(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007514
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 41/12 20060101AFI20250109BHJP
A01D 45/22 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A01D41/12 Z
A01D45/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108956
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】599099537
【氏名又は名称】株式会社メリット情報内藤
(74)【代理人】
【識別番号】110001405
【氏名又は名称】弁理士法人篠原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100065824
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100104983
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 雅之
(74)【代理人】
【識別番号】100166394
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和弘
(72)【発明者】
【氏名】橘井 徳宏
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 孝志
【テーマコード(参考)】
2B074
2B075
【Fターム(参考)】
2B074AA05
2B074AB01
2B074AF02
2B074AG02
2B074BA09
2B074GJ07
2B075FA02
2B075FA09
(57)【要約】
【課題】様々な畝幅での播種如何にかかわらず、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、収穫量のロスを極めて低減しながら、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能にする大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の提供。
【解決手段】主配管26a’の刈刃に平行に配置された部分に形成された、所定の間隔をあけて夫々接続する多数の分岐管26b’の接続部を囲む大きさの長穴部26a1-1’と、夫々の分岐管の接続側の端部に設けられた第1の雄螺子部26b2-1’と、第1の雄螺子部を螺合可能な第1の雌螺子部2b3が一対設けられ、一対の分岐管を着脱可能な複数の分岐管接続ユニット2と、夫々の分岐管接続ユニットを主配管に固定する分岐管接続ユニット固定部材3と、を有し、主配管に接続する夫々の分岐管同士の間隔及び分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整することができるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部と、前記走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、前記刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、前記空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し、前記刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における前記刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する前記刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、前記先端部より前記刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインに備わる、前記空気噴出装置からの空気噴出形態を調整するための大型コンバイン用空気噴出形態調整構造であって、
前記主配管の前記刈刃に対して平行に配置された部分に形成された、所定の間隔をあけて夫々接続する多数の前記分岐管の接続部を囲む大きさの長穴部と、
夫々の前記分岐管の前記主配管との接続側の端部に設けられた第1の雄螺子部と、
前記第1の雄螺子部を螺合可能な第1の雌螺子部が一対設けられ、一対の前記分岐管を着脱可能な複数の分岐管接続ユニットと、
夫々の前記分岐管接続ユニットを前記主配管に固定する分岐管接続ユニット固定部材と、
を有し、
前記主配管に接続する夫々の前記分岐管同士の間隔及び該分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整することができるように構成されていることを特徴とする大型コンバイン用空気噴出形態調整構造。
【請求項2】
前記分岐管接続ユニットは、
外形が前記主配管に形成された前記長穴部の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部には前記分岐管の接続側の端部の管径に対応する所定の大きさに形成された一対の穴部を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材と、
夫々の前記板状ベース部材に形成された夫々の前記穴部に回動可能且つ離脱不能に設けられ、その内周に一対の前記第1の雌螺子部を有するとともに、その上縁部には回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部を備えた一対の環状部材と、
夫々の前記板状ベース部材における、夫々の前記環状部材の前記回動量調整部の前記ガイド穴の軌道上に設けられた第2の雌螺子部と、該第2の雌螺子部に螺合する第2の雄螺子部と、該第2の雄螺子部の根元に設けられた頭部とを有し、該頭部を介して前記回動量調整部を締め付けることにより、前記環状部材を前記板状ベース部材に対して固定する環状部材固定部材と、
を有し、
前記主配管に形成された前記長穴部の全領域を塞ぐように、前記環状部材の前記第1の雌螺子部に前記分岐管の前記第1の雄螺子部を螺着させた複数の前記分岐管接続ユニットを、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記第1の雌螺子部同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、前記分岐管接続ユニット固定部材を介して前記分岐管接続ユニットを前記主配管に固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で前記主配管に接続する前記分岐管同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、前記分岐管接続ユニットにおける前記回動量調整部を所望量回動し、前記環状部材固定部材を介して前記環状部材を固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で前記主配管に接続する前記分岐管同士の前記先端部の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造。
【請求項3】
前記分岐管接続ユニットは、
外形が前記主配管に形成された前記長穴部の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部に一対の前記第1の雌螺子部を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材と、
夫々の前記分岐管の前記第1の雄螺子部の根元近傍に固着され、該第1の雄螺子部が前記第1の雌螺子部に螺合する前記分岐管の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部材と、
前記分岐管の前記第1の雄螺子部が前記第1の雌螺子部に螺合する前記板状ベース部材における、前記分岐管に固着された前記回動量調整部材の前記ガイド穴の軌道上に設けられた第2の雌螺子部と、該第2の雌螺子部に螺合可能な第2の雄螺子部と、該第2の雄螺子部の根元に設けられた頭部とを有し、該頭部を介して回動量調整部材を締め付けることにより、該回動量調整部材を前記板状ベース部材に対して固定する回動量調整部材固定部材と、
を有し、
前記主配管に形成された前記長穴部の全領域を塞ぐように、複数の前記分岐管接続ユニットを、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記第1の雌螺子部同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、前記分岐管接続ユニット固定部材を介して前記分岐管接続ユニットを前記主配管に固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けることで前記主配管に接続する隣り合う前記分岐管同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、前記板状ベース部材の前記第1の雌螺子部に前記分岐管の前記第1の雄螺子部を螺合させる際に、前記分岐管接続ユニットにおける前記回動量調整部材を所望量回動し、前記回動量調整部材固定部材を介して、前記回動量調整部材を固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けることで前記主配管に接続する前記分岐管同士の前記先端部の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造。
【請求項4】
夫々の前記分岐管接続ユニットは、夫々の前記板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が同じであることを特徴とする請求項2又は3に記載の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造。
【請求項5】
夫々の前記板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が異なる複数タイプの前記分岐管接続ユニットを有することを特徴とする請求項2又は3に記載の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造。
【請求項6】
隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で前記主配管に接続する前記主配管に接続する前記分岐管同士の先端部の高さ位置を所望の高さに調整することができるように構成されていることを特徴とする請求項2~5のいずれかに記載の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造。
【請求項7】
走行部と、前記走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、前記刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、前記空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し前記刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における前記刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する前記刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、前記先端部より前記刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインにおいて、
前記請求項1~6のいずれかに記載の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を備えたことを特徴とする大型コンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が主配管と、主配管に所定の間隔をあけて夫々接続し、先端部からの空気を刈刃側に向けて噴出させる多数の分岐管と、を備えた大型コンバインによる小豆等の豆類の収穫を、ロスを極力抑えて効率良く行うための大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型コンバインには、例えば、
図13、
図14に示すように、本体を走行させる走行部10と、農作穀物を刈り取る刈取部20と、刈り取った農作穀物を搬送するコンベア31を備えた搬送部30と、搬送された農作穀物を脱穀する脱穀部40と、脱穀された穀粒を選別する選別部50と、脱穀部40により排出された排藁を細断する排藁処理部60を備えたものがある。
