(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007583
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F25B 47/00 20060101AFI20250109BHJP
F25B 6/02 20060101ALI20250109BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20250109BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20250109BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20250109BHJP
F24F 1/14 20110101ALI20250109BHJP
【FI】
F25B47/00 A
F25B6/02 Z
F25B43/00 R
F25B39/00 C
F28D1/053 A
F24F1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109081
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 佳憲
【テーマコード(参考)】
3L054
3L103
【Fターム(参考)】
3L054BA05
3L103AA22
3L103BB42
3L103CC18
3L103CC22
3L103DD08
3L103DD32
(57)【要約】
【課題】室外熱交換器が着霜してしまうことを抑制できる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置は、第1の室外熱交換器と、室内熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、四方弁と、気液分離器と、第1の膨張弁と、第2の膨張弁と、第3の配管と、第2の室外熱交換器と、ファンとを備える。前記第1の配管及び第2の配管は、前記第1の室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続する。前記圧縮機及び前記四方弁は、前記第1の配管に設けられる。前記気液分離器、前記第1の膨張弁、及び前記第2の膨張弁は、前記第2の配管に設けられる。前記第3の配管は、前記四方弁と前記室内熱交換器の間において前記第1の配管に接続されるとともに、前記第2の配管に接続される。前記第2の室外熱交換器は、前記第3の配管に設けられる。前記ファンは、前記第2の室外熱交換器から前記第1の室外熱交換器に向かって流れる気流を生じさせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の室外熱交換器と、
室内熱交換器と、
前記第1の室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続する第1の配管と、
前記室内熱交換器と前記第1の室外熱交換器とを接続する第2の配管と、
前記第1の配管に設けられ、冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する、圧縮機と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な、四方弁と、
前記第2の配管に設けられた気液分離器と、
前記室内熱交換器と前記気液分離器との間で前記第2の配管に設けられた第1の膨張弁と、
前記第1の室外熱交換器と前記気液分離器との間で前記第2の配管に設けられた第2の膨張弁と、
前記四方弁と前記室内熱交換器の間において前記第1の配管に接続されるとともに、前記気液分離器と前記第1の膨張弁との間において前記第2の配管に接続された、第3の配管と、
前記第3の配管に設けられた第2の室外熱交換器と、
前記第2の配管と前記第2の室外熱交換器との間において前記第3の配管に設けられた第1の電磁弁と、
前記第2の室外熱交換器から前記第1の室外熱交換器に向かって流れる気流を生じさせるファンと、
を具備する空気調和装置。
【請求項2】
前記気液分離器に接続されるとともに、前記吸入口と前記四方弁との間で前記第1の配管に接続された、第4の配管、
をさらに具備する請求項1の空気調和装置。
【請求項3】
前記第1の室外熱交換器は、マイクロチャネル熱交換器である、
請求項2の空気調和装置。
【請求項4】
前記第2の室外熱交換器は、マイクロチャネル熱交換器である、
請求項3の空気調和装置。
【請求項5】
前記第4の配管に設けられた第2の電磁弁、
をさらに具備する請求項2の空気調和装置。
【請求項6】
前記第1の配管と前記第1の室外熱交換器との間に介在する複数の第1の分岐管と、
前記第2の配管と前記第1の室外熱交換器との間に介在する複数の第2の分岐管と、
をさらに具備し、
前記第1の室外熱交換器は、複数の扁平管を有し、
前記複数の第1の分岐管のそれぞれは、前記複数の扁平管のうち一つ又は二つの前記扁平管と前記第1の配管とを接続し、
前記複数の第2の分岐管のそれぞれは、前記複数の扁平管のうち一つ又は二つの前記扁平管と前記第2の配管とを接続する、
