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特開2025-7709ウェハ測定装置、およびそれを備えた半導体製造システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007709
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ウェハ測定装置、およびそれを備えた半導体製造システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20250109BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L21/66 P
G01B11/06 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109286
(22)【出願日】2023-07-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】591114641
【氏名又は名称】株式会社ヒューテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 淳二
(72)【発明者】
【氏名】花田 英人
(72)【発明者】
【氏名】平田 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】井関 紗千子
【テーマコード(参考)】
2F065
4M106
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065CC19
2F065CC31
2F065FF04
2F065GG03
2F065GG07
2F065HH05
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ08
2F065JJ26
2F065LL08
2F065LL42
2F065LL67
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA42
4M106CA43
4M106CA48
4M106CA50
4M106DB05
4M106DB07
(57)【要約】
【課題】クリーンルームの内容積を抑制するために、クリーンルーム内の既存の半導体製造システムに追加することができるウェハ測定装置を提供する。
【解決手段】ウェハ測定装置10は、光源11と、撮像装置20と、撮像装置20から得られる測定光の分光特性データから、ウェハWに設けられた膜の厚み等を算出する制御装置12と、を備えている。制御装置12は、膜の厚み等を算出する際に用いられた厚み算出用ライン状測定光のうち、ウェハWで反射したもののライン状方向への長さデータを取得し、長さデータに基づいて、厚み算出用ライン状測定光のウェハの動作方向の座標位置を算出する。この構成により、従来よりも構成のシンプルなウェハ測定装置を提供できるので、クリーンルームを大きくすることなく、既存の半導体製造システムにそのウェハ測定装置を追加することができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハにライン状測定光を照射する光源と、
前記ウェハで反射した前記ライン状測定光を受光する撮像装置と、
該撮像装置から得られる前記ライン状測定光の分光特性データから、前記ウェハに設けられた膜の厚み、またはウェハ自体の厚みを算出する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記膜の厚みまたはウェハ自体の厚みを算出する際に用いられる厚み算出用ライン状測定光のうち、
前記ウェハで反射したもののライン状方向への長さデータを取得し、
前記長さデータに基づいて、前記厚み算出用ライン状測定光の前記ウェハの動作方向の座標位置を算出する、
ことを特徴とするウェハ測定装置。
【請求項2】
前記制御装置が、
前記長さデータに基づいて、前記厚み算出用ライン状測定光の前記ウェハの動作方向の座標位置を算出する際に、
前記制御装置は、
前記長さデータの前記ライン状方向への中心に位置する画素をライン状方向中心点とし、
前記厚み算出用ライン状測定光ごとに前記ライン状方向中心点を取得し、
これらのライン状方向中心点に基づき、前記ウェハの動作方向に平行であるウェハの中心線を算出し、
該中心線から前記長さデータの端部までの長さのうち長い方を、前記長さデータを取得した際の算出長さとし、
該算出長さに基づいて、前記厚み算出用ライン状測定光の前記ウェハの動作方向の座標位置を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハ測定装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記膜の厚みまたはウェハ自体の厚みに基づいて欠点を抽出し、
