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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007479
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/237 20180101AFI20250109BHJP
   F21S 43/239 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 43/242 20180101ALI20250109BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20250109BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20250109BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250109BHJP
【FI】
F21S43/237
F21S43/239
F21S43/242
F21W103:35
F21W103:20
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108908
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檀浦 宗一郎
(57)【要約】
【課題】輝度ムラの発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具は、光源と、光源からの光を導光して出射する棒状の導光体とを備え、光源は、車両搭載状態における正面側に向けて光を出射する発光面を有し、導光体は、長手方向の一端に配置され、発光面に対向し、発光面から出射される光が入射する入射面と、入射面から延び、入射面から入射した光を導光する導光部と、導光部から延び、光を内面反射するプリズム部を有し、導光部からの光を導光してプリズム部で内面反射し、側面から出射する出射部と、導光部から突出するように設けられ、光源からの光の一部を導光する補助出射部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を導光して出射する棒状の導光体と
を備え、
前記光源は、車両搭載状態における正面側に向けて光を出射する発光面を有し、
前記導光体は、
長手方向の一端に配置され、前記発光面に対向し、前記発光面から出射される光が入射する入射面と、
前記入射面から延び、前記入射面から入射した光を導光する導光部と、
前記導光部から延び、光を内面反射するプリズム部を有し、前記導光部からの光を導光して前記プリズム部で内面反射し、側面から出射する出射部と、
前記導光部から突出するように設けられ、前記光源からの光の一部を導光する補助出射部と、を有する
車両用灯具。
【請求項2】
前記導光体から出射される光を導光して正面側に出射するインナーレンズを更に備え、
前記導光体は、前記インナーレンズとは反対側の側面に前記インナーレンズ側に向けて光を反射する前記プリズム部を有し、
前記インナーレンズは、前記出射部及び前記補助出射部の両面に対向するように配置されている
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記補助出射部は、板状である
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記インナーレンズは、前記導光体に対向する部分に前記導光体からの光が入射するインナー側入射面を有し、
前記補助出射部は、前記インナー側入射面に沿って配置される
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記補助出射部は、前記光源からの光を前記インナー側入射面に向けて内面反射する傾斜部を有する
請求項4に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記補助出射部は、厚さ方向に開口する開口部を有する
請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記開口部は、前記導光部に接する位置に配置される
請求項6に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記開口部は、内周面に前記光を拡散する光拡散部を有する
請求項6に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記補助出射部は、外周面の一部に切り欠き部を有する
請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項10】
前記補助出射部は、前記入射面と面一状態で設けられ前記光源からの光が入射する補助側入射面を有する
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項11】
