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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007669
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】植物用支持具
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/12 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A01G9/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109223
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】593195875
【氏名又は名称】兼弥産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 松夫
【テーマコード(参考)】
2B023
【Fターム(参考)】
2B023AC03
2B023AD01
2B023AD17
(57)【要約】
【課題】支柱と連結部材の組立て及び取外しをする手間を軽減し、植物体が植えられた状態でも容易に設置し得る植物用支持具を提供する。
【解決手段】植物用支持具1は、樹脂製の一体成形品であり、支持部4と複数の支柱部5を有する。支持部4は、リング状における一か所が途切れた開放部6において互いに離れた初期位置で対向する第1端部41と第2端部42とを有しており、第1端部41と第2端部42が初期位置から周方向に移動することで開放部6が開閉するように構成され、可撓性を有する。支柱部5は、支持部4の周方向に所定間隔をおいて配設され、支持部4から並行して一方向に延出する。支持部4の第1端部41側に係合部7が設けられ、第2端部42側に係合部7と係合可能な係止部9が設けられる。係合部7と係止部9が係合する位置で、第1端部41と第2端部42が初期位置に戻るように付勢力が作用し、係合部7が係止部9に係止される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の一体成形品からなる植物用支持具であって、
リング状における一か所が途切れた開放部において、互いに離れた初期位置で対向する第1端部と第2端部とを有し、かつ前記第1端部と前記第2端部が前記初期位置から周方向に移動することで前記開放部が開閉するように構成された可撓性を有する支持部と、
前記支持部の周方向に所定間隔をおいて複数配設され、前記支持部から一方向に並行して線状に延出した支柱部と、
前記支持部の前記第1端部側に設けられた係合部と、
前記第2端部側に設けられ、前記係合部と係合可能に構成された係止部と、を有しており、
前記係合部と前記係止部が係合する位置で、前記第1端部と前記第2端部が前記初期位置に戻るように付勢力が作用することで、前記係合部が前記係止部に係止される、植物用支持具。
【請求項2】
請求項1に記載された植物用支持具であって、
前記係合部は、フック状に形成されており、
前記支柱部の一つは、前記第2端部に隣接した位置に配設されており、前記支持部との接合部位が前記係止部として機能する、植物用支持具。
【請求項3】
請求項2に記載された植物用支持具であって、
前記支柱部と前記支持部の接合部位は、前記支柱部より幅が広い平板状に形成されている、植物用支持具。
【請求項4】
請求項3に記載された植物用支持具であって、
前記係合部は、前記支持部の周縁より外側に開口したフック状を呈する、植物用支持具。
【請求項5】
請求項4に記載された植物用支持具であって、
前記係合部は、先端部が前記支持部の周縁より外側に向かって湾曲したフック状を呈する、植物用支持具。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載された植物用支持具であって、
前記係止部は、前記支持部の周縁より内側の面において、平らな面を有し、前記平らな面より前記支柱部側の厚さが厚くなるように形成された段差形状を有する、植物用支持具。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された植物用支持具であって、
