(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025078028
(43)【公開日】2025-05-19
(54)【発明の名称】足場台
(51)【国際特許分類】
E04G 5/08 20060101AFI20250512BHJP
E04G 1/34 20060101ALI20250512BHJP
E06C 1/39 20060101ALI20250512BHJP
【FI】
E04G5/08 R
E04G1/34 A
E06C1/39 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024188803
(22)【出願日】2024-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2023189287
(32)【優先日】2023-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】393018130
【氏名又は名称】長谷川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉 幸治
(72)【発明者】
【氏名】大谷 将友
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA06
2E044BA05
2E044BA06
2E044EC06
2E044EC09
(57)【要約】
【課題】天板を取り外して他の天板と交換可能な構成において、他の天板をコンパクトにして持ち運びし易くすることが可能となる、足場台を提供する。
【解決手段】足場台10は、平面視で矩形に形成された枠体1と、枠体1における長手方向の両端部のそれぞれに回動可能に設けられた一対の梯子体2と、枠体1に対して着脱可能とされる天板3と、を備え、枠体1は、枠体1の長手方向の両端部に設けられて天板3の両端部を支持する一対の端支持部11と、枠体1の長手方向の中途部に設けられて天板3の中途部を支持する中支持部13と、を備え、枠体1は、天板3を取り外した状態で、天板3よりも小さい分割天板8を複数枚組付け可能に構成され、分割天板8は、枠体1に組付けられた際に、端部が端支持部11又は中支持部13に支持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で矩形に形成された枠体と、前記枠体における長手方向の両端部のそれぞれに回動可能に設けられた一対の梯子体と、前記枠体に対して着脱可能とされる天板と、を備える足場台であって、
前記枠体は、前記枠体の長手方向の両端部に設けられて前記天板の両端部を支持する一対の端支持部と、前記枠体の長手方向の中途部に設けられて前記天板の中途部を支持する少なくとも一つの中支持部と、を備え、
前記枠体は、前記天板を取り外した状態で、前記天板よりも小さい分割天板を複数枚組付け可能に構成され、
前記分割天板は、前記枠体に組付けられた際に、端部が前記端支持部又は前記中支持部に支持される、足場台。
【請求項2】
前記天板の下側には少なくともの一つの切り欠き部が形成され、
前記天板が前記枠体に組付けられた際に、前記中支持部が前記切り欠き部に挿入される、請求項1に記載の足場台。
【請求項3】
前記天板と前記中支持部とが互いに離間する方向への変位を規制する規制部材が設けられる、請求項1に記載の足場台。
【請求項4】
前記天板の下面には、前記規制部材を挿通するための挿通部が形成される、請求項3に記載の足場台。
【請求項5】
前記端支持部と前記中支持部との少なくとも一方には、前記分割天板の水平方向への変位を規制する位置決め部が形成される、請求項1に記載の足場台。
【請求項6】
前記中支持部、及び/又は、前記分割天板には、他の部材を取付けるための溝部が形成される、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の足場台。
【請求項7】
前記天板が前記枠体に沿った矩形状に形成され、
前記天板の長手方向の両端部のそれぞれには、前記天板の長手方向外側に向けて進退可能な一対の支持フレームが設けられ、
前記天板において一対の前記支持フレームを進出させた際には、一対の前記支持フレームが一対の前記梯子体において対向する踏桟の何れかに載置可能とされる、請求項1に記載の足場台。
【請求項8】
前記天板が前記枠体に沿った矩形状に形成され、
前記天板の長手方向の両端部のそれぞれには、前記枠体に係止可能な係止片が設けられる、請求項1に記載の足場台。
【請求項9】
前記係止片は、前記枠体に係止する係止姿勢と、前記枠体に係止しない非係止姿勢と、の間で回動可能とされる、請求項8に記載の足場台。
【請求項10】
前記係止片は、固定ねじを介して前記天板に固定され、
