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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007797
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】毛髪洗浄料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20250109BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20250109BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20250109BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20250109BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q5/02
A61K8/46
A61K8/39
A61K8/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109429
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】595082283
【氏名又は名称】株式会社アリミノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西垣 祥子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC621
4C083AC622
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD351
4C083AD352
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB34
4C083BB53
4C083CC38
4C083EE05
4C083EE21
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】毛髪洗浄料としての使用感に優れ、その後に使用するトリートメントの効果への悪影響が小さく、また、染毛した毛髪に使用した際の退色が少ない毛髪洗浄料を提供する。
【解決手段】アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)0.1~5質量%と、アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)と、アニオン性界面活性剤(B)とを含み、前記(A1)と(A2)との質量比(A1)/(A2)が1~9であり、前記(A1)と(A2)と(B)との合計が7~25質量%である、毛髪洗浄料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)0.1~5質量%と、
アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)と、
アニオン性界面活性剤(B)とを含み、
前記(A1)と(A2)との質量比(A1)/(A2)が1~9であり、
前記(A1)と(A2)と(B)との合計が7~25質量%である、毛髪洗浄料。
【請求項2】
前記(A1)と(A2)との合計と、前記(B)との質量比((A1)+(A2))/(B)が1/10~1である、請求項1に記載の毛髪洗浄料。
【請求項3】
さらに、カチオン化ポリマー及びシリコーン油からなる群から選ばれる1種以上の成分(C)を含む、請求項1又は2に記載の毛髪洗浄料。
【請求項4】
前記(A1)がβ-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムである、請求項1又は2に記載の毛髪洗浄料。
【請求項5】
前記(A2)がアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤である、請求項1又は2に記載の毛髪洗浄料。
【請求項6】
前記(B)がN-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の毛髪洗浄料。
【請求項7】
前記成分(C)を0.05~1.0質量%含む、請求項3に記載の毛髪洗浄料。
【請求項8】
前記成分(C)がカチオン化セルロース及びカチオン化グアーガムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項3に記載の毛髪洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、染毛は白髪を隠す目的やファッションとして広く一般的に行われている。染毛剤利用者の要望としては、染毛直後の色を長持ちさせたいというものが強い。特に近年ではハイトーンの鮮やかなヘアカラーが好まれるが、このようなヘアカラー後の毛髪は退色しやすいという欠点があるため、染毛剤には色持ちの良さが求められている。
染毛後の毛髪の退色は洗浄に起因するところが大きいため、退色の少ない毛髪洗浄料について、以前から技術的検討が行われている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-252733号公報
【特許文献2】特開2020-97545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、退色の少ない毛髪洗浄料は、泡立ちが悪い等、使用感が満足できないものであったり、その後に使用するトリートメントに悪影響を与えるなどの欠点があり、毛髪洗浄料としての使用感、トリートメントへの悪影響の少なさ、及び退色の少なさの全てを満たす毛髪洗浄料は市場に少ない。
そこで、本発明は、毛髪洗浄料としての使用感に優れ、その後に使用するトリートメントの効果への悪影響が小さく、また、染毛した毛髪に使用した際の退色が少ない毛髪洗浄料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の〔1〕~〔8〕に関する。
〔1〕 アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)0.1~5質量%と、
アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)と、
アニオン性界面活性剤(B)とを含み、
前記(A1)と(A2)との質量比(A1)/(A2)が1~9であり、
前記(A1)と(A2)と(B)との合計が7~25質量%である、毛髪洗浄料。
