両用シート12は、伝達シャフトを介して伝達されるスライド用モータ42の駆動力に基づいて車両前後方向(矢印X)にスライドする。
【0026】
なお、本実施形態においては、車両用シート12の車両前後方向の位置を検出する位置センサ(図示省略)が設けられており、位置センサは、スライド用モータ42の出力軸の回転位置を検出するロータリエンコーダとされている。この位置センサによって、スライド用モータ42の出力軸の回転位置を検出することにより、車両用シート12の車両前後方向へのスライド量を間接的に検出できる。なお、位置センサからは、スライド用モータ42の出力軸の回転位置、すなわち、車両用シート12のスライド量に対応する電気信号が出力される。
【0027】
また、図示は省略するが、車両用シート12には、シートクッション12Aを車両上下方向に昇降させるリフト装置が設けられていてもよい。
【0028】
シートバック12Bは、シートバック12Bの骨格を形成するフレームと、発泡ウレタンにより形成されたクッション材と、当該クッション材の表面を覆う布製又は革製の表皮材と、を含んで構成されている。シートバック12Bは、シートバック12Bの車両下側端部を中心にシートバック12Bを車両前後方向へ回動させるリクライニング部50を備えている。
【0029】
リクライニング部50は、軸部52を備えている。軸部52の中心軸線方向は、車幅方向とされており、シートクッション12Aのフレームの車両後側の部分とシートバック12Bのフレームの車両下側の部分とが軸部52によって機械的に連結されている。また、リクライニング部50は、リクライニングモータ54を備えており、制御部100によりリクライニングモータ54の回転駆動が制御される。
【0030】
リクライニングモータ54は、例えば、シートクッション12Aに設けられている。リクライニングモータ54の出力軸は、例えば、軸部52に設けられた減速装置又は駆動力伝達装置としてのギヤ列(図示せず)に連結されている。シートバック12Bは、リクライニングモータ54の駆動力によって軸部52周りに回動される。これにより、シートバック12Bは、軸部52を中心に車両前後方向(図1の矢印M方向)へ回動する。
【0031】
なお、本実施形態においては、車両用シート12のシートバック12Bのリクライニング角度、すなわちシートバック12Bの姿勢を検出する姿勢センサ(図示省略)が設けられており、姿勢センサは、例えば、リクライニングモータ54の出力軸の回転位置を検出するロータリエンコーダとされている。上記のように、シートバック12Bは、リクライニングモータ54の駆動力によって車両前後方向へ回動される。したがって、リクライニングモータ54の出力軸の回転位置を検出することによってシートバック12Bの車両前後方向への回動角度つまり姿勢を間接的に検出できる。なお、姿勢センサからは、リクライニングモータ54の出力軸の回転位置、すなわち、シートバック12Bの回動角度(姿勢)に対応する電気信号が出力される。
【0032】
本実施形態においては、一例として、シートポジションは、シートスライド部40によりシートクッション12Aを車両前後方向にスライド移動させることによってシート位置を変更することにより変更される。
【0033】
ヘッドレスト12Cは、シートバック12Bのシート上方側の端部に設けられている。このヘッドレスト12Cは、発泡ウレタンにより形成されたクッション材と、当該クッション材の表面を覆う布製又は革製の表皮材と、を含んで構成されている。
【0034】
アームレスト30は、一例として、アームレスト30の骨格を形成するフレームと、発泡ウレタンにより形成されたクッション材と、当該クッション材の表面を覆う布製又は革製の表皮材と、を含んで構成されている。なお、アームレスト30は、フレームの周囲に樹脂等からなる意匠部品であるモールにより覆われていてもよい。
【0035】
図3に示されるように、アームレスト30は、一例として、シート前方側から見て逆L字状に形成されている。アームレスト30の下端部32は、シートクッション12Aのセンタコンソール22側の側方からセンタコンソール22の上面22Aに向かって延設されている。また、アームレスト30の上端部34は、下端部32の上端からセンタコンソール22側に略水平に延設されており、図4に示されるように、少なくとも一部が平面視でセンタコンソール22の上面22Aに重なるように配置されている。
【0036】
本実施形態においては、一例として、運転席16及び助手席18の上端部34は、各々センタコンソール22の上面22Aの車幅方向の1/4程度に重なるように配置されており、カップホルダ25が露出されるように配置されている。また、本実施形態においては、図4に示されるように、乗員がアームレスト30に腕を載せた状態で、乗員の指Fで操作可能な位置に操作部28が配置されている。
【0037】
また、アームレスト30は、一例としてシートクッション12Aと一体に形成されている。具体的には、例えばアームレスト30の骨格を形成するフレームが、シートクッション12Aの骨格を形成するフレームから延在されて形成されている。
【0038】