前記支柱部は、延出した先端部が先端に向かって細くなるように形成された挿込み部を有しており、前記支持部の径方向における前記挿込み部の外側の部位が前記径方向内側に向かって傾斜した形状を有する、植物用支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物用支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物用の支持具として、様々なものが知られている。例えば、特許文献1には、複数の直線棒状の支柱と連結部材を用いて組立てられ、植木鉢等に設置される植物支持装置が開示されている。一つの例では、3本の支柱と3本の連結部材がそれぞれ別個の部材であり、連結部材に設けられた挟持部に支柱を嵌め込むことで、植物支持装置が組み立てられている。また、他の例では、円環状の連結部材に設けられた挟持部に支柱を嵌め込むことで、植物支持装置が組み立てられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3148053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された植物支持装置のように、別個になった複数の支柱と連結部材を組立て、又は取外すときには、手間がかかる傾向にある。また、一つの円環状の連結部材と支柱を用いて組立てた植物支持装置の場合は、すでに植物が植えられた状態では植木鉢への設置が困難になり、植物を傷つけてしまう懸念があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、支柱と連結部材の組立て及び取外しをする手間を軽減し、植物体が植えられた状態でも容易に設置し得る植物用支持具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する植物用支持具の一つの特徴は、樹脂製の一体成形品からなる植物用支持具であって、リング状における一か所が途切れた開放部において互いに離れた初期位置で対向する第1端部と第2端部とを有し、かつ前記第1端部と前記第2端部が前記初期位置から周方向に移動することで前記開放部が開閉するように構成された可撓性を有する支持部と、前記支持部の周方向に所定間隔をおいて複数配設され、前記支持部から一方向に並行して線状に延出した複数の支柱部と、前記支持部の前記第1端部側に設けられた係合部と、前記第2端部側に設けられ、前記係合部と係合可能に構成された係止部とを有しており、前記係合部と前記係止部が係合する位置で、前記第1端部と前記第2端部が前記初期位置に戻るように付勢力が作用することで、前記係合部が前記係止部に係止される。
【0007】
上記構成の一つの特徴及び利点は、植物用支持具は、リング状の支持部と複数の支柱部が一体に成形されていることで、支持部と支柱部の組み立ての手間を省くことができる。また、支持部は開放部が設けられると共に可撓性を有しており、第1端部と第2端部を初期位置から互いに近接させることで、係止部に係合部を係合させることができる。係合部と係止部が係合する位置では、第1端部と第2端部が初期位置に戻るように付勢力が作用し、係止部によって支持部の開放部が開く方向への係合部の移動が係止される。したがって、第1端部と第2端部が互いに近接又は離間する方向に支柱部を弾性変形させることで、容易に係合部と係止部を係合させ、又は係合状態を解除することができる。さらに、支柱部は、第1端部と第2端部が互いに支持部の周方向に離れて開放部が開くように弾性変形できる。これにより、すでに植物体が植えられた状態でも、植物体より大きく開いた開放部から植物体の周りを囲むようにすることで、植物用支持具を容易に設置することができる。
【0008】
上記植物用支持具について、前記係合部は、フック状に形成されており、前記支柱部の一つは、前記第2端部に隣接した位置に配設されており、前記支持部との接合部位が前記係止部として機能する構成であっても良い。
【0009】
上記構成の一つの特徴及び利点は、植物用支持具は、第2端部に支柱部の一つが隣接するように配設されており、この支柱部と支持部の接合部位にフック状の係合部を引っ掛けることができる。支柱部が係止部としても機能することで、より簡易な構造の植物用支持具を構成し得る。
【0010】
上記植物用支持具について、前記支柱部と前記支持部との接合部位は、前記支柱部より幅が広い平板状に形成されている構成であっても良い。