〔2〕 前記(A1)と(A2)との合計と、前記(B)との質量比((A1)+(A2))/(B)が1/10~1である、〔1〕に記載の毛髪洗浄料。
〔3〕 さらに、カチオン化ポリマー及びシリコーン油からなる群から選ばれる1種以上の成分(C)を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の毛髪洗浄料。
〔4〕 前記(A1)がβ-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の毛髪洗浄料。
〔5〕 前記(A2)がアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の毛髪洗浄料。
〔6〕 前記(B)がN-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の毛髪洗浄料。
〔7〕 前記成分(C)を0.05~1.0質量%含む、〔3〕に記載の毛髪洗浄料。
〔8〕 前記成分(C)がカチオン化セルロース及びカチオン化グアーガムからなる群から選ばれる1種以上である、〔3〕又は〔4〕に記載の毛髪洗浄料。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、毛髪洗浄料としての使用感に優れ、その後に使用するトリートメントの効果への悪影響が小さく、また、染毛した毛髪に使用した際の退色が少ない毛髪洗浄料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に本発明について具体的に説明する。
数値範囲に関する「A~B」との記載は、特に断りがなければ、A以上B以下であることを意味する。また、%とは質量%を意味する。
【0008】
<毛髪洗浄料>
本発明の毛髪洗浄料は、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)0.1~5質量%と、アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)と、アニオン性界面活性剤(B)とを含み、前記(A1)と(A2)との質量比(A1)/(A2)が1~9であり、前記(A1)と(A2)と(B)との合計が7~25質量%である。
【0009】
<アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)>
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)(以下、成分(A1)ともいう)は、下記一般式(1)で表されるアミノプロピオン酸型両性界面活性剤である。
R-NHCH2CH2COOM1 ・・・式(1)
(但し、式中、Rは炭素数6~20のアルキル基を表し、M1は水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子又はトリエタノールアミンを表す。)
【0010】
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)としては、例えば、β-ヘキシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-へプチルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソオクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-2-エチルヘキシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ノニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソノニルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-デシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ウンデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム(β-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム)、β-ラウリルアミノプロピオン酸カリウム(β-ドデシルアミノプロピオン酸カリウム)、β-ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン(β-ドデシルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン)、β-ヤシ油アルキルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ヤシ油アルキルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β-イソドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-トリデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-テトラデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソテトラデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ヘキサデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソヘキサデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-イソステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ノナデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-エイコシルアミノプロピオン酸ナトリウムが挙げられる。
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)は、入手しやすく泡立ちが良いことから、好ましくはβ-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、β-ラウリルアミノプロピオン酸カリウム、β-ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンであり、より好ましくはβ-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムである。