前記補助出射部は、前記プリズム部よりも前記光源側に配置される
請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源からの光を棒状の導光体で導光し、導光体から車両正面に出射する構成の車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-115397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両用灯具は、導光体の長さ方向の全体に亘って発光させるため、当該導光体の背面側に長さ方向の全体に亘って、出射方向に向けて光を内面反射するプリズム部が形成されている。しかしながら、この構成では、導光体の光源近傍にもプリズム部が設けられるため、光源からの光が当該光源近傍のプリズム部に直接照射されてしまい、導光体の長さ方向に輝度ムラが生じる場合がある。上記の車両用灯具では、このような輝度ムラの発生を抑制することが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、輝度ムラの発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、光源と、前記光源からの光を導光して出射する棒状の導光体とを備え、前記光源は、車両搭載状態における正面側に向けて光を出射する発光面を有し、前記導光体は、長手方向の一端に配置され、前記発光面に対向し、前記発光面から出射される光が入射する入射面と、前記入射面から延び、前記入射面から入射した光を導光する導光部と、前記導光部から延び、光を内面反射するプリズム部を有し、前記導光部からの光を導光して前記プリズム部で内面反射し、側面から出射する出射部と、前記導光部から突出するように設けられ、前記光源からの光の一部を導光する補助出射部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輝度ムラの発生を抑制することが可能な車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る車両の後部の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を模式的に示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を模式的に示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を模式的に示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を模式的に示す図である。
図7図7は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を模式的に示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
本実施形態において、正面側及び背面側の各方向は、例えば車両に搭載された状態(車両搭載状態)における方向であるとする。例えば、車両の前部(フロント)に搭載された状態では、前方が正面方向(正面側)であり、後方が背面方向(背面側)である。また、車両の後部(リア)に搭載された状態では、後方が正面方向(正面側)であり、前方が背面方向(背面側)である。また、車両の側部(サイド)に搭載された状態では、車両外側が正面方向(正面側)であり、車両内側が背面方向(背面側)である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る車両1の後部の一例を示す図である。図1に示すように、車両1は、車体2と、走行装置3と、車両用灯具100とを備える。車体2は、運転者が搭乗する運転室を有する。車体2は、走行装置3に支持される。走行装置3は、タイヤ4が装着されるホイールと、車両1の進行方向を変えるための操舵装置と、走行装置3を減速又は停止させるためのブレーキ装置とを有する。車両1は、車体2の側部に設けられる乗降用ドアと、車体2の後部に設けられるバックドア7とを備える。乗降用ドア及びバックドア7はそれぞれ、ヒンジ機構を介して車体2に移動可能に支持される。
【0012】
本実施形態において、車両用灯具100は、車体2の後部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。本実施形態では、車両用灯具100が車体2の後部に設けられる。そのため、前後方向の後方側を車両用灯具100の正面側とし、前後方向の前方側を車両用灯具100の背面側として説明する。
【0013】
車両用灯具100は、機能ランプを含む。機能ランプとして、車体2の後部に設けられヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプ、車体2の後部に設けられブレーキ装置の作動と連動して点灯するストップランプ、車体2の後部に設けられ車両1の進行方向を周囲に示すために点灯するリアターンシグナルランプなどが挙げられる。
