(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025078312
(43)【公開日】2025-05-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250513BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190783
(22)【出願日】2023-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA03
2C333CA16
2C333CA26
2C333CA49
2C333FA05
2C333FA09
2C333FA17
(57)【要約】
【課題】特別遊技状態を利用した面白みのある演出を実行することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】当否抽選結果が当たりとなることを目指して遊技する遊技状態として、開始されてから規定回数連続してはずれとなることで終了する特別遊技状態が設けられた遊技機であって、前記特別遊技状態の途中時点にて、当該時点での当該特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が当たりとなる確率である途中確率を表示する途中演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
【選択図】
図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否抽選結果が当たりとなることを目指して遊技する遊技状態として、開始されてから規定回数連続してはずれとなることで終了する特別遊技状態が設けられた遊技機であって、
前記特別遊技状態の途中時点にて、当該時点での当該特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が当たりとなる確率である途中確率を表示する途中演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記操作手段の所定操作がなされることを契機として、前記途中演出が実行されていない状態から前記途中確率が表示された状態に変化することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特別遊技状態が終了するまでの残りのはずれ回数である残回数が実際にはNr回であるものの、Nf回(Nf<Nr)であるかのような表示がなされている状態において、
前記残回数がNf回であると仮定した場合における前記特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が当たりとなる確率である似非途中確率を表示する似非途中演出を実行することが可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
所定回数連続してはずれとなることで終了する遊技状態(特別遊技状態)が設けられた遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特別遊技状態を利用した面白みのある演出を実行することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否抽選結果が当たりとなることを目指して遊技する遊技状態として、開始されてから規定回数連続してはずれとなることで終了する特別遊技状態が設けられた遊技機であって、前記特別遊技状態の途中時点にて、当該時点での当該特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が当たりとなる確率である途中確率を表示する途中演出を実行することが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機は、特別遊技状態を利用した面白みのある演出を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示領域に表示された装飾図柄および保留図柄を示した図である。
【
図3】遊技状態(遊技状態の移行)を説明するための図である。
【
図5】回転演出(通常態様)を説明するための図である。
【
図6】回転演出(特殊態様)を説明するための図である。
【
図8】具体例1-2(
図7とは別の例)を説明するための図である。
【
図11】(a)は通常表示モードを、(b)は特定表示モードを、(c)は特別装飾図柄(非特別装飾図柄)を説明するための図である。
【
図12】表示モード変化演出を説明するための図である。
【
図18】特定先読み演出を説明するための図である。
【
図19】(a)各種特定先読みモードの例を示した図であり、(b)は特定先読みモードの選択画面を示した図である。
【
図20】具体例3-1(示唆画像の種類により現設定モードが示唆される例)を説明するための図である。
【
図23】カスタマイズ保存機能を説明するための図(その一)である。
【
図24】カスタマイズ保存機能を説明するための図(その二)である。
【
図27】具体例4-3を説明するための図(その一)である。
【
図28】具体例4-3を説明するための図(その二)である。
【
図33】具体例5-6を説明するための図(その一)である。
【
図34】具体例5-6を説明するための図(その二)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において画像というときは、静止画だけでなく、動画を含むものとする。また、特に明示した場合を除き、以下の説明は、遊技者が指示通りの遊技を行うこと(遊技者が特殊な遊技を行わず、正常な遊技を行うこと)を前提としたものである。また、「○○に遊技球が進入(入賞)」等というときは、厳密には当該○○に設けられたセンサが進入した遊技球を検出したことをいう。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、メインの表示装置である表示装置91、始動領域904、大入賞領域906、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0011】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0012】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特
図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特
図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始されることとなるが、未だ当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する場合には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報(厳密には後述する変動前保留情報)として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。
【0014】
本実施形態では、保留図柄70として、当否抽選結果を報知する変動中演出(装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう。以下単に「変動」や「回転」と称することもある)は開始されているものの、当否抽選結果の報知は完了していない当否抽選情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否抽選結果を報知する変動中演出が開始されていない当否抽選情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(
図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71の方が変動前保留図柄72よりも大きく表示されるが、両者の基本的な形態は同じである。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。また、変動中保留図柄71が表示されない構成としてもよい。なお、変動前保留図柄72に対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる保留「消化順」)は、右に位置するものほど早い。
