(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007715
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B41J2/01 207
B41J2/01 209
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109295
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 賢
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EB08
2C056EB40
2C056EC23
2C056EC54
2C056FA13
2C056KD06
(57)【要約】
【課題】記録用紙等の資源を使用せず、特殊な部材を用いない構成で、記録ヘッドの吐出状態の検出が可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置は、記録ヘッドと、透光板と、検出部と、除去部と、制御部と、を有する。記録ヘッドは、インクを吐出する複数のノズルを有する。透光板は、透光性を有し一方の面が前記記録ヘッドの前記各ノズルと対向する。検出部は、透光板の他方の面に接触し、透光板の一方の面に吐出されたインクの像を読み取る光検出素子を有する。除去部は、透光板の一方の面のインクを取り除く。制御部は、画像記録に寄与するタイミングとは異なるタイミングで記録ヘッドの各ノズルから透光板の一方の面に前記インクを吐出させ、検出部からインクの検出結果を取得し、ノズルの状態を確認する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、
画像記録に寄与するタイミングとは異なるタイミングで前記ノズルの状態を確認するための予備吐出動作を行う予備吐出動作部と、
前記予備吐出動作を制御する制御部と、を有し、
前記予備吐出動作部は、
透光性を有する板材であり一方の面が前記記録ヘッドの前記各ノズルと対向する透光板と、
前記透光板の他方の面に接触して配置され、前記ノズルから前記透光板の一方の面に吐出された前記インクの像を読み取る光検出素子を有する検出部と、
前記透光板の前記一方の面の前記検出部により検出された後の前記インクを取り除く除去部と、を有し、
前記制御部は、前記予備吐出動作部を用いて前記予備吐出動作を実行する場合、前記記録ヘッドの前記各ノズルから前記透光板の一方の面に前記インクを吐出させて前記インクの像を前記透光板に形成し、前記検出部によって検出された前記インクの像の検出結果を取得し、前記検出結果に基づいて前記ノズルの状態を確認するインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記ノズルを複数の組に分けて前記組ごとに前記予備吐出動作を実行するものとし、各組において1つの前記ノズルから吐出するインクの量を、全ての前記ノズルから同時に前記インクを吐出するときの1つの前記ノズルから吐出する前記インクの量よりも多くし、
前記検出部の隣り合う複数の前記光検出素子で1つの前記インクの像を読み取る請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記検出部は、印刷用シートの搬送方向に沿う方向に移動しつつ、前記透光板の一方の面に吐出されたインクを検出する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記除去部は、前記検出部と連結され、前記光検出素子の移動とともに移動して、前記透光板の前記一方の面の前記検出部が読み取った前記インクを取り除く請求項3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記記録ヘッドと前記透光板との距離は、画像記録を実行するときの画像記録距離と、前記画像記録距離よりも短い予備吐出距離とに変更可能である請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記記録ヘッドは、前記透光板に対して接近及び離間可能である請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置においては、インクの乾燥・固着によってノズルのからのインク吐出不良が発生した場合、画像に筋として現れてしまう場合がある。そのため、インクの吐出状態を確認する手段が提案されている。
【0003】
特許文献1には、インクが正常に吐出されているかを検出するため、光ビームがヘッドから吐出されたインクに衝突したときに発生する散乱光の受光光量を基に吐出状態を検出する構成が開示されている。
【0004】
特許文献2には、吐出不良パターンを記録用紙に印刷し、それを画像形成装置に備えられた読み取り部で不良の有無を検出する構成が開示されている。
【0005】
特許文献3には、帯状の透明テープにインクを吐出し、エンコーダセンサで複数回読み取る構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6225517号公報
