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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007646
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20250109BHJP
   G06F 21/36 20130101ALI20250109BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20250109BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20250109BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250109BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20250109BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F21/31
G06F21/36
G06F21/60 380
G06F3/12 338
G06F3/12 322
G06F3/12 392
B41J29/38 201
B41J29/00 Z
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109184
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 友佑
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CL08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC38
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】 セキュアプリントにおける情報漏洩を抑制する画像形成装置を得る。
【解決手段】 プリント処理部31は、ペアリング情報を要求するペアリング情報要求を携帯端末装置2に送信し、ペアリング情報を携帯端末装置2から受信し、そのペアリング情報に基づき、携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があるか否かを判定し、携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があると判定した場合、ワイヤレスイヤホン3によってユーザーに対して音声出力されるべき認証情報を携帯端末装置2に送信し、その認証情報に基づくユーザー操作が入力装置11bにより検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行い、その認証処理において認証に成功した場合には、セキュアプリント要求に基づくプリントをプリント装置23に実行させる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント装置と、
セキュアプリント要求に基づくプリントを前記プリント装置に実行させるプリント処理部と、
ユーザーの携帯端末装置との通信を行う通信装置と、
前記ユーザーのユーザー操作を検出する入力装置とを備え、
前記プリント処理部は、(a)近距離無線通信規格で前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあるか否かを示すペアリング情報を要求するペアリング情報要求を、前記通信装置で前記携帯端末装置に送信し、(b)前記通信装置で前記ペアリング情報を前記携帯端末装置から受信し、(c)前記ペアリング情報に基づき、前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあるか否かを判定し、(d)前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあると判定した場合、前記ワイヤレスイヤホンによって前記ユーザーに対して音声出力されるべき認証情報を前記通信装置で前記携帯端末装置に送信し、(e)前記認証情報に基づくユーザー操作が前記入力装置により検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行い、(f)前記認証処理において認証に成功した場合には、前記セキュアプリント要求に基づくプリントを前記プリント装置に実行させること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プリント処理部は、前記ペアリング情報に基づき前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがないと判定した場合、および前記認証処理において認証に失敗した場合には、前記セキュアプリント要求に基づくプリントを前記プリント装置に実行させないことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
表示装置をさらに備え、
前記セキュアプリント要求において、複数の認証方法から前記認証処理の認証方法が指定され、
前記プリント処理部は、指定された認証方法に対応する認証画面を前記表示装置に表示し、前記認証画面に対応するユーザー操作が、前記認証情報に基づくユーザー操作として前記入力装置により検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行うこと、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証処理の認証方法がパスコード認証である場合には、前記認証情報は、パスコードであり、前記認証処理の認証方法が画像認証である場合には、前記認証情報は、前記認証画面において選択すべき画像に写っている物体の種別であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セキュアプリント(プライベートプリント)機能を備える画像形成装置は、端末装置などから受信されたプリントデータに基づくプリントをただちに実行せずに、ユーザーが画像形成装置に対して指示を行ったときにそのプリントデータに基づくプリントを実行する。
【0003】
