(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007634
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109169
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗田 杏樹
(72)【発明者】
【氏名】江川 杏樹
(72)【発明者】
【氏名】河村 有香
(72)【発明者】
【氏名】中井 栄光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザ各々に適したアイメイク用化粧品の類型を提示できる技術に関する。
【解決手段】アイメイク用化粧品の類型を選択する情報処理方法であって、ユーザの目を含む顔面の画像情報を取得し、前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出し、前記特徴情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択し、選択された前記類型についての類型情報を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイメイク用化粧品の類型を選択する、コンピュータ上で実行される情報処理方法であって、
ユーザの目を含む顔面の画像情報を取得し、
前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出し、
前記特徴情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択し、
選択された前記類型についての類型情報を出力する
情報処理方法。
【請求項2】
前記アイメイク用化粧品は、アイメイク用化粧料を含み、
前記形状情報に基づいて、前記アイメイク用化粧料の類型を選択する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記形状情報は、
左右方向に延びる基準直線に対する、前記目頭における上部眼瞼の立ち上がり角度を示す第1角度と、
前記基準直線に対する、前記目頭と目尻とを結んだ直線の傾きを示す第2角度と、を含み、
前記第1角度及び前記第2角度に基づいて、前記アイメイク用化粧料の前記類型を選択する
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記第1角度が第1閾値以下であると判定される場合、切れ長型の目に適した第1化粧料タイプを選択し、
前記第1角度が前記第1閾値以下でなく、かつ、前記第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きいと判定される場合、丸目型の目に適した第2化粧料タイプを選択し、
前記第1角度が前記第1閾値以下でなく前記第2閾値より大きくないと判定される場合、さらに、
前記第2角度が第3閾値以下であると判定される場合、たれ目型の目に適した第3化粧料タイプを選択し、
前記第2角度が前記第3閾値以下でないと判定される場合、つり目型の目に適した第4化粧料タイプを選択する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記アイメイク用化粧料は、睫毛用化粧料であり、
前記第1化粧料タイプは、油性タイプであり、かつ睫毛を長く見せる効果を有するロングタイプであり、
前記第2化粧料タイプは、乳液タイプであり、かつ睫毛のボリューム感を高める効果を有するボリュームタイプであり、
前記第3化粧料タイプは、前記乳液タイプであり、かつ前記ロングタイプであり、
前記第4化粧料タイプは、前記油性タイプであり、かつ前記ボリュームタイプである
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記特徴情報は、さらに、前記顔面に含まれる少なくとも一つの形状要素の直線性についての情報を有する顔立ち情報を含み、
前記アイメイク用化粧品の前記類型は、前記アイメイク用化粧料の色によって分類される類型を含み、
前記顔立ち情報に基づいて、前記少なくとも一つの形状要素の直線性が高いと判定される場合、寒色系の色又は相対的に明度の低い色に対応する第1色タイプを選択し、
前記顔立ち情報に基づいて、前記少なくとも一つの形状要素の直線性が高くないと判定される場合、暖色系の色又は相対的に明度の高い色に対応する第2色タイプを選択する
請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記アイメイク用化粧料は、睫毛用化粧料であり、
前記第1色タイプは、黒色に対応し、
前記第2色タイプは、茶色に対応する
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記特徴情報は、さらに、前記顔面の左右方向における前記ユーザの目の配置に関する配置情報を含み、
前記アイメイク用化粧品は、前記アイメイク用化粧料としての睫毛用化粧料と、前記睫毛用化粧料を塗布するアプリケーターと、を含み、
前記アプリケーターは、ブラシ状の塗布部を有し、
前記形状情報に基づいて、前記睫毛用化粧料の類型を選択し、
前記配置情報に基づいて、前記アプリケーターの類型を選択する
請求項2から7のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記配置情報は、
前記目の左右方向の幅に対する、前記ユーザの目尻とこめかみの間の距離の比率である第1比率と、
前記目の左右方向の幅に対する、前記ユーザの左右の目頭の間の距離の比率である第2比率と、を含み、
前記第1比率及び前記第2比率に基づいて、前記塗布部の特徴によって分類される前記アプリケーターの類型を選択する
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記第1比率が第4閾値以上であり、かつ、前記第2比率が第5閾値以上であると判定される場合、前記塗布部が前記目の前記左右方向における幅に近い長さを有する第1アプリケータータイプを選択し、
前記第1比率が前記第4閾値以上であり、かつ、前記第2比率が第5閾値以上でないと判定される場合、前記第1アプリケータータイプの前記塗布部よりも睫毛を分離しやすい形状の前記塗布部を有する第2アプリケータータイプと選択し、
前記第1比率が前記第4閾値以下でなく、かつ、前記第2比率が第5閾値以下であると判定される場合、前記第1アプリケータータイプの前記塗布部よりも太さが太い前記塗布部を有する第3アプリケータータイプを選択し、
前記第1比率が前記第4閾値以下でなく、かつ、前記第2比率が第5閾値以下でないと判定される場合、前記第1アプリケータータイプの前記塗布部よりも長さが短い第4アプリケータータイプを選択する
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記類型情報は、
選択された前記類型に属する前記アイメイク用化粧品を推奨するための推奨情報を含む
請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
選択された前記類型に対応する前記ユーザの顔面の特徴分類についての分類情報を生成し、
生成された前記分類情報を出力する
請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ユーザの前記アイメイク用化粧品に対する嗜好についての嗜好情報を取得し、
前記特徴情報及び前記嗜好情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択する
請求項1から12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
アイメイク用化粧品の類型を選択する情報処理装置であって、
ユーザの目を含む顔面の画像情報を取得し、
前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出し、
前記特徴情報に基づいて、
前記アイメイク用化粧前記類型を選択し、
選択された前記類型についての類型情報を出力する、
制御部
を具備する情報処理装置。
【請求項15】
アイメイク用化粧品の類型を選択する情報処理システムであって、
制御部を有する情報処理装置と、
前記情報処理装置と接続されるユーザ端末と、
を具備し、
前記ユーザ端末は、ユーザの目を含む顔面の画像情報を前記情報処理装置に送信し、
前記制御部は、
前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出し、
前記特徴情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択し、