【0003】
このタイプのコンバインの刈取部20は、例えば、
図15、
図16に示すように、プラットフォーム21と、農作穀物を刈り取る刈刃22と、農作穀物を刈刃22側へ掻き込む掻き込みリール23と、刈刃22で刈り取られた農作穀物を搬送部30に送り込む横送りオーガ24を備えている。
刈刃22は、左右方向にわたって延びたバリカン状の刃で構成され、プラットフォーム21の前側下縁部に設けられている。
掻き込みリール23は、一対のリール支持アーム23aと、リール支持アーム23aの先端部間に設けたリール支軸23bと、リール支軸23bの左右端部に放射方向に延びたリール形成アーム23cと、リール形成アーム23cを連結する連結片23dと、リール形成アーム23cの先端部間に架設されたタインバー23eと、タインバー23eに所定間隔をあけて吊るされたタイン23fと、リール支軸23bを回転駆動する回転駆動手段(符号省略)と、上下前後に位置を調節可能な位置調節手段(符号省略)を有して構成されている。そして、掻き込みリール23は、プラットフォーム21の上方で農作穀物を刈刃22側へ掻き込むことができるように配置されている。
横送りオーガ24は、円筒状部材24aの外周に、一対の螺旋状部材24bを左右対称に備えるとともに、掻き込みフィンガ24cを放射方向に備え、回転駆動手段(符号省略)により回転することで、刈刃22により刈り取られた農作穀物を搬送部30が設けられている部位に横送りするように構成されている。
その他、プラットフォーム21の前側の両側端部には、圃場における刈取範囲の農作穀物を分草する分草部材25が取り付けられている。
【0004】
そして、このタイプのコンバインは、農作穀物の収穫作業を行う際には、走行部10を介して走行しながら、刈取範囲の農作穀物を分草部材25で分草し、分草部材25で分草された刈取範囲内の農作穀物を回転する掻き込みリール23により刈刃22側へ掻き込み、掻き込んだ農作穀物の茎の根元を刈刃22で刈り取る。刈り取った農作穀物を、回転する一対の横送りオーガ24が搬送部30の設けられている部位に横送りし、横送りされた農作穀物を、搬送部30のコンベア31が脱穀部40に搬送し、脱穀された穀粒を選別部50が選別するとともに、脱穀部40により排出された排藁を排藁処理部60が細断して外部へ排出する。
このようなコンバインは、次の特許文献1、2に開示されている。
【0005】
また、従来の大型コンバインには、例えば、
図17に示すように、刈取部20’に、刈刃22’と掻き込みリール23’に加えて、さらに、空気噴出装置26’を備えた構造のものがある。
このタイプのコンバインでは、例えば、
図18に示すように、空気噴出装置26’は、主配管26a’と、多数の細長形状の分岐管26b’を備えている。
主配管26a’は、ホースとパイプとを接続して構成されている。主配管26a’は、 一端が遠心型送風装置26c’と接続している。また、主配管26a’は、刈刃22’の前方且つ上方で刈刃22’に対して略平行に配置された部分26a1’を有している。また、主配管26a’は、他端が、蓋(符号省略)によって閉じられている。
分岐管26b’は、主配管26a’における刈刃22’に対して略平行に配置された部分26a1’に所定の間隔をあけて夫々接続している。また、分岐管26b’は、先端部26b1’近傍が後方且つ下方に位置する刈刃22’に向けて曲がっている。そして、分岐管26b’は、先端部26b1’より刈刃22’側に向けて略水平方向に空気を噴出させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-171851号公報
【特許文献2】特開2009-171917号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】オーガーヘッド、[online]、https://awsairbar.com/products/auger-heads/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、小豆等の豆類の収穫においては、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出ることにより、プラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込まれることなく、豆や莢がプラットフォームの下方に落下して、収穫量のロスが生じ易いという問題がある。
刈り取った豆及び莢をプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むためには、
図17、
図18に示した空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインのように、前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる必要があると考えられる。
【0009】
しかし、
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインは、分岐管の配置間隔が一般の小豆等の豆類の畝幅の規格と一致しておらず、刈り取る直前に分岐管が小豆等の豆類に衝突して落下させてしまい易い。
また、大型コンバインに設けられている1本の分岐管では、刈り取り後に豆や莢を落下させることなく後方に送り込むための風量が不足する。
このため、従来、
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインで小豆等の豆類をロスなく収穫することは困難であり、小豆等の豆類をロスなく収穫することを実現させた大型コンバインは存在していない。
【0010】
しかるに、本件発明者らは、従来、実現できていなかった
図17、
図18に示すような空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインを用いて、小豆等の豆類をロスなく収穫することを実現させるための検討及び試行錯誤を繰り返した。
より詳しくは、刈り取り後に豆や莢を落下させることなく後方に送り込むための十分な風量を確保し、且つ、一般の小豆等の豆類の畝幅の規格に適合するように、大型コンバインにおける主配管に設けられた既存の穴を塞ぐと共に新たな穴をあけて、主配管に接続する分岐管の配置を異ならせた試作機を作製し、試験を繰り返した。
その結果、収穫のロスなく、一度に大量の小豆等の豆類を収穫できるように、主配管に分岐管を配置した大型コンバインの試作機を作製することができた。
【0011】
ところで、近年、生産性の向上を図るべく、小豆等の豆類の品種改良の開発が盛んに行われており、播種幅を従来一般の畝幅の規格とは異ならせたものが試験栽培されるようになってきている。このため、今後は、従来一般の畝幅の規格とは異なる様々な畝幅で播種される小豆等の豆類の出現が想定される。
【0012】
しかし、本件発明者らが作製した大型コンバインの試作機は、主配管に設けられた既存の穴を塞ぐと共に新たな穴をあけて、主配管に接続する分岐管の配置を異ならせたものであり、主配管に取り付ける分岐管の接続位置を自在かつ容易に変更することができない。このため、本件発明者らが作製した大型コンバインの試作機では、様々な畝幅で播種される豆類をロスなく収穫することが難しい。
【0013】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が主配管と、主配管に所定の間隔をあけて夫々接続し、先端部からの空気を刈刃側に向けて噴出させる多数の分岐管と、を備えた大型コンバインにおいて、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込んで、収穫量のロスを極めて低減しながら、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能な収穫効率の極めて高い大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバインを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明による大型コンバイン用空気噴出形態調整構造は、走行部と、前記走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、前記刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、前記空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し、前記刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における前記刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する前記刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、前記先端部より前記刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインに備わる、前記空気噴出装置からの空気噴出形態を調整するための大型コンバイン用空気噴出形態調整構造であって、前記主配管の前記刈刃に対して平行に配置された部分に形成された、所定の間隔をあけて夫々接続する多数の前記分岐管の接続部を囲む大きさの長穴部と、夫々の前記分岐管の前記主配管との接続側の端部に設けられた第1の雄螺子部と、前記第1の雄螺子部を螺合可能な第1の雌螺子部が一対設けられ、一対の前記分岐管を着脱可能な複数の分岐管接続ユニットと、夫々の前記分岐管接続ユニットを前記主配管に固定する分岐管接続ユニット固定部材と、を有し、前記主配管に接続する夫々の前記分岐管同士の間隔及び該分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整することができるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、前記分岐管接続ユニットは、外形が前記主配管に形成された前記長穴部の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部には前記分岐管の接続側の端部の管径に対応する所定の大きさに形成された一対の穴部を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材と、夫々の前記板状ベース部材に形成された夫々の前記穴部に回動可能且つ離脱不能に設けられ、その内周に一対の前記第1の雌螺子部を有するとともに、その上縁部には回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部を備えた一対の環状部材と、前記板状ベース部材における、夫々の前記環状部材の前記回動量調整部の前記ガイド穴の軌道上に設けられた第2の雌螺子部と、該第2の雌螺子部に螺合する第2の雄螺子部と、該第2の雄螺子部の根元に設けられた頭部とを有し、該頭部を介して前記回動量調整部を締め付けることにより、夫々の前記環状部材を前記板状ベース部材に対して固定する環状部材固定部材と、を有し、前記主配管に形成された前記長穴部の全領域を塞ぐように、前記環状部材の前記第1の雌螺子部に前記分岐管の前記第1の雄螺子部を螺着させた複数の前記分岐管接続ユニットを、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記第1の雌螺子部同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、前記分岐管接続ユニット固定部材を介して前記分岐管接続ユニットを前記主配管に固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で前記主配管に接続する前記分岐管同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、前記分岐管接続ユニットにおける前記回動量調整部を所望量回動し、前記環状部材固定部材を介して前記環状部材を固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で前記主配管に接続する前記分岐管同士の前記先端部の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができるように構成するのが好ましい。
