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特開2025-7735業務分析支援装置、業務分析支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007735
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】業務分析支援装置、業務分析支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109331
(22)【出願日】2023-07-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】521040503
【氏名又は名称】BIRD INITIATIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清川 裕
(72)【発明者】
【氏名】小森 雄斗
(72)【発明者】
【氏名】大出 博史
(72)【発明者】
【氏名】時枝 紘史
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】機械学習モデルを利用した業務分析支援技術を提供することである。
【解決手段】本開示の一態様は、分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得するユーザインタフェース部と、機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成する情報生成部と、を有する業務分析支援装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得するユーザインタフェース部と、
機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成する情報生成部と、
を有する業務分析支援装置。
【請求項2】
前記情報生成部は、生成モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とから前記業務プロセス情報を生成する、請求項1に記載の業務分析支援装置。
【請求項3】
前記情報生成部は、前記生成モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列との要約情報を生成し、前記要約情報から前記業務プロセス情報を生成する、請求項2に記載の業務分析支援装置。
【請求項4】
前記情報生成部は、業務分析ツールに利用可能なデータ形式によって前記業務プロセス情報を出力する、請求項1に記載の業務分析支援装置。
【請求項5】
前記ユーザインタフェース部は、テキストデータ、音声データ及び動画像データの1つ又は組み合わせによって前記ユーザ端末とやりとりする、請求項1に記載の業務分析支援装置。
【請求項6】
前記ユーザインタフェース部は、前記質問系列と前記回答系列とを対話形式によって前記ユーザ端末とやりとりする、請求項1に記載の業務分析支援装置。
【請求項7】
前記機械学習モデルは、フロアレイアウト又は機器配置レイアウトを生成する、請求項1に記載の業務分析支援装置。
【請求項8】
分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得することと、
機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成することと、
を有する、コンピュータが実行する業務分析支援方法。
【請求項9】
分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得することと、
機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、業務分析支援装置、業務分析支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業、運輸業、バックオフィス業などでは、業務や日々の仕事は、業務処理や工場のラインなどのプロセスや工程によって表現することができる。これらの業務をプロセスとして可視化することによって、スケジューラ、シミュレータなどの業務分析ツールを利用して、業務の可視化、最適化、ボトルネック分析などを通じて業務を改善させることができうる。例えば、特許文献1に開示されるように、製造ラインシミュレーションモデルを構築するための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-120397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、近年のディープラーニング研究の進展によって、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、GPT(Generative Pretrained Transformer)ベースの自然言語処理が進化してきている。また、機械学習モデルを利用した画像・動画像・音声などのマルチモーダルデータの認識、変換、生成なども実現されてきている。
