(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007535
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20250109BHJP
F24C 3/10 20060101ALI20250109BHJP
F24C 15/34 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A47J37/06 366
F24C3/10 F
F24C15/34 D
A47J37/06 316
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108992
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】591031902
【氏名又は名称】シンポ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 孝美
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AB04
4B040AC01
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA02
4B040CB02
4B040CB10
(57)【要約】
【課題】新規な構造を有する加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器1000は、ドレインパン10と、メインバーナ40と、パイロットバーナ112と、を備える。ドレインパン10は、底壁11、底壁11から立ち上がる筒状の内周壁12、および底壁11から立ち上がる外周壁13を備える。また、ドレインパン10は、底壁11を貫通すると共に内周壁12によって囲まれた開口部12aを有する。メインバーナ40の一部は、開口部12a内に配置されている。パイロットバーナ112は、底壁11よりも下方に配置され、開口部12aの下に位置していない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁、前記底壁から立ち上がる筒状の内周壁および前記底壁から立ち上がる外周壁を備え、前記底壁を貫通すると共に前記内周壁によって囲まれた開口部を有する、ドレインパンと、
一部が前記開口部内に配置されたメインバーナと、
前記底壁よりも下方に配置され、前記開口部の下に位置していないパイロットバーナと、
を備える加熱調理器。
【請求項2】
底壁、前記底壁から立ち上がる筒状の内周壁および前記底壁から立ち上がる外周壁を備え、前記底壁を貫通すると共に前記内周壁によって囲まれた開口部を有する、ドレインパンと、
一部が前記開口部内に配置されたメインバーナと、
前記底壁よりも下方に配置され、輻射熱を遮断する保護部材と、
を備える加熱調理器。
【請求項3】
底壁、前記底壁から立ち上がる筒状の内周壁および前記底壁から立ち上がる外周壁を備え、前記底壁を貫通すると共に前記内周壁によって囲まれた開口部を有する、ドレインパンと、
一部が前記開口部内に配置されたメインバーナと、
前記底壁よりも下方に配置された底板と、
前記底板に直接的または間接的に固定されたバーナ支持部材であって、前記メインバーナを支持すると共に、前記内周壁の内面に接触することで前記ドレインパンのガタつきを抑制するバーナ支持部材と、
を備える加熱調理器。
【請求項4】
前記内周壁は上方に向かうにしたがい次第に縮径しており、
前記バーナ支持部材は複数の傾斜面を有しており、前記複数の傾斜面は、前記開口部内に配置されると共に前記内周壁の内面に接触している、
請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
底壁、前記底壁から立ち上がる筒状の内周壁および前記底壁から立ち上がる外周壁を備え、前記底壁を貫通すると共に前記内周壁によって囲まれた開口部を有する、ドレインパンと、
一部が前記開口部内に配置されたメインバーナと、
前記底壁よりも下方に配置された底板と、
前記底板に直接的または間接的に固定され、前記内周壁の内面に接触することで前記ドレインパンのガタつきを抑制するガタつき抑制部材と、
を備える加熱調理器。
【請求項6】
前記内周壁は上方に向かうにしたがい次第に縮径しており、
前記ガタつき抑制部材は複数の傾斜面を有しており、前記複数の傾斜面は、前記開口部内に配置されると共に前記内周壁の内面に接触している、
請求項5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
ドレインパン、メインバーナ、前記メインバーナの上方に配置される熱板および前記熱板の上方に配置される調理器具を備える加熱調理器に後付け可能なアタッチメントであって、
