(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007738
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】交換型エアゾール製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/00 20060101AFI20250109BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20250109BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250109BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61K8/00
A61K8/34
A61Q19/00
B05B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109338
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000149181
【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 知佳
(72)【発明者】
【氏名】福田 ひとみ
【テーマコード(参考)】
4C083
4F033
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB051
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC582
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD342
4C083AD352
4C083AD532
4C083BB01
4C083CC02
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD25
4C083DD31
4C083EE05
4F033RA02
4F033RC01
(57)【要約】
【課題】
使用性に優れ、かつプラスチックの使い捨てを防ぐことができる製品を提供することを目的とする。
【解決手段】
ノズルを有する蓋部を備えた外容器;及び該外容器に分離可能に挿入され、内容物がその内部に注入される本体容器を含み、
該外容器は、該本体容器の上部入口に結合され、結合により、該本体容器の内部と連通可能となり、該本体容器には、液状組成物と、不燃性圧縮気体が収容されることを特徴とする、交換可能なエアゾール製品を調製する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルを有する蓋部を備えた外容器;及び
該外容器に分離可能に挿入され、内容物がその内部に注入される本体容器
を含み、
該外容器は、該本体容器の上部入口に結合され、結合により、該本体容器の内部と連通可能となり、
該本体容器には、液状組成物と、不燃性圧縮気体が収容されることを特徴とする、交換可能なエアゾール製品。
【請求項2】
前記外容器が樹脂を含み、前記本体容器はアルミニウムを含む缶容器であり、該本体容器を交換し、該外容器を繰り返し使用することを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項3】
前記液状組成物が、水及び/又は多価アルコールを含有し、前記ノズルの吐出部の直径hと、ノズル長さLとが、L/h=1~20を満たすことを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項4】
前記外容器の蓋部内側に、本体容器係止用の凸部又は爪部を有する、請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項5】
前記不燃性圧縮気体が、25℃において0.3~1.0MPaの圧力で封入されていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項6】
前記液状組成物の粘度が、25℃において、0~30000mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項7】
前記液状組成物が、可溶化組成物、ゲル、又は、油剤及び界面活性剤を含有する乳化組成物であることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項8】
前記不燃性圧縮気体が、窒素であることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項9】
前記液状組成物が皮膚外用組成物であることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、交換可能な容器の内部に収容されている液状組成物を有するエアゾール製品に関する。より詳細には、皮膚に適用したときに、直径がナノメートルオーダーの気泡を含有し、液状組成物の皮膚への浸透を促進することができ、本体容器が交換可能なエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒトの肌に使用する外用組成物などであって、直径がナノメートルオーダーの気泡を含有する組成物が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、肌への馴染みが良く化粧料塗布後においてもベタつかない使用感に優れるなどの効果を奏する、ナノバブル液及び化粧料の成分を含み、ナノバブル液がオイル及び気泡を含み、気泡の直径が5nm~500nmであるナノバブル含有化粧料組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