請求項3の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮及び蒸発により、室内の温度を調節する。冷媒は、暖房運転において室外熱交換器(蒸発器)で蒸発し、室内熱交換器(凝縮器)で凝縮する。反対に、冷媒は、冷房運転において室外熱交換器(凝縮器)で凝縮し、室内熱交換器(蒸発器)で蒸発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
暖房運転において、室外熱交換器に液相又は気液二相の冷媒が供給される。室外熱交換器において冷媒が適切に蒸発できない場合、液相の冷媒が室外熱交換器に溜まり、室外熱交換器の表面に霜が生じる虞がある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、室外熱交換器が着霜してしまうことを抑制できる空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、第1の室外熱交換器と、室内熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、四方弁と、気液分離器と、第1の膨張弁と、第2の膨張弁と、第3の配管と、第2の室外熱交換器と、第1の電磁弁と、ファンと、を備える。前記第1の配管は、前記第1の室外熱交換器と前記室内熱交換器とを接続する。前記第2の配管は、前記室内熱交換器と前記第1の室外熱交換器とを接続する。前記圧縮機は、前記第1の配管に設けられ、冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する。前記四方弁は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能である。前記気液分離器は、前記第2の配管に設けられる。前記第1の膨張弁は、前記室内熱交換器と前記気液分離器との間で前記第2の配管に設けられる。前記第2の膨張弁は、前記第1の室外熱交換器と前記気液分離器との間で前記第2の配管に設けられる。前記第3の配管は、前記四方弁と前記室内熱交換器の間において前記第1の配管に接続されるとともに、前記気液分離器と前記第1の膨張弁との間において前記第2の配管に接続される。前記第2の室外熱交換器は、前記第3の配管に設けられる。前記第1の電磁弁は、前記第2の配管と前記第2の室外熱交換器との間において前記第3の配管に設けられる。前記ファンは、前記第2の室外熱交換器から前記第1の室外熱交換器に向かって流れる気流を生じさせる。
【0007】
上記空気調和装置は、前記気液分離器に接続されるとともに、前記吸入口と前記四方弁との間で前記第1の配管に接続された、第4の配管をさらに備える。
【0008】
上記空気調和装置において、前記第1の室外熱交換器は、マイクロチャネル熱交換器である。
【0009】
上記空気調和装置において、前記第2の室外熱交換器は、マイクロチャネル熱交換器である。
【0010】
上記空気調和装置は、前記第4の配管に設けられた第2の電磁弁をさらに備える。
【0011】
上記空気調和装置は、記第1の配管と前記第1の室外熱交換器との間に介在する複数の第1の分岐管と、前記第2の配管と前記第1の室外熱交換器との間に介在する複数の第2の分岐管と、をさらに備える。前記第1の室外熱交換器は、複数の扁平管(flattened tubes)を有する。前記複数の第1の分岐管のそれぞれは、前記複数の扁平管のうち一つ又は二つの前記扁平管と前記第1の配管とを接続する。前記複数の第2の分岐管のそれぞれは、前記複数の扁平管のうち一つ又は二つの前記扁平管と前記第2の配管とを接続する。
【0012】
以上の空気調和装置によれば、例えば、暖房運転において、圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒の一部は、第3の配管の第2の室外熱交換器へ流れる。このため、第2の室外熱交換器は、凝縮器として機能する。ファンが発生させた気流は、第2の室外熱交換器が放出した熱により比較的高温となり、第1の室外熱交換器へ熱を供給する。これにより、空気調和装置は、蒸発器である第1の室外熱交換器における熱交換の効率を向上でき、第1の室外熱交換器に液相の冷媒が溜まってしまうことを抑制できる。従って、空気調和装置は、第1の室外熱交換器が着霜してしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一つの実施形態に係る暖房運転時の空気調和装置を概略的に示す冷媒系統図である。
【
図2】
図2は、上記実施形態の冷房運転時の空気調和装置を概略的に示す冷媒系統図である。
【
図3】
図3は、上記実施形態の第1の室外熱交換器を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、一つの実施形態について、
図1乃至
図3を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0015】
以下の説明において、「抑制する」は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。
【0016】
図1は、一つの実施形態に係る暖房運転時の空気調和装置10を概略的に示す冷媒系統図である。空気調和装置10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和装置10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和装置であっても良い。
【0017】