上下方向に延び、前記ドレインパン上に配置可能な支持部と、
前記調理器具を載置するための載置部であって、前記支持部の上部から外方に延び、前記支持部を前記ドレインパン上に配置したときに、上面が前記熱板の上端よりも上方に位置する載置部と、
前記載置部から上方に延び、前記載置部上に載置された前記調理器具の水平方向への移動を規制する規制部と、
を備えるアタッチメント。
【請求項8】
ドレインパンと、
メインバーナと、
前記メインバーナの上方に配置された熱板と、
前記ドレインパン上に載置された請求項7に記載のアタッチメントと、
前記載置部上に載置され、前記熱板よりも上方に位置する調理器具と、
を備える加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、上方開口状の箱体を有し、該箱体の内部にバーナを備えた加熱部が配置され、上方開口部に焼肉用調理具又は鍋用五徳が着脱可能に配置されると共に、箱体の底部にドレインパンが配置され、上記加熱部の外周部と箱体の内周面との間に帯環状の遮熱板を配置したことを特徴とする加熱調理器具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新規な構造を有する加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下に掲げる態様の発明を提供する。
底壁、前記底壁から立ち上がる筒状の内周壁および前記底壁から立ち上がる外周壁を備え、前記底壁を貫通すると共に前記内周壁によって囲まれた開口部を有する、ドレインパンと、
一部が前記開口部内に配置されたメインバーナと、
前記底壁よりも下方に配置され、前記開口部の下に位置していないパイロットバーナと、
を備える加熱調理器。
【発明の効果】
【0006】
本発明の加熱調理器では、パイロットバーナは、ドレインパンの開口部の下に位置していない。したがって、ドレインパンの開口部を通って落下した食材の油や食材の燃えカスによってパイロットバーナが汚れ難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】テーブルおよび第1実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
【
図3】加熱調理器の底部の上方から見た斜視図である。
【
図4】バーナ支持部材の側壁に沿って切断した加熱調理器の断面図である。
【
図5】加熱調理器の底部の下方から見た斜視図である。
【
図6】ドレインパンと点火装置との位置関係を示す、ドレインパンおよび点火装置の平面図である。
【
図8】第2実施形態に係る加熱調理器の断面図である。
【
図10】変形例に係る加熱調理器の底部の上方から見た斜視図である。
【
図11】バーナ支持部材の側壁に沿って切断した変形例に係る加熱調理器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<1.第1実施形態>
図面を参照しつつ、第1実施形態に係る加熱調理器1000について説明する。
【0009】
加熱調理器1000は、食材を加熱調理するための装置である。一実施形態において、加熱調理器1000は、例えば焼肉や焼き鳥など、食材を焼いて調理するための加熱調理器である。
【0010】
図1に示すように、加熱調理器1000は、加熱調理器1000全体がテーブルTの天板上に配置可能な卓上型の加熱調理器であってもよい。あるいは、加熱調理器1000は、加熱調理器1000の大部分が、テーブルTの天板の下に設けられた筐体内に収容可能な埋込型の加熱調理器であってもよい。
【0011】
<1-1.加熱調理器の構造>
図2に示すように、加熱調理器1000は、主に、ドレインパン10と、ガスパイプ20と、ケーシング30と、メインバーナ40と、熱板受け50と、熱板60と、調理器具70と、底板80と、バーナ支持部材90と、保護部材100と、点火装置110と、ドレインパン支持部材120と、を備える。
【0012】
ドレインパン10は、底壁11と、内周壁12と、外周壁13と、を備える。底壁11は、中央に円形の開口部を有するドーナツ状である。内周壁12は、底壁11に一体化されており、かつ底壁11の開口部の内縁から立ち上がっている。内周壁12は、上方に向かうにしたがい次第に直径が小さくなる円筒状である。内周壁12によって囲まれる空間および底壁11の開口部は、メインバーナ40を配置するための開口部12aである。外周壁13は、底壁11に一体化されており、かつ底壁11の外縁から立ち上がっている。外周壁13の上部は、外方に広がっている。外周壁13の上部は、調理器具70を配置するための段差13aを有する。
【0013】