【0011】
上記構成の一つの特徴及び利点は、支柱部と支持部との接合部位は、支柱部より幅が広く、平板状に形成されている。これにより、接合部位の強度の向上を図ることができ、支柱部が延出する方向とは異なる方向に曲がった場合や、支柱部に係合部を引っ掛けた場合であっても、支柱部が折れにくい植物用支持具を構成し得る。
【0012】
上記植物用支持具について、前記係合部は、前記支持部の周縁より外側に開口したフック状を呈する構成であっても良い。
【0013】
上記構成の一つの特徴及び利点は、係合部は、支持部の周縁より外側に開口したフック状に形成されている。これにより、支持部の第1端部を支持部の周縁より内側に向かって軽い力で押し入れることで、付勢力で外側(初期位置)に戻ろうとする係合部を、係止部として機能する支柱部に引っ掛けることができる。さらに、係合部が外側に開口することで、支持部の周縁より内側に向かって押す力を加えない限り、支柱部との係合状態が維持され、より外れにくい係合部を構成し得る。また、設置された植物用支持具を取り外すときは、支持部の第1端部を支持部の周縁より内側に向かって押すことで容易に係合状態を解除し得る。
【0014】
上記植物用支持具について、前記係合部は、先端部が前記支持部の周縁より外側に向かって湾曲したフック状を呈する構成であっても良い。
【0015】
上記構成の一つの特徴及び利点は、フック状を呈する係合部の先端部は、支持部の周縁より外側に向かって湾曲している。これにより、係合部が外側に広く開口すると共に、曲線状に形成されているため、支柱に係合部を滑らせるようにして引っ掛けることができる。したがって、よりスムーズに係合部を支柱に係合させることができる。
【0016】
上記植物用支持具について、前記係止部は、前記支持部の周縁より内側の面において、平らな面を有し、前記平らな面より前記支柱部側の厚さが厚くなるように形成された段差形状を有する構成であっても良い。
【0017】
上記構成の一つの特徴及び利点は、係止部の内側の面には、平らな面が設けられ、段差形状が形成されている。係止部に平らな面を設けることで、係合部をより引っ掛け易くすることができる。段差形状は、平らな面より支柱部側の厚さが厚くなっている。したがって、係止部に係合部が引っ掛けられた状態において、段差形状により支柱部の挿込み方向への係合部の移動が係止される。よって、係合状態における係合部の位置ずれを抑制でき、より外れにくい構成とすることができる。
【0018】
上記植物用支持具について、前記支柱部は、延出した先端部において先端に向かって支柱部が細くなるように形成された挿込み部を有しており、前記支持部の径方向における前記挿込み部の外側の部位が前記径方向内側に向かって傾斜した形状を有する構成であっても良い。
【0019】
上記構成の一つの特徴及び利点は、支柱部の先端部には、支柱部が先端に向かって細くなるように形成された挿込み部が設けられている。支持部の径方向における挿込み部の外側の部位は、内側に向かって傾斜した形状に形成されている。これにより、支柱部は、植木鉢等の用土に挿し込むときに植木鉢の内壁等に引っ掛かりにくく、植木鉢の内壁等に沿ってスライドされるように挿し込むことができる。よって、植木鉢等の用土に対して、より挿し込み易い植物用支持具を構成し得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記の各発明の構成をもつことにより、支柱と連結部材の組立て及び取外しをする手間を軽減し、植物体が植えられた状態でも容易に設置し得る植物用支持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る植物用支持具の斜視図であり、第1端部と第2端部が初期位置にある状態を示す図である。
図2】上記植物用支持具の斜視図であり、係止部として機能する支柱部の内側を示す図である。
図3】上記植物用支持具の斜視図であり、係合部を係止部に引っ掛けた状態を示す図である。
図4】上記植物用支持具の平面図である。
図5】上記植物用支持具の側面図である。
図6】上記植物用支持具を植木鉢に設置するときに、開放部を広げて支持部を変形させた状態を示す図である。
