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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007807
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】コニカルインダクタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/02 20060101AFI20250109BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20250109BHJP
   H01F 41/10 20060101ALI20250109BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20250109BHJP
   H01F 41/071 20160101ALI20250109BHJP
【FI】
H01F17/02
H01F27/29 H
H01F41/10 C
H01F41/04 B
H01F41/071
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109442
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】523252607
【氏名又は名称】Micro TeX Labs合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096002
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 弘之
(74)【代理人】
【識別番号】100091650
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 規之
(72)【発明者】
【氏名】和佐 憲治
(72)【発明者】
【氏名】キウマルシ ハミド
(72)【発明者】
【氏名】山崎 義弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 英行
【テーマコード(参考)】
5E002
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E002AB01
5E002AB12
5E062FF01
5E062FG02
5E062FG04
5E070AA01
5E070AB01
5E070AB02
5E070BA20
5E070CA12
5E070DA02
5E070EA06
5E070EB02
(57)【要約】
【課題】超小型化が容易で、SMD対応も可能とするコニカルインダクタの実現。
【解決手段】円錐台部12と、円柱状端部14と、支持脚部16と、角柱状端部18を備えたボビン10に、1本のリード線28を巻回することにより形成されるコニカルインダクタ32。円柱状端部14及び角柱状端部18を平面24に載置した際に、円錐台部12の中心線αが平面24に対して必要な角度で交差するように、ボビン10の形状及び寸法が設定されている。リード線28を円柱状端部14に絡げ巻きすることによって第1の絡げ部30が形成され、円錐台部12に沿って同心円状に巻回することによって円錐状コイル部34が形成され、角柱状端部18に絡げ巻きすることによって第2の絡げ部36が形成される。第1の絡げ部30及び第2の絡げ部36に半田ディップを施すことにより、第1の端子部40及び第2の端子部42が形成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐台部と、円錐台部の頂面に連設された第1の設置用端部と、円錐台部の底面に連設された支持脚部と、支持脚部の下端に連設された第2の設置用端部とを備えたボビンに、1本のリード線を巻回することにより形成されるコニカルインダクタであって、
上記第1の設置用端部及び第2の設置用端部を平面に載置した際に、上記円錐台部の中心線が上記平面に対して必要な角度で交差するように、上記ボビンの形状及び寸法が設定されており、
リード線を、第1の設置用端部において絡げ巻きすることによって第1の絡げ部が形成され、円錐台部に沿って同心円状に巻回することによって円錐状コイル部が形成され、第2の設置用端部において絡げ巻きすることによって第2の絡げ部が形成され、
第1の絡げ部及び第2の絡げ部に半田ディップを施すことにより、第1の端子部及び第2の端子部が形成されることを特徴とするコニカルインダクタ。
【請求項2】
上記第1の設置用端部及び第2の設置用端部を平面上に載置した際に、コニカルインダクタが自立するように、上記ボビンの形状及び寸法が設定されていることを特徴とする請求項1に記載のコニカルインダクタ。
【請求項3】
上記円錐状コイル部を収納するキャップを備え、
上記第1の端子部及び第2の端子部がキャップの開口面に露出していることを特徴とする請求項1または2に記載のコニカルインダクタ。
【請求項4】
上記円錐台部の頂面と第1の設置用端部との間に、半田が円錐状コイル部側に流入することを防止する鍔部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコニカルインダクタ。
【請求項5】
上記ボビンの円錐台部の頂面及び底面間の寸法が1mm以下であり、
上記リード線の直径が30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のコニカルインダクタ。
