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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007613
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】治具セット
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G01M7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109133
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲郎
(57)【要約】
【課題】 2000Hzまでの振動試験の場合に、治具セットと供試体とが共振を起こさず、振動試験に悪影響を及ぼすことを低減できる治具セットを提供する。
【解決手段】 供試体30を試験装置6に取り付けるもので、供試体30を挿入する面を除いた5面がボルト4aで固定されて形成される治具本体10と、治具本体10をボルト4cで接続する試験装置用アダプタ20とを備え、試験装置用アダプタ20が試験装置6の接続部5にボルト4bで固定され、治具本体10と試験装置用アダプタ20とが、厚さ30mm以上50mm以下のアルミニウムの切り出し加工の素材で形成され、設けられるボルト4穴の間隔が20mm以上100mm以下とした治具セットである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供試体を試験装置に取り付ける治具セットであって、
前記供試体を挿入する面を除いた5面がボルトで固定されて形成される治具本体と、
前記治具本体を前記試験装置にボルトで接続する試験装置用アダプタとを備え、
前記治具本体と前記試験装置用アダプタとは、厚さ30mm以上50mm以下のアルミニウムの切り出し加工の素材で形成され、設けられるボルト穴の間隔が20mm以上100mm以下であることを特徴とする治具セット。
【請求項2】
前記試験装置用アダプタは、複数のボルト穴を備えており、前記治具本体の5面の内、任意の面と接して前記治具本体を前記試験装置に固定することを特徴とする請求項1記載の治具セット。
【請求項3】
供試体が取り付けられた前記治具本体の重心の位置が、前記試験装置用アダプタの中心位置から50mm以内となるよう設置することを特徴とする請求項1又は2記載の治具セット。
【請求項4】
前記治具本体は、角部をカットし、または、前記5面の表面に凹部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の治具セット。
【請求項5】
供試体の設置方向を変更した場合にも、当該供試体が取り付けられた前記治具本体の重心の位置が、前記試験装置用アダプタの中心位置から50mm以内となるよう設置することを特徴とする請求項1又は2記載の治具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の振動に対する耐環境性能を評価する試験に用いられる治具本体と試験装置用アダプタから成る治具セットに係り、特に、試験対象の供試体に治具本体が共振して試験結果に影響を及ぼすことを低減する治具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、電子機器の耐環境性能を評価する試験において、試験対象の供試体の取り付け箇所を模擬する(実際の取り付け状態に真似る)治具を製作するにあたり、平板の溶接で取り付け構造を再現していた。
【0003】
[従来の治具セット:図6
従来の治具セットについて図6を参照しながら説明する。図6は、従来の治具セットの概略図である。
従来の治具セットは、図6に示すように、治具本体1と、試験装置用アダプタ2と、治具固定用金具3と、ボルト4とから構成されている。
【0004】
治具本体1は、アルミニウムの箱型の形状で、供試体30を挿入する正面と背面を除いて4面あり、当該各面には治具固定用金具3に接続するための複数のボルト通し穴が設けられている。
試験装置用アダプタ2は、アルミニウムの平板の形状で、治具固定用金具3を介して接続する治具本体1を試験装置に固定するための複数のボルト通し穴が設けられている。
【0005】
治具固定用金具3は、L字状の金具で、治具本体1と試験装置用アダプタ2に接続するために複数のボルト通し穴が設けられている。
ボルト4は、治具本体1と治具固定用金具3とを固定し、治具固定用金具3と試験装置用アダプタ2とを固定する。尚、試験装置用アダプタ2を試験装置に固定するにもボルトが用いられる。
図6では、挿入された供試体30の正面が上を向いており、背面が下側で、その背面からは接続用のケーブルが引き出されている。
【0006】
[供試体の方向変更:図7
従来の治具セットは、供試体30の設置(試験)方向を変えて使用できるように、各部が分割可能であり、各部を組み替えてボルト4で締結して、供試体30の向きを変えるものである。
【0007】
図7に、供試体30の試験方向を変更した例を示している。図7は、供試体の試験方向を変更した例を示す概略図である。
図7(a)は、供試体30の正面が横を向いており、正面の短辺が試験装置用アダプタ2の平面に対向している。