簡易な構成で、実際に皮膚に適用する際に気泡を含み、使用感のよい皮膚外用組成物が求められている。さらに、近年の環境問題に対する意識の高まりから、樹脂で形成されるプラスチック容器を使い捨てにしない環境への配慮も望まれている。
【0006】
そこで、本件発明では、プラスチックを使い捨てにせず、長期間使用することができ、かつ使用感のよい製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、下記に掲げるエアゾール製品を提供する。
〔1〕
ノズルを有する蓋部を備えた外容器;及び
該外容器の内部に分離可能に挿入され、内容物がその内部に注入される本体容器
を含み、
該外容器は、該本体容器の上部入口に結合され、結合により、該本体容器の内部と連通可能となり、
該本体容器には、液状組成物と、不燃性圧縮気体が収容されることを特徴とする、交換可能なエアゾール製品。
〔2〕
前記外容器が樹脂を含み、前記本体容器はアルミニウムを含む缶容器であり、該本体容器を交換し、該外容器を繰り返し使用することを特徴とする[1]記載のエアゾール製品。
〔3〕
前記液状組成物が、水及び/又は多価アルコールを含有し、前記ノズルの吐出部の直径hと、ノズル長さLとが、L/h=1~20を満たすことを特徴とする[1]又〔2〕に記載のエアゾール製品。
〔4〕
前記外容器の蓋部内側に、本体容器係止用の凸部又は爪部を有する、[1]~[3]のいずれかに記載のエアゾール製品。
[5]
前記不燃性圧縮気体が、25℃において0.3~1.0MPaの圧力で封入されていることを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載のエアゾール製品。
[6]
前記液状組成物の粘度が、25℃において、0~30000mPa・sであることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載のエアゾール製品。
[7]
前記液状組成物が、可溶化組成物、ゲル、又は、油剤及び界面活性剤を含有する乳化組成物であることを特徴とする[1]~[6]のいずれかに記載のエアゾール製品。
[8]
前記不燃性圧縮気体が、窒素であることを特徴とする[1]~[7]のいずれかに記載のエアゾール製品。
[9]
前記液状組成物が皮膚外用組成物であることを特徴とする[1]~[8]のいずれかに記載のエアゾール製品。
【発明の効果】
【0008】
本件発明によれば、本体容器が交換可能で、かつ使用感に優れるエアゾール製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品の斜視図である。
【
図2】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品の背面図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品における中央断面図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品における外容器の蓋部の側面図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品における外容器の蓋部の上面図である。
【
図6】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品における外容器の蓋部の側面図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品における外容器の蓋部の上面図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態の外容器と本体容器の接続の為の取付手段の一例を示す斜視図である。
【
図9】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品の底面図である。
【
図10】本発明の別の実施形態のエアゾール製品の底面図である。
【
図11】本発明の1つの実施形態のエアゾール製品における外容器の蓋の部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本件発明のエアゾール製品に関する実施形態について詳しく説明する。
【0011】
[エアゾール製品]
本発明は、ノズルを有する蓋部を備えた外容器;及び該外容器に分離可能に挿入され、内容物がその内部に注入される本体容器を含み、
該外容器は、該本体容器の上部入口に結合され、結合により、該本体容器の内部と連通可能となり、
該本体容器には、液状組成物と、不燃性圧縮気体が収容されることを特徴とする、交換可能なエアゾール製品に関する。
【0012】
(容器)
本発明のエアゾール製品は、1つの実施形態として、
図1、
図2、及び
図3に示すように、本体容器1、その本体容器1に収容される液状組成物、本体容器1を内包する外容器8を備える。
【0013】