【請求項6】
円錐台部と、円錐台部の頂面に連設された第1の設置用端部と、円錐台部の底面に連設された支持脚部と、支持脚部の下端に連設された第2の設置用端部とを備え、上記第1の設置用端部及び第2の設置用端部を平面に載置した際に、上記円錐台部の中心線が上記平面に対して必要な角度で交差するように形状及び寸法が設定されたボビンに対し、1本のリード線を巻回することによってコニカルインダクタを製造する方法であって、
上記リード線を、第1の設置用端部において絡げ巻きすることによって第1の絡げ部を形成する工程と、
上記リード線を、円錐台部に沿って同心円状に巻回することによって円錐状コイル部を形成する工程と、
上記リード線を、第2の設置用端部において絡げ巻きすることによって第2の絡げ部を形成する工程と、
上記第1の絡げ部及び第2の絡げ部に半田ディップを施すことにより、第1の端子部及び第2の端子部を形成する工程と、
からなるコニカルインダクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコニカルインダクタに係り、特に、光通信用モジュール等に内蔵するための超小型化を可能とするコニカルインダクタに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォン等の通信機器においてノイズフィルタ等として使用されているチップインダクタは、インダクタンス値が固定であり、共振周波数と言われる周波数付近でしか動作せず、その共振周波数は一般に10GHz未満に設定されている。
これに対し、情報量の多い超高速大容量光通信や、次世代の6G通信用途では、10GHz以上の周波数帯域でも動作することが必要となってくる。
【0003】
一方、円錐形状を備えたコニカルインダクタ(円錐コイル)は、直径の大きな部分のインダクタンス値が大きいため低い周波数で動作し、直径の小さい円錐の頂点部分のインダクタンス値が小さいため高い周波数で動作する特徴を有しており、全体として低い周波数から高い周波数まで切れ目なく動作する利点を備えている。また、コニカルインダクタは寄生容量(浮遊容量)を低減し易いという特性をも備えている。
このため、広い周波数帯域において安定動作することが求められる通信用途においては、コニカルインダクタの活用が期待されている。
【特許文献1】特開平4-137507
【特許文献2】特開2008-047711
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コニカルインダクタは嵩張る円錐形状を有するが故に小型化が容易でなく、また表面実装も難しいという問題があった。
すなわち、光通信用モジュールに内蔵させるとなると、コニカルインダクタ自体の全長(円錐の頂点から底面までの寸法)を1mm以下に抑えることが求められるが、この寸法内で腰のない極細のリード線を円錐状に巻回し、その両端に端子部を設けること自体が困難な作業となる。
また、コニカルインダクタとしての機能を十分に発揮させるためには、回路基板に対し所定の角度で傾けた状態で実装する必要があるが、この角度を正確に保持したままその両端を回路基板に接続することも容易ではない。
【0005】
例えば、以下の非特許文献1には広帯域コニカルインダクタが開示されているが、その全長は最も短いもの(型番:CC20T44K240G5-C)でも外装ケース込で1.524mm(0.060in)あり、コニカルインダクタ単体としても1mmを優に超えているため全体として嵩張るのは勿論、空芯のコニカルインダクタを作成してから所定の長さのリード線を成形によって樹脂壁で固定する方式であるため、安定した設置角度を実現することは難しく、また空芯のコイル線が固定されていないため安定した線間の隙間を実現することも難しいと言わざるを得ない。
【非特許文献1】Micro SMT Broadband Conical Inductors/インターネットURL:https://www.piconics.com/wp-content/uploads/2021/03/Micro-SMT-Broadband-Conical-data-sheet.pdf/検索日:2023年6月30日
【0006】
この発明は、このような現状に鑑みて案出されたものであり、超小型化が容易であり、SMD対応をも可能とするコニカルインダクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載のコニカルインダクタは、円錐台部と、円錐台部の頂面に連設された第1の設置用端部と、円錐台部の底面に連設された支持脚部と、支持脚部の下端に連設された第2の設置用端部とを備えたボビンに、1本のリード線を巻回することにより形成されるコニカルインダクタであって、上記第1の設置用端部及び第2の設置用端部を平面に載置した際に、上記円錐台部の中心線が上記平面に対して必要な角度(例えば30~60度の範囲)で交差するように、上記ボビンの形状及び寸法が設定されており、リード線を、第1の設置用端部において絡げ巻きすることによって第1の絡げ部が形成され、円錐台部に沿って同心円状に巻回することによって円錐状コイル部が形成され、第2の設置用端部において絡げ巻きすることによって第2の絡げ部が形成され、第1の絡げ部及び第2の絡げ部に半田ディップを施すことにより、第1の端子部及び第2の端子部が形成されることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載のコニカルインダクタは、請求項1のコニカルインダクタであって、上記第1の設置用端部及び第2の設置用端部を平面上に載置した際に、コニカルインダクタが自立するように、上記ボビンの形状及び寸法が設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載のコニカルインダクタは、請求項1または2のコニカルインダクタであって、上記円錐状コイル部を収納するキャップを備え、上記第1の端子部及び第2の端子部がキャップの開口面に露出していることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載のコニカルインダクタは、請求項1または2のコニカルインダクタであって、上記円錐台部の頂面と第1の設置用端部との間に、半田が円錐状コイル部側に流入することを防止する鍔部が形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載のコニカルインダクタは、請求項1または2のコニカルインダクタであって、上記ボビンの円錐台部の頂面及び底面間の寸法が1mm以下であり、上記リード線の直径が30μm以下であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6に記載のコニカルインダクタの製造方法は、円錐台部と、円錐台部の頂面に連設された第1の設置用端部と、円錐台部の底面に連設された支持脚部と、支持脚部の下端に連設された第2の設置用端部とを備え、上記第1の設置用端部及び第2の設置用端部を平面に載置した際に、上記円錐台部の中心線が上記平面に対して必要な角度で交差するように形状及び寸法が設定されたボビンに対し、1本のリード線を巻回することによってコニカルインダクタを製造する方法であって、上記リード線を、第1の設置用端部において絡げ巻きすることによって第1の絡げ部を形成する工程と、上記リード線を、円錐台部に沿って同心円状に巻回することによって円錐状コイル部を形成する工程と、上記リード線を、第2の設置用端部において絡げ巻きすることによって第2の絡げ部を形成する工程と、上記第1の絡げ部及び第2の絡げ部に半田ディップを施すことにより、第1の端子部及び第2の端子部を形成する工程と、からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係るコニカルインダクタにあっては、第1の設置用端部、円錐台部、支持脚部及び第2の設置用端部を一体として備えた芯材としてのボビンに、1本のリード線を巻回していくだけで、円錐状コイル部の他に端子部の基になる第1の絡げ部及び第2の絡げ部が形成される構造を備えているため、極細で腰のないリード線を用いた超小型のコニカルインダクタを、容易に実現可能となる。
また、平面上に載置した際には円錐台部が設置面に対して必要な角度をなすようにボビンを構成しているため、リード線を巻回した後に回路基板上に載置するだけで、自然と必要な角度で傾斜した円錐状コイル部が得られる利点がある。
さらに、第1の絡げ部及び第2の絡げ部に半田ディップを施すだけで第1の端子部及び第2の端子部が形成され、SMD(Surface Mount Device)対応が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】コニカルインダクタの芯材となるボビンの前面側を示す斜視図である。
図2】上記ボビンの背面側を示す斜視図である。
図3】上記ボビンの側面図である。
図4】フライヤー式の巻線機を用い、ボビンにリード線を巻回する様子を示す写真である。
図5】ボビンの各部の形状や角度に合わせてリード線の巻き方を変化させる様子を示す写真である。
図6】巻回直後のコニカルインダクタを示す側面図である。
図7】端子部を形成したコニカルインダクタを示す写真である。
図8】コニカルインダクタを回路基板に接続した状態を示す側面図である。
図9】キャップを装着したコニカルインダクタを回路基板に接続した状態を示す側面部分断面図である。
図10】コニカルインダクタにキャップを装着した状態の開口面を示す写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に沿ってこの発明に係るコニカルインダクタの構成を説明する。
図1及び図2は、コニカルインダクタの芯材となるボビン10を示しており、円錐台部12と、円錐台部12の頂面に連設された第1の設置用端部としての円柱状端部14と、円錐台部12の底面に連設された支持脚部16と、支持脚部16の下端に連設された第2の設置用端部としての角柱状端部18と、支持脚部16の背面に連設された円柱状のロッド部20とを備えている。
円柱状端部14と円錐台部12との間には、平板状の鍔部22が形成されている。
【0016】
図3に示すように、ボビン10を平面24上に載置した際には、円柱状端部14の下端面、鍔部22の下端面、及び角柱状端部18の下端面が面一となり、円錐台部12の底面と平面24との間には所定の間隙Gが形成される。
また、この時点で円錐台部12の中心線α(円錐台部12の頂面の中心点と底面の中心点を通る直線)と、平面24との間に所定の角度X(例えば40度)が形成される。
【0017】
このようなボビン10の姿勢を実現するため、円柱状端部14と円錐台部12との角度Y、支持脚部16と角柱状端部18との角度Z、及び支持脚部16の長さ寸法が設定されている。
【0018】
なお、鍔部22の下端面は上記のように円柱状端部14の下端面及び角柱状端部18の下端面と面一になるが、上端面は円柱状端部14の上端面よりも上に突出するように形状・寸法が設定されている。