選択された前記類型についての類型情報を出力する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの顔の特徴に適したアイメイク用化粧品の類型を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者各々に対して、適した製品や情報を提供するパーソナライゼーションが重要視されている。化粧品の分野においては、例えば、特許文献1に記載されているように、顧客の肌特性や指示に応じて、化粧品のパッケージや化粧料の処方を生成する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アイメイクは、個人の印象に大きく影響を与えることができる。その一方で、マスカラ等のアイメイク用化粧品は、色や化粧効果等について多くの類型(タイプ)を有し、ユーザが自分に適した類型の製品を選択することが難しい。
【0005】
本発明の課題は、ユーザ各々に適したアイメイク用化粧品の類型を提示できる技術に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る情報処理方法は、アイメイク用化粧品の類型を選択する、コンピュータ上で実行される情報処理方法であり、
ユーザの目を含む顔面の画像情報を取得するステップと、
前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出するステップと、
前記特徴情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択するステップと、
選択された前記類型についての類型情報を出力するステップと、
を含む。
【0007】
本発明の他の形態に係る情報処理装置は、アイメイク用化粧品の類型を選択する情報処理装置であって、制御部を具備する。
前記制御部は、
ユーザの目を含む顔面の画像情報を取得し、
前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出し、
前記特徴情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択し、
選択された前記類型についての類型情報を出力する。
【0008】
本発明のさらに他の形態に係る情報処理システムは、アイメイク用化粧品の類型を選択する情報処理システムであって、
制御部を有する情報処理装置と、
前記情報処理装置と接続されるユーザ端末と、
を具備する。
前記ユーザ端末は、ユーザの目を含む顔面の画像情報を前記情報処理装置に送信する。
前記制御部は、
前記画像情報に基づいて、前記ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する形状情報を含む特徴情報を抽出し、
前記特徴情報に基づいて、前記アイメイク用化粧品の前記類型を選択し、
選択された前記類型についての類型情報を前記ユーザ端末に送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザ各々に適したアイメイク用化粧品の類型を提示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの構成を例示する図である。
【
図2】(A)は、上記システムに含まれるサーバのハードウェア構成を示す図であり、(B)は、上記システムに含まれるユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】上記システムの記憶部に記憶されるデータベース(DB)構成を示す図である。
【
図4】上記システムの処理の流れを例示するシーケンス図である。
【
図5】上記処理のステップS22における、形状情報の抽出方法について説明する図であり、(A)が第1角度、(B)が第2角度の説明を示す。
【
図6】上記処理のステップS22における、配置情報の抽出方法について説明する図である。
【
図7】上記処理のステップS23における、形状情報に基づく類型選択処理の流れを例示するフロー図である。
【
図8】上記形状情報に基づいて生成される目の形状分類の例を示す図である。
【
図9】上記処理のステップS23における、顔立ち情報に基づく類型選択処理の流れを例示するフロー図である。
【
図10】上記顔立ち情報に基づいて生成される顔立ち分類の例を示す図である。
【
図11】上記処理のステップS23における、配置情報に基づく類型選択処理の流れを例示するフロー図である。
【
図12】上記配置情報に基づいて生成される配置分類の例を示す図である。
【
図13】アイメイク用化粧品がマスカラである場合の、アプリケーター(ブラシ)の類型の例を示す図である。
【
図14】上記処理のステップS14において表示される画面の例を示す図である。
【
図15】上記処理のステップS14において表示される画面の他の例を示す図である。
【
図16】上記処理のステップS14において表示される画面の他の例を示す図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係るシステムの処理の流れを例示するシーケンス図である。
【
図18】上記実施形態の変形例に係るシステムの処理の流れを例示するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
<第1実施形態>
[システムの構成]
本発明の第1実施形態に係るシステムは、例えばインターネットを介したシステムを構成する。本実施形態において、当該システムは、アイメイク用化粧品の類型を選択することが可能な情報処理システムとして機能する。
【0013】
図1に示す例において、本実施形態に係るシステムは、インターネットN上のサーバ100と、複数のユーザ端末200(200A,200B,200C・・・)と、を含む。なお、
図1においては、システムが3つのユーザ端末200A,200B,200Cを含む例を挙げているが、ユーザ端末200の数はこれに限定されない。
【0014】
サーバ100は、アイメイクに関する情報を提供可能なポータルサイト(アイメイク情報提供サイト)の運営者によって運営されるウェブサーバ(情報処理装置)である。サーバ100は、複数のユーザ端末200とインターネット50を介して接続されている。
【0015】
サーバ100は、上記ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けにアイメイク情報提供サービスを提供する。具体的には、サーバ100は、ユーザ端末200からユーザの顔面の画像情報を取得し、当該画像情報に基づいて、ユーザに適したアイメイク用化粧品の類型についての情報を掲載したウェブページを生成してユーザ端末200へ送信する。
【0016】
ユーザ端末200(200A,200B,200C・・・)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。ユーザ端末200は、サーバ100へアクセスし、上記ウェブページを受信してブラウザ等により画面に表示する。また、ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいてユーザの顔面の画像を撮像し、撮像した画像の情報をサーバ100へ送信する。
【0017】
本実施形態では、サーバ100は、ユーザ端末200から取得した画像情報に基づいて、ユーザの顔面の特徴情報を抽出し、各特徴情報に基づくアイメイク用化粧品の類型情報を選択する類型選択処理を行う。当該アイメイク用化粧品の類型選択処理については後述する。
【0018】
本明細書において、アイメイク用化粧品は、アイメイク用化粧料、それを塗布する化粧用具、及びその他のアイメイク用化粧品から選択された少なくとも1種を含む。また、アイメイク用化粧品は、1種の化粧品であってもよいし、複数種の化粧品を含んでいてもよく、複数種の化粧品を組み合わせて1つの化粧品を構成する態様であってもよい。部位別の区分に関して、アイメイク用化粧品は、例えば、睫毛用化粧品、眉毛用化粧品、及び瞼用化粧品から選ばれる少なくとも1種を含む。睫毛用化粧品は、例えば、マスカラ、マスカラ下地、マスカラトップコート、アイラッシュカーラー等を含む。眉毛用化粧品は、例えば、アイブロウパウダー、アイブロウペンシル、眉用マスカラ等を含む。瞼用化粧品は、例えば、アイシャドウ、アイライナー等を含む。
【0019】
本明細書において、アイメイク用化粧料とは、アイメイク用化粧品のうち、ユーザの目元に塗布される化粧料を意味する。アイメイク化粧料を塗布するための化粧用具としては、例えば、後述する睫毛用のアプリケーター、眉毛用ブラシ、アイシャドウブラシ、チップ、スポンジ等が挙げられる。アイメイク用化粧料とそれを塗布するための化粧用具を組み合わせた化粧品としては、例えば、マスカラ、眉マスカラ等が挙げられる。