図1に示すように、空気調和装置10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
【0018】
空気調和装置10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
【0019】
室外機11は、第1の室外熱交換器21と、第2の室外熱交換器22と、室外送風ファン23と、圧縮機24と、アキュムレータ25と、四方弁26と、気液分離器27と、第1の膨張弁31と、第2の膨張弁32と、第1の電磁弁33と、第2の電磁弁34と、第1の分流器35と、第2の分流器36と、第3の分流器37と、蓄熱材38とを有する。なお、蓄熱材38は省略されても良い。室外送風ファン23は、ファンの一例である。室内機12は、室内熱交換器41と、室内送風ファン42とを有する。
【0020】
冷媒配管13は、例えば、金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53と、第4の配管54と、複数の第1の分岐管55と、複数の第2の分岐管56と、複数の第3の分岐管57とを有する。
【0021】
第1の配管51は、室内熱交換器41と第1の室外熱交換器21とを接続する。圧縮機24、アキュムレータ25、及び四方弁26は、第1の配管51に設けられる。第2の配管52は、第1の室外熱交換器21と室内熱交換器41とを接続する。気液分離器27、第1の膨張弁31、及び第2の膨張弁32は、第2の配管52に設けられる。
【0022】
暖房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って第1の室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第2の配管52を通って室内熱交換器41から第1の室外熱交換器21へ流れる。
図1の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示す。
【0023】
図2は、本実施形態の冷房運転時の空気調和装置10を概略的に示す冷媒系統図である。冷房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から第1の室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52を通って第1の室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。
図2の矢印は、冷房運転における冷媒の流れを示す。
【0024】
室外機11の第1の室外熱交換器21は、暖房運転において蒸発器として冷媒の吸熱を行い、冷房運転において凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン23は、第1の室外熱交換器21及び第2の室外熱交換器22を通過する気流FAを生じさせ、第1の室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。
【0025】
圧縮機24は、吸入口24aと吐出口24bとを有する。圧縮機24は、吸入口24aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口24bから吐出する。これにより、圧縮機24は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
【0026】
アキュムレータ25は、圧縮機24の吸入口24aに接続される。アキュムレータ25は、液状の冷媒とガス状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機24は、アキュムレータ25を通過したガス状の冷媒を吸入口24aから吸入することができる。アキュムレータ25は、圧縮機24と一体に構成されることで、圧縮機24の吸入口となることができる。
【0027】
四方弁26は、第1の室外熱交換器21と、室内熱交換器41と、圧縮機24の吐出口24bと、アキュムレータ25(圧縮機24の吸入口24a)とに接続される。四方弁26は、暖房運転時と冷房運転時とで、第1の室外熱交換器21、室内熱交換器41、圧縮機24の吐出口24b、及びアキュムレータ25のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
【0028】
図1に示すように、暖房運転時において、四方弁26は、第1の室外熱交換器21とアキュムレータ25とを接続する。さらに、暖房運転時において、四方弁26は、室内熱交換器41と圧縮機24の吐出口24bとを接続する。これにより、圧縮機24で圧縮された冷媒が室内熱交換器41へ流れ、第1の室外熱交換器21で蒸発した冷媒がアキュムレータ25へ流れる。
【0029】
図2に示すように、冷房運転時において、四方弁26は、第1の室外熱交換器21と圧縮機24の吐出口24bとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁26は、室内熱交換器41とアキュムレータ25とを接続する。これにより、圧縮機24で圧縮された冷媒が第1の室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器41で蒸発した冷媒がアキュムレータ25へ流れる。
【0030】