ガスパイプ20は、ドレインパン10の外部に配置されている。ガスパイプ20は、メインバーナ40および点火装置110のパイロットバーナ112(
図3参照)に結合されている。
【0014】
ケーシング30は、ドレインパン10の外周壁13の周囲およびガスパイプ20を覆っている。
【0015】
メインバーナ40は、バーナ支持部材90によって支持されている。メインバーナ40の中心軸は、開口部12aの中心と略一致している。メインバーナ40は、開口部12aよりも下方から、開口部12a内を通り、内周壁12の上端よりも上方まで至る長さを有する。
【0016】
熱板受け50は、ドレインパン10の内周壁12の上端上に載置されている。
【0017】
熱板60は、熱板受け50上に載置されており、かつ、メインバーナ40よりも上方に位置している。
【0018】
調理器具70は、外周壁13の段差13a上に載置されており、かつ、熱板60よりも上方に位置している。調理器具70は、例えば網やロストルといった、その上に食材を載置するための部材である。
図2に示す調理器具70は、中央領域が外縁よりも盛り上がった(すなわち、外縁から中心に向けて斜め上方に湾曲した)網である。
【0019】
メインバーナ40から噴出される炎により、メインバーナ40の周囲の空気が加熱され、熱風が生成される。また、メインバーナ40から噴出される炎により、熱板60が加熱される。加熱された熱板60は、輻射熱を放射する。熱風および熱板60からの輻射熱により、調理器具70および調理器具70上の食材が加熱される。
【0020】
底板80は、ドレインパン10の底壁11よりも下方に、底壁11と間隔をあけて配置されている。底板80は、ケーシング30にネジによって固定されている。
【0021】
図3に示すように、ドレインパン支持部材120は、ドレインパン10の底壁11と底板80との間に配置されており、底板80および保護部材100に、ネジによって固定されている。ドレインパン支持部材120は、ドレインパン10の底壁11に接触しており、ドレインパン10を下方から支持している。ドレインパン支持部材120は、長尺なU字型の部材から成る。ドレインパン支持部材120は、開口部12aの中心軸に直交するように、開口部12aの下を通って水平に延びている。
【0022】
バーナ支持部材90は、メインバーナ40を支持している。バーナ支持部材90は、ドレインパン支持部材120に、ネジによって固定されている。したがって、バーナ支持部材90は、ドレインパン支持部材120を介して底板80に固定されており、底板80に対して不動である。
【0023】
バーナ支持部材90は、上壁91と、上壁91から下方に延びる2つの側壁92,93と、を備える。バーナ支持部材90は、逆U字型の形状を有している。2つの側壁92,93は、上壁91と直交している。また、2つの側壁92,93は、互いに平行である。
【0024】
上壁91は、開口部を有する。上壁91の開口部の中心は、開口部12aの中心軸上に位置している。メインバーナ40は、上壁91の開口部に挿入されると共に、上壁91に固定されている。
【0025】
側壁92は、ドレインパン支持部材120の側壁と平行に、かつドレインパン支持部材120の側壁よりも上方まで延びている。側壁92は、開口部12aの中心軸から水平方向にずれた位置に配置されている。
【0026】
側壁92の幅は、上壁91よりも長くなっている。
図3および
図4に示すように、側壁92の幅方向両端の角部は、斜めに切断されている。すなわち、側壁92の幅方向両端の角部は、斜め下方に傾斜する傾斜面92aである。
【0027】
図4に示すように、バーナ支持部材90の上部(側壁92,93の上部および上壁91)は、開口部12a内に配置されている。側壁92の2つの傾斜面92aはそれぞれ、ドレインパン10の内周壁12の内面に接触している。傾斜面92aの傾斜角度は、内周壁12の傾斜角度と同じか、または、内周壁12の傾斜角度に近いことが好ましい。
【0028】
図3および
図5に示すように、保護部材100は、底板80の下に配置されている。保護部材100は、加熱調理器1000の使用中に、メインバーナ40や熱板60といった温度が高くなった部材から下方に放射された輻射熱を遮断する。これにより、加熱調理器1000の下に配置された物体(例えば、テーブルTの天板)を輻射熱から保護できる。
【0029】
保護部材100は、底板80にネジによって固定されている。ケーシング30には、脚部150(
図2参照)が結合されている。脚部150は、テーブルTの天板に接触している。保護部材100は、テーブルTの天板から浮いている。なお、埋込型の加熱調理器1000の場合、脚部150は不要である。
【0030】