【0005】
本開示の1つの課題は、機械学習モデルを利用した業務分析支援技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得するユーザインタフェース部と、機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成する情報生成部と、を有する業務分析支援装置に関する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、機械学習モデルを利用した業務分析支援技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の一実施例による業務分析支援処理を示す概略図である。
図2図2は、本開示の一実施例による業務分析支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、本開示の一実施例による業務分析支援装置の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の一実施例による対話形式によりやりとりされる質問系列と回答系列とを示す図である。
図5図5A~5Cは、本開示の一実施例による質問系列と回答系列とから生成されるテキストデータを示す図である。
図6図6は、本開示の一実施例によるJSON形式による業務プロセス情報を示す図である。
図7図7は、本開示の一実施例による業務分析支援処理を示すフローチャートである。
図8図8は、本開示の一実施例による対話形式によりやりとりされる質問系列と回答系列とを示す図である。
図9図9は、本開示の一実施例による対話形式によりやりとりされる質問系列と回答系列とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。
【0010】
以下の実施例では、分析対象の業務に関する質問系列と回答系列とから業務プロセス情報を生成する業務分析支援装置が開示される。
【0011】
図1に示されるように、後述される実施例による業務分析支援装置100は、ユーザ端末50とやりとりし、分析対象の業務における各プロセス/工程の作業内容、及び/又は、業務を構成するプロセス/工程間の関係を記述する業務プロセス情報を生成する。具体的には、業務分析支援装置100は、分析対象の業務に関する質問系列(例えば、質問#1,質問#2,・・・)をユーザ端末50に提示し、質問系列に対する回答系列(例えば、回答#1,回答#2,・・・)をユーザ端末50から取得する。例えば、業務分析支援装置100は、質問#1をユーザ端末50に提示し、質問#1に対する回答#1をユーザ端末50から取得し、次に質問#2をユーザ端末50に提示し、質問#2に対する回答#2をユーザ端末50から取得するなど、質問系列と回答系列とを対話形式によってユーザ端末50とやりとりしうる。
【0012】
ユーザ端末50とのやりとりを終了すると、業務分析支援装置100は、機械学習モデル60を利用して、質問系列と回答系列とから業務プロセス情報を生成する。例えば、業務分析支援装置100は、機械学習モデル60としてGPTなどの何れか適切な生成モデルを利用して、質問系列と回答系列とから業務プロセスに関するテキストデータを取得し、取得したテキストデータをJSON形式など、業務分析ツールへの入力に適したデータ形式に変換した業務プロセス情報を生成する。その後、業務プロセス情報は、業務分析ツールによって分析され、業務分析結果が取得されうる。
【0013】
ここで、業務分析支援装置100は、サーバ、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット等の計算装置、情報処理装置などによって実現されてもよく、例えば、図2に示されるようなハードウェア構成を有してもよい。すなわち、業務分析支援装置100は、バスBを介し相互接続されるドライブ装置101、ストレージ装置102、メモリ装置103、プロセッサ104、ユーザインタフェース(UI)装置105及び通信装置106を有する。
【0014】
業務分析支援装置100における各種機能及び処理を実現するプログラム又は指示は、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。当該記憶媒体がドライブ装置101にセットされると、プログラム又は指示が記憶媒体からドライブ装置101を介しストレージ装置102又はメモリ装置103にインストールされる。ただし、プログラム又は指示は、必ずしも記憶媒体からインストールされる必要はなく、ネットワークなどを介し何れかの外部装置からダウンロードされてもよい。
【0015】
ストレージ装置102は、ハードディスクドライブなどによって実現され、インストールされたプログラム又は指示と共に、プログラム又は指示の実行に用いられるファイル、データ等を格納する。