気液分離器27は、液相の冷媒を貯留可能な容器である。気液分離器27に、第1の接続口27aと、第2の接続口27bと、第3の接続口27cとが設けられる。第1の接続口27aは、第2の配管52を通じて室内熱交換器41に接続される。第2の接続口27bは、第2の配管52を介して第1の室外熱交換器21に接続される。
【0031】
第1の接続口27a及び第2の接続口27bは、例えば、気液分離器27の底に設けられる。このため、気液分離器27に貯留された液相の冷媒が、第1の接続口27a又は第2の接続口27bから流出することができる。
【0032】
第3の接続口27cは、第1の接続口27a及び第2の接続口27bよりも上に位置する。例えば、第3の接続口27cは、気液分離器27に貯留される液相の冷媒の液面よりも上に位置する。このため、気液分離器27に貯留された気相の冷媒が、第3の接続口27cから流出することができる。
【0033】
第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32は、例えば、電磁膨張弁である。なお、第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32は、他の膨張弁であっても良い。第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32は、制御装置14により開度を制御されることで、第1の膨張弁31及び第2の膨張弁32を通過する冷媒の量を調節する。
【0034】
第1の膨張弁31は、室内熱交換器41と気液分離器27との間で第2の配管52に設けられる。第2の膨張弁32は、第1の室外熱交換器21と気液分離器27との間で第2の配管52に設けられる。
【0035】
室内機12の室内熱交換器41は、暖房運転において凝縮器として放熱し、冷房運転において蒸発器として吸熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。
【0036】
第3の配管53の一方の端部は、四方弁26と室内熱交換器41との間において第1の配管51に接続される。さらに、第3の配管53の他方の端部は、気液分離器27と第1の膨張弁31との間において第2の配管52に接続される。
【0037】
第2の室外熱交換器22、第1の電磁弁33、及び蓄熱材38は、第3の配管53に設けられる。第1の電磁弁33は、第2の配管52と第2の室外熱交換器22との間において、第3の配管53に設けられる。蓄熱材38は、第1の配管51と第2の室外熱交換器22との間において、第3の配管53に設けられる。
【0038】
第4の配管54の一方の端部は、気液分離器27の第3の接続口27cに接続される。第4の配管54の他方の端部は、アキュムレータ25と四方弁26との間で第1の配管51に接続される。言い換えると、第4の配管54の他方の端部は、圧縮機24の吸入口24aと四方弁26との間で第1の配管51に接続される。第2の電磁弁34は、第4の配管54に設けられる。
【0039】
第1の電磁弁33及び第2の電磁弁34は、制御装置14により開度を制御されることで、第1の電磁弁33及び第2の電磁弁34を通過する冷媒の量を調整する。蓄熱材38は、第3の配管53を流れる冷媒と熱交換する。
【0040】
複数の第1の分岐管55のそれぞれは、第1の配管51と第1の室外熱交換器21との間に介在する。第1の分流器35は、第1の配管51と複数の第1の分岐管55とを接続する。
【0041】
複数の第2の分岐管56のそれぞれは、第2の配管52と第1の室外熱交換器21との間に介在する。第2の分流器36は、第2の配管52と複数の第2の分岐管56とを接続する。
【0042】
複数の第3の分岐管57は、第2の室外熱交換器22と第1の電磁弁33との間に位置する。複数の第3の分岐管57のそれぞれは、第3の配管53と第2の室外熱交換器22との間に介在する。第3の分流器37は、第3の配管53と複数の第3の分岐管57とを接続する。
【0043】
制御装置14は、例えば、室外制御装置14aと、室内制御装置14bとを有する。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、互いに電気配線により電気的に接続される。なお、制御装置14は、この例に限られない。例えば、制御装置14は、室外制御装置14a及び室内制御装置14bのうち一方のみを有しても良い。
【0044】
室外制御装置14aは、室外機11の室外送風ファン23、圧縮機24、四方弁26、第1の膨張弁31、第2の膨張弁32、第1の電磁弁33、及び第2の電磁弁34を制御する。室内制御装置14bは、室内機12の室内送風ファン42を制御する。
【0045】
制御装置14が室外機11及び室内機12を制御することで、空気調和装置10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、及び他の運転を行う。室内制御装置14bは、例えば、リモートコントローラから信号を入力されても良いし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されても良い。
【0046】
第1の室外熱交換器21、第2の室外熱交換器22、及び室内熱交換器41は、マイクロチャネル熱交換器である。なお、第1の室外熱交換器21、第2の室外熱交換器22、及び室内熱交換器41のうち少なくとも一つが他の熱交換器であっても良い。
【0047】
