(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007607
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 12/126 20210101AFI20250109BHJP
H04W 4/90 20180101ALI20250109BHJP
H04W 48/12 20090101ALI20250109BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20250109BHJP
【FI】
H04W12/126
H04W4/90
H04W48/12
H04W88/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109127
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 登昭
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA30
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH23
5K067KK15
(57)【要約】
【課題】 管理端末からの指示により移動情報端末の動作態様を容易に変更でき利便性を向上させることができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】 管理端末1が、移動情報端末10に動作態様を切り替える指示を送信し、移動情報端末10は、第1のメモリ112と第2のメモリ113とを有し、アプリケーション111で第1のメモリ112又は第2のメモリのいずれかを使用して動作し、管理端末1からの動作態様の切り替え指示に基づいて、使用中の一方のメモリを使用していない他方のメモリに切り替えて動作を行うことで動作態様を変更するものであり、移動情報端末10で実現させる第1の動作態様と第2の動作態様で必要となる設定情報を、第1のメモリ112と第2のメモリ113にそれぞれ記憶しておくことで、状況に応じて、容易に動作態様を変更できる無線通信システムとしている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理を行う管理端末と、無線と有線の回線交換を行う回線交換機と、無線区間を統制する基地局と、前記基地局に無線で接続する移動情報端末とを有する無線通信システムであって、
前記管理端末は、前記移動情報端末に動作態様を切り替える動作態様切替指示を送信し、
前記移動情報端末は、第1のメモリと第2のメモリとを備え、アプリケーションで前記第1のメモリ又は前記第2のメモリのいずれかを使用して動作するものであり、前記管理端末からの動作態様切替指示により、使用中の一方のメモリを使用していない他方のメモリに切り替えて使用することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記移動情報端末は、前記第1のメモリに通信を可能とする通信許可の動作態様で用いる情報を記憶すると共に、前記第2のメモリに通信を禁止する通信禁止の動作態様で用いる情報を記憶しており、
前記第1のメモリの使用中で動作態様が前記通信許可である場合に、前記動作態様切替指示を受信すると、使用するメモリを前記第1のメモリから前記第2のメモリに切り替え、動作態様を前記通信禁止としつつ、前記管理端末からの動作態様切替指示は受信可能とすることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記移動情報端末は、前記第2のメモリの使用中で動作態様が前記通信禁止である場合に、前記動作切替指示を受信すると、使用するメモリを前記第2のメモリから前記第1のメモリに切り替え、動作態様を前記通信許可とすることを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記移動情報端末は、前記第1のメモリに送受信を可能とする送受信可能の動作態様で用いる情報を記憶すると共に、前記第2のメモリに受信のみを行う受信専用の動作態様で用いる情報を記憶しており、前記管理端末からの動作切替指示を受信すると、使用するメモリを前記第1のメモリに切り替えて動作態様を前記送受信可能とするか、又は使用するメモリを前記第2のメモリに切り替えて動作態様を前記受信専用とすることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記移動情報端末は、前記第1のメモリに旧システムの動作態様で用いる情報を記憶すると共に、前記第2のメモリに新システムの動作態様で用いる情報を記憶しており、前記管理端末からの動作切替指示を受信すると、使用するメモリを前記第1のメモリに切り替えて前記新システムの動作態様とするか、又は使用するメモリを前記第2のメモリに切り替えて前記旧システムの動作態様とすることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに係り、特に、管理端末からの指示により移動情報端末の動作態様を変更できる無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の無線通信システムとして、例えば、防災無線システムや消防無線システム(以下、防災無線通信システム等とする)がある。
