(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007789
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】セキュリティタグ
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20250109BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20250109BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20250109BHJP
G09F 3/14 20060101ALI20250109BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G09F3/00 Q
G06K19/077 200
G09F3/02 Z
G09F3/00 M
G09F3/14 Z
G06K19/06 065
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109415
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 仁
(72)【発明者】
【氏名】嶋岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】山口 布士人
(72)【発明者】
【氏名】池田 彬
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で偽造を防止する。
【解決手段】表面シート10と裏面シート20との間に、外観上の偽造防止加工が施されたホログラムシート30を有する商品タグ1であって、表面シート10は、ホログラムシート30を表出させる視認孔11を有し、裏面シート20は、ホログラムシート30を表出させる視認孔21を有し、視認孔11と視認孔21とは、厚み方向にて重なる領域を少なくとも一部に有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一被覆層と、該第一被覆層に相対する第二被覆層との間に、外観上の偽造防止加工が施されたセキュリティシートを有するセキュリティタグであって、
前記第一被覆層は、前記セキュリティシートを表出させる第一開口部を有し、
前記第二被覆層は、前記セキュリティシートを表出させる第二開口部を有し、
前記第一開口部と前記第二開口部とは、厚み方向にて重なる領域を少なくとも一部に有する、セキュリティタグ。
【請求項2】
請求項1に記載のセキュリティタグにおいて、
前記偽造防止加工は、透過像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記透過像が得られる、セキュリティタグ。
【請求項3】
請求項1に記載のセキュリティタグにおいて、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域を有し、
前記偽造防止加工は、反射像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記反射像が得られる、セキュリティタグ。
【請求項4】
請求項1に記載のセキュリティタグにおいて、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域を有し、
前記偽造防止加工は、透過像及び反射像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記透過像が得られ、前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記反射像が得られる、セキュリティタグ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセキュリティタグにおいて、
前記第一開口部と前記第二開口部とは、その形状と大きさとの少なくとも一方が異なる、セキュリティタグ。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセキュリティタグにおいて、
前記第一被覆層と前記第二被覆層との間に、外部の読み書き装置と非接触でデータの送受信を行うRFIDを有する、セキュリティタグ。
【請求項7】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のセキュリティタグにおいて、
前記光学機能層は、破断もしくは変色が可能に構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部との少なくとも一方を介して、前記光学機能層の破断もしくは変色が視認可能に構成されている、セキュリティタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止機能を有するセキュリティタグに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、店舗等で販売される商品は、品名や価格等が表示されたタグが添付されて販売されている。このようなタグは、商品の出所を表示するものもあり、ブランド品等においては、いわゆるブランドタグが添付されることで、その商品が偽物ではないことが証明される。しかしながら、特にブランドタグにおいては、商品の偽物を販売するためにタグが偽造される場合がある。
【0003】
そこで、タグにホログラムシールを貼着しておき、それにより、タグを偽造しにくくする技術が知られている。しかしながら、ホログラムシールはタグから容易に剥離することができるため、正規品のタグからホログラムシールを剥離して偽造されたタグに再度貼着することで、正規のホログラムシールが貼着されたタグを容易に偽造することができてしまう。
【0004】