【0014】
車両用灯具100は、例えばそれぞれ車体2側に配置される。本実施形態において、車体2は、固定部である。また、バックドア7は、可動部である。車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100の構造と車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100の構造とは、左右方向について対称であり、実質的に同一の構造である。以下、車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100について主に説明し、車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100についての説明は簡略化又は省略する。
【0015】
図2から図5は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を模式的に示す図である。図2は、車両用灯具100を上方から見た図である。図3は、車両用灯具100の一部を左側の後方上部から見た斜視図である。図4は、車両用灯具100の一部を拡大して示す平面図である。図5は、車両用灯具100の内部を左方から見た状態を模式的に示している。
【0016】
図2から図5に示すように、車両用灯具100は、光源10と、導光体20と、インナーレンズ30と、アウターレンズ40とを備える。なお、図示を省略するが、車両用灯具100は、インナーハウジング、アウターハウジングの各構成を備える。
【0017】
光源10は、車両外側に配置される。光源10は、例えばLED等の半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。光源10は、光を出射する発光面11を有する。発光面11は、正面側に向けられる。
【0018】
導光体20は、棒状である。導光体20は、車両用灯具100のスラント形状に沿うように、例えば車両外側から車両内側にかけて、正面側に湾曲するように延びている。本実施形態において、導光体20は、光源10に対して正面側に配置される。
【0019】
導光体20は、入射面21と、導光部22と、出射部23と、補助出射部24とを有する。入射面21は、導光体20の長手方向の一端に配置され、光源10の発光面11と対向する。入射面21は、光源10からの光が入射する。導光体20において、入射面21は、例えば車両外側かつ背面側の端部に配置される。この形状により、スラント形状を有する車両用灯具100の内部において光源10からの光を適切に導光することができる。
【0020】
導光部22は、入射面21から正面側に延びる部分である。導光部22は、入射面21から入射した光を導光する。
【0021】
出射部23は、導光部22から車両内側に向けて延びる部分である。出射部23は、導光体20の長手方向の他端側まで形成される。出射部23は、光源10からの光を導光して側面23aからインナーレンズ30側に出射する。本実施形態において、後述するように、インナーレンズ30は、導光体20の下側に配置される。従って、出射部23は、側面23aの下部から下方に光を出射する。側面23aには、インナーレンズ30とは反対側、すなわち上部にプリズム部23bが設けられる。プリズム部23bは、入射面21から入射して側面23aで内面反射される光を、出射方向すなわちインナーレンズ30が配置された下方側に反射する。プリズム部23bで反射された光は、導光体20の側面23aからインナーレンズ30に向けて下方に出射される。
【0022】
補助出射部24は、導光部22から車両外側に突出するように設けられる。補助出射部24は、入射面21から入射した光の一部を導光してインナーレンズ30側に出射する。補助出射部24は、板状である。補助出射部24は、後述するインナーレンズ30の端面31aに沿って配置される。
【0023】
補助出射部24は、ベース部25と、開口部26と、傾斜部27とを有する。ベース部25は、板状であり、補助出射部24に入射した光を導光する。
【0024】
開口部26は、ベース部25を厚さ方向に貫通するように形成される。開口部26は、光を内面反射する。本実施形態において、開口部26は、導光部22に接する位置に設けられる。この配置により、導光部22の一部は、開口部26に面することになる。このため、導光部22の内部を進行する光は、開口部26において内面反射され、補助出射部24側への進行が規制される。このように、開口部26が導光部22に接する位置に配置されることで、導光部22から補助出射部24へ進行する光の量を調整することができる。また、開口部26は、ベース部25に入射した光を内面反射する。この場合、開口部26において光を拡散することができる。
【0025】
開口部26は、導光部22に接する位置に複数設けられてもよい。すなわち、開口部26は、導光部22に接する位置に、間隔を空けて複数設けられてもよい。
【0026】
