(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025078083
(43)【公開日】2025-05-19
(54)【発明の名称】コイル電子部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20250512BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20250512BHJP
H01F 27/02 20060101ALI20250512BHJP
【FI】
H01F17/00 B
H01F27/29 123
H01F27/02 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024194111
(22)【出願日】2024-11-06
(31)【優先権主張番号】10-2023-0152742
(32)【優先日】2023-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0032098
(32)【優先日】2024-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】文 炳 チョル
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 賢
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB02
5E070CB06
5E070CB12
5E070CB17
5E070DA13
5E070EA01
5E070EB03
(57)【要約】
【課題】厚さが薄いコイル電子部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によるコイル電子部品は、第1方向に対向する第1面及び第2面と、第2方向に対向し、第1面と第2面を接続する第3面及び第4面と、第3方向に対向し、第1面と第2面を接続する第5面及び第6面と、を有し、磁性物質を含む磁性体と、磁性体の内部に配置され、互いに対向する第1支持面及び第2支持面を含む支持部材と、支持部材の第1支持面に配置される第1コイルパターンと、支持部材の第2支持面に配置される第2コイルパターンと、第1コイルパターンと第2コイルパターンとを接続するビアと、を含むコイルと、磁性体の前記第6面上に配置される外部電極と、磁性体内で、コイルと外部電極とを接続する少なくとも一つの接続電極と、を有し、接続電極がコイルに接続される部分の直径は、接続電極の残りの部分の直径より大きい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に対向する第1面及び第2面と、第2方向に対向し、前記第1面と前記第2面を接続する第3面及び第4面と、第3方向に対向し、前記第1面と前記第2面を接続する第5面及び第6面と、を有し、磁性物質を含む磁性体と、
前記磁性体の内部に配置され、互いに対向する第1支持面及び第2支持面を含む支持部材と、
前記支持部材の前記第1支持面に配置される第1コイルパターンと、前記支持部材の前記第2支持面に配置される第2コイルパターンと、前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを接続するビアと、を含むコイルと、
前記磁性体の前記第6面上に配置される外部電極と、
前記磁性体内で、前記コイルと前記外部電極とを接続する少なくとも一つの接続電極と、を有し、
前記接続電極が前記コイルに接続される部分の直径は、前記接続電極の残りの部分の直径より大きいことを特徴とするコイル電子部品。
【請求項2】
前記コイルに接続される前記接続電極の端部には、前記接続電極の残りの部分より直径が大きい拡張部が配置されることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項3】
前記接続電極は、前記第3方向に延長され、前記コイルに接続される第1部分と、前記第1方向に延長され、前記外部電極に接続される第2部分と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項4】
前記接続電極は、前記第3方向に延長され、前記コイルに接続される第1部分と、前記第2方向に延長され、前記外部電極に接続される第2部分と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項5】
前記接続電極は、前記コイルと異なる材料からなり、
前記接続電極と前記コイルとの界面には、金属間化合物(intermetallic compound)が配置されることを特徴とする請求項4に記載のコイル電子部品。
【請求項6】
前記コイルは、銅(Cu)を含み、
前記接続電極は、金(Au)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、又はこれらの合金を含むことを特徴とする請求項5に記載のコイル電子部品。
【請求項7】
前記接続電極が前記外部電極に接続される部分と前記コイルに接続される部分は、前記第3方向から見る時、前記第1方向中心線上にあることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項8】
前記接続電極が前記外部電極に接続される部分と前記コイルに接続される部分は、前記第3方向から見る時、前記第1方向中心線を基準に前記第2方向に偏ることを特徴とする請求項1に記載のコイル電子部品。
【請求項9】
前記外部電極は、第1外部電極及び第2外部電極を含み、
前記接続電極は、前記第1コイルパターンと前記第1外部電極とを接続する第1接続電極と、前記第2コイルパターンと前記第2外部電極とを接続する第2接続電極と、を含み、
前記第1接続電極と前記第2接続電極は、前記磁性体の前記第3面又は前記第4面側に偏って配置されることを特徴とする請求項8に記載のコイル電子部品。
【請求項10】
前記外部電極は、第1外部電極及び第2外部電極を含み、
前記接続電極は、前記第1コイルパターンと前記第1外部電極とを接続する第1接続電極と、前記第2コイルパターンと前記第2外部電極とを接続する第2接続電極と、を含み、
前記第1接続電極と前記第2接続電極の内の一つの接続電極は、前記磁性体の前記第3面側に偏って配置され、他の一つの接続電極は、前記第4面側に偏って配置されることを特徴とする請求項8に記載のコイル電子部品。
【請求項11】
複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップと、
ここで、各コイルは、前記貫通ホールを中心に、前記支持部材の第1面に配置される第1コイルパターンと、前記支持部材の第2面に配置され、ビアを介して前記第1コイルパターンに接続される第2コイルパターンと、を含み、
隣り合う二つの第1コイルパターンを複数の接続導体で互いに接続するステップと、
前記支持部材を第1磁性体上に配置するステップと、
前記支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップと、
前記磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップと、
前記接続導体各々が第1接続電極及び第2接続電極に分割されるように前記支持部材を切断して個別積層体を形成するステップと、
前記個別積層体の前記第1接続電極に接続される第1外部電極、及び前記第2接続電極に接続される第2外部電極を形成するステップと、を有することを特徴とするコイル電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記磁性材料を充填するステップにおいて、前記接続導体の一部分が露出されることを特徴とする請求項11に記載のコイル電子部品の製造方法。
【請求項13】
前記個別積層体を形成するステップの前に、
前記第1磁性体の外面(outer surface)に第1絶縁膜を形成するステップと、
前記第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップと、をさらに有することを特徴とする請求項11に記載のコイル電子部品の製造方法。
【請求項14】
前記第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップにおいて、
前記第2絶縁膜は、前記接続導体の露出された部分と離隔されるように形成することを特徴とする請求項13に記載のコイル電子部品の製造方法。
【請求項15】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極を形成するステップの前に、
前記個別積層体の積層方向と交差する方向の端面(end surface)に第3絶縁膜を形成するステップをさらに有することを特徴とする請求項14に記載のコイル電子部品の製造方法。
【請求項16】
前記個別積層体を形成するステップの前に、
前記第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップと、
前記第2磁性体の外面と前記第2絶縁膜を覆うように粘着層を形成するステップと、をさらに有することを特徴とする請求項12に記載のコイル電子部品の製造方法。
【請求項17】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極を形成するステップの前に、
前記個別積層体の外面と前記粘着層を覆うように第4絶縁膜を形成するステップと、
前記粘着層を除去するステップと、をさらに有することを特徴とする請求項16に記載のコイル電子部品の製造方法。
【請求項18】
複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップと、
ここで、各コイルは、前記貫通ホールを中心に前記支持部材の第1面に配置される第1コイルパターンと、前記支持部材の第2面に配置され、ビアを介して前記第1コイルパターンに接続される第2コイルパターンと、を含み、
それぞれの第1コイルパターンに二つの接続電極を接続するステップと、
前記支持部材を第1磁性体上に配置するステップと、
前記支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップと、
前記磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップと、
前記支持部材を切断して個別積層体を形成するステップと、
前記個別積層体の接続電極に接続される外部電極を形成するステップと、を有することを特徴とするコイル電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル電子部品に関し、特に、厚さが薄いコイル電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の機能が多様化するにつれて消費電力が増加し、モバイル機器内のバッテリー使用時間を長くするために、電力半導体(power management integrated circuit:PMIC)周辺に損失が少なく、効率に優れたコイル電子部品が採用されている。
【0003】
製品をスリム(slim)化し、部品配置の自由度を高めるため、厚さが薄いパワーインダクタ(power inductor)に対する要求が大きくなっている。