【0020】
本実施形態において、アイメイク用化粧品は、睫毛用化粧品を含むことが好ましく、具体的には、マスカラを含むことがより好ましい。この場合、睫毛用化粧品は、睫毛用化粧料(例えばマスカラ液)と、それを塗布するアプリケーターと、を含むことが好ましい。アプリケーターは、例えば、ブラシ状の塗布部を有する。マスカラは、マスカラ液の類型及びアプリケーターの類型の組み合わせにより、目元の印象を多様に変化させることができる。このため、これらの類型を適切に選択することで、ユーザに似合うアイメイクを実現することができる。
【0021】
[サーバのハードウェア構成]
図2(A)に示すように、サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0022】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらサーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する制御部である。ROM12は、CPU11に実行させるOSや各種パラメータ等のファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OSのROM12に記憶されない部分、各種アプリケーション、処理中の各種データ等を一時的に保持する。
【0023】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0024】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)等を用いた表示デバイスである。
【0025】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0026】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。後述するが、特に本実施形態において、記憶部18は、後述する処理に必要なアプリケーション等のプログラムの他、特徴情報データベース、類型情報データベースを有している。
【0027】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200との間の通信処理を担う。
【0028】
図2(B)に示すように、ユーザ端末200も、サーバ100と同様に、例えば、CPU21、ROM22、RAM23、バス24、入出力インタフェース25、表示部26、操作受付部27、記憶部28、通信部29を有する。さらに、ユーザ端末200は、入出力インタフェース25に接続された撮像部30を有する。撮像部30は、例えば、イメージセンサを含むカメラである。
【0029】
[データベースの構成例]
図3に示すように、サーバ100は、記憶部18に、特徴情報データベース31と、類型情報データベース32と、を有している。なお各データベースは記憶部18ではなくサーバ100に外部接続された記憶装置やサーバに記憶されていてもよい。
【0030】
特徴情報データベース31は、各ユーザの顔面の画像情報から抽出される特徴情報を記憶している。特徴情報は、画像情報から画像解析処理によって抽出される顔面の特徴に関する情報である。特徴情報は、目の形状に関する形状情報を含む。さらに、特徴情報は、目の配置に関する配置情報、又は顔面の顔立ちの印象に関する顔立ち情報の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。
【0031】
形状情報は、ユーザの目頭における眼瞼の角度に関する情報である。具体的に、眼瞼の角度は、例えば、ユーザの目頭を挟んだ上下の眼瞼の角度であってもよいし、左右方向に延びる基準直線に対する目頭から上部眼瞼への立ち上がり角度(鋭角)であってもよい。形状情報の具体例については後述する。
【0032】
顔立ち情報は、例えば、顔面に含まれる少なくとも1つの形状要素の直線性に関する情報を有する。顔面に含まれる形状要素は、顔面を構成するパーツ(例えば、目、口、鼻、顔面の輪郭、眉毛等)の形状的な特徴を含む要素である。例えば、目に関する形状要素としては、目の大きさ、目の細さ、眼瞼の形状(例えば一重瞼又は二重瞼など)、目頭に対する目尻の傾き、眼瞼の輪郭形状、涙袋の形状等が挙げられる。口に関する形状要素としては、例えば、唇の厚み、口の左右方向の幅、唇の輪郭形状等が挙げられる。鼻に関する形状要素としては、例えば、鼻の長さ、小鼻の形状、鼻の高さ等が挙げられる。
【0033】
「顔面における形状要素の直線性」は、各形状要素の形状が直線的で鋭い印象であるか、又は丸みを帯びた柔らかい印象であるかの指標である。直線性が高いか否かについての基準は、各形状要素に応じて適宜設定できるが、例えば、各パーツの上下方向の厚み(例えば、薄いと直線性が高く、厚いと直線性が低い)、パーツの立体性(例えば、一重瞼は二重瞼よりも直線性が高い)、輪郭の屈曲度合(例えば、輪郭が鋭く屈曲していると直線性が高く、輪郭が湾曲していると直線性が低い)などに基づいて設定することができる。
【0034】
本実施形態において、配置情報は、顔面の左右方向におけるユーザの目の配置に関する情報である。「目の配置に関する情報」とは、目の左右方向における位置や配置バランスについての情報を意味する。具体的に、目の左右方向における位置についての情報は、左右の目頭の間の距離、目とこめかみとの間の距離、目の左右方向における幅に対するこれらの距離の比率、顔面の左右方向における幅に対するこれらの距離の比率から選ばれる少なくとも一種の情報を含むことが好ましい。なお、本明細書において、「こめかみ」とは、顔面の画像から抽出される、目尻の左右方向外側の顔面の輪郭を意味する。
【0035】
本実施形態において、特徴情報データベース31は、さらに、特徴情報に基づいて生成されたユーザの顔面の特徴分類についての分類情報を記憶していることが好ましい。特徴情報データベース31は、例えば、各ユーザの特徴情報に対応付けて顔を分類する分類情報を記憶している。記憶される顔面の特徴分類は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。本実施形態において、分類情報は、形状情報に基づいて生成された目の形状分類と、顔立ち情報に基づいて分類された顔立ち分類と、配置情報に基づいて生成された目の配置分類と、を含むことが好ましい。
【0036】
類型情報データベース32は、例えば、アイメイク用化粧品の類型と、それに対応する特徴情報及び/又は分類情報を記憶している。本明細書において、アイメイク用化粧品の類型とは、アイメイク用化粧品を特徴によって分類するための類型(タイプ)をいい、例えばアイメイク用化粧品の種類毎に定められる。各種のアイメイク用化粧品は、1つの類型に属していてもよいし、複数の類型に属し、これら複数の類型の特徴を有していてもよい。
【0037】
アイメイク用化粧料の類型は、例えば、化粧効果、化粧持ち性、色、テクスチャー(パウダー、クリーム、リキット、ペンシルなど)、視覚で認識される質感(ラメ感、ツヤ感、マット感など)、含有成分から選ばれる少なくとも1つの要素で分類される類型を含むことが好ましい。具体的に、アイメイク用化粧料が睫毛用化粧料の場合、睫毛用化粧料の類型は、例えば、化粧効果によって分類される類型、睫毛からの落ちにくさ(化粧持ち性)によって分類される類型、及び色によって分類される類型から選ばれる少なくとも1つの類型を含むことが好ましい。
【0038】
アイメイク用化粧品用具が睫毛用化粧料を塗布するアプリケーターを含む場合、アイメイク用化粧品の類型は、アプリケーターの類型を含むことが好ましい。アプリケーターの類型は、塗布部の種類(ブラシ状、コーム状など)、塗布部のサイズ(長さ、太さなど)、塗布部の毛束やコームの間隔、及び塗布部の形状(アーチ型、ひょうたん型など)から選ばれる少なくとも1つの要素によって分類される類型を含む。
【0039】
これら各データベースは、後述するサーバ100による類型選択処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0040】
[システムの動作]
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。当該動作は、サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。ユーザ端末200の動作も同様に、CPU21及び通信部29等のハードウェアと、記憶部28に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11及びCPU21を動作主体とする。
【0041】