傾斜部27は、ベース部25の正面側端部に形成される。傾斜部27は、補助出射部24に入射した光をインナーレンズ30の端面31a(後述)側、すなわち下方に向けて内面反射する。本実施形態において、傾斜部27は、正面側に向けて下方に傾くように形成された面である。傾斜部27は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。傾斜部27で内面反射された光は、補助出射部24の下面24aから下方に出射される。傾斜部27が設けられることにより、ベース部25に進入した光を確実にインナーレンズ30側に出射することができる。
【0027】
補助出射部24は、出射部23に設けられるプリズム部23bよりも光源10側に配置される。この配置により、インナーレンズ30の配置可能な領域が左右方向、つまりプリズム部23bが設けられる部分よりも光源10側の導光部22まで拡張することができる。
【0028】
インナーレンズ30は、導光体20から出射された光を導光して、車両搭載状態における少なくとも正面方向に出射する。インナーレンズ30は、例えば導光体20の下方に配置される。インナーレンズ30は、棒状部31と、板状部32とを有する。インナーレンズ30は、棒状部31及び板状部32が例えば一部材として設けられる。インナーレンズ30は、長手方向の一端に、正面側に突出する板状のリブ部(不図示)を有してもよい。
【0029】
棒状部31は、例えば上下方向に沿って直線状に延びている。板状部32は、棒状部31と一体で形成される。板状部32は、隣り合う棒状部31の間を接続する。板状部32は、例えば平板状であり、棒状部31に対応するように上下方向に沿って配置される。
【0030】
棒状部31及び板状部32は、導光体20の出射部23及び補助出射部24の両方に跨って配置される。以下、棒状部31及び板状部32のうち、出射部23に対応する部分を出射側部分30Pと表記し、補助出射部24に対応する部分を補助側部分30Qと表記する場合がある。
【0031】
棒状部31は、端面(インナー側入射面)31aと、側面31bとを有する。端面31aは、導光体20から出射された光が入射する。側面31bは、棒状部31の内部に入射した光を出射する。側面31bは、車両搭載状態における背面側にプリズム部31cが形成される。プリズム部31cは、端面31aから入射して側面31bで内面反射される光を車両搭載状態における正面側に反射する。プリズム部31cで反射された光が、棒状部31の側面31bから正面方向に出射される。本実施形態において、プリズム部31cで反射された光は、例えば側面31bから車両後方に出射される。
【0032】
板状部32は、端面(インナー側入射面)32aと、反射面32bと、出射面32cとを有する。端面32aは、導光体20から出射される光を板状部32の内部に入射させる。
【0033】
棒状部31の端面31a及び板状部32の端面32aは、出射側部分30P及び補助側部分30Qのそれぞれに対向する。出射側部分30Pに設けられる端面31a、32aは、導光体20の出射部23の側面23aに対向する。補助側部分30Qに設けられる端面31a、32aは、補助出射部24の下面24aに対向する。棒状部31及び板状部32は、端面31a、32aが導光体20の側面23a及び下面24aとの間に所定方向(下方)に隙間を空けた状態で対向するように配置される。端面31a、32aは、導光体20の側面23a及び下面24aから出射される光を内部に入射させる。
【0034】
棒状部31に入射した光は、内面反射により棒状部31の内部を導光される。棒状部31の背面側にはプリズム部31cが配置される。棒状部31に入射した光は、プリズム部31cで反射され側面31bから車両後方へ向かって出射される。
【0035】
また、棒状部31に入射した光の一部は、プリズム部32dで反射されて出射面32cから車両側方に向かって出射される。
【0036】
アウターレンズ40は、インナーレンズ30の正面側、すなわち後方に配置される。アウターレンズ40は、インナーレンズ30から出射された光を車両用灯具100の外部に出射する。アウターレンズ40は、板状である。アウターレンズ40は、車両内側から車両外側にかけて背面側に湾曲した形状を有する。アウターレンズ40は、例えば透明又は点灯色と同系色の樹脂材料を用いて形成される。
【0037】
次に、上記のように構成された車両用灯具100を点灯させた場合の一例を説明する。運転者によってテールランプを点灯させる所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、操作装置からの操作信号を取得する。光源10の基板等に設けられる制御回路は、取得された信号に応じて、光源10の発光制御を行う。
【0038】
この場合、図4及び図5に示すように、光源10の発光面11から光が出射される。この光は、導光体20の入射面21から導光部22に入射する。導光部22に入射した光の一部(以下、光L1と表記する)は、導光部22により導光されて出射部23に入射し、プリズム部23bで内面反射されて、側面23aから下方に出射される。
【0039】