防災無線システム等では、防災拠点等に設けられた上位局の通信卓や管理端末と、無線通信システムの基地局とが回線制御装置等を介して接続されており、基地局と無線通信を行う移動情報端末が、通信卓や管理端末と通話やデータ通信を行う。
【0003】
このような無線通信システムでは、移動情報端末の動作を抑止するためには、電源供給を遮断してバッテリーを強制放電する方法や、無線接続するための情報を無効化あるいは消去するといった方法がある。
【0004】
しかし、従来の無線通信システムでは、誤操作等により、上述した方法で一旦動作の抑止を行った場合、動作可能な状態に容易に復帰させることはできず、専用の保守拠点に移動情報端末を持ち込んで復帰操作を行うか、情報を書き込む必要があり、不便であった。
【0005】
また、従来の無線通信システムでは、管理端末からの遠隔操作で移動情報端末の動作を制御することはできないため、移動情報端末を紛失したり、盗難にあった際にも使用不能とすることができず、セキュリティ上の不安があった。
【0006】
つまり、従来の無線通信システムでは、管理端末からの指示により移動情報端末を強制的に通信不能としたり、通常動作に復帰させることはできず、動作態様を管理端末から変更することはできないものとなっていた。
【0007】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開平11-184756号公報「携帯情報端末におけるセキュリティ制御方法ならびにシステム及び同方法がプログラムされ記録される記録媒体」(特許文献1)、特開2010-245839号公報「情報通信端末」(特許文献2)がある。
【0008】
特許文献1には、携帯情報端末のセキュリティ機能を、パーソナルコンピュータからのアクセスで操作管理することにより、不正使用を検出し、機密情報削除、使用不能状態への移行を行うことが記載されている。
【0009】
特許文献2には、情報通信端末が、不特定多数が利用するキオスク端末のような通信端末に無線接続するための設定情報を記憶しておき、通信端末との通信状況、サービスとの接続状態、サービスの利用状況が所定の条件と合致するか否かを検出し、検出結果に基づいて、設定情報を無効化、消去、更新することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11-184756号公報
【特許文献2】特開2010-245839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の無線通信システムでは、移動情報端末の動作態様を上位の管理端末からの指示によって強制的に変更するものとはなっておらず、運用面での利便性に欠けるという問題点があった。
【0012】
特に、上記従来技術で説明したように、移動情報端末を紛失したり盗難にあったりした場合に、管理端末から使用不能とすると共に、その後、通常動作可能な状態に容易に復帰できるものとはなっていないものであった。
【0013】
尚、特許文献1,2には、移動情報端末が動作状態に対応した設定情報を記憶する2つのメモリを備え、一方のメモリを使用して動作を行い、上位の管理端末からの指示で使用するメモリを切り替えて動作態様を変更する構成の記載はない。
【0014】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、管理端末からの指示により移動情報端末の動作態様を容易に変更でき、移動情報端末の利用状況に応じて動作態様を設定することにより、利便性を向上させることができる無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、管理を行う管理端末と、無線と有線の回線交換を行う回線交換機と、無線区間を統制する基地局と、基地局に無線で接続する移動情報端末とを有する無線通信システムであって、管理端末は、移動情報端末に動作態様を切り替える動作態様切替指示を送信し、移動情報端末は、第1のメモリと第2のメモリとを備え、アプリケーションで第1のメモリ又は第2のメモリのいずれかを使用して動作するものであり、管理端末からの動作態様切替指示により、使用中の一方のメモリを使用していない他方のメモリに切り替えて使用することを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、上記無線通信システムにおいて、移動情報端末は、第1のメモリに通信を可能とする通信許可の動作態様で用いる情報を記憶すると共に、第2のメモリに通信を禁止する通信禁止の動作態様で用いる情報を記憶しており、第1のメモリの使用中で動作態様が通信許可である場合に、動作