保護部材100は、板材から成る。保護部材100は、光沢を有する金属材料製であることが好ましく、光沢を有するステンレス製であることが好ましい。光沢を有するステンレスとしては、例えば、2B以上の表面仕上げが施されたステンレスが挙げられる。なお、2B仕上げされたステンレスとは、冷間圧延後に、焼鈍され、次いで酸洗いされ、そして、スキンパス圧延されたステンレスのことである。
【0031】
図3および
図5に示すように、点火装置110は、底板80上に配置されている。点火装置110は、点火プラグ111と、パイロットバーナ112と、ホルダ113と、ガイド114と、を含む。
【0032】
点火プラグ111は、例えばスパークによって、パイロットバーナ112に点火するための装置である。パイロットバーナ112は、メインバーナ40から噴出される混合気に点火するためのバーナである。
【0033】
点火プラグ111およびパイロットバーナ112は、ホルダ113に保持されている。ホルダ113は、ガイド114にネジによって固定されている。ガイド114は、底板80にネジによって固定されている。ガイド114は、パイロットバーナ112から噴出された炎をメインバーナ40に向けて案内する。
【0034】
図6に示すように、点火装置110(すなわち、点火プラグ111、パイロットバーナ112、ホルダ113およびガイド114)は、ドレインパン10の底壁11の下に隠れており、開口部12aの下に位置していない。言い換えると、点火装置110は、開口部12aから水平方向にずれた位置に配置されている。したがって、点火装置110は、平面視において、開口部12aから露出していない。
【0035】
<1-2.効果>
ドレインパン10は、メインバーナ40を配置するための開口部12aを有している。食材から出た油や食材の燃えカスは、開口部12aを通って落下する。仮にメインバーナ40を点火するためのパイロットバーナ112が、ドレインパン10の開口部12aの下に配置されていたとすると、食材から出た油や食材の燃えカスによってパイロットバーナ112が汚れる可能性がある。パイロットバーナ112が汚れると、パイロットバーナ112の点火不良が発生するおそれがある。そこで、本発明の加熱調理器1000では、パイロットバーナ112を、ドレインパン10の開口部12aの下に配置しないようにした。これにより、開口部12aを通って落下した食材の油や食材の燃えカスが、パイロットバーナ112に付着することを抑制できる。その結果、パイロットバーナ112が汚れ難くなると共に、パイロットバーナ112の点火不良を防止できる。
【0036】
点火プラグ111は、ドレインパン10の開口部12aの下に位置していない。これにより、開口部12aを通って落下した食材の油や食材の燃えカスが、点火プラグ111に付着することを抑制できる。その結果、点火プラグ111が汚れ難くなると共に、点火プラグ111の作動不良を防止できる。
【0037】
ガイド114は、ドレインパン10の開口部12aの下に位置していない。これにより、開口部12aを通って落下した食材の油や食材の燃えカスが、ガイド114に溜まることを抑制できる。すなわち、パイロットバーナ112から噴出された炎の流路に食材の油や食材の燃えカスが溜まることを抑制できるため、パイロットバーナ112から噴出された炎がメインバーナ40に確実に案内される。
【0038】
バーナ支持部材90はドレインパン支持部材120を介して間接的に底板80に固定されている。バーナ支持部材90の側壁92の2つの傾斜面92aは、ドレインパン10の内周壁12の内面に接触している。このように、底板80に対して不動であるバーナ支持部材90によってドレインパン10を支持することにより、ドレインパン10のガタつきを防止できる。
【0039】
加熱調理器1000は、保護部材100を備えている。保護部材100により、保護部材100よりも下に存在する物体が輻射熱によって損傷を受けることを防止できる。例えば、卓上型の加熱調理器1000の場合には、テーブルTの天板が輻射熱によって焦げることを防止できる。
【0040】
<2.第2実施形態>
図7および
図8を参照して、第2実施形態に係る加熱調理器2000について説明する。以下では、第2実施形態に係る加熱調理器2000と第1実施形態に係る加熱調理器1000との相違点を中心に説明する。第2実施形態に係る加熱調理器2000の構成要素のうち、第1実施形態に係る加熱調理器1000の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すと共に、その構成要素の詳細な構造および機能の説明を省略する。
【0041】
調理器具70として、中央領域が外縁に比べて盛り上がっている網(
図2参照)を使用する場合、網の中央領域をより高温に加熱するために、熱板60をより高い位置に配置して、熱板60を網に近づけることが好ましい。しかしながら、熱板60の位置を高くすると、平坦な網(すなわち、外縁と中央領域とが同一平面上に位置する網)を使用する場合には、熱板60が平坦な網の中央領域に接触してしまうおそれがある。そこで、本発明の第2実施形態は、平坦な調理器具70が熱板60と干渉しないように構成された加熱調理器2000を提供することを目的としている。
