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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007629
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】圧力調整弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
F16K17/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109159
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 純一
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB03
3H060CC22
3H060DA01
3H060DB13
3H060DC05
3H060DD02
3H060DD12
3H060DD17
3H060HH14
(57)【要約】
【課題】位置調整部の配置を工夫することにより、小型化を図るとともに、汎用性を高めることができる圧力調整弁を提供することである。
【解決手段】圧力調整弁100aであって、二次側ポート1Bを有する本体11と、本体11と別体であり、本体の一端側に配置されるとともに、一次側ポート1A及び弁座12aを有する弁座部12と、軸線L方向に移動し、弁座12aに対して、着座または離座する弁体20と、弁体20を弁座12aへと付勢する付勢手段41,51と、付勢手段41,51の付勢力を調整可能な位置調整部42と、を備え、位置調整部42は、弁座部12及び本体11における軸線方向の相対位置を変位可能な構成を有する。これにより、従来の問題点1(取り付けスペース大)及び従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次側ポートを有する本体と、
前記本体と別体であり、前記本体の一端側に配置されるとともに、一次側ポート及び弁座を有する弁座部と、
軸線方向に移動し、前記弁座に対して、着座または離座する弁体と、
前記弁体を前記弁座へと付勢する付勢手段と、
前記付勢手段の付勢力を調整可能な位置調整部と、
を備え、
前記位置調整部は、前記弁座部及び前記本体における軸線方向の相対位置を変位可能な構成であることを特徴とする圧力調整弁。
【請求項2】
前記位置調整部は、調整ねじ部からなり、
前記調整ねじ部は、前記弁座部及び前記本体にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整弁。
【請求項3】
前記弁座部は、一端面に一対の回転工具挿入部を有し、
前記一対の回転工具挿入部は、軸線方向からみて、前記一次側ポートの外周側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の圧力調整弁。
【請求項4】
前記調整ねじ部を介して、前記本体に対して、前記弁座部を軸線方向に移動させる付勢力調整手段と、
前記付勢力調整手段により、前記弁体を前記弁座部に付勢させた状態で、前記弁座部を前記本体に対して固定させる付勢力固定手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の圧力調整弁。
【請求項5】
前記弁座部は、前記本体より一端側に延在し、
前記弁座部の一端部における外周面には、シール部材を収容する外周溝が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力調整弁。
【請求項6】
前記弁座部は、前記調整ねじ部より一端側に、フランジ部を有し、
軸線方向からみて、前記フランジ部の外周面と前記本体の内周面との間には、前記付勢力固定手段により設けられる溶接部と、前記溶接部が設けられない隙間部とを有し、
前記一次側ポートと前記二次側ポートとを常時連通するブリード流路が、前記隙間部と、前記調整ねじ部の螺合隙間と、からなることを特徴とする請求項4に記載の圧力調整弁。
【請求項7】
前記フランジ部の外周縁の一部にフランジ切り欠き部が形成されており、
前記隙間部は、前記フランジ切り欠き部の外周面と前記本体の内周面との隙間に形成されることを特徴とする請求項6に記載の圧力調整弁。
【請求項8】
前記弁座部及び前記本体における前記調整ねじ部の少なくとも一方には、軸線方向に延在するねじ切り欠き部が形成され、
前記螺合隙間は、前記ねじ切り欠き部と、前記ねじ切り欠き部に対向する前記調整ねじ部との隙間に形成されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の圧力調整弁。
【請求項9】
前記本体は、縮径部を有し、
前記縮径部に、二次側ポートを画定する横穴が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力調整弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置調整部を備える圧力調整弁に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力調整弁において、弁体に作用する圧力に応じて開度を可変に制御するために、位置調整部である調整ねじ部材を設け、弁開(あるいは弁閉)圧力を任意に設定する構造を備えるものが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、図12に示すように、圧力調整弁1200(以下、「従来の圧力調整弁」という)であって、一次側ポート1201A、二次側ポート1201B及び弁座1212aを有する弁本体1210と、弁座1212aに着座又は離座する弁体1220と、を備えるものが記載されている。また、特許文献1には、シリンダ部材1231及びピストン部材1233により、弁体1220の軸線L方向へのスライドを支持するスライドユニット1230と、調整ねじ部材1242を介して、弁ばね1241の付勢力を調整する調整ばねユニット1240と、感圧用ベローズ1251を有する感圧用ベローズユニット1250と、内周面1212bに当接する複数の脚部1272を有する弾性部材1270と、をさらに備えるものが記載されている。
【0004】
ここで、従来の圧力調整弁では、構造上、弁ばね1241及び感圧用ベローズ1251の二次側ポート1201B側において、調整ねじ部材1242により、弁ばね1241及び感圧用ベローズ1251の付勢力の調整を行っていた。よって、従来の圧力調整弁では、調整ねじ部材1242を、二次側ポート1201B内に配置する必要があるため、全体的に、軸線L方向に長尺となり、取り付けスペースが大きくなるというおそれがあった(以下、「従来の問題点1(取り付けスペース大)」という)。
【0005】
また、圧力調整弁には、使用者の用途によって、様々な配管経路、特に、軽量化及び省スペース化のため、配管ブロック内に形成した流路内に取り付けられることが要望されていた。
【0006】