【0016】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、前記分岐管接続ユニットは、外形が前記主配管に形成された前記長穴部の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部に一対の前記第1の雌螺子部を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材と、夫々の前記分岐管の前記第1の雄螺子部の根元近傍に固着され、該第1の雄螺子部が前記第1の雌螺子部に螺合する前記分岐管の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部材と、前記分岐管の前記第1の雄螺子部が前記第1の雌螺子部に螺合する前記板状ベース部材における、前記分岐管に固着された前記回動量調整部材の前記ガイド穴の軌道上に設けられた第2の雌螺子部と、該第2の雌螺子部に螺合可能な第2の雄螺子部と、該第2の雄螺子部の根元に設けられた頭部とを有し、該頭部を介して回動量調整部材を締め付けることにより、該回動量調整部材を前記板状ベース部材に対して固定する回動量調整部材固定部材と、を有し、前記主配管に形成された前記長穴部の全領域を塞ぐように、複数の前記分岐管接続ユニットを、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記第1の雌螺子部同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、前記分岐管接続ユニット固定部材を介して前記分岐管接続ユニットを前記主配管に固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けることで前記主配管に接続する前記分岐管同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、前記板状ベース部材の前記第1の雌螺子部に前記分岐管の前記第1の雄螺子部を螺合させる際に、前記分岐管接続ユニットにおける前記回動量調整部材を所望量回動し、前記回動量調整部材固定部材を介して、前記回動量調整部材を固定することにより、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けることで前記主配管に接続する前記分岐管同士の前記先端部の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができるように構成するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、夫々の前記板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が同じであるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、夫々の前記板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が異なる複数タイプの前記分岐管接続ユニットを有するのが好ましい。
【0019】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、隣り合う前記分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で前記主配管に接続する前記主配管に接続する前記分岐管同士の先端部の高さ位置を所望の高さに調整することができるように構成されているのが好ましい。
【0020】
また、本発明による大型コンバインは、走行部と、前記走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、前記刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、前記空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し前記刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における前記刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する前記刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、前記先端部より前記刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインにおいて、上記本発明のいずれかの大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が主配管と、主配管に所定の間隔をあけて夫々接続し、先端部からの空気を刈刃側に向けて噴出させる多数の分岐管と、を備えた大型コンバインにおいて、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込んで、収穫量のロスを極めて低減しながら、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能な収穫効率の極めて高い大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバインが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の全体の概略構成を模式的に示す説明図である。
【
図2】第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における主配管、分岐管の要部構成を夫々示す説明図で、(a)は主配管の分岐管を取り付ける側を示す部分平面図、(b)は(a)のA-A拡大断面図、(c)は1本の分岐管を側方から見た図、(d)は(c)のB-B拡大断面図である。
【
図3】第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる板状ベース部材の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC-C断面図である。
【
図4】第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる環状部材の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は板状ベース部材に一対の環状部材が設けられている状態を(a)のD-D断面で示す図、(d)は分岐管を螺合させた状態の第1の雌螺子部を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる環状部材固定部材の構成を示す説明図で、(a)は環状部材の回動量調整部のガイド穴に対する位置関係を示す平面図、(b)は板状ベース部材に設けられた環状部材との位置関係を示す断面図である。
【
図6】第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニット固定部材の構成を示す説明図で、(a)は板ベルトの構成を示す図、(b)はU字ボルトの構成を示す図である。
【
図7】第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を用いて、主配管に接続する複数の分岐管同士の間隔及び各々の分岐管の先端部の水平方向の向きを調整した状態の一例を示す説明図で、(a)は従来の大型コンバインの分岐管と小豆等の豆類の一般的な畝幅との位置関係を示す図、(b)は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を用いて、主配管に接続する複数の分岐管同士の間隔及び各々の分岐管の先端部の水平方向の向きを調整した状態における分岐管と小豆等の豆類の一般的な畝幅との位置関係を示す図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の全体の概略構成を模式的に示す説明図である。
【
図9】第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる板状ベース部材の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のE-E断面図、(c)は分岐管を螺合させた状態の第1の雌螺子部を示す断面図である。
【
図10】第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる回動量調整部材の構成を示す説明図で、(a)は1本の分岐管に対する取付位置を示す図、(b)は平面図である。
【
図11】第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる回動量調整部材固定部材の構成を示す説明図で、(a)は回動量調整部材のガイド穴に対する位置関係を示す平面図、(b)は板状ベース部材との位置関係を示す断面図である。
【
図12】本発明の変形例に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の構成を示す説明図で、(a)は1本の分岐管を側方から見た図、(b)は(a)の部分拡大断面図、(c)は変形例に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を用いて、主配管に接続する複数の分岐管同士の間隔、各々の分岐管の先端部の水平方向の向き及び高さ位置を調整した状態を示す図である。
【
図13】従来の大型コンバインの全体構成の一例を示す側面図である。
【
図15】
図13の大型コンバインの刈取部の構成の一例を示す平面図である。
【
図17】従来の前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバイン全体構成の一例を示す斜視図である。
【
図18】
図17の大型コンバインにおける空気噴出装置の構成の一例を示す説明図で、(a)は全体の概略構成を示す模式図、(b)側方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態の説明に先立ち、本発明が導出されるに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
1.本発明が導出されるに至った経緯
(1)小豆等の豆類の収穫における問題点
上述のように、従来、小豆等の豆類の収穫においては、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出ることにより、プラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込まれることなく、豆や莢がプラットフォームの下方に落下して、収穫量のロスが生じ易いという問題がある。
このため、
図13~
図16に示した特許文献1、2に記載されているタイプの大型コンバインでは、収穫量のロスを低減することは難しい。
刈り取った豆及び莢をプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むためには、
図17、
図18に示した空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインのように、前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる必要があると考えられる。
【0024】
(2)前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインの問題点について
しかし、
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインは、分岐管の配置間隔が一般の小豆等の豆類の畝幅の規格と一致しておらず、刈り取る直前に分岐管が小豆等の豆類に衝突して落下させてしまい易い。
また、大型コンバインに設けられている1本の分岐管では、刈り取り後に豆や莢を落下させることなく後方へ送り込むための風量が不足する。
このため、従来、
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインで小豆等の豆類をロスなく収穫することは困難であり、小豆等の豆類をロスなく収穫することを実現させた大型コンバインは存在していなかった。
【0025】
(3)前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインを用いて、小豆等の豆類をロスなく収穫することを実現させるための試行錯誤の過程
上述のとおり、従来、前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインでの小豆収穫は困難であると考えられており、このタイプの大型コンバインを用いた、小豆等の豆類のロスのない収穫は実現できていなかった。
しかるに、本件発明者らは、従来、実現できていなかった
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインを用いて、小豆等の豆類をロスなく収穫することを実現させることへの挑戦を決意した。