【特許文献2】特許第5473435号公報
【特許文献3】特開2003-127420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成では、光ビームを出射する発光素子及び受光素子等の特殊な部材が必要であり、分散媒蒸気圧制御装置を備えるために、装置の大型化、構成の複雑化、およびコストアップに繋がる可能性がある。また、光ビームの光軸がずれると正確な検出ができなくなるという可能性もある。
【0008】
特許文献2の構成では、吐出不良パターンを記録用紙に印刷するため、資源が浪費される可能性がある。
【0009】
さらに、特許文献3の構成では、インクの印字及びクリーニングが可能な透明テープが必要であり、特殊な部材が必要になる。
【0010】
本開示は、記録用紙等の資源を使用せず、特殊な部材を用いない構成で、記録ヘッドの吐出状態の検出が可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本開示の一形態であるインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドと、画像記録に寄与するタイミングとは異なるタイミングで前記ノズルの状態を確認するための予備吐出動作を行う予備吐出動作部と、前記予備吐出動作を制御する制御部と、を有する。前記予備吐出動作部は、透光性を有する板材であり一方の面が前記記録ヘッドの前記各ノズルと対向する透光板と、 前記透光板の他方の面に接触して配置され、前記ノズルから前記透光板の一方の面に吐出された前記インクの像を読み取る光検出素子を有する検出部と、前記透光板の前記一方の面の前記検出部により検出された後の前記インクを取り除く除去部と、を有する。前記制御部は、前記予備吐出動作部を用いて前記予備吐出動作を実行する場合、前記記録ヘッドの前記各ノズルから前記透光板の一方の面に前記インクを吐出させて前記インクの像を前記透光板に形成し、前記検出部によって検出された前記インクの像の検出結果を取得し、前記検出結果に基づいて前記ノズルの状態を確認する。
【発明の効果】
【0012】
本開示のインクジェット記録装置は、透光板にインクを吐出し、透光板を介して検出部でインクを検出する構成とすることで、記録ヘッドの検査に記録用紙を使用しない。また、透光板に付着したインクは、除去部で除去して透光板を再利用するため、記録用紙等の資源を使用することなく、ノズルの状態を検査することができる。また、光ビームを出射する発光素子及び受光素子等の特殊な部材が不要である。従って、インクジェット記録装置のランニングコストの抑制と高精細な画像形成とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】インクジェット記録装置としてのプリンターの概略の構成を示す説明図である。
【
図2】プリンターの主要部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】移動機構22の概略構成を示す斜視図である。
【
図6】上面にインクが付着した状態の透光板の平面図である。
【
図7】検出部が透光板の上面に付着しているインクを検出している状態の側面図である。
【
図8】記録部が用紙に画像記録を行うときの画像記録位置を示す図である。
【
図9】記録部が予備吐出動作を行うときの予備吐出位置を示す図である。
【
図10】記録部にキャップ部を取り付けるときのキャッピング位置を示す図である。
【
図11】予備吐出動作を実行する手順を示すフローチャートである。
【
図12】インクの正確な検出が困難な時のインクを検出している状態の側面図である。
【
図13】変形例の予備吐出動作によって吐出されたインクの吐出状態を示す平面図である。
【
図14】変形例の予備吐出動作によって吐出されたインクを読み取り状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔1.インクジェット記録装置の構成〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、インクジェット記録装置としてのプリンター100の概略の構成を示す説明図である。
図2は、プリンターの主要部のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンター100は、用紙収容部である給紙カセット2を備えている。給紙カセット2は、プリンター本体1の内部下方に配置されている。給紙カセット2の内部には、記録媒体の一例である用紙Pが収容されている。
【0015】
給紙カセット2の用紙搬送方向の下流側、すなわち
図1における給紙カセット2の右側の上方には給紙装置3が配置されている。この給紙装置3により、用紙Pは
図1において給紙カセット2の右上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。
【0016】
プリンター100は、その内部に第1用紙搬送路4aを備えている。第1用紙搬送路4aは、給紙カセット2に対してその給紙方向である右上方に位置する。給紙カセット2から送り出された用紙Pは、第1用紙搬送路4aにより、プリンター本体1の側面に沿って垂直上方に搬送される。