前記固定ねじにより前記係止片を固定する際の前記固定ねじの回動方向と、前記係止片を前記非係止姿勢から前記係止姿勢に回動させる際の回動方向とが一致する、請求項9に記載の足場台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一対の梯子体と天板とを備える足場台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、梯子体と天板とを備える足場台から天板を着脱可能とする技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のような足場台において、天板は使用者が土足で上るために用いられるものであるため、足場台を例えば食事等の他の用途で使用する場合は天板を交換する必要がある。しかし、天板を取り外して同じ大きさの他の天板と交換する構成とした場合、交換用の天板が嵩張るため、持ち運びし難いという問題があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、天板を取り外して他の天板と交換可能な構成において、他の天板をコンパクトにして持ち運びし易くすることを可能とする、足場台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
本発明に係る足場台は、平面視で矩形に形成された枠体と、前記枠体における長手方向の両端部のそれぞれに回動可能に設けられた一対の梯子体と、前記枠体に対して着脱可能とされる天板と、を備える足場台であって、前記枠体は、前記枠体の長手方向の両端部に設けられて前記天板の両端部を支持する一対の端支持部と、前記枠体の長手方向の中途部に設けられて前記天板の中途部を支持する少なくとも一つの中支持部と、を備え、前記枠体は、前記天板を取り外した状態で、前記天板よりも小さい分割天板を複数枚組付け可能に構成され、前記分割天板は、前記枠体に組付けられた際に、端部が前記端支持部又は前記中支持部に支持されるものである。
【0008】
また、本発明に係る足場台において、前記天板の下側には少なくともの一つの切り欠き部が形成され、前記天板が前記枠体に組付けられた際に、前記中支持部が前記切り欠き部に挿入されることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る足場台において、前記天板と前記中支持部とが互いに離間する方向への変位を規制する規制部材が設けられることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る足場台において、前記天板の下面には、前記規制部材を挿通するための挿通部が形成されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る足場台において、前記端支持部と前記中支持部との少なくとも一方には、前記分割天板の水平方向への変位を規制する位置決め部が形成されることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る足場台において、前記中支持部、及び/又は、前記分割天板には、他の部材を取付けるための溝部が形成されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る足場台において、前記天板が前記枠体に沿った矩形状に形成され、前記天板の長手方向の両端部のそれぞれには、前記天板の長手方向外側に向けて進退可能な一対の支持フレームが設けられ、前記天板において一対の前記支持フレームを進出させた際には、一対の前記支持フレームが一対の前記梯子体において対向する踏桟の何れかに載置可能とされることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る足場台において、前記天板が前記枠体に沿った矩形状に形成され、前記天板の長手方向の両端部のそれぞれには、前記枠体に係止可能な係止片が設けられることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る足場台において、前記係止片は、前記枠体に係止する係止姿勢と、前記枠体に係止しない非係止姿勢と、の間で回動可能とされることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る足場台において、前記係止片は、固定ねじを介して前記天板に固定され、前記固定ねじにより前記係止片を固定する際の前記固定ねじの回動方向と、前記係止片を前記非係止姿勢から前記係止姿勢に回動させる際の回動方向とが一致することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る足場台によれば、天板を取り外して他の天板と交換可能な構成において、他の天板をコンパクトにして持ち運びし易くすることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】天板を取り外した状態の足場台を示す斜視図。