特許文献1には、商品の出所や品質を証明するための情報を商品タグのメモリ内に記録しておき、商品の販売時に商品タグから情報を読み取ることで、商品タグが取り付けられた商品が本物であるか偽物であるかを確認するシステムが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、RFIDに光学変化デバイス(OVD)を組み合わせたRFID内蔵セキュリティ文書が開示されており、1個または複数個の開口部が備えられた第一の基材と、第一の基材と第二の基材間に積層された光学機能層とICチップとで構成され、セキュリティ文書に付けられたOVD付きRFIDの不正な張り替えを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-11114号公報
【特許文献2】特開2011-150409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムにおいては、商品の出所や品質を証明するための情報を商品タグのメモリ内に予め記録しておくばかりでなく、商品の販売時に商品タグから情報を読み取る必要がある。そのため、大掛かりなシステムの構築が必要となってしまう。特に商品の販売時に商品タグから情報を読み取るためには、専用の読取装置が必要となり、小規模な店舗においてはコスト面等の理由から、そのような読取装置を設置していない場合もある。
【0008】
また、特許文献2に開示されたセキュリティ文書においては、OVD付きRFIDは、パスポート、有価証券、証明書、保証書、カード等のセキュリティ文書に貼付されたRFIDの張り替え防止のみが対象であり、値札などのタグ自体が自立したタグについては、不正防止が機能しないという問題があった。さらに、開口部と同寸のホログラム偽造シールを貼付、あるいは重ね貼りすることで容易に偽造されるという問題があり、タグ自体の偽造防止の観点では、課題解決となっていなかった。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で偽造を防止できるセキュリティタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
第一被覆層と、該第一被覆層に相対する第二被覆層との間に、外観上の偽造防止加工が施されたセキュリティシートを有するセキュリティタグであって、
前記第一被覆層は、前記セキュリティシートを表出させる第一開口部を有し、
前記第二被覆層は、前記セキュリティシートを表出させる第二開口部を有し、
前記第一開口部と前記第二開口部とは、厚み方向にて重なる領域を少なくとも一部に有する。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、外観上の偽造防止加工が施されたセキュリティシートが第一被覆層の第一開口部と第二被覆層の第二開口部との少なくともいずれか一方を介して表出して視認されることで、タグが添付された物品等が偽物ではないことが証明される。このように、セキュリティシートが開口部を介して視認されることで、タグが添付された物品等が偽物ではないことが証明されるので、簡易な構成で偽造が防止される。
【0012】
また、前記偽造防止加工が、透過像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記透過像が得られる構成としてもよい。
【0013】
このように構成されたものにおいては、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる透過像によって、タグが添付された物品等が偽物ではないことが証明される。
【0014】
また、前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域を有し、
前記偽造防止加工が、反射像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記反射像が得られる構成としてもよい。
【0015】
このように構成されたものにおいては、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる反射像によって、タグが添付された物品等が偽物ではないことが証明される。
【0016】
また、前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域を有し、
前記偽造防止加工が、透過像及び反射像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記透過像が得られ、前記第一開口部と前記第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において前記第一開口部または前記第二開口部を介して前記反射像が得られる構成としてもよい。
【0017】
このように構成されたものにおいては、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる透過像や、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる反射像によって、タグが添付された物品等が偽物ではないことが証明される。
【0018】
また、前記第一開口部と前記第二開口部とは、その形状と大きさとの少なくとも一方が異なる構成としてもよい。
【0019】
このように構成されたものにおいては、第一開口部と第二開口部との相対位置をずらすことなく、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域と重ならない領域とを構成することができる。
【0020】
また、前記第一被覆層と前記第二被覆層との間に、外部の読み書き装置と非接触でデータの送受信を行うRFIDを有する構成としてもよい。
【0021】
このように構成されたものにおいては、RFIDに書き込まれたデータを読み取ることによってもタグが添付された物品等が偽物ではないことを証明することができる。
【0022】
また、前記光学機能層が、破断もしくは変色が可能に構成され、