態様切替指示を受信すると、使用するメモリを第1のメモリから第2のメモリに切り替え、動作態様を通信禁止としつつ、管理端末からの動作態様切替指示は受信可能とすることを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、上記無線通信システムにおいて、移動情報端末は、第2のメモリの使用中で動作態様が通信禁止である場合に、動作切替指示を受信すると、使用するメモリを第2のメモリから第1のメモリに切り替え、動作態様を通信許可とすることを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、上記無線通信システムにおいて、移動情報端末は、第1のメモリに送受信を可能とする送受信可能の動作態様で用いる情報を記憶すると共に、第2のメモリに受信のみを行う受信専用の動作態様で用いる情報を記憶しており、管理端末からの動作切替指示を受信すると、使用するメモリを第1のメモリに切り替えて動作態様を送受信可能とするか、又は使用するメモリを第2のメモリに切り替えて動作態様を受信専用とすることを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、上記無線通信システムにおいて、移動情報端末は、第1のメモリに旧システムの動作態様で用いる情報を記憶すると共に、第2のメモリに新システムの動作態様で用いる情報を記憶しており、管理端末からの動作切替指示を受信すると、使用するメモリを第1のメモリに切り替えて新システムの動作態様とするか、又は使用するメモリを第2のメモリに切り替えて旧システムの動作態様とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、管理を行う管理端末と、無線と有線の回線交換を行う回線交換機と、無線区間を統制する基地局と、基地局に無線で接続する移動情報端末とを有する無線通信システムであって、管理端末は、移動情報端末に動作態様を切り替える動作態様切替指示を送信し、移動情報端末は、第1のメモリと第2のメモリとを備え、アプリケーションで第1のメモリ又は第2のメモリのいずれかを使用して動作するものであり、管理端末からの動作態様切替指示により、使用中の一方のメモリを使用していない他方のメモリに切り替えて使用する無線通信システムとしているので、移動情報端末で実現させる2つの動作態様で必要な情報を第1のメモリと第2のメモリにそれぞれ記憶しておくことで、管理端末からの指示で、使用するメモリを切り替えて容易に動作態様を変更させたり、元に戻したりすることができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】移動情報端末10の構成を示す説明図である。
【
図3】制御部11内の概略構成を示す説明図である。
【
図4】移動情報端末10の制御部11における動作態様切替の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る無線通信システム(本システム)は、管理を行う管理端末と移動情報端末を備え、管理端末は、移動情報端末に動作態様を切り替える指示を送信し、移動情報端末は、第1のメモリと第2のメモリとを有し、アプリケーションで第1のメモリ又は第2のメモリのいずれかを使用して動作するものであり、管理端末からの動作態様の切り替え指示に基づいて、使用中の一方のメモリを使用していない他方のメモリに切り替えて動作を行うことで動作態様を変更するものであり、移動情報端末で実現させる2つの動作態様で必要な設定情報を第1のメモリと第2のメモリにそれぞれ記憶しておくことで、移動情報端末の利用状況に応じて、管理端末から強制的に動作態様を変更でき、例えば、移動情報端末の紛失時には通信不可の動作態様とし、手元に戻った場合には通信可能の動作態様に戻す、といった切り替えを管理端末から容易に行うことができ、利便性を向上させることができるものである。
【0023】
[本システムの構成:
図1]
本システムについて、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの構成を示す説明図である。
本システムは、
図1に示すように、管理端末1と、通信卓2と、回線交換機3と、基地局4と、移動情報端末10とを基本的に有している。
【0024】
管理端末1は、システム内の管理及び設定を行うものであり、システム内の各部と通信を行う。
また、本システムの特徴として、管理端末1は、移動情報端末10の動作態様を管理すると共に、操作部からの指示に基づいて、移動情報端末10の動作態様を強制的に変更する指示(動作態様切替指示)を送信する。動作態様切替指示に伴う動作については後述する。
【0025】
通信卓2は、防災無線システムや消防無線システムの指令台に相当し、移動情報端末10と通話及びデータ通信を行う。
基地局4は、無線区間を統制し、移動情報端末10と無線通信を行う。
回線交換機3は、管理端末1、通信卓2、及び基地局4とに接続し、通信に応じた回線交換を行う。