【0042】
<2-1.加熱調理器の構造>
加熱調理器2000は、
図8に示すように、調理器具70が平坦(例えば、平坦な網)である点および平坦な調理器具70を上方に持ち上げるためのアタッチメント130をさらに備える点で、第1実施形態に係る加熱調理器1000と相違する。加熱調理器2000のそれら以外の構成要素は、加熱調理器1000の構成要素と同じである。
【0043】
図7に示すように、アタッチメント130は、円筒状の支持部131と、ドーナツ状の載置部132と、円筒状の規制部133と、を備える。
【0044】
図8に示すように、支持部131は、ドレインパン10の段差13b上に載置される。支持部131の上端は、熱板60の上端よりも上方に位置している。
【0045】
載置部132は、ドーナツ状の平板から成る。載置部132上には、調理器具70が載置される。載置部132は、支持部131の上端から径方向外方に水平に延出している。載置部132の上面は、熱板60の上端よりも上方に位置している。
【0046】
規制部133は、調理器具70の水平方向への移動を規制する。規制部133は、載置部132の外縁から上方に延出しており、調理器具70の外縁よりも外方に位置している。規制部133は、調理器具70の外縁の全周を囲っていることが好ましい。また、規制部133の上下方向長さは、調理器具70の外縁の厚みよりも大きいことが好ましい。すなわち、規制部133の上端は、調理器具70の外縁の上端よりも上方に位置していることが好ましい。
【0047】
<2-2.効果>
加熱調理器2000がアタッチメント130を備えることにより、アタッチメント130を使用しない場合よりも、調理器具70を高い位置に配置できる。これにより、調理器具70が平坦であったとしても、調理器具70が熱板60と接触することを防止できる。
【0048】
アタッチメント130が規制部133を備えることにより、調理器具70が水平方向にずれてしまうことを防止できる。
【0049】
規制部133が調理器具70の外縁の全周を囲っていることにより、加熱調理器2000の使用中に、喫食者が、熱くなった調理器具70に触れてしまうことを防止できる。
【0050】
規制部133の上端が、調理器具70の外縁の上端よりも上方に位置していることにより、加熱調理器2000の使用中に、喫食者が、熱くなった調理器具70に触れてしまうことを防止できる。
【0051】
<3.変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。以下に、本発明の変形例を説明する。以下で説明する変形例は、単独で、または、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせて、上記実施形態に適用できる。
【0052】
(3-1)底板80と保護部材100とを別部材から構成するのではなく、底板80が保護部材100を兼ねていてもよい。
【0053】
(3-2)バーナ支持部材90は、ドレインパン支持部材120を介して底板80に固定されるのではなく、底板80に直接固定されていてもよい。
【0054】
(3-3)加熱調理器1000,2000が卓上型である場合には、加熱調理器1000,2000が保護部材100を備えることが好ましいが、加熱調理器1000,2000が埋込型である場合には、加熱調理器1000,2000は必ずしも保護部材100を備えていなくてもよい。
【0055】
(3-4)上記では、バーナ支持部材90の側壁92の傾斜面92aがドレインパン10の内周壁12に接触している実施形態について説明した。しかしながら、加熱調理器1000,2000は、
図9に示すように、バーナ支持部材90とは別部材から成るガタつき抑制部材140をさらに備え、バーナ支持部材90の傾斜面92aの代わりに、ガタつき抑制部材140の一部が内周壁12の内面に接触するようにしてもよい。
【0056】
図10および
図11に示すように、ガタつき抑制部材140は、バーナ支持部材90上に配置されている。ガタつき抑制部材140は、上壁141と、上壁141から下方に延びる側壁142と、を備える。上壁141は、メインバーナ40を通過させるための開口部を有している。上壁141は、上壁91とメインバーナ40との間に挟まれることによって、上壁91に固定されている。既に述べたように、バーナ支持部材90は、ドレインパン支持部材120を介して底板80に固定されているため、バーナ支持部材90に固定されたガタつき抑制部材140は、底板80に対して不動である。側壁142は、バーナ支持部材90の側壁92の外側に位置している。側壁142の幅は、側壁92の幅よりも大きくなっている。側壁142の幅方向の両端面は、下方に向かうにしたがい外方に広がるように傾斜する傾斜面142aである。側壁142は、ドレインパン10の開口部12aの中心から水平方向にずれた位置に配置されている。