【0017】
用紙搬送方向Aにおいて第1用紙搬送路4aの下流端には、レジストローラー対13が設けられている。さらに、レジストローラー対13の用紙搬送方向Aの下流側の直近には、第1搬送ユニット5および記録部9が配置されている。給紙カセット2から送り出された用紙Pは、第1用紙搬送路4aを通ってレジストローラー対13に到達する。レジストローラー対13は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、記録部9が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1搬送ユニット5(特に後述する第1搬送ローラー対6a)に向かって用紙Pを送り出す。
【0018】
レジストローラー対13によって第1搬送ユニット5に送り出された用紙Pは、第1搬送ローラー対6aによって用紙搬送路R1に沿って搬送される。なお、第1搬送ユニット5には、図示を省略しているが用紙Pの用紙搬送方向Aと直交する用紙幅方向Bの側部をガイドするガイド部が設けられる。また、用紙Pは、第1搬送ローラー対6aによって送られるとともに、用紙搬送方向Aの下流側(
図1の左側)に配置された第2搬送ローラー対6bに到達する。そして、用紙Pは、第1搬送ローラー対6a及び第2搬送ローラー対6bによって用紙搬送路R1に沿って移動する。なお、本実施形態では、2対の搬送ローラー対6a、6bを有する構成としているが、これに限定されず、3対以上備えていてもよい。搬送ローラー対は、後述する予備吐出動作時に記録部9と干渉しない位置に配置される。
【0019】
第1搬送ローラー対6a及び第2搬送ローラー対6bによって用紙搬送路R1を移動する用紙Pに、記録部9からインクIkが吐出される。これにより、用紙P上に画像が記録される。このとき、記録部9におけるインクIkの吐出は、プリンター100の内部の制御装置110によって制御される。
【0020】
用紙搬送方向Aにおいて、第1搬送ユニット5の下流側(
図1の左側)には、第2搬送ユニット12が配置されている。記録部9によって画像が記録された用紙Pは、第2搬送ユニット12へ送られる。用紙Pの表面に吐出されたインクIkは、第2搬送ユニット12を通過する間に乾燥される。
【0021】
用紙搬送方向Aにおいて、第2搬送ユニット12の下流側であってプリンター本体1の左側面近傍には、デカーラー部14が設けられている。第2搬送ユニット12によってインクIkが乾燥された用紙Pは、デカーラー部14へ送られて、用紙Pに生じたカールが矯正される。
【0022】
用紙搬送方向Aにおいて、デカーラー部14の下流側(
図1の上方)には、第2用紙搬送路4bが設けられている。デカーラー部14を通過した用紙Pは、両面記録を行わない場合、第2用紙搬送路4bを通り、プリンター100の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ15aに排出される。用紙排出トレイ15aの下方には、印字不良等の発生した不要な用紙P(損紙)を排出するサブ排出トレイ15bが設けられている。
【0023】
プリンター本体1の上部であって記録部9および第2搬送ユニット12の上方には、両面記録を行うための反転搬送路16が設けられている。両面記録を行う場合、用紙Pの一方の面(第1面)への記録が終了して第2搬送ユニット12およびデカーラー部14を通過した用紙Pは、第2用紙搬送路4bを通って反転搬送路16へ送られる。
【0024】
反転搬送路16へ送られた用紙Pは、続いて用紙Pの他方の面(第2面)への記録のために用紙搬送方向Aが切り替えられる。そして、用紙Pは、プリンター本体1の上部を通過して右側に向かって送られ、レジストローラー対13を経て第2面を上向きにした状態で再び第1搬送ユニット5へ送られる。第1搬送ユニット5では、記録部9との対向位置に用紙Pが搬送され、記録部9からのインクIk吐出によって第2面に画像が記録される。両面記録後の用紙Pは、第2搬送ユニット12、デカーラー部14、第2用紙搬送路4bを順に通過して用紙排出トレイ15aに排出される。
【0025】
また、第2搬送ユニット12の上方には、キャップ部28が配置されている。キャップ部28は、後述するキャッピング位置Pcに移動した記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録部9の下面に装着される。これにより、記録ヘッド11Y、11M、11C、11Kのそれぞれの下面に備えられる後述のノズル19がキャップされる。
【0026】
図3は記録部9の平面図である。
図3に示すように、記録部9は、ヘッドハウジング10と、記録ヘッド11Y、11M、11C、11Kと、ハウジング駆動部17(
図2参照)と、を備える。記録ヘッド11Y~11Kからは、吐出部18に備えられたノズル19を介して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクIkが、用紙Pに向かってそれぞれ吐出される。
【0027】