ここで、本体容器1は、上部の開口部を覆設するマウンティングカップ3、マウンティングカップ3の略中央に挿通され液状組成物を本体容器1の外部へ吐出可能な吐出穴と当該吐出穴と連通し容器1の内部とも連通するステム孔41を有するステム4、ステム4を上部に付勢する弾性バネ5、マウンティングカップ3の下部にて嵌挿され液状組成物をステム4に導出するチューブ6を有する。
【0014】
外容器8は、本体容器1の外側に本体容器1を内包するように設けられる。外容器8は、本体容器1の上部の開口と分離可能に結合されており、蓋部7及び適用口71(ノズル部)を有する。
【0015】
外容器8は、ステム4の吐出穴と連通する適用口71を有し、ステム4の上部に設けられた蓋部7及び本体容器1の側周面の一部を覆う側周被覆部を有する。限定はされないが、外容器8は本体容器1の側周面の面積の50~80%程度を覆う構造であり得る。すなわち、側周部の面積の20~50%程度開口している構造であることが好ましい。なお、蓋部7と側周部とは一体に成型されていても、別部品として分離及び結合可能に成型されていてもいずれでもよい。
【0016】
本体容器1の上部の開口と外容器8の蓋部との結合は、分離可能な態様で、かつ連通部が本体容器1内部の液状組成物を外に吐出できる状態であれば特に限定はされない。1つの態様では、本体容器1のステム4のうち、マウンティングカップ3から突出している部分に対して、それを覆う筒状部が外容器8に備わっており、当該筒状部を本体容器1のステム4の突出部に嵌合させる。さらに、外容器8と本体容器1との結合の安定性を増すために、外容器8の蓋部内側に、複数の爪部83を備えることも可能であり、当該爪部先端は、本体容器1のマウンティングカップ3の周縁部を係止することもできる。あるいは、外容器8の蓋部内側に、
図8の蓋内側斜視図に示すように、内周に沿った形の複数の凸部84を備えることも可能である。当該凸部は本体容器1のマウンティングカップ3の周縁部を係止することができる。このような凸部は、限定はされないが、例えば、10~600ml程度の容積のエアゾール缶の収容の為には、0.25~0.6mm程度の高さの突出部であり、好ましくは、0.3~0.5mm程度の高さの突出部である。かかる爪部又は凸部構造は、特に本体容器1と外容器8の結合に対して、エアゾール製品の使用時の吐出の圧に耐える安定性を与える。
【0017】
本体容器1に収容されている液状組成物と不燃性圧縮気体Gは、本体容器1の外部より圧力が高くなっている。このため、外容器の蓋部7が押下されると、弾性バネ5が付勢力に抗ってステム4も押下されることにより、ステム孔41が容器1の内部と連通し、不燃性圧縮気体Gに押圧された液状組成物が、チューブ6、ステム4を通じて蓋部7の適用口71から外部に排出される。
【0018】
本体容器1は、本発明のエアゾール製品において、内部に液状組成物2、不燃性圧縮気体Gなどを収容する部材であり、本体容器1の内部に不燃性圧縮気体Gを充填する。従って、本体容器は、通常のエアゾール製品に用いられる内部圧力で破断しないように耐圧性を有していることが好ましい。本体容器は限定はされないが、金属であることが好ましく、アルミニウムを含む缶容器であることがより好ましく、アルミ合金からなる缶容器であることが特に好ましい。
【0019】
本発明においては、例えば、内部の液体組成物の使用を終えて空になった本体容器を、内容物が充填された新たな本体容器と交換し、外容器を繰り返し使用することが可能である。
【0020】
外容器8は、樹脂を含む容器である。樹脂の種類は特に限定はされないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-ビニルアルコール、アクリロニトリル・スチレン、又はポリアミドなどであり得る。このうち、2種以上を併用することも可能である。例えば、外容器8の蓋部内側に、爪部又は凸部が設けられる場合、本体容器1の頻回の交換による外容器8の爪部又は凸部の破損を防止できるように、適度な硬度及び強度と共に、柔軟性も併せ持つ樹脂であることが好ましい。成型時にこのような性質を有し得る樹脂としては、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。
【0021】
ノズル部71の形状は特に限定されず、1つの態様では、
図4及び5に示される通り、ノズル71に接する接合部72の上を覆う部材と一体になった形状であり得る。あるいは、別の態様では、
図6及び7に示されるように、ノズル71は、接合部72に結合した構造であり得る。
【0022】
1つの態様では、円筒73は、容器に接し、直接容器上部を被覆する容器被覆部位74に固定されており、接合部72は、円筒73の外周に可動な状態で備え付けられている。
【0023】
ノズル部は、円筒形、楕円筒形、長円筒形、多角筒形などの形状とすることができる。
【0024】
1つの態様では、ノズル部の長さ(例えば、
図11のLで示される長さ)は、5~70mm程度が好ましく、10~65mm程度がより好ましく、15~60mm程度がさらに好ましい。
【0025】
ノズル部の吐出部の口の形状は、円形、楕円形、三角形又は四角形他の多角形の他、いかなる形状でも良い。口の開口部の面積は、1.5~20mm2程度が好ましく、3~15mm2程度がさらに好ましい。
【0026】
1つの態様では、ノズル吐出部の開口部の内径(最大内径;hで示される長さ)は、1~10mm程度が好ましく、1~8mm程度がより好ましく、1.2~5mm程度がさらに好ましい。