【
図3】天板を取り外して折りたたんだ状態の足場台を示す斜視図。
【
図5】分割天板を組付けた状態の足場台を示す斜視図。
【
図6】分割天板を取り外した状態の足場台を示す斜視図。
【
図8】保持部材を組付けた状態の足場台を示す斜視図。
【
図10】(a)及び(b)は支持部材の構成を示した底面図。
【
図11】(a)及び(b)は二個の保持部材を組み合わせる構成を示した斜視図。
【
図12】第一足場台ユニットの使用例を示した斜視図。
【
図13】第二足場台ユニットの使用例を示した斜視図。
【
図16】(a)及び(b)は変形例に係る足場台の天板を示す斜視図。
【
図17】変形例に係る足場台の使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[足場台10]
まず、
図1から
図7を用いて、本発明の一実施形態に係る足場台10について説明する。本明細書で説明する足場台10においては、各図における梯子体2・2の回動軸方向(踏桟4の架設方向)を足場台10の左右方向とし、水平方向において左右方向と直交する方向(梯子体2・2の開閉方向)を足場台10の前後方向とする。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る足場台10は、平面視で矩形に形成された枠体1と、枠体1における長手方向(足場台10の前後方向)の両端部のそれぞれに回動可能に設けられた一対の梯子体2・2と、枠体1に対して着脱可能とされる板状の天板3と、を備える。本実施形態に係る足場台10において、枠体1、梯子体2・2、及び、天板3は主にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる軽金属製部品で構成される。
【0021】
枠体1は
図2及び
図3に示す如く、枠体1の長手方向の両端部に設けられる二本の端支持部11・11、及び、枠体1の短手方向の両端部に設けられる二本の長枠12・12により平面視で矩形に形成される。また、枠体1の長手方向の中途部には、対向する長枠12・12を連結する二本の中支持部13・13が設けられている。
【0022】
一対の梯子体2・2はそれぞれの上端部が枠体1の長手方向の両端部に、ヒンジ6・6により回動可能に連結される。具体的には、梯子体2が枠体1に近接するように、ヒンジ6が枠体1と梯子体2とを回動可能に連結する(
図3を参照)。
【0023】
それぞれの梯子体2は長尺体である一対の支柱5・5を備える。支柱5・5は互いの距離が上側より下側で大きくなるように、正面視で略ハ字状に配置されている。本実施形態に係る足場台10は4本の支柱5を備えている。各支柱5は、強度の確保等を目的として、長手方向に沿った二箇所で屈曲した形状で、長手方向と直交する断面の形状が略コ字状になるように形成されている。
【0024】
それぞれの支柱5には、支柱5の長手方向に進退可能に伸縮脚5aが設けられている。支柱5からの伸縮脚5aの延出長さを調節することにより、足場台10における天板3の高さを調節することができる(
図2中に示す仮想線を参照)。本実施形態に係る足場台10において、伸縮脚5aの下端部には端具が固定される。
【0025】
梯子体2における一対の支柱5・5の間には、所定の間隔を隔てて中空の筒状部材である複数の踏桟4・4・・・が架け渡される。踏桟4は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される。それぞれの踏桟4は固定具により対向する支柱5・5の間に固定されている。
【0026】
足場台10は、梯子体2が枠体1に対してなす角度に応じて、主に以下の二つの形態をとることができる。足場台10の第一の形態は、
図1に示す如く梯子体2・2を枠体1から離間させて、4本の支柱5で足場台10を支える形態(以下、この形態を「使用状態」と記載する)である。使用状態における足場台10は、地面や床に自立させた状態で用いられる。足場台10において、ヒンジ6は使用状態において枠体1に対する梯子体2・2の回転を規制するための開き止め機構6aを備えている。
【0027】
足場台10の第二の形態は、
図3に示す如く梯子体2・2を枠体1に近接させる形態(以下、この形態を「収納状態」と記載する)である。足場台10の収納状態は、主に収納時や搬送時に採用される。
【0028】
本実施形態に係る足場台10において、天板3は前後左右の端部が下方に折り曲げられた板部材30、板部材30の下面に固定された断面形状がコ字状の被挿入部32、天板3と枠体1との相対変位を規制する規制部材である固定ベルト33等を組み合わせて構成されている。
