(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007791
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車両用リフト取付け装置
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20250109BHJP
B60P 1/44 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
B62D25/20 J
B60P1/44 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109419
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】393011692
【氏名又は名称】和光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069992
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 政義
(72)【発明者】
【氏名】三浦 悠
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 哲也
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA12
3D203BB06
3D203BB07
3D203CA52
3D203CB09
3D203CB19
(57)【要約】
【課題】本発明は、凹陥部が構成される車両の車室フロア又は荷室フロアに車両用リフトを配備することを目的になされたものである。
【解決手段】車両の車室フロア又は荷室フロアにおいて、車両用リフトを配備する据付面部に形成される凹陥部には、該凹陥部の底面部と側面部に適合した形状に設けられる底面板部と、車室フロア又は荷室フロアに対応した形状の天面板部と、その間を所要間隔に支承する形状に形成される側面板部とから設けられる台座を、それらの底面板部を、前記凹陥部の底面部を構成する車殻に固着すると共にそれらの天面板部に車両用リフトを取付けるベース板を固着して配備してなる車両用リフト取付け装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室フロア又は荷室フロアにおいて、車両用リフトを配備する据付面部に形成される凹陥部には、該凹陥部の側面部と底面部に適合した形状に設けられる底面板部と、車室フロア又は荷室フロアに対応した形状の天面板部と、その間を所要間隔で支承する形状に形成される側面板部とから設けられる台座を、それらの底面板部を前記凹陥部の底面部を構成する車殻に固着すると共に、それらの天面板部に車両用リフトを取付けるベース板を固着して配備してなる車両用リフト取付け装置。
【請求項2】
車両の車室フロア又は荷室フロアにおいて、車両用リフトを配備する据付面部の左側部に形成される左側凹陥部と右側部に形成される右側凹陥部には、夫々の側面部と底面部に適合した形状に設けられる底面板部と、車室フロア又は荷室フロアに対応した形状の天面板部と、その上下間を所要間隔で支承する形状に形成される側面板部とから設けられる左側台座と右側台座を、それらの底面板部を前記左側凹陥部と右側凹陥部の底面部を夫々構成する車殻に固着すると共にそれらの天面板部に車両用リフトを取付けるベース板を固着して配備してなる車両用リフト取付け装置。
【請求項3】
前記左側台座の天面板部は、車両用リフトにおける左側駆動シリンダー機構部の底板部の底面形状と対応する形状に、右側台座の天面板部は、車両用リフトにおける右側駆動シリンダー機構部の右底板部の底面形状と対応する形状に夫々形成されると共に天面板部の裏面にベース板締結用溶接ナットが複数個所に夫々溶接されて配備され、かつ天面板部における表面には前記ベース板締結用溶接ナットのネジ孔に夫々連通するベース板締結用ボルトの挿通孔が夫々対応して開孔され、ベース板締結用ボルトをベース板取付け孔に挿通した後、天面板部の表面の挿通孔から前記ベース板締結用溶接ナットのネジ孔に螺合固着してなる請求項2の車両用リフト取付け装置。
【請求項4】