【0027】
ノズル部の長さLと開口部の内径のhの割合L/hは、1~20であることが好ましく、1~19であることがより好ましく、1~18であることがさらに好ましい。
【0028】
ノズル部が上記のような形状及びサイズの場合、特に直径1nm以上1000nm未満の気泡が生じ、さらに長持ちし、液状組成物の皮膚への浸透が促進される。
【0029】
このようにして作製される本発明のエアゾール製品の本体容器1は、全体の容積が5~1000mlであることが好ましく、10~600mlであることがより好ましく、さらに、重量が10~800gであることが好ましく、50~500gであることが好ましい。本発明のエアゾール製品がこれらの範囲であると、使用者が持ち運んだり移動させたりすることも可能である。また、本発明のエアゾール製品では、当該エアゾール製品の製造時に液状組成物2に直径がナノメートルオーダーの気泡があまり含まれていないとしても、皮膚に対して使用するときに適用して適用口71近傍の空気を巻き込むなどして直径がナノメートルオーダーの気泡を多量に含むようにすることができる。
【0030】
このようにして作製される本発明のエアゾール製品は、本体容器1の交換が容易なように、外容器8の底面が空洞構造になっていてもよい(
図9)。又は底用に開閉可能な蓋を有し(
図10)、使用時には、底蓋を閉めて使用し、交換時に底蓋を開けて本体容器1を交換することも可能である。
【0031】
(液状組成物)
本発明のエアゾール製品に含まれる液状組成物は、容器に収容される液状の組成物であり、具体的には20~30℃の常温で液状であれば限定はされない。好ましくは、水を含有し得る。
【0032】
液状組成物に含まれる水は、日本薬局方規格の水であることが好ましく、例えば、水道水、井戸水などである常水、そして、蒸留、イオン交換膜によるイオン交換処理、限外ろ過膜による限外ろ過処理のいずれか、又はそれらの組み合わせにより常水を処理した精製水、そして、加熱などにより精製水を滅菌処理した滅菌精製水などであることが好ましい。そして、液状組成物における水の含有割合は、30~98質量%であることが好ましく、40~95質量%であることがより好ましく、50~90質量%であることがさらにより好ましく、60~85質量%であることが特に好ましい。
【0033】
液状組成物には、生理活性を有する成分を含んでいてもよい。限定はされないが、例えば、以下のような成分が含まれる。
ヘパリン類似物質、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸などの多糖類;
グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ブチレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;
ビタミンE群及びその誘導体、ビタミンA群及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB群などのビタミン類;
ミノキシジルなどの育毛剤;
トレハロース、尿素などの多糖類以外の保湿成分;
メントール、カンフルなどの清涼化剤;
アラントイン、グリチルリチン酸又はその塩、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムなどの抗炎症剤;
グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノールなどの殺菌剤;
各種アミノ酸類;又は
プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩などの抗酸化剤。
これらの成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
液状組成物における生理活性を有する成分の含有割合は、特に限定はされない。例えば、液状組成物のうち、多糖類の含有割合としては、0.000001~5質量%であることが好ましく、0.00001~4質量%であることがより好ましく、0.0001~3質量%が最も好ましい。
【0035】
液状組成物に多糖類及びその他の保湿成分が含まれている場合には、保湿効果を高めることができ、肌にハリと弾力を与えることができる。また、多糖類の保湿成分の含有割合がこの範囲であると、直径1nm以上1000nm未満の気泡を膨大に含んだ適用物としてヒトなどの身体に塗布したときに、皮膚に浸透して保湿性を高めると共にその保湿性を持続しやすくすることができる。
【0036】
その他に、例えば、グリチルリチン酸又はその塩の含有割合としては、0.001~5.0質量%が好ましく、0.05~3.0質量%がさらに好ましい。液状組成物のうち、アラントイン又はその塩の含有割合としては、0.001~5.0質量%が好ましく、0.05~3.0質量%がさらに好ましい。これらの薬効成分の含有割合がこの範囲にあると、ヒトなどの皮膚に塗布したときに、皮膚に浸透して種々の薬用効果を付与することができる。
【0037】
例えば、液状組成物のうち、多価アルコールの含有割合としては、0.01~20質量%が好ましく、0.1~18質量%がさらに好ましく、1~15質量%がさらにより好ましい。例えば、液状組成物のうち、セラミド類及び/又は植物エキスの含有割合としては、0.001~5.0質量%が好ましく、0.01~3.0質量%がさらに好ましい。
【0038】