しかしながら、従来の圧力調整弁は、一次側配管と二次側配管との間に、比較的大径のフランジなどを介して、配管接続されているため、配管ブロック内の流路などに適用することができず、汎用性が極めて低くなるというおそれがあった(以下、「従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)」という)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-16290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、位置調整部の配置を工夫することにより、小型化を図るとともに、汎用性を高めることができる圧力調整弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、圧力調整弁は、二次側ポートを有する本体と、前記本体と別体であり、前記本体の一端側に配置されるとともに、一次側ポート及び弁座を有する弁座部と、軸線方向に移動し、前記弁座に対して、着座または離座する弁体と、前記弁体を前記弁座へと付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力を調整可能な位置調整部と、を備え、前記位置調整部は、前記弁座部及び前記本体における軸線方向の相対位置を変位可能な構成を有する。
【0010】
また、上記圧力調整弁であって、前記位置調整部は、調整ねじ部からなり、前記調整ねじ部は、前記弁座部及び前記本体にそれぞれ設けるものとしてもよい。
【0011】
また、上記圧力調整弁であって、前記弁座部は、一端面に一対の回転工具挿入部を有し、前記一対の回転工具挿入部は、軸線方向からみて、前記一次側ポートの外周側に配置されるものとしてもよい。
【0012】
また、上記圧力調整弁であって、前記調整ねじ部を介して、前記本体に対して、前記弁座部を軸線方向に移動させる付勢力調整手段と、前記付勢力調整手段により、前記弁体を前記弁座部に付勢させた状態で、前記弁座部を前記本体に対して固定させる付勢力固定手段と、をさらに備えるものとしてもよい。
【0013】
また、上記圧力調整弁であって、前記弁座部は、前記本体より一端側に延在し、前記弁座部の一端部における外周面には、シール部材を収容する外周溝が設けられるものとしてもよい。
【0014】
また、上記圧力調整弁であって、前記弁座部は、前記調整ねじ部より一端側に、フランジ部を有し、軸線方向からみて、前記フランジ部の外周面と前記本体の内周面との間には、前記付勢力固定手段により設けられる溶接部と、前記溶接部が設けられない隙間部とを有し、前記一次側ポートと前記二次側ポートとを常時連通するブリード流路が、前記隙間部と、前記調整ねじ部の螺合隙間と、からなるものとしてもよい。
【0015】
また、上記圧力調整弁であって、前記フランジ部の外周縁の一部にフランジ切り欠き部が形成されており、前記隙間部は、前記フランジ切り欠き部の外周面と前記本体の内周面との隙間に形成されるものとしてもよい。
【0016】
また、上記圧力調整弁であって、前記弁座部及び前記本体における前記調整ねじ部の少なくとも一方には、軸線方向に延在するねじ切り欠き部が形成され、前記螺合隙間は、前記ねじ切り欠き部と、前記ねじ切り欠き部に対向する前記調整ねじ部との隙間に形成されるものとしてもよい。
【0017】
また、上記圧力調整弁であって、前記本体は、縮径部を有し、前記縮径部に、二次側ポートを画定する横穴が形成されるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、位置調整部の配置を工夫することにより、小型化を図るとともに、汎用性を高めることができる圧力調整弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る圧力調整弁を示す説明図であり、(a)は、圧力調整弁の縦断面図、(b)は、(a)に示される矢印Ib方向からみた矢視底面図を、それぞれ表す。
図2図1に示される弁座部の説明図であり、(a)は、下方斜視図、(b)は、側面図、(c)は、底面図を、それぞれ表す。
図3図1に示される圧力調整弁を配管ブロックに取り付けた状態を示す断面図である。
図4図3に示される破線IVaで囲まれた領域の拡大断面図であり、(a)は、弁閉状態、(b)は、弁開状態を、それぞれ表す。
図5】第1の実施形態の回転工具挿入部変形例の説明図(図2(c)に対応する底面図)である。
図6】第1の実施形態のブリード流路変形例1の説明図であり、(a)は、本体から弁座部を取り外した縦断面図、(b)は、図1(b)に対応する底面図を、それぞれ表す。
図7】第1の実施形態のブリード流路変形例2の説明図であり、(a)は、図4(a)に対応する拡大断面図、(b)は、(a)に示される矢印VIIb方向からみた本体及び弁座部の矢視底面図、(c)は、(a)に示される弁座部の下方斜視図を、それぞれ表す。
図8】第1の実施形態のブリード流路変形例3の説明図(図2(a)に対応する底面図)である。
図9】第2の実施形態に係る圧力調整弁を示す縦断面図である。
図10図9に示される弁座部の説明図であり、(a)は、下方斜視図、(b)は、側面図、(c)は、底面図を、それぞれ表す。
図11図9に示される圧力調整弁を配管ブロックに取り付けた状態を示す断面図である。
図12】従来技術に係る圧力調整弁を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図1から図11を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0021】
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「左」、「右」、「上」、「下」とは、図1図2(b)、図3図4図6(a)、図7(a)、図9図10(b)、図11に示される方向を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「一端」及び「他端」とは、図面における「下端」及び「上端」を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「感圧用ベローズの有効受圧面積」とは、蛇腹形状の最小内径(感圧用ベローズの中心軸側に突出する蛇腹形状における「谷」部の内径)及び最大外径(感圧用ベローズの中心軸側の中心軸から離れる方向に突出する蛇腹形状の「山」部の外径)の平均径に基づいて算出した近似値としての受圧面積を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「位置調整部」とは、「弁座部及び本体における軸線方向の相対位置を変位可能な構成」を示す。
【0022】
(第1の実施形態)
<圧力調整弁の構成について>
図1及び図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係る圧力調整弁100aについて説明する。圧力調整弁100aは、弁本体10、弁体20、スライドユニット30、調整ばねユニット40、感圧用ベローズユニット50、弾性部材70から主に構成される。以下、圧力調整弁100aのそれぞれの構成を順に説明する。なお、一次側ポート1Aには、高圧の一次側圧力P1が導入される一方、二次側ポート1Bには、低圧の二次側圧力P2が導入される。
【0023】
ここで、詳細は後述するが、第1の実施形態の圧力調整弁100aは、本体11と弁座部12とを別体とするとともに、位置調整部である調整ねじ部42は、弁座部12及び本体11における軸線L方向の相対位置を変位可能な構成を有することにより、従来の問題点1(取り付けスペース大)及び従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消し、取り付け動作自体も簡便にすることができる。
【0024】
弁本体10は、例えば、ステンレスやアルミなどの金属を材料とするものであり、有底円筒形状を有する本体11と、本体11と別体に構成され、略円筒形状を有する弁座部12と、を備える。
【0025】