前記左側台座の底面板部の前端縁に一体に接続する方形面板が上方へ所要角度折曲されてその上端縁が前記天面板部の対応する前端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる前端側面板部が設けられ、前記左側台座の天面板部の後端縁から一体に接続する方形面板が下方へ所要角度折曲されてその下端面が前記底面板部の対応する後端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる後端側面板部が設けられ、前記右側台座の底面板部の前端縁に一体に接続する方形面板が上方へ所要角度折曲されてその上端縁が前記天面板部の対応する前端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる前端側面板部が設けられ、前記右側台座の天面板部の後端縁から一体に接続する方形面板が下方へ所要角度折曲されてその下端面が前記底面板部の対応する後端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる後端側面板部が設けられてなる請求項2の車両用リフト取付け装置。
【請求項5】
車室フロア又は荷室フロアにおいて、前記左側凹陥部の底面部を構成する車殻に前記左側台座の底面板部を固着する左側台座車殻取付け孔が配備され、前記右側凹陥部の底面部を構成する車殻に前記右側台座の底面板部を固着する右側台座車殻取付け孔が配備されてなる請求項2の車両用リフト取付け装置。
【請求項6】
前記左側台座の天面板部及び前記右側台座の天面板部において、ボルト兼ボルト締結工具用挿通孔が前記台座の底面板部に開孔された複数個所の台座取付け孔に夫々対応して複数個所に設けられてなる請求項2の車両用リフト取付け装置。
【請求項7】
車室フロア又は荷室フロアにおいて、前記左側凹陥部の底面部及び右側凹陥部の底面部を夫々構成する車殻の下面に前記左側台座及び右側台座を取付ける当て板として左側リテーナーと右側リテーナーが配備されてなる請求項2の車両用リフト取付け装置。
【請求項8】
前記左側リテーナーと右側リテーナーは、天板部と側板部とからなるL型の形状の部材により設けられ、前記天板部の下面に台座締結用ナットが前記台座の底面板部に開孔された複数個所の台座取付け孔に対応して複数個所に夫々溶着され、天板部の上面の複数個所に開孔する挿通孔に夫々連通して設けられてなる請求項7の車両用リフト取付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室フロア又は荷室フロアの凹陥部に対応する車両用リフト取付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の要望から車室レイアウトの多様化、複雑化に伴い、車両の低床化や、
図1及び
図2に示すように、車両の車室又は荷室のフロアが凹凸面になることが多く、車両用リフトの搭載が可能となる平坦面が減少している。
【0003】
特に、
図11に示すように搭載可能な範囲の平坦面に車両用リフトを搭載した場合、車両用リフトの有効幅が狭くなり、車載リフトとして製品の有効性が失われるものである。
【0004】
また、車両用リフトとして製品の有効性を得るために幅を広げた場合、
図12に示すように、車両用リフトが最も荷重を受けるアーム支持部となる左右側駆動シリンダー機構部の下に受け部が無いため、リフト取付け強度を確保できず、製品として成立しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-39841号公報
【特許文献2】特開2006-137352号公報
【特許文献3】特開2010-158970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の車両用リフト取付け装置は、車両の車室又は荷室の凹凸面のフロアに車両用リフトを配備することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車両の車室フロア又は荷室フロアにおいて、車両用リフトを配備する据付面部に形成される凹陥部には、該凹陥部の側面部と底面部に適合した形状に設けられる底面板部と、車室フロア又は荷室フロアに対応した形状の天面板部と、その間を所要間隔で支承する形状に形成される側面板部とから設けられる台座を、それらの底面板部を前記凹陥部の底面部を構成する車殻に固着すると共に、それらの天面板部に車両用リフトを取付けるベース板を固着して配備してなる車両用リフト取付け装置にある。
【0008】
車両の車室フロア又は荷室フロアにおいて、車両用リフトを配備する据付面部の左側部に形成される左側凹陥部と右側部に形成される右側凹陥部には、夫々の側面部と底面部に適合した形状に設けられる底面板部と、車室フロア又は荷室フロアに対応した形状の天面板部と、その上下間を所要間隔で支承する形状に形成される側面板部とから設けられる左側台座と右側台座を、それらの底面板部を前記左側凹陥部と右側凹陥部の底面部を夫々構成する車殻に固着すると共にそれらの天面板部に車両用リフトを取付けるベース板を固着して配備してなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【0009】