前記第一開口部と前記第二開口部との少なくとも一方を介して、前記光学機能層の破断もしくは変色が視認可能に構成されたものとしてもよい。
【0023】
このように構成されたものにおいては、タグが添付された物品等が正規に販売された時点で光学機能層を破断もしくは変色させることで、物品等の購入証明として利用できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、セキュリティシートが開口部を介して視認されることで、タグが添付された物品等が偽物ではないことが証明されるので、簡易な構成で偽造を防止できる。
【0025】
また、偽造防止加工が、透過像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において第一開口部または第二開口部を介して透過像が得られるものにおいては、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる透過像によって、タグが添付された物品等が偽物ではないことを証明できる。
【0026】
また、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域を有し、偽造防止加工が、反射像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において第一開口部または第二開口部を介して反射像が得られるものにおいては、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる反射像によって、タグが添付された物品等が偽物ではないことを証明できる。
【0027】
また、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域を有し、偽造防止加工が、透過像及び反射像が得られる細線パターンからなる光学機能層で構成され、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において第一開口部または第二開口部を介して透過像が得られ、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において第一開口部または第二開口部を介して反射像が得られるものにおいては、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる透過像や、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重ならない領域において第一開口部または第二開口部を介して得られる反射像によって、タグが添付された物品等が偽物ではないことを証明できる。
【0028】
また、第一開口部と第二開口部とが、その形状と大きさとの少なくとも一方が異なるものにおいては、第一開口部と第二開口部との相対位置をずらすことなく、第一開口部と第二開口部とが厚み方向にて重なる領域と重ならない領域とを構成することができる。
【0029】
また、第一被覆層と第二被覆層との間に、外部の読み書き装置と非接触でデータの送受信を行うRFIDを有するものにおいては、RFIDに書き込まれたデータを読み取ることによってもタグが添付された物品等が偽物ではないことを証明することができる。
【0030】
また、光学機能層が、破断もしくは変色が可能に構成され、第一開口部と第二開口部との少なくとも一方を介して、光学機能層の破断もしくは変色が視認可能に構成されたものにおいては、タグが添付された物品等が正規に販売された時点で光学機能層を破断もしくは変色させることで、物品等の購入証明として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明のセキュリティタグの第1の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示したA-A断面図、(c)は(a)に示したB-B断面図、(d)はRFIDタグの構成を示す図である。
【
図2】
図1に示した商品タグの積層状態を示す図である。
【
図3】
図1及び
図2に示した商品タグの使用方法を説明するための図である。
【
図4】
図1及び
図2に示したホログラムシートとして透過型ホログラムや反射型ホログラムを用いた場合の作用を説明するための図である。
【
図5】
図1及び
図2に示した商品タグにて透過像が得られる領域と反射像が得られる領域とを説明するための図である。
【
図6】
図1及び
図2に示した商品タグによって生じる作用を説明するための図である。
【
図7】本発明のセキュリティタグの第2の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示したE-E断面図である。
【
図8】
図7に示した商品タグの積層状態を示す図である。
【
図9】
図7及び
図8に示した商品タグにて透過像が得られる領域と反射像が得られる領域とを説明するための図である。
【
図10】
図7及び
図8に示した商品タグによって生じる作用を説明するための図である。
【
図11】本発明のセキュリティタグの第3の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示したH-H断面図、(c)は裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
〈第1の実施形態〉
(タグの構成)
図1は、本発明のセキュリティタグの第1の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示したA-A断面図、(c)は(a)に示したB-B断面図、(d)はRFIDタグ50の構成を示す図である。
図2は、
図1に示した商品タグ1の積層状態を示す図である。
【0034】
本実施形態は
図1及び