特に、基板に実装される面のみに外部電極が配置された薄膜型パワーインダクタに対する要求も高まっており、課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来のコイル電子部品における課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、厚さが薄いコイル電子部品を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、厚さが薄いコイル電子部品を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明によるコイル電子部品は、第1方向に対向する第1面及び第2面と、第2方向に対向し、前記第1面と前記第2面を接続する第3面及び第4面と、第3方向に対向し、前記第1面と前記第2面を接続する第5面及び第6面と、を有し、磁性物質を含む磁性体と、前記磁性体の内部に配置され、互いに対向する第1支持面及び第2支持面を含む支持部材と、前記支持部材の前記第1支持面に配置される第1コイルパターンと、前記支持部材の前記第2支持面に配置される第2コイルパターンと、前記第1コイルパターンと前記第2コイルパターンとを接続するビアと、を含むコイルと、前記磁性体の前記第6面上に配置される外部電極と、前記磁性体内で、前記コイルと前記外部電極とを接続する少なくとも一つの接続電極と、を有し、前記接続電極が前記コイルに接続される部分の直径は、前記接続電極の残りの部分の直径より大きいことを特徴とする。
【0006】
前記コイルに接続される前記接続電極の端部には、前記接続電極の残りの部分より直径が大きい拡張部が配置されることが好ましい。
前記接続電極は、前記第3方向に延長され、前記コイルに接続される第1部分と、前記第1方向に延長され、前記外部電極に接続される第2部分と、を含むことが好ましい。
前記接続電極は、前記第3方向に延長され、前記コイルに接続される第1部分と、前記第2方向に延長され、前記外部電極に接続される第2部分と、を含むことが好ましい。
前記接続電極は、前記コイルと異なる材料からなり、前記接続電極と前記コイルとの界面には、金属間化合物(intermetallic compound)が配置されることが好ましい。
前記コイルは、銅(Cu)を含み、前記接続電極は、金(Au)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、又はこれらの合金を含むことが好ましい。
前記接続電極が前記外部電極に接続される部分と前記コイルに接続される部分は、前記第3方向から見る時、前記第1方向中心線上にあることが好ましい。
前記接続電極が前記外部電極に接続される部分と前記コイルに接続される部分は、前記第3方向から見る時、前記第1方向中心線を基準に前記第2方向に偏ることが好ましい。
前記外部電極は、第1外部電極及び第2外部電極を含み、前記接続電極は、前記第1コイルパターンと前記第1外部電極とを接続する第1接続電極と、前記第2コイルパターンと前記第2外部電極とを接続する第2接続電極と、を含み、前記第1接続電極と前記第2接続電極は、前記磁性体の前記第3面又は前記第4面側に偏って配置されることが好ましい。
前記外部電極は、第1外部電極及び第2外部電極を含み、前記接続電極は、前記第1コイルパターンと前記第1外部電極とを接続する第1接続電極と、前記第2コイルパターンと前記第2外部電極とを接続する第2接続電極と、を含み、前記第1接続電極と前記第2接続電極の内の一つの接続電極は、前記磁性体の前記第3面側に偏って配置され、他の一つの接続電極は、前記第4面側に偏って配置されることが好ましい。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明によるコイル電子部品の製造方法は、複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップと、ここで、各コイルは、前記貫通ホールを中心に、前記支持部材の第1面に配置される第1コイルパターンと、前記支持部材の第2面に配置され、ビアを介して前記第1コイルパターンに接続される第2コイルパターンと、を含み、隣り合う二つの第1コイルパターンを複数の接続導体で互いに接続するステップと、前記支持部材を第1磁性体上に配置するステップと、前記支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップと、前記磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップと、前記接続導体各々が第1接続電極及び第2接続電極に分割されるように前記支持部材を切断して個別積層体を形成するステップと、前記個別積層体の前記第1接続電極に接続される第1外部電極、及び前記第2接続電極に接続される第2外部電極を形成するステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
前記磁性材料を充填するステップにおいて、前記接続導体の一部分が露出されることが好ましい。
前記個別積層体を形成するステップの前に、前記第1磁性体の外面(outer surface)に第1絶縁膜を形成するステップと、前記第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップと、をさらに有することが好ましい。
前記第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップにおいて、前記第2絶縁膜は、前記接続導体の露出された部分と離隔されるように形成することが好ましい。
前記第1外部電極及び前記第2外部電極を形成するステップの前に、前記個別積層体の積層方向と交差する方向の端面(end surface)に第3絶縁膜を形成するステップをさらに有することが好ましい。
前記個別積層体を形成するステップの前に、前記第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップと、前記第2磁性体の外面と前記第2絶縁膜を覆うように粘着層を形成するステップと、をさらに有することが好ましい。
前記第1外部電極及び前記第2外部電極を形成するステップの前に、前記個別積層体の外面と前記粘着層を覆うように第4絶縁膜を形成するステップと、前記粘着層を除去するステップと、をさらに有することが好ましい。
【0009】
本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法は、複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップと、ここで、各コイルは、前記貫通ホールを中心に前記支持部材の第1面に配置される第1コイルパターン、及び前記支持部材の第2面に配置されてビアを介して前記第1コイルパターンに接続される第2コイルパターンを含み、それぞれの第1コイルパターンに二つの接続電極を接続するステップと、前記支持部材を第1磁性体上に配置するステップと、前記支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップと、前記磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップと、前記支持部材を切断して個別積層体を形成するステップと、前記個別積層体の接続電極に接続される外部電極を形成するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコイル電子部品及びその製造方法によれば、磁性体と、磁性体の内部に配置され互いに対向する第1支持面及び第2支持面を含む支持部材と、支持部材の第1支持面に配置される第1コイルパターンと、支持部材の第2支持面に配置される第2コイルパターンと、第1コイルパターンと第2コイルパターンとを接続するビアと、を含むコイルと、磁性体上に配置される外部電極と、磁性体内で、コイルと外部電極とを接続する少なくとも一つの接続電極と、を有し、接続電極がコイルに接続される部分の直径は、接続電極の残りの部分の直径より大きいことにより、厚さが薄いコイル電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態によるコイル電子部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II’線に沿って切断した概略断面図である。
【
図3】
図1のIII-III’線に沿って切断した概略断面図である。
【
図4】
図1のコイル電子部品を概略的に示す底面図である。
【
図5】本発明の実施形態の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図10】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図11】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図12】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図13】本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
【
図14】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図15】
図14のXV-XV’線に沿って切断した概略断面図である。
【
図16】
図14のXVI-XVI’線に沿って切断した概略断面図である。
【
図17】
図14のコイル電子部品を概略的に示す底面図である。
【
図18】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図19】
図18のXIX-XIX’線に沿って切断した概略断面図である。
【
図20】
図18のコイル電子部品を概略的に示す底面図である。
【
図21】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図22a】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図22b】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図22c】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図22d】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図22e】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図22f】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図22g】本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図23】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図24a】本発明の他の実施形態によるボールボンディングワイヤーを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図24b】本発明の他の実施形態によるボールボンディングワイヤーを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図24c】本発明の他の実施形態によるボールボンディングワイヤーを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図24d】本発明の他の実施形態によるボールボンディングワイヤーを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図25a】本発明の他の実施形態によるウエッジワイヤーボンディングを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図25b】本発明の他の実施形態によるウエッジワイヤーボンディングを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図