本体11は、内部に収容室Aを画定するとともに、側壁に、軸線L方向からみて、周方向に複数(例えば、4つ)均等に配列され、二次側ポート1Bを画定する横穴11aを有する。また、本体11の他端部11uには、軸線Lと同軸を有する開口部11oが形成される。
【0026】
弁座部12は、環状の弁座12aと、一次側ポート1Aを画定する内周面12bと、を備える。
【0027】
弁体20は、例えば、ステンレスやりん青銅などの金属を材料とするものであり、略円板形状を有する。この弁体20は、環状の弁部21と、軸線Lと同軸線上に一端側に突出するボス部22と、を備える。
【0028】
弁部21は、弁座12aより大きな外径を有し、軸線L方向に移動することにより、弁座12aに着座又は離座する。また、ボス部22は、弾性部材70の開口部に嵌合する。
【0029】
スライドユニット30は、一端側の弁体20に固定される円筒状のシリンダ部材31と、他端側の固定金具52に、弁ばね41の付勢力により当接される連結部材32と、この連結部材32に他端部がカシメ固定され、シリンダ部材31に対して進退可能に支持されるピストン部材33と、を備え、感圧用ベローズ51の内部に設けられる。ここで、弁ばね41は、シリンダ部材31と連結部材32との間に、押圧状態で挟持される。よって、スライドユニット30は、弁ばね41の付勢力を感圧用ベローズ51に伝達することにより、感圧用ベローズ51が軸線Lに沿った伸張方向に付勢される。
【0030】
調整ばねユニット40は、圧縮ばねである弁ばね41(付勢手段)と、弁ばね41及び感圧用ベローズ51を伸縮させ弁体20に対する付勢力を調整する位置調整部である調整ねじ部42と、を備える。この位置調整部である調整ねじ部42の詳細については後述する。
【0031】
感圧用ベローズユニット50は、例えば、ステンレスやりん青銅などの金属を材料とするものであり、プレス成形により、軸線L方向に延在する蛇腹形状に形成される感圧用ベローズ51(付勢手段)と、略円板形状を有する固定金具52と、を備える。
【0032】
感圧用ベローズ51は、一端部が、弁体20の外周側他端面に溶接固定されるとともに、他端部が、固定金具52の外周側一端面に溶接固定されており、内部が密閉される。
【0033】
ここで、感圧用ベローズ51の有効受圧面積と弁座部12に囲まれる弁体20の受圧面積と一致するように設定される。これにより、二次側圧力P2により、感圧用ベローズ51に作用する上向きの力と、弁体20に作用する下向きの力と、が打ち消し合うことになる。したがって、弁体20が二次側圧力P2の影響を受けず、一次側圧力P1の変動に応じて、弁体20の開度を可変に制御することができる。なお、蛇腹形状の最小内径及び最大内径の平均内径に基づいて算出した近似値としての受圧面積(有効受圧面積)に限らず、実験を通じて得た実際の受圧面積を用いて圧力調整弁100aの各部の寸法を設定することもできる。
【0034】
また、固定金具52は、軸線Lと同軸線上に他端側に突出するボス部52aを有し、このボス部52aは、本体11の開口部11oに嵌合された後、カシメ加工により、カシメ部Crが形成され、本体11に固定される。
【0035】
弾性部材70は、例えば、ステンレスやりん青銅などの金属を材料とし、比較的肉薄で弾性を有する部材を、プレス加工により成形したものである。また、弾性部材70は、軸線Lと同軸線上に開口部を有する円環固定部71と、円環固定部71の外周側に接続され、軸線L方向の一端側に伸びるとともに、軸線L方向からみて、同一円周上に配置(例では、同一円周上に8つ等間隔に配置)される複数の脚部72と、脚部72の一端側から他端側の間に形成され、弁座部12の内周面12bに対して凸形状を有する湾曲部73と、を備える。この弾性部材70の開口部に、ボス部22が嵌合された後、スポット溶接等による溶接部(不図示)を介して、弾性部材70が、弁体20に接合される。なお、湾曲部73が、弁座部12の内周面12bに対して凸形状を有しているため、湾曲部73が、弁座部12の内周面12bに対して略点接触で摺接する。
【0036】
<位置調整部の詳細について>
前述したように、従来の圧力調整弁では、図12に示すように、位置調整部である調整ねじ部材1242により、弁ばね1241及び感圧用ベローズ1251の他端側において、弁ばね1241及び感圧用ベローズ1251の付勢力の調整を行っていたため、従来の問題点1(取り付けスペース大)を有していた。
【0037】
また、従来の圧力調整弁は、一次側配管と二次側配管との間に、比較的大径のフランジなどを介して、配管接続されるものであったため、従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を有していた。
【0038】
これに対し、発明者は、鋭意な研究により、従来の問題点1(取り付けスペース大)及び従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)に対する解決策として、位置調整部の配置を工夫すること、つまり、位置調整部を、弁座部12及び本体11における軸線L方向の相対位置を変位可能な構成とすることを着想した。
【0039】
第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、本体11と弁座部12とを別体とするとともに、位置調整部の一例である、調整ねじ部42を、本体11及び弁座部12にそれぞれ設けるものである。つまり、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、調整ねじ部42により、弁ばね41及び感圧用ベローズ51の付勢力を調整するため、従来の圧力調整弁で採用されていた調整ねじ部材が不要、つまり、小型化が可能となり、従来の問題点1(取り付けスペース大)を解消することができる。また、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、全ての構成を本体11内に収容するワンカートリッジ形式とすることにより、従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消し、取り付け動作自体も簡便にすることができる。加えて、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、比較的高い寸法精度が求められる弁座部12を、本体11と別体とすることで加工が容易になる。
【0040】
具体的には、調整ねじ部42は、本体11の一端側内周面に形成される本体側調整ねじ部42aと、弁座部12の外周面に形成される弁座部側調整ねじ部42bと、からなり、互いに螺合される。これにより、弁ばね41及び感圧用ベローズ51の他端側は、単に、本体11に固定される構造であればよいため、特に、本体11の他端側構成を大幅に簡素化することができ、結果、有底円筒形状を有する本体11内に、全ての構成を収容するワンカートリッジ形式とすることができる。
【0041】
<位置調整部のバリエーションについて>
ここで、第1の実施形態の圧力調整弁100aにおいては、位置調整部として、調整ねじ部42を採用するものであるが、これに限らない。前述の<用語について>で定義したように、「位置調整部」は、「弁座部及び本体における軸線方向の相対位置を変位可能な構成」である。したがって、位置調整部として、弁座部及び本体における軸線方向の相対位置を変位可能な構成であれば、如何なる構成を採用してもよい。ここでは、位置調整部の一例として、不図示であるが、スライド部を採用するものを説明する。
【0042】
