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特開2025-7627画像形成制御方法、画像形成装置、画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007627
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】画像形成制御方法、画像形成装置、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20250109BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20250109BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06F3/12 356
G06F3/12 308
G06F3/12 347
B41J29/38 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109156
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】關岡 直城
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB10
2C061BB11
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061HH03
2C061HJ06
2C061HJ10
2C061HN05
2C061KK18
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC38
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】テスト画像の形成および前記テスト画像に関連するデータの更新のための処理に要する画像形成装置の負荷を軽減すること。
【解決手段】プロセッサー81は、テストプリントイベントが発生したときに、テスト画像およびプリント条件の情報をページ記述言語によって表すデータであるテストPDLデータを画像処理装置6へ通信装置85を通じて送信する(S103)。前記プロセッサー81は、前記テストPDLデータの送信に対応して、前記テスト画像を表すラスタデータおよび前記プリント条件の情報を含むジョブデータを前記画像処理装置6から前記通信装置85を通じて受信する(S104)。前記プロセッサー81は、前記ジョブデータの受信に対応して、前記プリント条件に従って前記ラスタデータに基づく前記テスト画像をシートに形成する処理をプリント装置5に実行させる(S105)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成するプリント装置と通信装置とを備える画像形成装置を制御する画像形成制御方法であって、
プロセッサーが、テストプリントイベントが発生したときに、テスト画像およびプリント条件の情報をページ記述言語によって表すデータであるテストPDLデータを画像処理装置へ前記通信装置を通じて送信することと、
前記プロセッサーが、前記テストPDLデータの送信に対応して、前記テスト画像を表すラスタデータおよび前記プリント条件の情報を含むジョブデータを前記画像処理装置から前記通信装置を通じて受信することと、
前記プロセッサーが、前記ジョブデータの受信に対応して、前記プリント条件に従って前記ラスタデータに基づく前記テスト画像を前記シートに形成する処理を前記プリント装置に実行させることと、を含む画像形成制御方法。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記テスト画像および前記プリント条件の情報をページ記述言語によって表すデータおよび前記画像形成装置の固有情報を表す装置固有データとを記憶する不揮発性の記憶装置を備え、
前記プロセッサーが、データ更新イベントが発生したときに、サーバーから前記通信装置を通じて新たな前記登録データを取得し、前記記憶装置における前記登録データを新たな前記登録データに更新することと、
前記プロセッサーが、前記テストプリントイベントが発生したときに、前記記憶装置から前記登録データを取得し、前記登録データにおける前記トークンを前記装置固有データに置き換えることにより前記テストPDLデータを生成することと、をさらに含む、請求項1に記載の画像形成制御方法。
【請求項3】
シートに画像を形成するプリント装置と、
通信装置と、
請求項1または請求項2に記載の画像形成制御方法を実現するプロセッサーと、を備える画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能な画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、前記画像形成装置から前記テストPDLデータを受信し、前記テストPDLデータを前記ジョブデータへ変換し、前記ジョブデータを前記画像形成装置へ送信するデータ処理部を備える、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントパラメータの調整に用いられるテスト画像をシートに形成する処理を制御するための画像形成制御方法、画像形成装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、プリントパラメータの調整のために各種のテスト画像をシートに形成する機能を備える場合がある。ユーザーは、シートに形成された前記テスト画像の状況に応じて、前記プリントパラメータを調整する。