ある画像形成装置は、セキュアプリントにおいて、認証用音声を、プリントすべき画像とともに保存し、携帯端末装置から出力される音声を検出し、検出した音声が上述の認証用音声に一致する場合には、保存している画像のプリントを実行している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-117475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の画像形成装置では、悪意のある他者に携帯端末装置が盗まれた場合、当該他者がその携帯端末装置から上述の音声出力を行わせることで、セキュアプリント(プライベートプリント)のプリント生成物を不正に取得することができてしまい、情報漏洩が発生する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、セキュアプリント(プライベートプリント)における情報漏洩を抑制する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、プリント装置と、セキュアプリント要求に基づくプリントを前記プリント装置に実行させるプリント処理部と、ユーザーの携帯端末装置との通信を行う通信装置と、前記ユーザーのユーザー操作を検出する入力装置とを備える。そして、前記プリント処理部は、(a)近距離無線通信規格で前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあるか否かを示すペアリング情報を要求するペアリング情報要求を、前記通信装置で前記携帯端末装置に送信し、(b)前記通信装置で前記ペアリング情報を前記携帯端末装置から受信し、(c)前記ペアリング情報に基づき、前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあるか否かを判定し、(d)前記携帯端末装置とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあると判定した場合、前記ワイヤレスイヤホンによって前記ユーザーに対して音声出力されるべき認証情報を前記通信装置で前記携帯端末装置に送信し、(e)前記認証情報に基づくユーザー操作が前記入力装置により検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行い、(f)前記認証処理において認証に成功した場合には、前記セキュアプリント要求に基づくプリントを前記プリント装置に実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セキュアプリント(プライベートプリント)における情報漏洩を抑制する画像形成装置が得られる。
【0009】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。
図2図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1における携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。
図4図4は、図2に示す画像形成装置1および携帯端末装置2の動作について説明するシーケンス図である。
図5図5は、セキュアプリントにおける認証方法を指定するための設定画面の一例を示す図である。
図6図6は、パスコード認証の場合の認証画面の一例を示す図である。
図7図7は、画像認証の場合の認証画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。図1に示すシステムは、画像形成装置1と、ユーザーの携帯端末装置2と、当該ユーザーのワイヤレスイヤホン3とを備える。
【0013】
画像形成装置1は、プリンター、複合機などといった電子機器であって、操作パネル11を備える。携帯端末装置2は、画像形成装置1を使用するユーザーにより携帯されているスマートフォン、タブレットPCなどといった電子機器である。ワイヤレスイヤホン3は、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信規格により携帯端末装置2とペアリングが可能であり、携帯端末装置2からの音声データに基づく音声を出力可能な音響デバイスである。
【0014】
図2は、図1における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置1は、上述の操作パネル11の他、撮影装置12、記憶装置21、演算処理装置22、プリント装置23、画像読取装置24、ファクシミリ装置25、通信装置26などを備える。
【0015】
操作パネル11は、画像形成装置1の筐体前側に配置され、液晶ディスプレイなどの表示装置11a、およびハードキー、タッチパネルなどの入力装置11bを備える。表示装置11aは、ユーザーに対して各種画面を表示する。表示装置11aに表示されるキー画像およびタッチパネルによりソフトキーが実現される。入力装置11bは、ユーザーにより入力される、ハードキーまたはソフトキーに対するユーザー操作を受け付ける。撮影装置12は、光学系およびイメージセンサーを備え、光学系による視野の画像をイメージセンサーで検出し画像データとして出力する。
【0016】
記憶装置21は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の書換可能な記憶装置である。
【0017】
演算処理装置22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであって、記憶装置21やROMからRAMにプログラムをロードして実行して、各種処理部として動作する。演算処理装置22は、プリント処理部31として動作する。
【0018】
プリント装置23は、指定された画像を電子写真方式などでプリント用紙にプリントする。また、画像読取装置24は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、その原稿画像の画像データを生成する。ファクシミリ装置25は、ファクシミリ送信ジョブ要求により指定された画像のファクシミリ信号を生成し送信するとともに、外部からファクシミリ信号を受信しそのファクシミリ信号から画像データを生成する。通信装置26は、無線または有線の通信装置であって、外部の装置(携帯端末装置2など)との間でデータ通信を行う。ここでは、通信装置26は、ネットワークインターフェイス、ブルートゥース(登録商標)などといった近距離無線通信装置などを含む。通信装置26は、ユーザーの携帯端末装置2との通信を行う。
【0019】
プリント処理部31は、プリントすべき画像の画像データなどを含むプリント要求を受け付け、その画像データに基づく画像をプリント装置23にプリントさせる。
【0020】