本発明の液状組成物には、この他に、油分、界面活性剤、増粘剤などを含有させることもできる。
【0039】
液状組成物に含有し得る油分としては、スクワランなどの炭化水素、オリーブ油などの植物性油、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン油、ステアリルアルコールやベヘニルアルコールなどの炭素数14~22の脂肪酸アルコールなどが好ましい。これらの油分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの油分により、例えば水中油型乳化剤である乳液を作成することができ、適用物を塗布した皮膚から水分が蒸発することを抑制し保湿効果を高めることができ、肌にハリと弾力を与えることができる。
【0040】
液状組成物における油分は、乳化製剤(乳液など)又はオイルクレンジングなどの製品に特に好ましく用いられ得る。液状組成物における油分の含有割合は、例えば、乳液のような製品の場合には、0.05~10質量%が好ましく、0.5~7質量%がさらに好ましい。油分の含有割合がこの範囲にあると、適用物を塗布した皮膚から水分が蒸発することを抑制し保湿効果を高めることができ、肌にハリと弾力を与えることができる。液状組成物における油分の含有割合は、オイルクレンジングのような製品の場合には、0.05~80質量%が好ましく、0.5~70質量%がさらに好ましい。
【0041】
液状組成物に含有し得る界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが好ましい。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテルやポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン付加多価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミドなどが好ましく、具体的には、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)ジエタノールアミドなどが好ましい。アニオン界面活性剤としては、カルボン酸型のアニオン界面活性剤として、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウレス-6カルボン酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ラウロイルサルコシンナトリウム、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ミリスチリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)サルコンシンナトリウムなどが好ましく、スルホン酸型のアニオン界面活性剤として、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1-ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1-オクタンスルホン酸ナトリウム、1-デカンスルホン酸ナトリウム、1-ドデカンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸三ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウムなどが好ましく、硫酸エステル型のアニオン界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、セチル硫酸ナトリウム、ココグリセリル硫酸ナトリウム(硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム)、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミンなどが好ましく、リン酸エステル型のアニオン界面活性剤として、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(5)セチルエーテルリン酸ナトリウム)、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸カリウムなどが好ましい。カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型として、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが好ましく、アルキルアミン塩型として、モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩などが好ましい。両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、アルキル(炭素数8~18)ジメチルアミンオキサイド(N,N-ジメチルアルキル(C8~18)アミンオキサイド)、ヤシアルキルジメチルアミンオキサイド、デシルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、オレイルジメチルアミンオキサイドなどのアミンオキサイド型や、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸(C8~18)アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型などが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