【0029】
本実施形態に係る足場台10において、天板3の長手方向の両端部は枠体1における端支持部11・11に支持される。具体的には
図4に示す如く、端支持部11には前後方向内側(対向する端支持部11の側)に向けて延出される支持片11aが形成される。天板3の長手方向の端部が支持片11aに載置されることにより、天板3の端部が端支持部11により支持される。
【0030】
また、天板3の長手方向の中途部は枠体1における中支持部13・13に支持される。
図2に示す如く、天板3の板部材30における側辺の下側には、中支持部13・13に対応する箇所に切り欠き部31・31が形成されている。そして、天板3が枠体1に組付けられた際には、
図4に示す如く中支持部13が切り欠き部31に挿入される。
【0031】
図4に示す如く、切り欠き部31の上部には凹部31aが形成される。また、中支持部13の上面には、上方に突出する位置決め部13aが中支持部13の長手方向に沿って形成される。天板3が枠体1に組付けられて中支持部13が切り欠き部31に挿入された状態においては、位置決め部13aは凹部31aに挿入される。
【0032】
図2及び
図4に示す如く、中支持部13の前後方向の側面には、他の部材を取付けるための溝部13bが形成される、具体的には、溝部13bに図示しないナット部材を挿入することにより、このナット部材に対して螺入するボルト部材を介して他の部材を取付けることが可能となる。また、フック状のブラケット等を溝部13bに直接係止することによって他の部材を取り付けることも可能である。
【0033】
本実施形態に係る足場台10において、天板3の下面には、中支持部13・13に対応する箇所に二個の被挿入部32・32が下方に向けて固定されている。そして、天板3が枠体1に組付けられた際には、
図4に示す如く中支持部13が被挿入部32の内側に挿入される。中支持部13が被挿入部32の内側に挿入されることにより、枠体1に対する天板3の変位を抑制することができる。
【0034】
本実施形態に係る足場台10においては、天板3と中支持部13とが互いに離間する方向への変位を規制する規制部材として、固定ベルト33が設けられている。具体的には
図4に示す如く、天板3における板部材30の下面と被挿入部32との間は、固定ベルト33を挿通するための挿通部として形成されている。
【0035】
固定ベルト33の一端部にはベルト係止部材34が固定される。また、固定ベルト33の他端側には、第一面ファスナー35aと第二面ファスナー35bとで構成された面ファスナー35が固定される。
【0036】
天板3を枠体1に固定する際は
図4に示す如く、固定ベルト33を板部材30と被挿入部32との間の挿通部に挿通した状態で、固定ベルト33を被挿入部32と中支持部13との周囲に巻回する。そして、固定ベルト33の他端部をベルト係止部材34に巻回し、第一面ファスナー35aと第二面ファスナー35bとを係合させる。これにより、天板3と中支持部13とが互いに離間する方向への変位が規制される。
【0037】
図2に示す如く、固定ベルト33において面ファスナー35を離間させた状態においては、天板3は枠体1から取り外すことができる。即ち、天板3は枠体1に対して着脱可能に構成されている。
【0038】
図5から
図7に示す如く、本実施形態に係る足場台10において、枠体1は天板3を取り外した状態で、天板3よりも小さい分割天板8を複数枚組付け可能に構成されている。本実施形態における分割天板8は、長さ寸法の大きい長天板8Lと、長さ寸法の小さい短天板8Sと、の二種類が採用されている。本実施形態に係る足場台10は、左右方向に2枚、前後方向に3枚(2枚の長天板8Lと1枚の短天板8S)の合計6枚の分割天板8を組付ける構成としている。
【0039】
分割天板8は、枠体1に組付けられた際に、長手方向の端部が端支持部11又は中支持部13に支持される。具体的には
図7に示す如く、端支持部11の近傍の分割天板8の端部は支持片11aに載置される。また、中支持部13の近傍の分割天板8の端部は中支持部13の上面に載置される。この際、中支持部13に形成された位置決め部13aは分割天板8の水平方向への変位を規制する規制部として機能する。
【0040】
図6に示す如く、分割天板8の下面には、他の部材を取付けるための溝部8aが形成される、具体的には、溝部8aに図示しないナット部材を挿入することにより、このナット部材に対して螺入するボルト部材を介して他の部材を取付けることが可能となる。また、フック状のブラケット等を溝部8aに直接係止することによって他の部材を取り付けることも可能である。
【0041】
上記の如く、本実施形態に係る足場台10においては、食事等の他の用途で使用する場合に天板3を取り外し、分割天板8を枠体1に組付けて使用することができる。一方、分割天板8を使用しない場合は、複数枚の分割天板8を重ねて収納することができるため、容易に持ち運びすることが可能となる。