しかし、経験豊富な農家、農協、農機具のメーカー等の専門家から、そのような試行錯誤は無駄であるとの批判を受けるとともに、当該大型コンバインのメーカーの関係者からも見捨てられ、試行錯誤のための支援を得ることはできなかった。
このため、本件発明者らは、独力で試行錯誤を繰り返すこととした。
【0026】
(3-1)既存の前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインを用いて、一般規格の畝幅で播種し栽培した小豆を収穫した際の収穫量のロスの確認
まず、本件発明者らは、
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインを用意した。また、試験畑において、畝幅を従来の一般規格の67cmで播種して栽培した。北海道十勝産小豆の播種は、通常、畝幅間隔が67cmであり、トラクター、播種機、管理機、収穫機械の全てが67cmの畝幅間隔に整合したものとなっているのが一般的である。
一方、
図17、
図18に示した前方から刈刃側へ向けて空気を噴出させる空気噴出装置を備えたタイプの大型コンバインにおける主管部に対する分岐管の取付幅は30cmに設計されており、小豆の畝幅67cmと一致していない。このため、刈取時に多くの小豆の莢に分岐管が衝突し、刈取量のロスが大きく生じることが予測された。
そして、本件発明者らは、購入した大型コンバインを用いて、試験畑にて一般規格の畝幅で播種し栽培した小豆の収穫を行った。
実際の試験収穫においては、多数の小豆の莢に分岐管が衝突し、分岐管に衝突した小豆の莢が弾け出て飛び散って落下し、刈取量のロスが大きいことが確認された。
【0027】
(3-2)分岐管の取付位置を一般規格の畝幅に適合させて改造した空気噴出装置を備えた大型コンバインを用いた、一般規格の畝幅で播種し栽培した小豆の収穫試験
翌年、本件発明者らは、当該大型コンバインの主配管に取り付けられている分岐管を取り外し、主配管に30cm間隔であけられている穴を溶接で塞ぐとともに、新たに67cm間隔で穴をあけ、あけた穴の位置に分岐管を取り付ける改造を行った。
そして、上述のように分岐管の取付位置を改造した大型コンバインを用いて、従来の一般規格の67cmで播種し栽培した小豆の収穫試験を行った。
刈取に際しては、1本の分岐管を1つの畝の幅方向における一方の端に位置合わせし、中央部で栽培されている小豆に分岐管が衝突しないようにしながら、畝幅の全領域に向けて空気が絨毯状に噴出するようにした。
収穫試験の結果、刈取時の分岐管による小豆の莢への衝突は回避できた。しかし、1畝に1本の分岐管の配置では、分岐管から小豆を刈り取る刈刃側へ向けて噴出する空気の風量が、畝の幅方向における分岐管から離れている領域において不足し、刈刃で刈り取り後に豆や莢が落下してしまい、後方に送り込むことができないことが判明した。
【0028】
(3-3)分岐管の取付位置を一般規格の畝幅に適合させるとともに、1畝に対し2本の分岐管から空気が噴出するように改造した空気噴出装置を備えた大型コンバインを用いた、一般規格の畝幅で播種し栽培した小豆の収穫試験
そこで、本件発明者らは、当該大型コンバインの主配管にあけた穴を溶接で塞ぐとともに、新たに67cm間隔の位置に1対の穴をあけ、あけた穴の位置に分岐管を取り付ける改造を行った。主配管の穴への分岐管の取付に際しては、分岐管の先端部の水平方向の向きを、67cm間隔で離れた穴に取り付けた分岐管同士の互いの先端部からの空気が1畝に栽培されている小豆に向けて噴出することができる向きにして、分岐管を主配管に固定した。
そして、分岐管の取付位置を一般規格の畝幅に適合させるとともに、1畝に対し2本の分岐管から空気が噴出するように改造した大型コンバインを用いて、従来の一般規格の67cmで播種し栽培した小豆の収穫試験を行った。
収穫試験の結果、刈り取り時の分岐管による小豆の莢への衝突は回避できた。しかも、1畝に2本の分岐管の配置により、分岐管から小豆を刈り取る刈刃側へ向けて噴出する空気の風量が十分なものとなって、収穫物入口部全体にエアー絨毯(空気床)が形成され、刈刃で刈り取り後の豆や莢を落下させることなく、後方に送り込むことができた。
このように、本件発明者らが試作した大型コンバインによれば、従来実現できていなかった、機械接触時の莢の弾け落ち、刈り取り時の刈刃の衝撃等に起因する、収穫量のロスを大幅に低減しながら、多数の畝に栽培されている小豆等の豆類を一度に収穫でき、収穫作業効率が大幅に向上し、収穫時間を大幅に短縮することが可能となった。
【0029】
(4)本件発明者らが導出した大型コンバインの試作機に内在する課題についての検討、考察
更に、本件発明者らは、作製した大型コンバインの試作機について更なる検討、考察を重ねた。その結果、当該試作機には次のような課題が内在することが判明した。
近年、生産性の向上を図るべく、小豆等の豆類の品種改良の開発が盛んに行われており、播種幅を従来一般の畝幅の規格とは異ならせたものが試験栽培されるようになってきている。このため、今後は、従来一般の畝幅の規格とは異なる様々な畝幅で播種される小豆等の豆類の出現が想定される。
しかし、本件発明者らが作製した大型コンバインの試作機は、主配管に設けられた既存の穴を塞ぐとともに新たな穴をあけて、主配管に接続する分岐管の配置を異ならせたものであり、主配管に取り付ける分岐管の接続位置を自在かつ容易に変更することができない。このため、本件発明者らが作製した大型コンバインの試作機では、様々な畝幅で播種される小豆等の豆類をロスなく収穫することが難しい。
【0030】
そこで、本件発明者らは、大型コンバインを用いて、様々な畝幅で播種される豆類をロスなく収穫することを容易に行うための方策について、更なる検討、考察、試行錯誤を重ねた。そして、その結果、農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が主配管と、主配管に所定の間隔をあけて夫々接続し、先端部からの空気を刈刃側に向けて噴出させる多数の分岐管と、を備えた大型コンバインにおいて、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込んで、収穫量のロスを極めて低減するための構成を着想し、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えたコンバインを導出するに至った。
【0031】
2.本発明の構成及び作用効果
本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造は、走行部と、走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し、刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、先端部より刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインに備わる、空気噴出装置からの空気噴出形態を調整するための大型コンバイン用空気噴出形態調整構造であって、主配管の刈刃に対して平行に配置された部分に形成された、所定の間隔をあけて夫々接続する多数の分岐管の接続部を囲む大きさの長穴部と、夫々の分岐管の主配管との接続側の端部に設けられた第1の雄螺子部と、第1の雄螺子部を螺合可能な第1の雌螺子部が一対設けられ、一対の分岐管を着脱可能な複数の分岐管接続ユニットと、夫々の分岐管接続ユニットを主配管に固定する分岐管接続ユニット固定部材と、を有し、主配管に接続する夫々の分岐管同士の間隔及び該分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整することができるように構成されている。
【0032】
本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造のように、主配管に接続する夫々の分岐管同士の間隔を調整可能に構成すれば、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすることが可能となる。
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造のように、分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整可能に構成すれば、2本の分岐管からの空気が1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に噴出するように、分岐管を取り付け、先端部の向きを調整することで、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込むことが可能となる。
その結果、収穫量のロスを極めて低減することが可能となる。そして、大型コンバインにより、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能となるため、収穫効率が極めて高くなる。
【0033】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、好ましくは、分岐管接続ユニットは、外形が主配管に形成された長穴部の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部には分岐管の接続側の端部の管径に対応する所定の大きさに形成された一対の穴部を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材と、夫々の板状ベース部材に形成された夫々の穴部に回動可能且つ離脱不能に設けられ、その内周に一対の第1の雌螺子部を有するとともに、その上縁部には回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部を備えた一対の環状部材と、板状ベース部材における、夫々の環状部材の回動量調整部のガイド穴の軌道上に設けられた第2の雌螺子部と、該第2の雌螺子部に螺合する第2の雄螺子部と、該第2の雄螺子部の根元に設けられた頭部とを有し、該頭部を介して回動量調整部を締め付けることにより、夫々の環状部材を板状ベース部材に対して固定する環状部材固定部材と、を有し、主配管に形成された長穴部の全領域を塞ぐように、環状部材の第1の雌螺子部に分岐管の第1の雄螺子部を螺着させた複数の分岐管接続ユニットを、隣り合う分岐管接続ユニットの第1の雌螺子部同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、分岐管接続ユニット固定部材を介して分岐管接続ユニットを主配管に固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニットの板状ベース部材に取り付けられた状態で主配管に接続する分岐管同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、分岐管接続ユニットにおける回動量調整部を所望量回動し、環状部材固定部材を介して環状部材を固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニットの板状ベース部材に取り付けられた状態で主配管に接続する分岐管同士の先端部の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができるように構成されている。
【0034】
このように構成すれば、分岐管を接続するための穴を主配管にあけ直すことなく、50cm、67cmを含む様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすると同時に、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込む2本の分岐管からの空気が1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に噴出する構成を具現化することが可能となる。
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造のように、分岐管接続ユニットにおいて、板状ベース部材に形成された夫々の穴部に回動可能且つ離脱不能に設けられ、その内周に一対の第1の雌螺子部を有するとともに、その上縁部には回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部を備えた一対の環状部材を備えたので、環状部材の第1の雌螺子部に分岐管の第1の雄螺子部を螺着させた状態で、回動量調整部を介して分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整することができ、取り付けた分岐管の緩みを抑え易くすることが可能となる。