図3に示すように、記録ヘッド11Y~11Kは、用紙搬送方向Aに対して直交する用紙幅方向Bに延びる。各記録ヘッド11Y~11Kは、下面に開口する複数のノズル19を有する。ノズル19は、第1搬送ローラー対6a及び第2搬送ローラー対6bによって搬送される用紙PにインクIkを吐出できる。各記録ヘッド11Y~11Kにおいて、複数(ここでは12個)のノズル19をまとめて吐出部18が構成される。
【0028】
そして、各記録ヘッド11Y~11Kには複数の吐出部18を有し、各記録ヘッド11Y~11Kにおいて、吐出部18は用紙幅方向Bに沿って配置されている。また、平面視において、隣り合う吐出部18は、用紙搬送方向Aに交互にずれて配置される。
【0029】
ここで、吐出部18の詳細について図面を参照して説明する。
図4は、吐出部18の底面図である。
図4に示すように、吐出部18の下面は、複数(ここでは、12個)のインクIkを吐出するノズル19を有する。ノズル19は、記録ヘッド11Y~11Kの内部のインクタンク(不図示)に接続されており、内部でインクIkの圧力を高め、ノズル19からインクIkを吹き出す構成となっている。
【0030】
図4に示すように、吐出部18は用紙Pの用紙幅方向Bが長手方向であり、ノズル19は、6個ずつ2段に並んで配置される。
図4に示す下段(第1列CL1とする)のノズル19は、予め決められた間隔で等間隔に配置される。上段(第2列CL2とする)のノズル19は、第1列CL1のノズル19と同じ間隔で同じ方向に並んで配置されており、ノズル19の位置が用紙Pの用紙幅方向Bにずれて配置される。つまり、用紙搬送方向Aから見たとき、第1列CL1のノズル19と第2列CL2のノズル19とは、交互に配置される。このようにすることで、1つの列で構成される場合に比べて解像度を2倍に高めることが可能である。
【0031】
また、ヘッドハウジング10は、複数の記録ヘッド11Y~11Kを保持する。ヘッドハウジング10は、上下に移動可能に構成される。ヘッドハウジング10は、ハウジング駆動部17に接続されており、ハウジング駆動部17は、ヘッドハウジング10を上下に移動可能である。
【0032】
第1搬送ユニット5の下方には、予備吐出動作部7が設けられる。予備吐出動作部7は、画像記録に寄与するタイミングとは異なるタイミングで、ノズル19の状態を確認するための予備吐出動作を行うときに用いられる。予備吐出動作部7は、透光板8と、検出部20と、除去部21と、移動機構22と、を有する。透光板8は、例えば、ガラス等の透光性を有する材料で構成される。なお、アクリル、エポキシ等の樹脂で形成されてもよいが、長期間にわたり、表面に傷がつきにくく、透光性が低下しにくいガラスが好ましい。透光板8は、第1搬送ユニット5の下方に配置されており、一方の面である上面8aが用紙搬送路R1に沿って搬送される用紙Pと平行に配置される。
【0033】
透光板8の上面8aは、記録ヘッド11Y~11Kの下面に配置されたノズル19と対向する。透光板8の他方の面である下面8bには、検出部20が配置される。検出部20は、透光板8の下面と接触して、透光板8の上面8aに吐出されたインクIkの像を読み取る、CIS(Contact Image Sensor、密着型イメージセンサー)である。
【0034】
検出部20は用紙幅方向Bに延びており、光検出素子20a(
図2等参照)を備えている。光検出素子20aは、入射する光の強さに応じて電荷を発生させ、電気信号として出力する。検出部20が移動しつつ、光検出素子20aが受光することで光検出素子20aが透光板8の上面8aのインクIkの像を読みとる。そして、検出部20は、読み取ったインクIkの像を画像信号として、制御装置110に送る。
【0035】
透光板8の用紙搬送方向Aの上流側の端部には、白色の白色基準部8cが形成されている。検出部20は、白色基準部8cの下方に移動し、光検出素子20aで白色基準部8cからの光を検出することで、白色のレベルを調整する、いわゆる、キャリブレーション動作を実行できる。
【0036】
図5は、移動機構22の概略構成を示す斜視図である。
図5に示すように、移動機構22は、ガイド部23と、駆動プーリー24と、従動プーリー25と、駆動ベルト26とを有する。ガイド部23は、用紙搬送方向Aに沿って延びる。ガイド部23は、検出部20と接触しており、検出部20の用紙搬送方向Aの移動をガイドする。
【0037】
駆動プーリー24と、従動プーリー25とは、用紙搬送方向Aに配置されている。さらに説明すると、駆動プーリー24と、従動プーリー25とは、ガイド部23の長さよりも長い距離、離れて配置される。駆動プーリー24と従動プーリー25とには、駆動ベルト26が張架されている。駆動プーリー24には、駆動モーター27(
図2参照)が接続されており、駆動モーター27によって駆動プーリー24が回転駆動される。駆動プーリー24は、時計回り方向及び反時計回り方向に回転駆動される。駆動プーリー24が回転することで、駆動ベルト26も移動する。検出部20は、駆動ベルト26に固定されており、駆動ベルト26の移動によって、検出部20はガイド部23に沿って用紙搬送方向Aの上流側に向かって又は下流側に向かって移動する。