前記ウェハの動作方向の座標位置の情報に基づいて前記欠点の大きさを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハ測定装置。
【請求項4】
前記制御装置で算出された前記膜の厚みまたは前記ウェハ自体の厚みを表示する表示装置を備え、
該表示装置は、前記膜の厚みまたはウェハ自体の厚みを二次元マップで表す、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハ測定装置。
【請求項5】
半導体処理装置と、該半導体処理装置へウェハを出し入れするための搬送ロボットと、を備え、
前記搬送ロボットが搬送している状態の前記ウェハに設けられた膜の厚みまたはウェハ自体の厚みを測定する請求項1に記載のウェハ測定装置を備えた、
ことを特徴とする半導体製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ測定装置、およびそれを備えた半導体製造システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、測定光の分光特性データから、ウェハに設けられた膜の厚み、またはウェハ自体の厚みを測定するウェハ測定装置、およびそれを備えた半導体製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの半導体製造システムは、クリーンルーム内に配置される。このクリーンルームを、所定のクリーンな状況(例えばクラス100またはクラス10)に保持するためには多額のランニングコストが発生するため、クリーンルーム内では、必要となる製造装置を無駄のないように配置し、かつ、その内容積をできるだけ小さくすることが望まれる。特許文献1では、半導体製造システムの一部を構成する半導体ウェハの厚み分布測定システムが開示されている。この文献の図2に示すように、例えば半導体ウェハは、ロボットにより搬入部から多関節ロボットにより測定部に搬送され、測定を終えた半導体ウェハは他のロボットにより保管部または研磨部に再度搬送される。
【0003】
半導体ウェハは、特許文献1に示すように、その厚み自体が検査の項目となるとともに、特許文献2に示すように、半導体ウェハ上に設けられた膜厚が検査の項目となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-112316号公報
【特許文献2】特開2020-165867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体製造装置が配置されるクリーンルームは、前記したようにその内容積をできるだけ小さくすることが望まれる。しかるに、新たに検査装置を導入しようとする場合、ロボットなどの搬送装置を併せた形で検討する必要があり、その場合、クリーンルームの内容積が大きくならざるを得ないという問題がある。
また、製造される半導体の種類またはグレードによって、測定装置を増やしたいと考えた場合、搬送装置を含めると、既存のクリーンルーム内への設置が困難になるという問題がある。
加えて、製造装置内に検査装置を設置する場合、検査装置のプローブ等の速度または位置を測定するセンサおよびその配線が増えるほどコスト増加と配線レイアウトが複雑となるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、クリーンルームの内容積を抑制するために、クリーンルーム内の既存の半導体製造システムに追加することができ、加えて、半導体製造システム内部に設置する機材を極力少なくすることができるウェハ測定装置、およびそれを備えた半導体製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明のウェハ測定装置は、ウェハにライン状測定光を照射する光源と、前記ウェハで反射した前記ライン状測定光を受光する撮像装置と、該撮像装置から得られる前記ライン状測定光の分光特性データから、前記ウェハに設けられた膜の厚み、またはウェハ自体の厚みを算出する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記膜の厚みまたはウェハ自体の厚みを算出する際に用いられる厚み算出用ライン状測定光のうち、前記ウェハで反射したもののライン状方向への長さデータを取得し、前記長さデータに基づいて、前記厚み算出用ライン状測定光の前記ウェハの動作方向の座標位置を算出することを特徴とする。
第2発明のウェハ測定装置は、第1発明において、前記制御装置が、前記長さデータに基づいて、前記厚み算出用ライン状測定光の前記ウェハの動作方向の座標位置を算出する際に、前記制御装置は、前記長さデータの前記ライン状方向への中心に位置する画素をライン状方向中心点とし、前記厚み算出用ライン状測定光ごとに前記ライン状方向中心点を取得し、これらのライン状方向中心点に基づき、前記ウェハの動作方向に平行であるウェハの中心線を算出し、該中心線から前記長さデータの端部までの長さのうち長い方を、前記長さデータを取得した際の算出長さとし、該算出長さに基づいて、前記厚み算出用ライン状測定光の前記ウェハの動作方向の座標位置を算出することを特徴とする。