このスライド部は、円筒形状を有する弁座部12の一端側外周面、及び、本体11の一端側内周面(以下、「スライド面」という)からなる。この円筒形状を有し、対向するスライド面は、互いに中心軸を同軸上に設定するとともに、互いのスライド面間における隙間管理を適切に行い、接触時における摺動抵抗を所定値より小さくするものである。これにより、互いのスライド面が接触した際には、軸線L方向に対する傾きが抑制され、同軸が確保された状態で、一方のスライド面が他方のスライド面にガイドされながら、軸線L方向のスライド移動が可能となる。さらに、弁座部12のスライド面に、溝部を設けるものであってもよい。加えて、この溝部において、他端側では、軸線L方向に延在する直線形状である一方、一端側では、この直線形状に連続する螺旋形状を有するものであってもよい。これにより、弁座部12を本体11に対して、所望の調整位置まで軸線L方向にスライド移動させた後、弁座部12を本体11に対して回転させることにより嵌合固定され、結果、位置調整を行うことができる。
【0043】
よって、位置調整部として、スライド部を採用するものであっても、従来の問題点1(取り付けスペース大)及び従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消することができる。
【0044】
<懸念事項への対処について>
なお、従来の圧力調整弁は、出荷前における弁開圧力の較正工程にて、性能測定装置に流体接続させ、一次側ポートから空気等の流体を流した状態で、二次側圧力を計測するとともに、所定流量の時に所定圧となるように、二次側ポート内に延在する調整治具により、調整ねじ部材を回転させ、弁開圧力を調整していた。しかしながら、従来の圧力調整弁では、弁開圧力を設定する際に基準となる二次側圧力が、二次側ポート内に配置される調整治具により変動してしまうため、弁開圧力設定値のばらつきが懸念されていた(以下、「懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)」という)。
【0045】
<付勢力調整手段について>
まず、第1の実施形態の弁座部12は、調整ねじ部42より一端側に設けられるフランジ部12cと、このフランジ部12cの一端面に形成され、軸線Lを挟んで対称位置に配置される一対の回転工具挿入部12dと、をさらに有する。なお、この一対の回転工具挿入部12dは、一対の丸形状穴(いわゆる、カニ目穴)を有しており、図1(b)及び図2(a),(c)に示すように、軸線L方向からみて、一次側ポート1Aの外周側に配置される。ここで、一対の回転工具挿入部12dに係合される、調整治具(不図示)の形状は、それぞれの丸形状穴に係合し得る一対の円柱状ドライバーとする。次に、弁体20への付勢力調整手段は、一次流路側より、調整治具を一対の回転工具挿入部12dに係合させ、調整ねじ部42を介して、本体11に対して、弁座部12を回転させ、軸線L方向に移動させることにより、弁ばね41及び感圧用ベローズ51の伸縮、つまり、弁体20に対する付勢力を調整する。
【0046】
よって、第1の実施形態の圧力調整弁100aは、出荷前における弁開圧力の較正工程にて、従来の圧力調整弁と同様に、性能測定装置に流体接続させ、一次側ポートから空気等の流体を流した状態で、二次側圧力を計測し、所定流量の時に所定圧となるように、付勢力調整手段により、調整ねじ部42を介して、弁開圧力を調整する。この際、一対の回転工具挿入部12dは、流体経路の主流から離間した、一次側ポート1Aの外周側のよどみ領域に存在するため、調整治具も、同様に、よどみ域内に配置される。このため、第1の実施形態の圧力調整弁100aは、付勢力調整手段が、計測中の流体に影響を与えること抑制でき、一次流路側より弁開圧力を調整しても、一次側圧力は比較的安定し、二次側圧力への影響も抑制できることから、懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)を解消し、弁開圧力設定値の調整をより高精度で行うことができる。
【0047】
<付勢力固定手段について>
付勢力調整手段により、弁開圧力設定値で弁開するように、弁体20に対する付勢力を調整した後、弁体20を弁座部12に付勢させた状態で、弁座部12を本体11に対して固定、つまり、弁座部12及び本体11の一端側を、互いに溶接等で固定する。この際、軸線L方向からみて、弁座部12のフランジ部12cの外周面と、本体11の内周面との間には、付勢力固定手段により設けられる溶接部Wが、環状に隙間なく設けられるため、弁座部12と本体11との隙間を介して、一次側ポート1Aと二次側ポート1Bとを常時連通するブリード流路が形成されるものではない。
【0048】
この溶接部Wにより、調整ねじ部42がより確実に固定されることで、外部環境からの振動や衝撃などで、調整ねじ部42が緩み、弁開圧力設定値が変化することを確実に防止できる。
【0049】
<圧力調整弁の取り付けついて>
まず、図3を用いて、本体11及び配管ブロックBのそれぞれの形状について説明する。
【0050】
本体11は、軸線L方向に沿って、一端部11dから他端部11uに向かって、外径が漸減する、大径部11l、中央部11c(縮径部)、小径部11sが形成される。ここで、大径部11lと中央部11cとの間には、連続的に接続されるくびれ部11nが形成される。また、中央部11cの他端側外周面には、ブロック部材Bに螺合される雄ねじ螺合部11scmが形成される。
【0051】
次に、配管ブロックBは、軸線L方向に沿う挿通穴を有し、この挿通穴の一端側には、一次側流路Fp1及び環状溝Gaが形成される。ここで、一次側流路Fp1の内径は、本体11の大径部11lの外径と比べ若干大きく設定される。環状溝Gaには、軸線L方向と直交する方向に形成される二次側流路Fp2が接続される。また、軸線L方向に沿う挿通穴には、環状溝Gaから他端側に向けて、階段状に順次縮径する複数の環状段部が形成される。この複数の環状段部には、順に、第1収容溝G1、第2収容溝G2、第3収容溝G3、及び、第4収容溝G4が形成される。さらに、一次側流路Fp1の他端側には、OリングOrが収容される、環状シール溝Giが形成される。加えて、第2収容溝G2の内周面には、雌ねじ螺合部Bscfが形成される。
【0052】
なお、第1の実施形態では、図3に示すような、本体11及び配管ブロックBのそれぞれの形状について説明したが、これは一例にすぎず、配管ブロックBが挿通穴を有し、本体11がこの挿通穴に挿通可能な外形を有しているものであれば、如何なる形状でもよい。
【0053】
<取り付け動作について>
圧力調整弁100aの配管ブロックBへの取り付け動作について説明する。圧力調整弁100aを、配管ブロックBの軸線L方向に沿う一次側流路Fp1の一端側より挿入する。そして、本体11の雄ねじ螺合部11scmをブロック部材Bの雌ねじ螺合部Bscfに螺合させながら、本体11の他端部11uが配管ブロックBに当接するまで、軸線L方向の他端側へと移動させる。この圧力調整弁100aの取り付け状態では、弁座部12が画定する一次側ポート1Aは、一次側圧力P1が導入される一次側流路Fp1と連通するとともに、本体11の横穴11aが画定する二次側ポート1Bは、二次側圧力P2が導入される二次側流路Fp2と連通する。この際、本体11の大径部11lと環状シール溝Giとの間に、OリングOrが挟持され、本体11と配管ブロックBとの隙間をシールする。また、固定金具52のカシメ部Crは、第4収容溝G4に収容されるため、配管ブロックBと干渉することを防ぐ。
【0054】
このように、第1の実施形態では、位置調整部である調整ねじ部42を、本体側調整ねじ部42a及び弁座部側調整ねじ部42bから構成し、本体11の他端側構成を大幅に簡素化することにより、有底円筒形状を有する本体11内に、全ての構成を収容するワンカートリッジ形式とすることができるため、従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消し、取り付け動作自体も簡便にすることができる。