また、図5に示されるように、アームレスト30は、乗員がアームレスト30の上端部34に腕を載せた状態で、乗員の指Fで操作部28が操作可能な高さ位置に配置されている。なお、本実施形態においては、アームレスト30は、シートクッション12Aと一体に形成されているため、上述したように車両用シート12がシートスライド部40によって車両前後方向に移動される際に、シートクッション12Aと共にアームレスト30も車両前後方向に移動される。
【0039】
すなわち、図5に示されるように、アームレスト30は、車両前後方向にセンタコンソール22の上面22Aに沿って移動可能にされており、例えば、実線で示すアームレスト30の位置から、車両用シート12の移動に伴って後方に移動することにより、一点鎖線で示すアームレスト30の位置に移動される。なお、本実施形態においては、アームレスト30がセンタコンソール22の上面22Aに沿って円滑に移動可能とするために、センタコンソール22の上面22Aとアームレスト30の上端部34の下面との間には、乗員がアームレスト30の上端部34に腕を載せた状態で指Fで操作部28が操作可能な高さ位置を保持できる程度の隙間が設けられている。
【0040】
(制御部100の構成)
本実施形態の制御部100は、車両10Aの走行全般、並びに、一例としてカーナビゲーションシステム、音響システム、及び車両10Aの運転を制御する制御装置等の車両電子機器などを制御する。また、制御部100は、表示部23の表示を制御する表示制御部としても機能する。
【0041】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)100A、ROM(Read Only Memory)100B、RAM(Random Access Memory)100C、ストレージ100D、通信インタフェース(通信I/F)100E、及び外部の装置との通信等を行う入出力インタフェース(入出力I/F)100Fを含んで構成されている。また、CPU100A、ROM100B、RAM100C、ストレージ100D、通信I/F100E、及び入出力I/F100Fは、バス100Gを介して相互に通信可能に接続されている。また、入出力I/F100Fには、前述の表示部23、シートスライド部40、及びリクライニング部50等が接続されている。
【0042】
CPU100Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、シートスライド部40のスライド用モータ42及びリクライニング部50のリクライニングモータ54の回転駆動、並びに表示部23の表示を制御したりする。すなわち、CPU100Aは、シートスライド部40からの信号に基づいてROM100Bやストレージ100Dから制御プログラムを読み出し、RAM100Cを作業領域として制御プログラムを実行して表示部23の表示を制御する。
【0043】
具体的には、一例として、車両用シート12が図7の左図に示される手動運転時の運転姿勢のシートポジションから、シートスライド部40により車両後方側にスライドされた図7の右図に示されるリラックス姿勢のシートポジションに移動されるとする。ここで、本実施形態においては、アームレスト30は、シートクッション12Aと一体に形成されているので、車両シート12がスライドされると、アームレスト30も同じ移動量スライドされる。
【0044】
この場合、制御部100は、シートスライド部40からの出力される車両用シート12のスライド量に対応する電気信号に基づいてスライド量を導出する。そして、制御部100は、導出したスライド量と同じ量だけ、図7の右図に示されるように表示部23における操作部28の表示位置を車両後方側に移動させて表示する。
【0045】
また、逆に、車両用シート12が図7の右図に示されるリラックス姿勢のシートポジションから、シートスライド部40により車両前方側にスライドされた図7の左図に示される手動運転時の運転姿勢のシートポジションに移動されるとする。この場合も同様に、制御部100は、シートスライド部40からの出力される車両用シート12のスライド量に対応する電気信号に基づいてスライド量を導出し、導出したスライド量と同じ量だけ、図7の左図に示されるように表示部23における操作部28の表示位置を車両前方側に移動させて表示する。
【0046】
このように、制御部100は、表示部23における操作部28の表示位置を、車両用シート12のシートポジションの変更に追従させている。
【0047】
次に、車両システム10の制御部100による表示制御処理の流れについて、図8のフローチャートを参照して説明する。本実施形態に係る車両システム10では、図8に示されるように、ステップS11にて制御部100がシートスライド部40からの出力信号により車両用シート12のシートポジションが変更されたか否かを判断する。
【0048】
ステップS11にて、シートポジションが変更されたと判断された場合(ステップS11;YES)、制御部100は、上述のようにして、車両用シート12のスライド量と同じ量だけ、表示部23における操作部28の表示位置を変更させる。
【0049】