【0011】
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)は、市販品を使用することができ、市販品としては、例えば三洋化成工業株式会社製のピウセリアAMCなどが挙げられる。
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明の毛髪洗浄料は、毛髪洗浄料100質量%中に、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)を0.1~5質量%含み、好ましくは0.3~4質量%、より好ましくは0.9~3.2質量%含む。
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)の含有量が前記範囲内であると、染毛した毛髪に使用した際に退色しにくく、また泡立ちも良くなりやすい。アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)の含有量が前記下限量より少ないと、洗浄時、すすぎ時、すすぎ後の使用感が不充分であり、また、染毛した毛髪に使用した際に退色しやすく、前記上限量より多いと、泡切れが遅く、その後に使用するトリートメントの効果への悪影響も見られ、また、退色もしやすい。
【0013】
<アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)>
アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)(以下、成分(A2)ともいう)は、成分(A1)以外の両性界面活性剤である。すなわち、成分(A2)は、両性界面活性剤からアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(A1)を除いたものである。
【0014】
アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)は、成分(A1)以外の両性界面活性剤であれば特に限定されず、例えば、アルキルベタイン型界面活性剤、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、カルボキシベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、ヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ホスホベタイン型両性界面活性剤、アミノカルボン酸塩型両性界面活性剤、アミドアミン型両性界面活性剤が挙げられる。
アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0015】
アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、イソステアリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油アルキル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
カルボキシベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルヒドロキシスルホベタインがあげられる。
【0016】
アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)は、泡質や洗い流し時の指通りの観点から、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、カルボキシベタイン型両性界面活性剤、及びヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤が好ましく、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤がより好ましく、ラウリン酸アミドプロピルベタイン及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインがさらに好ましい。
【0017】
本発明の毛髪洗浄料は、毛髪洗浄料100質量%中に、アミノプロピオン酸型以外の両性界面活性剤(A2)を好ましくは0.015~5質量%、より好ましくは0.5~4.2質量%含む。
【0018】
<アニオン性界面活性剤(B)>
アニオン性界面活性剤(B)(以下、成分(B)ともいう)は、アニオン性の界面活性剤であれば特に限定されず、例えば、脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルケニルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アシルイセチオン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、スルホ脂肪酸メチルエステル塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、モノアシルグリセリン硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸又はその塩等が挙げられる。
【0019】
すすぎ時及びすすぎ後の毛髪の柔らかさの観点から、アニオン性界面活性剤(B)は、好ましくは、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上である。
【0020】
N-アシルアミノ酸塩におけるアミノ酸残基としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸などの酸性アミノ酸、グリシン、アラニン、スレオニン、メチルアラニン、サルコシン(N-メチルグリシン)などの中性アミノ酸、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸等が挙げられる。
これらのうち、速泡性、泡のキメの観点から、アミノ酸残基としては、酸性アミノ酸又は中性アミノ酸が好ましく、N-アシルアミノ酸塩としては、N-アシルアラニン塩であることが好ましい。
N-アシルアミノ酸塩における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アルキルアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
【0021】