前記左側台座の天面板部は、車両用リフトにおける左側駆動シリンダー機構部の底板部の底面形状と対応する形状に、右側台座の天面板部は、車両用リフトにおける右側駆動シリンダー機構部の右底板部の底面形状と対応する形状に夫々形成されると共に天面板部の裏面にベース板締結用溶接ナットが複数個所に夫々溶接されて配備され、かつ天面板部における表面には前記ベース板締結用溶接ナットのネジ孔に夫々連通するベース板締結用ボルトの挿通孔が夫々対応して開孔され、ベース板締結用ボルトをベース板取付け孔に挿通した後、天面板部の表面の挿通孔から前記ベース板締結用溶接ナットのネジ孔に螺合固着してなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【0010】
前記左側台座の底面板部の前端縁に一体に接続する方形面板が上方へ所要角度折曲されてその上端縁が前記天面板部の対応する前端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる前端側面板部が設けられ、前記左側台座の天面板部の後端縁から一体に接続する方形面板が下方へ所要角度折曲されてその下端面が前記底面板部の対応する後端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる後端側面板部が設けられ、前記右側台座の底面板部の前端縁に一体に接続する方形面板が上方へ所要角度折曲されてその上端縁が前記天面板部の対応する前端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる前端側面板部が設けられ、前記右側台座の天面板部の後端縁から一体に接続する方形面板が下方へ所要角度折曲されてその下端面が前記底面板部の対応する後端縁に溶着接続されて側面板部の一部となる後端側面板部が設けられてなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【0011】
車室フロア又は荷室フロアにおいて、前記左側凹陥部の底面部を構成する車殻に前記左側台座の底面板部を固着する左側台座用車殻取付け孔が配備され、前記右側凹陥部の底面部を構成する車殻に前記右側台座の底面板部を固着する右側台座用車殻取付け孔が配備されてなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【0012】
前記左側台座の天面板部及び前記右側台座の天面板部において、ボルト兼ボルト締結工具用挿通孔が前記台座の底面板部に開孔された複数個所の台座取付け孔に夫々対応して複数個所に設けられてなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【0013】
車室フロア又は荷室フロアにおいて、前記左側凹陥部の底面部及び右側凹陥部の底面部を夫々構成する車殻に前記左側台座及び右側台座を取付ける当て板として左側リテーナーと右側リテーナーが配備されてなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【0014】
前記左側リテーナーと右側リテーナーは、天板部と側板部とからなるL型の形状の部材により設けられ、前記天板部の下面に台座締結用ナットが前記台座の底面板部に開孔された複数個所の台座取付け孔に対応して複数個所に夫々溶着され、天板部の上面の複数個所に開孔する挿通孔に夫々連通して設けられてなる車両用リフト取付け装置としてもよいものである。
【発明の効果】
【0015】
車両の車室フロア又は荷室フロアにおいて、フロア面に構成される凹陥部に台座を設置することで凹陥部の無い平坦な取付け面を確保することができ、車両用リフトを安定して設置できる。
【0016】
車両の車室フロア又は荷室フロアを構成する車殻に設けられる凹陥部に台座を収容し、それら対応部を締着して一体化した天面板部を車両用リフトの据付け面に配備できる。
【0017】
車両の車室フロア又は荷室フロアを構成する車殻に設けられる凹陥部に台座が収容される場合には、凹陥部の車殻底面部に台座の底面板部の下面を連接し、反対の凹陥部の車殻底面部の下方外面にリテーナーの天面板部を当て、リテーナーの天面板部の溶着ナットと台座の底面板部とに締付けボルトを差渡螺合して締結する構造から取付けが容易かつ堅牢である。
【0018】