また、導光部22に入射した光の他の一部(以下、光L2と表記する)は、導光部22から補助出射部24に入射する。補助出射部24に入射した光L2は、例えばベース部25により導光され、開口部26及びベース部25の外周面25aで内面反射により拡散されることで傾斜部27に到達し、傾斜部27により内面反射されて下面24aから下方に出射される。
【0040】
出射部23の側面23aから下方に出射された光L1は、端面31aからインナーレンズ30の出射側部分30Pに入射する。出射側部分30Pに入射した光L1は、プリズム部31c等で内面反射されて、インナーレンズ30の正面側に出射される。インナーレンズ30の正面側に出射された光L1は、左右方向でアウターレンズ40の車両内側部分及び中央部分を介して車両の後方に出射される。
【0041】
下面24aから下方に出射された光L2は、端面31aからインナーレンズ30の補助側部分30Qに入射する。補助側部分30Qに入射した光L2は、プリズム部31c等で内面反射されて、インナーレンズ30の正面側に出射される。インナーレンズ30の正面側に出射された光L2は、左右方向でアウターレンズ40の車両外側部分を介して車両の後方に出射される。
【0042】
このように、導光体20のうち出射部23に導光された光L1により、インナーレンズ30の出射側部分30Pを介してアウターレンズ40の正面側部分が発光する。また、導光体20のうち補助出射部24に導光された光L2により、インナーレンズ30の補助側部分30Qを介してアウターレンズ40の車両外側部分が発光する。このため、アウターレンズ40の車両外側部分についても十分な光量で発光させることができる。また、アウターレンズ40の正面側部分と車両外側部分とで輝度ムラを抑制することができる。
【0043】
図6及び図7は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を示す図である。図6は斜視図であり、図7は平面図である。
【0044】
図6及び図7に示す車両用灯具100Aは、補助導光部24Aにおいて、導光体20の入射面21と面一状態で設けられた入射面(補助側入射面)24bを有する。当該入射面24bは、光源10の発光面11と対向する。入射面24bには、発光面11から出射された光の一部(以下、光L3と表記する)が直接入射する。発光面11から出射された光L3が直接入射面24bに入射することにより、光の利用効率が高められる。なお、入射面24bは導光体20の入射面21または導光部22から光源10側に延びた形状であってもよい。
【0045】
また、補助導光部24Aは、開口部26に加えて開口部28を有する構成である。開口部28は、ベース部25のうち導光部22から離れた位置に設けられる。開口部28には、光を拡散させる光拡散部28aが形成される。光拡散部28aは、例えば湾曲面とすることができる。なお、光拡散部28aの形状は、湾曲面に限定されず、他の形状であってもよい。
【0046】
上記の入射面24bから入射してベース部25内を進行する光L3、及び入射面21から入射してベース部25内を進行する光(以下、光L4と表記する)は、開口部28に到達した場合に、光拡散部28aによって拡散するように内面反射される。光拡散部28aで内面反射された光L3、L4は、ベース部25の内部を進行し、開口部26及び外周面25a等で内面反射されて傾斜部27に到達する。傾斜部27に到達した光L3、L4は、傾斜部27により内面反射され、下面24aからインナーレンズ30側(下方)に出射される。
【0047】
図8は、本実施形態に係る車両用灯具の他の例を模式的に示す図である。図8に示す車両用灯具100Bは、補助導光部24Bにおいて、切り欠き部29を有する。切り欠き部29は、ベース部25の外周面25aの一部に設けられる。入射面21から入射してベース部25内を進行する光(以下、光L5と表記する)は、切り欠き部29に到達した場合に、当該切り欠き部29によって内面反射される。切り欠き部29で内面反射された光L5は、ベース部25の内部を進行し、外周面25a等で内面反射されて傾斜部27に到達する。傾斜部27に到達した光L5は、傾斜部27により内面反射され、下面24aからインナーレンズ30側(下方)に出射される。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、光源10と、光源10からの光を導光して出射する棒状の導光体20とを備え、光源10は、車両搭載状態における正面側に向けて光を出射する発光面11を有し、導光体20は、長手方向の一端に配置され、発光面11に対向し、発光面11から出射される光が入射する入射面21と、入射面21から延び、入射面21から入射した光を導光する導光部22と、導光部22から延び、光を内面反射するプリズム部23bを有し、導光部22からの光を導光してプリズム部23bで内面反射し、側面23aから出射する出射部23と、導光部22から突出するように設けられ、光源10からの光の一部を導光する補助出射部24と、を有する。
【0049】