また、プリント処理部31は、セキュアプリント要求に基づくプリントをプリント装置23に実行させる。セキュアプリント要求は、携帯端末装置2や図示せぬ他の端末装置から送信され通信装置26で受信される。
【0021】
具体的には、プリント処理部31は、(a)近距離無線通信規格(ここでは、ブルートゥース(登録商標))で携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があるか否かを示すペアリング情報を要求するペアリング情報要求を、通信装置26で携帯端末装置2に送信し、(b)通信装置26でペアリング情報を携帯端末装置2から受信し、(c)そのペアリング情報に基づき、携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホンがあるか否かを判定する。
【0022】
そして、プリント処理部31は、携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があると判定した場合、そのワイヤレスイヤホン3によってユーザーに対して音声出力されるべき認証情報を通信装置26で携帯端末装置2に送信し、また、その認証情報に基づくユーザー操作が入力装置11bにより検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行い、(f)その認証処理において認証に成功した場合には、セキュアプリント要求に基づくプリントをただちにプリント装置23に実行させる。ここで、プリント処理部31は、認証情報を自動的に生成する。また、プリント処理部31は、認証情報をワンタイムパスコードなどとし、認証処理ごとに異なるものを生成する。
【0023】
なお、プリント処理部31は、受信したペアリング情報に基づき携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3がないと判定した場合、および上述の認証処理において認証に失敗した場合には、セキュアプリント要求に基づくプリントをプリント装置23に実行させない。
【0024】
さらに、この実施の形態では、セキュアプリント要求において、複数の認証方法から所定の認証処理の認証方法が指定されており、プリント処理部31は、指定された認証方法に対応する認証画面を表示装置11aに表示し、その認証画面に対応するユーザー操作が、上述の認証情報に基づくユーザー操作として入力装置11bにより検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行う。
【0025】
ここで、その認証処理の認証方法がパスコード認証である場合には、上述の認証情報は、パスコードであり、その認証処理の認証方法が画像認証である場合には、上述の認証情報は、上述の認証画面において選択すべき画像に写っている物体の種別である。なお、画像認証では、複数の画像が表示され、その複数の画像から、ユーザーが指定された物体を含む画像が選択され、選択したものがすべて正しければ、認証成功と判定され、選択したものに誤ったものが含まれていれば、認証失敗と判定される。
【0026】
図3は、図1における携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。携帯端末装置2は、無線通信装置41、表示装置42、入力装置43、撮影装置44、記憶装置45、演算処理装置46などを備える。
【0027】
無線通信装置41は、所定の無線通信規格の通信装置である。ここでは、無線通信装置41は、画像形成装置1の通信装置26と通信可能な通信装置およびワイヤレスイヤホン3と通信可能な通信装置を含む。また、無線通信装置41(携帯端末装置2)は、ワイヤレスイヤホン3とペアリング可能となっている。例えば、ペアリングを行う機能は、携帯端末装置2のオペレーティングシステムにより提供される。
【0028】
表示装置42は、携帯端末装置2の筐体に配置されている液晶ディスプレイなどの装置であって、各種画面をユーザーに対して表示する。入力装置43は、ユーザー操作を検出する装置であって、表示装置42上に配置されたタッチパネル、ハードキーなどを備える。撮影装置44は、光学系およびイメージセンサーを備え、光学系による視野の画像をイメージセンサーで検出し画像データとして出力する。
【0029】
記憶装置45は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であり、プログラムおよびデータを記憶している。記憶装置45は、アプリケーションプログラム45aなどを記憶している。
【0030】
演算処理装置46は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターであって、記憶装置45やROMからRAMにプログラムをロードして実行して、各種処理部として動作する。この実施の形態では、演算処理装置46は、アプリケーションプログラム45aを実行することで、アプリケーション46aとして動作する。
【0031】
アプリケーション46aは、(a)ユーザーにより指定された画像についてのセキュアプリント要求を無線通信装置41で画像形成装置1に送信する機能、(b)無線通信装置41で、上述のペアリング情報要求を画像形成装置1から受信すると、ペアリングされているデバイスのリストに基づいて、ペアリング情報をその応答として送信する機能、および(c)無線通信装置41で、上述の認証情報を受信すると、上述の認証情報の音声出力を、ペアリングされているワイヤレスイヤホン3に実行させる機能を備える。
【0032】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。図4は、図2に示す画像形成装置1および携帯端末装置2の動作について説明するシーケンス図である。図5は、セキュアプリントにおける認証方法を指定するための設定画面の一例を示す図である。図6は、パスコード認証の場合の認証画面の一例を示す図である。図7は、画像認証の場合の認証画面の一例を示す図である。
【0033】
携帯端末装置2は、ユーザー操作に従って、ワイヤレスイヤホン3とペアリングを行う(ステップS1)。
【0034】
また、ユーザーは、携帯端末装置2または他の端末装置を操作して、携帯端末装置2などにセキュアプリント要求を画像形成装置1へ送信させる(ステップS2)。このとき、ユーザーは、携帯端末装置2などにおいて、例えば図5に示すように設定画面を表示させる。携帯端末装置2などは、その設定画面に対して入力された認証方法(パスコード認証、画像認証など)を特定し、特定したユーザー所望の認証方法を示す情報をセキュアプリント要求に含める。また、図5に示す設定画面では、音声認証(認証情報が音声でユーザーに提供される認証方法)および文字認証(認証情報がテキスト表示でユーザーに提供される認証方法)が選択可能となっている。