本動作例では、サーバ100のCPU11が、ユーザの顔面の画像情報から所定の特徴情報を抽出し、それに基づいてアイメイク用化粧品の類型を選択する例について説明する。アイメイク用化粧品は、例えば、睫毛用化粧料(例えばマスカラ液)と、アプリケーター(例えばブラシ)と、を含む睫毛用化粧品(例えばマスカラ)とする。また、本動作例では、サーバ100が、アイメイク情報提供サイトを介してユーザ端末200と情報の送受信を行うものとする。
【0042】
まず、撮像処理について説明する。ユーザ端末200のCPU21は、撮像部30を制御して、ユーザの目を含む顔面の画像を撮像する(S11)。撮像に際しては、予めサーバ100のCPU11が、アイメイク情報提供サイト上で撮像をガイドするためのウェブページをユーザ端末200に送信してもよい。また、撮像時において、CPU11が、当該サイトを介して、画像の照度や撮像範囲などの撮像条件を満たしているか否か判定してもよい。撮像は、ユーザの入力操作により行われてもよいし、撮像条件を満たした場合に自動的に行われてもよい。画像は、ユーザが正面を向いた顔面の画像であることが好ましく、少なくとも目及びその周囲を含んでいればよいが、顔面全体を含むことが好ましい。
【0043】
CPU21は、撮像された画像情報をサーバ100に送信する(S12)。サーバ100のCPU11は、ユーザの目を含む顔面の画像情報を受信(取得)する(S21)。本動作例において、CPU11は、インターネットNを介して画像情報を受信する。但し、本明細書における情報の「取得」は、インターネットNを介した情報の受信、近距離無線通信又は有線通信を用いた他の電子機器への情報の受信、及びユーザの入力操作等によって入力された情報の取得のいずれも含む概念とする。
【0044】
続いて、類型情報を選択する類型選択処理について説明する。CPU21は、類型選択処理に先立ち、画像情報に基づいて、特徴情報を抽出する(S22)。特徴情報は、本実施形態において、形状情報と、顔立ち情報と、配置情報と、を含む。特徴情報の抽出処理は、例えば、公知の画像解析技術を用いて行うことができる。
【0045】
本実施形態において、形状情報は、例えば、左右方向に延びる基準直線に対する、目頭から上部眼瞼への立ち上がり角度を示す第1角度と、基準直線に対する、目頭と目尻とを結んだ直線の傾きを示す第2角度と、を含むことが好ましい。ここで、第1角度および第2角度は、いずれも鋭角をとる。
図5(A)に示す例において、第1角度θ1は、ユーザの目40の目頭41から左右方向Yに平行に延びる基準直線L1と、目頭41から虹彩(黒目)43の上方の上部眼瞼44に延びる仮想的な直線L2と、のなす角度とする。より詳細に、直線L2は、目頭41と、上部眼瞼44の輪郭と虹彩(黒目)43との目頭41側の交点45と、を結ぶ直線とする。
図5(B)に示す例において、第2角度θ2は、基準直線L1と、目頭41と目尻42とを結んだ直線L3と、のなす角度とする。本明細書において、「目頭」は、左右方向Yにおいて目の最も内側(正中線側)に位置する点とする。「目尻」は、左右方向Yにおいて目の最も外側(こめかみ側)に位置する点とする。なお、
図5における符号Xは、上下方向を示す。
【0046】
形状情報が第1角度θ1を含むことで、上部眼瞼の開き具合に伴う目の細さについての情報を得ることができる。さらに、形状情報が第1角度θ1に加えて第2角度θ2を含むことで、水平方向に対する目の全体の傾きを検出することができ、目の細さや丸さをより精度よく検出することができる。また、第2角度θ2を用いることで、つり目やたれ目といった目の印象についての情報を得ることができる。
【0047】
本実施形態において、顔立ち情報は、例えば、顔面における少なくとも1つの形状要素の直線性に関する情報を有する。本実施形態において、顔立ち情報は、例えば、目の大きさ、目の細さ、眼瞼の形状(例えば一重瞼又は二重瞼など)、目頭に対する目尻の傾き、唇の厚み、顔面の輪郭形状、鼻の長さ、小鼻の形状から選ばれる少なくとも1つの形状要素の直線性に関する情報を含むことが好ましい。
【0048】
本実施形態において、配置情報は、顔面の左右方向におけるユーザの目の配置に関する情報である。本実施形態において、配置情報は、目の左右方向の幅に対する、目とこめかみの間の距離の比率である第1比率と、目の左右方向の幅に対する、左右の目の間の距離の比率である第2比率と、を含むことが好ましい。
【0049】
図6に例示するように、CPU11は、画像から、左右の目頭41の間の左右方向Yにおける距離D1と、ユーザの右目40Rの目頭41と目尻42との間の左右方向Yにおける幅D2と、ユーザの左目40Lの目頭41と目尻42との間の左右方向Yにおける幅D3と、ユーザの右目40Rの目尻42と右のこめかみ51Rとの間の左右方向Yにおける距離D4と、ユーザの左目40Lの目尻42と左のこめかみ51Lとの間の左右方向Yにおける距離D5と、を抽出する。なお、ここでいう距離は、実際の距離である必要はない。すなわち、画像上のピクセル数などを距離とすることで足りる。
【0050】
続いて、CPU11は、目頭41と目尻42との間の左右方向Yにおける幅D2,D3に対する、目尻42とこめかみ51R,51Lとの間の左右方向Yにおける距離D4,D5の比率(D4/D2,D5/D3)を算出することで、第1比率を算出することができる。CPU11は、例えば、D4/D2及びD5/D3の平均値を第1比率としてもよいし、幅D2,D3の平均値に対する距離D4,D5の平均値の比率を算出して、その値を第1比率としてもよい。
【0051】
また、CPU11は、目頭41と目尻42との間の左右方向Yにおける幅D2,D3に対する、左右の目頭41の間の左右方向Yにおける距離D1の比率(D1/D2,D1/D3)を算出することで、第2比率を算出することができる。CPU11は、例えば、D1/D2及びD1/D3の平均値を第2比率としてもよいし、幅D2,D3の平均値に対する距離D2の比率を算出して、その値を第2比率としてもよい。
【0052】
続いて、CPU11は、上記のようにして求めた特徴情報に基づいて、アイメイク用化粧品の類型を選択する(S24)。本実施形態において、CPU11は、例えば、形状情報に基づいて、睫毛用化粧料の化粧料タイプを選択し、顔立ち情報に基づいて睫毛用化粧料の色タイプを選択し、配置情報に基づいてアプリケータータイプを選択する。
【0053】
形状情報に基づく類型選択処理の例について説明する。例えば、
図7に示すように、CPU11は、第1角度θ1が第1閾値θa以下であるか否かを判定する(S31)。第1角度θ1が第1閾値θa以下であると判定される場合(S31でYes)、CPU11は、切れ長型の目に適した第1化粧料タイプを選択する(S32)。一方で、第1角度θ1が第1閾値θa以下でないと判定される場合(S31でNo)、CPU11は、第1角度θ1が第1閾値θaよりも大きい第2閾値θbよりも大きいか否か判定する(S33)。第1角度θ1が第2閾値θbよりも大きいと判定される場合(S33でYes)、CPU11は、丸目型に適した第2化粧料タイプを選択する(S34)。
【0054】
第1角度θ1に関して第1閾値θaと第2閾値θbを設定することで、切れ長及び丸目傾向に基づいて、目の角度形状を3つに分類することができる。これにより、切れ長傾向の高い場合に、切れ長型の目に適した第1化粧料タイプを選択することができ、丸目傾向の高い場合に、丸目型の目に適した第2化粧料タイプを選択することができる。
【0055】
本実施形態において、第1閾値θaは、例えば、切れ長型である場合の第1角度θ1の上限値を判定するための閾値であり、第2閾値θbは、丸目型である場合の第1角度θ1の下限値を判定するための閾値である。第1閾値θaは、好ましくは37°以上40°以下であり、一例として40°であり得る。第2閾値θbは、好ましくは45°以上48°以下であり、一例として45°であり得る。言い換えると、切れ長型である場合の第1角度θ1は第1閾値θa以下であり、中間型である場合の第1角度θ1は第1閾値θaよりも大きく第2閾値θb以下であり、丸目型である場合の第1角度θ1は第2閾値θbより大きい。
【0056】
一方で、切れ長傾向も丸目傾向も高くない中間型の場合には、たれ目及びつり目傾向の印象が強くなるため、第2角度θ2に基づいて化粧料タイプを選択することができる。すなわち、本実施形態において、CPU11は、第1角度θ1が第1閾値θa以下でなく第2閾値θbより大きくないと判定される場合(S33でNo)、すなわち第1角度θ1が第1閾値θaより大きく第2閾値θb以下であると判定される場合、さらに、第2角度θ2が第3閾値θc以下であるか否か判定する(S35)。第2角度θ2が第3閾値θc以下であると判定される場合(S35でYes)、たれ目型に適した第3化粧料タイプを選択する(S36)。一方、第2角度θ2が第3閾値θc以下でないと判定される場合(S35でNo)、つり目型に適した第4化粧料タイプを選択する(S37)。