【0038】
ここで、検出部20による透光板8の上面8aに付着したインクIkの検出について説明する。
図6は、上面8aにインクIkが付着した状態の透光板8の平面図である。
図7は、検出部20が透光板8の上面8aに付着しているインクIkを検出している状態の側面図である。なお、
図7の検出部20の検出状態において、出力される画像信号Sg1も示している。
【0039】
図7に示すように、検出部20の光検出素子20aは用紙の用紙幅方向Bに並んだ複数の検出画素20bを有する。光検出素子20aでは、検出画素20bごとに、検出した光を電荷に変換する。
図7に示すように、検出画素20bでは、透光板8を挟んで直上にあるインクIkを読み取り、画像信号Sg1を出力する。画像信号Sg1は、検出画素20bがインクIkを検出したときにしきい値Thよりも大きい出力値(Hiレベルとする)となり、インクIkを検出しないときにしきい値Thよりも小さい出力値(Loレベルとする)となる。後述する、制御装置110の予備吐出制御部110bは、画像信号Sg1のHiレベルの部分とLoレベルの部分とを認識し、透光板8の上面8aのインクIkの形状を取得する。
【0040】
透光板8の上面8aに付着したインクIkは、検出部20による読み取りが実行された後不要である。そのため、予備吐出動作部7では、除去部21で、検出部20が読み取ったインクIkを除去する。除去部21は、例えば、用紙幅方向Bに延び、弾性を有する板材で形成されたワイパーを挙げることができる。また、除去部21として、透光板8の上面8aを傷つけずに、付着したインクIkを確実に除去できる構成を広く採用することができる。除去部21は、検出部20がインクIkを読み取るときの移動方向において、後方に配置される。このようにすることで、除去部21は、検出部20とともに移動するときに読み取られた後のインクIkを除去できる。
【0041】
除去部21は、検出部20と連結されてもよい。このようにすることで、検出部20が移動しつつインクIkを読み取った後のインクIkを順に除去できる。除去部21は検出部20に固定されてもよいし、一部が検出部20と一体に形成されてもよい。
【0042】
ここで、記録部9の位置について図面を参照して説明する。
図8は、記録部9が用紙Pに画像記録を行うときの画像記録位置Ppを示す概略拡大図である。
図9は、記録部9が予備吐出動作を行うときの予備吐出位置Psを示す概略拡大図である。
図10は、記録部9にキャップ部28を取り付けるときのキャッピング位置Pcを示す概略拡大図である。
図8~
図10において、記録部9は、用紙搬送方向Aの内側に配置される記録ヘッド11M、11Cの図示を省略しているが、図示している記録ヘッド11Y、11Kと同様の構成を有する。
【0043】
図8に示すように、用紙Pに画像記録を行うとき、記録部9は、画像記録位置Ppに配置される。画像記録位置Ppにおいて、ノズル19が用紙Pに対して近接する。画像記録位置Ppにおいて、ノズル19が用紙Pに近接していることで、ノズル19から吐出されるインクIkで用紙Pに正確に画像を記録することができる。画像記録位置Ppにおける、記録部9の記録ヘッド11Y~11Kと透光板8の上面8aの距離は、画像記録距離L1である。
【0044】
図9に示すように、予備吐出動作を実行するとき、ハウジング駆動部17がヘッドハウジング10を下方に移動させる。予備吐出位置Psにおいて、ノズル19が透光板8の上面8aに対して近接する。予備吐出位置Psにおいて、ノズル19が透光板8の上面8aに近接していることで、ノズル19から吐出されるインクIkを透光板8の上面8aに正確に付着させることができる。予備吐出位置Psにおける、記録部9の記録ヘッド11Y~11Kと透光板8の上面8aの距離は、予備吐出距離L2である。なお、予備吐出距離L2は、画像記録位置Ppにおける記録ヘッド11Y~11Kと用紙Pとの距離と略同じである。
【0045】
図10に示すように、キャッピング動作を実行するとき、ハウジング駆動部17がヘッドハウジング10を画像記録位置Ppよりも上方に移動させる。キャッピング位置Pcにおいて、記録部9は透光板8の上面8aから最も遠くなる。キャッピング位置Pcにおいて、記録部9の下面に、キャップ部28取り付けられる。キャップ部28を記録部9の下面に取り付けることで、記録ヘッド11Y~11Kの下面のノズル19をカバーする。キャッピング位置Pcにおける、記録部9の記録ヘッド11Y~11Kと透光板8の上面8aの距離は、キャッピング距離L3である。
【0046】
図8~
図10に示すように、記録部9が取り付けられたヘッドハウジング10は、記録部9による動作に応じて、透光板8に対する位置が変更される。キャッピング距離L3が最も長く、予備吐出距離L2が最も短い。
【0047】
ハウジング駆動部17は、制御装置110によって制御される。
【0048】