図2に示すように、相対する表面シート10と裏面シート20との間に、ホログラムシート30とRFIDタグ50とが挟み込まれてなる商品タグ1である。すなわち、本実施形態における商品タグ1は、表面シート10と裏面シート20との間に、ホログラムシート30及びRFIDタグ50が、RFIDタグ50が表面シート10側となるようにして積層されて構成されている。
【0035】
表面シート10は、本願発明にて第一被覆層の一例となるものであって、例えば厚紙等から構成されている。表面シート10は、商品情報表示領域12と、価格情報表示領域13とを有する。商品情報表示領域12の表面には、添付される商品についての情報が表示される。価格情報表示領域13の表面には、添付される商品の価格や商品を管理するためのバーコード等が表示される。
【0036】
表面シート10は、商品情報表示領域12と価格情報表示領域13との境界に沿ってミシン目14が形成されている。また、商品情報表示領域12には、添付される商品に取り付けられたプラスチックワイヤーを通すための取り付け孔15が商品タグ1の上端側に形成されている。また、価格情報表示領域13には視認孔11が形成されている。視認孔11は、本願発明にて第一開口部の一例となるものであって、円形の形状を有し、表面シート10の表裏を貫通することで、視認孔11を介してホログラムシート30が視認可能となっている。
【0037】
表面シート10のRFIDタグ50及びホログラムシート30との積層面には、接着後の剥離が困難な粘着剤が塗工されることで、接着層40aが積層されている。なお、接着後の剥離が困難とは、表面シート10とホログラムシート30とが接着された後に人間の手によって剥離した場合に、表面シート10自体が裂かれたり厚み方向に紙間剥離したりする程度に強く接着されていることである。また、ホログラムシート30が脆弱性を有するものである場合にはホログラムシート30自体も破壊される程度に強く接着されていることである。
【0038】
裏面シート20は、本願発明にて第二被覆層の一例となるものであって、例えば厚紙等から構成されており、表面シート10と同一の外形形状を有している。また、裏面シート20には、視認孔21が形成されている。視認孔21は、本願発明にて第二開口部の一例となるものであって、裏面シート20の表裏を貫通することで、視認孔21を介してホログラムシート30が視認可能となっている。視認孔21は、表面シート10の視認孔11と同一の円形の形状を有し、その一部が表面シート10の視認孔11に重なるように形成されている。また、表面シート10の取り付け孔15に対向する領域に取り付け孔15と同一形状の取り付け孔(不図示)が形成されているとともに、表面シート10のミシン目14に対向する領域にミシン目(不図示)が形成されている。
【0039】
裏面シート20のRFIDタグ50及びホログラムシート30との積層面には、接着後の剥離が困難な粘着剤が塗工されることで、接着層40bが積層されている。
【0040】
ホログラムシート30は、本願発明にてセキュリティシートの一例となるものである。ホログラムシート30は、例えば、透明なフィルムから構成され、表面シート10及び裏面シート20と同一の外形形状を有している。ホログラムシート30としては、視認する角度によって状態が変化するように透過像が立体的に視認できる透過型ホログラムや、視認する角度によって視認できる反射像が変化する反射型ホログラム等を用いることができる。そのため、複写機を用いて複写することができないような外観上の偽造防止加工が施されている。また、ホログラムシート30には、表面シート10のミシン目14に対向する領域にミシン目(不図示)が形成されている。
【0041】
RFIDタグ50は、ベース基材53の一方の面上に、アンテナ52が形成されているとともに、ICチップ51が実装されて構成されている。
【0042】
ベース基材53は、例えばフィルム等の非導電性材料から構成されており、表面シート10、裏面シート20及びホログラムシート30よりも小さな外形を有している。
【0043】
アンテナ52は、ベース基材53の一方の面に、2つの二等辺三角形の導体部52a,52bが空隙を介して並ぶようにして形成されている。なお、アンテナ52の形状としてはこれに限らず、2つの帯状の導体が空隙を介して直線上に並んだもの等、様々なものが考えられる。
【0044】
ICチップ51は、2つのアンテナ端子(不図示)が設けられており、アンテナ端子が設けられた面が搭載面となって、ベース基材53のアンテナ52が形成された面に搭載され、異方性導電ペースト(不図示)によって固定されている。ICチップ51の2つのアンテナ端子は2つの導体部52a,52bにそれぞれ接続されており、異方性導電ペーストによって、アンテナ端子とアンテナ52とが導通している。この際、2つの導体部52a,52bの二等辺三角形の頂点が給電点となり、この給電点にICチップ51が接続されている。
【0045】
上記のように構成されたRFIDタグ50は、ホログラムシート30の表面シート10側の面のうち視認孔11,21に対向しない領域に積層されている。RFIDタグ50は、外部の読み書き装置からアンテナ52を介した非接触通信によって得た電力によってICチップ51が動作し、ICチップ51内に予めエンコードされたデータとなる固有のIDを、アンテナ52を介して非接触送信する。このようにしてICチップ51は、アンテナ52を介して外部の読み書き装置との間にて非接触でのデータの送受信を行う。
【0046】
ホログラムシート30及びRFIDタグ50は、表面シート10と裏面シート20との間に挟み込まれ、接着層40a,40bによって表面シート10と裏面シート20とのそれぞれと接着されている。これにより、表面シート10と裏面シート20とが、ホログラムシート30及びRFIDタグ50を介して接着された状態となっている。
【0047】
(タグの使用方法)
以下に、上記のように構成された商品タグ1の使用方法について説明する。
【0048】
図3は、
図1及び
図2に示した商品タグ1の使用方法を説明するための図である。
【0049】
図1及び
図2に示した商品タグ1は