【0055】
なお、第1の実施形態の圧力調整弁100aの取り付け状態では、図3に示すように、二次側ポート1Bのいずれか1つが、二次側流路Fp2と対向配置するものであるが、これに限らない。例えば、二次側ポート1Bは、周方向に複数(例えば、4つ)均等に配列されており、また、二次側ポート1Bと二次側流路Fp2との間には、環状溝Gaが介在しているため、複数の二次側ポート1Bからの流体は、環状溝Gaに沿う周方向の流れを介して、二次側流路Fp2へとスムーズに流れることができるため、二次側ポート1Bのいずれも二次側流路Fp2と対向配置しない場合でもよい。また、第1の実施形態では、配管ブロックBに、環状溝Gaが形成されるものを示したが、これに限らない。例えば、配管ブロックBに、環状溝Gaが形成されないものであってもよく、この際には、大径部11lと中央部11c(縮径部)との外径差により、中央部11cに形成される横穴11aの周辺に環状空間が形成されるため、環状溝Gaを有する場合と同様に、複数の二次側ポート1Bからの流体を、この環状空間に沿う周方向の流れを介して、二次側流路Fp2へとスムーズに流れることができる。
【0056】
<圧力調整弁の動作について>
図4を用いて、圧力調整弁100aの動作を説明する。ここでは、圧力調整弁100aにおいて、一次側ポート1Aには、高圧の一次側圧力P1が導入され、二次側ポート1Bには、低圧の二次側圧力P2が導入される。ここで、弾性部材70の複数の湾曲部73は、複数の脚部72が有する半径方向外側の弾性力により押圧されるため、弁座部12の内周面12bに対して摺動抵抗を有する。
【0057】
まず、図4(a)を用いて、弁閉状態の圧力調整弁100aについて説明する。一次側ポート1Aの圧力が上昇すると、弁体20に対する差圧による弁開力が作用する。しかしながら、この弁開力が、感圧用ベローズ51及び弁ばね41の付勢力と、弾性部材70の湾曲部73における摺動抵抗との合力を上回るまでは、弁体20は弁座12aから離座しない。
【0058】
次に、図4(b)を用いて、弁開状態の圧力調整弁100aについて説明する。一次側ポート1Aの圧力がさらに上昇し、弁体20に作用する弁開力が、感圧用ベローズ51及び弁ばね41の付勢力と、弾性部材70の湾曲部73における摺動抵抗との合力を上回ると、弁体20が弁座12aから離座し、一次側ポート1Aから二次側ポート1Bへと流体が流れる。
【0059】
さらに、一次側ポート1Aの圧力が低下すると、弁体20に作用する弁開力が、感圧用ベローズ51及び弁ばね41の付勢力と、弾性部材70の湾曲部73における摺動抵抗との合力を下回り、再び、弁体20は弁座12aに着座する。
【0060】
以上より、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、本体11と弁座部12とを別体とするとともに、位置調整部である調整ねじ部42を、本体11及び弁座部12にそれぞれ設けることにより、従来の問題点1(取り付けスペース大)を解消することができる。また、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、全ての構成を本体11内に収容するワンカートリッジ形式とすることにより、従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消し、取り付け動作自体も簡便にすることができる。さらに、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、一対の回転工具挿入部12dを、軸線L方向からみて、一次側ポート1Aの外周側、つまり、よどみ領域に配置することにより、付勢力調整手段が、計測中の流体に影響を与えることを抑制できるため、懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)を解消し、弁開圧力設定値の調整をより高精度で行うことができる。
【0061】
(第1の実施形態の回転工具挿入部変形例)
図5を用いて、第1の実施形態の回転工具挿入部変形例における圧力調整弁100bについて説明する。なお、第1の実施形態の回転工具挿入部変形例における圧力調整弁100bは、一対の回転工具挿入部12Bdが溝形状を有する点で、第1の実施形態の圧力調整弁100aと相違するが、その他の構成は、第1の実施形態と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0062】
<懸念事項(偏心状態での調整ねじ部の螺合結合)について>
ここでは、図2を用いて、付勢力調整手段を採用することにより生じる懸念事項について述べる。
【0063】
調整ねじ部42における、本体側調整ねじ部42aと弁座部側調整ねじ部42bとの間には、螺合結合を可能とするために所定の螺合隙間を有している。ここで、軸線Lに対する、弁座部12に形成される一対の回転工具挿入部12dの形成位置精度(図2(c)参照)や、調整治具の取り付け位置精度が低い場合には、偏心した状態で、調整ねじ部42における螺合結合が行われることが懸念されていた(以下、「懸念事項(偏心状態での調整ねじ部の螺合結合)」という)。この際には、調整ねじ部42において、片当たりによる噛み込みが生じることにより、円滑な軸線L方向への移動が行えないおそれや、調整後における弁座12aの上面が、軸線Lに垂直な平面から傾いた状態となり、弁漏れを生じるおそれがあった。
【0064】
<付勢力調整手段について>
これに対し、第1の実施形態の回転工具挿入部変形例における弁座部12Bは、図5に示すように、調整ねじ部42より一端側に設けられるフランジ部12Bcと、このフランジ部12Bcの一端面に形成され、軸線Lを挟んで対称位置に配置される一対の回転工具挿入部12Bdと、を有する。この一対の回転工具挿入部12Bdは、軸線Lと直交する直線上に沿って、軸線Lを挟んで対称位置に形成されるとともに、半径方向内側に開口する一方、半径方向外側に閉鎖される、一対のマイナス溝を有している。なお、この一対の回転工具挿入部12Bdは、第1の実施形態の一対の回転工具挿入部12dと同様に、軸線L方向からみて、一次側ポート1Aの外周側に配置される。また、一対の回転工具挿入部12Bdに係合される、調整治具(不図示)の形状は、それぞれのマイナス溝に沿う方向に遊嵌し得る一対のマイナスドライバーとする。
【0065】
これにより、一次流路側より、調整治具を、一対の回転工具挿入部12Bdに係合させる際に、軸線Lからみて、一対のマイナス溝を結ぶ線に対して垂直方向への位置合わせを迅速に行うことができるとともに、一対のマイナス溝を結ぶ方向の偏心誤差を吸収することができる。このため、調整ねじ部42における螺合結合を円滑、かつ、確実に行うことができるため、懸念事項(偏心状態での調整ねじ部の螺合結合)を解消することができるとともに、調整後における弁座12aの上面の傾きがなくなるため、弁漏れを防ぐことができる。
【0066】
以上より、第1の実施形態の回転工具挿入部変形例における圧力調整弁100bでは、第1の実施形態と同様に、従来の問題点1及び2(取り付けスペース大,配管ブロックへの適用不可)、懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)をそれぞれ解消することができる。また、第1の実施形態の回転工具挿入部変形例における圧力調整弁100bでは、一対の回転工具挿入部12Bdの形状を一対のマイナス溝とすることにより、調整治具を、一対の回転工具挿入部12Bdに偏心誤差を吸収しつつ、迅速に位置合わせができるため、懸念事項(偏心状態での調整ねじ部の螺合結合)を解消することができる。これにより、螺合結合を円滑、かつ、確実に行うことができるとともに、調整後において、弁座12aの上面の傾きがなくなるため、弁漏れを防ぐことができる。