【0003】
例えば、前記画像形成装置が、現像色の確認のためにカラーパッチをシートに形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。前記カラーパッチは、前記テスト画像の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-141409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記画像形装置は、クラウドサーバーからネットワークを通じて各種のプログラムまたはデータをダウンロードすることにより、各種の機能をバージョンアップする。前記テスト画像の内容および前記テスト画像が形成されるときのプリント条件などもバージョンアップの対象である。
【0006】
一方、前記画像形成装置は、前記テスト画像を表すラスタデータに基づいて前記テスト画像のプリント処理を実行する。前記ラスタデータのデータサイズは大きく、また、前記ラスタデータを生成する処理の演算負荷は大きい。
【0007】
従って、前記画像形成装置が前記テスト画像を表すラスタデータを保有する場合、前記テスト画像の形成のための前記画像形成装置の演算負荷が大きい。さらに、前記テスト画像に関連するデータのバージョンアップのための前記画像形成装置の通信負荷が大きい。
【0008】
本発明の目的は、テスト画像の形成および前記テスト画像に関連するデータの更新のための処理に要する画像形成装置の負荷を軽減できる画像形成制御方法、画像形成装置および画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係る画像形成制御方法は、シートに画像を形成するプリント装置と通信装置とを備える画像形成装置を制御する方法である。前記画像形成制御方法は、プロセッサーが、テストプリントイベントが発生したときに、テスト画像およびプリント条件の情報をページ記述言語によって表すデータであるテストPDLデータを画像処理装置へ前記通信装置を通じて送信することを含む。さらに前記画像形成制御方法は、前記プロセッサーが、前記テストPDLデータの送信に対応して、前記テスト画像を表すラスタデータおよび前記プリント条件の情報を含むジョブデータを前記画像処理装置から前記通信装置を通じて受信することを含む。さらに前記画像形成制御方法は、前記プロセッサーが、前記ジョブデータの受信に対応して、前記プリント条件に従って前記ラスタデータに基づく前記テスト画像を前記シートに形成する処理を前記プリント装置に実行させることを含む。
【0010】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記プリント装置と、前記通信装置と、前記画像形成制御方法を実現する前記プロセッサーと、を備える。
【0011】
本発明の他の局面に係る画像形成システムは、前記画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な画像処理装置と、を備える。前記画像処理装置は、前記画像形成装置から前記テストPDLデータを受信し、前記テストPDLデータを前記ジョブデータへ変換し、前記ジョブデータを前記画像形成装置へ送信する画像処理部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、テスト画像の形成および前記テスト画像に関連するデータの更新のための処理に要する画像形成装置の負荷を軽減できる画像形成制御方法、画像形成装置および画像形成システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る画像形成システムの構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成システムにおけるテストプリント制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る画像形成システムにおける登録データおよびテストPDLデータの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る画像形成システムにおけるトークン定義データの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[画像形成システム100]
実施形態に係る画像形成システム100は、1つ以上の画像形成装置10と、画像形成装置10と通信可能な画像処理装置6と、を含む(図1参照)。
【0016】
画像形成装置10は、シート収容部1、シート搬送装置2、プリント装置5を備える(図1参照)。
【0017】
さらに画像形成装置10は、ヒューマンインターフェイス装置800および制御装置8を備える。制御装置8は、シート搬送装置2およびプリント装置5を制御する。
【0018】
シート搬送装置2は、シート収容部1に収容されたシート9を1枚ずつ搬送路200へ送り出す。さらにシート搬送装置2は、シート9を搬送路200に沿って搬送する。
【0019】
本実施形態において、シート搬送装置2は、一次搬送装置21、ベルト搬送装置22および二次搬送装置23を含む。
【0020】
一次搬送装置21は、シート9をシート収容部1から搬送路200へ送り出す。さらに一次搬送装置21は、シート9を搬送路200に沿って搬送し、シート9をベルト搬送装置22へ送り出す。