図7】上記植物用支持具を植木鉢に設置した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態に係る植物用支持具1は、例えば4号~6号の大きさの植木鉢に設置して使用されるものである。植物用支持具1は、例えばポリプロピレン等の樹脂製であり、図1に示すように、リング形状(略円形状)の支持部4と用土等に挿し込まれる複数(3本)の支柱部5を有する一体成形品として構成されている。
【0023】
支持部4は、リング形状における一か所が途切れた開放部6が構成されており、開放部6において、互いに離れた初期位置で対向する第1端部41と第2端部42とを有する。すなわち支持部4は、初期位置の状態で、開放部6において例えば数ミリ程度の隙間が空くように構成されている。支持部4は、可撓性を有しており、第1端部41と第2端部42が初期位置から周方向に移動することで開放部6が開閉し得る。なお、支持部4の開放部6は、支持部4が略直線状に変形する程度まで開くことができるようになっている。
【0024】
支持部4の第1端部41側には、フック状に形成された係合部7が設けられている。係合部7は、図4に示すように、支持部4の第1端部41が開放部6においてU字状に湾曲したU字湾曲部71を有しており、支持部4の周縁より外側に開口している。さらに係合部7は、先端部72が支持部4の周縁より外側に向かって湾曲した形状になっている。また係合部7は、U字湾曲部71と先端部72の中間部位73において開口が狭くなっている。支持部4は、図3を参照するように、係合部7が支持部4の周縁より内側に位置するように、第1端部41を第2端部42に近づけることで、係合部7を支持部4の内側から後述する係止部9に引っ掛けることができるように構成されている。
【0025】
図1に示すように、支柱部5は、支持部4の周方向に所定間隔をおいて複数(3本)配設され、支持部4から並行して一方向(支柱部5の挿込み方向)に線状に延出している。図4,5を参照するように、支柱部5はそれぞれ、側面視において緩やかに傾斜しており、延出した支柱部5の先端部が、平面視で支持部4の周縁より径方向内側に位置する。ここで、支柱部5の外側は、平面視で支持部4の径方向における周縁側又は外側とし、支柱部5の内側は、支持部4の径方向における中心側又は内側として説明する。支柱部5はそれぞれ、延出した先端部において、先端に向かって支柱部5が細くなるように形成された挿込み部51を有する。挿込み部51は、外側の部位52が内側に向かって傾斜した形状を有している。また、挿込み部51の外形形状は、植物用支持具1の設置の際に作業者や植物体に触れても傷つけることがないように、角がない曲線状に形成されている。また、支柱部5は樹脂製であることから、より折れにくい構成とするため、長手方向からみた断面形状が十字状を呈する形状になっている。
【0026】
これらの支柱部5と支持部4の接合部位8はそれぞれ、支柱部5より幅が広い平板状に形成されている。接合部位8は、図1に示すように、支柱部5から支持部4にかけて広くなり、外形形状が曲線状になっている。これにより、支柱部5に横方向(支持部4の周方向)に曲がる力が加わっても折れにくく、強度の向上を図り得る。3本の支柱部5のうち1本の支柱部5は、支持部4の第2端部42に隣接した位置に配設される。この第2端部42付近における支柱部5と支持部4の接合部位8は、係合部7と係合可能な係止部9として機能する。具体的には、第2端部42付近の接合部位8(係止部9)に係合部7を引っ掛けることができ、係合部7と係止部9が係合する位置で、第1端部41と第2端部42が初期位置に戻るように付勢力が作用することで、係合部7が係止部9に係止される。
【0027】
係止部9は、図2に示すように、支持部4の周縁より内側の面の一部が厚さ方向に凹んだ平らな面81を有する。係止部9における平らな面81より下側(支柱部5側)の部位82は、平らな面81より厚さ方向に突出しており、段差形状が形成されている。係止部9に平らな面81を設けることで、係合部7をより引っ掛け易くすることができる。また、段差形状を設けることにより、引っ掛けられた係合部7の支柱部5側への位置ずれを抑制し得る。
【0028】