【0016】
メモリ装置103は、ランダムアクセスメモリ、スタティックメモリ等によって実現され、プログラム又は指示が起動されると、ストレージ装置102からプログラム又は指示、データ等を読み出して格納する。ストレージ装置102、メモリ装置103及び着脱可能な記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(non-transitory storage medium)として総称されてもよい。
【0017】
プロセッサ104は、1つ以上のプロセッサコアから構成されうる1つ以上のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、処理回路(processing circuitry)等によって実現されてもよく、メモリ装置103に格納されたプログラム、指示、当該プログラム若しくは指示を実行するのに必要なパラメータなどのデータ等に従って、業務分析支援装置100の各種機能及び処理を実行する。
【0018】
ユーザインタフェース(UI)装置105は、キーボード、マウス、カメラ、マイクロフォン等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ、ヘッドセット、プリンタ等の出力装置、タッチパネル等の入出力装置から構成されてもよく、ユーザと業務分析支援装置100との間のインタフェースを実現する。例えば、ユーザは、ディスプレイ又はタッチパネルに表示されたGUI(Graphical User Interface)をキーボード、マウス等を操作し、業務分析支援装置100を操作する。
【0019】
通信装置106は、外部装置、インターネット、LAN(Local Area Network)、セルラーネットワーク等の通信ネットワークとの有線及び/又は無線通信処理を実行する各種通信回路により実現される。
【0020】
しかしながら、上述したハードウェア構成は単なる一例であり、本開示による業務分析支援装置100は、他の何れか適切なハードウェア構成により実現されてもよい。
【0021】
[業務分析支援装置]
次に、本開示の一実施例による業務分析支援装置100を説明する。図3は、本開示の一実施例による業務分析支援装置100の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるように、業務分析支援装置100は、ユーザインタフェース部110及び情報生成部120を有する。ユーザインタフェース部110及び情報生成部120の各機能部は、業務分析支援装置100のメモリ装置103に格納されているコンピュータプログラムがプロセッサ104によって実行されることによって実現されてもよい。
【0022】
ユーザインタフェース部110は、分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末50に送信し、質問系列に対する回答系列をユーザ端末50から取得する。例えば、ユーザインタフェース部110は、質問系列と回答系列とを対話形式によってユーザ端末50とやりとりしてもよい。具体的には、ユーザインタフェース部110は、チャットボットを利用して、チャット形式でユーザ端末50に質問を提示し、提示した質問に対する回答をユーザ端末50から取得してもよい。図4に示されるように、ユーザインタフェース部110はまず、“業務は何ですか?”という質問をユーザ端末50に提示し、この質問に対して“Aを製造しています。”という回答をユーザ端末50から取得する。次に、ユーザインタフェース部110は、“Aの製造に必要な材料は何ですか?”という質問をユーザ端末50に提示し、この質問に対して“材料はX,Y,Zです。”という回答をユーザ端末50から取得する。次に、ユーザインタフェース部110は、“材料Xに何をしますか?”という質問をユーザ端末50に提示し、この質問に対して“材料Xをプレスします。”という回答をユーザ端末50から取得する。以下同様にして、ユーザインタフェース部110は、所定の終了条件を充足するまで、ユーザ端末50と質問と回答とのやりとりを繰り返す。
【0023】
ここで、ユーザ端末50に提示される質問系列は、予め準備されてもよく、例えば、ユーザインタフェース部110は、ツリー構造によって規定された順序に従って、ツリー構造に関連付けされた質問をユーザ端末50に提示してもよい。あるいは、質問系列は、GPTなどの生成モデルを利用して、ユーザ端末50に提示されてもよい。例えば、ユーザインタフェース部110は、“業務プロセスを割り出すための質疑をするための質問を提示してください。”などのプロンプトを生成モデルに初期的に入力し、生成モデルによって生成された質問をユーザ端末50に提示してもよい。提示した質問に対する回答をユーザ端末50から取得すると、ユーザインタフェース部110は、取得した回答を次のプロンプトとして生成モデルに入力し、更なる質問を生成モデルから取得してユーザ端末50に提示してもよい。以下同様にして、ユーザインタフェース部110は、生成モデルによって生成された質問をユーザ端末50に提示し、提示した質問に対する回答をユーザ端末50から取得してもよい。