25c】本発明の他の実施形態によるウエッジワイヤーボンディングを利用したコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図26】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図27a】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27b】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27c】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27d】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27e】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27f】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27g】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27h】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図27i】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図28】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図29a】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図29b】本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【
図30】本発明の実施形態による二つのコイル電子部品が並列接続された状態を概略的に示す図である。
【
図31】本発明の他の実施形態による二つのコイル電子部品が並列接続された状態を概略的に示す図である。
【
図32】本発明の他の実施形態による二つのコイル電子部品が並列接続された状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係るコイル電子部品及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
図で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一又は類似の構成要素については同一参照符号を付した。
また、添付図面において、一部の構成要素は、誇張したり、省略したり、又は概略的に示しており、各構成要素のサイズは、実際のサイズを完全に反映するものではない。
添付された図面は、本明細書に開示した実施形態を容易に理解できるようにするためのものであり、添付された図面によって本明細書に開示した技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0014】
第1、第2などのような序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。
これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用する。
また、層、膜、領域、プレートなどの部分が他の部分の「上」又は「の上」にあるとは、他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その間に別の部分がある場合も含む。
逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあると言うときは、真ん中に他の部分がないことを意味する。
また、基準となる部分の「上」又は「の上」にあるというのは、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」又は「の上」に位置することを意味するものではない。
明細書全体において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらの組み合わせが存在することを指定するものであって、一つ又は複数の他の特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されるべきである。
したがって、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
また、明細書全体において、「平面上」とは、対象部分を上から見たときのことを意味し、「断面上」とは、対象部分を垂直に切った断面を横から見たときのことを意味する。
また、本明細書全体において、「接続される」とは、二つ以上の構成要素が直接的に接続されることだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に接続されること、物理的に接続されるだけでなく、電気的に接続されること、又は位置や機能に応じて異なる名称で呼ばれているが一体であることを意味し得る。
【0016】
図1は、本発明の実施形態によるコイル電子部品の概略構成を示す斜視図であり、
図2は、
図1のII-II’線に沿って切断した概略断面図であり、
図3は、
図1のIII-III’線に沿って切断した概略断面図であり、
図4は、
図1のコイル電子部品を概略的に示した底面図である。
図1、
図2、
図3及び
図4を参照すると、本発明の実施形態によるコイル電子部品1000は、磁性体100、コイル200、支持部材300、第1接続電極400、第2接続電極500、第1外部電極700、第2外部電極800、及び表面絶縁層900を含む。
【0017】
磁性体100は、ほぼ直六面体形状で構成することができるが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
焼成(sintering)時の磁性粉末などの収縮によって、磁性体100は、完全な直六面体形状ではないが、実質的に直六面体形状を有し得る。
例えば、磁性体100は、ほぼ直六面体形状であるが、角部や頂点に相当する部分が丸い形状を有し得る。
本実施形態では、説明の便宜のために、長さ方向(L軸方向)に対向する二面をそれぞれ第1面(S1)及び第2面(S2)と定義し、幅方向(W軸方向)に対向する二面をそれぞれ第3面(S3)及び第4面(S4)と定義し、厚さ方向(T軸方向)に対向する二面をそれぞれ第5面(S5)及び第6面(S6)と定義する。
【0018】
コイル電子部品1000の長さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)中央部における長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準として、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して長さ方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さの内の最大値を意味する。
又は、コイル電子部品1000の長さは、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して長さ方向(L軸方向)と平行な複数の線分の長さの内の最小値を意味する。
又は、コイル電子部品1000の長さは、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の長さ方向(L軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して長さ方向(L軸方向)と平行な複数の線分の内の少なくとも二つの線分の長さの算術平均値を意味する。
【0019】
コイル電子部品1000の厚さは、コイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)中央部における長さ方向(L軸方向)-厚さ方向(T軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準として、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の長さの内の最大値を意味する。
又は、コイル電子部品1000の厚さは、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の長さの内の最小値を意味する。
又は、コイル電子部品1000の厚さは、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して厚さ方向(T軸方向)と平行な複数の線分の内の少なくとも二つの線分の長さの算術平均値を意味する。
【0020】
コイル電子部品1000の幅は、コイル電子部品1000の厚さ方向(T軸方向)中央部における長さ方向(L軸方向)-幅方向(W軸方向)の断面(cross section)に対する光学顕微鏡又はSEM(Scanning Electron Microscope)写真を基準として、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の長さの内の最大値を意味する。
又は、コイル電子部品1000の幅は、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の長さの内の最小値を意味する。
又は、コイル電子部品1000の幅は、前述した断面写真に現れたコイル電子部品1000の幅方向(W軸方向)に対向する二つの最外側境界線をそれぞれ接続して幅方向(W軸方向)と平行な複数の線分の内の少なくとも二つの線分の長さの算術平均値を意味する。
【0021】
一方、コイル電子部品1000の長さ、幅及び厚さのそれぞれは、マイクロメーター(micrometer)測定法で測定することもできる。
マイクロメーター測定法は、Gage R&R(Repeatability and Reproducibility)されたマイクロメーターに零点を設定し、マイクロメーターのチップの間に本実施形態によるコイル電子部品1000を挿入し、マイクロメーターの測定レバー(lever)を回して測定する。
一方、マイクロメーター測定法でコイル電子部品1000の長さを測定する時、コイル電子部品1000の長さは、1回測定された値を意味することもでき、複数回測定された値の算術平均を意味することもできる。
これは、コイル電子部品1000の幅及び厚さ測定にも同様に適用することができる。
【0022】
磁性体100は、コイル電子部品1000の外形を構成し、第1外部電極700及び第2外部電極800を通じてコイル200に電流が印加される時、コイル200から誘導される磁束(magnetic flux)が通過する経路の磁路(magnetic path)が形成される空間である。
磁性体100は、コイル200及び支持部材300を囲んで縫合(encapsulation)し、磁性物質を含む。
磁性体100は磁性粒子を含み、磁性粒子の間には絶縁材が介在する。
磁性物質は、第1金属磁性粉末、第1金属磁性粉末より粒径が小さい第2金属磁性粉末、及び第2金属磁性粉末より粒径が小さい第3金属磁性粉末を含む。
第1金属磁性粉末の平均粒径(D50)は、5μm以上30μm以下であり、第2金属磁性粉末の平均粒径(D50)は、1μm以上5μm以下であり、第3金属磁性粉末の平均粒径(D50)は、0.05μm以上0.5μm以下であり得る。
磁性粒子は、磁気特性を示すフェライト(ferrite)粒子や金属磁性粒子であり得る。
【0023】
フェライト粒子は、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの内の少なくとも一つ以上であり得る。