車両の車室フロア又は荷室フロアの左側凹陥部と右側凹陥部に配置される左側台座と右側台座は、夫々の天面板部に車両用リフトを配備するベース板が取付けられて配備されるから、左側駆動シリンダー機構部と右側駆動シリンダー機構部が相互に位置ずれをおこすことがなく、動力を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】車両の荷室フロアに設けられた左側凹陥部に設ける左側台座用車殻取付け孔と、車両の荷室フロアの右側凹陥部に設ける右側台座用車殻取付け孔の実施例として夫々開孔した状態を示す本発明の車両用リフト取付け装置の部分斜視図である。
【
図3】同じく、荷室フロアの左側凹陥部に左側台座を車殻の下方外面に左側リテーナーを対応させ、荷室フロアの右側凹陥部に右側台座を車殻の下方外面に右側リテーナーを対応させて夫々配備する状態を示す本発明の車両用リフト取付け装置の部分斜視図である。
【
図4】同じく、荷室フロアの左側凹陥部に左側台座を車殻の下方外面に左側リテーナーを対応させ、荷室フロアの右側凹陥部に右側台座を車殻の下方外面に右側リテーナーを対応させて夫々を配備し、車両用リフトを左側台座と右側台座に本発明の車両用リフト取付け装置により取付けた状態の正面図である。
【
図6】左側台座単体の平面図で、その表面に表示されるX-X線は、その表面を前後にわたり左右2等分に分割する中心表示線である。
【
図7】同じく、左側台座を構成部材に分解した分解斜視図である。
【
図10】ベース板に取付けられる車両用リフトにおける左側駆動シリンダー機構部と右側駆動シリンダー機構部の位置と、左側台座と右側台座の取付け孔の位置を示す概略斜視図である。
【
図11】車両の荷室フロアの凹陥部を避けて配備可能な車両用リフトの積載幅を示す正面図である。
【
図12】車両リフトが最も荷重を受ける左右側駆動シリンダー機構部の下に車両の荷室フロアの凹陥部が対応することを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態は、図面に示す通り、車両2の荷室フロア2bにおいて、車両用リフト5を配備する据付面部2b1の左側部2b11に左側凹陥部3a、同じく車両用リフト5を配備する据付面部2b1の右側部2b12の右側凹陥部3bが夫々形成される場合に、前記左側凹陥部3aには左側台座4aが、前記右側凹陥部3bには右側台座4bが、夫々固着配備される。そして、左側台座4aと右側台座4bと荷室フロア2bの据付面部2b1に、車両用リフト5を取付けるベース板16が固着配備されてなる車両用リフト取付け装置1にある。
【0021】
前記左側台座4aは、前記左側凹陥部3aの左側底面部3a1に適合した形状の左側底面板部4a1と、前記左側凹陥部3aの左側側面部3a2に適合し、且つ荷室フロア2bの据付面部2b1と同一面の高さに形成される左側天面板部4a2とその間を所要間隔に支承する形状に形成される左側側面板部4a3が左側前端側面板部4a31と左側後端側面板部4a32と左側左側面板部4a33と左側右側傾斜面板部4a34を備える。
【0022】
前記右側台座4bは、前記左側台座4aと同様の構成に設けられる。
【0023】
前記左側台座4aは、その左側底面板部4a1を前記左側凹陥部3aの左側底面部3a1を構成する車殻2cに固着配備する。前記右側凹陥部3bについても右側台座4bを同様の構成で車殻2cに固着配備する。そして、左側台座4aの天面板部4a2と右側台座4bの天面板部4b2と荷室フロア2bに、車両用リフト5を取付けるベース板16が固着配備される。
【0024】
前記左側台座4aの左側天板部4a2は、車両用リフト5における左側駆動シリンダー機構部6aの左底板部6a1の底面形状と対応する形状に形成され、該左側天面板部4a2における裏面には、
図6に示す通り、ベース板左側締結用溶接ナット7aが複数個所に夫々溶接されて配備され、該左側天面板部4a2における表面には前記ベース板締結用溶接ナット7aのネジ孔に夫々連通するベース板左側締結用ボルト挿通孔8aが複数個所に夫々対応して開孔される。
【0025】
車両用リフト5を取付けるベース板16の左側部16aには、前記左側天面板部4a2のベース板左側締結用ボルト挿通孔8aに対応して左側取付け孔17aが開孔され、それらにベース板左側締結用ボルト9aが挿通して前記ベース板左側締結用溶接ナット7aのネジ孔に夫々螺合固着してなるものである。
【0026】
前記右側台座4bの右側天面板部4b2も、前記左側台座4aの左側天面板部4a2と同様の構成に設けられ、ベース板16の右側部16bに螺合固着してなるものである。
【0027】
図7に示すように、前記左側台座4aの左側底面板部4a1の左側前端面部4a11から一体に接続する左側前端側面板部用方形面板4a111が上方へ90度折曲されてその上端縁4a1111が前記左側天面板部4a2の前端縁4a21の下面に溶着接続されて前記左側前端側面板部4a31が設けられる。
【0028】