【0057】
第2角度θ2に関して第3閾値θcを設定することで、たれ目及びつり目傾向に基づいて、目の傾き形状を2つに分類することができる。これにより、たれ目傾向の高い場合に、たれ目型の目に適した第3化粧料タイプを選択することができ、つり目傾向の高い場合に、つり目型の目に適した第4化粧料タイプを選択することができる。
【0058】
第3閾値θcは、例えば、つり目型である場合の第2角度θ2の下限値を判定するための閾値であり、好ましくは6°以上7°以下であり、一例として6°であり得る。さらに、たれ目型である場合の第2角度θ2の上限値を判定するための閾値として、第3閾値θcよりも小さい所定の閾値θdを設定してもよい。これにより、目の傾き形状を、実質的に、つり目型及びたれ目型に加えて、これらの中間であるバランス型の3つに分類することができる。例えば所定の閾値θdは、好ましくは3.5°以上4.5°以下であり、一例として4.5°であり得る。言い換えると、たれ目型である場合の第2角度θ2は所定の閾値θd以下であり、バランス型である場合の第2角度θ2は所定の閾値θdよりも大きく第3閾値θc以下であり、つり型である場合の第2角度θ2は第3閾値θcより大きい。
【0059】
本実施形態において、CPU11は、化粧料タイプに対応する目の形状分類を生成してもよい。この場合、CPU11は、第1角度θ1及び第2角度θ2を用いた判定処理(S31,S33,S35)によって目の形状分類を生成し、生成された形状分類に対応するアイメイク用化粧料の化粧料タイプを選択してもよい。あるいは、CPU11は、第1角度θ1及び第2角度θ2を用いた判定処理によって化粧料タイプを選択した後、それに対応する目の形状分類を生成してもよい。化粧料タイプと目の形状分類との対応関係としては、1つの化粧料タイプに対して1つの形状分類が対応していてもよいし、1つの化粧料タイプに対して複数の形状分類が対応していてもよい。なお、CPU11は、形状分類を生成しなくてもよい。
【0060】
図8を用いて、第1角度θ1と第2角度θ2を用いた目の形状分類の例について説明する。例えば、第1角度θ1が第1閾値θa以下である場合、「切れ長型」、第1角度θ1が第1閾値θaより大きく第2閾値θb以下である場合、「中間型」、第1角度θ1が第2閾値θbよりも大きい場合、「丸目型」と分類できる。また、第2角度θ2が所定の閾値θd以下の場合、「たれ目型」、第2角度θ2が所定の閾値θdよりも大きく第3閾値θc以下の場合、「バランス型」、第2角度θ2が第3閾値θcよりも大きい場合、「つり目型」と分類できる。これらを組み合わせると、例えば
図8に示すような9種類の形状分類が生成される。
【0061】
具体的に、例えば、「切れ長型」で「たれ目型」は「細アーモンド目」、「切れ長型」で「バランス型」は「アーモンド目」、「切れ長型」で「つり目型」は「アジア人目」と分類され得る。また、「中間型」で「たれ目型」は「たれ半開き目」、「中間型」で「バランス型」は「丸アーモンド目」、「中間型」で「つり目型」は「半開き目」と分類され得る。また、「丸目型」で「たれ目型」は「たれ目」、「丸目型」で「バランス型」は「丸目」、「丸目型」で「つり目型」は「アジア人丸目」と分類され得る。各分類の詳細な説明を、表1に示す。なお、各分類の呼称は一例である。
【0062】
【0063】
本実施形態では、特徴情報のひとつである目の形状分類に基づいて、類型情報のうちの化粧料の化粧効果そのほかの性能を示す化粧料タイプを、以下のように選択する。すなわち、目の形状分類を行ったのち、CPU11は、「切れ長型」に含まれる「細アーモンド目」、「アーモンド目」、及び「アジア人目」に分類される場合、第1化粧料タイプを選択し、「丸目型」の「たれ目」、「丸目」、及び「アジア人丸目」に分類される場合、第2化粧料タイプを選択する。また、CPU11は、「中間型」の「たれ半開き目」及び「丸アーモンド目」に分類される場合、第3化粧料タイプを選択し、「中間型」の「半開き目」に分類される場合、第4化粧料タイプを選択する。
【0064】
アイメイク用化粧料が例えば睫毛用化粧料の場合、睫毛用化粧料の類型は、化粧効果により分類される類型又は睫毛からの落ちにくさといった化粧料の性能により分類される類型の少なくとも1つの類型を含んでいることが好ましく、化粧効果により分類される類型及び睫毛からの落ちにくさにより分類される類型の双方を組み合わせた類型を含んでいることがより好ましい。睫毛用化粧料における化粧効果としては、例えば、睫毛を長く見せる効果、睫毛のボリューム感を高める効果、及び睫毛のカールを持続する効果等が挙げられる。睫毛からの落ちにくさとしては、汗や涙などの水分に対する耐性(ウォータープルーフ性)、皮脂などの油分に対する耐性、お湯やクレンジング剤による落ちやすさ(クレンジング性の)等が挙げられる。
【0065】
このような睫毛用化粧料の類型は、睫毛用化粧料の組成によって調整することができる。例えば、睫毛を長く見せる効果を有する睫毛用化粧料は、ロングタイプと呼ばれ、例えば、曳糸性の水溶性高分子や、睫毛を長く見せるための繊維などを含む。睫毛のボリューム感を高める効果を有する睫毛用化粧料は、ボリュームタイプとも呼ばれ、例えば、粘度を高める水溶性高分子や増粘剤などを含む。睫毛のカールを持続する効果を有する睫毛用化粧料は、カールタイプとも呼ばれ、例えば、揮発性成分などを含む。
【0066】
また、睫毛用化粧料において、汗や涙などの水分に対する耐性の高い類型としては、ワックス類や樹脂類、油脂等の油性成分を多く含む油性タイプが挙げられる。また、お湯やクレンジング剤によって落ちやすい(クレンジング性の高い)類型としては、水性成分に樹脂や色剤などを乳化分散させた乳液タイプが挙げられる。乳液タイプの睫毛用化粧料は、睫毛への密着性が高いことに加えて、クレンジング性に優れた性質を有する。
【0067】
例えば、切れ長型の目に適した睫毛用化粧料の第1化粧料タイプは、油性タイプであり、かつ、睫毛を長く見せる効果を有するロングタイプであることが好ましい。切れ長傾向の高い場合にロングタイプの睫毛用化粧料を適用することで、目を上下方向に大きく見せることができ、比較的細い目を丸目に近づけることができる。また、切れ長型の目では、上部の眼瞼が下垂して睫毛と接触しやすいため、塗布後の睫毛用化粧料が汗や涙などの水分と接触して、下部の眼瞼ににじみが生じやすい。このため、油性タイプの睫毛用化粧料を適用することで、下部の眼瞼への色にじみを防止することができる。
【0068】
例えば、丸目型の目に適した睫毛用化粧料の第2化粧料タイプは、乳液タイプであり、かつ、睫毛のボリューム感を高める化粧効果を有するボリュームタイプであることが好ましい。丸目傾向の高い場合にボリュームタイプの睫毛用化粧料を適用することで、丸い目の形状を強調することができる。また、一般的に色にじみが生じにくい丸目型に対して乳液タイプの睫毛用化粧料を適用することで、睫毛にしなやかな塗膜を形成して睫毛の美しさを強調できる。さらに、乳液タイプの睫毛用化粧料は、クレンジング剤等によって容易に洗い流すことができ、洗顔時の利便性を高めることができる。
【0069】
例えば、たれ目型の目に適した睫毛用化粧料の第3化粧料タイプは、乳液タイプであり、かつ、ロングタイプであることが好ましい。中間型であって比較的たれ目傾向を有する場合にロングタイプの睫毛用化粧料を適用することで、上目尻側の睫毛を長く強調してたれ目の印象を緩和することができる。また、このような形状の目の場合、一般的に切れ長型よりは色にじみが生じにくい。このため、このような形状の目に乳液タイプの睫毛用化粧料を適用することで、睫毛にしなやかな塗膜を形成して睫毛の美しさを強調できるとともに、クレンジング剤等によって容易に洗い流すことができ、洗顔時の利便性を高めることができる。
【0070】
例えば、つり目型の目に適した睫毛用化粧料の第4化粧料タイプは、油性タイプであり、かつ、ボリュームタイプであることが好ましい。中間型であってつり目傾向が高い場合にボリュームタイプの睫毛用化粧料を適用することで、例えば下目尻側の睫毛を強調することができ、つり目の印象を緩和することができる。また、このような形状の目の場合、上部眼瞼が睫毛とやや接触しやすく、色にじみが若干生じやすい。このため、油性タイプの睫毛用化粧料を適用することで、下部眼瞼の色にじみを防止することができる。
【0071】
さらに、睫毛用化粧料の各化粧料タイプは、上に例示した性状以外の、睫毛用化粧料に求められる化粧効果で分類されていてもよい。このような化粧効果としては、例えば、カール持続効果、皮膜形成効果などが挙げられる。
【0072】
次に、顔立ち情報に基づく類型選択処理の例について説明する。例えば、