【0024】
なお、質問と回答との対話形式のやりとりに対する所定の終了条件としては、例えば、用意した全ての質問をユーザ端末50に提示したこと、ツリー構造においてルートノードからリーフノードまで探索が終了したこと、所定数以上の質問と回答とのペアを取得したこと、などであってもよい。所定の終了条件を充足すると、ユーザインタフェース部110は、取得した質問系列と回答系列とを情報生成部120にわたす。
【0025】
情報生成部120は、機械学習モデルを利用して、質問系列と回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成する。具体的には、情報生成部120は、GPTなどの生成モデルに質問系列と回答系列とを入力し、業務プロセスとしてまとめるよう指示してもよい。例えば、図4に示された例について、情報生成部120は、図5Aに示されるように、“「業務は何ですか?Aを製造しています。Aの製造に必要な材料は何ですか?材料はX,Y,Zです。材料Xに何をしますか?材料Xをプレスします。・・・」を業務プロセスとしてまとめてください。”というテキストデータのプロンプトを生成モデルに入力してもよい。すなわち、情報生成部120は、質問系列と回答系列とのテキストデータの文尾に“を業務プロセスとしてまとめてください。”という文言を付加し、作成されたプロンプトを生成モデルに入力してもよい。なお、付加される文言は、これに限定されず、生成モデルに適したプロンプトとなる他の何れかの文言が適用されてもよい。
【0026】
当該プロンプトに対する出力結果を生成モデルから取得すると、情報生成部120は、業務分析ツールに利用可能なデータ形式によって業務プロセス情報を出力してもよい。例えば、業務分析ツールによって処理可能なデータ形式がJSON(JavaScript Object Notation)形式である場合、情報生成部120は、生成モデルから取得した出力結果をJSON形式に変換するよう生成モデルに指示してもよい。例えば、生成モデルが、図5Bに示されるように、“入荷では商品Aが5分間隔で発生します。発生した商品は倉庫Bに格納されます。倉庫Bには1000個の商品が入ります。倉庫から加工マシンAが商品Aを1つずつ取得し3分間かけて加工します。加工された商品は出荷されます。”というテキストデータを生成結果として出力すると、情報生成部120は、図5Cに示されるように、“入荷では商品Aが5分間隔で発生します。発生した商品は倉庫Bに格納されます。倉庫Bには1000個の商品が入ります。倉庫から加工マシンAが商品Aを1つずつ取得し3分間かけて加工します。加工された商品は出荷されます。このプロセスをJSONで出力してください。JSONで出力する際に発生間隔はcycle_timeを、倉庫の容量はcapacityを、加工時間はprocessing_timeをラベルとして使ってください。”というテキストデータのプロンプトを生成モデルに入力してもよい。すなわち、情報生成部120は、生成結果のテキストデータの文尾に“このプロセスをJSONで出力してください。JSONで出力する際に発生間隔はcycle_timeを、倉庫の容量はcapacityを、加工時間はprocessing_timeをラベルとして使ってください。”という文言を付加し、作成されたプロンプトを生成モデルに入力してもよい。なお、付加される文言は、これに限定されず、生成モデルに適したプロンプトとなる他の何れかの文言が適用されてもよい。
【0027】
この場合、情報生成部120は、例えば、図6に示されるようなJSON形式のデータを生成モデルから取得しうる。情報生成部120は、このような業務分析ツールによって処理可能なデータ形式の業務プロセス情報を取得すると、取得した業務プロセス情報を業務分析ツールに提供してもよいし、あるいは、ユーザ端末50にわたしてもよい。なお、情報生成部120は、業務プロセスからプロセスの空間レイアウトを生成モデルから位置情報データとして生成してもよい。例えば、業務分析ツールには、機器配置レイアウトが入力され、業務プロセスを実行する上で機器や人の動線に基づいて業務効率を計算できるようにしてもよい。すなわち、機械学習モデル60は、フロアレイアウト又は機器配置レイアウトを生成してもよい。例えば、業務プロセスと独立して、GPTなどの機械学習モデルは、フロアレイアウトや機器配置レイアウトを、テキストデータ、C#コードなどのプログラムコード、JSONやyamlなどの各種図面形式や配置座標形式で出力しうる。生成されたフロアレイアウトや機器配置レイアウトは、業務分析ツールに入力され、機器や人の動線を最適化するのに利用されうる。
【0028】