前記左側台座4aの左側天面板部4a2の後端縁4a22から一体に接続する左側後端側面板部用方形面板4a221が下方へ90度折曲されて垂直に降下し、その下端縁4a2211が左側底面板部4a1の後端縁4a12より内側に溶着されて前記左側後端側面板部4a32が設けられる。
【0029】
前記左側台座4aの左側底面板部4a1の左側縁4a13から一体に接続する左側左側面板部用方形面板4a131が上方へ90度折曲されて垂直に立ち上がり、その上端縁4a1311が前記左側天面板部4a2の対応する左側縁4a23に溶着接続されて前記左側側面板部4a3の一部となる前記左側左側面板部4a33が設けられる。
【0030】
前記左側台座4aの左側底面板部4a1の右側縁4a14から上方へ所要の傾斜角をもって左側右側傾斜面板部用方形面板4a141が立ち上がり、その上端縁4a1411が前記左側天面板部4a2の対応する右側縁4a24に溶着接続されて前記左側側面板部4a3の一部となる前記左側右側傾斜面板部4a34が設けられる。
【0031】
前記右側台座4bの右側底面板部4b1も同様の構成で右側側面板部4b3の一部となる右側前端面板部、右側後端面板部、右側右側面板部及び右側左側傾斜面板部が夫々設けられる。
【0032】
荷室フロア2bにおいて、前記左側凹陥部3aの左側底面部3a1を構成する車両2の車殻2cに左側台座用車殻取付け孔2c1が前記左側台座4aの左側底面板部4a1に配備された左側台座取付け孔11aと対応して複数個所に開孔される。
【0033】
荷室フロア2bにおいて、前記右側凹陥部3bの右側底面部3b1を構成する車両2の車殻2cに右側台座用車殻取付け孔2c2が前記右側台座4bの右側底面板部4b1に配備された右側台座取付け孔11bと対応して複数個所に開孔される。
【0034】
前記左側台座4aの左側天面板部4a2において、ボルト兼ボルト締結工具用左側台座挿通孔10aが前記左側台座4aの左側底面板部4a1に開孔された複数個所の左側台座取付け孔11aに夫々対応して複数個所に設けられる。
【0035】
前記右側台座4bの右側天面板部4b2において、ボルト兼ボルト締結工具用右側台座挿通孔10bが前記右側台座4bの右側底面板部4b1に開孔された複数個所の右側台座取付け孔11bに夫々対応して複数個所に設けられる。
【0036】
荷室フロア2bにおいて、前記左側凹陥部3aの左側底面部3a1を構成する車殻2cの下面に前記左側台座4aを取付ける当て板として左側リテーナー12aが配備される。
【0037】
荷室フロア2bにおいて、前記右側凹陥部3bの右側底面部3b1を構成する車殻2cの下面に前記右側台座4bを取付ける当て板として右側リテーナー12bが配備される。
【0038】
前記左側リテーナー12aは、左側リテーナー天板部12a1と左側リテーナー側板部12a2とからなるL型の形状の部材により設けられ、前記左側リテーナー天板部12a1の下面に左側台座締結用溶接ナット13aが前記左側台座4aの左側底面板部4a1に開孔された複数個所の左側台座取付け孔11aに対応して複数個所に夫々溶着され、左側リテーナー天板部12a1の上面の複数個所に開孔する左側リテーナー天板部挿通孔15aに夫々連通して設けられる。
【0039】
前記右側リテーナー12bも前記左側リテーナー12aと同様に右側リテーナー天板部12b1と右側リテーナー側板部12b2とからなるL型の形状の部材により設けられ、前記右側リテーナー天板部12b1の下面に右側台座締結用溶接ナット13bが前記右側台座4bの右側底面板部4b1に開孔された複数個所の右側台座取付け孔11bに対応して複数個所に夫々溶着され、右側リテーナー天板部12b1の上面の複数個所に開孔する右側リテーナー天板部挿通孔15bに夫々連通して設けられる。
【実施例0040】
以下、本発明の車両用リフト取付け装置1について、荷室フロア2bに配備するその実施例の図面により詳細に説明する。
【0041】
本発明の車両用リフト取付け装置1では、前後とは車両用リフト1のプラットホーム1bの繰出方向を前方、格納方向を後方といい、左右とは前記前方から後方を見たときに、その右手を右側、左手を左側というものとする。
【0042】
前記実施例の車両用リフト取付け装置1が配備される車両2の荷室フロア2bの車両用リフトの据付面部2b1において、例えば、
図1、
図2及び
図3に示すように、荷室フロア2bの据付面部2b1の配備で説明すると、据付面部2b1の左側部2b11に左側凹陥部3aが、据付面部2b1の右側部2b12に右側凹陥部3bが夫々形成されている場合に、前記左側凹陥部3aに左側台座4aを、前記右側凹陥部3bに右側台座4bを夫々配備する。
【0043】
前記据付面部2b1において、左側台座4aの左側天面板部4a2と右側台座4bの右側天面板部4b2の間の夫々の中央部を含み左右に低い個所がある場合には、それら低い個所に夫々調整板18を配置する。