【0042】
このように、本実施形態に係る足場台10は、天板3を取り外して複数の分割天板8と交換可能な構成とすることにより、使用しない際の分割天板8をコンパクトにして足場台10を持ち運びし易くすることを可能としている。
【0043】
また、本実施形態に係る足場台10においては、天板3が枠体1に組付けられた際に中支持部13が切り欠き部31に挿入される構成としている。これにより、枠体1に対して天板3を容易に位置決めできるとともに、天板3が枠体1からずれることを防止できる。
【0044】
また、本実施形態に係る足場台10においては、天板3と中支持部13とが互いに離間する方向への変位を規制する規制部材として、固定ベルト33が設けられる。これにより、天板3が枠体1から浮き上がったり外れたりすることを防止できる。なお、天板3と中支持部13との変位を規制する規制部材としては、固定ベルト33以外に、例えばバックル、クリップ、ねじ止め、紐部材、マグネット、ラッチ部材、面テープ、シール部材等の他の構成を採用することも可能である。また、規制部材を中支持部13に設けることも可能である。
【0045】
また、本実施形態に係る足場台10においては、天板3における板部材30の下面と被挿入部32との間に、固定ベルト33を挿通するための挿通部が形成される。これにより、簡易な構成で規制部材である固定ベルト33を天板3に設けることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態に係る足場台10において、中支持部13に形成された位置決め部13aは分割天板8の水平方向への変位を規制する規制部として機能する。これにより、分割天板8を枠体1に組付けた際の分割天板8の姿勢を安定させることができる。なお、端支持部11に規制部を設ける構成とすることも可能である。
【0047】
また、本実施形態に係る足場台10において、中支持部13と分割天板8には、他の部材を取付けるための溝部13b・8aが形成される。これにより、簡易な構成で足場台10に対して照明器具、調理器具、トレイ、ガイライン等のロープ材、フック等のオプション保持具など、他の部材を取付けることが可能となる。
【0048】
[保持部材40]
次に、
図8から
図13を用いて、足場台10の枠体1に対して着脱可能とされる保持部材40について説明する。
図8、
図12及び
図13において、保持部材40が組付けられる足場台10は枠体1に対して分割天板8が設けられているが、保持部材40は天板3を設けた足場台10に組付けることも可能である。
【0049】
保持部材40を組付ける足場台10は、本実施形態の如く天板3又は分割天板8が枠体1に対して着脱可能とされる。このため、天板3又は分割天板8を枠体1から取り外した状態で保持部材40の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
【0050】
なお、天板3(分割天板8)が固定されている足場台10に保持部材40を組付ける構成とすることも可能である。また、保持部材40は梯子体2・2を備える足場台10に限らず、脚体を備える台部材であれば組付けることが可能である。
【0051】
図8、
図12及び
図13に示す如く、保持部材40は足場台10に組付けた状態で使用される。保持部材40は単体で、
図12中の第一足場台ユニットU1に示す如く、第一オプション部材50のような支柱(棒体51)が一本のオプション部材を保持する場合に用いられる。また、保持部材40は二個一組で、
図13中の第二足場台ユニットU2に示す如く、第二オプション部材60及び第三オプション部材のような支柱(棒体61・71)が二本のオプション部材を保持する場合に用いられる。
【0052】
図9に示す如く、保持部材40は一対の支持部材41・41、二本のシャフト42・42、付勢部材である圧縮ばね43、固定ねじ45等を備えて構成される。支持部材41は上下方向に貫通する固定部41aが形成されて樹脂製の部材である。固定部41aにオプション部材の棒体が挿入された状態で固定部41aの内部に螺入される固定ねじ45を締め付けることにより、オプション部材の棒体は支持部材41に固定される。
【0053】
図10に示す如く、固定部41aは固定ねじ45と反対側の側面が、固定ねじ45の軸線に関して平面視で対称形状となる二つの傾斜面として形成されている。これにより、棒体が円柱形状であった場合、固定ねじ45を締め付けた際に、固定ねじ45と二つの傾斜面とにより棒体を三点で安定的に支持することが可能となる。また、棒体の側面が二つの傾斜面と線接触するため、固定部41aにおいて棒体を安定的に支持し、棒体のがたつきを抑制することができる。
