(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007513
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】コミュニケーションシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20250109BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108949
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147142
【弁理士】
【氏名又は名称】石森 昭慶
(72)【発明者】
【氏名】井上 尭大
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ストーマ装具使用者が、時間および場所などの物理的制約なく、他者とコミュニケーションを取りつつ、ストーマ装具選定等の相談を行うことができるコミュニケーションシステムを提供する。
【解決手段】コミュニケーションシステム100は、ストーマ装具使用者111、ストーマ装具提供者131、医療従事者121及び他のストーマ装具使用者のうちの少なくとも一つの者がアクセス可能なネットワークN上の仮想空間と、仮想空間内で操作可能なアバターと、仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具と、を提供するサーバ装置151と、を備え、第1通信端末112、第2通信端末122及び第3通信端末132は、ストーマ装具使用者とその他の者とが仮想空間内にてコミュニケーションするための、テキスト情報、音声情報および動画情報のうち少なくとも一つのコミュニケーション情報を送受信する通信部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーマ装具を使用するストーマ装具使用者に利用され、ネットワークに接続された第1通信端末と、
ストーマ装具提供者または医療従事者のうちの少なくとも一つの者に利用され、前記ネットワークに接続された第2通信端末と、
他のストーマ装具使用者に利用され、前記ネットワークに接続された第3通信端末と、
前記ネットワークを介して前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末に接続され、前記ストーマ装具使用者、前記ストーマ装具提供者、前記医療従事者、および前記他のストーマ装具使用者のうちの少なくとも一つの者がアクセス可能な前記ネットワーク上の仮想空間と、前記仮想空間内で操作可能なアバターと、前記仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具と、を提供するサーバ装置と、を備え、
前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末は、前記ストーマ装具使用者とその他の者とが前記仮想空間内にてコミュニケーションするための、テキスト情報、音声情報および動画情報のうち少なくとも一つのコミュニケーション情報を送受信する通信部を有するコミュニケーションシステム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記第1通信端末を介して、選定するストーマ形状、ストーマの大きさ、ストーマの位置、腹壁の状態、および患部の状態の少なくとも一つの装具選定情報を読み込んで、ストーマ装具の分類結果を出力する分類部と、ストーマ装具毎に、ストーマ装具の装着用データおよび前記分類結果を蓄積するデータベースと、を有し、ストーマ装具使用者のストーマ装具選定を支援する請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項3】
前記ストーマ装具使用者に利用され、前記第1通信端末または前記ネットワークに接続されたストーマ装具選定装置をさらに備え、
前記ストーマ装具選定装置は、ストーマ装具の情報、および、前記ストーマ装具使用者の生体情報のうちの少なくとも一つの装具選定情報に基づいて、前記ストーマ装具を選定する選定部と、前記装具選定情報を送受信する通信部と、を有し、
前記サーバ装置は、前記仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具選定装置を提供し、前記ストーマ装具提供者または前記医療従事者が、前記仮想空間内で前記仮想ストーマ装具選定装置を操作することで、遠隔で前記ストーマ装具選定装置を操作できる、請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項4】
前記選定部が、前記ストーマ装具使用者の腹部が窪む深さ、および前記腹部が押し返す反発力に基づいて前記腹部の硬度を評価する腹壁硬度評価部を有し、前記腹壁硬度評価部の評価に基づいて前記ストーマ装具を選定する請求項3に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項5】
前記装具選定情報の入力データ及び前記ストーマ装具の種類情報の出力データの実績値を教師データとしてニューラルネットワークを学習させる機械学習部と、
前記機械学習部で学習させたニューラルネットワークに、前記装具選定情報を入力し、前記装具選定情報に対する、前記ストーマ装具使用者に適した前記ストーマ装具の推定情報を求める推定部と、
をさらに備える請求項2から4のいずれか一項に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項6】
前記ストーマ装具選定装置で選定されたストーマ装具の装着用データを前記ストーマ装具使用者のアバターに合成したストーマ装具画像を生成する装着画像生成部と、生成された前記ストーマ装具画像を表示する表示部と、をさらに備える請求項3に記載のコミュニケーションシステム。
【請求項7】
前記ストーマ装具を販売するストーマ装具販売者に利用され、ネットワークに接続された通信装置をさらに備え、