【0035】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、好ましくは、分岐管接続ユニットは、外形が主配管に形成された長穴部の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部に一対の第1の雌螺子部を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材と、夫々の分岐管の第1の雄螺子部の根元近傍に固着され、該第1の雄螺子部が第1の雌螺子部に螺合する分岐管の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部材と、分岐管の第1の雄螺子部が第1の雌螺子部に螺合する板状ベース部材における、分岐管に固着された回動量調整部材のガイド穴の軌道上に設けられた第2の雌螺子部と、該第2の雌螺子部に螺合可能な第2の雄螺子部と、該第2の雄螺子部の根元に設けられた頭部とを有し、該頭部を介して回動量調整部材を締め付けることにより、該回動量調整部材を板状ベース部材に対して固定する回動量調整部材固定部材と、を有し、主配管に形成された長穴部の全領域を塞ぐように、複数の分岐管接続ユニットを、隣り合う分岐管接続ユニットの第1の雌螺子部同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、分岐管接続ユニット固定部材を介して分岐管接続ユニットを主配管に固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニットの板状ベース部材に取り付けることで主配管に接続する分岐管同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、板状ベース部材の第1の雌螺子部に分岐管の第1の雄螺子部を螺合させる際に、分岐管接続ユニットにおける回動量調整部材を所望量回動し、回動量調整部材固定部材を介して、回動量調整部材を固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニットの板状ベース部材に取り付けることで主配管に接続する分岐管同士の先端部の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができるように構成されている。
【0036】
このように構成しても、分岐管を接続するための穴を主配管にあけ直すことなく、50cm、67cmを含む様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすると同時に、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込む2本の分岐管からの空気が1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に噴出する構成を具現化することが可能となる。
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造のように、分岐管接続ユニットを、一対の第1の雌螺子部を有する複数の板状ベース部材と、夫々の分岐管の第1の雄螺子部の根元近傍に固着され、該第1の雄螺子部が第1の雌螺子部に螺合する分岐管の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴を有する回動量調整部材と、回動量調整部材固定部材と、を有して構成すれば、分岐管の先端部の略水平方向の向きを調整するための構成を簡素化することが可能となる。
【0037】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、好ましくは、夫々の分岐管接続ユニットは、夫々の板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が同じである。
このように構成すれば、分岐管を接続するための穴を主配管にあけ直すことなく、50cm、67cmを含む様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにするための多数の分岐管接続ユニットを同一規格で製造することができ、コストを抑えることが可能となる。
【0038】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、好ましくは、夫々の板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が異なる複数タイプの分岐管接続ユニットを有する。
このように構成すれば、より多くの畝幅での播種に対応させて、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすることが可能となる。
【0039】
また、本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、好ましくは、隣り合う分岐管接続ユニットの前記板状ベース部材に取り付けられた状態で主配管に接続する主配管に接続する分岐管同士の先端部の高さ位置を所望の高さに調整することができるように構成されている。
このように構成すれば、1畝に対して向き合う2本の分岐管から噴出する絨毯状の空気の衝突を回避することができ、風圧が相殺されて減衰してしまう空間領域の発生を防止することができ、刈り取った小豆類の豆や莢に十分な量の空気を噴出させることができずに落下させてしまうことを防止することが可能となり、刈取時の収穫量のロスをさらにより一層低減することが可能となる。
【0040】
また、本発明の大型コンバインは、走行部と、走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、先端部より刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインにおいて、上記本発明のいずれかの大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を備えている。
【0041】
このように構成すれば、分岐管を接続するための穴を主配管にあけ直すことなく、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすると同時に、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込むことが可能となる。その結果、収穫量のロスを極めて低減することが可能となる。しかも、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能となるため、収穫効率が極めて高くなる。
【0042】
このため、本発明によれば、農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が主配管と、主配管に所定の間隔をあけて夫々接続し、先端部からの空気を刈刃側に向けて噴出させる多数の分岐管と、を備えた大型コンバインにおいて、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込んで、収穫量のロスを極めて低減しながら、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能な収穫効率の極めて高い大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバインが得られる。
【0043】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の説明を行う。
図1は本発明の第1実施形態に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の全体の概略構成を模式的に示す説明図である。
図2は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における主配管、分岐管の要部構成を夫々示す説明図で、(a)は主配管の分岐管を取り付ける側を示す部分平面図、(b)は(a)のA-A拡大断面図、(c)は1本の分岐管を側方から見た図、(d)は(c)のB-B拡大断面図である。
図3は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる板状ベース部材の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC-C断面図である。
図4は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる環状部材の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は板状ベース部材に一対の環状部材が設けられている状態を(a)のD-D断面で示す図、(d)は分岐管を螺合させた状態の第1の雌螺子部を示す断面図である。
図5は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる環状部材固定部材の構成を示す説明図で、(a)は環状部材の回動量調整部のガイド穴に対する位置関係を示す平面図、(b)は板状ベース部材に設けられた環状部材との位置関係を示す断面図である。
図6は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニット固定部材の構成を示す説明図で、(a)は板ベルトの構成を示す図、(b)はU字ボルトの構成を示す図である。
図7は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を用いて、主配管に接続する複数の分岐管同士の間隔及び各々の分岐管の先端部の水平方向の向きを調整した状態の一例を示す説明図で、(a)は従来の大型コンバインの分岐管と小豆等の豆類の一般的な畝幅との位置関係を示す図、(b)は第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を用いて、主配管に接続する複数の分岐管同士の間隔及び各々の分岐管の先端部の水平方向の向きを調整した状態における分岐管と小豆等の豆類の一般的な畝幅との位置関係を示す図である。
【0044】
本実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1は、例えば、
図17、
図18に示したような、走行部(符号省略)と、走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部20’を装備し、刈取部20’が、刈刃22’と掻き込みリール23’と空気噴出装置26’とを備え、空気噴出装置26’が遠心型送風装置26c’と接続し、刈刃22’の前方且つ上方で刈刃に対して略平行に配置された部分26a1’を有する主配管26a’と、主配管26a’における刈刃22’に対して略平行に配置された部分26a1’に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する刈刃22’に向けて先端部26b1’近傍が曲がり、先端部26b1’より刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管26b’と、を有する大型コンバインに適用する構造である。
そして、本実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1は、例えば、
図1に示すように、主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’と、夫々の分岐管26b’に設けられた第1の雄螺子部26b2-1’と、一対の分岐管26b’を着脱可能な複数の分岐管接続ユニット2と、分岐管接続ユニット固定部材3と、を有し、主配管26a’に接続する夫々の分岐管26b’同士の間隔及び分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを調整することができるように構成されている。
【0045】
長穴部26a1-1’は、例えば、
図2(a)、
図2(b)に示すように、主配管26a’の刈刃(不図示)に対して平行に配置された部分26a1’に形成され、所定の間隔をあけて夫々接続する多数の分岐管26b’の接続部を囲む大きさを有している。
【0046】
第1の雄螺子部26b2-1’は、例えば、
図2(c)、
図2(d)に示すように、夫々の分岐管26b’の主配管26a’との接続側の端部26b2’に設けられている。
【0047】
分岐管接続ユニット2は、板状ベース部材2aと、一対の環状部材2bと、環状部材固定部材2cと、を有して構成されている。
【0048】
板状ベース部材2aは、例えば、
図3(a)、
図3(b)に示すように、外形が主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の一部の領域を塞ぐ大きさを有している。また、板状ベース部材2aの長手方向中央部には、分岐管26b’の(主配管26a’との)接続側の端部26b2’の管径に対応する所定の大きさに形成された一対の穴部2a1を有している。
さらに、板状ベース部材2aは、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有している。