図3は、本実施形態の第1の室外熱交換器21を模式的に示す断面図である。第1の室外熱交換器21は、第1のヘッダ61と、第2のヘッダ62と、複数の扁平管63と、第1の中継ヘッダ64と、第2の中継ヘッダ65と、複数の中継管66と、複数のフィン67とを有する。
【0048】
第1のヘッダ61、第2のヘッダ62、第1の中継ヘッダ64、及び第2の中継ヘッダ65のそれぞれは、略鉛直方向に延びる中空の柱状に形成される。第1のヘッダ61と第2のヘッダ62とは、互いに離間している。
図3において、第1のヘッダ61と第2のヘッダ62とは模式的に略鉛直方向(
図3の縦方向)に並べられているが、例えば、略水平方向(
図3の紙面と直交する方向)に並べられる。第1のヘッダ61及び第2のヘッダ62は、第1の中継ヘッダ64及び第2の中継ヘッダ65から、略水平方向(
図3の横方向)に離間している。
【0049】
第1のヘッダ61の内部に、複数の第1の部屋61aが設けられる。複数の第1の部屋61aは、略鉛直方向に並ぶとともに、互いに隔てられている。第2のヘッダ62の内部に、複数の第2の部屋62aが設けられる。複数の第2の部屋62aは、略鉛直方向に並ぶとともに、互いに隔てられている。
【0050】
第1の中継ヘッダ64の内部に、複数の第1の中継室64aが設けられる。複数の第1の中継室64aは、略鉛直方向に並ぶとともに、互いに隔てられている。第2の中継ヘッダ65の内部に、複数の第2の中継室65aが設けられる。複数の第2の中継室65aは、略鉛直方向に並ぶとともに、互いに隔てられている。
【0051】
複数の扁平管63は、例えば、アルミニウム合金で作られる。なお、扁平管63の材料は、この例に限られない。
図3の例において、複数の扁平管63のそれぞれは、第1の扁平管68と、第2の扁平管69とを有する。言い換えると、
図3の例では、複数の扁平管63のそれぞれが、第1の扁平管68と第2の扁平管69とに分割されている。
【0052】
複数の第1の扁平管68は、略鉛直方向に間隔を介して並べられ、略平行に延びている。また、複数の第2の扁平管69も、略鉛直方向に間隔を介して並べられ、略平行に延びている。複数の第1の扁平管68及び複数の第2の扁平管69のそれぞれに、並列に延びる複数の流路68a,69aが設けられる。このため、扁平管63は、扁平多孔管とも称される。複数の流路68a,69aは、略水平方向(
図3の紙面と直交する方向)に並ぶとともに、互いに隔てられている。
【0053】
複数の第1の扁平管68は、第1のヘッダ61及び第1の中継ヘッダ64に接続される。複数の第1の部屋61aのそれぞれに、一つ又は二つの第1の扁平管68が接続される。さらに、複数の第1の中継室64aのそれぞれに、一つ又は二つの第1の扁平管68が接続される。
【0054】
複数の第1の扁平管68のそれぞれは、第1の部屋61aと第1の中継室64aとの間で並列に延びている。第1の部屋61aと第1の中継室64aとは、それぞれの第1の扁平管68の複数の流路68aを介して互いに連通する。
【0055】
複数の第2の扁平管69は、第2のヘッダ62及び第2の中継ヘッダ65に接続される。複数の第2の部屋62aのそれぞれに、一つ又は二つの第2の扁平管69が接続される。さらに、複数の第2の中継室65aのそれぞれに、一つ又は二つの第2の扁平管69が接続される。
【0056】
複数の第2の扁平管69のそれぞれは、第2の部屋62aと第2の中継室65aとの間で並列に延びている。第2の部屋62aと第2の中継室65aとは、それぞれの第2の扁平管69の複数の流路69aを介して互いに連通する。
【0057】
複数の中継管66のそれぞれは、複数の第1の中継室64aのうち一つと複数の第2の中継室65aのうち一つとを互いに接続する。このため、第1の扁平管68と第2の扁平管69とは、第1の中継ヘッダ64、第2の中継ヘッダ65、及び中継管66を介して互いに接続される。
【0058】
フィン67は、例えばコルゲートフィンである。なお、フィン67は、ストレートフィンのような他の放熱フィンであっても良い。複数のフィン67のそれぞれは、扁平管63に熱的に接続される。複数のフィン67のうち少なくとも一つは、複数の扁平管63のうち隣り合う二つの間に位置する。
【0059】
複数の第1の分岐管55のそれぞれは、複数の第1の部屋61aのうち対応する一つに接続される。このため、複数の第1の分岐管55のそれぞれは、複数の扁平管63のうち一つ又は二つの扁平管63と第1の配管51とを接続する。
【0060】
複数の第2の分岐管56のそれぞれは、複数の第2の部屋62aのうち対応する一つに接続される。このため、複数の第2の分岐管56のそれぞれは、複数の扁平管63のうち一つ又は二つの扁平管63と第2の配管52とを接続する。
【0061】
以上のように、第1の分流器35及び複数の第1の分岐管55は、第1の配管51と複数の扁平管63とを接続する。また、第2の分流器36及び複数の第2の分岐管56は、第2の配管52と複数の扁平管63とを接続する。第1の配管51のうち第1の分流器35に接続される部分と、第2の配管52のうち第2の分流器36に接続される部分とは、略鉛直方向に延びている。
【0062】
第2の室外熱交換器22は、第1の室外熱交換器21と同様の構成を有する。すなわち、
図1に示すように、第2の室外熱交換器22は、第1のヘッダ71と、第2のヘッダ72と、複数の扁平管73とを有する。さらに、第2の室外熱交換器22は、第1の中継ヘッダ、第2の中継ヘッダ、複数の中継管、及び複数のフィンを有する。第1のヘッダ71、第2のヘッダ72、扁平管73は、以下に説明される点を除き、第1の室外熱交換器21の第1のヘッダ61、第2のヘッダ62、及び扁平管63に実質的に等しい。