前記サーバ装置または前記通信装置が、前記仮想空間内で操作可能な仮想装具販売者を提供する請求項1に記載のコミュニケーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間において、ストーマ装具を使用する者の支援を可能にするコミュニケーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、在宅医療患者と、他の在宅医療患者、医療従事者、在宅医療機器提供者または親族等とがコミュニケーションを容易に行うため、在宅医療患者と他者とがコミュニケーション可能な仮想空間をネットワーク上に設ける技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、在宅医療を支援するシステムであって、在宅医療患者に利用され、ネットワークに接続された第1通信端末と、前記在宅医療患者に利用され、前記第1通信端末もしくは前記ネットワークに接続された在宅医療機器と、前記在宅医療機器の提供者に利用され、前記ネットワークに接続された第2通信端末と、他の在宅医療患者、前記在宅医療患者の親族、および医療従事者のうちの少なくともいずれかに利用され、前記ネットワークに接続された第3通信端末と、前記ネットワークを介して前記第1通信端末、前記在宅医療機器、前記第2通信端末、および前記第3通信端末に接続され、前記在宅医療患者、前記在宅医療機器の提供者、および他の在宅医療患者、前記在宅医療患者の親族、および医療従事者のうちの少なくともいずれかがアクセス可能な前記ネットワーク上の仮想空間と、前記仮想空間内で操作可能な人モデルと、前記仮想空間内で操作可能な医療機器モデルとを提供するサーバ装置を具備し、前記在宅医療機器は、前記医療機器の機器情報、および、使用する前記在宅医療患者の生体情報のうちの少なくともいずれかの情報を送信する手段を備え、前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末は、テキスト情報、音声情報および動画情報のうち少なくともいずれかの情報であって、前記在宅医療患者および前記他者が前記仮想空間内にてコミュニケーションするための前記情報を送受信可能にする手段を備え、前記医療機器モデルは、前記第3通信端末が医療従事者の場合、該医療従事者が前記仮想空間内で前記医療機器モデルを操作することで、遠隔で前記在宅医療機器を操作できることを特徴とする在宅医療支援システム、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、実際の診療等を受ける必要があるストーマ装具使用者が、ストーマ装具選定等の相談を行うことまでは考慮されていないため、さらなる技術の向上が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題に鑑みてなされ、ストーマ装具使用者が、時間および場所などの物理的制約なく、他者とコミュニケーションを取りつつ、ストーマ装具選定等の相談を行うことができるコミュニケーションシステムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るコミュニケーションシステムは、ストーマ装具を使用するストーマ装具使用者に利用され、ネットワークに接続された第1通信端末と、ストーマ装具提供者または医療従事者のうちの少なくとも一つの者に利用され、前記ネットワークに接続された第2通信端末と、他のストーマ装具使用者に利用され、前記ネットワークに接続された第3通信端末と、前記ネットワークを介して前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末に接続され、前記ストーマ装具使用者、前記ストーマ装具提供者、前記医療従事者、および前記他のストーマ装具使用者のうちの少なくとも一つの者がアクセス可能な前記ネットワーク上の仮想空間と、前記仮想空間内で操作可能なアバターと、前記仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具と、を提供するサーバ装置と、を備え、前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末は、前記ストーマ装具使用者とその他の者とが前記仮想空間内にてコミュニケーションするための、テキスト情報、音声情報および動画情報のうち少なくとも一つのコミュニケーション情報を送受信する通信部を有する。
【0008】
また、本発明に係るコミュニケーションシステムは、前記ストーマ装具使用者に利用され、前記第1通信端末または前記ネットワークに接続されたストーマ装具選定装置をさらに備え、前記ストーマ装具選定装置は、ストーマ装具の情報、および、前記ストーマ装具使用者の生体情報のうちの少なくとも一つの装具選定情報に基づいて、前記ストーマ装具を選定する選定部と、前記装具選定情報を送受信する通信部と、を有し、前記サーバ装置は、前記仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具選定装置を提供し、前記ストーマ装具提供者または前記医療従事者が、前記仮想空間内で前記仮想ストーマ装具選定装置を操作することで、遠隔で前記ストーマ装具選定装置を操作できる構成とすることができる。
【0009】
さらに、本発明に係るコミュニケーションシステムは、前記選定部が、前記ストーマ装具使用者の腹部が窪む深さ、および前記腹部が押し返す反発力に基づいて前記腹部の硬度を評価する腹壁硬度評価部を有し、前記腹壁硬度評価部の評価に基づいて前記ストーマ装具を選定する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコミュニケーションシステムによれば、ストーマ装具使用者が、時間および場所などの物理的な制約なく、他者とコミュニケーションを取りつつ、ストーマ装具選定の相談等を行うことができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るコミュニケーションシステムを示す概略構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る装具販売店の通信端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るストーマ装具選定装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る仮想空間へアクセスするための流れを示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る仮想空間の一例を示すイメージ図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るストーマ装具選定装置内の選定部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはなく、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形、および変更が可能である。