図9に示すように、CPU11は、顔面における少なくとも1つの形状要素の直線性が高いか否か判定する(S41)。
【0073】
CPU11は、直線性を判断する形状要素が1つである場合、例えば、当該1つの形状要素に基づいて、直線性が高いか否か判定することができる。具体的に、CPU11は、例えば、形状要素の直線性に関する数値が算出できる場合、直線性を判定するための閾値を設定し、この閾値と算出された値とを比較してもよい。あるいは、CPU11は、直線性を判定するための基準形状を設定し、この基準形状と得られた形状との類似性や一致性などを判定してもよい。また、CPU11は、直線性を判断する形状要素が複数である場合、例えば、各形状要素について直線性を判定し、複数の形状要素の判定結果を総合して直線性を判定することができる。具体的に、CPU11は、各形状要素の判定結果に対応する評点(例えば、直線性が高い場合に+1点、低い場合に-1点など)を付与し、これらの評点を合計した値と設定された閾値とを比較することで、直線性を判定することができる。
【0074】
本実施形態では、特徴情報のひとつである直線性に基づいて、類型情報のうちの色タイプが、以下のように選択される。
CPU11は、当該直線性が高いと判定される場合(S41でYes)、寒色系の色又は相対的に明度の低い色に対応する第1色タイプを選択する(S42)。また、CPU11は、当該直線性が低いと判定される場合(S41でNo)、暖色系の色又は相対的に明度の高い色に対応する第2色タイプを選択する(S43)。「寒色系の色」とは、色相環で青色又は青色に近い色相を有する色をいい、例えば、青系、紫系などの色が挙げられる。「暖色系の色」とは、色相環で赤色又は赤色に近い色相を有する色をいい、例えば、赤系、黄系、オレンジ系などの色が挙げられる。「相対的に明度が高い又は低い」とは、第1色タイプと第2色タイプを比較した場合の明度の高低を意味し、明度が低いほど黒色に近づくものとする。例えば、アイメイク用化粧料が睫毛用化粧料の場合、第1色タイプは黒色に対応し、第2色タイプは茶色に対応することが好ましい。
【0075】
図10は、例えば目及び唇の形状要素に基づいて直線性が高いと判定される直線タイプの顔立ちの例と、直線性が高くないと判定される曲線タイプの顔立ちの例を示す。同図に示すように、直線タイプの顔立ちは、目が細く唇が薄い傾向を有し、クールで落ち着いた印象を与えやすい。曲線タイプの顔立ちは、目が丸く唇が厚い傾向を有し、華やかで柔らかい印象を与えやすい。
【0076】
このため、直線性が高い場合に上記第1色タイプを選択することで、顔立ちの印象に合ったクールな目元を実現することができる。例えば、第1色タイプの睫毛用化粧料の色を黒色とすることで、睫毛の印象を際立たせることができ、顔立ちの印象に合った引き締まった目元を実現することができる。また、直線性が低い場合に第2色タイプを選択することで、顔立ちの印象に合った柔らかく温かみのある目元を実現することができる。例えば、第2色タイプの睫毛用化粧料の色を茶色とすることで、自然で柔らかい印象の目元を実現することができる。
【0077】
また、CPU11は、直線性の判定に伴い、アイメイク用化粧料の色タイプに対応する顔立ち分類を生成してもよい。例えば、CPU11は、直線性の判定処理(S41)によって直線タイプと曲線タイプとに分類し、生成された分類に対応する色タイプを選択してもよい。あるいは、CPU11は、ステップS41の判定処理によって色タイプを選択した後、それに対応する顔立ち分類を生成してもよい。
【0078】
なお、CPU11は、追加の判定処理を行って、より細かく顔立ちタイプを分類してもよい。追加の判定処理は、直線性についての追加の判定基準を用いた判定処理でもよいし、直線性以外の顔立ちに関する判定基準(例えば、子供顔又は大人顔など)を用いた判定処理でもよい。
【0079】
配置情報に基づく類型選択処理の例について説明する。本実施形態において、CPU11は、配置情報に基づいて、睫毛用化粧料のアプリケーターの類型を選択することができる。これにより、睫毛用化粧料の塗布態様を、目の配置の偏りや目の幅に適した態様とすることができる。
【0080】
図11に示す例において、CPU11は、まず、目の左右方向の幅に対する、目尻とこめかみの間の距離の比率である第1比率が第4閾値以上であるか否かを判定する(S51)。第4閾値は、例えば、目の配置が外側(こめかみ側)に偏っている場合の第1比率の下限値を判定するための閾値であり、好ましくは0.8以上1.0以下であり、一例として1であり得る。
【0081】
第1比率が第4閾値以上であると判定される場合(S51でYes)、さらに、目の左右方向の幅に対する、左右の目の間の距離の比率である第2比率が第5閾値以上であるか否かを判定する(S52)。第5閾値は、例えば、左右の目の距離が広い場合の第2比率の下限値を判定するための閾値であり、好ましくは1.2以上1.5以下であり、一例として1.5であり得る。
【0082】
第2比率が第5閾値以上であると判定される場合(S52でYes)、幅が狭い目に適した第1アプリケータータイプを選択する(S53)。このように判定される場合、
図12(A)に示すように、目尻とこめかみの間の距離が広く、かつ、左右の目頭の間の距離も広いため、目の配置バランスは良いが、目の幅が狭い顔立ちであると考えられる。
【0083】
第2比率が第5閾値以上でないと判定される場合(S52でNo)、左右の目の間隔が狭い顔立ちに適した第2アプリケータータイプを選択する(S54)。このように判定される場合、
図12(B)に示すように、目尻とこめかみの間の距離が広く、かつ、左右の目頭の間の距離が狭いため、左右の目の間隔が狭い顔立ちであると考えられる。
【0084】
一方、第1比率が第4閾値以上でないと判定される場合(S51でNo)、さらにステップS52と同様に、目の左右方向の幅に対する、左右の目の間の距離の比率である第2比率が第5閾値以上であるか否かを判定する(S55)。第2比率が第5閾値以上であると判定される場合(S55でYes)、左右の目の間隔が広い顔立ちに適した第3アプリケータータイプを選択する(S56)。このように判定される場合、
図12(C)に示すように、目尻とこめかみの間の距離が狭く、かつ、左右の目頭の間の距離も広いため、左右の目の間隔が広い顔立ちであると考えられる。
【0085】
第2比率が第5閾値以上でないと判定される場合(S55でNo)、幅が広い目に適した第4アプリケータータイプを選択する(S57)。このように判定される場合、
図12(D)に示すように、目尻とこめかみの間の距離が狭く、かつ、左右の目頭の間の距離が狭いため、目の幅が広い顔立ちであると考えられる。
【0086】
本実施形態において、CPU11が、アプリケータータイプに対応する目の配置分類を生成してもよい。この場合、CPU11は、第1比率及び第2比率を用いた判定処理(S51,S52,S55)によって目の配置分類を生成し、生成された分類に対応するアプリケータータイプを選択してもよい。あるいは、CPU11は、第1比率及び第2比率を用いた判定処理によってアプリケータータイプを選択した後、それに対応する目の配置分類を生成してもよい。アプリケータータイプと目の配置分類との対応関係としては、1つのアプリケータータイプに対して1つの分類が対応していてもよいし、1つのアプリケータータイプに対して複数の分類が対応していてもよい。なお、CPU11は、分類を生成せずに、アプリケータータイプを選択してもよい。
【0087】
図12を用いて、第1比率及び第2比率を用いた目の配置分類の例について説明する。例えば、第1比率が第4閾値以上で、かつ第2比率が第5閾値以上である場合、「バランス小粒目タイプ」と分類できる。例えば、第1比率が第4閾値以上で、かつ、第2比率が第5閾値より小さい場合、「求心顔タイプ」と分類できる。例えば、第1比率が第4閾値より小さく、かつ、第2比率が第5閾値以上の場合、「遠心顔タイプ」と分類できる。例えば、第1比率が第4閾値より小さく、かつ、第2比率が第5閾値より小さい場合、「バランス幅広目タイプ」と分類できる。各分類の詳細な説明を、表2に示す。なお、各分類の呼称は一例である。
【0088】
【0089】
具体的に、第1アプリケータータイプは、
図13(A)に例示するように、塗布部50Aが目の左右方向における幅に近い長さD6を有する類型であることが好ましい。「塗布部の長さ」は、塗布部の延在方向に沿った方向の最大寸法とする。このようなアプリケーターは、「ロングタイプ」とも呼ばれ、一度に広い範囲の睫毛に睫毛用化粧料の液を塗布することができ、睫毛を均一に長く見せることができる。したがって、幅が狭い目に対して第1アプリケータータイプを適用することで、目元の印象を強調することができる。なお、ここでいう「目の左右方向における幅に近い長さ」とは、アプリケーターの延在方向に沿った長さをいい、具体的には