また、プリンター100は、操作パネル29と、記憶部30と、通信部31と、をさらに備える。操作パネル29は、各種の設定入力を受け付けるための操作部である。例えば、ユーザーは、操作パネル29を操作して、給紙カセット2にセットする用紙Pのサイズ、つまり、第1搬送ユニット5によって搬送する用紙Pのサイズの情報を入力することができる。また、ユーザーは、操作パネル29を操作して、印刷する用紙Pの枚数の入力や、印刷ジョブの開始を指示することもできる。また、操作パネル29は、プリンター100の動作状況(画像記録や予備吐出)に関する通知を行う通知装置としての機能も有する。
【0049】
記憶部30は、制御装置110の動作プログラムを記憶するとともに、各種の情報を記憶するメモリであり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどを含んで構成されている。操作パネル29によって設定された情報(例えば用紙Pのサイズ、枚数の情報)は、記憶部30に記憶される。
【0050】
通信部31は、外部機器(例えばパーソナルコンピュータ(PC))との間で情報を送受信するための通信インターフェースである。例えば、ユーザーがPCを操作し、プリンター100に対して画像データとともに印刷コマンドを送信すると、上記の画像データおよび印刷コマンドが通信部31を介してプリンター100に入力される。プリンター100では、主制御部110aが上記画像データに基づいて記録ヘッド11Y~11Kを制御してインクIkを吐出させることにより、用紙Pに画像を記録することができる。
【0051】
また、本実施形態のプリンター100は、制御装置110を備えている。制御装置110は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを含んで構成されている。具体的には、制御装置110は、主制御部110aと、予備吐出制御部110bと、用紙供給制御部110cと、ヘッド制御部110dと、を有する。制御装置110を構成する各制御部は、1つのCPUで構成されているが、別々のCPUで構成されていても勿論構わない。
【0052】
主制御部110aは、プリンター100の各部の動作を制御する。例えば、プリンター100の内部の各ローラーの駆動、画像記録時(予備吐出動作時以外)の記録ヘッド11Y~11KからのインクIkの吐出等は、主制御部110aによって制御される。
【0053】
予備吐出制御部110bは、記録ヘッド11Y~11Kに予備吐出動作としてのインクIkの吐出を実行させる。用紙供給制御部110cは、記録媒体供給部としてのレジストローラー対13を制御する記録媒体供給制御部である。
【0054】
ヘッド制御部110dは、ハウジング駆動部17を制御し、ヘッドハウジング10の上下方向の移動を制御する。また、ヘッド制御部110dは、記録部9がキャッピング位置Pcに移動したときに、キャップ部28を記録部9の下面に配置し、記録ヘッド11Y~11Kの下面をキャップさせるキャップ動作も実行させる。
【0055】
第2搬送ユニット12は、第2搬送ベルト12aと、乾燥器12bとを有する。第2搬送ベルト12aは、2つの駆動ローラー12cおよび従動ローラー12dによって張架されている。第1搬送ユニット5によって搬送され、記録部9によるインクIkの吐出によって画像が記録された用紙Pは、第2搬送ベルト12aによって搬送され、搬送中に乾燥器12bによって乾燥されて上述したデカーラー部14に搬送される。
【0056】
〔2.予備吐出動作〕
次に、本実施形態のプリンター100において、予備吐出動作について説明する。本実施形態のプリンター100では、画像記録を行うタイミングとは異なるタイミングで、透光板8の上面8aに対して、ノズル19からインクIkを吐出し、検出部20で透光板8の上面8aのインクIkの像を読み取る予備吐出動作を実行する。
【0057】
例えば、記録ヘッド11Y~11Kの内部に配置されたタンク(不図示)にインクIkが蓄積されている。タンク内のインクIkは、時間経過とともに乾燥する。インクIkが乾燥するとノズル19が閉塞され、インクの吐出量、吐出されたインクIkの用紙Pに付着する形状変化する。そこで、本実施形態のプリンター100では、画像記録とは異なるタイミングでノズル19の状態を確認するための予備吐出動作を実行する。
【0058】
以下、予備吐出動作の詳細について図面を参照して説明する。
図11は、予備吐出動作を実行する手順を示すフローチャートである。主制御部110aは、予備吐出動作を実行するタイミングであるか否か判定する(ステップS101)。なお、予備吐出動作を実行するタイミングは、各ノズル19の吐出履歴を記録しておき、例えば、経過時間、インク吐出回数、吐出インク量に基づいて、決められたタイミングを採用することができる。経過時間、インク吐出回数及び吐出インク量とは、前回の予備吐出動作からの経過時間、インク吐出回数及び吐出インク量である。
【0059】
予備吐出動作のタイミングではないと判定された場合(ステップS101でNoの場合)、主制御部110aは、ステップS101に戻り、予備吐出動作の実行のタイミングであるか否か判定する。主制御部110aが予備吐出動作を実行するタイミングであると判定した場合(ステップS101でYesの場合)、主制御部110aは、現在、用紙Pの印刷中であるか否か判定する(ステップS102)。現在、用紙Pの印刷中である場合(ステップS102でYesの場合)、主制御部110aは、ステップS102を繰り返して用紙Pの印刷の終了を待つ。