図11に示すように、ガタつき抑制部材140の上部(側壁142の上部および上壁141)は開口部12a内に挿入されている。側壁142の2つの傾斜面142aはそれぞれ、ドレインパン10の内周壁12の内面に接触している。傾斜面142aの傾斜角度は、内周壁12の傾斜角度と同じか、または、内周壁12の傾斜角度に近いことが好ましい。
【0057】
ガタつき抑制部材140は、バーナ支持部材90およびドレインパン支持部材120を介して底板80に固定されるのではなく、底板80に直接固定されていてもよい。
【0058】
<4.発明の開示>
本発明は、以下に掲げる態様の発明も提供する。
(項1)
底壁、前記底壁から立ち上がる筒状の内周壁および前記底壁から立ち上がる外周壁を備え、前記底壁を貫通すると共に前記内周壁によって囲まれた開口部を有する、ドレインパンと、
一部が前記開口部内に配置されたメインバーナと、
を備える加熱調理器。
【0059】
(項2)
前記底壁よりも下方に配置され、かつ前記開口部の下に位置していないパイロットバーナをさらに備える、
項1に記載の加熱調理器。
【0060】
(項3)
前記底壁よりも下方に配置され、輻射熱を遮断する保護部材をさらに備える、
項1または2に記載の加熱調理器。
【0061】
(項4)
前記底壁よりも下方に配置された底板と、
前記底板に直接的または間接的に固定されたバーナ支持部材であって、前記メインバーナを支持すると共に、前記内周壁の内面に接触することで前記ドレインパンのガタつきを抑制するバーナ支持部材と、
をさらに備える項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【0062】
(項5)
前記内周壁は上方に向かうにしたがい次第に縮径しており、
前記バーナ支持部材は複数の傾斜面を有しており、前記複数の傾斜面は、前記開口部内に配置されると共に前記内周壁の内面に接触している、
項4に記載の加熱調理器。
【0063】
(項6)
前記底壁よりも下方に配置された底板と、
前記底板に直接的または間接的に固定され、前記内周壁の内面に接触することで前記ドレインパンのガタつきを抑制するガタつき抑制部材と、
をさらに備える項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【0064】
(項7)
前記内周壁は上方に向かうにしたがい次第に縮径しており、
前記ガタつき抑制部材は複数の傾斜面を有しており、前記複数の傾斜面は、前記開口部内に配置されると共に前記内周壁の内面に接触している、
項6に記載の加熱調理器。
【0065】
(項8)
前記メインバーナの上方に配置される熱板と、
前記ドレインパン上に配置されたアタッチメントと、
前記アタッチメント上に配置され、前記熱板よりも上方に位置する調理器具と、
をさらに備える項1から7のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【0066】
(項9)
前記アタッチメントは、
上下方向に延び、前記ドレインパン上に配置された支持部と、
前記調理器具を載置するための載置部であって、前記支持部の上部から外方に延び、上面が前記熱板の上端よりも上方に位置している載置部と、
前記載置部から上方に延び、前記載置部上に載置された前記調理器具の水平方向への移動を規制する規制部と、
を備える項8に記載の加熱調理器。
【0067】
(項10)
ドレインパン、メインバーナ、前記メインバーナの上方に配置される熱板および前記熱板の上方に配置される調理器具を備える加熱調理器に後付け可能なアタッチメントであって、
上下方向に延び、前記ドレインパン上に配置可能な支持部と、
前記調理器具を載置するための載置部であって、前記支持部の上部から外方に延び、前記支持部を前記ドレインパン上に配置したときに、上面が前記熱板の上端よりも上方に位置する載置部と、
前記載置部から上方に延び、前記載置部上に載置された前記調理器具の水平方向への移動を規制する規制部と、
を備えるアタッチメント。
【符号の説明】
【0068】
1000 加熱調理器
2000 加熱調理器
10 ドレインパン
11 底壁
12 内周壁
12a 開口部
13 外周壁
40 メインバーナ
60 熱板
70 調理器具
80 底板
90 バーナ支持部材
92a 傾斜面
100 保護部材
112 パイロットバーナ
130 アタッチメント
131 支持部
132 載置部
133 規制部
140 ガタつき抑制部材
142a 傾斜面