液状組成物における界面活性剤は、乳化製剤(乳液など)又は洗顔用洗剤などの製品に特に好ましく用いられ得る。液状組成物における界面活性剤の含有割合は、乳化製剤の場合、0.05~15.0質量%が好ましく、0.1~10.0質量%がさらに好ましく、0.3~5質量%がさらにより好ましい。液状組成物における界面活性剤の含有割合は、洗顔用洗剤の場合、0.05~40.0質量%が好ましく、0.1~35質量%がさらに好ましく、0.3~30質量%がさらにより好ましい。界面活性剤の含有割合がこの範囲にあると、上述した油分も混合して水中油型乳化剤を調製したときに油分を均一に分散することができ、また長い時間保存しておいても、水と油分が分離せず均一な混合状態を保持することができる。
【0043】
液状組成物に含有し得る増粘剤としては、キサンタンガム、グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロースなどの多糖類、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などが好ましい。これらの増粘剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの増粘剤により、ヒトなどの身体に塗布したときでも皮膚から流れ落ちずに塗広げやすい。
【0044】
液状組成物における増粘剤の含有割合は、液状組成物のうち、0.05~7質量%が好ましく、0.1~5質量%がさらに好ましい。増粘剤の含有割合がこの範囲にあると、皮膚から流れ落ちずに塗広げやすくすることができる。
【0045】
そして、このような増粘剤を含有することで、液状組成物の粘度を、25℃において、0~30000mPa・s程度にすることもでき、0.5~20000mPa・sであることが好ましく、3~10000mPa・sであることがより好ましい場合もある。液状組成物の粘度がこの範囲にあることで、気泡を含んだ適用物としてヒトなどの皮膚に塗布したときに気泡が適用物中に長くとどまることが可能となる。
【0046】
(pH)
本発明の液状組成物は、成分の安定性又は安全性の観点などから、pH2~10の液性を備えていることが好ましい。より好ましくはpH3~9であり、さらにより好ましくは、4~8である。液状組成物のpHは、20℃において、市販のpHメーター(例えば株式会社堀場製作所製、F-52(登録商標)型など)を使用して測定できる。
【0047】
(粘度)
本発明の液状組成物は、成分の安定性などの観点から、25℃における粘度が、好ましくは0~30000mPa・s程度、より好ましくは、0.5~20000mPa・s程度、さらに好ましくは3~10000mPa・s程度である。液状組成物の粘度は、25℃において、装置名:東機産業社製のTVB-10形粘度計(恒温槽付き)25℃、SPINDLEを用いて測定される。粘度が50mPa・s未満の場合は、ローターM1、回転数100rpm、測定時間60秒で測定され、粘度が50mPa・s以上1000mPa・s未満の場合は、ローターM2、回転数30rpm、測定時間60秒で測定され、粘度が1000mPa・s以上5000mPa・s以下の場合は、ローターM3、回転数12rpm、測定時間60秒、粘度が5000mPa・s超の場合は、ローターM4、回転数12rpm、測定時間60秒で測定される。
【0048】
本発明の液状組成物は、可溶化組成物、ゲル、又は乳化組成物のいずれであっても良い。可溶化組成物は、波長660nmの光の透過率が、例えば、50%以上、好ましくは70%以上のものをいう。乳化組成物である場合は、例えば水中油型乳化組成物であることが好ましいが、油中水型乳化組成物であっても良い。この時の油相と水相の割合は、限定されないが、1:0.5~99程度が好ましく、1:5~80程度がより好ましく、1:10~50程度がさらに好ましい。
【0049】
このようにして各種化合物が混合された液状組成物について、容器1の開口部に設けられたマウンティングカップ3と、マウンティングカップ3に設けられたステム4を介して、容器1に間接的に設けられた蓋部7のノズル部71の先端から適用されたとき、適用された適用物に、直径1nm以上1000nm未満の気泡が0.1億~100兆個/ml含有されることが好ましく、1億~50兆個/ml含有されることがさらに好ましい。なお、蓋部7はノズルを備えており、マウンティングカップの一部に覆いかぶさる構造であっても良い。そして、蓋部7は、
図4及び6に示す側面図に表されるような形状のポンプ式蓋であってもよい。なお、
図5及び7は、それぞれ、
図4及び6の側面図に対応する上面図である。
【0050】
本発明の1つの態様では、エアゾール製品から吐出される製剤には、吐出時及び/又は皮膚適用時に、直径1nm以上1000nm未満の気泡が含まれており、その量は、好ましくは、0.1億~100兆個/ml、より好ましくは、1億~50兆個/ml程度である。このような気泡の量は、例えば、レーザー光が照射されたときの散乱光に基づいて、ストークス-アインシュタインの式を使って流体力学的直径を算出することができるMalvern Panalytical Ltd製のNanoSightNS300を用いて測定された値である。測定可能な濃度に希釈し、測定を実施した。