【0067】
(第1の実施形態のブリード流路変形例1)
図6を用いて、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cについて説明する。なお、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cは、一次側ポート1Aと二次側ポート1Bとを常時連通するブリード流路(溶接部WCが設けられない隙間部GpC)を有する点で、第1の実施形態の圧力調整弁100aと相違するが、その他の構成は、第1の実施形態と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0068】
<ブリード流路について>
ここで、第1の実施形態の圧力調整弁100aは、使用用途により、例えば、流体を閉塞させず常に流し続ける必要がある流体回路に組み込む必要や、一次側圧力P1と二次側圧力P2との差圧が比較的大きい環境下において、弁開時に、弁ばね41の伸縮により生じる弁体20のハンチングを回避する必要などにより、ブリード流路を備えることが要望されていた。
【0069】
これに対し、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cは、図6(b)に示すように、軸線L方向からみて、弁座部12におけるフランジ部12Ccの外周面と、本体11における挿入孔11iの内周面との間には、付勢力固定手段により、溶接部WCが、周方向に複数(例えば、3つ)均等に配置される。これにより、弁座部12におけるフランジ部12Ccの外周面と、本体11における挿入孔11iの内周面との間には、溶接部WCが設けられない複数の円弧状の隙間部GpCが存在する。また、調整ねじ部42C(位置調整部)は、前述したように、所定の螺合隙間を有する。したがって、圧力調整弁100cは、一次側ポート1Aと二次側ポート1Bとを常時連通するブリード流路として、複数の円弧状の隙間部GpCと、調整ねじ部42Cの螺合隙間と、を有することにより、追加の構成などを別途用意する必要がなく、比較的簡単にブリード流路を設けることができる。
【0070】
ここでは、複数の円弧状の隙間部GpCの流路面積を、調整ねじ部42Cにおける螺合隙間の流路面積より小さく設定するものである。これにより、複数の円弧状の隙間部GpCの流路面積を調整することにより、ブリード流量を所望の値に設定することができる。具体的には、図6(a)に示すように、所望のブリード流量となるように、弁座部12のフランジ部12Ccの外径D2を、本体11の挿入孔11iの内径D1より適宜小さくし、寸法管理することにより(D2<D1)、複数の円弧状の隙間部GpCの流路面積を調整することができる。
【0071】
以上より、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cでは、第1の実施形態と同様に、従来の問題点1及び2(取り付けスペース大,配管ブロックへの適用不可)、懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)をそれぞれ解消することができる。また、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cでは、ブリード流路が、複数の円弧状の隙間部GpCと、調整ねじ部42Cの螺合隙間と、からなることにより、追加の構成などを別途用意する必要がなく、使用者の用途によって、比較的簡単にブリード流路を設けることができる。さらに、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cでは、複数の円弧状の隙間部GpCの流路面積を調整することにより、ブリード流量を所望の値に設定することができる。
【0072】
(第1の実施形態のブリード流路変形例2)
図7を用いて、第1の実施形態のブリード流路変形例2における圧力調整弁100dについて説明する。なお、第1の実施形態のブリード流路変形例2における圧力調整弁100dは、フランジ部12Dcにフランジ切り欠き部12Dnを有し、円弧状の溶接部WCの領域を有する点で、第1の実施形態のブリード流路変形例1における圧力調整弁100cと相違するが、その他の構成は、第1の実施形態のブリード流路変形例2と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0073】
<ブリード流路について>
第1の実施形態のブリード流路変形例2における圧力調整弁100dは、図7(b),(c)に示すように、弁座部12Dにおけるフランジ部12Dcの外周縁の一部に、フランジ切り欠き部12Dnを有している。また、図7(b)に示すように、軸線L方向からみて、弁座部12Dにおける、フランジ切り欠き部12Dnを含まないフランジ部12Dcの外周面と、本体11の内周面との間には、付勢力固定手段により設けられる溶接部WDが、円弧状に隙間なく設けられる。これにより、フランジ切り欠き部12Dnの外周面と、本体11の内周面との隙間には、半月状の隙間部GpDが存在する。したがって、圧力調整弁100dは、一次側ポート1Aと二次側ポート1Bとを常時連通するブリード流路Bc(図7(a)参照)として、半月状の隙間部GpDと、調整ねじ部42D(位置調整部)の螺合隙間と、を有することにより、追加の構成などを別途用意する必要がなく、比較的簡単にブリード流路Bcを設けることができる。
【0074】
ここでは、半月状の隙間部GpDの流路面積を、調整ねじ部42Dにおける螺合隙間の流路面積より小さく設定するものである。これにより、半月状の隙間部GpDの流路面積を調整することにより、ブリード流量を所望の値に設定することができる。具体的には、図7(b)に示すように、所望のブリード流量となるように、フランジ切り欠き部12Dnを寸法管理することにより、半月状の隙間部GpDの流路面積を調整することができる。なお、第1の実施形態のブリード流路変形例2における溶接部WDは、第1の実施形態のブリード流路変形例1における溶接部WCと比べ、溶接面積が広いことから、外部環境からの振動や衝撃などで、調整ねじ部42Dが緩み、弁開圧力設定値が変化することを確実に防止できる。
【0075】
以上より、第1の実施形態のブリード流路変形例2における圧力調整弁100dでは、第1の実施形態のブリード流路変形例1と同様に、従来の問題点1及び2(取り付けスペース大,配管ブロックへの適用不可)、懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)をそれぞれ解消することができる。また、第1の実施形態のブリード流路変形例2における圧力調整弁100dでは、第1の実施形態のブリード流路変形例1と同様に、ブリード流路Bcが、半月状の隙間部GpDと、調整ねじ部42Dの螺合隙間と、からなることにより、追加の構成などを別途用意する必要がなく、使用者の用途によって、比較的簡単にブリード流路を設けることができる。さらに、半月状の隙間部GpDの流路面積を調整することにより、ブリード流量を所望の値に設定することができる。加えて、第1の実施形態のブリード流路変形例2における溶接部WDは、第1の実施形態のブリード流路変形例1における溶接部WCと比べ、溶接面積が広いことから、調整ねじ部42Dの緩みにより、弁開圧力設定値が変化することを確実に防止できる。