【0024】
金属磁性粒子は、組成が異なる2種類以上の粉末で構成することができ、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオビウム(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択される1種以上を含み得る。
例えば、金属磁性粒子は、純鉄、Fe-Si系合金、Fe-Si-Al系合金、Fe-Ni系合金、Fe-Ni-Mo系合金、Fe-Ni-Mo-Cu系合金、Fe-Co系合金、Fe-Ni-Co系合金、Fe-Cr系合金、Fe-Cr-Si系合金、Fe-Si-Cu-Nb系合金、Fe-Ni-Cr系合金、Fe-Cr-Al系合金の内の少なくとも一つ以上であり得る。
ここで、金属磁性粒子の組成が異なるとは、含有量が異なることを意味する。
【0025】
金属磁性粒子は、非晶質又は結晶質であり得る。
例えば、金属磁性粒子は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金であり得るが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
金属磁性粒子は、平均粒径が約0.1μm~30μmであるが、これに限定されるものではない。
本明細書上で、平均粒径は、D90又はD50などで表現される粒度分布を意味する。
粒度分布は、測定対象となる粒子群内に、どのような大きさ(粒径)の粒子がどのような比率で含まれているかを示す指標として、当業者によく知られている。
D50(粒度分布の体積累積50%に相当する粒径)は、平均粒径を示す。
金属磁性粒子は、2種類以上の異なる金属磁性粒子であり得る。
ここで、金属磁性粒子の種類が異なるということは、金属磁性粒子が平均粒径、組成、成分比、結晶性及び形状の内の少なくとも一つで互いに区別されることを意味する。
【0026】
絶縁材は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含み得るが、これに限定されるものではない。
磁性体100を形成する方法は、特に制限されない。
例えば、コイル200の上部及び下部に磁性材料からなるシート(sheet)を配置した後、これを圧着及び硬化して磁性体100を形成することができる。
【0027】
支持部材300は、磁性体100内部に配置され、コイル200を支持する。
支持部材300は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁資材で形成したり、このような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラー(filler)のような補強剤が含浸された絶縁材料で構成することができる。
例えば、支持部材300は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)フィルム、PID(Photo Imageable Dielectric)フィルムなどの絶縁資材で形成され得るが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
【0028】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク(Talc)、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ほう酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)からなる群より選択される少なくとも一つ以上を使用し得る。
支持部材300の中心には、貫通ホール310がある。
貫通ホール310は、磁性体100を構成する磁性物質で満たされてコア110を形成することにより、コイル電子部品の性能を向上させることができる。
【0029】
コイル200は、磁性体100の内部に配置され、コイル電子部品1000の特性を発現する。
例えば、本実施形態のコイル電子部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル200に電流が印加されるとエネルギーを磁場の形態に保存し、出力電圧を維持することで電子機器の電源を安定させる役割を果たす。
コイル200は、支持部材300の互いに対向する第1支持面320と第2支持面330に配置される。
コイル200は、第1コイルパターン210及び第2コイルパターン220を含み、第1コイルパターン210と第2コイルパターン220は、第1ビア230を介して電気的に接続される。
【0030】
第1コイルパターン210は、支持部材300の第1支持面320に配置され、第1引出部213を含む。
第1引出部213は、第1接続電極400によって第1外部電極700に電気的に接続される。
第1コイルパターン210は、接続部250に直接的に接続されない。
例えば、第1コイルパターン210と接続部250は、同じ導電性金属で構成されていてもよいが、互いに離隔されていてもよい。
第2コイルパターン220は、支持部材300の第2支持面330に配置され、第2引出部223を含む。
第2引出部223は、第2ビア240、接続部250、及び第2接続電極500によって第2外部電極800に電気的に接続される。
【0031】
一方、第1コイルパターン210、第1引出部213、第1ビア230、第2ビア240、及び接続部250を支持部材300の第1支持面320側にメッキで形成するとき、第1コイルパターン210、第1引出部213、第1ビア230、第2ビア240、及び接続部250は、それぞれ無電解メッキ層などのシード層と電解メッキ層を含む。
ここで、電解メッキ層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
多層構造の電解メッキ層は、いずれか一つの電解メッキ層を他の一つの電解メッキ層がカバーするコンフォーマル(conformal)な構造で形成され、いずれか一つの電解メッキ層の一面にだけ他の一つの電解メッキ層が積層された形状で形成することもできる。
【0032】
第1コイルパターン210のシード層、第1引出部213のシード層、第1ビア230のシード層、第2ビア240のシード層、及び接続部250のシード層は、一体に形成され、相互間に境界が形成されない場合もあるが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
第1コイルパターン210の電解メッキ層、第1引出部213の電解メッキ層、第1ビア230の電解メッキ層、第2ビア240の電解メッキ層、及び接続部250の電解メッキ層は、一体に形成され、相互間に境界が形成されない場合があるが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
以上の説明は、第2コイルパターン220、第2引出部223、第1ビア230、及び第2ビア240にも同様に適用することができる。
【0033】
コイル200及びビア(230、240)のそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されるが、本実施形態がこれに限定されるものではない。
コイル200と磁性体100との間には絶縁膜(IF)を備える。
【0034】
絶縁膜(IF)は、支持部材300及びコイル200の表面に沿って形成される。
支持部材300とコイル200が接続電極(400、500)に接続される部分には絶縁膜(IF)が存在しない。
絶縁膜(IF)は、コイル200を磁性体100から絶縁させるためのもので、パリレン(Parylene)などの公知の絶縁物質を含む。
絶縁膜(IF)に含まれる絶縁性物質は、どのものでも可能で、特別な制限はない。
例えば、絶縁膜(IF)は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂であり得る。
絶縁膜(IF)は、気相蒸着などの方法で形成されるが、これに限定されない。
例えば、絶縁フィルムを支持部材300の両面に積層することにより、絶縁膜(IF)を形成することもできる。
【0035】
第1接続電極400は、磁性体100内でコイル200を第1外部電極700に電気的に接続し、第2接続電極500は、磁性体100内でコイル200を第2外部電極800に電気的に接続する。
第1接続電極400は、磁性体100内に配置される。
例えば、第1接続電極400は、磁性体100の第1面(S1)、第3面(S3)及び第4面(S4)と離隔する。
第1接続電極400は、導電性ワイヤー(conductive wire)であってもよい。
導電性ワイヤーは、例えば、ボンディングワイヤー(bonding wire)であってもよい。
即ち、第1接続電極400は、ボールボンディング(ball bonding)によって第1コイルパターン210の第1引出部213に接続する。
ボールボンディングによる接続方法は、一般に知られている通りである。
例えば、ボンディングワイヤーの先端を溶融してボール(free air ball)を形成し、このボールを第1引出部213に圧着することでボールボンディングを行う。
【0036】
導電性金属をメッキして第1接続電極400を形成することもできる。
しかし、第1コイルパターン210と第1外部電極700との間の間隔が相対的に大きい場合には、メッキで第1接続電極400を形成することは容易ではない。
この場合には、前述のように導電性ワイヤーをボールボンディングして第1接続電極400を形成することが有利な場合がある。
第1接続電極400は、第1本体410及び第1拡張部420を含む。
第1本体410は、第1接続電極400の大部分を占める。
第1本体410は、第1端部411及び第2端部413を含む。
第1端部411は、第1外部電極700に接続される部分であり、第2端部413は、第1拡張部420に接続される部分である。
【0037】
第1拡張部420は、第1コイルパターン210の第1引出部213及び第1本体410の第2端部413に接続される。
したがって、第1拡張部420は、第1コイルパターン210の第1引出部213と第1接続電極400の第1本体410との間に配置される。
第1拡張部420は、第1本体410より厚い。
例えば、第1拡張部420の直径は、第1本体410の直径より大きい。
第1接続電極400は、コイル200と同じ材料で構成することができる。
例えば、第1接続電極400とコイル200は、共に銅(Cu)を含む。
第1接続電極400は、コイル200と異なる材料で構成することもできる。
例えば、コイル200は、銅(Cu)を含み、第1接続電極400は、金(Au)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、又はこれらの合金を含み得る。
第1接続電極400がコイル200と異なる材料で構成される場合、第1接続電極400とコイル200の界面には、金属間化合物(intermetallic compound)が形成される可能性がある。
例えば、第1拡張部420と第1引出部213の界面には金属間化合物が配置される。
【0038】
第2接続電極500は、磁性体100内に配置される。
例えば、第2接続電極500は、磁性体100の第2面(S2)、第3面(S3)及び第4面(S4)と離隔する。
第1接続電極400と同様に、第2接続電極500は、導電性ワイヤー(conductive wire)であってもよい。
導電性ワイヤーは、例えば、ボンディングワイヤー(bonding wire)であってもよい。
第2接続電極500は、第2本体510及び第2拡張部520を含む。
第2本体510は、第2接続電極500の大部分を占める。
第2本体510は、第1端部511及び第2端部513を含む。
第1端部511は、第1外部電極800に接続される部分であり、第2端部513は、第2拡張部520に接続される部分である。
【0039】