第3発明のウェハ測定装置は、第1発明において、前記制御装置は、前記膜の厚みまたはウェハ自体の厚みに基づいて欠点を抽出し、前記ウェハの動作方向の座標位置の情報に基づいて前記欠点の大きさを算出することを特徴とする。
第4発明のウェハ測定装置は、第1発明において、前記制御装置で算出された前記膜の厚みまたは前記ウェハ自体の厚みを表示する表示装置を備え、該表示装置は、前記膜の厚みまたはウェハ自体の厚みを二次元マップで表すことを特徴とする。
第5発明の半導体製造システムは、半導体処理装置と、該半導体処理装置へウェハを出し入れするための搬送ロボットと、を備え、前記搬送ロボットが搬送している状態の前記ウェハに設けられた膜の厚みまたはウェハ自体の厚みを測定する請求項1に記載のウェハ測定装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、所定の厚みを算出する際に用いられる厚み算出用ライン状測定光のライン状方向への長さデータを取得し、この長さデータに基づいて、厚みデータのウェハの動作方向の座標位置を算出することにより、ウェハの動作方向の座標位置を特定するための測定器を用いないで、ウェハに設けられた膜の厚み等を測定できる。よって、従来よりも構成のシンプルなウェハ測定装置を提供できるので、クリーンルームを大きくすることなく、既存の半導体製造システムにそのウェハ測定装置を追加することができる。また、高精度に制御されたウェハの搬送装置を用いる必要がなくなったり、半導体製造システム内部に設置する機材を極力少なくすることができたりするため、安価に装置が提供できる。
第2発明によれば、所定の方法でウェハの動作方向と平行な中心線を求めて、これにより厚み算出用ライン状測定光のウェハ動作方向の座標位置を特定することにより、ウェハにはノッチまたはオリエンテーションフラットが存在するところ、それらが存在した場合でもそれらの情報を入力することなく、厚み算出用ライン状測定光の座標位置を特定できる。
第3発明によれば、所定の方法で欠点を抽出し、その大きさを求めることにより、装置の使用者が欠点の大きさを容易に認識できる。
第4発明によれば、表示装置が厚みを二次元マップで示すことにより、装置の使用者が容易に厚みの分布を把握できる。
第5発明によれば、搬送ロボットが搬送している状態のウェハの膜の厚み等を測定するウェハ測定装置を有していることにより、装置単独で大きなスペースを確保する必要がなくなり、省スペースでシンプルであり低コストである半導体製造システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るウェハ測定装置における、第1のウェハ動作方向の座標位置算出方法の説明図である。
図2】本発明の実施形態に係るウェハ測定装置を備えた半導体製造システムの平面方向の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るウェハ測定装置の平面図である。
図4図3のウェハ測定装置の正面図である。
図5図3のウェハ測定装置の斜視図である。
図6図3のウェハ測定装置を構成する撮像装置の説明図である。
図7図3のウェハ測定装置の制御ブロック構成図である。
図8図3のウェハ測定装置の表示装置における表示画面の説明図である。
図9】本発明の実施形態に係るウェハ測定装置における、第2のウェハ動作方向の座標位置算出方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのウェハ測定装置および半導体製造システムを例示するものであって、本発明はウェハ測定装置および半導体製造システムを以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、本明細書での「垂直」、「平行」と言う記載は、厳密に垂直、または平行である必要はなく、この言葉が用いられている部分で、その部分の機能を十分満たし得る程度に垂直、または平行すなわち、「実質的に垂直」、「実質的に平行」な範囲を含む意味である。加えてウェハには、ノッチもしくはオリエンテーションフラットが設けられるが、明細書では、それらを区別する必要がない場合は、ウェハを符号Wと表示し、区別する必要がある場合にノッチ付きウェハを符号W1、オリエンテーションフラット付きウェハをW2として表示する。
【0011】
(半導体製造システム30)
図2には、本発明の実施形態に係るウェハ測定装置を備えた半導体製造システム30の平面方向の断面図を示す。この半導体製造システム30は、水平多関節型の搬送ロボット32を備えたシステムである。この半導体製造システム30は、搬送ロボット32と、この搬送ロボット32を略中央に備えた搬送室34と、この搬送室34と接続する複数の処理用チャンバ31およびキャリア用チャンバ33と、を含んで構成されている。ここで、処理用チャンバ31は、半導体処理装置であり、ウェハWに対して何らかの加工を行う半導体製造装置である場合と、加工後のウェハWの性状を測定する測定装置である場合がある。そしてこの半導体製造システム30は、搬送ロボット32によりウェハWを1枚ごと出し入れし、処理(加工または測定)を行う。