【0013】
<第1実施形態>
図1から
図6を参照して、本発明の第1実施形態に係るコミュニケーションシステムについて説明する。
【0014】
<1.コミュニケーションシステムの構成>
まず、
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るコミュニケーションシステム100について説明する。
図1は、本実施形態に係るコミュニケーションシステム100を示す概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、コミュニケーションシステム100内は、一例として、装具使用者住居110と、医療機関120と、装具提供者施設130と、他の装具使用者住居140と、サーバセンタ150と、装具販売店160と、ストーマ装具選定装置170と、を備える。
【0016】
装具使用者住居110には、ストーマ装具使用者111が利用する第1通信端末112が設置される。医療機関120には、医療従事者121が利用する第2通信端末122が設置され、装具提供者施設130には、ストーマ装具提供者131が利用する第2通信端末132が設置される。他の装具使用者住居140には、他のストーマ装具使用者141が利用する第3通信端末142が設置される。サーバセンタ150には、サーバ装置151が設置される。装具販売店160には、ストーマ装具販売者161が利用する通信装置162が設置される。
【0017】
第1通信端末112、第2通信端末122、第2通信端末132、第3通信端末142、サーバ装置151、通信装置162、およびストーマ装具選定装置170は、ネットワークNを介して各種情報を互いに送受信可能に通信接続される。ネットワークNは、一例として、インターネットや無線LAN(Local Area Network)等を用いることができる。なお、ストーマ装具選定装置170は、第1通信端末112に直接通信接続されていてもよい。
【0018】
ストーマ装具使用者111は、外科的手術を行って腸管や尿管を体表まで導き体表面にストーマが造設される人や造設された人、または、その他の疾患で体表面に開孔や傷を有する人で、ストーマまたは開孔や傷の周囲に装着するストーマ装具を必要とする者である。すなわち、ストーマ装具使用者111は、ストーマ装具を初めて使用する者、または現在ストーマ装具を使用している者である。ストーマ装具によって、ストーマからの排泄物を一時的に収容したり、ドレナージなどにより排出された排泄物を処理したりすることができる。なお、第1通信端末112の利用者には、ストーマ装具使用者111の代わりに第1通信端末112を操作する介助者等も含まれる。
【0019】
医療従事者121は、主に医師や看護師などの病院関係者であり、ストーマ装具提供者131は、ストーマ装具選定装置170を提供する者である。医療従事者121またはストーマ装具提供者131は、第2通信端末122または第2通信端末132により第1通信端末112からのストーマ装具使用者111の情報を管理して、ストーマ装具使用者111からの相談を受けたりアドバイスを行ったりする。
【0020】
ストーマ装具使用者111が相談する内容としては、例えば、ストーマ装具やアクセサリの選定、ストーマ装具の使用方法、ストーマおよびストーマ周辺の診療、日常生活の悩み事、皮膚トラブル、装具使用者同士での情報交換などが挙げられる。
【0021】
ここで、ストーマ装具の種類は、一例として、種類別(単品系装具、二品系装具)、症例別(コロストミー、イレオストミー、ウロストミー)、面板プレートの種類別(プレート無、平面、凸形状)、皮膚保護剤種類別(JSSCR分類皮膚保護剤参照)などに分類することができる。
【0022】
また、ストーマ装具のアクセサリの種類とその用途には、以下のものが挙げられる。一例として、粘着剥離剤(装具を剥がす際に使用するもの)、洗浄清拭剤(装具交換の際に皮膚を洗浄するために使用するもの)、皮膚被膜剤(皮膚に薄い膜を作り、排泄物や剥離刺激から皮膚を保護するためのもの)、消臭潤滑剤(装具を消臭し装具の中を滑りやすくして、便の排出が容易になるもの)、凝固剤(水様便をゼリー状に固めることで便を排出しやすくするもの)、用手成形皮膚保護剤(皮膚のシワやくぼみを補正し面板との隙間を埋めることで、粘着面への排泄物の潜り込みを予防するもの)、パウダー状皮膚保護剤(露出した皮膚に排泄物が接触するのを防ぐためのもの)、面板固定用テープ(面板周囲に貼付して、体動時の剥がれを抑制するもの)、固定用ベルト(運動時など体を動かすときに装具の剥がれを防ぐもの)、レッグバッグおよびナイトバッグ(外出時や就寝時に尿の排出が適内場合に使用するもの)、などがある。
【0023】
他のストーマ装具使用者141は、ストーマ装具を選定しようとしている者や、現在または過去にストーマ装具を使用していて、今はストーマ装具を選び直す予定はない者である。ストーマ装具使用者111は、第1通信端末112を利用し、第3通信端末142を介して他のストーマ装具使用者141に装具選定の相談等を行うことができる。
【0024】
サーバ装置151は、 各通信端末を介して、ストーマ装具使用者111、医療従事者121、ストーマ装具提供者131、他のストーマ装具使用者141、およびストーマ装具販売者161のうちの少なくとも一つの者がアクセス可能で、相互にコミュニケーション可能なネットワークN上の仮想空間を提供する。
【0025】
また、サーバ装置151は、仮想空間内で操作可能な、アバター(仮想ストーマ装具使用者、仮想医療従事者、仮想ストーマ装具提供者、仮想他のストーマ装具使用者、仮想装具販売者など)、および仮想ストーマ装具選定装置を提供する。これにより、ストーマ装具使用者111、医療従事者121、またはストーマ装具提供者131が、仮想空間内で仮想ストーマ装具選定装置を操作することで、遠隔でストーマ装具選定装置170を操作できる。
【0026】
ストーマ装具販売者161は、通信装置162を利用して、ストーマ装具使用者111からの装具選定の相談やアドバイスを行い、ストーマ装具を購入しようとするストーマ装具使用者111にそのストーマ装具を販売する者である。
【0027】
また、通信装置162が、仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具選定装置や仮想装具販売者を提供することもできる。これにより、ストーマ装具販売者161が、仮想装具販売者を操作してストーマ装具使用者111を接客し、仮想空間内でストーマ装具の仮想装着や販売を行うことができる。