【0049】
一対の環状部材2bは、例えば、
図4(a)~
図4(c)に示すように、円筒部2b1と円筒部2b1両端のフランジ部2b2とを有して構成され、夫々の板状ベース部材2aに形成された夫々の穴部2a1に回動可能且つ離脱不能に設けられている。また、例えば、
図4(d)に示すように、一対の環状部材2bの内周には、分岐管26b’の(主配管26a’との)接続側の端部26b2’に設けられた第1の雄螺子部26b2-1’を螺合可能な一対の第1の雌螺子部2b3を有している。
また、一対の環状部材2bの上縁部には、回動量調整部2b4を備えている。回動量調整部2b4は、環状部材2bの回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴2b4-1を有している。
【0050】
環状部材固定部材2cは、例えば、
図5(a)、
図5(b)に示すように、夫々の板状ベース部材2aにおける、夫々の環状部材2bの回動量調整部2b4のガイド穴2b4-1の軌道上に設けられた第2の雌螺子部2c1と、第2の雌螺子部2c1に螺合する第2の雄螺子部2c2と、第2の雄螺子部2c2の根元に設けられた頭部2c3とを有する。そして、頭部2c3を介して回動量調整部2b4を締め付けることにより、環状部材2bを板状ベース部材2aに対して固定するように構成されている。
【0051】
分岐管接続ユニット固定部材3は、例えば、
図6(a)、
図6(b)に示すように、板ベルト3aと、U字ボルト3bと、を有し、夫々の分岐管接続ユニット2を主配管26a’に固定することができるように構成されている。
板ベルト3aは、分岐管接続ユニット2の板状ベース部材2aを主配管26a’に巻き付けて固定するために用いる。
U字ボルト3bは、板ベルト3aの両端部3a1、3a2と接合することで、分岐管接続ユニット2が主配管26a’に固定された状態を保持するために用いる。
分岐管接続ユニット固定部材3による分岐管接続ユニット2の主配管26a’への固定作業は、主配管26a’の長穴部26a1-1’を覆うように配置した、隣り合う分岐管接続ユニット2における板状ベース部材2a同士が重なり合う箇所を、板ベルト3aで抑えるようにして主配管26a’に巻き付け、U字ボルト3bを図示しないナットを介して、板ベルト3aの両端部3a1、3a2に螺着し接合させることによって行う。
【0052】
このように構成された第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1を用いて、主配管26a’に接続する複数の分岐管26b’同士の間隔及び各々の分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを調整するときの作業手順を説明する。
まず、夫々の分岐管接続ユニット2における板状ベース部材2aに回動可能且つ離脱不能に設けられた一対の環状部材2bの第1の雌螺子部2b3に分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’を螺着する。
次に、主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の所定領域を塞ぐように、環状部材2bの第1の雌螺子部2b3に分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’を螺着させた複数の分岐管接続ユニット2を、隣り合う分岐管接続ユニット2の第1の雌螺子部2b3同士が所望の間隔となるように重ね合わせる。そして、分岐管接続ユニット固定部材3を介して分岐管接続ユニット2を主配管26a’に固定する。これらの作業を主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の全領域を塞ぐまで繰り返す。このとき、板状ベース部材2aの長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有している。このため、隣り合う分岐管接続ユニット2の板状ベース部材2aに取り付けられた状態で主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができる。
次に、主配管26a’に固定された夫々の分岐管接続ユニット2における回動量調整部2b4を所望量回動し、環状部材固定部材2cを介して環状部材2bを固定する。これにより、例えば、
図7(b)に示すように、隣り合う分岐管接続ユニット2の板状ベース部材2aに取り付けられた状態で主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の先端部26b1’の向きを略水平方向の所望の向き(2本の分岐管26b’の先端部26b1’からの1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に対する空気の噴射量が最適となる向き)に調整することができる。
【0053】
なお、本実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1においては、夫々の分岐管接続ユニット2は、夫々の板状ベース部材2aの長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が同じであるように構成すれば、多数の分岐管接続ユニット2を同一規格で製造することができ、コストを抑えることが可能となるので好ましい。
また、本実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1においては、夫々の板状ベース部材2aの長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が異なる複数タイプの分岐管接続ユニット2を有するように構成してもよい。このように構成すれば、より多くの畝幅での播種に対応させて、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすることが可能となる。
【0054】
第2実施形態
図8は本発明の第2実施形態に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の全体の概略構成を模式的に示す説明図である。
図9は第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる板状ベース部材の構成を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は(a)のE-E断面図、(c)は分岐管を螺合させた状態の第1の雌螺子部を示す断面図である。
図10は第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる回動量調整部材の構成を示す説明図で、(a)は1本の分岐管に対する取付位置を示す図、(b)は平面図である。
図11は第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における分岐管接続ユニットに備わる回動量調整部材固定部材の構成を示す説明図で、(a)は回動量調整部材のガイド穴に対する位置関係を示す平面図、(b)は板状ベース部材との位置関係を示す断面図である。
【0055】
本実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1’では、例えば、
図8に示すように、一対の分岐管26b’を着脱可能な複数の分岐管接続ユニット2’を有している。
分岐管接続ユニット2’は、板状ベース部材2a’と、回動量調整部材2b’と、回動量調整部材固定部材2c’と、を有して構成されている。
【0056】
板状ベース部材2a’は、例えば、
図9に示すように、外形が主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の一部の領域を塞ぐ大きさを有している。また、板状ベース部材2a’の長手方向中央部には分岐管26b’の(主配管26a’との)接続側の端部26b2’に設けられた第1の雄螺子部26b2-1’を螺合可能な一対の第1の雌螺子部2a1’を有している。さらに、板状ベース部材2a’は、長手方向中間位置から長手方向の夫々の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有している。
【0057】
回動量調整部材2b’は、例えば、
図10(a)、
図10(b)に示すように、夫々の分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’の根元近傍に固着され、第1の雄螺子部26b2-1’が第1の雌螺子部2a1’に螺合する分岐管26b’の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴2b1’を有している。
【0058】
回動量調整部材固定部材2c’は、例えば、
図11(a)、
図11(b)に示すように、分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’が第1の雌螺子部2a1’に螺合する板状ベース部材2a’における、分岐管26b’に固着された回動量調整部材2b’のガイド穴2b1’の軌道上に設けられた第2の雌螺子部2c1’と、第2の雌螺子部2c1’に螺合可能な第2の雄螺子部2c2’と、第2の雄螺子部2c2’の根元に設けられた頭部2c3’とを有する。そして、頭部2c3’を介して回動量調整部材2b’を締め付けることにより、回動量調整部材2b’を板状ベース部材2a’に対して固定するように構成されている。
その他の構成は、第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1と略同じである。
【0059】
このように構成された第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1’を用いて、主配管26a’に接続する複数の分岐管26b’同士の間隔及び各々の分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを調整するときの作業手順を説明する。
まず、主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の所定領域を塞ぐように、複数の分岐管接続ユニット2’を、隣り合う分岐管接続ユニット2’の第1の雌螺子部2a1’同士が所望の間隔となるように重ね合わせる。そして、分岐管接続ユニット固定部材3を介して分岐管接続ユニット2’を主配管26a’に固定する。この作業を主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の全領域を塞ぐまで繰り返す。このとき、板状ベース部材2a’の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有している。このため、隣り合う分岐管接続ユニット2’の板状ベース部材2a’に取り付けることで主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができる。
次に、主配管26a’に固定された夫々の分岐管接続ユニット2’における板状ベース部材2a’の第1の雌螺子部2a1’に分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’を螺合させる。その際に、分岐管接続ユニット2’における回動量調整部材2b’を所望量回動し、回動量調整部材固定部材2c’を介して、回動量調整部材2b’を固定する。これにより、隣り合う分岐管接続ユニット2’の板状ベース部材2a’に取り付けることで主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の先端部26b1’の向きを略水平方向の所望の向き(2本の分岐管26b’の先端部26b1’からの1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に対する空気の噴射量が最適となる向き)に調整することができる。
【0060】
次に、第1実施形態、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1、1’を介して、例えば、
図7に示したように、主配管26a’に接続する複数の分岐管26b’同士の間隔及び各々の分岐管26b’の先端部26b1’の向きを水平方向に調整した大型コンバインを用いて、地面に近い高さ位置で結実している小豆等の豆類を収穫する場合について説明する。なお、小豆等の豆類は、衝撃により莢から豆が弾け出て飛び出し易いため、収穫に際しては、掻き込みリールを取り外しておくのが望まれる。ここでは、掻き込みリールを取り外した状態で収穫する場合について説明する。また、本例では、67cmの畝幅で播種し栽培した小豆を収穫対象とするとともに、主配管26a’に接続する夫々の分岐管26b’同士の間隔を67cm、2本の分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを1畝の小豆に向かうよう調整した。