【0060】
用紙Pの印刷中ではない場合(ステップS102でNoの場合)、ヘッド制御部110dは、用紙Pが印刷領域にないことを確認し、ハウジング駆動部17を制御してヘッドハウジング10を下方に移動させる(ステップS103)。そして、ヘッドハウジング10が、予備吐出位置Psに移動したか否か判定する(ステップS104)。ヘッドハウジング10が予備吐出位置Psに移動していないと判定された場合(ステップS104でNoの場合)、ステップS103に戻り、ヘッドハウジング10の移動を継続するとともに、予備吐出位置Psへの移動の判定を繰りかえす。
【0061】
ヘッドハウジング10が予備吐出位置Psに移動したと判定した場合(ステップS104でYesの場合)、予備吐出制御部110bは、記録部9の各記録ヘッド11Y~11Kの全てのノズル19から、決められた量のインクIkを吐出させる(ステップS105)。検出部20及び除去部21は、記録ヘッド11Y~11Kの全てのノズル19がインクIkを吐出する前に、透光板8の用紙搬送方向Aの上流側の端部に位置している。そして、インクIkの吐出が開始されると、予備吐出制御部110bは、検出部20の光検出素子20aで白色基準部8cからの光を検出し、光検出素子20aのキャリブレーションを行う(ステップS106)。
【0062】
その後、記録ヘッド11Y~11Kのすべてのノズル19からインクIkの吐出が終了すると、予備吐出制御部110bは駆動モーター27を駆動し、検出部20を最初の記録ヘッド(ここでは、記録ヘッド11K)から吐出されたインクIkの直下に移動させる(ステップS107)。予備吐出制御部110bは、検出部20に指示を出し、透光板8の上面8aに付着したインクIkの像の読み取りを実行させる(ステップS108)。
【0063】
検出部20は、透光板8の上面8aに付着したインクIkを読み取った結果を画像信号Sg1(
図7参照)として予備吐出制御部110bに送る(ステップS109)。予備吐出制御部110bは、画像信号Sg1に基づいて、インクIkの吐出量が規定量と異なっている部分があるか否か判定する(ステップS110)。インクIkの吐出量は、透光板8に付着したインクIkの面積で判断できる。さらに説明すると、予備吐出制御部110bは、画像信号Sg1の出力値に基づいて、画像信号Sg1に基づいてインクIkの形状を取得する。インクIkの形状を算出するとは、純粋に形状を取得する場合を含むとともに、インクIkの面積を取得する場合も含む。なお、規定量はある特定の数値だけではなく、ある範囲を有する値であってもよい。
【0064】
インクIkの吐出量が規定量と異なる部分がある場合(ステップS110でYesの場合)、予備吐出制御部110bは、規定量と異なる吐出量のインクIkが吐出されたノズル19を特定する(ステップS111)。予備吐出制御部110bは、駆動モーター27の動作状態とインクIkの読み取りのタイミングとの情報を取得しており、これらの情報に基づいて、インクIkの吐出量が規定量と異なるノズル19を特定する。
【0065】
そして、予備吐出制御部110bは、インクIkの吐出量が規定量と異なるノズル19のクリーニング動作を行う(ステップS112)。ノズル19のクリーニングは、例えば、ノズル19からクリーニング時に規定されているインク量を吐出して実行される。クリーニング動作を実行する場合、クリーニング対象のノズル19だけからインクIkを吐出する構成であってもよいし、各記録ヘッド11Y~11Kの全てのノズル19からインクIkを吐出してもよい。クリーニング動作が完了すると、全ての記録ヘッド11Y~11Kのノズル19から吐出されたインクIkを読み取ったか否か確認する(ステップS113)。
【0066】
全ての記録ヘッド11Y~11Kのノズル19から吐出されたインクIkの像の読み取りが完了した場合(ステップS113でYesの場合)、予備吐出制御部110bは、処理を完了する。また、全ての記録ヘッド11Y~11Kのノズル19から吐出されたインクIkの像の読み取りが完了していない場合(ステップS113でNoの場合)、処理はステップS107に移動し、インクIkの読み取り動作を継続する。
【0067】
また、インクIkの吐出量が規定量である場合(ステップS110でNoの場合)、処理はステップS113に移動する。ステップS113以降の処理は、上述と同様であるため省略する。
【0068】
本実施形態にかかるプリンター100では、異常の手順で各記録ヘッド11Y~11Kのノズル19の状態を確認し、用紙Pに汚れ、記録不良等の不具合が発生することを抑制できる。これにより、用紙Pの無駄をなくすことができ、省エネルギ化に貢献できる。
【0069】
なお、クリーニング動作を実行した場合、クリーニング動作を実行したノズル19を含む吐出部18のみ予備吐出動作を実行してもよい。さらに、複数回クリーニング動作を実行してもノズル19の不具合が修正されない場合、予備吐出制御部110bは、通信部31を介して不具合のあるノズル19の情報とともに修理が必要である情報を通信部31を介して外部機器に送るようにしてもよい。
【0070】
〔3.変形例〕