【0076】
(第1の実施形態のブリード流路変形例3)
図8を用いて、第1の実施形態のブリード流路変形例3における圧力調整弁100eについて説明する。なお、第1の実施形態のブリード流路変形例3における圧力調整弁100eは、調整ねじ部42E(位置調整部)の螺合隙間として、弁座部側調整ねじ部42Ebにねじ切り欠き部42Enを形成している点で、第1の実施形態のブリード流路変形例1及び2における圧力調整弁100c,100dと相違するが、その他の構成は、第1の実施形態のブリード流路変形例1及び2と同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0077】
<ブリード流路について>
第1の実施形態のブリード流路変形例3における圧力調整弁100eは、図8に示すように、調整ねじ部42Eの螺合隙間として、弁座部側調整ねじ部42Ebに、軸線L方向に延在するねじ切り欠き部42Enを形成している。これにより、螺合隙間は、ねじ切り欠き部42Enと、ねじ切り欠き部42Enに対向する調整ねじ部42Eとの隙間に形成される。
【0078】
この第1の実施形態のブリード流路変形例3における、ねじ切り欠き部42Enを、第1の実施形態のブリード流路変形例1及び2における、調整ねじ部42C,42Dにそれぞれ採用することにより、調整ねじ部42C,42Dにおける螺合隙間の流路面積を大きくすることができる。これにより、複数の円弧状の隙間部GpCの流路面積(図6(b)参照)や、半月状の隙間部GpDの流路面積(図7(b)参照)を、調整ねじ部42C,42Dにおける螺合隙間の流路面積より確実に小さく設定できるため、複数の円弧状の隙間部GpCやフランジ切り欠き部12Dnを寸法管理することにより、所望のブリード流量を得ることができる。
【0079】
なお、第1の実施形態のブリード流路変形例3では、ねじ切り欠き部42Enは、1か所のみ設けられるものを示したが、これに限らず、複数設けてもよい。また、第1の実施形態のブリード流路変形例3では、ねじ切り欠き部42Enの周方向幅が、比較的小さいものを示したが、これに限らず、例えば、螺合結合として機能する限り、ねじ切り欠き部42Enの周方向幅を比較的大きくしてもよい。さらに、第1の実施形態のブリード流路変形例3では、弁座部側調整ねじ部42Ebに、ねじ切り欠き部42Enを形成するものを示したが、これに限らず、例えば、本体側調整ねじ部42aに、ねじ切り欠き部を形成するものであってもよい。
【0080】
以上より、第1の実施形態のブリード流路変形例3における圧力調整弁100eでは、第1の実施形態のブリード流路変形例1及び2と同様に、従来の問題点1及び2(取り付けスペース大,配管ブロックへの適用不可)、懸念事項(弁開圧力設定値のばらつき)をそれぞれ解消することができる。また、第1の実施形態のブリード流路変形例3における圧力調整弁100eでは、第1の実施形態のブリード流路変形例1及び2と同様に、ブリード流路が、隙間部GpC,GpDと、調整ねじ部42C,42Dの螺合隙間と、からなることにより、追加の構成などを別途用意する必要がなく、使用者の用途によって、比較的簡単にブリード流路を設けることができる。さらに、第1の実施形態のブリード流路変形例3における圧力調整弁100eでは、ねじ切り欠き部42Enを、第1の実施形態のブリード流路変形例1及び2における、調整ねじ部42C,42Dにそれぞれ採用することにより、隙間部GpC,GpDの流路面積を、調整ねじ部42C,42Dにおける螺合隙間の流路面積より確実に小さく設定できる。このため、複数の円弧状の隙間部GpCやフランジ切り欠き部12Dnを寸法管理することにより、所望のブリード流量を得ることができる。
【0081】
(第2の実施形態)
図9を用いて、第2の実施形態に係る圧力調整弁100fについて説明する。なお、第2の実施形態に係る圧力調整弁100fは、付勢力固定手段が異なる構成であるとともに、配管ブロックシール手段を有している点で、第1の実施形態の圧力調整弁100aと相違するが、その他の構成は、第1の実施形態の圧力調整弁100aと略同一である。ここで、同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、第2の実施形態に係る圧力調整弁100fは、ブリード流路を有するものではない。
【0082】
ここで、図3に示すように、第1の実施形態における、圧力調整弁100aと配管ブロックBとの隙間のシールについては、圧力調整弁100aを配管ブロックBに取り付ける際に、本体11の大径部11lと環状シール溝Giとの間に、OリングOrを挟持することにより行うものである。この取り付け動作を行う際に、まず、環状シール溝GiにOリングOrを収容させた後に、このOリングOr内に、本体11の比較的長い距離を挿入させる必要があった。したがって、OリングOrが本体11の大径部11lに押圧され、シール状態となる前に、本体11の他の部分と摺動することにより、環状シール溝Giから離脱し、所望のシール状態とならないおそれがあった。また、このOリングOrが、所望のシール状態で配置されるように、配管ブロックBに対する圧力調整弁100aの取り付け動作を慎重に行う必要があり、改善が要望されていた。
【0083】
これに対し、詳細は後述するが、第2の実施形態の圧力調整弁100fでは、第1の実施形態と同様に、本体11Fと弁座部12Fとを別体とするとともに、調整ねじ部42を、本体11F及び弁座部12Fにそれぞれ設けることにより、従来の問題点1(取り付けスペース大)を解消することができる。また、第2の実施形態の圧力調整弁100fでは、本体11F内に全ての構成を収容するとともに、配管ブロックシール手段を有することにより、ワンアクションで取り付け可能なワンカートリッジ形式とすることができ、その結果、従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消し、取り付け動作自体をより迅速かつ簡便にすることができる。
【0084】
<位置調整部のバリエーションについて>
ここで、第2の実施形態の圧力調整弁100fにおいても、第1の実施形態と同様に、位置調整部として、調整ねじ部42を採用するものであるが、これに限らず、「弁座部及び本体における軸線方向の相対位置を変位可能な構成」であれば、如何なる構成を採用してもよい。ここでは、位置調整部の一例として、不図示であるが、スライド部を採用するものを説明する。
【0085】
このスライド部は、円筒形状を有する弁座部12Fの一端側外周面、及び、本体11Fの一端側内周面(以下、「スライド面」という)からなる。この円筒形状を有し、対向するスライド面は、互いに中心軸を同軸上に設定するとともに、互いのスライド面間における隙間管理を適切に行い、接触時における摺動抵抗を所定値より小さくするものである。これにより、互いのスライド面が接触した際には、軸線L方向に対する傾きが抑制され、同軸が確保された状態で、一方のスライド面が他方のスライド面にガイドされながら、軸線L方向のスライド移動が可能となる。さらに、弁座部12Fのスライド面に、溝部を設けるものであってもよい。加えて、この溝部において、他端側では、軸線L方向に延在する直線形状である一方、一端側では、この直線形状に連続する螺旋形状を有するものであってもよい。これにより、弁座部12Fを本体11Fに対して、所望の調整位置まで軸線L方向にスライド移動させた後、弁座部12Fを本体11Fに対して回転させることにより嵌合固定され、結果、位置調整を行うことができる。
【0086】