【0021】
ベルト搬送装置22は、一次搬送装置21からシート9の搬送を引き継ぐ。ベルト搬送装置22は、シート9を搬送路200に沿って搬送し、さらにシート9を二次搬送装置23へ送り出す。
【0022】
二次搬送装置23は、ベルト搬送装置22からシート9の搬送を引き継ぐ。二次搬送装置23は、搬送路200に沿ってシート9を搬送し、さらにシート9を搬送路200から不図示の後段部へ送り出す。例えば、前記後段部は、排出トレイ、後処理装置または中継搬送装置などである。
【0023】
プリント装置5は、プリント処理を実行する。前記プリント処理は、搬送路200に沿って搬送されるシート9に画像を形成する処理である。
【0024】
本実施形態において、プリント装置5は、ベルト搬送装置22によって搬送されるシート9に画像を形成する。図1に示される例において、プリント装置5は、インクジェット方式で前記プリント処理を実行する。
【0025】
図1に示される例において、プリント装置5は、それぞれ複数の色に対応する複数のインクジェットユニット51と、複数のインク供給部52を含む。
【0026】
複数のインク供給部52は、それぞれ異なる色のインクを複数のインクジェットユニット51へ供給する。複数のインクジェットユニット51は、シート9へインクを吐出することによってシート9に画像を形成する。
【0027】
なお、プリント装置5が、例えば電子写真方式など前記インクジェット方式以外の方式で前記プリント処理を実行する装置であってもよい。
【0028】
[ヒューマンインターフェイス装置800]
ヒューマンインターフェイス装置800は、操作装置801および表示装置802を含む。
【0029】
操作装置801は、人の操作を検出する装置である。例えば、操作装置801は、タッチパネルおよび操作ボタンの一方または両方を含む。
【0030】
表示装置802は、各種の情報を表示する装置である。例えば、表示装置802は、液晶表示パネルなどのパネル表示装置である。
【0031】
[制御装置8]
制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83、信号インターフェイス84および通信装置85などを備える。
【0032】
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置83は、コンピュータープログラムおよび各種のデータの記憶および更新が可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置83として採用される。
【0033】
信号インターフェイス84は、各種のセンサーが出力する信号をデジタルデータへ変換し、変換後のデジタルデータをCPU81へ伝送する。さらに、信号インターフェイス84は、CPU81が出力する制御指令を制御信号へ変換し、前記制御信号を制御対象の機器へ伝送する。
【0034】
通信装置85は、画像処理装置6およびクラウド上のサーバー7などの他装置とのネットワーク60を通じた通信を実行する。CPU81は、通信装置85を通じて前記他装置と通信する。ネットワーク60は、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどを含む。
【0035】
CPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。CPU81を含む制御装置8は、シート搬送装置2およびプリント装置5などを制御する。
【0036】
RAM82は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM82は、CPU81が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU81が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0037】
CPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。CPU81の前記複数の処理モジュールは、主制御部8aおよびプリント制御部8bなどを含む。
【0038】
主制御部8aは、各種の処理イベントの発生に応じて各種の処理を開始させる処理などを実行する。前記処理イベントは、操作イベントおよび受信イベントなどを含む。
【0039】
前記操作イベントは、操作装置801によって各種の処理要求の操作が検出されたというイベントである。前記受信イベントは、通信装置85を通じて各種の前記処理要求のコマンドが受信されたというイベントである。前記処理要求は、前記プリント処理の実行を要求するプリント要求を含む。
【0040】
プリント制御部8bは、シート搬送装置2およびプリント装置5を制御する。プリント制御部8bは、シート搬送装置2を制御することによってシート9の搬送を制御する。
【0041】
さらにプリント制御部8bは、シート搬送装置2によるシート9の搬送に同期して、プリント装置5に前記プリント処理を実行させる。
【0042】
例えば、前記プリント要求が通信装置85によって受信されたときに、プリント制御部8bは、シート搬送装置2にシート9を搬送させるとともに、プリント装置5に前記プリント処理を実行させる。
【0043】
[画像処理装置6]
画像処理装置6は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。画像処理装置6は、CPU61、RAM62、二次記憶装置63、ヒューマンインターフェイス装置64および通信装置65などを備える(図3参照)。