シミュレータ、スケジューラなどの業務分析ツールによって業務プロセス情報が分析されると、分析結果はユーザ端末50に提供され、ユーザは、分析結果に基づいて業務プロセスの可視化、最適化、ボトルネック分析などを実行することが可能になる。
【0029】
上述した実施例では、質問系列及び回答系列は、テキストデータによって記述されたが、本開示による質問系列及び/又は回答系列は、これに限定されるものでない。例えば、質問系列及び/又は回答系列は、音声データ、画像データ、動画像データ及び生体データの1つ又は何れかの組み合わせから構成されてもよい。
【0030】
例えば、ユーザインタフェース部110は、工場、製造ライン、製品などの画像データ及び/又は動画像データから構成される質問及び/又は回答をやりとりしてもよい。この場合、情報生成部120は、画像データ及び/又は動画像データに対応可能な何れか適切なマルチモーダルタイプの生成モデルを利用して、画像データ及び/又は動画像データを含む質問系列と回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成してもよい。
【0031】
また、例えば、ユーザインタフェース部110は、音声データから構成される質問及び/又は回答をやりとりしてもよい。この場合、情報生成部120は、マルチモーダルタイプの生成モデルを利用して、音声データを含む質問系列と回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成してもよい。あるいは、ユーザインタフェース部110は、生体データに基づいて質問系列及び/又は回答系列を取得してもよい。例えば、ユーザインタフェース部110は、脳波信号などの生体データの信号処理によって生成されるデータから質問系列及び/又は回答系列を生成してもよい。
【0032】
さらに、上述した実施例では、情報生成部120は、質問系列と回答系列とから業務プロセス情報を生成したが、本開示による業務プロセス情報の生成は、これに限定されるものでない。例えば、情報生成部120は、生成モデルを利用して、質問系列と回答系列との要約情報を生成し、要約情報から業務プロセス情報を生成してもよい。具体的には、情報生成部120は、GPTなどの生成モデルに質問系列と回答系列とを入力するとともに、その要約情報を作成するよう生成モデルに指示してもよい。そして、情報生成部120は、要約情報を生成モデルに入力し、業務プロセスとしてまとめるよう指示してもよい。このようにして、要約情報に基づいて業務プロセス情報を生成することによって、質問系列と回答系列との要旨に整合した業務プロセス情報を生成することが可能になり得る。
【0033】
また、一実施例では、ユーザインタフェース部110は、生成モデルの(再)学習のため、取得した質問系列と回答系列とを保持してもよい。また、一実施例では、分析対象の業務の業種、業界、使用される業務分析ツールなどに応じて個別の生成モデルが準備されてもよい。この場合、分析対象の業務に類似した業種、業界、使用される業務分析ツールなどに対応した生成モデルが利用されるようにしてもよい。これにより、より適切な業務プロセス情報を生成することが可能になり得る。
【0034】
[業務分析支援処理]
次に、本開示の一実施例による業務分析支援処理を説明する。当該業務分析支援処理は、業務分析支援装置100によって実行され、より詳細には、業務分析支援装置100の1つ以上のプロセッサ104が1つ以上のメモリ装置103に格納された1つ以上のプログラム又は指示を実行することによって実現されてもよい。図7は、本開示の一実施例による業務分析支援処理を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS101において、業務分析支援装置100は、分析対象の業務に関する質問をユーザ端末50に送信する。例えば、業務分析支援装置100は、図8及び図9に示されるように、チャットボットを実行して、“業務プロセスの目的は何ですか?”という質問をまずユーザ端末50に提示してもよい。
【0036】
ステップS102において、業務分析支援装置100は、質問に対する回答をユーザ端末50から取得する。例えば、図8に示される例では、業務分析支援装置100は、“自動車を作る。”という回答をユーザ端末50から取得しうる。また、図9に示される例では、業務分析支援装置100は、“発注に応じて商品をトラックに積み込み、出荷する。”という回答をユーザ端末50から取得しうる。
【0037】
ステップS103において、業務分析支援装置100は、終了条件を充足したか判定する。例えば、用意した全ての質問をユーザ端末50に提示した場合、ツリー構造においてルートノードからリーフノードまで探索が終了した場合、又は、所定数以上の質問と回答とのペアを取得した場合、業務分析支援装置100は、終了条件が充足されたと判定してもよい。終了条件を充足した場合(S103:YES)、業務分析支援装置100は、ステップS104に進む。
【0038】