図3に示すように、商品2に取り付けられて使用される。その場合、商品2に取り付けられたプラスチックワイヤー3を取り付け孔15に通すことで、商品タグ1を商品2に添付する。この状態において、店舗等において商品2が販売されることになる。
【0050】
商品タグ1には、上述したように、商品情報表示領域12の表面に商品2についての情報が表示されるとともに、価格情報表示領域13の表面に商品2の価格が表示されている。そのため、消費者は、商品タグ1に表示された情報によって商品2の出所等の詳細な情報や価格を知ることができる。また、特に商品2がブランド品の場合、商品タグ1は、いわゆるブランドタグとしても機能する。すなわち、商品タグ1によって、商品2が偽物ではないことが証明されることになる。
【0051】
商品タグ1が添付された商品2が販売された後にミシン目14が破断されると、表面シート10の価格情報表示領域13、並びに裏面シート20及びホログラムシート30の価格情報表示領域13に対向する領域が取り除かれる。
【0052】
(タグによる作用)
以下に、上述した商品タグ1によって生じる作用について説明する。
【0053】
図4は、
図1及び
図2に示したホログラムシート30として透過型ホログラムや反射型ホログラムを用いた場合の作用を説明するための図である。
【0054】
図4(a)に示すように、
図1及び
図2に示したホログラムシート30として透過型ホログラムからなるホログラムシート30aを用いた場合、ホログラムシート30aの一方の面から入射した入射光i1は、ホログラムシート30aにて屈折し、ホログラムシート30aの他方の面から回折光d1として出射していく。このホログラムシート30aにて生じる光の屈折によって、視認する角度によって状態が変化するように透過像が立体的に視認できる。
【0055】
また、
図4(b)に示すように、
図1及び
図2に示したホログラムシート30として反射型ホログラムからなるホログラムシート30bを用いた場合、ホログラムシート30bの一方の面から入射した入射光i2は、ホログラムシート30bにて回折光d2として反射する。このホログラムシート30bにて生じる光の反射によって、視認する角度によって視認できる反射像が変化する。
【0056】
図5は、
図1及び
図2に示した商品タグ1にて透過像が得られる領域と反射像が得られる領域とを説明するための図である。
【0057】
上述したように、表面シート10に形成された視認孔11と裏面シート20に形成された視認孔21とは、その一部が商品タグ1の厚み方向にて重なっている。そのため、ホログラムシート30として、透過型ホログラムと反射型ホログラムの両方の光学機能を有するものを用いた場合、
図5に示すように、視認孔11と視認孔21とが重なる領域が透過像取得領域31となり、視認孔11と視認孔21とが重ならない領域が反射像取得領域32となる。
【0058】
透過像取得領域31においては、
図4(a)に示したように、ホログラムシート30の一方の面から入射した入射光が、ホログラムシート30にて屈折し、ホログラムシート30の他方の面から出射していく。これにより、透過像取得領域31においては、視認孔11,21を介して透過像が立体的に視認できる。
【0059】
また、反射像取得領域32においては、
図4(b)に示したように、ホログラムシート30の一方の面から入射した入射光がホログラムシート30にて反射する。これにより、反射像取得領域32においては、視認孔11,21を介して、視認する角度によって変化する反射像が視認できる。
【0060】
図6は、
図1及び
図2に示した商品タグ1によって生じる作用を説明するための図である。
【0061】
図1及び
図2に示した商品タグ1においては、表面シート10と裏面シート20との間にホログラムシート30が挟み込まれている。そして、表面シート10に形成された視認孔11と、裏面シート20に形成された視認孔21とを介してホログラムシート30が外部から視認可能となっている。また、ホログラムシート30としては、視認する角度によって状態が変化するように画像が立体的に視認できたり、視認する角度によって視認できる色が変化したりするものを用いることができる。
【0062】
そのため、
図6に示すように、視認方向Cから商品タグ1を視認した場合と、視認方向Dから商品タグ1を視認した場合とで、視認孔11を介して視認できる立体的画像の角度や、視認孔11を介して視認される色が変化する。これにより、商品タグ1が添付された商品2が偽物ではないことを証明することができる。その際、表面シート10に形成された視認孔11や裏面シート20に形成された視認孔21を介してホログラムシート30を視認した場合に商品2のブランドを示すロゴマークを立体的に視認できるような構成としてもよい。
【0063】
なお、裏面シート20においても、視認孔21を介してホログラムシート30が視認可能となっている。そのため、視認孔21を介して視認できる立体的画像の角度や、視認孔21を介して視認される色が変化することによっても、商品タグ1が添付された商品2が偽物ではないことを証明することができる。
【0064】
また、
図5に示したように、視認孔11と視認孔21とが重なる透過像取得領域31においては、視認孔11,21を介して透過像が視認可能となる一方、視認孔11と視認孔21とが重ならない反射像取得領域32においては、視認孔11,21を介して反射像が視認可能となる。このように、視認孔11,21を介しての一部の領域では透過像が視認可能となり、その他の領域では反射像が視認可能となることによっても、商品タグ1が添付された商品2が偽物ではないことを証明することができる。
【0065】
ここで、ホログラムシート30は、表面シート10と裏面シート20との間に挟み込まれており、表面シート10と裏面シート20とは、ホログラムシート30を介して剥離が困難に接着されている。そのため、ホログラムシート30を容易に取り出すことはできず、商品タグ1の偽造を防止できる。また、ホログラムシート30に微細なカット部等を形成しておけば、ホログラムシート30を取り出すためにホログラムシート30と表面シート10や裏面シート20とを強引に剥離した場合にホログラムシート30が破壊され、これによっても、商品タグ1の偽造を防止できる。