【0044】
二次記憶装置63は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置63は、コンピュータープログラムおよび各種のデータの記憶および更新が可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置63として採用される。
【0045】
RAM62は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM62は、CPU61が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU61が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0046】
ヒューマンインターフェイス装置64は、操作部64aおよび表示部64bを含む(図3参照)。操作部64aは、キーボードまたはマウスなど人の操作を検出する装置である。表示部64bは、各種の情報を表示する装置である。例えば、表示部64bは、液晶表示パネルなどのパネル表示装置である。
【0047】
通信装置65は、画像形成装置10などの外部装置とのネットワーク60を通じた通信を実行する。CPU61は、通信装置65を通じて前記外部装置と通信する。
【0048】
CPU61は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。CPU61の前記複数の処理モジュールは、主処理部6aおよび画像処理部6bなどを含む(図3参照)。
【0049】
主処理部6aは、画像形成装置10との間で通信装置65を通じたデータの受信およびデータの送信を行う。さらに主処理部6aは、ヒューマンインターフェイス装置64を制御する。
【0050】
画像処理部6bは、画像形成装置10から受信されたデータに基づく各種の画像処理を実行する。
【0051】
画像形成装置10は、プリントパラメータの調整のために各種のテスト画像をシート9に形成するテストプリント機能を備える。画像形成装置10のユーザーは、シート9に形成された前記テスト画像の状況に応じて、前記プリントパラメータを調整する。
【0052】
ところで、画像形成装置10は、クラウドのサーバー7からネットワーク60を通じて各種のプログラムまたはデータをダウンロードすることにより、各種の機能をバージョンアップする。前記テスト画像の内容および前記テスト画像が形成されるときのプリント条件などもバージョンアップの対象である。
【0053】
一方、画像形成装置10は、前記テスト画像を表すラスタデータに基づいて前記テスト画像についての前記プリント処理を実行する。前記ラスタデータのデータサイズは大きく、また、前記ラスタデータを生成する処理の演算負荷は大きい。
【0054】
従って、画像形成装置10が前記テスト画像を表すラスタデータを保有する場合、前記テスト画像の形成のための画像形成装置10の演算負荷が大きい。さらに、前記テスト画像に関連するデータのバージョンアップのための画像形成装置10の通信負荷が大きい。
【0055】
画像形成システム100において、画像形成装置10および画像処理装置6は、後述するテストプリント制御を実行する。これにより、前記テスト画像の形成および前記テスト画像に関連するデータの更新が行われるときの画像形成装置10の負荷が軽減される。
【0056】
以下、図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記テストプリント制御の手順の一例について説明する。
【0057】
以下の説明において、S101,S102,…は、前記テストプリント制御において画像形成装置10のCPU81により実行される処理における複数の工程の識別符号を表す。S201,S202,…は、前記テストプリント制御において画像処理装置6のCPU61により実行される処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0058】
CPU81の主制御部8aは、テストプリントイベントが発生したときに、前記テストプリント制御を開始する。例えば、前記テストプリントイベントは、予め設定された基準枚数分のシート9への前記プリント処理が実行されるごとに自動的に発生するイベントである。
【0059】
また、前記テストプリントイベントが、テストプリント要求が操作装置801または通信装置85を通じて入力された、というイベントであってもよい。
【0060】
<工程S101>
前記テストプリント制御において、まずは工程S101の処理が実行される。工程S101において、主制御部8aは、予め二次記憶装置83に記憶された登録データDT1を取得する。
【0061】
図2に示されるように、登録データDT1およびトークン変換データDT2が予め二次記憶装置83に記憶されている。
【0062】
登録データDT1は、ページ記述データPD1および1つ以上のトークンTX1を含むデータである(図5参照)。
【0063】
ページ記述データPD1は、前記テスト画像およびプリント条件の情報をページ記述言語によって表すデータである。例えば、ページ記述データPD1は、前記テスト画像およびプリント条件の情報をポストスプリクトによって表すデータである。
【0064】