【0054】
図9に示す如く、支持部材41の上面には保持部材40の両端側に向かって係合部44が形成される。保持部材40が枠体1に組付けられた状態において、係合部44は枠体1の長辺に設けられた長枠12の下側辺12aと係合する。換言すれば、それぞれの支持部材41・41における係合部44が、枠体1において対向する長枠12の下側辺12aと係合することにより、保持部材40が枠体1に組付けられる。
【0055】
また、
図10に示す如く、それぞれの支持部材41の下面には、一方の側部に係合突起41b・41bが形成され、他方の側部に係合溝41c・41cが形成されている。そして、
図11に示す如く、保持部材40における係合突起41b・41bが他の保持部材40の支持部材41に形成された係合溝41c・41cに挿入され、保持部材40における係合溝41c・41cに他の保持部材40の支持部材41に形成された係合突起41b・41bが挿入される。これにより、保持部材40は他の保持部材40と互いに組み合わせることが可能とされる。
【0056】
上記の如く、保持部材40は他の保持部材40と二個一対で組み合わせることを可能としている。これにより、一対の保持部材40・40を一体的に組付けて持ち運びやすくすることができる。
【0057】
保持部材40において、一対の支持部材41・41は二本のシャフト42・42により連結される。保持部材40における支持部材41・41は互いに同形状に形成され、互いに対向する姿勢で配置されている。また、シャフト42・42も互いに同形状に形成され、互いに反対方向に向けて配置されている。以下では、一方の支持部材41とシャフト42・42との組付構成について説明する。
【0058】
図10に示す如く、シャフト42の一端部には被係止部42cが形成されている。また、支持部材41においてシャフト42の一端側が挿入される孔の近傍には弾性片である係止部41dがシャフト42の側に突出して形成されている。シャフト42の一端側を支持部材41に挿入した際に、被係止部42cが係止部41dに係止されることにより、シャフト42はがたつくことなく支持部材41に固定される。即ち、保持部材40の形状を安定させることができるため、保持部材40を足場台10に組付けた際のがたつきを抑制することが可能となる。
【0059】
また、
図10に示す如く、シャフト42の他端部には規制部42a及び抜け止め部42bが設けられている。また、規制部42aと支持部材41との間には圧縮ばね43が介挿されている。シャフト42の他端部を支持部材41に挿通した状態で圧縮ばね43が伸びようとすることにより、圧縮ばね43は一対の支持部材41・41を互いに離間する方向に付勢する。
【0060】
上記の如く、本実施形態に係る保持部材40において、一方(
図9における右側)の支持部材41は、一方(
図9における手前側)のシャフト42の一端側が固定されるとともに、他方(
図9における奥側)のシャフト42の他端側がスライド可能に挿入されている。また、他方(
図9における左側)の支持部材41は、他方のシャフト42の一端側が固定されるとともに、一方のシャフト42の他端側がスライド可能に挿入されている。このように、保持部材40においては、他の締結部品や接着剤等を用いることなく、支持部材41・41、シャフト42・42、圧縮ばね43等を組付ける構成としている。
【0061】
また、本実施形態に係る保持部材40において、一方のシャフト42に圧縮ばね43が設けられている。そして、圧縮ばね43は一方のシャフト42が他方の支持部材41から抜け出る方向に一方のシャフト42を付勢している。
【0062】
保持部材40を足場台10に組付ける際には、
図9に示す如く一対の支持部材41・41を互いに近接させた状態で枠体1の内側に挿入する。そして、圧縮ばね43の付勢力により一対の支持部材41・41を離間させる。さらに、それぞれの支持部材41・41を枠体1において対向する長枠12に押圧する。この際、支持部材41の係合部44が長枠12の下側辺12aと係合する。これにより、保持部材40が枠体1に組付けられる。
【0063】
上記の如く、本実施形態に係る保持部材40は、支持部材41・41を互いに近接離間させるだけで足場台10に着脱させることができる。即ち、保持部材40は、他の固定部材等を必要とせず、簡易な構成で足場台10に着脱可能としている。
【0064】
また、本実施形態に係る保持部材40は、それぞれの支持部材41・41における係合部44が枠体1において対向する長枠12の下側辺12aと係合することにより枠体1に組付けられる。これにより、保持部材40に力が加わった場合に、保持部材40が足場台10から外れることを防止できる。即ち、保持部材40の組付け時の安定性を高めることが可能となる。
【0065】