刈取部を小豆の方向に向けて走行させる。刈刃が小豆に近づくにつれて、夫々の畝において2本の分岐管26b’が小豆の豆及び莢に衝突することが殆どなく、小豆の両側を通り抜ける。このため、夫々の畝で栽培されている小豆の莢から豆が弾け出ることが殆ど生じない。
刈刃が小豆を刈り取る位置に近づいたとき、夫々の畝に対応して位置及び向きを調整された2本の分岐管26b’は、先端部26b1’から刈刃側の小豆に向けて略水平方向に空気を噴出させる位置に到達する。
さらに、刈取部の走行を続けることで、刈刃が豆類の莢及び莢を含む茎部分を刈り取る。
【0061】
ところで、小豆等の豆類は、大麦や小麦等とは異なり、地面に近い高さ位置で結実し易い、また、一つ一つの実が大きくて重い、さらには、収穫のために乾燥させる必要がある、といった特性を有している。
このため、第1実施形態、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1、1’を備えていない従来一般の大型コンバインを用いて小豆等の豆類を収穫した場合、刈刃で刈り取られたときの豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出て、落下し易い。
また、小豆等の豆類を栽培する圃場には雑草が発生し易い。そして、従来一般のコンバインを用いて圃場に雑草が発生したままの状態で小豆等の豆類の刈取を行った場合、刈刃で刈り取られた豆及び莢が、刈り取られた雑草により、刈刃の位置からプラットフォーム内後方の横送りオーガ方向への進路を妨げられて、プラットフォームの下方に落下し易くなり、収穫量のロスがより一層大きく生じる虞がある。
【0062】
しかるに、第1実施形態、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1、1’を介して、主配管26a’に接続する複数の分岐管26b’同士の間隔及び各々の分岐管26b’の先端部26b1’の向きを水平方向に調整した大型コンバインを用いた場合、夫々の畝に対し2本の分岐管26b’の先端部26b1’から噴出する空気の強力な風圧により落下しようとする豆及び莢を刈り取った雑草とともにプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込む。
刈り取られた小豆は、
図13~
図16に示したコンバインと同様、回転する一対の横送りオーガ24により搬送部30の設けられている部位に横送りされる。横送りされた豆類は、搬送部30のコンベア31により脱穀部40に搬送される。脱穀された穀粒は、選別部50により選別される。脱穀部40により排出された排藁と雑草は、排藁処理部60により細断されて外部に排出される。
【0063】
このように、第1実施形態、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1、1’を介して、主配管26a’に接続する複数の分岐管26b’同士の間隔及び各々の分岐管26b’の先端部26b1’の向きを水平方向に調整した大型コンバインを用いて小豆を収穫すると、小豆が刈刃で刈り取られたときの衝撃で莢から弾け出た豆及び自重で落下し易い豆及び莢が、夫々の畝に対し2本の分岐管26b’の先端部26b1’から噴出する空気の強力な風圧により、プラットフォームの下方に落下することなく、プラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込まれ易くなることが確認された。また、圃場に雑草が発生したままの状態で小豆の刈取を行ったときに、刈刃22で刈り取られた豆及び莢が、刈り取られた雑草により、刈刃22の位置からプラットフォーム内後方の横送りオーガ方向への進路を妨げられても、刈り取られた豆及び莢は、夫々の畝に対し2本の分岐管26b’の先端部26b1’から噴出する空気の強力な風圧により、プラットフォームの下方に落下することなく、プラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込まれ易くなることも確認された。
また、大型コンバインを用いたので、一度に多数の畝で栽培された小豆を収穫でき、作業時間を大幅に短縮できた。
このため、小豆を刈り取る際の豆や莢の落下による収穫量のロスが大幅に改善されたことと相俟って、収穫効率が極めて高くなることが認められた。
【0064】
本発明の各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1(1’)によれば、主配管26a’の刈刃22’に対して平行に配置された部分26a1’に形成された、所定の間隔をあけて夫々接続する多数の分岐管26b’の接続部を囲む大きさの長穴部26a1-1’と、夫々の分岐管26b’の主配管26a’との接続側の端部に設けられた第1の雄螺子部26b2-1’ と、第1の雄螺子部26b2-1’を螺合可能な第1の雌螺子部2b3(2a1’)が一対設けられ、一対の分岐管26b’を着脱可能な複数の分岐管接続ユニット2(2’)と、板ベルト3aとU字ボルト3bを介して夫々の分岐管接続ユニット2(2’)を主配管26a’に固定する分岐管接続ユニット固定部材3と、を有し、主配管26a’に接続する夫々の分岐管26b’同士の間隔を調整することができるように構成したので、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにすることが可能となる。
また、本発明の各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1(1’)によれば、分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを調整することができるように構成したので、2本の分岐管26b’からの空気が1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に噴出するように、分岐管26b’を取り付け、先端部26b1’の向きを調整することで、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込むことが可能となる。
その結果、収穫量のロスを極めて低減することが可能となる。そして、大型コンバインにより、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能となるため、収穫効率が極めて高くなる。
【0065】
詳しくは、第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1によれば、「分岐管接続ユニット2は、外形が主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部には分岐管26b’の接続側の端部26b2’の管径に対応する所定の大きさに形成された一対の穴部2a1を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材2aと、夫々の板状ベース部材2aに形成された夫々の穴部2a1に回動可能且つ離脱不能に設けられ、その内周に一対の第1の雌螺子部2b3を有するとともに、その上縁部には回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴2b4-1を有する回動量調整部2b4を備えた一対の環状部材2bと、板状ベース部材2aにおける、夫々の環状部材2bの回動量調整部2b4のガイド穴2b4-1の軌道上に設けられた第2の雌螺子部2c1と、第2の雌螺子部2c1に螺合する第2の雄螺子部2c2と、第2の雄螺子部2c2の根元に設けられた頭部2c3と、を有し、頭部2c3を介して回動量調整部2b4を締め付けることにより、夫々の環状部材2bを板状ベース部材2aに対して固定する環状部材固定部材2cと、を有し、主配管26a’に形成された長穴部26a1-1’の全領域を塞ぐように、環状部材2bの第1の雌螺子部2b3に分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’を螺着させた複数の分岐管接続ユニット2を、隣り合う分岐管接続ユニット2の第1の雌螺子部2b3同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、分岐管接続ユニット固定部材3を介して分岐管接続ユニット2を主配管26a’に固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニット2の板状ベース部材2aに取り付けられた状態で主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、分岐管接続ユニット2における回動量調整部2b4を所望量回動し、環状部材固定部材2cを介して環状部材2bを固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニット2の板状ベース部材2aに取り付けられた状態で主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の先端部26b1’の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができる」ように構成したので、分岐管26b’を接続するための穴を主配管26a’にあけ直すことなく、50cm、67cmを含む様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管26b’を豆及び莢に衝突させないようにすると同時に、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込む2本の分岐管26b’からの空気が1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に噴出する構成を具現化することができる。
【0066】
また、第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1によれば、分岐管接続ユニット2において、板状ベース部材2aに形成された夫々の穴部2a1に回動可能且つ離脱不能に設けられ、その内周に一対の第1の雌螺子部2b3を有するとともに、その上縁部には回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴2b4-1を有する回動量調整部2b4を備えた一対の環状部材2bを備えたので、環状部材2bの第1の雌螺子部2b3に分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’を螺着させた状態で、回動量調整部2b4を介して分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを調整することができ、取り付けた分岐管26b’の緩みを抑え易くすることができる。
【0067】
また、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1’によれば、「分岐管接続ユニット2’は、外形が主配管26b’に形成された長穴部26a1-1’の一部の領域を塞ぐ大きさを有するとともに、長手方向中央部に一対の第1の雌螺子部26b2-1’を有し、さらに、長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部まで40~50cm程度の所定の間隔を有する複数の板状ベース部材2a’と、夫々の分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’の根元近傍に固着され、第1の雄螺子部26b2-1’が第1の雌螺子部2a1’に螺合する分岐管26b’の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴2b1’を有する回動量調整部材2b’と、分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’が第1の雌螺子部2a1’に螺合する板状ベース部材2a’における、分岐管26b’に固着された回動量調整部材2b’のガイド穴2b1’の軌道上に設けられた第2の雌螺子部2c1’と、第2の雌螺子部2c1’に螺合可能な第2の雄螺子部2c2’と、第2の雄螺子部2c2’の根元に設けられた頭部2c3’と、を有し、頭部2c3’を介して回動量調整部材2b’を締め付けることにより、回動量調整部材2b’を板状ベース部材2a’に対して固定する回動量調整部材固定部材2c’と、を有し、主配管26b’に形成された長穴部26a1-1’の全領域を塞ぐように、複数の分岐管接続ユニット2’を、隣り合う分岐管接続ユニット2’の第1の雌螺子部2a1’同士が所望の間隔となるように重ね合わせ、分岐管接続ユニット固定部材3を介して分岐管接続ユニット2’を主配管26a’に固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニット2’の板状ベース部材2a’に取り付けることで主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の配置間隔を50cm、67cmを含む所望の間隔に調整することができ、板状ベース部材2a’の第1の雌螺子部2a1’に分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’を螺合させる際に、分岐管接続ユニット2’における回動量調整部材2b’を所望量回動し、回動量調整部材固定部材2c’を介して、回動量調整部材2b’を固定することにより、隣り合う分岐管接続ユニット2’の板状ベース部材2a’に取り付けることで主配管26a’に接続する分岐管26b’同士の先端部26b1’の向きを略水平方向の所望の向きに調整することができる」ように構成したので、分岐管26b’を接続するための穴を主配管26a’にあけ直すことなく、50cm、67cmを含む様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管26b’を豆及び莢に衝突させないようにすると同時に、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込む2本の分岐管26b’からの空気が1畝に播種され栽培された小豆等の豆類に噴出する構成を具現化することができる。