【0028】
<2.サーバ装置の構成>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るコミュニケーションシステム100内のサーバ装置151の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るサーバ装置151の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0029】
図2に示すように、サーバ装置151は、制御部201と、通信部202と、仮想空間情報等を記憶するデータベース203と、を備える。制御部201は、サーバ装置151全体を制御し、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などで構成することができる。
【0030】
さらに、制御部201は、アクセス制限部204と、アバター情報取得部205と、画像情報取得部206と、会話情報取得部207と、装具使用者情報取得部208と、装具選定装置情報取得部209と、仮想空間情報生成部210と、記憶制御部211と、装具選定装置モデル操作情報取得部212と、を備える。
【0031】
アクセス制限部204は、例えば、第1通信端末112や第2通信端末122等の外部通信端末から送信されたIDとパスワード等のログイン情報を、ネットワークNを介して取得し、そのログイン情報が登録された情報であって外部通信端末の利用者が仮想空間へアクセス可能な者か否かを判定する。アクセス制限部204がアクセス可能であると判定した場合、その判定結果をデータベース203に送信し、その外部通信端末はデータベース203にアクセスして、データベース203に記憶された仮想空間情報を取得することができる。アクセス制限部204がアクセス不可であると判定した場合、その外部通信端末は、データベース203にアクセスすることができない。
【0032】
アバター情報取得部205は、外部通信端末からその利用者のアバターに関する情報を、ネットワークNを介して取得する。
【0033】
画像情報取得部206は、外部通信端末からの画像情報を、ネットワークNを介して取得する。会話情報取得部207は、外部通信端末からの会話情報を、ネットワークNを介して取得する。
【0034】
装具使用者情報取得部208は、外部通信端末からのストーマ装具使用者情報を、ネットワークNを介して取得する。
【0035】
装具選定装置情報取得部209は、外部通信端末からのストーマ装具選定装置情報を、ネットワークNを介して取得する。
【0036】
仮想空間情報生成部210は、アバター情報取得部205、画像情報取得部206、会話情報取得部207、装具使用者情報取得部208、および装具選定装置情報取得部209からの各種情報を受信して、これらの情報に基づいて仮想空間情報を生成する。
【0037】
記憶制御部211は、仮想空間情報生成部210からの仮想空間情報をデータベース203に記憶させる。
【0038】
装具選定装置モデル操作情報取得部212は、外部通信端末から送信された装具選定装置モデル操作情報を、ネットワークNを介して取得する。
【0039】
さらに、サーバ装置151は、第1通信端末112を介して、選定するストーマ形状、ストーマの大きさ、ストーマの位置、腹壁の状態、および患部の状態の少なくとも一つの装具選定情報を読み込んで、ストーマ装具の分類結果を出力する分類部を有することができる。
【0040】
サーバ装置151は、ニューラルネットワーク、機械学習部、および推定部を有する人工知能(AI)を用いることができる。
【0041】
ニューラルネットワークは、入力層と出力層とを備え、入力層の入力データを、ストーマ形状、ストーマの大きさ、ストーマの位置、腹壁の状態、患部の状態、および装具選定情報等の少なくとも一つとし、出力層の出力データをストーマ装具の種類情報とする。
【0042】
機械学習部は、入力データおよび出力データの実績値を教師データとしてニューラルネットワークを学習させる。推定部は、機械学習部にて学習させたニューラルネットワークに、上記入力データを入力し、その入力データに対する推定情報からなるストーマ装具使用者111に適したストーマ装具の情報を求める。
【0043】
サーバ装置151が分類部を有する場合、データベース203は、ストーマ装具毎に、ストーマ装具の装着用データおよび分類結果を蓄積する。データベース203は、ストーマ装具毎に、識別情報(ID)、商品名、分類結果、価格などを紐付けて蓄積することができる。
【0044】
ストーマ装具の装着用データは、分類部でストーマ装具使用者111のストーマ画像等と合成することにより試着画像を生成するためのデータである。装着用データは、分類部で用いたストーマ装具画像の立体的な組合せや、3Dスキャン等によって生成した立体モデルなどを用いることができる。
【0045】
サーバ装置151は、一例として、ストーマ装具選定装置170で選定されたストーマ装具の装着用データをストーマ装具使用者111のアバターに合成したストーマ装具画像を生成する装着画像生成部と、生成されたストーマ装具画像を表示する表示部と、をさらに備えることができる。このようにストーマ装具を仮想空間で仮想装着することによって、ストーマ装具使用者111がストーマ装具を選定したり購入したりする際の支援を行うことができる。
【0046】
なお、サーバ装置151は、制御部201の各種機能の制御プログラムをインストールすることにより、それらの各種機能による処理を実行させることが可能となる。
【0047】
<3.装具販売店の通信装置の構成>
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る装具販売店160の通信装置162の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る装具販売店160内の通信装置162の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0048】
図3に示すように、通信装置162は、制御部301と、通信部302と、記憶部303と、表示制御部304と、インタフェース部305と、決済処理部306と、表示部307と、選択部308と、誘導部309と、自動会話処理部310と、を備える。
【0049】
制御部301は、通信装置162全体を制御し、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などで構成することができる。
【0050】