第2拡張部520は、第2コイルパターン220の第2引出部223及び第2本体510の第2端部513に接続される。
即ち、第2拡張部520は、第2ビア240及び接続部250を介して第2コイルパターン220の第2引出部223に接続される。
接続部250は、第2ビア240と第2接続電極500に接続されるが、第1コイルパターン210とは電気的に絶縁される。
したがって、第2拡張部520は、接続部250と第2接続電極500の第2本体510の間に配置される。
第2拡張部520は、第2本体510より厚い。
例えば、第2拡張部520の直径は、第2本体510の直径より大きい。
第2接続電極500は、コイル200と同じ材料で構成することができる。
例えば、第2接続電極500とコイル200は、共に銅(Cu)を含む。
【0040】
第2接続電極500は、コイル200と異なる材料で構成することもできる。
例えば、コイル200は、銅(Cu)を含み、第2接続電極500は、金(Au)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、又はこれらの合金を含み得る。
第2接続電極500がコイル200と異なる材料からなる場合、第2接続電極500とコイル200の界面には金属間化合物(intermetallic compound)が形成される可能性がある。
例えば、第2拡張部520と接続部250の界面には金属間化合物が配置される。
【0041】
図4を参照すると、第1接続電極400と第2接続電極500は、磁性体100の幅方向(W軸方向)中央を通り、長さ方向(L軸方向)に平行な中心線(C-C’)上に配置される。
第1外部電極700及び第2外部電極800は、磁性体100の外部に配置され、コイル200に接続される。
第1外部電極700は、磁性体100の第6面(S6)に配置され、第1接続電極400を介してコイル200の第1引出部213に接続される。
第2外部電極800は、磁性体100の第6面(S6)に配置され、第2接続電極500を介してコイル200の第2引出部223に接続される。
第1外部電極700は、第1金属層701、第2金属層702、及び第3金属層703を含む。
【0042】
第1金属層701は、第1接続電極400及び磁性体100の外面、即ち、第6面(S6)に接するメッキ層として銅(Cu)を含む。
第2金属層702は、第1金属層701を覆うメッキ層として、ニッケル(Ni)を含む。
第3金属層703は、第2金属層702を覆うメッキ層として、錫(Sn)を含む。
ただし、本実施形態がこのような3層構造に限定されるのではなく、第1金属層701の上に一つの金属層だけ追加された2層構造も可能である。
【0043】
第2外部電極800は、第1金属層801、第2金属層802、及び第3金属層803を含む。
第1金属層801は、第2接続電極500及び磁性体100の外面、即ち、第6面(S6)に接するメッキ層として、銅(Cu)を含む。
第2金属層802は、第1金属層801を覆うメッキ層として、ニッケル(Ni)を含む。
第3金属層803は、第2金属層802を覆うメッキ層として、錫(Sn)を含む。
ただし、本実施形態がこのような3層構造に限定されるものではなく、第1金属層801の上に一つの金属層だけ追加された2層構造も可能である。
【0044】
他の例として、第1外部電極700及び第2外部電極800は、導電性金属及びガラス(glass)を含む。
導電性金属は、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)、鉛(Pb)、又はこれらの合金を含む導電性金属であり得る。
外部電極(700、800)に含まれるガラス成分は、酸化物が混合された組成である。
ガラス成分は、例えば、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、又はこれらの組み合わせを含み得る。
ここで、遷移金属は、亜鉛(Zn)、チタニウム(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、又はニッケル(Ni)より選択され、アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、又はカリウム(K)より選択され、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、又はバリウム(Ba)より選択され得る。
【0045】
このような外部電極(700、800)の形成方法は、特に制限されない。
例えば、導電性金属及びガラスを含む導電性ペーストに積層体をディッピング(dipping)して形成するか、又は導電性ペーストを積層体の表面にスクリーン印刷法又はグラビア印刷法などで印刷して形成することができる。
また、導電性ペーストを積層体の表面に塗布するか、又は導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜を積層体に転写して形成するなど、多様な方法を使用することができる。
【0046】
表面絶縁層900は、磁性体100の第1面(S1)、第2面(S2)、第5面(S5)、及び第6面(S6)に配置される。
ただし、表面絶縁層900は、磁性体100の第6面(S6)を部分的に覆う。
即ち、磁性体100の第6面(S6)上には、第1外部電極700及び第2外部電極800が配置され、表面絶縁層900は、第1外部電極700及び第2外部電極800を覆わない。
一方、表面絶縁層900は、磁性体100の第3面(S3)及び第4面(S4)にも配置される。
このように、表面絶縁層900は、磁性体100の第1面(S1)、第2面(S2)、第3面(S3)、第4面(S4)、第5面(S5)、及び第6面(S6)の内の少なくとも一部に配置され、他の電子部品と外部電極(700、800)との間の電気的短絡を防止する。
【0047】
表面絶縁層900は、電解メッキで外部電極(700、800)を形成する時にレジスト(resist)として利用することができるが、これに限定されるものではない。
表面絶縁層900は、高分子樹脂と顔料、フィラー(filler)などを含み得る。
高分子樹脂は、エポキシなど熱硬化性高分子樹脂又はアクリルなど熱可塑性高分子樹脂を含み得る。
色を出すことができる顔料としては、例えば、黒色の場合、カーボンブラック(Carbon Black)、黒色マンガン(Mn)系スピネル(spinel)粉末などを使用することができる。
表面絶縁層は、強度及び熱膨張係数の制御などのために、SiO2及びタルク(talc)などの添加物をさらに含み得る。
【0048】
例えば、表面絶縁層900は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パラリン、SiOx、又はSiNxを含み得る。
表面絶縁層900は、スクリーン印刷(screen printing)、パッド印刷(pad printing)、ディッピング(dipping)、スプレー印刷(spray printing)などの工程を通して形成することができる。
例えば、表面絶縁層900は、液状の絶縁樹脂を磁性体100の表面に塗布するか、ドライフィルム(dry film)のような絶縁フィルムを磁性体100の表面に積層するか、又は気相蒸着などの薄膜工程を通して形成することができる。
絶縁フィルムの場合、感光性絶縁樹脂を含まないABF(Ajinomoto Build-up Film)又はポリイミドフィルムなどを利用しても構わない。
【0049】
表面絶縁層900の厚さは、3μm以上25μm以下であり得る。
表面絶縁層900の厚さが3μm未満であれば、厚さが薄い部分で磁性体が露出し、実際使用環境で酸化など外形の問題が発生する可能性がある。
表面絶縁層900の厚さが25μmを超えると、絶縁特性は優れている反面、コイル電子部品1000の体積に比べて磁性体の体積が相対的に減少するため、インダクタンス、直流抵抗又は定格電流など電気的特性が低下する可能性がある。
【0050】
図5は、本発明の実施形態の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図5を参照すると、第1コイルパターン210aは、第1延長部215aを含み、第2コイルパターン220aは、第2延長部225aを含む。
第1延長部215aは、第1引出部213から磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、第1接続電極400に接続される。
第2延長部225aは、第2引出部223から磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、第2接続電極500に接続される。
【0051】
このように、第1接続電極400と第2接続電極500が中心線(C-C’)を基準に磁性体100の第3面(S3)側に偏るように配置される。
図4に示す実施形態と比較すると、本変形例では、第1引出部213に第1接続電極400が直接接続されず、第2引出部223に第2接続電極500が直接接続されない。
したがって、第1引出部213と第2引出部223の大きさを減少させることができ、それだけコイルの面積を増加させることができる。
結局、コイル電子部品の容量を増加させることができる。
以上を除いた残りの構成要素は、
図1に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0052】
図6は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図6を参照すると、第1コイルパターン210bは、第1突出部215bを含み、第2コイルパターン220bは、第2延長部225bを含む。
第1突出部215bは、第1引出部213付近で第1コイルパターン210bから磁性体100の第1面(S1)と第4面(S4)が接する地点側に突出した構造体であり、第1接続電極400に接続される。
第2延長部225bは、第2コイルパターン220bの第2引出部223から磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、第2接続電極500に接続される。
このように、第1接続電極400と第2接続電極500は、中心線(C-C’)を基準に互いにずれるように配置される。
即ち、第1接続電極400は、磁性体100の第4面(S4)側に偏り、第2接続電極500は、第3面(S3)側に偏るように配置される。
このような配置による効果は、
図5に示した変形例の効果と同一又は類似である。
【0053】
図7は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図7を参照すると、第1コイルパターン210cは、第1突出部215cを含み、第2コイルパターン220cは、第2突出部225cを含む。
第1突出部215cは、第1引出部213付近で第1コイルパターン210cから磁性体100の第1面(S1)と第4面(S4)が接する地点側に突出した構造体であり、第1接続電極400に接続される。
第2突出部225cは、第2引出部223付近で第2コイルパターン220cから磁性体100の第2面(S2)と第4面(S4)が接する地点側に延長された構造体であり、第2接続電極500に接続される。
このように、第1接続電極400と第2接続電極500が中心線(C-C’)を基準に磁性体100の第4面(S4)側に偏るように配置される。
このような配置による効果は、
図5に示した変形例の効果と同一又は類似である。
【0054】
図8は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図8を参照すると、第1コイルパターン210dは、第1延長部215dを含み、第2コイルパターン220dは、第2突出部225dを含む。
第1延長部215dは、第1引出部213から磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、第1接続電極400に接続される。