【0066】
このように本実施形態においては、ホログラムシート30が表面シート10と裏面シート20との間に挟み込まれていながらも、表面シート10に形成された視認孔11と裏面シート20に形成された視認孔21を介して外部から視認可能となっている。それにより、ホログラムシート30を外部から視認可能としながらも、容易に取り出すことができない構成となっており、簡易な構成で偽造を防止できる。
【0067】
また、上述したように、ホログラムシート30として、レーザー光を照射した場合に変色する構成を有するものとすれば、商品タグ1が添付された物品等が正規に販売された時点でホログラムシート30を変色させることで、物品等の購入証明として利用できる。なお、ホログラムシート30として破断が可能なものを用い、破断された状態が視認孔11,21を介して視認可能なものとしても、商品タグ1が添付された物品等が正規に販売された時点でホログラムシート30を破断することで、物品等の購入証明として利用できる。
【0068】
また、本実施形態における商品タグ1は、RFIDタグ50を有している。そのため、RFIDタグ50のICチップ51に、商品タグ1が添付された商品等の流通履歴を記録しておくことで、その物品等が偽物ではないことを証明することができる。
【0069】
なお、本実施形態においては、セキュリティシートとして、視認する角度によって状態が変化するように画像が立体的に視認できたり、視認する角度によって視認できる色が変化したりするホログラムシート30を例に挙げて説明した。しかしながら、セキュリティシートとしては、このようなホログラムシート30に限らない。例えば、微細文字や紋様が表示されたシートをセキュリティシートとして用い、これら微細文字や紋様を視認孔11,21を介して視認することで商品が偽物ではないことを証明してもよい。その場合、紙幣のように、視認孔11,21を視認する角度によって絵柄等が浮き出る構成としてもよい。
【0070】
また、ホログラムシート30の少なくとも視認孔11,21を介して表出する領域に、レーザー光の照射によって変色する材料を予め練り込んでおくことで、レーザー光を照射した場合に変色させ、その変色を視認孔11,21を介して視認可能なものとしてもよい。
【0071】
また、本願発明のセキュリティシートとしては、本実施形態のようにホログラムのような細線パターンからなる光学機能層を用いることができる他、例えば微細な細線パターンからなる光学機能層を用いてもよい。その場合、細線として、0.1μm~10μmの線幅のものを用いることが考えられる。特に、このような線幅を用いて特殊な細線パターンを形成した場合、光の照射の有無に限らず、視認できない状態となる。しかしながら、特定の光を照射した場合は、特定の光学像を発現させることができる。例えば、視認孔11と視認孔21とが重なる領域においては、視認孔11側から特定の光を照射した場合、細線パターンによる反射光学像が視認孔11側で得られ、視認孔21側に透過光学像が得られる。また、視認孔11と視認孔21とが重ならない領域においては、視認孔11側のみに、反射光学像が得られる。同様に、視認孔21側から特定の光を照射した場合、視認孔11と視認孔21とが重なる領域においては、反射光学像が視認孔21側で得られ、視認孔11側に透過光学像が得られる。さらに、視認孔11と視認孔21とが重ならない領域においては、視認孔21側のみに、反射光学像が得られる。このようにして光を照射した場合にのみ透過像や反射像を得ることができ、それにより、商品タグ1の偽造が防止される。この際、細線パターンは、金属を含んだ細線によって形成することが好ましい。金属としては、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウムが挙げられる。これらの中でも、銀または銅が好ましく、銅や酸化銅がより好ましい。
【0072】
ここで、特定の光とは、特定の光学像を発現させる光であれば、特に限定されるものではなく、レーザー光のような一定波長で位相が揃っている光学純度の高い光であると、光学像の光強度が強くなり、視認しやすくなるため好ましい。また、レーザー光などのスポット径を絞った光であると、視認孔11,21の面積を小さくでき、本発明のセキュリティタグ自体の偽造が困難となるので好ましい。さらに、特定の光を走査して、光学像を発現させても良い。
【0073】
また、特定の光学像とは、具体的には、回折像、細線パターンと所定のフィルタを重畳することによって生じる干渉縞、特定の光を走査して得られる細線パターンの周期に応じた明暗パターンなどが挙げられる。
【0074】
また、本実施形態においては、視認孔11,21が円形の形状を有するものである。しかしながら、本願発明の孔部としては、矩形状や星形等、様々な形状の視認孔を適用することができる。
【0075】
〈第2の実施形態〉
(タグの構成)
図7は、本発明のセキュリティタグの第2の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示したE-E断面図である。
図8は、
図7に示した商品タグ101の積層状態を示す図である。
【0076】
本実施形態は
図7及び
図8に示すように、
図1及び
図2に示したものに対して、裏面シート120の構成が異なるとともに、
図1及び
図2に示したRFIDタグ50を有さない商品タグ101である。
【0077】
本実施形態における裏面シート120には、表面シート10の視認孔11に対向する領域に、裏面シート120の表裏を貫通した視認孔121が形成されている。それにより、視認孔11,121を介してホログラムシート30が視認可能となっている。視認孔121は、本願発明にて第二開口部となるものである。視認孔121は、六角星型を有しており、その6つの頂点が表面シート10の視認孔11の円周上に対向するように設けられている。裏面シート120は、
図1及び