図7(b)は、供試体30の正面が横を向いており、正面の長辺が試験装置用アダプタ2の平面に対向している。
【0008】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特許第3275340号「振動試験装置」(特許文献1)がある。
特許文献1には、移送ラインで移送される電子機器の耐振性を試験する振動試験装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3275340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の治具セットでは、平板の溶接構造であるため、2000Hz以下の振動試験の場合に、治具セットの固有振動数が1000Hz以下となり、供試体の固有振動数の500~700Hzに一致することになると、治具セットと供試体とで共振し、振動試験に悪影響を及ぼすことがあるという問題点があった。
【0011】
特許文献1では、2000Hzまでの振動試験の場合に、治具セットと供試体とが共振を起こさないようにする構成が記載されていない。
【0012】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、2000Hzまでの振動試験の場合に、治具セットと供試体とが共振を起こさず、振動試験に悪影響を及ぼすことを低減できる治具セットを提出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、供試体を試験装置に取り付ける治具セットであって、供試体を挿入する面を除いた5面がボルトで固定されて形成される治具本体と、治具本体を試験装置にボルトで接続する試験装置用アダプタとを備え、治具本体と試験装置用アダプタとは、厚さ30mm以上50mm以下のアルミニウムの切り出し加工の素材で形成され、設けられるボルト穴の間隔が20mm以上100mm以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記治具セットにおいて、試験装置用アダプタが、複数のボルト穴を備えており、治具本体の5面の内、任意の面と接して治具本体を試験装置に固定することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記治具セットにおいて、供試体が取り付けられた治具本体の重心の位置が、試験装置用アダプタの中心位置から50mm以内となるよう設置することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記治具セットにおいて、治具本体が、角部をカットし、または、5面の表面に凹部を形成したことを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記治具セットにおいて、供試体の設置方向を変更した場合にも、当該供試体が取り付けられた治具本体の重心の位置が、試験装置用アダプタの中心位置から50mm以内となるよう設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、供試体を挿入する面を除いた5面がボルトで固定されて形成される治具本体と、治具本体を試験装置にボルトで接続する試験装置用アダプタとを備え、治具本体と試験装置用アダプタとは、厚さ30mm以上50mm以下のアルミニウムの切り出し加工の素材で形成され、設けられるボルト穴の間隔が20mm以上100mm以下である治具セットとしているので、2000Hzまでの振動試験において供試体と治具セットとが共振せず、試験結果に悪影響を及ぼすことを低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本治具セットの概略図である。
図2】供試体が試験装置に取り付けられた状態(1)を示す概略図である。
図3】本治具セットの試験装置への設置方法を示す概略図である。
図4】供試体が試験装置に取り付けられた状態(2)を示す概略図である。
図5】供試体が試験装置に取り付けられた状態(3)を示す概略図である。
図6】従来の治具セットの概略図である。
図7】従来の供試体の試験方向を変更した例を示す治具セットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る治具セット(本治具セット)は、供試体を試験装置に取り付けるものであって、供試体を挿入する面を除いた5面がボルトで固定されて形成される治具本体と、治具本体をボルトで固定する試験装置用アダプタとを備えており、治具本体と試験装置用アダプタとが、厚さ30mm以上50mm以下のアルミニウムの切り出し加工の素材で形成され、設けられるボルト穴の間隔が20mm以上100mm以下としており、2000Hzまでの振動試験において供試体と治具セットとが共振せず、試験結果に悪影響を及ぼすことを低減できるものである。
【0021】
また、本治具セットは、供試体が取り付けられた治具本体の重心の位置が、試験装置用アダプタの中心の位置から50mm以内としたものであり、振動試験中の質量の偏りの影響を小さくし、試験結果に悪影響を及ぼすことがないものである。
この50mm以内でも、ボルトの通し穴の間隔(20mm以上で100mm以下)の半分が適切な値となる。
【0022】