【0051】
(不燃性圧縮気体)
本発明の不燃性圧縮気体Gは、液状組成物とともに本体容器1の内部に充填され、容器1内にて大気圧より高い圧力の状態の気体である。不燃性圧縮気体Gが充填されることにより、吐出時及び/又は皮膚適用時に、気泡を多量に含有させることができる。そして、さらに、蓋部7が押されることにより、不燃性圧縮気体Gが液状組成物と共に外部へ排出されることもあるため、不燃性圧縮気体Gであれば、液状組成物とともに適用されても、火気により引火及び燃焼が起きず、安全性に優れている。不燃性圧縮気体としては、例えば、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、アルゴン、圧縮空気であることが好ましい。そして、不燃性気体Gとして圧縮窒素を用いるとき、窒素が99.9%以上含有されているものが好ましく、99.99%以上含有されているものがより好ましい。
【0052】
また、液状組成物とともに容器1に充填されている不燃性圧縮気体Gの圧力としては、25℃において0.1~1.0MPaであることが好ましく、0.3~0.9MPaであることがより好ましい。不燃性圧縮気体Gの圧力がこの範囲であると、不燃性圧縮気体Gとともに液状組成物が円滑に排出され、吐出時及び/又は皮膚適用時に、直径1nm以上1000nm未満程度の気泡を多量に含有させることができる。
【0053】
(用途)
本発明のエアゾール製品は、好ましくは液状組成物を収容した皮膚外用剤製品として用いられる。このような皮膚外用剤製品には、各種医薬品、各種医薬部外品、冷感剤関連製品、化粧水、乳液、クレンジング、洗顔用洗剤、ボディーソープ、美容液、ボディークリーム、ハンドクリーム、育毛剤、養毛剤、ヘアースプレーなどの各種毛髪関連製品などが含まれるが、これらに限定されない。皮膚外用剤製品としては、皮膚炎治療又は予防製剤、痒み止め、抗アレルギー薬、手荒れ改善用製剤、抗菌剤、抗ウィルス剤などが含まれる。
【実施例0054】
以下、本件発明における液状組成物について具体的に説明する。なお、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0055】
表1に示す処方の液状組成物を、エアゾール製品の作製の為にそれぞれ調製した。実施例1及び5のエアゾール製品中の組成物の調製にあたっては、25℃の室温中において、容量が200mlのグリフィンビーカーに各成分を混合した後、粘度調整剤を加えて混合した。
【0056】
実施例2及び4の組成物の調製にあたっては、25℃の室温中において、容量が200mlのグリフィンビーカーに水相を混合しまた別のグリフィンビーカーに油相を混合した後、約80℃まで加熱した水相と油相を混合し、攪拌しながら約40℃まで冷却した。
【0057】
実施例3及び6の調製にあたっては、25℃の室温中において、容量が200mlのグリフィンビーカーに各成分を混合した。
【0058】
各液状組成物の粘度は、JIS K7117-1に記載のブルックフィールド形回転粘度計B形(東機産業株式会社製、商品名「TVB-10M」,ロータNo.3)を用いた計測において、25℃で測定した。
【0059】
各組成物の成分及び粘度の物性を表1に示す。
【0060】
【0061】
〔実施例〕
このようにして得られた処方の液状組成物を容器に入れて、マウンティングカップ3、ステム4を取り付けて、ステム4より窒素を容器1内の圧力が25℃において0.8MPaとなるまで充填し、エアゾール缶を製造した。その後、
図8に示すような凸部84(0.5mmの高さを有し、蓋部内側に等間隔に3箇所備えられている)を有する外容器にエアゾール缶を結合させた。結合に際しては、エアゾール缶上部のステム孔と外容器の適用口71が連通するようにし、かつマウンティングカップ3を外容器8の凸部84の上部(蓋のノズル部側)に押し込むように嵌め込み結合させて、エアゾール製品を作製した。
【0062】
〔比較例〕
実施例1と同じ液状組成物を所定の容器に収容し、使用者の指の力で内容物を吐出するフィンガースプレーを当該容器に接続してフィンガースプレー製品を作製した。すなわち、比較例1では、不燃性圧縮気体が充填されておらず、接続した容器の内部は常圧の空気が存在するだけであり、また、当該容器は、外容器に結合されていない。比較例の製品では、使用時にフィンガースプレーを押すことで内部に収容されている液状組成物が吐出口より吐出されるものである。
【0063】
(試験例1:粘度測定)
各実施例のエアゾール製品を用いて、液状組成物を吐出したときの吐出物、及び、比較例1のフィンガースプレー製品を用いて液状組成物を吐出したときの吐出物について、JIS K7117-1に記載のブルックフィールド形回転粘度計B形(東機産業株式会社製、商品名「TVB-10M」)を用いて、25℃、SPINDLE No.M3、12rpmにおける粘度を測定した。
【0064】
(試験例2:pH測定)
各実施例のエアゾール製品を用いて、液状組成物を吐出したときの吐出物及び、比較例1のフィンガースプレー製品を用いて液状組成物を吐出したときの吐出物について、液温20℃において、市販のpHメーター(例えば株式会社堀場製作所製、F-52(登録商標)型など)を使用して測定した。
【0065】
(試験例3:気泡量の測定)
各実施例及び比較例の製品を用いて、液状組成物を吐出したときの吐出物について、直径1以上1000nm未満の気泡の量を測定した。