【0068】
また、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1’によれば、分岐管接続ユニット2’を、一対の第1の雌螺子部2a1’を有する複数の板状ベース部材2a’と、夫々の分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’の根元近傍に固着され、第1の雄螺子部26b2-1’が第1の雌螺子部2a1’に螺合する分岐管26b’の回動する軌道と同心円上の所定位置に形成された円弧状のガイド穴2b1’を有する回動量調整部材2b’と、回動量調整部材固定部材2c’と、を有して構成したので、分岐管26b’の先端部26b1’の略水平方向の向きを調整するための構成を簡素化することができる。
【0069】
また、本発明の各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1(1’)によれば、夫々の分岐管接続ユニット2(2’)は、夫々の板状ベース部材2a(2a’)の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が同じであるように構成したので、分岐管26b’を接続するための穴を主配管にあけ直すことなく、50cm、67cmを含む様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させないようにするための多数の分岐管接続ユニット2(2’)を同一規格で製造することができ、コストを抑えることができる。
【0070】
また、本発明の各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1(1’)によれば、夫々の板状ベース部材2a(2a’)の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔が異なる複数タイプの分岐管接続ユニット2(2’)を有するように構成したので、より多くの畝幅での播種に対応させて、刈り取る直前に分岐管26b’を豆及び莢に衝突させないようにすることができる。
【0071】
また、走行部と、走行部により走行させられながら農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が、刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が遠心型送風装置と接続し刈刃の前方且つ上方で該刈刃に対して略平行に配置された部分を有する主配管と、該主配管における刈刃に対して略平行に配置された部分に所定間隔をあけて夫々接続し、後方且つ下方に位置する刈刃に向けて先端部近傍が曲がり、先端部より刈刃側に向けて略水平方向に空気を噴出させる多数の細長形状の分岐管と、を有する大型コンバインにおいて、本発明の各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1(1’)を備えて構成すれば、分岐管26b’を接続するための穴を主配管26a’にあけ直すことなく、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管26b’を豆及び莢に衝突させないようにすると同時に、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込むことが可能となる。その結果、収穫量のロスを極めて低減することが可能となる。しかも、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能となるため、収穫効率が極めて高くなる。
【0072】
このため、本発明の各実施形態によれば、農作穀物を刈り取る刈取部を装備し、刈取部が刈刃と掻き込みリールと空気噴出装置とを備え、空気噴出装置が主配管と、主配管に所定の間隔をあけて夫々接続し、先端部からの空気を刈刃側に向けて噴出させる多数の分岐管と、を備えた大型コンバインにおいて、様々な畝幅での播種如何にかかわらず、刈り取る直前に分岐管を豆及び莢に衝突させず、刈り取られたときに豆及び莢の自重や、刈刃や掻き込みリールのタインに接触したときの衝撃で莢から豆が弾け出る等に起因する、小豆等の豆類を刈り取る際の豆や莢の落下を低減し、刈り取った小豆等の豆類をより確実にプラットフォーム内後方の横送りオーガへ送り込むように空気を送り込んで、収穫量のロスを極めて低減しながら、一度に大量の小豆等の豆類を収穫可能で、作業時間を大幅に短縮可能な収穫効率の極めて高い大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバインが得られる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0074】
例えば、本発明及び各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造では、夫々の分岐管接続ユニットにおける板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔、夫々の分岐管接続ユニットにおける板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔を40~50cm程度としたが、分岐管接続ユニットにおける板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔は、この数値範囲に限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造に備わる分岐管接続ユニットに加えて、別タイプの分岐管接続ユニットとして、板状ベース部材の長手方向中間位置から夫々の長手方向の端縁部までの間隔の下限が30cmのものを別途備えるようにしてもよい。そのようにすれば、例えば、畝幅が50cmよりも短い品種の小豆等の豆類が開発された場合に対応させたロスの極めて少ない収穫を実現できるようになる。
【0075】
また、例えば、本発明及び各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造においては、さらに、隣り合う分岐管接続ユニットの板状ベース部材に取り付けられた状態で主配管に接続する分岐管同士の先端部の高さ位置を所望の高さに調整することができるように構成するとより好ましい。
図12は本発明の変形例に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造の構成を示す説明図で、(a)は1本の分岐管を側方から見た図、(b)は(a)の部分拡大断面図、(c)は変形例に係る大型コンバイン用空気噴出形態調整構造を用いて、主配管に接続する複数の分岐管同士の間隔、各々の分岐管の先端部の水平方向の向き及び高さ位置を調整した状態を示す図である。
本変形例の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1”では、例えば、
図12(a)、
図12(b)に示すように、分岐管26b’に設けられた第1の雄螺子部26b2-1”の長さが、
図1~
図7に示した第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1における分岐管26b’の第1の雄螺子部26b2-1’に比べて長く、第1の雌螺子部2b3に対する第1の雄螺子部26b2-1”のねじ込み量を調整することで、例えば、
図12(c)に示すように、主配管26a’に接続する複数の分岐管26b’同士の間隔、各々の分岐管26b’の先端部26b1’の水平方向の向きに加えて、各々の分岐管26b’の先端部26b1’の高さ位置を異ならせることができるようになっている。その他の構成は、第1実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1と略同じである。
【0076】
本件発明者らは、1畝に対して向き合う2本の分岐管26b’の先端部26b1’の高さ位置が同じである場合、双方の分岐管26b’から噴出する絨毯状の空気が衝突して風圧が相殺されて減衰してしまう空間領域が1畝内の一部で発生する可能性についても検討、考察を重ねた。そして、そのような空間領域が1畝内の一部で発生した場合、刈り取った小豆類の豆や莢に十分な量の空気を噴出することができずに落下させてしまう虞を懸念した。
しかるに、本変形例の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1”によれば、第1の雌螺子部2b3に対する第1の雄螺子部26b2-1”のねじ込み量を調整することで、1畝に対して向き合う2本の分岐管26b’の先端部26b1’の高さ位置を異ならせることができるため、1畝に対して向き合う2本の分岐管26b’から噴出する絨毯状の空気の衝突を回避することができ、風圧が相殺されて減衰してしまう空間領域の発生を防止することができる。その結果、刈り取った小豆類の豆や莢に十分な量の空気を噴出させることができずに落下させてしまうことを防止することができ、刈取時の収穫量のロスをさらにより一層低減することができる。
【0077】
なお、本発明及び各実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造における、隣り合う分岐管接続ユニットの板状ベース部材に取り付けられた状態で主配管に接続する分岐管同士の先端部の高さ位置を所望の高さに調整することができるようにするための構成は、
図12に示した変形例の他に、第2実施形態の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造1’において、長さの異なる分岐管26b’を備えた構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の大型コンバイン用空気噴出形態調整構造及びそれを備えた大型コンバインは、地面に近い高さ位置で結実している小豆等の豆類を収穫することが必要とされる分野に有用である。
【符号の説明】
【0079】
1、1’、1” 大型コンバイン用空気噴出形態調整構造
2、2’ 分岐管接続ユニット
2a、2a’ 板状ベース部材
2a1 穴部
2b 環状部材
2b1 円筒部
2b2 フランジ部
2b3、2a1’ 第1の雌螺子部
2b4 回動量調整部
2b4-1、2b1’ 円弧状のガイド穴
2b’ 回動量調整部材
2c 環状部材固定部材
2c’ 回動量調整部材固定部材
2c1、2c1’ 第2の雌螺子部
2c2、2c2’ 第2の雄螺子部
2c3、2c3’ 頭部
3 分岐管接続ユニット固定部材
3a 板ベルト
3a1、3a2 端部
3b U字ボルト
10 走行部
20、20’ 刈取部
21 プラットフォーム
22、22’ 刈刃
23、23’ 掻き込みリール
23a リール支持アーム
23b リール支軸
23c リール形成アーム
23d 連結片
23e タインバー
23f タイン
24 横送りオーガ
24a 円筒状部材
24b 螺旋状部材
24c 掻き込みフィンガ
25 分草部材
26’ 空気噴出装置
26a’ 主配管
26a1’ 刈刃22’の前方且つ上方で刈刃22’に対して略平行に配置された部分
26a1-1’ 長穴部
26b’ 分岐管
26b2’ (主配管26a’との)接続側の端部
26b2-1’、26b2-1” 第1の雄螺子部
26b1’ 先端部
26c’ 遠心型送風装置
30 搬送部
31 コンベア
40 脱穀部
50 選別部
60 排藁処理部