【0063】
複数の第3の分岐管57は、第1のヘッダの複数の第1の部屋71aに接続される。複数の第3の分岐管57のそれぞれは、複数の扁平管73のうち一つ又は二つの扁平管73と、第3の配管53と、を接続する。
【0064】
第2のヘッダ72に、一つの第2の部屋72aが設けられる。一つの第2の部屋72aは、複数の扁平管73の全てに接続されるとともに、第3の配管53に接続される。すなわち、第2のヘッダ72は、第3の配管53と複数の扁平管63の全てとを接続する。なお、第2のヘッダ72は、第1のヘッダ71と同じく、複数の分岐管及び分流器を介して第3の配管53に接続されても良い。
【0065】
第2の室外熱交換器22は、第1の室外熱交換器21よりも小さい。このため、第2の室外熱交換器22が収容可能な冷媒の容積は、第1の室外熱交換器21が収容可能な冷媒の容積よりも小さい。第2の室外熱交換器22が小さいことで、室外機11は小型化され得る。なお、第1の室外熱交換器21及び第2の室外熱交換器22の大きさは、この例に限られない。
【0066】
第1の室外熱交換器21と、第2の室外熱交換器22と、室外送風ファン23とは、略水平方向に並べられる。第1の室外熱交換器21は、第2の室外熱交換器22と室外送風ファン23との間に位置する。なお、第2の室外熱交換器22が、第1の室外熱交換器21と室外送風ファン23との間に位置しても良い。
【0067】
室外送風ファン23が生じさせる気流FAが流れる方向において、第1の室外熱交換器21は、第2の室外熱交換器22の下流に位置する。このため、室外送風ファン23は、第2の室外熱交換器22から第1の室外熱交換器21に向かって流れる気流FAを生じさせる。
【0068】
室外送風ファン23が生じさせた気流FAは、第2の室外熱交換器22のフィンを通過し、第2の室外熱交換器22の扁平管73を流れる冷媒と熱交換する。第2の室外熱交換器22を通過した気流FAは、第1の室外熱交換器21のフィン67を通過し、第1の室外熱交換器21の扁平管63を流れる冷媒と熱交換する。
【0069】
空気調和装置10は、複数の温度センサ81,82,83,84,85,86,87をさらに有する。例えば、室外制御装置14aは、温度センサ81~86から冷媒の温度を取得する。室内制御装置14bは、温度センサ87から冷媒の温度を取得する。
【0070】
温度センサ81は、第1の室外熱交換器21における冷媒の温度を検知する。温度センサ82は、第1の膨張弁31と室内熱交換器41との間において、第2の配管52の冷媒の温度を検知する。
【0071】
温度センサ83は、気液分離器27と第2の膨張弁32との間において、第2の配管52の冷媒の温度を検知する。温度センサ84は、第1の室外熱交換器21と第2の膨張弁32との間において、第2の配管52の冷媒の温度を検知する。
【0072】
温度センサ85は、アキュムレータ25と四方弁26との間において、第1の配管51の冷媒の温度を検知する。温度センサ86は、第2の室外熱交換器22における冷媒の温度を検知する。温度センサ87は、室内熱交換器41における冷媒の温度を検知する。
【0073】
図1に示すように、暖房運転においては、圧縮機24の吐出口24bから吐出された気相の冷媒が、第1の配管51を通って室内熱交換器41(凝縮器)に供給される。室内熱交換器41で凝縮した冷媒は、第1の膨張弁31によって減圧され、気液分離器27の第1の接続口27aへ流入する。
【0074】
気液分離器27に貯留された液相の冷媒が、第2の接続口27bから流出し、第2の膨張弁32によって減圧される。本実施形態において、第2の膨張弁32によって減圧された冷媒は、気相及び液相の冷媒が混合していたとしても、殆どが液相の冷媒である。第2の膨張弁32によって減圧された冷媒は、低温でなくても良い。例えば、第2の膨張弁32によって減圧された冷媒の温度は、約18℃である。
【0075】
第2の膨張弁32によって減圧された冷媒は、第1の室外熱交換器21(蒸発器)に供給される。具体的には、冷媒は、
図3の第2の分流器36から複数の第2の分岐管56を介して複数の第2の部屋62aへ分配される。冷媒は、複数の第2の部屋62aのそれぞれから、一つ又は二つの扁平管63の複数の流路68a,69aへ分配される。
【0076】
一般的に、液相の冷媒は、気相の冷媒に比べると、例えば重力や慣性の影響を受けやすい。このため、液相の冷媒は、ヘッダにおいて偏りを生じやすい。しかし、分流器(第2の分流器36)及び複数の分流管(第2の分岐管56)は、ヘッダに比べて、偏りが少なくなるように液相の冷媒を分配することができる。また、複数の第2の部屋62aに接続される扁平管63の数は一つ又は二つである。このため、第2の部屋62aの冷媒は、比較的均等に、一つ又は二つの扁平管63の複数の流路68a,69aに流入する。
【0077】
一方、
図1に示すように、圧縮機24の吐出口24bから吐出された冷媒の一部は、第3の配管53を通って第2の室外熱交換器22(凝縮器)に供給される。冷媒は、第2のヘッダ72の一つの第2の部屋72aから、複数の扁平管73へ分配される。圧縮機24から吐出された冷媒は、気相であるため、第2のヘッダ72の一つの第2の部屋72aにおいて偏りを生じにくい。
【0078】