通信部302は、所要の通信モジュール等で構成され、ネットワークNを介して、第1通信端末112、第2通信端末122、第2通信端末132、第3通信端末142、およびサーバ装置151との間の操作や仮想空間に関する情報等の各種情報の送受信を行う。
【0051】
記憶部303は、制御部301の処理結果等を記憶したり、通信部302を介して外部通信端末およびサーバ装置151から受信した情報を記憶したりする。記憶部303は、半導体メモリまたはハードディスク等で構成することができる。
【0052】
表示制御部304は、仮想空間上で表現される仮想販売店、ストーマ装具、ストーマ装具のアクセサリ、アバター、仮想装具販売者等のコンテンツの表示を制御する。ストーマ装具販売者161が、通信装置162を操作するか、またはストーマ装具販売者161自身の動作によって、仮想空間上で仮想装具販売者を動かすことができる。
【0053】
インタフェース部305は、外部の様々なデータベースとの間のインタフェース機能を提供する。
【0054】
決済処理部306は、仮想空間において、ストーマ装具使用者がアバターによって仮想販売店でストーマ装具等の商品を購入する際の決済処理を行う。
【0055】
表示部307は、仮想販売店で陳列または展示されるストーマ装具等の商品を表示する機能を有する。
【0056】
選択部308は、ストーマ装具販売者161の仮想装具販売者が複数存在する場合、それらの中から仮想空間上に表現されるストーマ装具使用者111のアバターを接客する仮想装具販売者を選択するマッチング処理を行う。
【0057】
誘導部309は、マッチングしたストーマ装具販売者161の仮想装具販売者が待機する接客スペースに、ストーマ装具使用者111のアバターを誘導する機能を有する。もしも、誘導するアバターが複数存在する場合、誘導部309は、一人の仮想装具販売者に対して複数のストーマ装具使用者111がマッチングされた場合、誘導部309は、誘導したアバター以外のアバターを誘導待ち状態にすることができる。
【0058】
自動会話処理部310は、一例として、チャットボット等の、人工知能(AI)を活用した自動会話プログラムで構成することができ、ストーマ装具使用者111やストーマ装具販売者161の行動、発言、評価データなどを学習して、トークスクリプトを生成することができる。自動会話処理部310は、仮想空間上の表示装置の画面に人工知能販売者を表示してもよく、仮想空間上でロボット販売者を表現してもよい。
【0059】
なお、通信装置162の機能をサーバ装置151の制御部201に備えることもでき、その場合は、通信装置162をストーマ装具販売者161が利用する第4通信端末162とすることができる。
【0060】
サーバ装置151の通信部202は、第1通信端末112、第2通信端末122、第2通信端末132、第3通信端末142、および通信装置162は、ストーマ装具使用者111とその他の者とが仮想空間内にてコミュニケーションするための、テキスト情報、音声情報および動画情報のうち少なくとも一つのコミュニケーション情報を送受信する。
【0061】
<4.ストーマ装具選定装置の構成>
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るストーマ装具選定装置170の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係るストーマ装具選定装置170の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0062】
図4に示すように、ストーマ装具選定装置170は、第1の取得部401と、第2の取得部402と、選定部403と、記憶部404と、表示部405と、制御部406と、通信部407と、機械学習部408と、を備える。
【0063】
第1の取得部401は、ストーマおよび該ストーマの周囲(特に約4cm以内の範囲。以下同じ)の皮膚状態に関する測定情報を取得する。これにより、ストーマおよび該ストーマの周囲の皮膚状態を定量的に評価できる。
【0064】
測定情報は、ストーマの形状に関する情報、ストーマの径に関する情報、皮膚表面からのストーマの高さに関する情報、ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報、皮膚の平坦または凹凸状態に関する情報、皮膚の色に関する情報、および皮膚のTEWL(Transepidermal Water Loss、経皮水分蒸散量)に関する情報からなる群より選ばれる1つ以上の情報を含む。
【0065】
その他、第1の取得部401は、ストーマの種類(例えばコロストミー、イレオストミー、ウロストミーなど)に関する情報や、ストーマからの排泄物の性状(例えば水様便、有形便など)に関する情報を取得してもよい。
【0066】
記憶部404は、第1の取得部401が取得した測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を記憶する。関連付け情報は、例えばデータベースやデータテーブルなどが用いられることにより実現できる。この関連付け情報について表1を参照しつつ説明する。表1は、本発明の第1実施形態に係る関連付け情報の一例である。
【表1】
【0067】
表1に示されるとおり、例えば、「ストーマの形状」「ストーマの径」「ストーマの高さ」などの項目に応じた測定情報と、「A」「B」「C」などの装具タイプと、が関連付けられている。
【0068】
この関連付け情報は、例えばCSV(Comma Separated Value)形式で記憶されてもよいし、XML(Extensible Markup Language)形式で記憶されてもよい。
【0069】
さらに記憶部404は、装具タイプと、装具タイプに該当するストーマ装具と、が関連付けられている関連付け情報を記憶することができる。この関連付け情報について表2を参照しつつ説明する。表2は、本発明の第1実施形態に係る関連付け情報の一例である。
【表2】
【0070】
表2に示されるとおり、例えば、「A」「B」「C」などの装具タイプと、「○○シリーズ ×××××」などのストーマ装具と、が関連付けられている。
【0071】
第2の取得部402は、記憶部404を参照して、測定情報と、装具タイプと、が関連付けられている関連付け情報を取得する。
【0072】
選定部403は、ストーマ装具の情報、および、ストーマ装具使用者111の生体情報のうちの少なくとも一つの装具選定情報に基づいて、ストーマ装具を選定する。一例として、選定部403は、測定情報と、関連付け情報と、の照合により、装具タイプを選定する。この選定の処理について以下に説明する。