各実施例及び各比較例のエアゾール製品について、適用口71から液状組成物2を適用したときの適用物中に含まれるウルトラファインバブルとも呼ばれる直径1以上1000nm未満の気泡の量を、Malvern Panalytical Ltd製のNanoSightNS300を用いて測定した。なお、各実施例及び各比較例のエアゾール製品について、適用口71から液状組成物2を適用したときの適用物を脱気した水で所定の重量に希釈した後に気泡の量を計測し、その気泡の量に希釈倍率を乗じて適用物中の起泡の量と換算した。
【0066】
(試験例4:使用感評価試験)
各実施例及び各比較例のエアゾール製品を用いて、液状組成物を吐出したときの吐出物について、ポンプからの吐出のしやすさ、ヒトの皮膚に塗り広げたときの肌なじみ性について試験した。
【0067】
〔吐出のしやすさ〕
各実施例及び各比較例のエアゾール製品を用いて、液状組成物をおおよそ1g手のひらに吐出させた。実施例のエアゾール製品では、
図1及び
図2のように、エアゾール缶のラベル部11と反対側に向けたノズルから噴出させることによる吐出であり、比較例の製品では、ポンプを指先により強い力を入れて押すことによる吐出であった。吐出の際に、吐出液が手のひらからこぼれ落ちたり、外容器に付着せず、良好な使い心地である場合を〇、吐出液が手のひらからこぼれ落ちたり、外容器に付着した場合を×と判断した。
【0068】
〔塗り広げやすさ〕
25℃において、各実施例及び各比較例のエアゾール製品やスプレー製品について、液状組成物2を被験者の腕の内側におおよそ1g適用してその適用物を塗り広げて塗布した。そして、塗布したときの塗広げやすさを5段階で評価し、「とてもよく塗広げやすい」を5点、「よく塗広げやすい」を4点、「ふつうに塗広げやすい」を3点、「やや塗広げにくい」を2点、「塗広げにくい」を1点として、5人のパネラーの平均点を算出した。この平均点が、4点以上のものを◎と評価し、3.5点以上4点未満であるものを○と評価し、3.0点以上3.5点未満であるものを△と評価し、3.0点未満であるものを×と評価した。これらのうち、塗広げやすいとして◎及び○を良好、塗広げにくいとして△及び×を不良と判断した。
【0069】
〔肌へのなじみやすさ〕
25℃において、各実施例及び各比較例のエアゾール製品やスプレー製品について、液状組成物2を被験者の腕の内側におおよそ1g適用してその適用物を塗り広げて塗布した。そして、塗布したときの肌へのなじみやすさを5段階で評価し、「とてもよく肌になじみやすい」を5点、「よく肌になじみやすい」を4点、「ふつうに肌になじみやすい」を3点、「やや肌になじみにくい」を2点、「肌になじみにくい」を1点として、5人のパネラーの平均点を算出した。この平均点が、4点以上のものを◎と評価し、3.5点以上4点未満であるものを○と評価し、3.0点以上3.5点未満であるものを△と評価し、3.0点未満であるものを×と評価した。これらのうち、肌になじみやすいとして◎及び○を良好、肌になじみにくいとして△及び×を不良と判断した。
【0070】
〔保湿性〕
25℃において、各実施例及び各比較例のエアゾール製品やスプレー製品について、液状組成物2を被験者の腕の内側におおよそ1g適用してその適用物を塗り広げて塗布した。そして、塗布したときの保湿感を5段階で評価し、「保湿性がとてもよく保たれている」を5点、「保湿性がよく保たれている」を4点、「保湿性がふつうに保たれている」を3点、「保湿性があまり保たれていない」を2点、「保湿性が保たれていない」を1点として、5人のパネラーの平均点を算出した。この平均点が、4点以上のものを◎と評価し、3.5点以上4点未満であるものを○と評価し、3.0点以上3.5点未満であるものを△と評価し、3.0点未満であるものを×と評価した。これらのうち、保湿性が保たれているとして◎及び○を良好、保湿性が保たれていないとして△及び×を不良と判断した。
【0071】
〔べたつきのなさ〕
25℃において、各実施例及び各比較例のエアゾール製品やスプレー製品について、液状組成物2を被験者の腕の内側におおよそ1g適用してその適用物を塗り広げて塗布した。そして、塗布したときの肌へのなじみやすさを5段階で評価し、「まったくべたつきを感じない」を5点、「べたつきを感じない」を4点、「ほとんどべたつきを感じない」を3点、「少しべたつきを感じる」を2点、「とてもべたつきを感じる」を1点として、5人のパネラーの平均点を算出した。この平均点が、4点以上のものを◎と評価し、3.5点以上4点未満であるものを○と評価し、3.0点以上3.5点未満であるものを△と評価し、3.0点未満であるものを×と評価した。これらのうち、べたつきにくいとして◎及び○を良好、べたつきやすいとして△及び×を不良と判断した。
【0072】
上述した塗り広げやすさ、肌へのなじみやすさ、保湿性、べたつきのなさの各評価において、すべての項目で◎又は○のものを全体的にバランスが優れるため好ましいと判断した。
【0073】
これらの実施例及び比較例の製品の試験結果を表2に示す。
【0074】
【0075】
表2に示すように、液状組成物2と不燃性圧縮気体Gとして圧縮窒素を備えたエアゾール缶を、ポンプ構造を有する蓋部を取り付けた外容器に結合した実施例のエアゾール製品については、ヒトなどの身体に対して使用するときに適用して適用口近傍の空気を巻き込むなどして直径がナノメートルオーダーの気泡を多量に含むようにすることができ、さらに適用物の吐出及び肌に塗布したときに種々の性能が良好であり有用であった。