第2突出部225dは、第2引出部223付近で第2コイルパターン220dから磁性体100の第2面(S3)と第4面(S3)が接する地点側に延長された構造体であり、第2接続電極500に接続される。
このように、第1接続電極400と第2接続電極500は、中心線(C-C’)を基準に互いに交差するように配置される。
即ち、第1接続電極400は、磁性体100の第3面(S3)側に偏り、第2接続電極500は、第4面(S4)側に偏るように配置される。
このような配置による効果は、
図5に示した変形例の効果と同一又は類似である。
【0055】
図9は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図9を参照すると、第1コイルパターン210eは、二つの第1接続電極400を介して第1外部電極700に接続され、第2コイルパターン220eは、二つの第2接続電極500を介して第2外部電極800に接続される。
即ち、第1コイルパターン210eは第1引出部213eを含み、二つの第1接続電極400が第1引出部213eに接続される。
二つの第1接続電極400は、第1外部電極700にも接続される。
また、第2コイルパターン220eは、第2引出部223eを含み、二つの第2接続電極500が第2引出部223eに接続される。
二つの第2接続電極500は、第2外部電極800にも接続される。
【0056】
接続電極として使用されるボンディングワイヤー(bonding wire)の直径は、8μm以上500μm以下である。
直径が大きいボンディングワイヤーを使用するほど抵抗が低くて有利であるが、空間的制約により、より大きい直径のボンディングワイヤーを使用することが難しい場合には、直径が小さい接続電極二つを一緒に使用して直流抵抗(Rdc)をより減少させることができる。
一方、接続電極の数は、二つに限定されず、必要に応じてより多くの数の接続電極を使用することもできる。
以上を除いた残りの構成要素は、
図1に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する重複する説明は省略する。
【0057】
図10は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図10を参照すると、第1コイルパターン210fは、第1延長部215fを含み、第2コイルパターン220fは、第2延長部225fを含む。
第1延長部215fは、第1引出部213fから磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、二つの第1接続電極400に接続される。
第2延長部225fは、第2引出部223fから磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、二つの第2接続電極500に接続される。
以上を除いた残りの構成要素は、
図5に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0058】
図11は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図11を参照すると、第1コイルパターン210gは、第1突出部215gを含み、第2コイルパターン220gは、第2延長部225gを含む。
第1突出部215gは、第1引出部213g付近で第1コイルパターン210gから磁性体100の第1面(S1)と第4面(S4)が接する地点側に延長された構造体であり、二つの第1接続電極400に接続される。
第2延長部225gは、第2引出部223gから磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、二つの第2接続電極500に接続される。
以上を除いた残りの構成要素は、
図6に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0059】
図12は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図12を参照すると、第1コイルパターン210hは、第1突出部215hを含み、第2コイルパターン220hは、第2突出部225hを含む。
第1突出部215hは、第1引出部213h付近で第1コイルパターン210hから磁性体100の第1面(S1)と第4面(S4)が接する地点側に突出した構造体であり、二つの第1接続電極400に接続される。
第2突出部225hは、第2引出部223h付近で第2コイルパターン220hから磁性体100の第2面(S2)と第4面(S4)が接する地点側に延長された構造体であり、二つの第2接続電極500に接続される。
以上を除いた残りの構成要素は、
図7に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0060】
図13は、本発明の実施形態の他の変形例によるコイル電子部品の第1コイルパターンと第2コイルパターンを概略的に示す図である。
図13を参照すると、第1コイルパターン210iは、第1延長部215iを含み、第2コイルパターン220aは、第2突出部225iを含む。
第1延長部215iは、第1引出部213iから磁性体100の第3面(S3)側に延長された構造体であり、二つの第1接続電極400に接続される。
第2突出部225iは、第2引出部223i付近で第2コイルパターン220aから磁性体100の第2面(S3)と第4面(S3)が接する地点側に延長された構造体であり、二つの第2接続電極500に接続される。
以上を除いた残りの構成要素は、
図8に示すコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0061】
図14は、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の概略構成を示す斜視図であり、
図15は、
図14のXV-XV’線に沿って切断した概略断面図であり、
図16は、
図14のXVI-XVI’線に沿って切断した概略断面図であり、
図17は、
図14のコイル電子部品を概略的に示す底面図である。
コイル電子部品2000の第1接続電極1400及び第2接続電極1500を除いた構成要素は、
図1に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する重複する説明は省略する。
【0062】
第1接続電極1400は、第1本体1410、第1折曲部1411、及び第1拡張部1420を含む。
第1本体1410は、第1接続電極1400の大部分を占め、磁性体100の第1面(S1)と離隔する。
第1本体1410の一端部には、第1折曲部1411が接続され、他端部には第1拡張部1420が接続される。
第1折曲部1411は、第1外部電極700に接続される部分である。
第1折曲部1411は、第1外部電極700に接触し、長さ方向(L軸方向)に沿って磁性体100の第1面(S1)まで延長される。
第1本体1410は、磁性体100の第1面(S1)と離隔される一方、第1折曲部1411は、磁性体100の第1面(S1)に接触する。
したがって、第1折曲部1411がない場合に比べて、第1接続電極1400が第1外部電極700に接触する面積が広い。
第1拡張部1420は、第1コイルパターン210の第1引出部213に接続される。
したがって、第1拡張部1420は、第1コイルパターン210の第1引出部213と第1接続電極1400の第1本体1410との間に配置される。
第1拡張部1420は、第1本体1410より厚い。
例えば、第1拡張部1420の直径は、第1本体1410の直径より大きい。
【0063】
第2接続電極1500は、第2本体1510、第2折曲部1511、及び第2拡張部1520を含む。
第2本体1510は、第2接続電極1500の大部分を占め、磁性体100の第2面(S2)と離隔する。
第2本体1510の一端部には、第2折曲部1511が接続され、他端部には第2拡張部1520が接続される。
第2折曲部1511は、第2外部電極800に接続される部分である。
第2折曲部1511は、第2外部電極800に接触し、長さ方向(L軸方向)に沿って磁性体100の第2面(S2)まで延長される。
第2本体1510は、磁性体100の第2面(S2)と離隔される一方、第2折曲部1511は、磁性体100の第2面(S2)に接触する。
したがって、第2折曲部1511がない場合に比べて、第2接続電極1500が第2外部電極800に接触する面積が広い。
第2拡張部1520は、第2ビア240を介して第2コイルパターン220の第2引出部223に接続される。
したがって、第2拡張部1520は、第2ビア240と第2接続電極1500の第2本体1510との間に配置される。
第2拡張部1520は、第2本体1510より厚い。
例えば、第2拡張部1520の直径は、第2本体1510の直径より大きい。
【0064】
第1接続電極1400及び第2接続電極1500は、導電性ワイヤー(conductive wire)であってもよい。
導電性ワイヤーは、例えば、ボンディングワイヤー(bonding wire)であってもよい。
【0065】
図18は、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の概略構成を示す斜視図であり、
図19は、
図18のXIX-XIX’線に沿って切断した概略断面図であり、
図20は、
図18のコイル電子部品を概略的に示す底面図である。
コイル電子部品3000の第1接続電極2400及び第2接続電極2500を除いた構成要素は、
図1に示したコイル電子部品の構成要素と同じであるため、それに関する重複する説明は省略する。
【0066】
第1接続電極2400は、第1本体2410、第1折曲部2411、及び第1拡張部2420を含む。
第1本体2410は、第1接続電極2400の大部分を占め、磁性体100の第1面(S1)と離隔する。
第1本体2410の一端部には第1折曲部2411が接続され、他端部には第1拡張部2420が接続される。
第1折曲部2411は、第1外部電極700に接続される部分である。
第1折曲部2411は、第1外部電極700に接触し、幅方向(W軸方向)に沿って磁性体100の第3面(S3)まで延長される。
第1本体2410は、磁性体100の第3面(S3)と離隔される一方、第1折曲部2411は、磁性体100の第3面(S3)に接触する。
したがって、第1折曲部2411がない場合に比べて、第1接続電極2400が第1外部電極700に接触する面積が広い。
第1拡張部2420は、第1コイルパターン210の第1引出部213に接続される。
したがって、第1拡張部2420は、第1コイルパターン210の第1引出部213と第1接続電極2400の第1本体2410との間に配置される。
第1拡張部2420は、第1本体2410より厚い。
例えば、第1拡張部2420の直径は、第1本体2410の直径より大きい。
【0067】
第2接続電極2500は、第2本体2510、第2折曲部2511、及び第2拡張部2520を含む。
第2本体2510は、第2接続電極2500の大部分を占め、磁性体100の第2面(S2)と離隔する。
第2本体2510の一端部には第2折曲部2511が接続され、他端部には第2拡張部2520が接続される。
第2折曲部2511は、第2外部電極800に接続される部分である。
第2折曲部2511は、第2外部電極800に接触し、磁性体100の第3面(S3)まで延長される。
第2本体2510は、磁性体100の第3面(S3)と離隔される一方、第2折曲部2511は、磁性体100の第3面(S3)に接触する。
したがって、第2折曲部2511がない場合に比べて、第2接続電極2500が第2外部電極800に接触する面積が広い。
第2拡張部2520は、第2ビア240を介して第2コイルパターン220の第2引出部223に接続される。