例えば、前記プリント条件は、シート種条件および出力面条件などを含む。前記シート種条件は、前記テスト画像が形成されるシート9の種類を表す。前記出力面条件は、前記テスト画像をシート9の片面のみに形成するかシート9の両面に形成するかを表す。
【0065】
トークンTX1は、画像形成装置10の複数の機種に共通の文字列である。トークンTX1は、画像形成装置10の固有情報を代替する文字列である。例えば、前記固有情報は、画像形成装置10の機種名または画像形成装置10の製造番号などを含む。
【0066】
図6に示されるように、トークン変換データDT2は、1つ以上のトークンTX1と画像形成装置10の固有情報を表す1つ以上の装置固有データTX2との対応関係を表す
トークンTX1は、トークン変換データDT2における装置固有データTX2を特定する検索キーとして機能する。
【0067】
主制御部8aは、工程S101の処理を実行した後、処理を工程S102へ移行させる。
【0068】
<工程S102>
工程S102において、主制御部8aは、工程S101で得られた登録データDT1に基づいてテストPDLデータTD1を生成する(図5参照)。
【0069】
主制御部8aは、登録データDT1におけるトークンTX1を、トークンTX1に対応する装置固有データTX2に置き換えることによってテストPDLデータTD1を生成する。
【0070】
従って、テストPDLデータTD1は、前記テスト画像および前記プリント条件の情報をページ記述言語によって表すページ記述データPD1と、トークンTX1に対応する装置固有データTX2と、を含む(図5参照)。
【0071】
本実施形態において、テストPDLデータTD1における装置固有データTX2は、前記テスト画像の一部を構成する装置情報画像を表す。即ち、テストPDLデータTD1において、ページ記述データPD1および装置固有データTX2が、前記テスト画像を表す。
【0072】
主制御部8aは、工程S102の処理を実行した後、処理を工程S103へ移行させる。
【0073】
<工程S103>
工程S103において、主制御部8aは、工程S102で生成されたテストPDLデータTD1を通信装置85を通じて画像処理装置6へ送信する。主制御部8aは、工程S103の処理を実行した後、処理を工程S104へ移行させる。
【0074】
<工程S104>
工程S104において、主制御部8aは、ジョブデータJD1を画像処理装置6から通信装置85を通じて受信する。
【0075】
ジョブデータJD1は、テストPDLデータTD1の送信に応じて受信されるデータである。ジョブデータJD1は、前記テスト画像を表すラスタデータおよびテストPDLデータTD1に含まれていた前記プリント条件の情報を含む。
【0076】
主制御部8aは、工程S104の処理を実行した後、処理を工程S105へ移行させる。
【0077】
<工程S105>
工程S105において、プリント制御部8bは、ジョブデータJD1の受信に対応してテストプリント処理をプリント装置5に実行させる。
【0078】
前記テストプリント処理は、ジョブデータJD1の前記プリント条件に従って、ジョブデータJD1の前記ラスタデータに基づく前記テスト画像をシート9に形成する処理である。
【0079】
工程S105の処理が実行されることにより、画像形成装置10は、前記テスト画像が形成されたシート9を排出する。
【0080】
画像形成装置10のユーザーは、シート9に形成された前記テスト画像の状況に応じて、複数の調整候補から選択される調整対処を行う。
【0081】
例えば、前記複数の調整候補は、各種の調整処理を画像形成装置10に実行させる操作を操作装置801に行うことを含む。例えば、前記調整処理は、ヘッドクリーニング処理、プリント濃度補正処理またはプリント位置補正処理などを含む。
【0082】
プリント制御部8bは、工程S105の処理を実行した後、前記テストプリント制御における画像形成装置10の処理を終了する。
【0083】
工程S101~S103の処理は、画像形成制御方法を実現する処理の一例である。工程S101~S103の処理を実行するCPU81は、前記画像形成制御方法を実現するプロセッサーの一例である。
【0084】
一方、画像処理装置6において、CPU61の主処理部6aは、画像形成装置10からテストPDLデータTD1を送信されてくるまで待機する。主処理部6aは、画像形成装置10からテストPDLデータTD1を送信されてきたときに、工程S201の処理を実行する。
【0085】
<工程S201>
工程S201において、主処理部6aは、画像形成装置10から通信装置65を通じてテストPDLデータTD1を受信する。
【0086】
主処理部6aは、工程S201の処理を実行した後、処理を工程S202へ移行させる。
【0087】
<工程S202>
工程S202において、画像処理部6bは、工程S201で受信されたテストPDLデータTD1をジョブデータJD1へ変換する。
【0088】
具体的には、画像処理部6bは、テストPDLデータTD1における前記プリント条件の情報と装置固有データTX2とページ記述データPD1とを抽出する。さらに画像処理部6bは、テストPDLデータTD1におけるページ記述データPD1および装置固有データTX2を、前記テスト画像を表すラスタデータへ変換する。
【0089】
さらに画像処理部6bは、抽出された前記プリント条件の情報と前記ラスタデータとを含むジョブデータJD1を生成する。これにより、テストPDLデータTD1がジョブデータJD1へ変換される。
【0090】
画像処理部6bは、工程S202の処理を実行した後、処理を工程S203へ移行させる。