【0012】
図2に示すように、搬送室34は、上から見た形状が六角形の形状であり、その中央に搬送ロボット32が配置されている。搬送室34の周囲には、六角形の辺ごとに処理用チャンバ31もしくは、キャリア用チャンバ33が接続されている。処理用チャンバ31ではウェハWに対して所定の処理が行われ、キャリア用チャンバ33では、キャリアにウェハWが積載されている。ウェハWは、そのキャリアに積載されたまま、他のシステムから半導体製造システム30へ搬送されたり、半導体製造システム30から他のシステムへ搬送されたりする。搬送室34、処理用チャンバ31、キャリア用チャンバ33のそれぞれの接続口には、ゲートバルブが設けられており、このゲートバルブにより搬送室34、処理用チャンバ31、キャリア用チャンバ33は、互いに気密を保持することが可能となっている。
【0013】
上記の半導体製造システム30では、搬送室34内に本実施形態に係るウェハ測定装置10の一部が備えられている。例えば、搬送室34内に、光源11と、撮像装置20とが配置される場合がある。また、光源11と撮像装置20とが測定専用の処理用チャンバ31内に、またはキャリア用チャンバ33内に配置される場合がある。
【0014】
なお、上記の半導体製造システム30の構成は一例であり、上記の内容に限定されるものではない。例えば、搬送室34の形状は六角形以外の多角形(例えば三角形、四角形、五角形、八角形等)または円形でもよい。この場合、処理用チャンバ31またはキャリア用チャンバ33の数、形状または配置は、搬送室34の形状に応じて適宜変更される。
【0015】
(ウェハ測定装置10の構成)
図3には、本発明の実施形態に係るウェハ測定装置10の平面図を、図4にはその側面図を、図5にはその斜視図を示す。理解を容易にするために図3および図4ではウェハ測定装置10の主要部材のみを記載している。本発明に係るウェハ測定装置10は、ウェハWで反射したライン状測定光の分光特性データから、ウェハWに設けられた膜の厚み、またはウェハW自体の厚みを測定することができる測定装置である。この分光特性データから、ウェハWに設けられた膜の厚み等を測定する測定装置では、白色干渉方式、分光干渉方式の他、共焦点による方式を含む。
【0016】
本実施形態に係るウェハ測定装置10の被測定対象はウェハWである。「ウェハ」とは、「ICチップ(半導体集積回路)の材料となる、半導体物質の結晶でできた円形の薄い板。」である。このウェハWには、工程中でウェハWの向きを合わせるため、周上にノッチとよばれる切り欠き、またはオリエンテーションフラットと呼ばれる直線部が設けられている。
【0017】
本実施形態では図3図4に示すように、ノッチ付きウェハW1は矢印の示す方向、すなわち図3においては、図3の紙面において下から上に、図4においては、図4の紙面において右から左に、搬送ロボット32により動作させられる。図3では、矢印の示す方向と垂直な方向がライン状測定光のライン状方向となる。ノッチ付きウェハW1は、ウェハ測定装置10により厚みが測定される部分では、矢印に示すように移動している。すなわち本実施形態では、被測定対象であるノッチ付きウェハW1の、光源11のライン状方向に垂直な方向の動作に合わせて、ノッチ付きウェハW1に設けられた膜等の厚みが測定される。
【0018】
本実施形態に係るウェハ測定装置10は、装置本体を有する。装置本体は、ライン状測定光を照射する光源11、およびノッチ付きウェハW1で反射したライン状測定光を受光する撮像装置20と、を含んで構成されている。ライン状測定光を照射する光源11は、図3においては左右方向、図4においては奥行き方向がライン状方向である。
【0019】
本実施形態において、ライン状測定光を照射する光源11は、LEDであることが好ましい。光源11がLEDであることにより、光源11のサイズを大きくすること、光量を高くすること、製造コストを安価にすることが容易となる。ただし光源11は、これに限定されない。例えば、ライン状測定光を照射するものであれば、蛍光灯、ハロゲン光源、メタルハライドランプであっても問題ない。なお、光源11がハロゲン光源である場合は、発する測定光の波長が広く、なおかつ波長ごとの強度が他の光源に比べ比較的均一である点で、厚み測定に適している。なお光源11の先端にシリンドリカルレンズもしくはロッドレンズを用いることが好ましい。撮像装置20に受光される光量が増量されるからである。また、光源11とノッチ付きウェハW1の間にディフューザーまたは拡散板など光拡散性のある板材を設置することで、均一な光を照射させることが好ましい。照射される光が均一になることで、安定した測定結果を得ることが可能になるからである。ここで図3において、光源11から撮像装置20へ向けて描かれている一点鎖線は、光源11から発せられる測定光のうち、ノッチ付きウェハW1が十分な大きさを有する場合、撮像装置20で受光される測定光を描いたものであり、実際に光源11から発せられる測定光はこれらの一点鎖線の外側まで発せられている。なお、光源11から照射される測定光は、可視光であることが好ましい。