第2の室外熱交換器22において、高温高圧の冷媒は、室外送風ファン23が生じさせた気流FAと熱交換し、凝縮する。このため、第2の室外熱交換器22を通過した気流FAは、高温高圧の冷媒との熱交換により温められる。例えば、外気温が約2℃である場合に、第2の室外熱交換器22を通過した気流FAの温度は、約24℃まで温められる。
【0079】
第2の室外熱交換器22を通過した気流FAは、第1の室外熱交換器21を通過し、第1の室外熱交換器21の冷媒と熱交換する。第1の室外熱交換器21の冷媒は、温められた気流FAと熱交換を行うため、効率良く蒸発できる。
【0080】
一般的に、マイクロチャネル熱交換器において、液相の冷媒には大きな圧力損失が発生する。このため、もし冷媒の蒸発が不十分である場合、液相の冷媒がマイクロチャネル熱交換器に溜まってしまう。しかし、第1の室外熱交換器21の冷媒は、温められた気流FAと効率良く熱交換できるため、第1の室外熱交換器21に溜まることなく蒸発することができる。
【0081】
上記のように、第1の室外熱交換器21に低温の液相の冷媒が溜まりにくいため、第1の室外熱交換器21の表面に霜が生じにくい。さらに、外気温が氷点下であったとしても、第1の室外熱交換器21は、第2の室外熱交換器22を通過した温かい気流FAと熱交換するため、第1の室外熱交換器21に流す冷媒の温度を高めることができる。このため、第1の室外熱交換器21は、着霜しにくい。
【0082】
第1の室外熱交換器21の冷媒は、複数の第1の分岐管55を通り、第1の分流器35で合流する。合流した冷媒は、第1の配管51及びアキュムレータ25を通り、圧縮機24の吸入口24aに吸入される。
【0083】
一方、第2の室外熱交換器22の冷媒は、複数の第3の分岐管57を通り、第3の分流器37で合流する。合流した冷媒は、第1の電磁弁33及び第2の配管52を通り、第1の膨張弁31により減圧された冷媒と共に、気液分離器27の第1の接続口27aへ流入する。
【0084】
以上の暖房運転において、制御装置14は、例えば、下記の(数1)式を満たすように、第1の膨張弁31を制御する。Tc2は、温度センサ82が検知した冷媒の温度である。Tc3は、温度センサ83が検知した冷媒の温度である。
Tc2-Tc3≒15℃ …(数1)
【0085】
また、制御装置14は、例えば、下記の(数2)式を満たすように、第2の膨張弁32を制御する。Tc4は、温度センサ84が検知した冷媒の温度である。
Tc3-Tc4≒4.5℃ …(数2)
なお、以上の温度、(数1)式、及び(数2)式は、いずれも一例である。
【0086】
また、制御装置14は、第1の電磁弁33により、第2の室外熱交換器22に供給される冷媒の流量を制御する。さらに、制御装置14は、第2の電磁弁34を基本的に閉じ、気液分離器27の液相の冷媒が圧縮機24の吸入口24aに流入してしまうこと(液バック)を抑制する。制御装置14は、例えば、吸入口24aに流入する冷媒の温度が所定の温度より低い場合、又は吸入口24aに流入する冷媒の流量が所定の流量より低い場合に、第2の電磁弁34を開ける。
【0087】
図2に示すように、冷房運転においては、圧縮機24の吐出口24bから吐出された気相の冷媒が、第1の室外熱交換器21(凝縮器)に供給される。第1の室外熱交換器21で凝縮した冷媒は、第2の膨張弁32によって減圧され、気液分離器27の第2の接続口27bへ流入する。
【0088】
気液分離器27に貯留された液相の冷媒が、第1の接続口27aから流出し、第1の膨張弁31によって減圧される。第1の膨張弁31によって減圧された冷媒は、室内熱交換器41(蒸発器)に供給される。室内熱交換器41で蒸発した冷媒は、第1の配管51及びアキュムレータ25を通り、圧縮機24の吸入口24aに吸入される。
【0089】
一方、第1の接続口27aから流出した液相の冷媒の一部は、第3の配管53を通って第2の室外熱交換器22(蒸発器)に供給される。液相の冷媒は、複数の第3の分岐管57、複数の第1の部屋71a、及び複数の扁平管73に、段階的に分配される。このため、液相の冷媒は、比較的均等に、一つ又は二つの扁平管73に流入する。
【0090】
第2の室外熱交換器22において、冷媒は、室外送風ファン23が生じさせた気流FAと熱交換し、蒸発する。このため、第2の室外熱交換器22を通過した気流FAは、冷媒との熱交換により冷却される。例えば、外気温が約35℃である場合に、第2の室外熱交換器22を通過した気流FAの温度は、約12℃まで冷却される。なお、当該温度は一例である。
【0091】
第2の室外熱交換器22を通過した気流FAは、第1の室外熱交換器21を通過し、第1の室外熱交換器21の冷媒と熱交換する。第1の室外熱交換器21の冷媒は、冷却された気流FAと熱交換を行うことで、効率良く凝縮できる。このため、圧縮機24は、吐出口24bから吐出する冷媒をそれほど高圧にしなくても良い。第2の室外熱交換器22の冷媒は、第1の配管51及びアキュムレータ25を通り、圧縮機24の吸入口24aに吸入される。
【0092】
以上の冷房運転において、制御装置14は、第1の電磁弁33により、第2の室外熱交換器22に供給される冷媒の流量を制御し、液バックを抑制する。さらに、制御装置14は、第2の電磁弁34を基本的に閉じ、液バックを抑制する。制御装置14は、例えば、吐出口24bから吐出される冷媒の温度が所望の温度より高い場合に、第2の電磁弁34を開け、吐出口24bから吐出される冷媒の温度を下げる。