上述した実施形態では、検出部20として、記録ヘッド11Y~11Kの解像度よりも高いものを採用している。そのため、光検出素子20aで、透光板8の上面8aに付着したインクIkの大きさを正確に取得できる。一方、
図12に示すように、ノズル19の解像度が光検出素子20aの解像度よりも高い場合、全ての検出画素20bでインクIkの像を読み取ってしまうことがあり得る。この場合、画像信号Sg2にはLoレベル領域が形成されず、予備吐出制御部110bが透光板8の上面8aのインクIkの位置及び形状を正確に取得できない。
【0071】
そこで、予備吐出制御部110bは、光検出素子20aで透光板8の上面8aのインクIkの像を読み取り、インクIkの形状を正確に検出する予備吐出動作を実行する。ここで、インクIkを正確に読み取ることができる変形例の予備吐出動作について図面を参照して説明する。
【0072】
図13は、変形例の予備吐出動作によって吐出されたインクIkの吐出状態を示す平面図である。
図14は、変形例の予備吐出動作によって吐出されたインクIkを読み取り状態を示す側面図である。
【0073】
予備吐出制御部110bは、吐出部18に含まれる各段において、左から奇数番目のノズル19を第1組とし、偶数番目のノズルを第2組とする。全ての吐出部18で同様に、第1組と第2組を設定する。そして、各吐出部18の第1組のノズル19から透光板8の上面8aに対してインクIkを吐出する。このとき、予備吐出制御部110bは、ノズル19を制御して、インクIkの吐出量を全てのノズル19から吐出するときよりも多く吐出させる。このようにすることで、インクIkのインク吐出時の記録ヘッド11Y~11Kの実質的な解像度を落とすことができる。
【0074】
そして、各組のノズル19から透光板8の上面8aに吐出されたインクIkを、検出部20で検出する。記録ヘッド11Y~11Kの実質的な解像度を落としているため、検出部20から
図14に示すような画像信号Sg3が出力される。画像信号Sg3は、HiレベルとLoレベルとが存在する信号となっており、予備吐出制御部110bは、透光板8の上面8aのインクIkの位置及び形状を正確に読み取ることができる。その結果、予備吐出制御部110bは、ノズル19の状態を正確に取得することができる。
【0075】
そして、第1組のノズル19の予備吐出動作が完了した後、第2組のノズル19を用いて、予備吐出動作を行う。これにより、予備吐出制御部110bは、第2組のノズル19の状態も正確に取得することができる。以上のようにすることで、記録ヘッド11Y~11Kよりも解像度が低い検出部20でも、記録ヘッド11Y~11Kの全てのノズル19の状態を正確に取得することができる。なお、本変形例では、複数のノズル19を2組に分けて予備吐出動作を実行しているが、2組に限定されるものではない。3組以上であってもよく、記録ヘッド11Y~11Kの解像度を検出部20で正確に検出できる解像度にできる組数を採用することができる。
【0076】
〔4.その他〕
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。記録ヘッド11Y~11KからのインクIkの吐出方式として、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクIkを押し出すピエゾ方式を挙げることができるが、これに限定されない。発熱体によって気泡を発生させ、圧力をかけてインクIkを吐出するサーマルインクジェット方式等、各種方式を用いることができる。
【0077】
また、上記実施形態では、第1搬送ユニット5の下方に予備吐出動作部7が設けられ、予備吐出動作を実行するとき、ノズル19が透光板8の上面8aに対して近接するようにヘッドハウジング10を下方に移動させているが、この構成に限られるものではない。例えば、透光板8、検出部20、除去部21及び移動機構22が記録部9に接近する構成であってもよい。さらに、予備吐出動作部7をヘッドハウジング10と重ならない待避位置と、ヘッドハウジング10の直下である予備吐出位置とに水平移動可能とし、予備吐出動作を実行するとき、第1搬送ユニット5を下方に移動させて予備吐出動作部7を予備吐出位置に移動させてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、インクジェット記録装置として、4色のインクを用いてカラー画像を記録するプリンター100を用いた例について説明したが、ブラックのインクを用いてモノクロの画像を記録するモノクロプリンターを用いた場合でも、本実施形態の駆動波形の切り換え制御を用いることは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、インクジェットプリンターなどのインクジェット記録装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
9 記録部
10 ヘッドハウジング
11Y~11K 記録ヘッド
17 ハウジング駆動部
18 吐出部
19 ノズル
20 検出部
21 除去部
110 制御装置
110a 主制御部
110b 予備吐出制御部