図6に示す目の幅D2,D3の75%以上120%以下の長さであり、例えば20mm以上30mm以下である。一例として24mmであり得る。また、塗布部50Aは湾曲状であることが好ましい。
【0090】
第2アプリケータータイプは、
図13(B)に示すように、第1アプリケータータイプの塗布部50Aよりも睫毛を分離しやすい形状の塗布部50Bを有することが好ましい。このようなアプリケーターは、「セパレートタイプ」とも呼ばれ、具体的には、例えば、毛束間に溝のあるブラシ、毛束間の広いブラシ、プラスチック製の毛のブラシ、コーム等で構成され得る。セパレートタイプのアプリケーターは、睫毛を分離させ、外側に広がるような仕上がりを実現できるため、左右の目が中心に寄った印象を緩和する効果を有する。
【0091】
第3アプリケータータイプは、
図13(C)に示すように、第1アプリケータータイプの塗布部50Aよりも太さが太い塗布部50Cを有することが好ましい。つまり、塗布部50Cの太さD8は、塗布部50Aの太さD7よりも太いことが好ましい。「塗布部の太さ」は、塗布部の延在方向と直交する方向の最大寸法とする。このようなアプリケーターは、「ボリュームタイプ」とも呼ばれ、毛束の長さ(塗布部50Cの延在方向と直交する方向の毛束の長さ)が長い塗布部50Cを有する。このため、毛束間に多くの液を保持することができ、ボリュームのある印象の睫毛を実現することができる。ボリュームタイプのアプリケーターは、左右の目の間隔が広い顔立ちでも、目元の存在感を高めて、左右の目の間隔が広い印象を緩和する効果を有する。
【0092】
具体的に、第4アプリケータータイプは、
図13(D)に示すように、第1アプリケータータイプの塗布部50Aよりも長さが短い塗布部50Dを有することが好ましい。つまり、塗布部50Dの長さD9は、塗布部50Aの長さD6よりも短いことが好ましい。一例として18mmであり得る。また、塗布部50Aは直線状であることが好ましい。
このようなアプリケーターは、「繊細タイプ」とも呼ばれ、睫毛に少量ずつ睫毛用化粧料を塗布することができる。したがって、幅広の目に対して第4アプリケータータイプの塗布部50Dを適用することで、自然な印象の睫毛で、派手すぎない印象を与えることができる。さらに、塗布部50Dは、より繊細な印象の目元を実現するため、第1アプリケータータイプの塗布部50Aよりも液保持性の低い形状であることが好ましく、例えば、塗布部50Aよりも毛束の密度が高い形状、又は塗布部50Aよりも毛束の長さが短い形状等を有することが好ましい。
【0093】
以上のように、本実施形態のステップS23では、睫毛用化粧品について、化粧料タイプと、化粧料の色タイプと、アプリケータータイプと、を選択することができる。これにより、特徴情報に基づいてユーザの顔の特徴に適した組み合わせの睫毛用化粧品をカスタマイズすることができる。
【0094】
続いて、
図4に示すように、CPU11は、選択されたアイメイク用化粧品の類型についての類型情報をユーザ端末200に送信(出力)する(S24)。本動作例において、CPU11は、インターネットNを介して類型情報をユーザ端末200に送信する。但し、本明細書における情報の「出力」は、インターネットNを介した情報の送信、表示部26への表示、及び近距離無線通信又は有線通信を用いた他の電子機器への情報の送信等の情報出力態様を広く含む概念とする。
【0095】
類型情報は、例えば、選択されたアイメイク用化粧品の類型を説明するための説明情報、類型に属するアイメイク用化粧品を推奨するための推奨情報、及び説明情報又は推奨情報にアクセスするためのアクセス情報から選ばれる少なくとも1つの情報を含む。説明情報は、例えば、アイメイク用化粧品の種類(例えば「マスカラ」など)、選択された類型の名称、選択された類型の説明(類型の選択根拠や得られる化粧効果等)等を含む。推奨情報は、推奨するアイメイク用化粧品の名称、アイメイク用化粧品の画像、アイメイク用化粧品の説明、アイメイク用化粧品の含有成分、アイメイク用化粧品の価格、アイメイク用化粧品の販売ページへのハイパーリンク等を含む。アクセス情報は、説明情報及び/又は推奨情報を含むウェブページのハイパーリンク、2次元バーコード、URL等を含む。
【0096】
これらの類型情報は、例えば、類型情報データベース32に記憶されており、CPU11が、選択されたアイメイク用化粧用品の類型についての類型情報を検索及び抽出してもよい。あるいは、これらの類型情報は、類型情報データベース32に記憶された類型に関する情報(キーワード、URL等)に基づいて生成されてもよい。この場合、上述の説明情報及び推奨情報は、例えば、類型に関するキーワード等から、公知の文章作成技術等を用いて生成されてもよい。他の例としては、類型に関するURL等から、2次元バーコードが生成されてもよい。
【0097】
また、本ステップにおいて、CPU11は、類型情報に加えて、選択されたアイメイク用化粧品の類型に対応するユーザの顔面の特徴分類についての分類情報を、ユーザ端末200に送信することができる。分類情報は、分類の名称、サンプル画像(選択された分類に属するモデルの写真やイメージイラストなど)、分類の説明等を含む。
【0098】
本ステップの具体的な処理として、CPU11は、例えば、これらの情報を含むウェブページを生成して、ユーザ端末200に送信してもよい。あるいは、CPU11は、メールやSNS(Social Networking Service)などの他の情報送信手段を利用してユーザ端末200にこれらの情報を送信してもよい。
【0099】
ユーザ端末200のCPU21は、類型情報及び分類情報を受信し(S14)、受信した類型情報及び分類情報を表示部26に表示する(S15)。類型情報及び分類情報を含むウェブページを受信した場合、類型情報及び分類情報は、例えば、同一のウェブページに表示されていてもよいし、異なるウェブページに表示されていてもよい。異なるウェブページに表示される場合、例えば、類型情報又は分類情報の一方を含むウェブページが表示部26に表示された状態で、所定の入力操作(例えば、ハイパーリンクを指定する操作、スワイプ操作、フリック操作など)を行うことで、もう一方のウェブページが表示されるように構成されてもよい。これにより、類型情報及び分類情報を閲覧する際の利便性を高めることができる。
【0100】
図14は、表示部26に表示される画面60の例を示す。画面60は、例えば、ユーザの顔面の画像61と、分類情報62と、類型情報63と、を含む。分類情報62は、例えば、形状情報に基づく目の形状分類と、顔立ち情報に基づく顔立ち分類と、配置情報に基づく目の配置分類と、の情報を含む。類型情報63は、選択されたアイメイク用化粧品の類型についての情報を含む。類型情報63は、例えば、睫毛用化粧料の化粧料タイプ及び色タイプと、アプリケータータイプと、の情報を含む。さらに、類型情報63は、推奨情報として、選択された類型に属するアイメイク用化粧品の購入ページへのハイパーリンク64を含んでいてもよい。分類情報62と類型情報63とを同一の画面60に表示することで、選択された類型とそれに対応する分類とを相互に参照することが容易になり、選択された類型の選択根拠の説得力を高めることができる。
【0101】
一方で、分類情報と類型情報とを異なる画面に表示することで、より豊富な情報を提供することができる。例えば、
図15は、顔立ち分類についての詳細な情報を含む画面70の例を示す。具体的に、この画面70は、生成された顔立ち分類の名称71と、ユーザの顔面の画像72と、該当する顔立ち分類のサンプル画像73と、顔立ち分類の説明74と、他の分類情報へのハイパーリンク75と、類型情報へのハイパーリンク76と、を含む。これにより、ユーザに対し、顔立ちの分類結果を十分に理解させることができ、推奨する類型の選択根拠の説得力を高めることができる。
【0102】
また、その他の分類の表示方法として、複数種類の分類及び/又は類型に対応するウェブページを重ねて、これらのウェブページをタブによって切り替えて表示してもよい。例えば、
図16に示す画面80は、例えば、形状分類に対応する第1タブ81と、配置分類に対応する第2タブ82と、分類についての説明欄83と、目の角度の説明へのハイパーリンク84と、類型情報へのハイパーリンク85と、顔立ち分類情報へのハイパーリンク86と、を含む。
【0103】
各タブ81,82は、文字の他、アイコンや画像を用いて表されていてもよい。この例では、タブ81,82の背景画像がユーザの顔画像であり、その顔画像上に、各分類に対応する特徴情報の抽出に用いられる補助線の画像が重ねられている。これにより、タブ81,82の視認性を高めることができる。
【0104】