【0073】
選定部403は、第1の取得部401が取得した測定情報が、以下のステップS11~S14のすべての判定条件においてYesとなった場合に、「平面型装具」タイプを選定する(ステップS17)。なお、本実施形態の判定条件は一例であり、機械学習により判定条件と選定装具は変化させることができる。
【0074】
ステップS11:ストーマが10mm以上突出している。
ステップS12:ストーマの周囲の皮膚平坦度が平坦または山型である。
ステップS13:ストーマの周囲の皮膚の皺が浅いまたは無い。
ステップS14:ストーマの周囲の皮膚の硬度が硬い。
【0075】
選定部403は、測定情報に含まれる「皮膚表面からのストーマの高さに関する情報」に基づいて、ステップS11の判定条件にしたがって判定する。選定部403は、測定情報に含まれる「皮膚の平坦または凹凸状態に関する情報」に基づいて、ステップS12およびS13の判定条件にしたがって判定する。選定部403は、測定情報に含まれる「ストーマの周囲の皮膚の硬度に関する情報」に基づいて、ステップS14の判定条件にしたがって判定する。
【0076】
選定部403は、ステップS11において、ストーマが10mm以上突出していないとき(ステップS11:No)、以下のステップS16~S18を判定する。選定部403は、以下のステップS11~S14のすべての判定条件においてYesとなった場合に、「凸型はめ込み具内蔵型装具(凸部が浅い)」タイプを選定する(ステップS19)。
【0077】
ステップS16:ストーマの周囲の皮膚平坦度が平坦または山型である。
ステップS17:ストーマの周囲の皮膚の皺が浅いまたは無い。
ステップS18:ストーマの周囲の皮膚の硬度が硬い。
【0078】
選定部403は、ステップS16~S18のいずれかの判定条件においてNoとなった場合に、「凸型はめ込み具内蔵型装具(凸部が深い)」タイプを選定する(ステップS20)。
【0079】
表示部405は、選定部403により選定された装具タイプに該当するストーマ装具(例えば製品名など)を表示する。表2に示されるように、装具タイプと、装具タイプに該当するストーマ装具と、が関連付けられていることにより、表示部405がストーマ装具を表示できる。表示部405は、一つのストーマ装具を表示してもよいし、選定された装具タイプに該当する複数のストーマ装具を表示してもよい。
【0080】
制御部406は、ストーマ装具選定装置170が備えるそれぞれの構成要素の動作を制御する。
【0081】
通信部407は、所要の通信モジュール等で構成され、ネットワークNを介して第1通信端末112、第2通信端末122、第2通信端末132、第3通信端末142、通信装置162、およびサーバ装置151との間の操作や仮想空間に関する情報、および装具選定情報等の各種情報の送受信を行う。
【0082】
機械学習部408は、測定情報と、装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられている教師データを用いて、記憶部404に記憶されている学習モデルに機械学習させる。
【0083】
選定部403は、測定情報と、機械学習部408により機械学習した学習モデルと、を用いて、装具タイプ、および、ストーマ装具を選定する。これにより、選定部403の精度が向上する。
【0084】
「機械学習」とは、あるデータの中から一定の規則を発見し、その規則に基づいて未知のデータに対する推測および予測等を実現する学習手法の一つである。機械学習については公知の技術を用いることができ、その機能を備えたコンピュータおよび学習モデルなどを用いることにより実現できる。
【0085】
学習モデルは特に限定されないが、例えば、ID3やランダムフォレストなどの決定木学習、相関ルール学習などが用いられてよい。あるいは、人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Network)、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional NeuralNetwork)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)など、各種のニューラルネットワークが用いられてよい。あるいは、遺伝的プログラミング(GP:Genetic Programming)、帰納論理プログラミング(ILP:Inductive Logic Programming)、ファジィアルゴリズム、進化的アルゴリズム(EA:Evolutionary Algorithm)、強化学習(Reinforcement Learning)、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、クラスタリング(Clustering)、ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)などが用いられてよい。さらには、これらの手法を組み合わせたものや、これらを深層学習(Deep Learning)の技術を用いて発展させたものであってもよい。
【0086】
本実施形態においては、測定情報と、装具タイプに該当するストーマ装具の情報と、が関連付けられているデータセットを教師データとして学習モデルに教師あり学習をさせることができる。
【0087】
あるいは、例えば強化学習が用いられてもよい。強化学習とは、ソフトウェアが現在の状態を観測して取るべき行動(本実施形態における装具タイプおよびストーマ装具の選定)を決定する問題を扱う機械学習の一種である。エージェント(本実施形態における学習モデル)は、行動を試行錯誤して強化学習することにより、価値が最も高くなるときの行動を決定できる。
【0088】
強化学習を実現するための手法として、例えばモンテカルロ法、動的計画法、SARSA(state-action-reward-state-action)、あるいはQ学習(Q-learning)などが用いられることができる。
【0089】
本実施形態においては、選定部403が装具タイプを選定した後に、例えば
図5に示されるように、その装具タイプが適切か否かの情報を受付部7が受け付けることにより、学習モデルが強化学習できる。
【0090】
<5.仮想空間へのアクセス手順>
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るコミュニケーションシステム100を用いて仮想空間へアクセスするための手順について説明する。