よって、位置調整部として、スライド部を採用するものであっても、従来の問題点1(取り付けスペース大)及び従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消することができる。
【0087】
ここからは、第2の実施形態の圧力調整弁100fにおける、付勢力調整手段、付勢力固定手段及び配管ブロックシール手段について、順に説明する。
【0088】
<付勢力調整手段について>
まず、弁体20への付勢力調整手段により、調整ねじ部42を介して、弁座部12Fを本体11Fに対して回転させ、軸線L方向に移動させることにより、弁体20に対する付勢力を調整する。この際、弁座部12Fは、本体11Fより一端側に延在した状態となっている。
【0089】
<付勢力固定手段について>
付勢力調整手段により、弁開圧力設定値で弁開するように、弁体20に対する付勢力を調整した後、付勢力固定手段により、弁座部12Fの中間部及び本体11Fの一端部11dを、半径方向外側より、互いに溶接等により固定する溶接部WFを設ける。この際、詳細は後述するが、第2の実施形態においては、この溶接部WFより一次流路側に、配管ブロックシール手段を有するため、弁座部12Fと本体11Fとの隙間を介して、一次側ポート1Aと二次側ポート1Bとを常時連通するブリード流路が形成されるものではない。このため、弁座部12の中間部における外周面と、本体11Fの一端部11dにおける内周面との間には、付勢力固定手段により設けられる溶接部WFが、半径方向外側からみて、環状に隙間なく設けられる必要がなく、例えば、周方向に複数均等に配置されてもよい。
【0090】
<配管ブロックシール手段について>
弁座部12Fは、図10に示すように、弁座部側調整ねじ部42bより一端側に設けられるフランジ部12Fcと、フランジ部12Fcにおける外周面に設けられる外周溝12Fgと、を備える。ここで、付勢力固定手段により、溶接部WFが設けられ、弁座部12Fと本体11Fが固定された後、外周溝12Fgに対して、フランジ部12Fcより大きな外径を有するOリングOr(シール部材)が収容される。なお、詳細は後述するが、圧力調整弁100fの配管ブロックBfへの取り付け動作を行うことにより、外周溝12Fgと、配管ブロックBfとの間に、OリングOrが挟持され、弁座部12Fと配管ブロックBfとの隙間をシールすることができる。
【0091】
<圧力調整弁の取り付けついて>
まず、図11を用いて、本体11F及び配管ブロックBfのそれぞれの形状について説明する。
【0092】
本体11Fは、軸線L方向に沿って、一端部11dから他端部11uに向かって、外径が漸減する、大径部11l、小径部11sが形成される。また、大径部11lの他端側外周面には、ブロック部材Bfに螺合される雄ねじ螺合部11scmが形成される。
【0093】
次に、配管ブロックBfは、軸線L方向に沿う挿通穴を有し、この挿通穴の一端側には、一次側流路Fp1、環状固定溝Gf及び環状溝Gaが形成される。ここで、環状固定溝Gfの内径は、一次側流路Fp1及び環状溝Gaの内径と比べ小さく、また、弁座部12Fのフランジ部12Fcの外径と比べ若干大きく設定される。また、この環状溝Gaには、軸線L方向と直交する方向に形成される二次側流路Fp2が接続される。さらに、軸線L方向に沿う挿通穴には、環状溝Gaから他端側に向けて、階段状に順次縮径する複数の環状段部が形成される。この複数の環状段部には、順に、第1収容溝G1、第2収容溝G2、第3収容溝G3、及び、第4収容溝G4が形成される。加えて、第2収容溝G2の内周面には、雌ねじ螺合部Bscfが形成される。
【0094】
なお、第2の実施形態では、図11に示すような、本体11F及び配管ブロックBfのそれぞれの形状について説明したが、これは一例にすぎず、配管ブロックBfが挿通穴を有し、本体11Fがこの挿通穴に挿通可能な外形を有しているものであれば、如何なる形状でもよい。
【0095】
<取り付け動作について>
圧力調整弁100fの配管ブロックBfへの取り付け動作について説明する。圧力調整弁100fを、配管ブロックBfの軸線L方向に沿う一次側流路Fp1の一端側より挿入する。そして、本体11Fの雄ねじ螺合部11scmをブロック部材Bfの雌ねじ螺合部Bscfに螺合させながら、本体11Fの他端部11uが配管ブロックBfに当接するまで、軸線L方向の他端側へと移動させる。この際、弁座部12Fの外周溝12Fgと、配管ブロックBfの環状固定溝Gfとの間に、初めて、OリングOrが挟持され、弁座部12Fと配管ブロックBfとの隙間をシールする。これにより、OリングOrが、配管ブロックBfと接触する時間を最小限に抑えることができるため、OリングOrが、外周溝12Fgから脱落するなど、位置ずれが生じることを抑制することができる。また、取り付け動作自体を、ワンアクションとすることにより、より迅速かつ簡便にすることができる。
【0096】
以上より、第2の実施形態の圧力調整弁100fでは、第1の実施形態と同様に、本体11Fと弁座部12Fとを別体とするとともに、調整ねじ部42を、本体11F及び弁座部12Fにそれぞれ設けることにより、従来の問題点1(取り付けスペース大)を解消することができる。また、第2の実施形態の圧力調整弁100fでは、本体11F内に全ての構成を収容するとともに、配管ブロックシール手段を有することにより、ワンアクションで取り付け可能なワンカートリッジ形式とすることができ、その結果、従来の問題点2(配管ブロックへの適用不可)を解消し、取り付け動作自体をより迅速かつ簡便にすることができる。
【0097】
<その他>
本実施形態の圧力調整弁100a~100fは、あらゆる流体装置及び流体回路に適用可能であることは言うまでもない。また、本発明は、上述した各形態や、各実施形態、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【符号の説明】
【0098】
100a~100f 圧力調整弁
1A 一次側ポート
1B 二次側ポート
10,10F 弁本体
11,11F 本体
11a 横穴
11c 中央部(縮径部)
11d 一端部
11i 挿入孔
11l 大径部
11n くびれ部
11o 開口部
11s 小径部
11scm 雄ねじ螺合部
11u 他端部
12,12B,12C,12D,12E,12F 弁座部
12a 弁座
12b 内周面
12c,12Bc,12Cc,12Dc,12Ec,12Fc フランジ部
12Dn フランジ切り欠き部
12d,12Bd 一対の回転工具挿入部
12Fg 外周溝
20 弁体
21 弁部
22 ボス部
30 スライドユニット
31 シリンダ部材
32 連結部材
33 ピストン部材
40 調整ばねユニット
41 弁ばね(付勢手段)
42,42C,42D,42E 調整ねじ部(位置調整部)
42a 本体側調整ねじ部
42b,42Eb 弁座部側調整ねじ部
42En ねじ切り欠き部
50 感圧用ベローズユニット
51 感圧用ベローズ(付勢手段)
52 固定金具
52a ボス部
70 弾性部材
71 円環固定部
72 脚部
73 湾曲部

A 収容室
B,Bf 配管ブロック
Bscf 雌ねじ螺合部
Bc ブリード流路
Cr カシメ部
D1 本体の挿入孔の内径
D2 弁座部のフランジ部の外径
Fp1 一次側流路
Fp2 二次側流路
G1 第1収容溝
G2 第2収容溝
G3 第3収容溝
G4 第4収容溝
Ga 環状溝
Gf 環状固定溝
Gi 環状シール溝
GpC,GpD 隙間部
L 軸線
Or Oリング(シール部材)
P1 一次側圧力
P2 二次側圧力
W,WC,WD,WF 溶接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12