他方、終了条件を充足しない場合(S103:NO)、業務分析支援装置100は、ステップS101に戻って、次の質問をユーザ端末50に送信する。例えば、図8に示される例では、業務分析支援装置100は、“必要な部品は何ですか?”、“どのようなプロセスがありますか?”、“プレス工程に必要な部品とかかる時間を教えて下さい。”、・・・などをユーザ端末50に順次送信してもよい。これらの質問に対して、図示された例では、業務分析支援装置100は、“エンジンと筐体と・・・”、“プレス工程・溶接工程・塗装工程・エンジン製造工程・組み立て工程・検査工程の6つの工程がある。”、・・・などをユーザ端末50から順次取得しうる。
【0039】
一方、図9に示される例では、業務分析支援装置100は、“どのようなプロセスがありますか?”、“入荷はどの商品をどれくらい入荷されますか?”、・・・などをユーザ端末50に順次送信してもよい。これらの質問に対して、図示された例では、業務分析支援装置100は、“入荷、倉庫にストック、発注を受けたら出荷ラベルを付けてトラックに積み込む。”、・・・などをユーザ端末50から順次取得しうる。
【0040】
ステップS104において、業務分析支援装置100は、機械学習モデル60を利用して、質問系列と回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成する。具体的には、業務分析支援装置100は、ステップS101において取得した質問系列と、ステップS102において取得した回答系列とを生成モデルに入力し、所望のデータ形式による業務プロセス情報を生成モデルから取得してもよい。生成された業務プロセス情報は、例えば、シミュレータ、スケジューラなどの業務分析ツールによって分析されてもよい。
【0041】
上述した実施例によると、分析対象の業務に関する質問系列と回答系列とをユーザとやりとりすることによって、所望のデータ形式による業務プロセス情報を取得することができる。また、質問系列と回答系列とは対話形式によりユーザとやりとりすることができ、GPTなどの機械学習モデルを利用して、質問系列と回答系列とに基づいて業務分析ツールに適したデータ形式による業務プロセス情報を生成することができる。
【0042】
(付記1)
分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得するユーザインタフェース部と、
機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成する情報生成部と、
を有する業務分析支援装置。
(付記2)
前記情報生成部は、生成モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とから前記業務プロセス情報を生成する、付記1に記載の業務分析支援装置。
(付記3)
前記情報生成部は、前記生成モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列との要約情報を生成し、前記要約情報から前記業務プロセス情報を生成する、付記2に記載の業務分析支援装置。
(付記4)
前記情報生成部は、業務分析ツールに利用可能なデータ形式によって前記業務プロセス情報を出力する、付記1~3の何れか1つに記載の業務分析支援装置。
(付記5)
前記ユーザインタフェース部は、テキストデータ、音声データ、動画像データ及び生体データの1つ又は組み合わせによって前記ユーザ端末とやりとりする、付記1~4の何れか1つに記載の業務分析支援装置。
(付記6)
前記ユーザインタフェース部は、前記質問系列と前記回答系列とを対話形式によって前記ユーザ端末とやりとりする、付記1~5の何れか1つに記載の業務分析支援装置。
(付記7)
前記機械学習モデルは、フロアレイアウト又は機器配置レイアウトを生成する、付記1~6の何れか1つに記載の業務分析支援装置。
(付記8)
分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得することと、
機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成することと、
を有する、コンピュータが実行する業務分析支援方法。
(付記9)
分析対象の業務に関する質問系列をユーザ端末に送信し、前記質問系列に対する回答系列を前記ユーザ端末から取得することと、
機械学習モデルを利用して、前記質問系列と前記回答系列とに基づいて業務プロセス情報を生成することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0043】
以上、本開示の実施例について詳述したが、本開示は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0044】
50 ユーザ端末
60 機械学習モデル
100 業務分析支援装置
110 ユーザインタフェース部
120 情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9