N-アシルメチルタウリン塩としては、例えば、N-ココイルタウリンナトリウム、N-ココイル-N-メチルタウリンナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸-N-メチルタウリンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸-N-メチルタウリントリエタノールアミン、N-パーム油脂肪酸-N-エチルタウリントリエタノールアミン、N-ココイルタウリンマグネシウム、N-ココイル-N-メチルタウリンマグネシウム、N-ラウロイル-N-タウリンマグネシウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリンマグネシウム、N-ヤシ油脂肪酸-N-メチルタウリンマグネシウム等が挙げられる。
N-アシルメチルタウリン塩における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アルキルアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
速泡性、泡のキメの観点から、N-アシルメチルタウリン塩としては、N-ヤシ油脂肪酸-N-メチルタウリンナトリウムが好ましい。
【0022】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、泡立ちと泡質が良好になることから、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレンパルミチルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選択される1種又は2種であることがより好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩であることがさらに好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウムであることが特に好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸におけるカルボン酸は特に限定されないが、酢酸が好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アルキルアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
【0023】
アニオン性界面活性剤(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
泡の弾力感及び泡持ちの観点から、アニオン性界面活性剤(B)は、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選択される2種以上を併用することが好ましい。
【0024】
本発明の毛髪洗浄料は、毛髪洗浄料100質量%中に、アニオン性界面活性剤(B)を1~23質量%、より好ましくは4~20質量%、さらに好ましくは5~16質量%含む。
【0025】
本発明の毛髪洗浄料における、成分(A1)と成分(A2)との質量比(A1)/(A2)は1~9であり、好ましくは1~5、より好ましくは1~2である。
(A1)/(A2)が前記範囲内であると、泡立ちに優れ、染毛した毛髪に使用した際に退色しにくい。(A1)/(A2)が前記下限量より少ないと、泡立ちや泡持ち、すすぎ時の毛髪のさっぱり感に劣り、トリートメントの効果への悪影響も見られやすく、前記上限量より多いとすすぎ時の毛髪の指通りや柔らかさに劣り、また、染毛した毛髪に使用した際に退色しやすい。
【0026】
本発明の毛髪洗浄料における、成分(A1)と成分(A2)と成分(B)との含有量の合計は7~25質量%であり、好ましくは10~20質量%、より好ましくは12.5~17.5質量%である。
成分(A1)と成分(A2)と成分(B)との含有量の合計が前記範囲内であると、すすぎ時の毛髪のさっぱり感に優れ、トリートメントの効果への悪影響も出にくい。成分(A1)と成分(A2)と成分(B)との含有量の合計が前記下限量より少ないと、泡立ちや泡持ち、すすぎ時の毛髪のさっぱり感等に劣り、また、泡切れが遅くなりやすく、前記上限量より多いと洗浄時の指通りや毛髪の柔らかさ等が劣り、トリートメントの効果への悪影響も出やすい。
【0027】
本発明の毛髪洗浄料における、成分(A1)と成分(A2)との含有量の合計と、成分(B)の含有量との質量比((A1)+(A2))/(B)は、好ましくは1/10~1であり、より好ましくは1/5~1/2、さらに好ましくは1/4~1/3である。
((A1)+(A2))/(B)が前記範囲内であると、泡切れが速く、また剤の透明性が高くなりやすい。
【0028】
成分(A2)がアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤であり、かつ、成分(B)がN-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上であると、本発明の毛髪洗浄料は、低刺激性を保ちながらも、泡立ちや泡持ちが良く、洗浄後のさっぱり感が得られやすいため、好ましい。
【0029】
<カチオン化ポリマー及びシリコーン油からなる群から選ばれる1種以上の成分(C)>
本発明の毛髪洗浄料は、成分(A1)、成分(A2)、及び成分(B)に加えて、さらにカチオン化ポリマー及びシリコーン油からなる群から選ばれる1種以上の成分(C)(以下、単に成分(C)ともいう)を含むことが好ましい。
本発明の毛髪洗浄料が成分(C)を含むと、すすぎ時及びすすぎ後の指通りに優れる傾向にある。
【0030】
カチオン化ポリマーとしては、例えば、カチオン化セルロース(塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなど)、カチオン化デンプン、カチオン化キサンタンガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガムなどが挙げられる。
カチオン化ポリマーは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0031】
シリコーン油としては、例えば、アモジメチコン、アミノエチルアミノプロピルジメチコン、アミノプロピルジメチコン等のアミノ変性オルガノポリシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アクリルシリコーン等のシリコーン化合物が挙げられる。
シリコーン油は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0032】