移動情報端末10は、車両に搭載されたり、人が携帯する移動端末であり、基地局4を介して、管理端末1及び通信卓2との通信を行う。尚、移動情報端末10は、特定の場所に固定されていてもよい。
本システムの移動情報端末10は、管理端末1からの動作態様切替指示を受信すると、それに基づいて動作態様を切り替える。移動情報端末10の動作については後述する。
【0026】
[移動情報端末の構成:
図2]
次に、移動情報端末10の構成について
図2を用いて説明する。
図2は、移動情報端末10の構成を示す説明図である。
図2に示すように、移動情報端末10は、制御部11と、送信部12と、受信部13と、マイク14と、スピーカ15とを備えている。この他に表示部や操作部を備える場合もあるが、ここでは省略する。
【0027】
送信部12は、制御部11からD/A変換部を介して入力される送信信号をアップコンバートして増幅し、アンテナから送信する。
受信部13は、アンテナで受信した信号を増幅してダウンコンバートし、A/D変換部を介して制御部11に出力する。
マイク14は、音声を入力して電気信号に変換し、制御部11に出力する。
スピーカ15は、制御部11からの電気信号を音声に変換して外部に出力する。
【0028】
制御部11は、移動情報端末10全体を制御するものであり、プログラムや各種データを記憶するメモリと、プログラムを起動して処理を実現する処理部とを備える。また、ここでは、制御部11は、送受信に伴う符号化/復号化、変調/復調のデジタル信号処理も行うものとする。制御部11の構成については後述する。
そして、本移動情報端末10の制御部11は、管理端末1から動作態様を変更する指示(動作態様切替指示)を受信すると、当該指示に従って動作態様を変更する処理を行う。動作態様の変更については後述する。
【0029】
[制御部11の概略構成:
図3]
次に、移動情報端末10の制御部11内の概略構成について
図3を用いて説明する。
図3は、制御部11内の概略構成を示す説明図である。
図3では、制御部11の構成の内、本実施の形態に関わる部分のみを示している。
図3に示すように、制御部11は、アプリケーション部111と、第1のメモリ112と、第2のメモリ113とを備えている。
【0030】
第1のメモリ112は、第1の動作態様を実現するために必要な各種設定情報、パラメータ、コード等を記憶している。
第2のメモリ113は、第2の動作態様を実現するために必要な各種設定情報、パラメータ、コード等を記憶している。
【0031】
アプリケーション部111は、本実施の形態の特徴となる処理を行う処理部であり、管理端末1からの動作態様切替指示に基づいて、当該移動情報端末10の動作態様を切り替える処理を行う。
具体的には、アプリケーション部111は、管理端末1から動作態様切替指示を受信すると、使用するメモリを、現在使用中の一方のメモリから、現在使用していない他方のメモリに切り替え、他方のメモリから情報を読み込んで動作を行うことで動作態様を変更する。
【0032】
つまり、本システムの移動情報端末10では、第1のメモリ112又は第2のメモリ113のいずれを用いるかによって動作態様が決まるものであり、動作態様切替指示を受信すると、一方の態様から他方の態様に動作態様を切り替えるものとなっている。
この場合、管理端末1からの動作切替指示は、単に使用するメモリの切替を指示するだけのものであり、設定すべき動作態様の情報を含まないため、簡易な情報とすることができる。但し、管理端末1は、各移動情報端末10の動作態様を認識し、管理しているものである。
【0033】
また、管理端末1からの動作態様切替指示に、設定すべき動作態様を指定する情報を含むようにしてもよい。この場合には、アプリケーション部111は、動作態様の情報と、使用するメモリとを対応付けて記憶しておき、受信した動作態様切替指示に含まれる動作態様の情報を読み取って、対応するメモリを使用する。
【0034】
2種類の動作態様(第1の動作態様/第2の動作態様)としては、例えば、通信を行うか否か(通信許可/通信禁止)、送受信を行うか受信のみか(送受信可/受信専用)、あるいはシステムの切替え過渡期において、旧システム用として動作するか、新システム用として動作するか(旧システム用/新システム用)といった動作態様の組がある。
【0035】
通信許可/通信禁止の態様は、平常時には通信許可の動作態様としておき、紛失や盗難があった場合に通信禁止とするものである。
また、送受信可/受信専用の態様は、例えば平常時は送受信可としておき、災害時等の緊急時には受信のみとする。これにより、情報の交錯を防ぎ、上位の通信卓2からの指令を確実に移動情報端末10に受信させることが可能となる。
旧システム用/新システム用の態様では、新システム専用の端末を用意しなくても新しいシステムのテストを実施することができ、利便性を大幅に向上させるものである。
【0036】
そして、本移動情報端末10では、予め当該移動情報端末10で実現させたい動作態様に応じて、第1のメモリ112に第1の動作態様を実現するために必要な情報を書き込み、第2のメモリ113に第2の動作対応を実現するために必要な情報を書き込んでおく。