また、本実施形態に係る保持部材40は、一対の支持部材41・41が二本のシャフト42・42によって連結され、シャフト42の一方が支持部材41に固定されるとともにシャフト42の他方が支持部材41にスライド可能に挿入される構成としている。これにより、支持部材41が相対回転することなく対向する姿勢で近接離間することができるため、保持部材40の操作性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る保持部材40は、付勢部材である圧縮ばね43が一方のシャフト42が他方の支持部材41から抜け出る方向に一方のシャフト42を付勢する構成としている。これにより、常に支持部材41・41が離れる方向に力を加え続けることができるため、保持部材40の組付け時の安定性をより高めることが可能となる。
【0067】
次に、
図12を用いて、保持部材40を足場台10に組付けて用いる第一足場台ユニットU1について説明する。第一足場台ユニットU1は、一個の保持部材40を足場台10に組付けて使用するものである。
【0068】
第一足場台ユニットU1は、第一オプション部材50が足場台10に保持部材40を介して組付けられる。第一オプション部材50は、支柱である棒体51、棒体51から延出されるフック部材52、及び、フック部材52に係止される照明具53を備える。
【0069】
第一足場台ユニットU1においては、棒体51が保持部材40における固定部41aに固定されることにより、第一オプション部材50が足場台10に固定されている。即ち、第一足場台ユニットU1は、一個の保持部材40を用いることにより、一本の支柱を備える第一オプション部材50を足場台10に組付けることを可能としている。
【0070】
次に、
図13を用いて、保持部材40を足場台10に組付けて用いる第二足場台ユニットU2について説明する。第二足場台ユニットU2は、二個の保持部材40・40を足場台10に組付けて使用するものである。
【0071】
第二足場台ユニットU2は、第二オプション部材60及び第三オプション部材70が足場台10に保持部材40・40を介して組付けられる。第二オプション部材60は、支柱である二本の棒体61・61、棒体61・61の上端部を連結する連結杆62、及び、連結杆62に係止される調理具63・63を備える。また、第三オプション部材70は、支柱である二本の棒体71・71、棒体71・71の上面に固定される拡張天板72を備える。
【0072】
第二足場台ユニットU2においては、棒体61・71がそれぞれの保持部材40における固定部41aに固定されることにより、第二・第三オプション部材60・70が足場台10に固定されている。即ち、第二足場台ユニットU2は、二個一対の保持部材40・40を用いることにより、二本の支柱を備える第二・第三オプション部材60・70を足場台10に組付けることを可能としている。
【0073】
[足場台10A(変形例)]
次に、
図14から
図17を用いて、本発明の変形例に係る足場台10Aについて説明する。本変形例で説明する足場台10Aにおいては、上記実施形態に係る足場台10とは天板3の形状及び構成が異なるのみで、他の構成は共通する。このため、以下では足場台10との相違点を中心に説明し、共通する構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0074】
図14に示すように、本変形例に係る足場台10Aは、平面視で矩形に形成された枠体1と、枠体1における長手方向(足場台10Aの前後方向)の両端部のそれぞれに回動可能に設けられた一対の梯子体2・2と、枠体1に対して着脱可能とされる板状の天板3Aと、を備える。足場台10Aにおいて、天板3Aは枠体1に沿った矩形状に形成されている。
【0075】
本変形例に係る足場台10Aにおいて、天板3Aは前後左右の端部が下方に折り曲げられた板部材130、板部材130の下面において長手方向である前後方向の両端部に固定された支持板131・131、それぞれの支持板131・131に支持される一対の棒状部材である支持フレーム132・132、それぞれの支持板131・131に設けられた板状の係止片133・133等を組み合わせて構成されている。
【0076】
本変形例に係る足場台10Aにおいて、天板3Aの長手方向の両端部は枠体1における端支持部11・11に支持される。具体的には
図15に示す如く、天板3の長手方向の端部が、端支持部11に形成された支持片11aに載置されることにより支持される。
【0077】
天板3Aの長手方向の両端部のそれぞれに設けられた支持フレーム132・132は、
図16(a)及び(b)に示す如く、天板3Aの長手方向外側(足場台10Aの前後方向外側)に向けて進退可能とされる。支持フレーム132は平面視でU字形状に形成されており、天板3Aの中央側の端部は下方に折り曲げられて規制突起132aが形成されている。規制突起132aは