【0020】
図6には、本実施形態に係る撮像装置20の構成図を示す。図6は撮像装置20を側面方向から見た断面図である。図6では測定光を一点鎖線で示している。撮像装置20は、光源11から照射される測定光を、ノッチ付きウェハW1で反射して受光する。受光は、測定光を分光して行われる。図6に示すように、撮像装置20は、被測定対象を経由した測定光を集光する第1レンズ21と、この集光された測定光のうち不要分をカットして分光精度を向上させるスリット22と、このスリット22を通過した測定光を、グレーティング素子24に入射させるのに適した向きに修正する第2レンズ23と、測定光を波長ごとに分光するグレーティング素子24と、分光後の測定光を二次元センサ26に集光させるための第3レンズ25と、分光された測定光を受光する二次元センサ26と、を筐体27の中に備えている。
【0021】
二次元センサ26は、図6の紙面において左右方向と奥行き方向とに所定の長さを有する構成であり、本実施形態では素子としてCMOSが用いられている。ただし素子はCMOSに限定されない。例えばCCD、InGaAs、InSb、MCT、QWIPなどを用いることも可能である。二次元センサ26の素子として、CCDまたはCMOSが用いられる場合、二次元センサ26の冷却が不要となり、ウェハ測定装置10の製造コストを抑えることが可能になる。特にCMOSが用いられる場合は、左右、奥行きいずれの方向にもROI(Region Of Interest)を行うことが可能であり、必要なセンサ領域に絞ることで撮像の高速化をすることが可能になる。
【0022】
撮像装置20に用いられている第1レンズ21、第2レンズ23、第3レンズ25は測定光を集光・操作できるものであれば問題ない。なおこれらのレンズの代わりに、曲面ミラーを用いることも可能である。曲面ミラーが用いられることで設計の自由度が上がり、撮像装置20を小型化することが可能になる。
【0023】
本実施形態では、グレーティング素子24は透過型である。グレーティング素子24が透過型である場合、撮像装置20は広い波長に対応可能となるとともに、その構造がシンプルになる。ただしこれに限定されるものではなく、反射型グレーティング素子を採用することも可能である。この反射型グレーティング素子には、ブレーズド回折格子、ホログラフィック回折格子がある。反射型グレーティング素子の採用により、設計の自由度が上がり、撮像装置20を小型化することが可能になる。
【0024】
本実施形態では、撮像装置20の筐体27はアルミニウムである。筐体27がアルミニウムであることにより、良好な放熱性、加工性を得ることができる。また費用を抑えることが可能になる。ただしこれに限定されるものではなく、樹脂、ステンレス、などを用いることも可能である。
【0025】
図7には、本実施形態に係るウェハ測定装置10の制御ブロック図を示す。本実施形態のウェハ測定装置10は、制御装置12を有する。この制御装置12は、CPUなどから構成されている。制御装置12は、光源11、撮像装置20、表示装置13、データ蓄積装置14、入力装置15と電気的に接続されている。制御装置12は、撮像装置20の二次元センサ26により測定された測定光の分光特性データを解析することで、被測定対象の厚みを算出することができる。また、制御装置12には、膜の厚みデータ、膜厚の平均値、最大値、最小値、膜厚異常部分の大きさ、形状、位置の情報等をウェハ測定装置10以外の装置に出力するための出力部(不図示)が設けられていることが好ましい。
【0026】
本実施形態で表示装置13は、液晶ディスプレイであり、制御装置12からの信号により、被測定対象の厚みデータを二次元的に、または三次元的に表示することが可能である。ただし表示装置13は液晶ディスプレイに限定されない。例えば有機ELディスプレイなどが該当する。
【0027】
本実施形態でデータ蓄積装置14は、ハードディスクであり、制御装置12で算出された被測定対象の厚みデータの圧縮データを蓄積することが可能である。ただしデータ蓄積装置14は、ハードディスクに限定されない。例えばブルーレイディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)などが該当する。
【0028】
本実施形態で入力装置15は、タッチパネルであり、ウェハ測定装置10の使用者が、この入力装置15により指令を行うことで、制御装置12は光源11、撮像装置20、動作装置の制御を行う。ただし、入力装置15はタッチパネルに限定されない。例えばキーボードとマウスなどが該当する。
【0029】
(ウェハ測定装置10の第1のウェハ動作方向の座標位置算出方法)
図1には、本実施形態に係るウェハ測定装置10における、第1のウェハ動作方向の座標位置算出方法の説明図を示す。図1には、ノッチ付きウェハW1の表面に、光源11からのライン状測定光が照射され、そのライン状測定光の厚み算出用ライン状測定光Lが存在している状態が示されている。図1では、ノッチ付きウェハW1は、Y方向(図1の上下方向)に動作し、ライン状測定光は、この動作する方向に垂直であるX方向(図1の左右方向)にライン状となる。また、このノッチ付きウェハW1の中心を通る座標軸Cx、Cyを定義する。