上記植物用支持具1は、図3に示すように、初期位置にある支持部4の第1端部41と第2端部42を近接させて、係合部7を支持部4の内側から係止部9に引っ掛け、係合部7が係止部9に係止された状態で植木鉢等に設置される。また、植物体がすでに植えられている植木鉢に設置する場合は、支持部4の第1端部41と第2端部42が離れるように、開放部6を植物体より大きく開いた状態にする(図6参照)。そして、支持部4で植物体を囲みながら、開放部6が開いた状態から初期位置に戻し、さらに第1端部41と第2端部42を近接させて、係合部7を係止部9に係合させる。支柱部5を用土に挿し込むことで、植木鉢に植物用支持具1が設置される(図7参照)。
【0029】
係合部7と係止部9の係合状態を解除するときは、支持部4の第1端部41側の係合部7付近を支持部4の周縁より内側に押すことで、係合部7が係止部9から離れ、第1端部41が付勢力によって初期位置に戻る(図4参照)。
【0030】
<実施形態の効果>
上記実施形態に係る植物用支持具1は、リング状の支持部4と複数の支柱部5が一体に成形されていることで、支持部4と支柱部5の組み立ての手間を省くことができる。また、支持部4は開放部6が設けられると共に可撓性を有しており、第1端部41と第2端部42を初期位置から互いに近接させることで、係止部9に係合部7を係合させることができる。係合部7と係止部9が係合する位置では、第1端部41と第2端部42が初期位置に戻るように付勢力が作用し、係止部9によって支持部4の開放部6が開く方向への係合部7の移動が係止される。したがって、第1端部41と第2端部42が互いに近接又は離間する方向に支柱部5を弾性変形させることで、容易に係合部7と係止部9を係合させ、又は係合状態を解除することができる。さらに、支柱部5は、第1端部41と第2端部42が互いに支持部4の周方向に離れて開放部6が開くように弾性変形できる。これにより、すでに植物体が植えられた状態でも、植物体より大きく開いた開放部6から植物体の周りを囲むようにすることで、植物用支持具1を容易に設置することができる。
【0031】
植物用支持具1は、第2端部42に支柱部5の一つが隣接するように配設されており、この支柱部5と支持部4の接合部位8にフック状の係合部7を引っ掛けることができる。支柱部5が係止部9としても機能することで、より簡易な構造の植物用支持具1を構成し得る。
【0032】
植物用支持具1は、支柱部5と支持部4との接合部位8は、支柱部5より幅が広く、平板状に形成されている。これにより、接合部位8の強度の向上を図ることができ、支柱部5が延出する方向とは異なる方向に曲がった場合や、支柱部5に係合部7を引っ掛けた場合であっても、支柱部5が折れにくい植物用支持具1を構成し得る。
【0033】
植物用支持具1は、係合部7は、支持部4の周縁より外側に開口したフック状に形成されている。これにより、支持部4の第1端部41を支持部4の周縁より内側に向かって軽い力で押し入れることで、付勢力で外側(初期位置)に戻ろうとする係合部7を、係止部9として機能する支柱部5に引っ掛けることができる。さらに、係合部7が外側に開口することで、支持部4の周縁より内側に向かって押す力を加えない限り、支柱部5との係合状態が維持され、より外れにくい係合部7を構成し得る。また、設置された植物用支持具1を取り外すときは、支持部4の第1端部41を支持部4の周縁より内側に向かって軽い力で押すことで、容易に係合状態を解除し得る。
【0034】
植物用支持具1は、フック状を呈する係合部7の先端部72は、支持部4の周縁より外側に向かって湾曲している。これにより、係合部7が外側に広く開口すると共に、曲線状に形成されているため、支柱に係合部7を滑らせるようにして引っ掛けることができる。したがって、よりスムーズに係合部7を支柱に係合させることができる。
【0035】
植物用支持具1は、係止部9の内側の面には、平らな面81が設けられ、段差形状が形成されている。係止部9に平らな面81を設けることで、係合部7をより引っ掛け易くすることができる。段差形状は、平らな面81より下側(支柱部5側)の部位82の厚さが厚くなっている。したがって、係止部9に係合部7が引っ掛けられた状態において、段差形状により支柱部5の挿込み方向への係合部7の移動が係止される。よって、係合状態における係合部7の位置ずれを抑制でき、より外れにくい構成とすることができる。
【0036】
植物用支持具1は、支柱部5の先端部には、支柱部5が先端に向かって細くなるように形成された挿込み部51が設けられている。挿込み部51の外側の部位52は、内側(支持部4の径方向中心側)に向かって傾斜した形状に形成されている。これにより、支柱部5は、植木鉢等の用土に挿し込まれるときに植木鉢の内壁等に引っ掛かりにくく、植木鉢の内壁等に沿ってスライドされるように挿し込むことができる。よって、植木鉢等の用土に対して、より挿し込み易い植物用支持具1を構成し得る。