[本治具セット:図1,2]
本治具セットについて図1,2を参照しながら説明する。図1は、本治具セットの概略図であり、図2は、供試体が試験装置に取り付けられた状態(1)の概略図である。
本治具セットは、治具本体10と、試験装置用アダプタ20と、ボルト4とから構成されている。
【0023】
治具本体10の各面がボルト4で固定され、その治具本体10が、試験装置用アダプタ20にボルト4で取り付けられている。
ここで、治具本体10の各面を固定するボルト4をボルト4aとし、治具本体10を試験装置用アダプタ20に固定するボルト4をボルト4cとし、試験装置用アダプタ20を試験装置6の接続部5に固定するボルト4をボルト4bとして区別しているが、ボルト4a,4b,4cを総称してボルト4と呼ぶことがある。
【0024】
[治具本体10]
治具本体10は、図1に示すように、アルミニウムの切り出し金属板を5面用いた中空の箱型の形状をしている。箱型の1面が開放されており、その1面(正面)から供試体30が挿入される挿入口となっている。正面の反対側の背面には、金属板が設けられているものの、配線を引き出す空間は設けられている。
【0025】
金属板は、厚さが30mm以上で50mm以下であり、後述するボルト通し穴13同士の間隔が20mm以上で100mm以下としている。この条件であれば、2000Hzまでの振動試験において、治具本体10と供試体30が共振しないことが実験又はCAE(Computer Aided Engineering)解析で知られている。
【0026】
尚、供試体のサイズに応じて、治具セットのサイズも変更されるが、金属板の厚みとボルト通し穴13同士の間隔は、上記条件であれば、共振しないものである。
つまり、供試体30の固有振動数が500~700Hzで、上記金属板を備える治具本体10の固有振動数が1000~2000Hzとなるので、共振が起こらない。
【0027】
そして、治具本体10の最も広い面積を有する第1面11を2枚用い、2枚の第1面11を接続する第2面12を2枚備え、挿入口の反対側の背面にも第2面12を用いている。つまり、第2面12は、3枚用いている。
【0028】
第1面11は、挿入口とは反対側の角部を斜めにカットして軽量化を図っている。つまり、第1面11は、斜めにカットした2辺を有する六角形となっている。挿入口に対して反対側の背面は、斜めにカットされた部分があるため、面積が狭くなっており、その狭くなった部分に第2面12が取り付けられている。
その斜めにカットされた部分で背面に形成される空間から供試体30に接続する配線が引き出される。
【0029】
第1面11も第2面12も複数のボルト通し穴13が形状されており、任意のボルト通し穴13を用いてボルト4で固定することで、第1面11と第2面12とを接続し、更に、治具本体10を試験装置用アダプタ20に固定している。
【0030】
また、第1面11と第2面12のボルト通し穴13には、ボルト4の頭部を収納する収納穴(ボルト通し穴)14が形成され、ボルト4の頭部が突出しないようになっている。
また、第1面11と第2面12には、複数の凹み部(凹部)15を形成して軽量化を図っている。凹み部15の深さは、20mm以上で40mm以下であり、貫通はしていない。
【0031】
[試験装置用アダプタ20]
試験装置用アダプタ20は、治具本体10に接続し、治具本体10を試験装置6の接続部5に固定するものである。
試験装置用アダプタ20は、アルミニウムの切り出しの八角形の平板で、ボルト穴22が複数設けられ、ボルト4bの頭部を収納する収納穴21も複数設けられている。
【0032】
収納穴21には、試験装置用アダプタ20を接続部5にボルト4bで接続するためのボルト通し穴が設けられている。
ボルト穴22は、治具本体10を試験装置用アダプタ20にボルト4cで固定するものである。
【0033】
また、試験装置用アダプタ20の平板は、厚さ30mm以上で50mm以下であって、形成されるボルト穴22同士の間隔が、20mm以上で100mm以下としている。この条件であれば、2000Hzまでの振動試験において、試験装置用アダプタ20と供試体30が共振しないものである。
【0034】
また、試験装置用アダプタ20の中心位置には、収納穴21が形成されており(図1,2では隠れているが後述する図3に図示)、CAE解析で演算された供試体30を収納した治具本体10の重心の位置が、試験装置用アダプタ20の中心位置から50mm以内となるよう、治具本体10を試験装置用アダプタ20に設置して接続する。これにより、振動試験中の質量の偏りを小さくすることができ、試験結果に悪影響を及ぼすことがない。
【0035】
[ボルト4]
ボルト4aは、治具本体10の第1面11と第2面12とを接続するためのボルトである。
ボルト4bは、治具本体10を試験装置用アダプタ20に接続するためのボルトである。
ボルト4cは、試験装置用アダプタ20を試験装置6の接続部5に接続するためのボルトである。ボルト4cは、図1、2に現れていないが、図3に示されている。
【0036】
尚、ボルト4は、雄ねじ5aと雌ねじ5bで構成される。雄ねじ5aは、収納穴21から挿入され、ボルト穴22に通され、反対側に設けられた雌ねじ5bに固定される。雌ねじ5bは、アルミニウムの金属板に予め固定されている。