【0030】
制御装置12は、撮像装置20から得られるライン状測定光の分光特性データから、ノッチ付きウェハW1に設けられた膜の厚みを算出する。ここで、本実施形態に係るウェハ測定装置10は、算出された厚みが、ノッチ付きウェハW1の動作方向の座標のどの位置に存在するかを直接的に検出するための検出器を有していない場合がある。このため、算出された厚みが、ノッチ付きウェハW1の動作方向の座標のどの位置に存在するかを厳密に知ることはできないという問題がある。例えば、制御装置12は、撮像装置20からの分光特性データを、あらかじめ定められた時間ごとに算出する。ノッチ付きウェハW1は、水平多関節型の搬送ロボット32で搬送されているため、ノッチ付きウェハW1の水平移動の速度は一定でない。このような場合に、ノッチ付きウェハW1の外周は、円形であるところ、その外周の円形が、ひずんだ形で表示されるという問題がある。
【0031】
本実施形態のウェハ測定装置10では、制御装置12は、ライン状測定光のうち、ノッチ付きウェハW1上に設けられた膜の厚みを算出する際に用いられた厚み算出用ライン状測定光L(図1のl1は全体の長さを示す)のうち、ノッチ付きウェハW1で反射したもののライン状方向への長さデータl2を取得し、この長さデータl2に基づいて、厚み算出用ライン状測定光のノッチ付きウェハW1の動作方向の座標位置を算出する。ここで、長さデータl2は、例えば、光量が特定の値よりも大きい領域(画素)を長さデータl2として取得できる。しかし、長さデータl2の取得はこれに限定されない。例えば、周辺の外乱光を拾わないために、撮像装置20の視野中心から左右に光量を評価していき、特定の値よりも光量が小さくなる領域(画素)を長さデータl2とすることもできる。また、これらのデータにメディアンなどの数値処理を行い、ノイズを除したうえで長さデータl2とすることも可能である。さらに、精度を上げるためにサブピクセル処理や補間処理を行うこともできる。この長さデータl2などは画素(pixel)、長さの単位(nm、μm、mmなど)で表示することができる。長さの単位に変換するために、ウェハ測定装置10に撮像装置20の視野の情報(例えば400mm)を入力することも可能である。
【0032】
図1では、ノッチ付きウェハW1は、ノッチ部分を除き正確な円形である。このノッチ付きウェハW1の直径または半径は、ウェハ測定装置10の使用者が、事前に入力装置15から入力し、データ蓄積装置14で蓄積されている。ここで、制御装置12は、厚み算出用ライン状測定光Lのうち、実際にノッチ付きウェハW1で反射したもののライン状方向への長さの長さデータl2を取得することができる。これにより制御装置12は、ノッチ付きウェハW1の半径および長さデータl2の1/2の値から、三平方の定理により、厚み算出用ライン状測定光Lのウェハの動作方向の座標位置(例えば、図1におけるy1の値)を算出することができる。なお、算出された座標位置については、座標軸Cyを対称軸として2か所該当する箇所があるが、制御装置12は、その前後の長さデータl2と比較することにより、2箇所ある座標位置のいずれかの座標位置を特定することが可能である。また、ノッチ部分については、正確な円形ではないため、例えば本実施形態に係るウェハ測定装置10の使用者が、入力装置15からノッチ部分の形状をデータ蓄積装置14に蓄積し、そのデータと比較することで、厚み算出用ライン状測定光Lのウェハの動作方向の座標位置を算出したり、後述するオリエンテーションフラットの場合と同様な方法で座標位置を算出したりすることが可能である。
【0033】
なお、厚み算出用ライン状測定光Lのウェハ動作方向の座標位置の算出方法は上記の方法に限定されない。例えば、座標軸Cyと平行で、y1だけ離れた位置におけるノッチ付きウェハW1の長さ、すなわちノッチ付きウェハW1のライン状方向への長さは、一義的に定まるため、これを利用して、この長さデータl2と長さが等しくなる、ノッチ付きウェハW1のY方向の座標位置を特定する場合もある。また、制御装置12は、実際にノッチ付きウェハW1で反射したもののライン状方向への長さの長さデータl2を取得するが、ノッチ付きウェハW1の動作が遅い場合などに、制御装置12が取得した長さデータl2の値が、数回にわたり同じである場合がある。このような場合、制御装置12は、これらの同じ値となった長さデータl2を取得したタイミングの前後のタイミングで取得した長さデータl2に基づいて、長さデータl2を補正し、その補正された長さデータl2を用いてY方向の座標位置を特定することも可能である。
【0034】