泡立ち及び洗浄時のきしみ改善効果に優れることから、成分(C)は、好ましくは、カチオン化セルロース及びカチオン化グアーガムからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはカチオン化セルロースである。
【0033】
本発明の毛髪洗浄料における成分(C)の含有量は、毛髪洗浄料としての使用感及びトリートメントの効果への悪影響の観点から、毛髪洗浄料100質量%中に、好ましくは0.05~1.0質量%、より好ましくは0.1~0.8質量%、さらに好ましくは0.3~0.6質量%である。
【0034】
成分(B)がN-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上であり、かつ、成分(C)がカチオン化セルロースであると、本発明の毛髪洗浄料は、低刺激性を保ちながらも泡立ちや泡持ちが良く、また、洗浄中や洗浄後の指通りが良く、洗浄後のさっぱり感も得られやすいため好ましい。
【0035】
<その他の成分>
本発明の毛髪洗浄料は、通常、水を含む。水の含有量は特に限定されず、水以外の成分の種類又は量、使用目的等に応じて、適宜調整して用いることができる。水として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水及び天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
【0036】
本発明の毛髪洗浄料は、ノニオン性増粘剤を含んでもよい。ノニオン性増粘剤は、ノニオン性の増粘剤であれば特に限定されず、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース系ノニオン性増粘剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、(VP/VA)コポリマー(酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体)等のポリビニル系ノニオン性増粘剤;高重合ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(PEG-240/デシルテトレデセス-20/HDI)コポリマー、ベヘン酸グリセリル・オクタステアリン酸ポリグリセリル-6等のポリエチレングリコール系ノニオン性増粘剤;アルキルアルカノール型ノニオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド型ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性増粘剤は、好ましくはポリエチレングリコール系ノニオン性増粘剤であり、より好ましくはジステアリン酸ポリエチレングリコールである。
ノニオン性増粘剤の含有量は特に限定されず、ノニオン性増粘剤の種類又は量、使用目的等に応じて、適宜調整して用いることができる。
【0037】
本発明の毛髪洗浄料は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分以外に任意の成分を含有することができる。
任意の成分としては、例えば、保湿剤、生薬類、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、帯電防止剤、ビタミン類、タンパク質、香料、抗菌剤、乳化安定剤、界面活性剤(但し、成分(A1)、成分(A2)、及び成分(B)を除く)、pH調整剤、高級アルコール、シリコーン類(但し、成分(C)を除く)、油剤、溶剤、及び色素が挙げられる。
任意の成分として、より具体的には、防腐剤としてフェノキシエタノール、アルキルパラベン等;pH調整剤として、乳酸及びその塩、クエン酸及びその塩等を用いることができる。
【0038】
<製造方法>
本発明の毛髪洗浄料は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法は各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
【0039】
<剤型>
本発明の毛髪洗浄料の性状は特に限定されないが、例えば、液状、粘性液体状、ミルク状、クリーム状などが挙げられ、手に取ったときに垂れにくく、毛髪に均一に塗布しやすいことから、粘性液体状が好ましい。
本発明の毛髪洗浄料の粘度は特に限定されないが、手に取ったときに垂れにくく、毛髪に均一に塗布しやすいことから、25℃においてB型粘度計、3号ローター、12回転、30秒で測定した粘度が500~5000であることが好ましい。
本発明の毛髪洗浄料のpHは特に限定されないが、皮膚への刺激性が低いことから、25℃におけるpHが4.0~7.0であることが好ましい。pHの測定方法は特に限定されず、一般的なpHの測定方法(例えばガラス電極法)を用いて、適切な測定条件において測定すればよい。
【0040】
本発明の毛髪洗浄料の外観は、例えば、透明又は不透明な外観が挙げられる。経時的な安定性の維持が可能であることから、本発明の毛髪洗浄料の外観は、透明な外観であることが好ましい。具体的には、下記測定方法により測定した波長580nmにおける透過率が1%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
(測定方法)
調製した毛髪洗浄料を光路長10mm、光路幅4mmのポリスチレン製セルに入れ、分光光度計を用い、波長580nmにおける透過率を測定する。
【0041】
<使用方法>
本発明の毛髪洗浄料は、毛髪に塗布し、任意で泡立てて使用することができる。
本発明の毛髪洗浄料は、乾燥している状態の毛髪にも、濡れている状態の毛髪にも使用することができるが、濡れている状態の毛髪に塗布して使用することが好ましい。
本発明の毛髪洗浄料は、染毛後の毛髪に使用することが好ましく、酸化染毛剤で染毛した後の毛髪に使用することがより好ましい。
本発明の毛髪洗浄料は、用途について特に限定はないが、シャンプー(リンスインシャンプーを含む)として用いることが好ましく、洗い流すシャンプーとして用いることがより好ましい。
【実施例0042】
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1~56、比較例1~9>
表1に記載の市販品を使用して、表2~表7に示す処方で各成分を混合することにより毛髪洗浄料を製造し、官能評価の試料とした。なお、表2~表7の処方の数値は、毛髪洗浄料を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
【0043】
【表1】
【0044】
<評価項目(1)~(3)に関する退色評価試験方法>
工程1.毛束の染色