図2に示したものと同様に、表面シート10とホログラムシート30に重ね合わされ、表面シート10と裏面シート20とが接着層40a,40bによってホログラムシート30を介して接着されて構成される。
【0078】
上記のように構成された商品タグ101は、
図1及び
図2に示した商品タグ1と同様に、商品に取り付けられたプラスチックワイヤーを取り付け孔15に通すことで、商品に添付される。
【0079】
(タグによる作用)
以下に、上述した商品タグ101によって生じる作用について説明する。
【0080】
図9は、
図7及び
図8に示した商品タグ101にて透過像が得られる領域と反射像が得られる領域とを説明するための図である。
【0081】
上述したように、視認孔121は、六角星型を有しており、その6つの頂点が表面シート10の視認孔11の円周上に対向するように設けられている。それにより、表面シート10に形成された視認孔11と裏面シート120に形成された視認孔121とは、その一部が商品タグ101の厚み方向にて重なった状態となっている。そのため、ホログラムシート30として、透過型ホログラムと反射型ホログラムの両方の光学機能を有するものを用いた場合、
図9に示すように、視認孔11と視認孔121とが重なる領域が透過像取得領域131となり、視認孔11と視認孔121とが重ならない領域が反射像取得領域132となる。
【0082】
透過像取得領域131においては、
図4(a)に示したように、ホログラムシート30の一方の面から入射した入射光が、ホログラムシート30にて屈折し、ホログラムシート30の他方の面から出射していく。これにより、透過像取得領域131においては、視認孔11,121を介して透過像が立体的に視認できる。
【0083】
また、反射像取得領域132においては、
図4(b)に示したように、ホログラムシート30の一方の面から入射した入射光がホログラムシート30にて反射する。この際、本実施形態においては、視認孔121が六角星型を有しており、その6つの頂点が表面シート10の視認孔11の円周上に対向するように設けられている。そのため、視認孔121に対向する領域には、透過像取得領域131のみが存在し、反射像取得領域132は存在しない。これにより、反射像取得領域132においては、視認孔11のみを介して、視認する角度によって変化する反射像が視認できる。なお、視認孔121が六角星型を有していても、その6つの頂点が表面シート10の視認孔11の円周よりも外側に対向するように設けられていれば、視認孔121に対向する領域にも反射像取得領域132を存在させることができる。
【0084】
図10は、
図7及び
図8に示した商品タグ101によって生じる作用を説明するための図である。
【0085】
図7及び
図8に示した商品タグ1においては、表面シート10と裏面シート120との間にホログラムシート30が挟み込まれている。そして、表面シート10に形成された視認孔11と、裏面シート120に形成された視認孔121とを介してホログラムシート30が外部から視認可能となっている。また、ホログラムシート30としては、視認する角度によって状態が変化するように画像が立体的に視認できたり、視認する角度によって視認できる色が変化したりするものを用いることができる。
【0086】
そのため、
図10に示すように、視認方向Fから商品タグ101を視認した場合と、視認方向Gから商品タグ101を視認した場合とで、視認孔11を介して視認できる立体的画像の角度や、視認孔11を介して視認される色が変化する。これにより、商品タグ101が添付された商品が偽物ではないことを証明することができる。その際、表面シート10に形成された視認孔11や裏面シート120に形成された視認孔121を介してホログラムシート30を視認した場合に商品のブランドを示すロゴマークを立体的に視認できるような構成としてもよい。
【0087】
なお、裏面シート120においても、視認孔121を介してホログラムシート30が視認可能となっている。そのため、視認孔121を介して視認できる立体的画像の角度や、視認孔121を介して視認される色が変化することによっても、商品タグ101が添付された商品が偽物ではないことを証明することができる。
【0088】
また、
図9に示したように、視認孔11と視認孔121とが重なる透過像取得領域131においては、視認孔11,121を介して透過像が視認可能となる一方、視認孔11と視認孔121とが重ならない反射像取得領域132においては、視認孔11を介して反射像が視認可能となる。このように、視認孔11を介しての一部の領域では透過像が視認可能となり、その他の領域では反射像が視認可能となることによっても、商品タグ101が添付された商品が偽物ではないことを証明することができる。
【0089】
ここで、本実施形態においても、ホログラムシート30は、表面シート10と裏面シート120との間に挟み込まれており、表面シート10と裏面シート120とは、ホログラムシート30を介して剥離が困難に接着されている。そのため、ホログラムシート30を容易に取り出すことはできず、商品タグ101の偽造を防止できる。また、ホログラムシート30に微細なカット部等を形成しておけば、ホログラムシート30を取り出すためにホログラムシート30と表面シート10や裏面シート120とを強引に剥離した場合にホログラムシート30が破壊され、これによっても、商品タグ101の偽造を防止できる。
【0090】
このように本実施形態においても、ホログラムシート30が表面シート10と裏面シート120との間に挟み込まれていながらも、表面シート10に形成された視認孔11と裏面シート120に形成された視認孔121を介して外部から視認可能となっている。それにより、ホログラムシート30を外部から視認可能としながらも、容易に取り出すことができない構成となっており、簡易な構成で偽造を防止できる。
【0091】