【0044】
前記左側台座4aは、前記左側凹陥部3aの底面部を構成する車両2の車殻2cに固着する左側底面板部4a1と、荷室フロア2bの中央部2b13と同一面の据付面に構成する左側天面板部4a2と、その間を離隔して一定高さに維持する前後の端面部と左右の左側側面板部4a3から設けられる。なお、前記左側天面板部4a2の前端縁4a21を前方に延長して、その下面に左側前端補強板部4a4を付設してもよいものである。
【0045】
前記右側台座4bにおいても、前記右側凹陥部3bの底面部を構成する車両2の車殻2cに固着する右側底面板部4b1と、荷室フロア2bの中央部2b13と同一面の据付面に構成する右側天面板部4b2と、その間を離隔して一定高さに維持する前後左右の側面板部4b3から設けられる。なお、右側天面板部4b2の前端を前方に延長して、その下面に右側前端補強板部4b4を付設してもよいものである。
【0046】
前記左側台座4aの左側天面板部4a2は、車両用リフト5における左側駆動シリンダー機構部6aの左底板部6a1の底面形状と対応する形状に形成され、その左側天面板部4a2の後端縁4a22から左方形板が下方へ90度折曲されて左側側面板部4a3の一部分を構成する左側後端側面板部4a32が設けられる。
【0047】
前記左側天面板部4a2における前端縁4a21寄りで、かつ内側裏面の左側縁4a23寄りにベース板左側締結用溶接ナット7aの第1が、同後端縁4a22寄りで、かつ内側裏面の左側縁4a23寄りにベース板締結用左側台座溶接ナット7aの第2が、同後端縁4a22寄りで、かつ裏面の右側縁4a24寄りにベース板締結用左側台座溶接ナット7aの第3が夫々溶接されて配備され、夫々の溶接ナット7aのネジ孔に夫々連通するベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第1、ベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第2及びベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第3が表面に開孔される。
【0048】
車両用リフト5を配備するベース板16の左側部16aにおいて、前記左側台座4aの左側天面板部4a2のベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第1、ベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第2及びベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第3に夫々対応してベース板左側取付け孔17aの第1、ベース板左側取付け孔17aの第2及びベース板左側取付け孔17aの第3が夫々開孔される。
【0049】
前記ベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第1、第2及び第3と同様に、車両用リフト5を配備するベース板16の右側部16bにおいて、前記右側台座4bの右側天面板部4b2にベース板右側締結用ボルト挿通孔8bの第1、第2及び第3が開孔され、それらの夫々対応してベース板16の右側部16bにベース板右側取付け孔17bの第1、第2及び第3が夫々開孔される。
【0050】
前記ベース板16の左側部16aのベース板左側取付け孔17aの第1にベース板左側締結用ボルト9aの第1を、ベース板左側取付け孔17aの第2にベース板左側締結用ボルト9aの第2を、ベース板左側取付け孔17aの第3にベース板左側締結用ボルト9aの第3を夫々挿通し、次に、前記左側天面板部4a2における前記ベース板左側締結用ボルト挿通孔8aの第1、第2及び第3、夫々対応するベース板左側締結用ボルト9aの第1、第2及び第3を夫々挿通して、ベース板左側締結用溶接ナット7aの第1のネジ孔、同第2のネジ孔及び同第3のネジ孔に夫々螺合してなるものである。
【0051】
前記左側底面板部4a1には、
図6に示すX-X線に沿って左側台座取付け孔11aの第1、左側台座取付け孔11aの第2及び左側台座取付け孔11aの第3が夫々開孔されている。そして、前記左側天面板部4a2には、前記左側底面板部4a1に開孔された左側台座取付け孔11aの第1、左側台座取付け11aの第2及び左側台座取付け孔11aの第3の各中心の垂線と一致する中心垂線を有するボルト兼ボルト締結工具用左側台座挿通孔10aの第1、第2及第3が夫々設けられる。
【0052】
前記左側底面板部4a1の左側前端縁部4a11から左側前端側面板部用方形面板4a111が上方へ90度折曲されて垂直に立ち上がり、その上端縁4a1111が前記左側天面板部4a2の前端縁4a21より前記左側前端補強板部4a4の巾分だけ後方側の前端部の下面に溶着接続されて左側前端面部4a11が設けられるものとしてもよいものである。