所定の厚みを算出する際に用いられた厚み算出用ライン状測定光Lのライン状方向への長さデータl2を取得し、この長さデータl2に基づいて、厚みデータのウェハWの動作方向の座標位置を算出することにより、ウェハWの動作方向の座標位置を特定するための測定器を用いないで、ウェハWに設けられた膜の厚み等を測定できる。よって、従来よりも構成のシンプルなウェハ測定装置10を提供できるので、クリーンルームを大きくすることなく、既存のシステムにそのウェハ測定装置10を追加することができる。
【0035】
図8には、本実施形態のウェハ測定装置10の表示装置13における表示画面13aの説明図を示す。表示画面13aは、複数の画面から構成されている。第1画面13bは、例えば測定しているウェハWの番号を表示する画面、第2画面13cは、ウェハWに設けられている膜の厚みの分布を表示する画面、第3画面13dは、測定したウェハWの膜厚分布の膜厚異常、欠点を表示する画面、第4画面13eは、第2画面13cに示された横線が存在する位置での膜厚を表示する画面、第5画面13fは、第2画面13cに示された縦線が存在する位置での膜厚を表示する画面である。
【0036】
第2画面13cではウェハWに設けられている膜の厚みを、ウェハWとして表された形状の上に色違いで表示する、いわゆる二次元マップと呼ばれる方式で表している。制御装置12は、厚み算出用ライン状測定光Lの、ウェハ動作方向の座標位置を算出し、この座標位置に対応した位置にウェハWに設けられた膜の厚みを、色違いにより表示する。また、表示方法は色違いに限らず、モノクロ表示、特定色の濃淡表示、3次元表示も含まれ、測定された各点上に数値を表示する方法も可能である。本実施形態に係るウェハ測定装置10では、測定された各ポイントで厚みデータを表示した場合、ウェハWの速度が速いところでは、厚みの表示点が希薄になり、ウェハWの速度が遅いところでは、厚みの表示点が濃密になる。本実施形態の制御装置12は、第2画面13cの二次元マップにおいて、厚みデータをウェハWの動作方向に補間または平均することで均等間隔の厚みデータとして出力する場合がある。
【0037】
二次元マップは、上記したように、厚みデータをノッチ付きウェハW1の形状に補正したマップである。表示装置13が厚みを二次元マップで示すことにより、装置の使用者が容易に厚みの分布を把握できる。
【0038】
また、制御装置12は、以下のようなフローで欠点を検出し、その欠点を第3画面13dに表示する。まず制御装置12は、1)いわゆる空間フィルタ処理を行う。この空間フィルタ処理により、厚みデータに対して平滑化、差分、鮮鋭化を実施する。この厚みデータは、厚み算出用ライン状測定光のウェハWの動作方向の座標位置が特定された厚みデータである。次に制御装置12は、2)欠点候補を抽出する。制御装置12は、空間フィルタ処理後の厚みデータに対して、基準値としての厚さの閾値に基づいて、その厚みデータが欠点候補であるか否かを判断する。例えば、その閾値以下または閾値以上の厚みデータを欠点候補とする。次に制御装置12は、3)欠点判定を行う。具体的に制御装置12は、欠点候補とされた複数の画素により形成される形状から、その複数の画素に該当する部分が欠点に該当するかどうかを判断する。さらに詳しく説明すると、制御装置12は、複数の画素から形成される形状に対して、外接幅、外接長さ、閾値よりも厚い厚みデータの面積、閾値よりも薄い厚みデータの面積、これらの合計面積、厚みデータの最大値および最小値などに基づいて、その複数の画素が欠点に該当するかどうかを判断する。この際に制御装置12は、ノッチ付きウェハW1の動作方向の座標位置の情報に基づいて欠点の大きさを算出する。例えば、この欠点判定において、制御装置12は、(a)欠点が1画素であった場合、X方向の座標は上記の段落0031で説明した方法によって、撮像装置20の1画素の長さを特定し、Y方向の座標については、欠点を構成する最前の座標Y1とその次の座標Y2の差分値から長さを算出することで、欠点の大きさを算出することができる。また、(b)欠点が2画素以上で構成されている場合、制御装置12は、欠点を構成する2点間の距離が最も長いものについて、その長さを、欠点の大きさとすることができる。なお、欠点が2画素以上で構成されている場合、外接矩形の幅・長さ・対角線の長さなどを欠点の大きさとして算出することも可能である。また、あらかじめ定められた基準を設定し、その基準からの長さから欠点の大きさを算出することも可能である。この場合の基準はX方向、またはY方向に平行な軸線でも問題なく、またウェハのノッチやオリエンテーションフラットから設定することも可能である。加えて基準点を設定して、その基準点からの座標と長さと欠点の分布方向から欠点の大きさを算出することも可能である。4)欠点を二次元マップに示す。この欠点は、厚みデータの、厚み算出用ライン状測定光のウェハWの動作方向の座標位置が特定されているので、その大きさは、実際の欠点の大きさを表すことができている。
【0039】
所定の方法で欠点を抽出し、その大きさを求めることにより、装置の使用者が欠点の大きさを容易に認識できる。
【0040】
(ウェハ測定装置10の第2のウェハ動作方向の座標位置算出方法)