また、本実施形態においては、裏面シート120に形成された視認孔121が、六角星型を有している。そのため、表面シート10に形成された視認孔11と、裏面シート120に形成された視認孔121との相対位置をずらすことなく、視認孔11と視認孔121とが厚み方向にて重なる領域と重ならない領域とを構成することができる。なお、本実施形態においては、表面シート10に形成された視認孔11が円形であって、裏面シート120に形成された視認孔121が六角星型である。しかしながら、表面シート10に形成された視認孔11と裏面シート120に形成された視認孔121とが、その形状と大きさとの少なくとも一方が異なるものとすれば、視認孔11と視認孔121との相対位置をずらすことなく、視認孔11と視認孔121とが厚み方向にて重なる領域と重ならない領域とを構成することができる。
【0092】
また、本実施形態においても、ホログラムシート30の少なくとも視認孔11,21を介して表出する領域に、レーザー光の照射によって変色する材料を予め練り込んでおくことで、レーザー光を照射した場合に変色させ、その変色を視認孔11,21を介して視認可能なものとしてもよい。
【0093】
また、本実施形態においても、本願発明のセキュリティシートとしては、本実施形態のようにホログラムのような細線パターンからなる光学機能層を用いることができる他、例えば微細な細線パターンからなる光学機能層を用いてもよい。その場合、細線として、0.1μm~10μmの線幅のものを用いることが考えられる。特に、このような線幅を用いて特殊な細線パターンを形成した場合、光の照射の有無に限らず、視認できない状態となる。しかしながら、特定の光を照射した場合は、特定の光学像を発現させることができる。例えば、視認孔11と視認孔121とが重なる領域においては、視認孔11側から特定の光を照射した場合、細線パターンによる反射光学像が視認孔11側で得られ、視認孔121側に、透過光学像が得られる。また、視認孔11と視認孔121とが重ならない領域においては、視認孔11側のみに、反射光学像が得られる。同様に、視認孔121側から特定の光を照射した場合、視認孔11と視認孔121とが重なる領域においては、反射光学像が視認孔121側で得られ、視認孔11側に透過光学像が得られる。さらに、視認孔11と視認孔121とが重ならない領域においては、視認孔121側のみに、反射光学像が得られる。このようにして光を照射した場合にのみ透過像や反射像を得ることができ、それにより、商品タグ1の偽造が防止される。この際、細線パターンは、金属を含んだ細線によって形成することが好ましい。金属としては、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウムが挙げられる。これらの中でも、銀または銅が好ましく、銅や酸化銅がより好ましい。
【0094】
ここで、特定の光とは、特定の光学像を発現させる光であれば、特に限定されるものではなく、レーザー光のような一定波長で位相が揃っている光学純度の高い光であると、光学像の光強度が強くなり、視認しやすくなるため好ましい。また、レーザー光などのスポット径を絞った光であると、視認孔11,121の面積を小さくでき、本発明のセキュリティタグ自体の偽造が困難となるので好ましい。さらに、特定の光を走査して、光学像を発現させても良い。
【0095】
また、特定の光学像とは、具体的には、回折像、細線パターンと所定のフィルタを重畳することによって生じる干渉縞、特定の光を走査して得られる細線パターンの周期に応じた明暗パターンなどが挙げられる。
【0096】
〈第3の実施形態〉
図11は、本発明のセキュリティタグの第3の実施形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示したH-H断面図、(c)は裏面図である。
【0097】
本実施形態は
図11に示すように、
図1及び
図2に示したものに対して、ホログラムシート30の一方の面に第一被覆層として表面シート10の代わりに印刷層210が積層され、ホログラムシート30の他方の面に第二被覆層として裏面シート20の代わりに印刷層220が積層されているとともに、RFIDタグ50を有さない商品タグ201である。
【0098】
印刷層210は、ホログラムシート30の一方の面に、本願発明にて第一開口部となる非塗布領域211を除く領域に印刷が施されることで積層されている。印刷層220は、ホログラムシート30の他方の面に、本願発明にて第二開口部となる非塗布領域221を除く領域に印刷が施されることで積層されている。印刷層210,220は、例えば、白色の背景に商品情報表示領域12及び価格情報表示領域13を有するように構成してもよいし、黒色等の一色のインクを用いて構成してもよい。また、非塗布領域211,221は、商品タグ201の厚み方向にてその一部が重なるように設けられている。また、ホログラムシート30のみにミシン目34が形成されている。
【0099】
上記のように構成された商品タグ201においても、非塗布領域211,221を介してホログラムシート30が視認可能となっていることで、商品タグ201が添付された商品が偽物ではないことを証明することができる。
【0100】
なお、上述した実施形態においては、商品情報表示領域12と価格情報表示領域13とを有する商品タグ1,101,201を例に挙げて説明した。しかしながら、商品情報表示領域12や価格情報表示領域13を有さず、商品のブランド名のみが表示された商品タグであってもよい。さらに、本発明のセキュリティタグは、商品タグに限らず、添付する物品等が偽物ではないことを証明するものであれば、様々なタグに適用することができる。
【符号の説明】
【0101】
1,101,201 商品タグ
2 商品
3 プラスチックワイヤー
10 表面シート
11,21,121 視認孔
12 商品情報表示領域
13 価格情報表示領域
14,34 ミシン目
15,33 取り付け孔
20,120 裏面シート
30,30a,30b ホログラムシート
31,131 透過像取得領域
32,132 反射像取得領域
40a,40b 接着層
50 RFIDタグ
51 ICチップ
52 アンテナ
52a,52b 導体部
53 ベース基材
210,220 印刷層
211,221 非塗布領域