次に、ステップS13にて、制御部100は、車両システム10が停止されたか否かを判断する。具体的には、一例として、制御部100は、車両10Aのエンジンが停止された場合等に車両システム10が停止されたと判断する。
【0050】
ステップS13にて、車両システム10が停止されたと判断された場合(ステップS13;YES)、制御部100は、全ての処理を終了させる。
【0051】
一方、ステップS11にて、シートポジションが変更されていないと判断された場合(ステップS11;NO)、及びステップS13にて、車両システム10が停止されていないと判断された場合(ステップS13;NO)には、制御部100は、ステップS11へ処理を移行して、ステップS11以降の処理を行う。
【0052】
(作用効果)
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
【0053】
本実施形態に係る車両システム10は、表示制御部としての制御部100が、車両電子機器を操作可能な操作部28を、センタコンソール22の上面22Aに設けられた表示部23に表示させ、かつ操作部28の表示位置を車両用シート12のシートポジションの変更に追従させている。そのため、車両用シート12のシートポジションが変更されても、当該変更に追従して表示部23における操作部28の表示位置が変更されるので、車両用シート12のシートポジションによらず、着座者が表示部23に表示された操作部28を操作することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る車両システム10は、シートポジションは、車両用シート12の車両前後方向のシート位置が変更されることにより変更されるので、車両用シート12の車両前後方向のシート位置が変更された場合、シート位置の変更に追従して表示部23における操作部28の表示位置を変更することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る車両システム10は、表示部23がセンタコンソール22の上面22A全域に亘って設けられているので、表示部23における操作部28の表示位置の移動量をより多くすることができ、シートポジションのより大きな変更に対応させることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る車両システム10は、操作部28が、センタコンソール22の上面22Aにおいて乗員がアームレスト30に腕を置いた状態で、指Fで操作可能な位置に配置されているので、乗員は、アームレスト30に腕を置いた状態で操作部28を操作することができる。
【0057】
(本実施形態の補足事項)
以上の実施形態では、表示部23は、センタコンソール22の上面22A全域にわたって設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、センタコンソール22の上面22Aの車両前方側、又は車両後方側に表示部23が設けられていてもよい。この場合、センタコンソール22の上面22Aの表示部23が設けられていな領域に、カップホルダ25や物入れ26等を設けてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、アームレスト30は、シートクッション12Aと一体に形成されているが、本発明はこれに限られず、別体で形成されていてもよい。この場合、アームレスト30とシートクッション12Aは、公知の締結方法により結合される。また、アームレスト30は、シートクッション12Aではなく、シートバック12Bに接続されていてもよいし、アームレスト30は、シートクッション12A及びシートバック12Bの何れにも接続されず、独立していてもよい。なお、本実施形態の車両システム10において、アームレスト30は設けていなくてもよい。
【0059】
なお、アームレスト30が、シートバック12Bに接続されている場合には、制御部100は、リクライニング部50からの出力されるシートバック12Bの回動角度(姿勢)に対応する電気信号に基づいてアームレスト30のスライド量を導出する。具体的には、予めシートバック12Bの回転角度(姿勢)に対するアームレスト30の位置を検出しておき、シートバック12Bの姿勢の変化量に基づいてアームレスト30の位置のスライド量を導出する。そして、制御部100は、導出したスライド量に追従させて、表示部23における操作部28の表示位置を変更する。
【0060】
このように、シートポジションがシート姿勢が変更されることにより変更される場合には、車両用シート12のシート姿勢が変更された際に、シート姿勢の変更に追従して表示部23における操作部28の表示位置を変更することができる。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
10 車両システム
12 車両用シート
12A シートクッション
22 センタコンソール
22A 上面
23 表示部
28 操作部
30 アームレスト
100 制御部(表示制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8