図16(b)に示す如く支持フレーム132を進出させた際に支持板131に当接することにより、支持フレーム132が天板3Aから抜け出ることを規制する。
【0078】
天板3Aにおいて一対の支持フレーム132・132を外側に進出させた際には、
図17に示す如く支持フレーム132・132が一対の梯子体2・2において対向する踏桟4・4の何れかに載置可能とされる。これにより、本変形例に係る足場台10Aにおいて、枠体1から天板3Aを取り外して小さい分割天板8を複数枚組付けた際に、天板3Aを物置き台として利用することができる。即ち、
図17に示す足場台10Aにおいて、天板3Aに調理器具や食材を載置して利用することが可能となる。
【0079】
図17において、天板3Aは最下段の踏桟4・4に載置する構成を記載しているが、天板3Aを中段の踏桟4・4に載置しても差し支えない。この場合、板部材130からの支持フレーム132・132の進出量を適切な長さに調節することにより、支持フレーム132・132が梯子体2・2から必要以上に飛び出さないように構成できる。
【0080】
本変形例に係る足場台10Aにおいて、天板3Aの長手方向の両端部のそれぞれには、自身が回動変位することにより枠体1に係止可能な係止片133・133が設けられる。具体的には
図15に示す如く、係止片133は、枠体1を構成する端支持部11の支持片11aの下側で係止する係止姿勢と、支持片11aに係止しない非係止姿勢と、の間で回動可能とされる。係止片133の端部は折り曲げられることにより、使用者が操作するための操作部133aが形成されている。
【0081】
本変形例に係る足場台10Aにおいては、係止片133・133で天板3Aを枠体1(支持片11a)に係止することにより、天板3Aが枠体1から容易に離脱することを抑制できる。即ち、係止片133・133を係止姿勢としている状態においては、天板3Aに下方から力が加わった場合でも、天板3Aが枠体1から外れることがない。このため、天板3Aを枠体1で安定して保持することが可能となる。
【0082】
なお、天板3Aを枠体1から取り外す際は、使用者が係止片133・133を非係止姿勢に回動変位させてから天板3Aを持ち上げる。これにより、簡易な操作で天板3Aを枠体1から離脱させることを可能としている。
【0083】
本変形例に係る足場台10Aにおいて、係止片133は固定ねじ134を介して天板3Aの支持板131に固定されている。そして、係止片133は
図15に示す如く、、非係止姿勢から係止姿勢に回動させる際の回動方向が底面視で時計回りになるように構成されている。また、固定ねじ134により係止片133を固定する際の固定ねじ134の回動方向は底面視で時計回りになるように構成されている。
【0084】
このように、本変形例に係る足場台10Aにおいて、固定ねじ134により係止片133を固定する際の固定ねじ134の回動方向と、係止片133を非係止姿勢から係止姿勢に回動させる際の回動方向とが一致するように構成されている。これにより、係止片133を係止姿勢で固定する際に、使用者の係止片133及び固定ねじ134の操作を共通化して、簡易に操作することを可能としている。
【0085】
また、固定ねじ134を操作して係止片133の姿勢を固定する際に、係止片133に対して係止姿勢に変位する方向に力が加わるように構成している。換言すれば、固定ねじ134の操作により係止片133が非係止姿勢となる変位方向に変位することがないように構成している。
【符号の説明】
【0086】
1 枠体 2 梯子体(脚体)
3 天板 3A 天板(変形例)
4 踏桟 5 支柱
5a 伸縮脚 6 ヒンジ
6a 開き止め機構 8 分割天板
8S 短天板 8L 長天板
8a 溝部 10 足場台(台部材)
10A 足場台(台部材・変形例)
11 端支持部 11a 支持片
12 長枠 12a 下側片
13 中支持部 13a 位置決め部
13b 溝部
30 板部材 31 切り欠き部
31a 凹部 32 被挿入部
33 固定ベルト(規制部材)
34 ベルト係止部材 35 面ファスナー
35a 第一面ファスナー 35b 第二面ファスナー
40 保持部材 41 支持部材
41a 固定部 41b 係合突起
41c 係合溝 41d 係止部
42 シャフト 42a 規制部
42b 抜け止め部 42c 被係止部
43 圧縮ばね(付勢部材)
44 係合部 45 固定ねじ
50 第一オプション部材 51 棒体
52 フック部材 53 照明具
60 第二オプション部材 61 棒体
62 連結杆 63 調理具
70 第三オプション部材 71 棒体
72 拡張天板
130 板部材 131 支持板
132 支持フレーム 132a 規制突起
133 係止片 133a 操作部
134 固定ねじ
U1 第一足場台ユニット U2 第二足場台ユニット