【0037】
植物用支持具1は、支持部4が略円形状に形成されている。このように、支持部4を角がない形状とすることで、開放部6を開いたときに一点に力が加わることがなく、より折れにくい支持部4を構成し得る。また支持部4は、初期位置における第1端部41と第2端部42が互いに離れた位置にあり、開放部6において少なくとも隙間が空くように構成されている。これにより、係合部7を係止部9に引っ掛けたときに、初期位置に戻る向きに作用する付勢力によって係合部7が係止部9に係止されるため、係合部7が外れにくくなり、係合状態がより安定し得る。
【0038】
植物用支持具1は、一体成形品であり、支持部4に対して支柱部5の位置が固定されている。これにより、支柱部5の位置決めが容易になり、植木鉢等に設置するときの手間を省くことができる。また、支持部4とそれぞれの支柱部5が一体に固定されていることで、別個になった支柱と連結部材を組立てる場合に比べて、植物用支持具1を設置した後の傾きや変形を抑制できる。また、支柱部5は、支持部4から一方向(挿込み方向)に延出しており、挿込み方向と反対側の方向(上方向)には支柱部5から突出していない。したがって、挿込み部51を用土に挿し込んで植物用支持具1を設置する際に、支持部4側から挿込み方向に向かって手で押し易く、作業性や安全性が向上し得る。また、支柱部5より上側は突出部位がないことから、植物体に引っ掛かる、又は植物体を傷つけてしまうことなどを防ぎ得る。さらに、支柱部5は側面視において、支持部4の径方向中心側に向かって緩やかに傾斜するように延出しているため、用土に挿し込むときに植木鉢の内壁に引っ掛かりにくく、底面に向かって狭くなる植木鉢等にも設置し易い。
【0039】
植物用支持具1は、第1端部41の係合部7付近に支持部4の周縁より内側に押す力を加えることで支持部4が弾性変形し、係合部7と係止部9を係合させ、または係合状態を解除できる。すなわち、フック状の係合部7自体を開いたり閉じたりすることなく植物用支持具1の取付け、取り外しができる。したがって、係合部7に過度な力が加わり破損することを防ぎ得る。
【0040】
植物用支持具1は、係合部7のU字湾曲部71と先端部72の中間部位73において開口が狭くなっている。これにより、係合部7を係止部9に引っ掛けたときは、係合部7がより外れにくくなり、植物用支持具1の使用時において係合部7と係止部9との係合状態が安定して維持され得る。
【0041】
植物用支持具1は、樹脂製の材料から構成されているため、植物の傷や病気の要因となり得るささくれ等が発生せず、組立て作業をする作業者の安全性も向上し得る。また、支持部4が柔軟性を有することで、植木鉢の大きさを選ばずに設置できる。
【0042】
植物用支持具1は、ポリプロピレン等の樹脂製であるため、部材の色も用いる材料によって任意に変更し得る。また、分別も容易であり、リサイクル可能に構成し得る。
【0043】
本発明に係る植物用支持具は、上記実施形態において説明した外観、構成等に限られず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除、構成の組み合わせにより、その他各種の形態で実施できるものである。
【0044】
本発明に係る植物用支持具は、上記実施形態で例示した植木鉢に限られず、様々な大きさや種類の植木鉢、又はプランター等に使用されるものが含まれ、支持部の大きさや支柱部の長さも適宜変更できる。また、植物用支持具は、地面に直接設置するものも含まれる。
【0045】
植物用支持具の係合部の形状や大きさ、フック形状の開口の向き等は、上記実施形態に限られず、適宜選択できるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 植物用支持具
4 支持部
5 支柱部
6 開放部
7 係合部
8 接合部位
9 係止部
41 第1端部
42 第2端部
51 挿込み部
52 挿込み部の外側の部位
71 U字湾曲部
72 先端部
73 中間部位
81 平らな面
82 平らな面より下側(支柱部側)の部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7