また、ボルト穴22の一方の端部で雄ねじ5aの頭部が収納されるのが収納穴21であり、ボルト穴22の他方の端部で雌ねじ5b部分を収納する収納穴21を設けるようにしてもよい。
【0037】
[設置方法:図3
本治具セットを試験装置6に設置する方法について図3を参照しながら説明する。図3は、本治具セットの試験装置への設置方法を示す概略図である。
本治具セットは、図3に示すように、第1に、試験装置6の接続部5に試験装置用アダプタ20を固定する。
【0038】
具体的には、接続部5には、ボルト4b(雄ねじ5a)を固定する雌ねじ5bが設けられており、試験装置用アダプタ20の位置合わせを行って、収納穴21にボルト4bを挿入し、その収納穴21内に形成されたボルト穴22に差し込んで、雌ねじ5bに回し込んでボルト4bを固定し、試験装置用アダプタ20を接続部5に接続する。
【0039】
第2に、治具本体10を試験装置用アダプタ20に固定する。
具体的には、図3では、治具本体10の位置合わせを行って、試験装置用アダプタ20に接触する治具本体10の面に形成されたボルト4cを収納する収納穴14にボルト4cを挿入し、その収納穴14内に形成されたボルト通し穴13に差し込んで、試験装置用アダプタ20の裏面でボルト通し穴13に対して設けられている雌ねじ5bにボルト4cを回し込んで固定し、治具本体10を試験装置用アダプタ20に接続する。
ここで、CAE解析で演算された供試体30を収納した治具本体10の重心位置が、試験装置用アダプタ20の中心位置から50mm以内となるよう設置して接続する。
【0040】
第3に、供試体30を治具本体10に固定する。
具体的には、治具本体10の供試体30を挿入する開口部からケーブルを備えた供試体30をケーブルから挿入し、奥まで差し込んでファスナ又はスタッドなどで治具本体10に固定する。
【0041】
[試験装置に取り付けられた状態(2):図4
また、供試体30が試験装置6に取り付けられる方向を変えた例について図4を参照しながら説明する。図4は、供試体が試験装置に取り付けられた状態(2)を示す概略図である。
供試体30の方向を変える場合は、供試体30が収納される治具本体10の試験装置用アダプタ20に設置する方向を変更することになる。
図4では、供試体30の挿入口は、横向きであり、供試体30を寝かせた状態で試験を行うようになっている。
【0042】
[試験装置に取り付けられた状態(3):図5
また、供試体30が試験装置6に取り付けられる方向を更に変えた例について図5を参照しながら説明する。図5は、供試体が試験装置に取り付けられた状態(3)を示す概略図である。
図5では、供試体30の挿入口は、横向きであり、供試体30を立てた状態で試験を行うようになっている。
【0043】
以上のように、供試体30の向きを治具本体10と試験装置用アダプタ20との接続方向を変えることで変更することができ、任意の供試体30の向きで試験を行うことができるものである。
尚、供試体30の向きを変えた場合でも、供試体30を収納した治具本体10の重心位置が、試験装置用アダプタ20の中心位置から50mm以内となるよう設置する。
【0044】
また、CAE解析を繰り返し、治具本体10の形状、試験装置用アダプタ20の形状を供試体30との共振が起こらないように最適化して、最適な治具本体10と試験装置用アダプタ20を開発するものである。
【0045】
更に、本治具セットは、振動試験だけでなく、衝撃試験にも適用することができる。衝撃試験は、振動試験と同じ方向の衝撃を1回ずつ繰り返し供試体30に与えるものである。
【0046】
[実施の形態の効果]
本治具セットによれば、供試体30を試験装置6に取り付けるものであり、供試体30を挿入する面を除いた5面がボルト4aで固定されて形成される治具本体10と、治具本体10をボルト4cで接続する試験装置用アダプタ20とを備え、試験装置用アダプタ20が試験装置6の接続部5にボルト4bで固定され、治具本体10と試験装置用アダプタ20とが、厚さ30mm以上50mm以下のアルミニウムの切り出し加工の素材で形成され、設けられるボルト4穴の間隔が20mm以上100mm以下としており、2000Hzまでの振動試験において供試体30と本治具セットとが共振せず、試験結果に悪影響を及ぼすことを低減できる効果がある。
【0047】
また、本治具セットによれば、供試体30が取り付けられた治具本体10の重心の位置が、試験装置用アダプタ20の中心の位置から50mm以内としたものであり、振動試験中の質量の偏りの影響を小さくし、試験結果に悪影響を及ぼすことを低減できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、2000Hzまでの振動試験の場合に、治具セットと供試体とが共振を起こさず、振動試験に悪影響を及ぼすことを低減できる治具セットに好適である。
【符号の説明】
【0049】
1,10…治具本体、 2,20…試験装置用アダプタ、 3…治具固定用金具、 4,4a,4b,4c…ボルト、 5…接続部、 5a…雄ねじ、 5b…雌ねじ、 6…試験装置、 11…第1面、 12…第2面、 13…ボルト通し穴、 14…収納穴(ボルト通し穴)、 15…凹み部(凹部)、 21…収納穴(ボルト通し穴)、 22…ボルト穴、 30…供試体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7