【0053】
前記左側前端補強板部4a4は、コ字枠体から設けられ、方形面の左側前端補強天面板部4a41を前記左側天面板部4a2の前端部の裏面に配備され、かつその左側前端補強天面板部4a41と左側前端補強左側面板部4a42と左側前端補強右側面板部4a43の夫々の後端面を夫々溶着接続される。
【0054】
前記右側台座4bの実施例は、左側台座4aと左右が対象形の同一構造に設けられものである。
【0055】
車両2の荷室フロア2bにおける据付面部2b1において、据付面部2b1を構成する車殻2cに前記左側台座4aと右側台座4bを取付ける当て板として横断面がL型で左右の形状が左右対称型の左側リテーナー12aと右側リテーナー12bが配備される。
【0056】
左側リテーナー12aを
図10に示す実施例により説明すると、所要のL型材を所要長さに裁断して、左側リテーナー天板部12a1とリテーナー側板部12a2とからなる部材から設けられる。
【0057】
前記左側リテーナー天板部12a1には、前記左側台座4aの左側底面板部4a1に開孔された左側台座取付け孔11aの第1、第2及び第3に対応して、左側リテーナー天板部12a1の前端部の下面に左側台座締結用溶接ナット13aの第1が、左側リテーナー天板部12a1の後端部寄り中間部の下面に左側台座締結用溶接ナット13aの第2が、左側リテーナー天板部12a1の後端部の下面に左側台座締結用溶接ナット13aの第3が夫々溶着される。
【0058】
前記左側リテーナー12aの左側リテーナー天板部12a1の上面には、左側台座締結用溶接ナット13aの第1のネジ孔に連通する左側リテーナー天板部挿通孔15aの第1が、前記左側台座締結用溶接ナット13aの第2のネジ孔に連通する左側リテーナー天板部挿通孔15aの第2が、前記左側台座締結用溶接ナット13aの第3のネジ孔に連通する左側リテーナー天板部挿通孔15aの第3が夫々設けられている。
【0059】
前記右側リテーナー12bは、前記左側リテーナー12aの実施例と対称の形状、同一構造に設けられる。
【0060】
車両2の荷室フロア2bの左側凹陥部3aへの左側台座4aの取付けは、荷室フロア2bの左側台座4aの左側天面板部4a2のボルト兼ボルト締結工具用左側台座挿通孔10aの第1、ボルト兼ボルト締結工具用左側台座挿通孔10aの第2及びボルト兼ボルト締結工具用左側台座挿通孔10aの第3から工具を通し、左側台座締結用ボルト14aの第 1、左側台座締結用ボルト14aの第2及び左側台座締結用ボルト14aの第3を、前記左側台座4aの左側底面板の左側台座取付け孔11aの第1、左側台座取付け孔11aの第2及び左側台座取付け孔11aの第3に夫々挿通し、左側底面板部4a1の下面に連接する車殻2cの左側台座用車殻取付け孔2c1の第1、同左側台座用車殻取付け孔2c1の第2及び同左側台座用車殻取付け孔2c1の第3に、夫々を通過させ、車両2の車殻2cの下面に連接配備した左側リテーナー12aの左側リテーナー天板部挿通孔15aの第1、左側リテーナー天板部挿通孔15aの第2及び左側リテーナー天板部挿通孔15aの第3に夫々の先端より挿通し、左側台座締結用溶接ナット13aの第1のネジ孔、左側台座締結用溶接ナット13aの第2のネジ孔及び左側台座締結用溶接ナット13aの第3のネジ孔に、左側台座締結用ボルト14aの第1、同第2及び同第3を夫々螺合締着して左側台座4aの左側底面板部4a1を車両2の車殻2cに固着してなるのである。
【0061】
車両2の荷室フロア2bの右側凹陥部3bへの右側台座4bの取付けについて、前記左側台座4aと同様の構成により右側台座締結用ボルト14bを用いて車殻2cに固着してなるものである。
【0062】
本発明の車両用リフト取付け装置1について、前記のように車両2の荷室フロア2bに配備する配備構造の実施例を説明したが、車両2の車室フロア2aにおいても、他の実施例として、車両2の一側面をプラットホームの出入口とする車両用リフトを荷室フロア2bに配備する配備構造と同一の構造で配備できるものである。
従来、車室フロア又は荷室フロアにおけるレイアウトの関係から、また、車体の強度を上げる目的で凹凸と凹陥部が形成されるが、本発明では、重量物のある車両用リフトを設置するための車据付部材の収容部として活用されるので、欠点を招くことにならず、車両の補強部材としての効果もあるものである。
車室フロア又は荷室フロアの左側凹陥部に左側台座を、右側凹陥部に右側台座を夫々設置することにより車両用リフトの据付巾まで拡張することができるから、従来と同じフラット巾で車両用リフトの設置が可能となったものある。