したがって、第2拡張部2520は、第2ビア240と第2接続電極2500の第2本体2510の間に配置される。
第2拡張部2520は、第2本体2510より厚い。
例えば、第2拡張部2520の直径は、第2本体2510の直径より大きい。
【0068】
第1接続電極1400及び第2接続電極1500は、導電性ワイヤー(conductive wire)であってもよい。
導電性ワイヤーは、例えば、ボンディングワイヤー(bonding wire)であってもよい。
【0069】
図21は、本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートであり、
図22a~
図22gは、本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を順次に示す図である。
【0070】
図21を参照すると、本発明の実施形態によるコイル電子部品の製造方法は、
複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップ(21-ST1)と、
隣り合う二つの第1コイルパターンを接続導体で互いに接続するステップ(21-ST2)と、
支持部材を第1磁性体上に配置するステップ(21-ST3)と、
支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップ(21-ST4)と、
磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップ(21-ST5)と、
第1磁性体の外面(outer surface)に第1絶縁膜を形成するステップ(21-ST6)と、
第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップ(21-ST7)と、
各接続導体が第1接続電極及び第2接続電極に分割されるように支持部材を切断して個別積層体を形成するステップ(21-ST8)と、
個別積層体の積層方向と交差する方向の端面(end surface)に第3絶縁膜を形成するステップ(21-ST9)と、
個別積層体の第1接続電極に接続される第1外部電極及び第2接続電極に接続される第2外部電極を形成するステップ(21-ST10)と、を有する。
【0071】
ステップ(21-ST1)において、各コイルは、貫通ホールを中心に支持部材の第1面に配置される第1コイルパターン、支持部材の第2面に配置されてビアを介して第1コイルパターンに接続される第2コイルパターンを含む。
ステップ(21-ST4)において、接続導体の一部分が露出される。
ステップ(21-ST7)において、第2絶縁膜は、接続導体の露出された部分と離隔するように形成する。
【0072】
図22aを参照すると、支持部材300は、複数のコイル200と複数の貫通ホール310を含む。
各コイル200は、貫通ホール310を中心に支持部材300の第1支持面320に配置される第1コイルパターン210、及び支持部材300の第2支持面330に配置されて第1ビア230を介して第1コイルパターン210に接続される第2コイルパターン220を含む。
長さ方向(L軸方向)に隣り合う二つの第1コイルパターン210が接続導体600を介して互いに接続される。
【0073】
接続導体600は、ボンディングワイヤー(bonding wire)であってもよい。
例えば、ボンディングワイヤーの一端部を溶融してボール(free air ball)を形成し、このボールを第1コイルパターン210の第1引出部213となる第1地点(P1)に圧着し、ボンディングワイヤーの他端部を第1地点(P1)と離隔した第2地点(P2)に圧着してボールボンディングを行う。
また、ボンディングワイヤーのボールを接続部250に圧着し、ボンディングワイヤーの他端部をまた一つの接続部250に圧着してボールボンディングを行う。
ボールボンディングを行う前に、第1コイルパターン210の第1地点(P1)と第2地点(P2)にレーザを照射して絶縁膜(IF、
図2参照)を除去する工程を行う。
【0074】
図22bを参照すると、支持部材300を第1磁性体120上に配置する。
この場合、第2コイルパターン220が第1磁性体120の表面に接する。
次に、支持部材300を覆うように磁性材料130を充填する。
磁性材料130は、支持部材300の貫通ホール310を満たし、第1コイルパターン210と第2コイルパターン220を全て覆う。
一方、磁性材料130を充填する時、接続導体600の一部分は、露出される。
第1磁性体120は、磁性材料130と同じ材料を含むこともでき、異なる材料を含むこともできる。
【0075】
図22cを参照すると、磁性材料130を圧着及び硬化して第2磁性体140を形成する。
この過程で、接続導体600の露出された部分が圧着され、第2磁性体140の表面と同一面を形成する。
図22dを参照すると、第1磁性体120の外面(outer surface)に第1絶縁膜910を形成し、第2磁性体140の外面に第2絶縁膜920を形成する。
第2絶縁膜920は、接続導体600の露出された部分と離隔されるように形成する。
図22eを参照すると、各接続導体600が第1接続電極400及び第2接続電極500に分割されるように支持部材300を切断して、個別積層体100aを形成する。
【0076】
図22fを参照すると、個別積層体100aの積層方向と交差する方向の端面(end surface)に第3絶縁膜930を形成する。
図22gを参照すると、個別積層体100aの第1接続電極400に接続される第1外部電極700を形成し、第2接続電極500に接続される第2外部電極800を形成する。
最終的に製造されるコイル電子部品は、
図15に示すコイル電子部品に対応する。
以上を除いて、前述した実施形態によるコイル電子部品の特徴と同じ部分に関する繰り返しの説明は省略する。
【0077】
図23は、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートであり、
図24a~
図24dは、ボールボンディングワイヤーを利用したコイル電子部品の製造方法を順次に示す図であり、
図25a~
図25cは、ウエッジワイヤーボンディングを利用したコイル電子部品の製造方法を順次に示す図である。
【0078】
図23を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品の製造方法は、複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップ(23-ST1)と、
隣り合う二つの第1コイルパターンを接続導体で互いに接続するステップ(23-ST2)と、
支持部材を第1磁性体上に配置するステップ(23-ST3)と、
支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップ(23-ST4)と、
磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップ(23-ST5)と、
第1磁性体の外面(outer surface)に第1絶縁膜を形成するステップ(23-ST6)と、
第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップ(23-ST7)と、
各接続導体が二つの第1接続電極に分割されるように支持部材を切断して個別積層体を形成するステップ(23-ST8)と、
個別積層体の積層方向と交差する方向の端面(end surface)に第3絶縁膜を形成するステップ(23-ST9)と、
個別積層体の前記第1接続電極に接続される第1外部電極及び前記第2接続電極に接続される第2外部電極を形成するステップ(23-ST10)と、を有する。
【0079】
図24a及び
図24bを参照すると、幅方向(W軸方向)に隣り合う二つの第1コイルパターン(210L、210R)を、接続導体600を介して接続する。
接続導体600は、ボールボンディングワイヤー(ball‐bonding wire)である。
例えば、ボンディングワイヤーの一端部を溶融してボール(free air ball)を形成し、このボールを第1コイルパターン210Lの第1引出部213Lとなる第1地点(P1)に圧着し、ボンディングワイヤーの他端部をまた他の第1コイルパターン210Rの第1引出部213Rとなる第2地点(P2)に圧着してボールボンディングを行う。
ボールボンディングを行う前に、第1コイルパターン210Lの第1地点(P1)と第2コイルパターン210Rの第2地点(P2)にレーザを照射して、絶縁膜(IF、
図2参照)を除去する工程を行う。
第1コイルパターン210Lと第1コイルパターン210Rのそれぞれの第2引出部に接続される接続部となる地点も、これと同様にボールボンディングを行う。
【0080】
図24cを参照すると、支持部材300を第1磁性体120上に配置し、支持部材300を覆うように磁性材料130を充填する。
磁性材料130を充填する時、接続導体600の一部分は、露出される。
その後、磁性材料130を圧着及び硬化して第2磁性体140を形成する。
図24dを参照すると、各接続導体が二つの第1接続電極(400L、400R)に分割されるように支持部材300を切断して、個別積層体(100L、100R)を形成する。
【0081】
一方、
図25aを参照すると、幅方向(W軸方向)に隣り合う二つの第1コイルパターン(210L、210R)を接続導体600を介して接続する。
接続導体600は、ウエッジボンディングワイヤー(wedge bonding wire)である。
例えば、ボンディングワイヤーの一端部を第1コイルパターン210Lの第1引出部213Lとなる第1地点(P1)に圧着してスティッチボンディング(stitch bonding)を行い、ボンディングワイヤーの他端部をまた他の第1コイルパターン210Rの第1引出部213Rとなる第2地点(P2)に圧着してスティッチボンディングを行い、ウエッジボンディングを行う。
ウエッジボンディングを行う前に、第1コイルパターン210Lの第1地点(P1)と第2コイルパターン210Rの第2地点(P2)にレーザを照射して絶縁膜(IF、
図2参照)を除去する工程を行う。
第1コイルパターン210Lと第1コイルパターン210Rの第2引出部に接続される接続部となる地点もこれと同様にウエッジボンディングを行う。
【0082】
図25bを参照すると、支持部材300を第1磁性体120上に配置し、支持部材300を覆うように磁性材料130を充填する。
磁性材料130を充填する時、接続導体600の一部分は、露出される。
その後、磁性材料130を圧着及び硬化して第2磁性体140を形成する。
図25cを参照すると、各接続導体が二つの第1接続電極(400L、400R)に分割されるように支持部材300を切断して、個別積層体(100L、100R)を形成する。
以上を除いたステップは、
図21の実施形態のステップと同じなので、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0083】
図26は、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートであり、
図27a~
図27iは、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を順次に示す図である。
【0084】
図26を参照すると、本実施形態のコイル電子部品の製造方法は、複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップ(26-ST1)と、
隣り合う二つの第1コイルパターンを接続導体で互いに接続するステップ(26-ST2)と、
支持部材を第1磁性体上に配置するステップ(26-ST3)と、
支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップ(26-ST4)と、
磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップ(26-ST5)と、
第2磁性体の外面に第1絶縁膜を形成するステップ(26-ST6)と、
第2磁性体の外面と前記第1絶縁膜を覆うように粘着層を形成するステップ(26-ST7)と、
各接続導体が第1接続電極及び第2接続電極に分割されるように支持部材を切断して個別積層体を形成するステップ(26-ST8)と、
個別積層体の外面と粘着層を覆うように第2絶縁膜を形成するステップ(26-ST9)と、
粘着層を除去するステップ(26-ST10)と、
個別積層体の前記第1接続電極に接続される第1外部電極及び第2接続電極に接続される第2外部電極を形成するステップ(26-ST11)と、を有する。
【0085】
図27a、
図27b、及び
図27cは、ステップ(26-ST1)、ステップ(26-ST2)、ステップ(26-ST3)、ステップ(26-ST4)、及びステップ(26-ST5)を示すが、これは
図21の実施形態のステップと同じなので、それに関する繰り返しの説明は省略する。
【0086】
図27dを参照すると、第2磁性体140の外面に第1絶縁膜910を形成する。
第1絶縁膜910は、接続導体600の露出された部分と離隔されるように形成する。
図27eを参照すると、第2磁性体140の外面と第1絶縁膜910を覆うように粘着層1100を形成する。
例えば、粘着層は、ドラムコーティングや流動層噴霧法を利用して形成する。
粘着層は、球形の発泡剤が内部に含まれている熱可塑性樹脂を含む。
図27fを参照すると、各接続導体が第1接続電極400及び第2接続電極500に分割されるように支持部材300を切断して個別積層体100aを形成する。
ここで、粘着層1100は、第2磁性体140の外面と第1絶縁膜910を覆う。
図27gを参照すると、個別積層体100aの外面と粘着層1100を覆うように第2絶縁膜920を形成する。
【0087】
図27hを参照すると、粘着層を除去する。
例えば、粘着層内に高分子ボール(ball)が含まれており、ボール内部には有機溶媒が入っている。
粘着層が加熱されると、特定温度以上で有機溶媒が沸騰し、ボールの内部圧力が増加する。
内部圧力の増加により高分子ボールの膜が膨張する。
膨張したボールが同時に絶縁膜を突き破ると、この部分の絶縁膜と共に粘着層が除去される。
粘着層が除去されることによって、第1接続電極400及び第2接続電極500が露出し、第1絶縁膜910も露出される。
図27iを参照すると、個別積層体100aの第1接続電極400に接続される第1外部電極700を形成し、第2接続電極500に接続される第2外部電極800を形成する。
以上を除いて、前述した実施形態によるコイル電子部品の特徴と同じ部分に関する繰り返しの説明は省略する。
【0088】
図28は、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するためのフローチャートであり、
図29aと
図29bは、本実施形態によるコイル電子部品の製造方法を説明するための図である。
【0089】
図28を参照すると、本実施形態によるコイル電子部品の製造方法は、複数のコイルと複数の貫通ホールを有する支持部材を設けるステップ(28-ST1)と、
それぞれの第1コイルパターンに二つの接続電極を接続するステップ(28-ST2)と、
支持部材を第1磁性体上に配置するステップ(28-ST3)と、
支持部材を覆うように磁性材料を充填するステップ(28-ST4)と、
磁性材料を圧着及び硬化して第2磁性体を形成するステップ(28-ST5)と、
第1磁性体の外面(outer surface)に第1絶縁膜を形成するステップ(28-ST6)と、
第2磁性体の外面に第2絶縁膜を形成するステップ(28-ST7)と、
二つの接続電極が第1接続電極及び第2接続電極に分割されるように支持部材を切断して個別積層体を形成するステップ(28-ST8)と、
個別積層体の積層方向と交差する方向の端面(end surface)に第3絶縁膜を形成するステップ(28-ST9)と、
個別積層体の前記第1接続電極に接続される第1外部電極及び第2接続電極に接続される第2外部電極を形成するステップ(28-ST10)と、を含む。
ステップ(28-ST4)において、接続電極の自由端(free end)が露出するように磁性材料を充填する。
【0090】
図29aを参照すると、第1コイルパターン210に接続電極(400、500)を接続する。
接続電極(400、500)は、垂直ボンディングワイヤー(vertical bodnding wire)であってもよい。
この場合、第1コイルパターン210の表面上に複数のパッド(pad)(430、530)を形成した後、それぞれのパッド(430、530)に接続電極(400、500)を接続する。
即ち、第1接続電極400は、ボールボンディング(ball bonding)によって、第1コイルパターン210の第1引出部213に接続される。
【0091】
ボールボンディングによる接続方法は、一般に知られている通りである。
例えば、ボンディングワイヤーの先端を溶融してボール(freeairball)を形成し、このボールを第1引出部213に圧着することによってボールボンディングを行う。
ただし、ボンディングワイヤーの反対側の先端は、第1コイルパターンに接続しないまま自由端のままである。
ボールボンディングを行う前に、第1コイルパターン210の第1引出部213にレーザを照射して絶縁膜(IF、
図2参照)を除去する工程を行う。
第2接続電極500もこれと同様にボールボンディングする。
【0092】
図29bを参照すると、支持部材300を第1磁性体120上に配置した後、支持部材300を覆うように磁性材料130を充填する。
ここで、接続電極(400、500)の自由端(free end)が露出するように磁性材料130を充填する。
例えば、接続電極(400、500)の自由端の露出された面は、第2磁性体140の表面と同一面を形成することができる。
以上を除いた残りのステップは、
図21の実施形態と同様な方法で行うこともできるし、
図26の実施形態と同様な方法で行うこともできる。
したがって、前述した実施形態によるコイル電子部品の製造方法の特徴と同じ部分に関する繰り返しの説明は省略する。
【0093】
図30は、本発明の一実施形態による二つのコイル電子部品が並列接続された状態を概略的に示す図である。
図30を参照すると、第1コイル電子部品4000aと第2コイル電子部品4000bは、第1接続導体4400及び第2接続導体4500を通じて並列接続される。
第1コイル電子部品4000aと第2コイル電子部品4000bは、
図9に示すコイル電子部品と同一であるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
ただし、構成要素間の関係を明確に示すため、第1コイル電子部品4000aと第2コイル電子部品4000bの第2コイルパターンは、
図30に示していない。
【0094】
第1コイル電子部品4000aの第1コイルパターン4210aの第1引出部4213aと第2コイル電子部品4000bの第1コイルパターン4210bの第1引出部4213bが第1接続導体4400を介して接続される。
また、第1コイル電子部品4000aの第2コイルパターン(図示せず)の第2引出部4223aと第2コイル電子部品4000bの第2コイルパターン(図示せず)の第2引出部4223bが第2接続導体4500を介して接続される。
第1接続導体4400及び第2接続導体4500は、ボールボンディングワイヤー(ball bonding wire)又はウエッジボンディングワイヤー(wedge bonding wire)であってもよい。
【0095】
図31は、本発明の他の実施形態による二つのコイル電子部品が並列接続された状態を概略的に示す図である。
図31を参照すると、第1コイル電子部品5000aと第2コイル電子部品5000bは、第1接続導体5400及び第2接続導体5500を介して並列接続される。
第1コイル電子部品5000aと第2コイル電子部品5000bは、
図10に示すコイル電子部品と同一であるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
ただし、構成要素間の関係を明確に示すために、第1コイル電子部品5000aと第2コイル電子部品5000bの第2コイルパターンは、
図31に示していない。
【0096】
第1コイル電子部品5000aの第1コイルパターン5210aの第1延長部5215aと第2コイル電子部品5000bの第1コイルパターン5210bの第1延長部5215bが複数の第1接続導体(5400、5400)を介して接続される。
また、第1コイル電子部品5000aの第2コイルパターン(図示せず)の第2延長部5225aと第2コイル電子部品5000bの第2コイルパターン(図示せず)の第2延長部5225bが二つの第2接続導体(5500、5500)を介して接続される。
第1接続導体5400及び第2接続導体5500は、ボールボンディングワイヤー(ball bonding wire)又はウエッジボンディングワイヤー(wedge bonding wire)であってもよい。
【0097】
図32は、本発明の他の実施形態による二つのコイル電子部品が並列接続された状態を概略的に示す図である。
図32を参照すると、第1コイル電子部品6000aと第2コイル電子部品6000bは、第1接続導体6400及び第2接続導体6500を介して並列接続される。
第1コイル電子部品6000aと第2コイル電子部品6000bは、
図12に示したコイル電子部品と同一であるため、それに関する繰り返しの説明は省略する。
ただし、構成要素間の関係を明確に示すため、第1コイル電子部品6000aと第2コイル電子部品6000bの第2コイルパターンは、
図32に示していない。
【0098】
第1コイル電子部品6000aの第1コイルパターン6210aの第1延長部6215aと第2コイル電子部品6000bの第1コイルパターン6210bの第1延長部6215bが複数の第1接続導体(6400、6400)を介して接続される。
また、第1コイル電子部品6000aの第2コイルパターン(図示せず)の第2延長部6225aと第2コイル電子部品6000bの第2コイルパターン(図示せず)の第2延長部6225bが二つの第2接続導体6500、6500を介して接続される。
第1接続導体6400及び第2接続導体6500は、ボールボンディングワイヤー(ball bonding wire)又はウエッジボンディングワイヤー(wedge bonding wire)であってもよい。
【0099】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
100 磁性体
110 コア
200 コイル
210 第1コイルパターン
220 第2コイルパターン
223 第2引出部
230 第1ビア
240 第2ビア
213 第1引出部
223 第2引出部
250 接続部
300 支持部材
310 貫通ホール
320 第1支持面
330 第2支持面
400、1400、2400 第1接続電極
410、1410、2410 第1本体
411 第1端部
413 第2端部
420 第1拡張部
500、1500、2500 第2接続電極
510、1510、2510 第2本体
511 第1端部
513 第2端部
520 第2拡張部
700 第1外部電極
701 第1金属層
702 第2金属層
703 第3金属層
800 第2外部電極
801 第1金属層
802 第2金属層
803 第3金属層
900 絶縁層
1000、2000、3000 コイル電子部品
1100 粘着層
1411、2411 第1折曲部
1420、2420 第1拡張部
1511、2511 第2折曲部
1520、2520 第2拡張部
IF 絶縁膜