1剤(アジアンカラーフェス 6PINK アリミノ社製)と2剤(アジアンカラーフェスOX 2.8% アリミノ社製)を1対1で混合した酸化染毛剤を毛束(ビューラックス社製 BR-3-A、10cm 1g)1本につき5g塗布し、30分放置後に40℃の流水で1分間洗浄後、ドライヤーにて乾燥した。
【0045】
工程2.洗浄剤を用いた染色毛束の洗浄
工程1で染色した毛束1本を40℃の流水で濡らした後、毛束1本に対し試料0.5gを塗布し30秒間泡立てて洗浄後、40℃の流水で30秒洗い流し、ドライヤーで乾燥させた。これを必要数繰り返した。
【0046】
工程3.退色の評価
工程1の染色、工程2の洗浄を行った後の毛束をそれぞれカラーメーター(MINOLTA製CR-200)にてLab値を測定し、その差△E(デルタE)を求めた。各毛束3本で試験し平均値を求めた。
【0047】
<評価項目(4)~(18)に関する官能評価試験方法>
評価項目(4)~(18)については、下記の方法で評価した。
専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ、試料及び毛束を用いて各評価項目に記載した評価基準に従って官能評価を行った。各評価項目につき10名の評価点の平均を算出し、以下のとおり分類した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
評価項目(4)~(18)で使用した毛束は約30cm、10gの人毛(製品名BS-B3A、ビューラックス社製)であり、使用した試料は0.5gであった。
【0048】
評価項目(1)色落ち
退色評価試験において、工程2の洗浄を3回繰り返した。工程2の洗浄をする前のLab値と、3回洗浄後のLab値を測定し、平均△Eを求めた。△Eは小さいほど退色が少ないことを表す。
◎:△E値が0以上1.0未満
〇:△E値が1.0以上2.0未満
△:△E値が2.0以上3.0未満
×:△E値3.0以上
【0049】
評価項目(2)連続使用時の色落ち
退色評価試験において、工程2の洗浄を10回繰り返した。工程2の洗浄をする前のLab値と、10回洗浄後のLab値を測定し、平均△Eを求めた。△Eは小さいほど退色が少ないことを表す。
◎:△E値が0以上1.5未満
〇:△E値が1.5以上3.0未満
△:△E値が3.0以上4.5未満
×:△E値4.5以上
【0050】
評価項目(3)洗浄液への色素流出
工程1で染色した毛束を、各試料を40℃の水で10倍希釈した溶液50mlに10分浸漬し、色素を流出させた。着色した溶液を吸光度計で測定(650nm)し、色素流出の程度を測定した。吸光度が低いほど浸漬液への色素流出が少なく、退色防止効果が高い。
◎:吸光度が0.15未満
〇:吸光度が0.15以上0.3未満
△:吸光度が0.3以上0.45未満
×:吸光度が0.45以上
【0051】
評価項目(4)泡立ち
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立てた際の泡立ちの良さを目視及び触感で評価した。
4点:非常に泡立ちが良い
3点:泡立ちが良い
2点:少し泡立つが、すぐ消えてしまう
1点:全く泡立たない
【0052】
評価項目(5)泡の弾力感
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立てた際の泡の弾力感を触感で評価した。
4点:非常に弾力がある
3点:やや弾力がある
2点:弾力があまり無い
1点:全く弾力が無い
【0053】
評価項目(6)泡持ち
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布して泡立てた際の30秒後の泡持ちの良さを目視で評価した。
4点:泡立て直後の泡量と比較して泡量を維持しており非常に泡持ちが良い
3点:泡立て直後の泡量と比較して泡量の減りが少なくやや泡持ちが良い
2点:泡立て直後の泡量と比較して泡量が減り泡持ちが悪い
1点:泡立て直後の泡量と比較して泡量が大幅に減っており泡持ちが非常に悪い
【0054】
評価項目(7)流し時の毛髪のさっぱり感
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布して泡立て、40℃の流水ですすいだ際の毛髪のさっぱり感を触感で評価した。
4点:非常にさっぱりしている
3点:さっぱりしている
2点:さっぱり感が低く、ややぬるつく
1点:さっぱり感が非常に低く、とてもぬるつく
【0055】
評価項目(8)洗浄時の指通り
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立てて洗浄している際の髪の指通りの良さを触感で評価した。
4点:非常に良い
3点:良い
2点:悪い
1点:非常に悪い
【0056】
評価項目(9)洗浄時の毛髪の柔らかさ
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立てて洗浄している際の髪の柔らかさを触感で評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
【0057】
評価項目(10)流し(すすぎ)時の毛髪の指通り
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立て、40℃の流水ですすいだ際の髪の指通りの良さを触感で評価した。
4点:非常に良い
3点:良い
2点:悪い
1点:非常に悪い
【0058】
評価項目(11)流し時の毛髪の柔らかさ
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立て、40℃の流水ですすいだ際の髪の柔らかさを触感で評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
【0059】
評価項目(12)泡切れの速さ
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立て、40℃の流水ですすいだ際の泡切れの速さを触感で評価した。
4点:非常に速い
3点:早い
2点:遅い
1点:非常に遅い
【0060】
評価項目(13)流し後の毛髪の指通り
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立て、40℃の流水ですすぎ、タオルドライさせた際の指通りの良さを触感で評価した。
4点:非常に良い
3点:良い
2点:悪い
1点:非常に悪い
【0061】
評価項目(14)流し後の毛髪の柔らかさ
40℃の流水で濡らした毛束に各試料を塗布し泡立て、40℃の流水ですすぎ、タオルドライさせた際の髪の柔らかさを触感で評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
【0062】