この構成によれば、導光体20の導光部22に補助出射部24が設けられることにより、出射部23及び補助出射部24の両方から光を出射することができる。このため、導光体20の長さ方向の全体に亘って光を出射することができる。また、プリズム部23bが設けられない導光部22に補助出射部24が設けられため、光源10からの光がプリズム部23bに直接照射されることを回避できる。したがって、導光体20の長さ方向の輝度ムラを抑制できる。
【0050】
本実施形態に係る車両用灯具100において、導光体20から出射される光を導光して正面側に出射するインナーレンズ30を更に備え、導光体20は、インナーレンズ30とは反対側の側面23aにインナーレンズ30側に向けて光を反射するプリズム部23bを有し、インナーレンズ30は、出射部23及び補助出射部24の両面に対向するように配置されている。
【0051】
この構成によれば、導光体20が、インナーレンズ30とは反対側の側面23aにインナーレンズ30側に向けて光を反射するプリズム部23bを有し、インナーレンズ30が出射部23及び補助出射部24の両面に対向するように配置されているため、導光体20からインナーレンズ30に効率的に光を入射させることができる。
【0052】
本実施形態に係る車両用灯具100において、補助出射部24は、板状である。
【0053】
この構成によれば、導光部22から補助出射部24に入る光の量を抑制することができる。
【0054】
本実施形態に係る車両用灯具100において、インナーレンズ30は、導光体20に対向する部分に導光体20からの光が入射する端面31aを有し、補助出射部24は、端面31aに沿って配置される。
【0055】
この構成によれば、補助出射部24から出射される光を効率的に端面31aに入射することができる。
【0056】
本実施形態に係る車両用灯具100において、補助出射部24は、光源10からの光を端面31aに向けて内面反射する傾斜部27を有する。
【0057】
この構成によれば、光源10からの光を傾斜部27で内面反射して出射することで、補助出射部24から端面31aに光を効率的出射することができる。
【0058】
本実施形態に係る車両用灯具100において、補助出射部24は、厚さ方向に開口する開口部26、28を有する。
【0059】
この構成によれば、補助出射部24の内部を進行する光を開口部26、28で内面反射することができる。したがって、補助出射部24の内部の光の進行方向を調整することができる。
【0060】
本実施形態に係る車両用灯具100において、開口部26は、導光部22に接する位置に配置される。
【0061】
この構成によれば、開口部26が導光部22に接する位置に配置されるため、導光部22側から補助出射部24に入ろうとする光を導光部22側に内面反射することができる。このため、補助出射部24に入射する光の量を調整できる。
【0062】
本実施形態に係る車両用灯具100において、開口部28は、内周面に光を拡散する光拡散部28aを有する。
【0063】
この構成によれば、補助出射部24に入射する光を光拡散部28aにより拡散することで、補助出射部24からの出射光の光量を左右方向に均一にすることができる。
【0064】
本実施形態に係る車両用灯具100において、補助出射部24は、外周面25aの一部に切り欠き部29を有する。
【0065】
この構成によれば、補助出射部24の内部を進行する光を切り欠き部29で内面反射することができる。したがって、補助出射部24の内部の光の進行方向を調整することができる。
【0066】
本実施形態に係る車両用灯具100において、補助出射部24は、入射面21と面一状態で設けられ光源10からの光が入射する入射面24bを有する。
【0067】
この構成によれば、光源10からの光を入射面24bから直接補助出射部24に入射させることができる。このため、光の利用効率を高めることができる。
【0068】
本実施形態に係る車両用灯具100において、補助出射部24は、プリズム部31cよりも光源10側に配置される。
【0069】
この構成によれば、プリズム部31cが設けられない範囲の光を補助出射部24により確実に出射することができる。
【0070】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0071】
L1,L2,L3,L4,L5…光、1…車両、2…車体、3…走行装置、4…タイヤ、7…バックドア、10…光源、11…発光面、20…導光体、21,24b…入射面、22…導光部、23…出射部、23a,31b…側面、23b,31c,32d…プリズム部、24…補助出射部、24A,24B…補助導光部、24a…下面、25…ベース部、25a…外周面、26,28…開口部、27…傾斜部、28a…光拡散部、29…切り欠き部、30…インナーレンズ、30P…出射側部分、30Q…補助側部分、31…棒状部、31a,32a…端面、32…板状部、32b…反射面、32c…出射面、40…アウターレンズ、100,100A,100B…車両用灯具
図1
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図7
図8