【0093】
以上説明された実施形態に係る空気調和装置において、第2の配管52は、室内熱交換器41と第1の室外熱交換器21とを接続する。気液分離器27は、第2の配管52に設けられる。第1の膨張弁31は、室内熱交換器41と気液分離器27との間で第2の配管52に設けられる。第2の膨張弁32は、第1の室外熱交換器21と気液分離器27との間で第2の配管52に設けられる。第3の配管53は、四方弁26と室内熱交換機との間において第1の配管51に接続されるとともに、気液分離器27と第1の膨張弁31との間において第2の配管52に接続される。第2の室外熱交換器22が、第3の配管53に設けられる。室外送風ファン23は、第2の室外熱交換器22から第1の室外熱交換器21に向かって流れる気流FAを生じさせる。
【0094】
暖房運転において、圧縮機24から吐出された高温高圧の冷媒の一部は、第3の配管53の第2の室外熱交換器22へ流れる。このため、第2の室外熱交換器22は、凝縮器として機能する。室外送風ファン23が発生させた気流FAは、第2の室外熱交換器22が放出した熱により比較的高温となり、第1の室外熱交換器21へ熱を供給する。これにより、空気調和装置10は、蒸発器である第1の室外熱交換器21における熱交換の効率を向上でき、第1の室外熱交換器21に液相の冷媒が溜まってしまうことを抑制できる。従って、空気調和装置10は、第1の室外熱交換器21が着霜してしまうことを抑制できる。着霜が抑制されることで、空気調和装置10は、除霜運転を繰り返す必要が無くなる。
【0095】
冷房運転において、第1の室外熱交換器21及び気液分離器27を通過した冷媒の一部は、第3の配管53の第2の室外熱交換器22へ流れる。このため、第2の室外熱交換器22は、蒸発器として機能する。室外送風ファン23が発生させた気流FAは、第2の室外熱交換器22に熱を吸収されて比較的低温となり、第1の室外熱交換器21から熱を吸収する。これにより、空気調和装置10は、凝縮器である第1の室外熱交換器21における熱交換の効率を向上でき、冷凍能力を向上させることができる。
【0096】
第4の配管54は、気液分離器27に接続されるとともに、吸入口24aと四方弁26との間で第1の配管51に接続される。このため、圧縮機24は、第4の配管54を介して気液分離器27から冷媒を供給されることができる。従って、空気調和装置10は、圧縮機24が吸入口24aから吸引する冷媒が不足してしまうこと及び低温となってしまうことを抑制できる。
【0097】
第1の室外熱交換器21は、マイクロチャネル熱交換器である。これにより、空気調和装置10は、冷媒の総量を低減させ、Cd値(coefficient of degradation)のような指標を改善することができる。一方で、第1の室外熱交換器21において、液相の冷媒には比較的大きい圧力損失が発生する。しかし、第1の室外熱交換器21に液相の冷媒が供給される暖房運転において、室外送風ファン23が第1の室外熱交換器21に高温の気流FAを供給する。これにより、空気調和装置10は、圧力損失によって第1の室外熱交換器21に液相の冷媒が溜まってしまうことを抑制できる。
【0098】
第2の室外熱交換器22は、マイクロチャネル熱交換器である。これにより、空気調和装置10は、冷媒の総量を低減させ、Cd値のような指標を改善することができる。さらに、第1の室外熱交換器21及び第2の室外熱交換器22のそれぞれがマイクロチャネル熱交換器を有することで、室外機11は小型化できる。
【0099】
第2の電磁弁34は、第4の配管54に設けられる。すなわち、第2の電磁弁34は、第4の配管54を閉じることができる。これにより、空気調和装置10は、気液分離器27から圧縮機24の吸入口24aに液相の冷媒が供給されてしまうこと(液バック)を抑制できる。
【0100】
複数の第1の分岐管55は、第1の配管51と第1の室外熱交換器21との間に介在する。複数の第2の分岐管56は、第2の配管52と第1の室外熱交換器21との間に介在する。第1の室外熱交換器21は、複数の扁平管63を有する。複数の第1の分岐管55のそれぞれは、複数の扁平管63のうち一つ又は二つの扁平管63と第1の配管51とを接続する。複数の第2の分岐管56のそれぞれは、複数の扁平管63のうち一つ又は二つの扁平管63と第2の配管52とを接続する。一般的に、配管と複数の扁平管との間は、ヘッダにより接続される。しかし、複数の管(分岐管)を用いずに複数の扁平管に冷媒を分配するヘッダでは、一般的に、冷媒の偏り(分流不良)が生じることがある。しかし、空気調和装置10は、複数の第1の分岐管55又は複数の第2の分岐管56によって一次的に冷媒を分配するとともに、一つ又は二つの扁平管63の流路68a,69aに二次的に冷媒を分配する。これにより、空気調和装置10は、複数の扁平管63において冷媒の偏りが生じてしまうことを抑制できる。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
10…空気調和装置、21…第1の室外熱交換器、22…第2の室外熱交換器、23…室外送風ファン、24…圧縮機、24a…吸入口、24b…吐出口、26…四方弁、27…気液分離器、31…第1の膨張弁、32…第2の膨張弁、33…第1の電磁弁、34…第2の電磁弁、41…室内熱交換器、51…第1の配管、52…第2の配管、53…第3の配管、54…第4の配管、55…第1の分岐管、56…第2の分岐管、63…扁平管、FA…気流。