図5は、本実施形態に係る仮想空間へアクセスするための流れを示すフローチャートである。
【0091】
図5に示すように、ステップS101において、ストーマ装具使用者111は第1通信端末112から、医療従事者121は第2通信端末122から、ストーマ装具提供者131は第2通信端末132から、他のストーマ装具使用者141は第3通信端末142から、ストーマ装具販売者161は通信装置162から、それぞれ各自の登録したログイン情報(IDとパスワード)を入力してコミュニケーションシステム100へログインする。
【0092】
ステップS102において、第1通信端末112、第2通信端末122、第2通信端末132、第3通信端末142、または、通信装置162が、各自の登録したログイン情報により、サーバ装置151へアクセスする。
【0093】
ステップS103において、サーバ装置151は、登録したログイン情報であると認識すると、コミュニケーションシステム100の仮想空間へログインする。
【0094】
ステップS104において、各利用者は、仮想空間へのログイン後、各自の使用するアバターを選択して、そのアバターを操作する。
【0095】
ステップS105において、各利用者は、アバターを操作して仮想空間内のコミュニティへ移動する。
【0096】
ステップS106において、各利用者は、アバターで仮想空間内のコミュニティへ移動した後、所望の相手とコミュニケーションを取り、ストーマ装具に関する情報を入手したり、ストーマ装具の選定に関する相談をしたりする。
【0097】
ステップS107において、各利用者は、情報の入手や相談の終了後に、仮想空間からログアウトする。各利用者は、必要に応じてステップS101に戻り、再度仮想空間にログインすることができる。
【0098】
<6.仮想空間の一例>
次に、
図1および
図6を参照して、本実施形態に係るコミュニケーションシステム100を用いた仮想空間の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係る仮想空間の一例を示すイメージ図である。
【0099】
図1および
図6に示すように、本実施形態に係る仮想空間の一例として、3次元の仮想空間内に、医療機関、ストーマケア相談所、ストーマ装具使用者同士のコミュニティ、ストーマ装具の販売店などが存在している。
【0100】
ストーマ装具使用者111は、第1通信端末112を利用して、この仮想空間内でアバターを操作し、医療機関120、装具提供者施設130、またはストーマ他の装具使用者住居140などに移動し、ストーマ装具やアクセサリを選定するための情報を入手したり日常生活の悩み事を相談したりすることができる。
【0101】
また、ストーマ装具使用者111は、特に他者に相談しなくても、この仮想空間内でアバターによって、ストーマ装具選定装置170のストーマ装具選定装置モデルを操作することでストーマ装具を選定することもできる。
【0102】
ストーマ装具使用者111は、ストーマ装具を選定し、その選定したストーマ装具を購入したい場合、装具販売店160の仮想装具販売店で購入することができる。
【0103】
一例として、ストーマ装具使用者111のアバターが仮想装具販売店に入ると、そのアバターと仮想装具販売者とのマッチング処理が行われ、ストーマ装具使用者111が相談したい内容に最も詳しい仮想装具販売者が選択される。選択された仮想装具販売者は、そのアバターの接客を行うことができる。
【0104】
ストーマ装具使用者111のアバターは、仮想装具販売店などの商業空間に入り、人工知能店員を含む仮想装具販売者による接客を受け、陳列または展示されているストーマ装具等の商品を、アバターを通じて実際に手に取り、商品の細部の確認や装着をして、購入することができる。
【0105】
以下に、商品購入の処理手順の一例を示す。一例として、サーバ装置151の制御部201が、ストーマ装具使用者111の操作に応じて仮想空間上でストーマ装具使用者111のアバターを表示する。また、通信装置162の制御部301が、ストーマ装具販売者161の操作に応じて仮想空間上でストーマ装具販売者161の仮想装具販売者を表示する。
【0106】
通信装置162の制御部301は、アバターが商品をカートに入れたか否かを判定する。アバターが商品をカートに入れた場合、制御部301は、カートに商品を保存する。カート内には、商品名、商品コード、数量、単価、購入合計金額などが記録される。
【0107】
制御部301は、カート内に商品があるか否かを判定し、カート内に商品がある場合、決済方法の選択を受け付ける。
【0108】
決済方法の選択は、仮想店舗内で決済するか、または、外部のECサイトで決済するかを選択する。制御部301は、仮想装具販売店店内で決済を行う場合には、決済処理を行い、処理を終了する。
【0109】
外部のECサイトを選択する場合には、さらに、ECサイトの運営業者を選択することができる。ストーマ装具使用者111は、所望のECサイトを選択した場合、そのECサイトに関連付けられたIDおよびパスワードの入力を要求される。なお、外部のECサイトで決済を行う場合、制御部301は、カート内の情報をECサイトに送信すればよい。ECサイトで決済が行われた場合、制御部301は、決済完了の通知を受信してもよい。
【0110】
本来、ストーマ装具の選定を行うためには、医療従事者(皮膚・排泄ケア認定看護師など)による診療、ストーマ装具使用者同士やストーマ装具提供者(販売店、代理店など)とのコミュニケーションが重要な要素となる。そのため、これらの者が周囲にいない場合はストーマ装具の選定が困難であるが、ストーマ装具使用者は、外出を好まなかったり、そもそも身体的等の理由から外出が難しかったりすることがある。
【0111】
このような問題に対し、本実施形態に係るコミュニケーションシステム100によれば、ストーマ装具提供者や医療従事者等の相談相手が周囲にいない環境でも、時間および場所などの物理的制約なく、他者とコミュニケーションを取ることができる。さらに、コミュニケーションシステム100によれば、物理的制約なく、ストーマ装具選定の相談等を行いつつ、ストーマ装具を容易に選択して購入できる場を提供することができる。また、教師データに基づき、人工知能によって実績のある装具を購入することもできる。
【0112】
<第2実施形態>
次に、
図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係るストーマ装具選定装置の選定部の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るコミュニケーションシステムの構成は、ストーマ装具選定装置の選定部の機能構成以外は、第1実施形態に係るコミュニケーションシステムと同様の構成である。