【0035】
画像形成装置1では、プリント処理部31は、セキュアプリント要求を受け付けると、
セキュアプリント要求により指定された画像(画像データ)のプリントジョブを記憶装置21に保存する(ステップS3)。
【0036】
その後、ユーザーは、画像形成装置1の設置場所に行き、画像形成装置1に対するログイン操作を行う。画像形成装置1では、ログイン操作により入力されたユーザーIDなどに基づいてログイン処理が行われる(ステップS4)。
【0037】
そして、ユーザーは、セキュアプリント要求によって保存されているプリントジョブの実行要求のためのユーザー操作を画像形成装置1に対して行う。入力装置11bによってそのユーザー操作が検出されると(ステップS5)、プリント処理部31は、通信装置26で、そのユーザーの携帯端末装置2にペアリング情報要求を送信する(ステップS6)。
【0038】
携帯端末装置2のアプリケーション46aは、無線通信装置41でペアリング情報要求を受信すると、ペアリングされているワイヤレスイヤホン3があるか否かを判定し、その判定結果をペアリング情報として無線通信装置41で画像形成装置1に送信する(ステップS7)。ここで、ペアリングされておりかつ接続されているワイヤレスイヤホン3があるか否かを判定するようにしてもよい。
【0039】
画像形成装置1では、プリント処理部31は、通信装置26で、そのペアリング情報を受信し、そのペアリング情報に基づき、携帯端末装置2にペアリングされているワイヤレスイヤホン3があるか否かを判定する(ステップS8)。ここで、携帯端末装置2にペアリングされているワイヤレスイヤホン3がないと判定した場合、プリント処理部31は、実行要求されたプリントジョブを実行せずに当該処理を終了する。
【0040】
一方、携帯端末装置2にペアリングされているワイヤレスイヤホン3があると判定した場合、プリント処理部31は、認証情報を生成し、通信装置26で、その認証情報を携帯端末装置2に送信する(ステップS9)。ここで、認証情報は、セキュアプリント要求で指定されている認証方法に対応して生成される。また、認証情報は、テキストデータや音声データである。また、プリント処理部31は、セキュアプリントのための認証画面を表示装置11aに表示する(ステップS10)。
【0041】
例えば、その認証方法がパスコード認証である場合、例えば図6に示すような認証画面が表示される。図6に示す認証画面は、パスコードの入力フィールドと、その入力フィールドにパスコードを入力するためのテンキー(ソフトキー)とを含む。
【0042】
また、例えば、その認証方法が画像認証である場合、例えば図7に示すような認証画面が表示される。図7に示す認証画面は、複数の画像からなる画像リストを含む。複数の画像の一部には、認証情報で指定された物体が写っており、残りの画像には認証情報で指定された物体が写っておらず別の物体が写っている画像である。ここで、画像リストの各画像はソフトキーとなっており、タッチされるとその画像が選択される。
【0043】
携帯端末装置2のアプリケーション46aは、無線通信装置41で認証情報を受信すると、認証情報の音声データを、ペアリングされているワイヤレスイヤホン3に送信して(ステップS11)、認証情報の音声出力をワイヤレスイヤホン3に実行させる(ステップS12)。なお、受信した認証情報がテキストデータである場合、そのテキストデータが音声データに変換される。また、認証方法として音声認証が選択されている場合には、認証情報がテキストデータとして受信されても、認証情報は文字情報として表示されない。
【0044】
ユーザーは、ワイヤレスイヤホン3で認証情報を聴取した後、その認証情報に従って、認証のためのユーザー操作を画像形成装置1の入力装置11bに対して行う。
【0045】
画像形成装置1では、プリント処理部31は、そのユーザー操作(パスコード入力、画像選択など)が入力装置11bで検出されると(ステップS13)、そのユーザー操作に基づいて認証処理を行う(ステップS14)。ここで、この認証処理において、認証に失敗した場合、プリント処理部31は、実行要求されたプリントジョブを実行せずに当該処理を終了する。
【0046】
一方、この認証処理において、認証に成功した場合、プリント処理部31は、実行要求されたプリントジョブを実行し、指定された画像をプリント装置23にプリントさせる(ステップS15)。プリント完了後、携帯端末装置2との接続が解除される。
【0047】
以上のように、上記実施の形態によれば、プリント処理部31は、(a)近距離無線通信規格で携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があるか否かを示すペアリング情報を要求するペアリング情報要求を、通信装置26で携帯端末装置2に送信し、(b)通信装置26でペアリング情報を携帯端末装置2から受信し、(c)そのペアリング情報に基づき、携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があるか否かを判定し、(d)携帯端末装置2とペアリングされているワイヤレスイヤホン3があると判定した場合、ワイヤレスイヤホン3によってユーザーに対して音声出力されるべき認証情報を通信装置26で携帯端末装置2に送信し、(e)その認証情報に基づくユーザー操作が入力装置11bにより検出されると、検出されたユーザー操作に基づいて認証処理を行い、(f)その認証処理において認証に成功した場合には、セキュアプリント要求に基づくプリントをプリント装置23に実行させる。
【0048】
これにより、ペアリングされているワイヤレスイヤホン3がないと認証処理が行われないため、他者が不正にセキュアプリント要求に基づくプリントを実行させることが困難である。したがって、セキュアプリント(プライベートプリント)における情報漏洩が抑制される。また、画像形成装置1がセキュアプリントの実行要求を受け付けた後に認証情報が音声としてユーザーに提供されるため、ユーザーは認証情報を覚えておく必要がない。
【0049】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
2 携帯端末装置
3 ワイヤレスイヤホン
11a 表示装置
11b 入力装置
23 プリント装置
26 通信装置
31 プリント処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7