図16に示す画面80では、各タブ81,82の切り替え操作(例えばタブ81,82をタップする操作、スワイプ操作など)によって、説明欄83に表示される情報を切り替えることができる。表示対象となるタブ81,82は、色や表示の変化によって視認可能となっていることが好ましく、
図16に示す例では、太枠によって示されている。
【0105】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザの顔面の画像情報から抽出された特徴情報に基づいてアイメイク用化粧品の類型を選択することで、ユーザ各々に適したアイメイク用化粧品の類型を選択することができる。これにより、ユーザに対して、簡便にかつ的確に似合う類型を提示することができ、ユーザの満足度を高めることができる。また、アイメイク用化粧品の製品は非常に多く、かつ頻繁に変化する。その一方で、各種のアイメイク用化粧品において共通に見られる特徴で分類された類型を選択することで、膨大かつ頻繁に更新される製品データベースから適した製品を検索する場合と比較して、サーバ100の処理負担を軽減することができる。
【0106】
さらに、形状情報に基づいてアイメイク用化粧料の化粧料タイプを選択することで、目の形状による悩みをカバーし、あるいは目の印象をより際立たせるような、目の形状毎に適した化粧料タイプを選択することができる。特に、マスカラ等の睫毛用化粧料については、目の形状によって睫毛からの落ちにくさや求められる化粧効果が大きく異なるため、これらを考慮した的確なタイプを選択することができる。
【0107】
また、顔立ち情報に基づいてアイメイク用化粧料の色タイプを選択することで、顔立ちの印象に適した色のアイメイク用化粧料を提示することができる。
【0108】
さらに、アイメイク用化粧品がマスカラ等の睫毛用化粧品である場合、例えば、形状情報に基づく睫毛用化粧料の化粧料タイプと、顔立ち情報に基づく睫毛用化粧料の色タイプと、配置情報に基づくアプリケータータイプと、をそれぞれ選択することができる。一般に、マスカラなどの睫毛用化粧品は、睫毛用化粧料とアプリケーターが組み合わされた態様で販売されており、個別に類型(タイプ)を選択することはできない。これに対して、本実施形態では、目の形状及び顔立ちに適した睫毛化粧料の類型と、目の配置に適したアプリケーターの類型とを組み合わせてカスタマイズすることができる。これにより、ユーザ各々の目元の特徴により適した睫毛用化粧品の類型を提示することができる。
【0109】
また、マスカラは、従来、「上向きのカールの持続」と「ボリューム」が重視される傾向が高かったが、近年、SNSの影響などでそのニーズが多様化しており、製品の類型も多様化している。本実施形態によれば、睫毛用化粧料とアプリケーター各々の適した類型の組み合わせを提示することで、似合う睫毛メイクを模索するユーザのニーズを満たすことができると考えられる。
【0110】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、特徴情報に基づいてアイメイク用化粧品の類型を選択する例について説明したが、特徴情報に加えて、ユーザの嗜好についての嗜好情報を考慮してもよい。なお、以下の実施形態において、上述の実施形態と同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0111】
図17に示す例において、ユーザ端末200のCPU21は、ステップS14で類型情報を表示した後、ユーザのアイメイク用化粧品に対する嗜好についての嗜好情報を取得する(S15)。嗜好情報は、例えば、表示された類型情報に対する評価、好みのメイク、好みの化粧効果、好みの印象、化粧料の好みのテクスチャー、視覚で認識される化粧料の好みの質感、化粧料の好みの色から選ばれる少なくとも1つの情報を含む。類型情報に対する評価は、例えば、選択された全ての類型又は各類型への評点、これらに対する評価についてのアンケート結果などを含んでいてもよい。好みのメイクは、例えば、しっかりメイク、ナチュラルメイク、ビジネスメイク、カジュアルメイク、パーティーメイクなどの、メイクの濃さやメイクをするシーンなどに関する語で表現できる。好みの化粧効果は、目元の化粧効果を具体的に示す語で表現されることが好ましく、睫毛の例としては、ロング、ボリューム、カール、ナチュラルなどが挙げられる。好みの印象は、例えば、キュート、クール、ソフト、フレッシュ、フェミニン、シック、クール、シャープ、儚げなどの顔立ちや目元の印象を形容する語で表現されてもよい。これらの嗜好情報は、例えば、所定の選択肢から選ばれるものであることが好ましいが、自由に記載されてもよい。
【0112】
続いて、CPU21は、嗜好情報をサーバ100に送信する(S16)。サーバ100のCPU11は、嗜好情報を受信(取得)し(S25)、特徴情報及び嗜好情報に基づいてアイメイク用化粧品の類型を選択する(S26)。CPU11は、例えば、嗜好情報によって得られた情報に基づいて、特徴情報に基づいて選択された類型を変更することができる。
【0113】
睫毛用化粧料の例について説明する。例えば、好みの化粧効果又は好みの印象についての嗜好情報を取得した場合、サーバ100は、睫毛からの落ちにくさについての類型(例えば、油性タイプ、乳液タイプなど)は維持しつつ、色及び/又は化粧効果についての類型を変更することができる。例えば、サーバ100は、嗜好情報が「キュート」「フェミニン」などの曲線的な印象の表現を含む場合、目元を柔らかく見せる茶色の第2色タイプを選択することができる。あるいは、サーバ100は、嗜好情報が「クール」「フレッシュ」などの直線的な印象の表現を含む場合、睫毛用化粧料の類型について、目元を際立たせる黒色の第1色タイプを選択することができる。
【0114】
続いて、サーバ100のCPU11は、新たに選択されたアイメイク用化粧品の類型についての類型情報をユーザ端末200に送信する(S27)。ユーザ端末200のCPU21は類型情報を受信し(S17)、この類型情報を表示する(S18)。
【0115】
これにより、ユーザの特徴に適した類型でありつつも、ユーザの理想とする目元や顔の印象により近い類型のアイメイク用化粧品を提示することができ、ユーザのニーズを満たすことができる。
【0116】
なお、嗜好情報の取得タイミングは、上述の例に限定されない。
図18に示す例では、画像情報の撮像ステップ(S11)の前に、ユーザ端末200のCPU21が、嗜好情報を取得し(S15)、それを送信してもよい(S16)。嗜好情報と画像情報とを受信したサーバ100のCPU11は、特徴情報及び嗜好情報に基づいてアイメイク用化粧品の類型を選択することができる(S26)。これによっても、CPU11は、特徴情報に基づいて選択された類型をベースに、嗜好情報に応じて類型を変更することができ、上述の例と同様の作用効果を得ることができる。
【0117】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0118】
上述の実施形態では、サーバ100のCPU11が、類型情報データベース32に記憶された特徴情報と類型との対応関係に基づいて類型を選択する例について説明したが、これに限定されない。例えば、CPU11は、特徴情報から類型を導出する機械学習モデルを用いて類型を選択してもよい。同様に、CPU11は、特徴情報データベース31に記憶された特徴情報と分類情報との対応関係に基づいて特徴分類を生成する例に限定されず、特徴情報から特徴分類を導出する機械学習モデルを用いて特徴分類を生成してもよい。
【0119】
上述の実施形態では、特徴情報が、形状情報、顔立ち情報及び配置情報を含む例を挙げたが、特徴情報は、形状情報を少なくとも含んでいればよく、例えば、形状情報及び配置情報、又は形状情報及び顔立ち情報を含んでいてもよい。
【0120】
上述の実施形態では、アイメイク用化粧品がマスカラ等の睫毛用化粧品である例について主に説明したが、これに限定されない。例えば、アイメイク用化粧品は、アイシャドウ、アイライナーなどの瞼用化粧料、アイブロウ等の眉毛用化粧料を含んでいてもよい。さらに、アイメイク用化粧品は、複数の化粧品を含んでいてもよく、この場合、これらの類型の組み合わせをカスタマイズできるように構成されてもよい。
【0121】
上述の実施形態では、類型が、化粧料タイプ、色タイプ、アプリケータータイプなどを含む例について説明したが、類型の種類や数、内容についてはこれらに限定されない。
【0122】
上述の実施形態では、サーバ100が、アイメイク情報提供サイトを介してユーザ端末200と情報の送受信を行う例について説明したが、ユーザ端末200が、サーバ100から配信されたアプリケーションを用いて類型選択処理等を行ってもよい。
【符号の説明】
【0123】
11,21…CPU
18,28…記憶部
100…サーバ(情報処理装置)
200…ユーザ端末