図9には、本実施形態に係るウェハ測定装置10における、第2のウェハ動作方向の座標位置算出方法の説明図を示す。図9には、オリエンテーションフラット付きウェハW2の表面に、光源11からのライン状測定光が照射され、そのライン状測定光の厚み算出用ライン状測定光Lが存在している状態が示されている。図9では、オリエンテーションフラット付きウェハW2は、Y方向(図9の上下方向)に動作し、ライン状測定光は、この動作する方向に垂直であるX方向(図9の左右方向)にライン状となる。また、このオリエンテーションフラット付きウェハW2の中心を通る座標軸Cx、Cyを定義する。
【0041】
図9では、オリエンテーションフラット付きウェハW2は、オリエンテーションフラット部を除き正確な円形である。このオリエンテーションフラット付きウェハW2の直径または半径は、ウェハ測定装置10の使用者が、事前に入力装置15から入力し、データ蓄積装置14で蓄積されている。ここで、制御装置12は、厚み算出用ライン状測定光Lのうち、実際にウェハで反射したもののライン状方向への長さの長さデータl2を取得することができる。なお上記の説明では、ウェハ測定装置10の使用者が、事前に入力装置15からオリエンテーションフラット付きウェハW2の直径または半径を入力すると説明したが、これに限定されない。例えば、実際にオリエンテーションフラット付きウェハW2で反射したもののライン状方向への長さデータl2の最大値からそのサイズを算出することも可能である。
【0042】
オリエンテーションフラット付きウェハW2の場合、オリエンテーションフラット部では、厚み算出用ライン状測定光Lの長さデータl2は、オリエンテーションフラット部により、オリエンテーションフラットがない場合と比較して短くなる。そのため、制御装置12は、まずオリエンテーションフラット付きウェハW2の中心線(図9においてCyと表示される線)を求める。制御装置12は、厚み算出用ライン状測定光Lの長さデータl2から、ライン状方向への中心に位置する画素を、ライン状方向中心点とする。制御装置12は、オリエンテーションフラット付きウェハW2の全面に亘り、厚み算出用ライン状測定光Lごとに、このライン状方向中心点を求める。例えば、制御装置12は、これらのライン状方向中心点の全てのデータの中の最頻値を通り、かつオリエンテーションフラット付きウェハW2の動作方向に垂直な直線を、オリエンテーションフラット付きウェハW2の中心線とする。そして制御装置12は、この中心線から長さデータl2の端部までの長さのうち長い方を、長さデータl2を取得した際の算出長さとする。これにより制御装置12は、オリエンテーションフラット付きウェハW2の半径および算出長さの値から、三平方の定理により、厚み算出用ライン状測定光Lのウェハの動作方向の座標位置(例えば、図9におけるy2の値)を算出する。なお、算出された座標位置については、座標軸Cyを対称軸として2か所該当する箇所があるが、制御装置12は、その前後の長さデータl2と比較することにより、2箇所ある座標位置のいずれかの座標位置を特定することが可能である。なおオリエンテーションフラット付きウェハW2の中心線の求め方として最頻値を用いた方法を説明したが、中心線の求め方はこれに限定されない。例えば、平均値、もしくはあらかじめ定められた範囲内に限定した平均値(異常なデータやフラット部分でズレてしまった中心点のデータを除去した範囲)、ライン状中心点が特定の分布(ガウス分布等)をすると仮定し、その頂点をフィッティングで求めたものを中心線とすることも可能である。
【0043】
所定の方法でウェハWの動作方向と平行な中心線を求めて、これにより厚み算出用ライン状測定光Lのウェハ動作方向の座標位置を特定することにより、ウェハにはノッチまたはオリエンテーションフラットが存在するが、それらが存在した場合でもそれらの情報を入力することなく、厚み算出用ライン状測定光Lの座標位置を特定できる。
【0044】
(その他)
なお、上記の座標位置算出方法では、ウェハWに設けられた膜の厚みを算出する場合について説明したが、これに限定されない。光源11が近赤外線である場合、ウェハW自体の厚みを算出する場合も、本発明に係るウェハ測定装置10に含まれる。
【0045】
また図8により、ウェハ測定装置10の第1のウェハ動作方向の座標位置算出方法での表示画面13aを説明したが、第2のウェハ動作方向の座標位置算出方法での表示画面13aについても、同様のものを使用することができる。
【0046】
また、ウェハ動作方向の座標位置算出方法では、図1ではノッチが図1の紙面の右端に、図9ではオリエンテーションフラットがCxと平行になるように配置されているが、特にこの位置は限定されない。これらが任意の位置にあっても座標位置算出方法は問題なく実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 ウェハ測定装置
11 光源
12 制御装置
13 表示装置
20 撮像装置
30 半導体製造システム
32 搬送ロボット
L 厚み算出用ライン状測定光
W ウェハ
l2 長さデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9