【0019】
ボビン10は液晶ポリマー等の樹脂材を金型内に射出することで一体的に成形されるため、量産時に上記した各部の形状や寸法、角度が安定的に再現可能となる。
【0020】
このボビン10に対して、フライヤー式の巻線機を用いて極細のリード線(例えば直径20μmのポリウレタン銅線)を巻回していく。
すなわち、図4に示すように、ボビン10のロッド部20をステンレスパイプよりなる治具27に嵌装して固定した後、巻線機のノズル26をボビン10の周囲で回転させながら、先端から繰り出される1本のリード線28を、ボビン10の円柱状端部14、円錐台部12、支持脚部16、角柱状端部18に連続的に巻き付けていく。
【0021】
この際、図5に示すように、巻線機はボビン10の各部の形状や角度に合わせてリード線28の巻き方を変化させる。
すなわち、巻き始めとなる円柱状端部14にリード線28を巻き付ける際には(図5(a))、先に巻いたリード線28の上に重ねるように後続のリード線28をクロス状に巻き付けることにより、第1の絡げ部30が形成される。
つぎに、リード線28をボビン10の円錐台部12に同心円状に巻回していくことにより(図5(b))、コニカルインダクタ32の円錐状コイル部34が形成される。
つぎに、リード線28をボビン10の支持脚部16を経て角柱状端部18に巻き付ける際にも(図5(c))、先に巻いたリード線28の上に重ねるように後続のリード線28をクロス状に巻きつけることにより、第2の絡げ部36が形成される。
【0022】
巻線機のノズル26は、図示しないXYステージの動作によって巻回方向を前後左右に変化させることができ、また治具27の角度も必要に応じて可変となされているため、上記のようにボビン10の各部の形状や寸法、角度に応じてリード線28の巻き方を変えることができる。
円柱状端部14、円錐台部12、支持脚部16及び角柱状端部18を一体として備えた芯材としてのボビン10に対し、1本のリード線28を巻回していくだけで済むため、腰がなくて形状安定性に欠ける極細のリード線28を用いてコニカルインダクタ32を形成することが可能となる(リード線の直径が30μm以下になると、線自体に腰がなくなるため、空芯コイルではコイル形状に巻回することはできてもコイル形状を維持することが困難となる)。
【0023】
図6は、巻回直後のコニカルインダクタ32を示しており、先端の円柱状端部14に第1の絡げ部30が形成されると共に、円錐台部12には円錐状コイル部34が形成され、さらに後端の角柱状端部18に第2の絡げ部36が形成されている。
このように、コニカルインダクタ32の両端に第1の絡げ部30及び第2の絡げ部36が形成され、リード線28がボビン10にしっかりと緊締されているため、使用中にリード線28が解れることを有効に防止できる。
【0024】
図7に示すように、第1の絡げ部30及び第2の絡げ部36に半田ディップを施すことにより、第1の端子部40及び第2の端子部42が容易に形成される。
この際、鍔部22は半田が円錐状コイル部34に接触することを防止する障壁として機能する。
【0025】
この後、ボビン10を巻線機の治具27から抜き出すことにより、図8に示すように、コニカルインダクタ32として完成する。
コニカルインダクタ32は、第1の端子部40及び第2の端子部42を介して回路基板44上に電気的に接続される。
円柱状端部14及び鍔部22と回路基板44との接触面積は比較的小さいが、角柱状端部18の接触面積は十分に広く確保されているため、コニカルインダクタ32は回路基板44上に安定的に自立可能となる。このため、高密度の表面実装にも対応できる。
【0026】
図9に示すように、コニカルインダクタ32に樹脂製のキャップ46を装着することもできる。
図中の符号48は、コニカルインダクタ32とキャップ46間に介装されたシリコン系の接着剤を示している。
【0027】
図10は、キャップ46を装着したコニカルインダクタ32を、キャップ46の開口面側から撮影した拡大写真(倍率:×200.0)であり、コニカルインダクタ32の第1の端子部40及び第2の端子部42が露出している様子が示されている。
図示の通り、キャップ46の寸法としては、縦が僅か0.8mm、横が1.2mmしかなく、コニカルインダクタ32の円錐状コイル部34の寸法も約0.6mmであり、1mmを大きく下回っていることがわかる。
【0028】
コニカルインダクタ32の円錐状コイル部34の先端側(径の小さい側)に、より径の大きな絡げ部を設けることはインダクタとしての特性に悪影響を及ぼす原因となるため、円柱状端部14の径は円錐状コイル部34の先端部分の径よりも小さく設定することが望ましい。
ただし、その形状は円柱状に限定されるものではなく、円柱状端部14の代わりに角柱状端部を設け、これにリード線28を絡げることで第1の絡げ部30としてもよい。
【0029】
リード線28の断面形状は真円に限定されるものではなく、例えば断面楕円状あるいは断面長方形状のリード線を用いることで、配線抵抗を低減することもできる。
【符号の説明】
【0030】
10 ボビン
12 円錐台部
14 円柱状端部
16 支持脚部
18 角柱状端部
20 ロッド部
22 鍔部
24 平面
26 ノズル
27 治具
28 リード線
30 第1の絡げ部
32 コニカルインダクタ
34 円錐状コイル部
36 第2の絡げ部
40 第1の端子部
42 第2の端子部
44 回路基板
46 キャップ
48 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10