【0037】
但し、本移動情報端末10では、動作態様が通信禁止である場合に、全ての受信を禁止するのではなく、管理端末1からの動作態様切替指示については受信可能とし、アプリケーション111によって動作態様を切り替える処理を行うものとする。そのため、第2のメモリ113には、動作態様切替指示を受信して復調するために必要な情報は記憶されている。
例えば、管理端末1からの動作態様切替指示には、送信データの特定の位置にフラグ(識別情報)等を含むものとし、アプリケーション部111は、受信データに当該フラグがない場合には情報を破棄し、当該フラグを認識すると、それに従って動作態様切替の動作を行う。
【0038】
これにより、一旦通信禁止の動作態様としても、管理端末1から動作態様切替指示を送信することで、通信許可の動作態様となり、通信禁止の状態から通信可能の状態に容易に戻すことができるものである。
【0039】
[移動情報端末10における動作態様切替の動作:
図4]
次に、本システムの動作について
図4を参照しながら説明する。
図4は、移動情報端末10の制御部11における動作態様切替の動作を示す説明図である。
図4(a)では、本システムの移動情報端末10におけるデフォルトの状態を示している。ここでは、第1の動作態様を通信許可、第2の動作態様を通信禁止としており、デフォルト状態では、アプリケーション111は、第1の動作態様に対応する第1のメモリ112を用いて動作を行う。この状態では、移動情報端末10は通信可能となっている。
【0040】
例えば、紛失等により移動情報端末10の通信動作を抑止したい場合、管理端末1から、当該移動情報端末10宛に動作切替指示を送信する。
当該移動情報端末10では、
図4(b)に示すように、管理端末1からの動作切替指示を受信すると(1)、アプリケーション部111が、使用するメモリを現在使用中の第1のメモリ112から現在使用していない第2のメモリ113に切り替える(2)。これにより、移動情報端末10は通信禁止の状態となる。但し、管理端末1からの動作切替指示のみは受信可能である。
【0041】
そして、移動情報端末10が正規の携帯者の手元に戻った場合には、再度管理端末1から当該移動情報端末10宛に動作切替指示を送信する。
当該移動情報端末10では、
図4(c)に示すように、管理端末1から動作切替指示を受信すると(3)、アプリケーション部111が、使用するメモリを第2のメモリ113から第1のメモリ112に切り替える(4)。これにより、移動情報端末10は通信許可の動作態様となり、送受信可能な状態に復帰する。
このようにして本システムの移動情報端末10の動作が行われるものである。
【0042】
上述した例では、第1の動作態様/第2の動作態様を「通信許可/通信禁止」としたが、「送受信可能/受信専用」や「旧システム用/新システム用」の動作態様であっても同様の動作で切り替えが行われる。
【0043】
[実施の形態の効果]
本無線通信システムによれば、管理端末1が、移動情報端末10に動作態様を切り替える指示を送信し、移動情報端末10は、第1のメモリ112と第2のメモリ113とを有し、アプリケーション111で第1のメモリ112又は第2のメモリのいずれかを使用して動作するものであり、管理端末1からの動作態様の切り替え指示に基づいて、使用中の一方のメモリを使用していない他方のメモリに切り替えて動作を行うことで動作態様を変更するものであり、移動情報端末10で実現させる第1の動作態様と第2の動作態様で必要となる設定情報を、第1のメモリ112と第2のメモリ113にそれぞれ記憶しておくことで、移動情報端末10の利用状況に応じて、管理端末1から強制的に動作態様を変更でき、例えば、移動情報端末10の紛失時には通常使用していない方のメモリを使用するよう切り替えて通信不可の動作態様とし、手元に戻った場合には通常使用する方のメモリに切り替えて通信可能の動作態様に戻す、といった切り替えを管理端末から容易に行うことができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【0044】
また、本無線通信システムによれば、移動情報端末10の第1のメモリ及び第2のメモリに記憶する情報を、通信許可/通信禁止の動作態様に対応する情報、送受信可/受信専用の動作態様に対応する情報、旧システム用/新システム用の動作態様に対応する情報、としているので、様々な状況に応じて移動情報端末10の動作態様を変更でき、利便性を向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、管理端末からの指示により移動情報端末の動作態様を変更できる無線通信システムに適している。
【符号の説明】
【0046】
1…管理端末、 2…通信卓、 3…回線交換機、 4…基地局、 5…移動情報端末、 11…制御部、 12…送信部、 13…受信部、 14…マイク、 15…スピーカ、 111…アプリケーション、 112…第1のメモリ、 113…第2のメモリ