評価項目(15)トリートメントの効果(まとまり)への影響
各試料を用いて洗浄した後にトリートメント(スプリナージュ トリートメント ジェントルモイスト アリミノ社製)0.5gを使用した際の、トリートメントの効果への影響を評価した。
5質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液0.5gで毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合(対照)と、各試料を用いて毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合とを比較して、毛髪のまとまりへの影響を評価した。
4点:対照よりも良くなっている
3点:対照よりもやや良くなっている
2点:対照よりもやや悪化している
1点:対照よりも悪化している
【0063】
評価項目(16)トリートメントの効果(しっとり感)への影響
各試料を用いて洗浄した後にトリートメント(スプリナージュ トリートメント ジェントルモイスト アリミノ社製)0.5gを使用した際の、トリートメントの効果への影響を評価した。
5質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液0.5gで毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合(対照)と、各試料を用いて毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合とを比較して、毛髪のしっとり感への影響を評価した。
4点:対照よりも良くなっている
3点:対照よりもやや良くなっている
2点:対照よりもやや悪化している
1点:対照よりも悪化している
【0064】
評価項目(17)トリートメントの効果(柔らかさ)への影響
各試料を用いて洗浄した後にトリートメント(スプリナージュ トリートメント ジェントルモイスト アリミノ社製)0.5gを使用した際の、トリートメントの効果への影響を評価した。
5質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液0.5gで毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合(対照)と、各試料を用いて毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合とを比較して、毛髪の柔らかさへの影響を評価した。
4点:対照よりも良くなっている
3点:対照よりもやや良くなっている
2点:対照よりもやや悪化している
1点:対照よりも悪化している
【0065】
評価項目(18)トリートメントの効果(指通り)への影響
各試料を用いて洗浄した後にトリートメント(スプリナージュ トリートメント ジェントルモイスト アリミノ社製)0.5gを使用した際の、トリートメントの効果への影響を評価した。
5質量%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液0.5gで毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合(対照)と、各試料を用いて毛束を洗浄した後にトリートメントを使用して乾燥させた場合とを比較して、毛髪の指通りへの影響を評価した。
4点:対照よりも良くなっている
3点:対照よりもやや良くなっている
2点:対照よりもやや悪化している
1点:対照よりも悪化している
【0066】
評価項目(19)剤の透明性
各試料の透明性を吸光度計で測定した。透明性の評価は、目視と、Jusco社製分光光度計「V-730IRM」を用いて波長580nmの光の透過率を測定することにより行った。試料は、光路長10mm、光路幅4mmのポリスチレン製セルに入れて測定した。
◎:透過率20%以上で透明を維持している。
○:透過率1%以上20%未満で、若干濁りが出ている。
△:透過率0.2%以上1%未満でかなり濁っている。
×:透過率0.2%未満で確実に不透明である。
【0067】
各試料の粘度を、25℃において、B型粘度計、3号ローター、12回転、30秒で測定した。実施例1~56の各試料の粘度は、500~5000の範囲内であった。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
実施例1~56で製造した毛髪洗浄料は、いずれも(1)~(19)の全ての評価項目において良好な結果となった。
本発明の毛髪洗浄料は、毛髪洗浄料としての使用感に優れ、その後に使用するトリートメントの効果への悪影響がほとんど見られず、また、染毛した毛髪に使用した際の退色が少ないことがわかる。
【0075】
比較例1で製造した毛髪洗浄料は、成分(A1)の含有量が規定量より少ないため、洗浄時、すすぎ時、すすぎ後の使用感が不充分であり、また、染毛した毛髪に使用すると大きく退色してしまった。
【0076】
比較例2で製造した毛髪洗浄料は、成分(A1)の含有量が規定量より多いため、泡切れが遅く、トリートメントの効果への悪影響も見られ、また、染毛した毛髪に使用すると大きく退色してしまった。
【0077】
比較例3で製造した毛髪洗浄料は、(A1)/(A2)が規定比より小さいため、泡立ちや泡持ち、すすぎ時の毛髪のさっぱり感等が充分ではなく、また、泡切れが遅く、トリートメントの効果へ悪影響も見られた。
【0078】
比較例4で製造した毛髪洗浄料は、(A1)/(A2)が規定比より大きいため、すすぎ時の毛髪の指通りや柔らかさ等の使用感が充分ではなく、また、染毛した毛髪に使用すると大きく退色してしまった。
【0079】
比較例5で製造した毛髪洗浄料は、(A1)と(A2)と(B)との合計が規定量より小さいため、泡立ちや泡持ち、すすぎ時の毛髪のさっぱり感等が悪く、また、泡切れが遅かった。
【0080】
比較例6で製造した毛髪洗浄料は、(A1)と(A2)と(B)との合計が規定量より大きいため、洗浄時の指通りや毛髪の柔らかさ等が充分ではなく、また、泡切れが遅く、トリートメントの効果への悪影響も見られた。
【0081】
比較例7で製造した毛髪洗浄料は、(A1)を含んでいないため、泡立ちや泡持ち、すすぎ時の毛髪のさっぱり感等の使用感が不充分であり、トリートメントの効果への悪影響も見られた。
【0082】
比較例8で製造した毛髪洗浄料は、(A2)を含んでいないため、洗浄時及びすすぎ時の指通りや毛髪の柔らかさ等の使用感が不充分であった。
【0083】
比較例9で製造した毛髪洗浄料は、(B)を含んでいないため、泡立ちや泡持ち、すすぎ時の毛髪のさっぱり感が悪く、また、泡切れが遅く、トリートメントの効果への悪影響も見られた。