【0113】
図7に示すように、本実施形態に係る選定部403は、反発力測定部501、深さ測定部502、および評価部503の機能を備える腹壁硬度評価部を有する。腹壁硬度評価部は、ストーマ装具使用者111の腹部が窪む深さ、および腹部が押し返す反発力に基づいて、ストーマ装具使用者111の腹部の硬度を評価する。
【0114】
反発力測定部501は、腹部への押し当てに対し、腹部が押し返す反発力を測定する。深さ測定部502は、押し当てにより腹部が窪む深さを測定する。評価部503は、深さおよび反発力に基づいて、腹部の硬度を評価する。評価部503は、例えば、ストーマ装具選定装置170の制御部406のCPUがプログラムを読み込むことにより実現できる。
【0115】
本実施形態に係るコミュニケーションシステムは、選定部403が腹壁硬度評価部を有するため、腹壁硬度評価部の評価に基づいて前記ストーマ装具を選定することができる。したがって、第1実施形態に係るコミュニケーションシステム100と同様の効果に加えて、ストーマの外周囲の硬度を定量的に測定することにより、個人にとって最適なストーマ装具を選定することができる。
【0116】
本発明は、以下の構成を備えることができる。
(1)
ストーマ装具を使用するストーマ装具使用者に利用され、ネットワークに接続された第1通信端末と、
ストーマ装具提供者または医療従事者のうちの少なくとも一つの者に利用され、前記ネットワークに接続された第2通信端末と、
他のストーマ装具使用者に利用され、前記ネットワークに接続された第3通信端末と、
前記ネットワークを介して前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末に接続され、前記ストーマ装具使用者、前記ストーマ装具提供者、前記医療従事者、および前記他のストーマ装具使用者のうちの少なくとも一つの者がアクセス可能な前記ネットワーク上の仮想空間と、前記仮想空間内で操作可能なアバターと、前記仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具と、を提供するサーバ装置と、を備え、
前記第1通信端末、前記第2通信端末、および前記第3通信端末は、前記ストーマ装具使用者とその他の者とが前記仮想空間内にてコミュニケーションするための、テキスト情報、音声情報および動画情報のうち少なくとも一つのコミュニケーション情報を送受信する通信部を有するコミュニケーションシステム。
(2)
前記サーバ装置は、前記第1通信端末を介して、選定するストーマ形状、ストーマの大きさ、ストーマの位置、腹壁の状態、および患部の状態の少なくとも一つの装具選定情報を読み込んで、ストーマ装具の分類結果を出力する分類部と、ストーマ装具毎に、ストーマ装具の装着用データおよび前記分類結果を蓄積するデータベースと、を有し、ストーマ装具使用者のストーマ装具選定を支援する(1)に記載のコミュニケーションシステム。
(3)
前記ストーマ装具使用者に利用され、前記第1通信端末または前記ネットワークに接続されたストーマ装具選定装置をさらに備え、
前記ストーマ装具選定装置は、ストーマ装具の情報、および、前記ストーマ装具使用者の生体情報のうちの少なくとも一つの装具選定情報に基づいて、前記ストーマ装具を選定する選定部と、前記装具選定情報を送受信する通信部と、を有し、
前記サーバ装置は、前記仮想空間内で操作可能な仮想ストーマ装具選定装置を提供し、前記ストーマ装具提供者または前記医療従事者が、前記仮想空間内で前記仮想ストーマ装具選定装置を操作することで、遠隔で前記ストーマ装具選定装置を操作できる、(1)または(2)に記載のコミュニケーションシステム。
(4)
前記選定部が、前記ストーマ装具使用者の腹部が窪む深さ、および前記腹部が押し返す反発力に基づいて前記腹部の硬度を評価する腹壁硬度評価部を有し、前記腹壁硬度評価部の評価に基づいて前記ストーマ装具を選定する(3)に記載のコミュニケーションシステム。
(5)
前記装具選定情報の入力データ及び前記ストーマ装具の種類情報の出力データの実績値を教師データとしてニューラルネットワークを学習させる機械学習部と、
前記機械学習部で学習させたニューラルネットワークに、前記装具選定情報を入力し、前記装具選定情報に対する、前記ストーマ装具使用者に適した前記ストーマ装具の推定情報を求める推定部と、
をさらに備える(2)から(4)のいずれか一つに記載のコミュニケーションシステム。
(6)
前記ストーマ装具選定装置で選定されたストーマ装具の装着用データを前記ストーマ装具使用者のアバターに合成したストーマ装具画像を生成する装着画像生成部と、生成された前記ストーマ装具画像を表示する表示部と、をさらに備える(3)から(5)のいずれか一つに記載のコミュニケーションシステム。
(7)
前記ストーマ装具を販売するストーマ装具販売者に利用され、ネットワークに接続された通信装置をさらに備え、
前記サーバ装置または前記通信装置が、前記仮想空間内で操作可能な仮想装具販売者を提供する(1)から(6)のいずれか一つに記載のコミュニケーションシステム。
【符号の説明】
【0117】
100 コミュニケーションシステム
110 装具使用者住居
111 ストーマ装具使用者
112 第1通信端末
120 医療機関
121 医療従事者
122 第2通信端末
130 装具提供者施設
131 ストーマ装具提供者
132 第2通信端末
140 他の装具使用者住居
141 他のストーマ装具使用者
142 第3通信端末
150 サーバセンタ
151 サーバ装置
160 装具販売店
161 ストーマ装具販売者
162 通信装置(第4通信端末)
170 ストーマ装具選定装置
201 制御部
202 通信部
203 データベース
204 アクセス制限部
205 アバター情報取得部
206 画像情報取得部
207 会話情報取得部
208 装具使用者情報取得部
209 装具選定装置情報取得部
210 仮想空間情報生成部
211 記憶制御部
212 装具選定装置モデル操作情報取得部
301 制御部
302 通信部
303 記憶部
304 表示制御部
305 インタフェース部
306 決済処理部
307 表示部
308 選択部
309 誘導部
310 自動会話処理部
401 第1の取得部
402 第2の取得部
403 選定部
404 記憶部
405 表示部
406 制御部
407 通信部
408 機械学習部
501 反発力測定部
502 深さ測定部
503 評価部
N ネットワーク