【0091】
<工程S203>
工程S203において、主処理部6aは、ジョブデータJD1を通信装置65を通じて画像形成装置10へ送信する。
【0092】
主処理部6aは、工程S203の処理を実行した後、前記テストプリント制御における画像処理装置6の処理を終了する。
【0093】
工程S201~S203の処理を実行するCPU61は、データ処理部の一例である。
【0094】
本実施形態において、画像形成装置10の主制御部8aは、データ更新イベントが発生したときに、バージョンアップ処理を実行する。
【0095】
前記バージョンアップ処理は、クラウド上のサーバー7から通信装置85を通じて新たな登録データDT1を取得し、二次記憶装置83における登録データDT1を新たな登録データDT1に更新する処理を含む。
【0096】
例えば、前記データ更新イベントは、ヒューマンインターフェイス装置800または通信装置85を通じてバージョンアップ指示が入力されたというイベントである。
【0097】
具体的には、画像形成装置10の主制御部8aまたは不図示のホスト装置は、サーバー7から通信装置85を通じてバージョンアップ通知を受信したときに、バージョンアップ問い合わせ処理を実行する。
【0098】
前記ホスト装置は、画像形成装置10の管理者によって使用される情報処理装置である。前記ホスト装置は、ネットワーク60を通じて画像形成装置10と通信可能である。
【0099】
主制御部8aは、前記バージョンアップ問い合わせ処理において、ヒューマンインターフェイス装置800を通じて前記バージョンアップ処理の要否を前記管理者に問い合わせる。
【0100】
前記バージョンアップ問い合わせ処理において、操作装置801によって認容操作が検出されることが、前記バージョンアップ指示の入力である。
【0101】
同様に、前記ホスト装置は、前記バージョンアップ問い合わせ処理において、前記ホスト装置のヒューマンインターフェイス装置を通じて前記バージョンアップ処理の要否を前記管理者に問い合わせる。
【0102】
前記ホスト装置は、前記バージョンアップ問い合わせ処理において、前記ホスト装置の前記ヒューマンインターフェイス装置によって認容操作が検出されたときに、前記バージョンアップ指示を画像形成装置10へ送信する。
【0103】
以上に示されるように、画像形成装置10において、主制御部8aは、前記テストプリントイベントが発生したときに工程S101~S103の処理を実行する。
【0104】
工程S101~S102において、主制御部8aは、二次記憶装置83から登録データDT1を取得し、登録データDT1におけるトークンTX1を装置固有データTX2に置き換えることによりテストPDLデータTD1を生成する。
【0105】
工程S103において、主制御部8aは、テストPDLデータTD1を画像処理装置6へ通信装置85を通じて送信する。
【0106】
さらに主制御部8aは、テストPDLデータTD1の送信に対応して工程S104の処理を実行する。工程S104において、主制御部8aは、テストPDLデータTD1に対応するジョブデータJD1を画像処理装置6から通信装置85を通じて受信する。
【0107】
さらにプリント制御部8bは、ジョブデータJD1の受信に対応して工程S105の処理を実行する。工程S105において、プリント制御部8bは、前記テストプリント処理をプリント装置5に実行させる。
【0108】
一方、画像処理装置6は、工程S201~S203の処理を実行する。工程S201において、主処理部6aは、画像形成装置10からテストPDLデータTD1を受信する。
【0109】
工程S202において、画像処理部6bは、テストPDLデータTD1をジョブデータJD1へ変換する。工程S203において、主処理部6aは、ジョブデータJD1を画像形成装置10へ送信する。
【0110】
登録データDT1のデータサイズは、前記ラスターデータを含むジョブデータJD1のデータサイズに比べてごく小さい。登録データDT1は、前記テスト画像に関連するデータの一例である。
【0111】
従って、画像形成システム100が採用されることにより、登録データDT1の更新のための前記バージョンアップ処理の負荷が軽減される。
【0112】
さらに、前記テストプリントイベントが発生するごとに前記テスト画像を表す前記ラスタデータを生成する処理は、画像処理装置6によって実行される。そのため、前記テストプリントイベントが発生するごとの画像形成装置10の処理の負荷が軽減される。
【0113】
さらに、画像形成装置10ごとに固有の装置固有データTX2は、登録データDT1において、画像形成装置10の複数の機種に共通のトークンTX1に置き換えられている。これにより、1つの登録データDT1を画像形成装置10の複数の機種において共用することができる。その結果、登録データDT1をバージョンアップするための作業および処理が簡素化される。
【符号の説明】
【0114】
2 :シート搬送装置
5 :プリント装置
6 :画像処理装置
7 :サーバー
8 :制御装置
10 :画像形成装置
64 :ヒューマンインターフェイス装置
100 :画像形成システム
800 :ヒューマンインターフェイス装置
DT1 :登録データ
DT2 :トークン変換データ
JD1 :ジョブデータ
PD1 :ページ記述データ
TD1 :テストPDLデータ
TX1 :トークン
TX2 :装置固有データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6