【0015】
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特
図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特
図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特
図1および特
図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(
図2参照)。変動前保留図柄72は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき状態(後述する通常遊技状態)であれば第一変動前保留情報(特
図1保留)が変動前保留図柄72として表示され、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき状態(後述する特別遊技状態)であれば第二変動前保留情報(特
図2保留)が変動前保留図柄72として表示されるように設定されている。遊技状態によらず、記憶手段に記憶されている第一変動前保留情報および第二変動前保留情報のいずれにも対応する変動前保留図柄72が表示される(最大八つの変動前保留図柄72が表示される)構成としてもよい。
【0016】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄80(
図2参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄群80g(左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群80gから一の装飾図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各装飾図柄群80gから選択されて停止した装飾図柄80(左から並ぶ左装飾図柄80L、中装飾図柄80C、右装飾図柄80R)の組み合わせは所定の組み合わせ(本実施形態では、同じ種類の装飾図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。各種装飾図柄80は数字を含み、数字が同じであれば同種の図柄、数字が異なれば異種の図柄となる。装飾図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。
【0017】
なお、表示領域911の外縁近傍に、目立たないように各種情報を示す画像(いわゆる「小図柄」等)が表示されるようにしてもよい(各図においては当該画像の図示を省略する)。遊技者は、この種の画像を意識せずに遊技を楽しむことが可能となっている。つまり、基本的には、装飾図柄80を見て当否抽選結果を把握することが可能である。
【0018】
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている(
図3参照)。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、当否抽選に当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態は、当否抽選に当選する確率が高い高確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。本実施形態では低確率状態での当否抽選に当選する確率(当否抽選確率)は1/319、高確率状態(確変状態)での当否抽選に当選する確率(当否抽選確率)は1/70とされている。
【0019】
通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。
【0020】
本実施形態では、大当たりとして通常大当たりおよび特別大当たりが設けられている。通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後に通常遊技状態に移行する。特別大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後に特別遊技状態に移行する。通常遊技状態よりも特別遊技状態の方が有利な遊技状態であるため、通常大当たりに当選することよりも特別大当たりに当選することの方が遊技者にとって喜ばしい事象である。本実施形態では、第一始動領域904aに遊技球が進入することで取得される第一当否抽選情報に基づいて実行される第一当否抽選(特
図1抽選)を経て獲得した大当たりは、通常大当たりまたは特別大当たりとなる。通常遊技状態は第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる遊技状態であるため、基本的には通常遊技状態にて獲得した大当たりは通常大当たりおよび特別大当たりのいずれの可能性もある。第一当否抽選にて獲得した大当たりの大当たり振り分け(通常大当たりと特別大当たりの割合)はどのようなものであってもよい。一方、第二始動領域904bに遊技球が進入することで取得される第二当否抽選情報に基づいて実行される第二当否抽選(特
図2抽選)を経て獲得した大当たりは、特別大当たりとなる(通常大当たりの可能性はない)。特別遊技状態は第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる遊技状態であるため、基本的には特別遊技状態にて獲得した大当たりは特別大当たりとなる。
【0021】
特別遊技状態は、所定回数(本実施形態では100回)連続して当否抽選結果がはずれとなることをもって終了する。特別遊技状態が終了した場合には通常遊技状態に移行する。特別遊技状態に移行してから所定回数連続してはずれとなる前に特別大当たりに当選した場合には再び特別遊技状態に移行する(所定回数のカウントがリセットされる)ことになる。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、特別遊技状態に移行してから所定回数連続してはずれとなる前に特別大当たりに当選することが連チャンの条件となるいわゆるST機である(ST回数(継続回数)=100回)。なお、以下の説明において説明する各種演出等は、当該遊技性(スペック)であることを前提として成り立つものを除いては、異なる遊技性(スペック)とした場合においても発生しうるものとすることができる。異なる遊技性(スペック)としては、例えば、いわゆる確変ループ機とすることが考えられる。また、V確変機とすることが考えられる。また、上記通常遊技状態や特別遊技状態とは異なる遊技状態、例えば、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)とされる遊技状態が設定された構成とすることも考えられる。
【0022】
当否抽選結果が大当たりとなったときには大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、所定の閉鎖条件成立まで大入賞領域906(
図1参照;大入賞領域906は常態において閉鎖されたものである)が開放される単位遊技を一または複数回繰り返すものである。閉鎖条件は、大入賞領域906が開放されてからN個(例えば10個)の遊技球が入賞すること(入賞条件)および大入賞領域906が開放されてから所定時間経過すること(時間条件)のいずれか一方の成立をもって成立するものとされる。本実施形態では、大当たり遊技にて継続的に大入賞領域906に向かって遊技球を発射していれば、時間条件が成立する前に入賞条件が成立するものとされている。すなわち、一の単位遊技にて10個の遊技球が大入賞領域906に入賞する。単位遊技は、ラウンド(遊技)等とも称される。大当たり遊技が含む単位遊技の数(ラウンド数)は適宜設定することができる。本実施形態では、全ての大当たり(通常大当たりおよび特別大当たり)が10ラウンド大当たりとされている。
【0023】
2)以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な演出等について説明する。なお、以下で説明する演出等の一部のみが実行可能な構成としてもよい。また、当該演出等を説明する図面の一部において、保留図柄70や装飾図柄80の図示を省略することがある。
【0024】
2-1)回転演出
本実施形態では、変動中演出を構成する演出として回転演出(
図4~
図6参照)を実行することができる。当該回転演出は通常遊技状態での変動中演出を構成するものとして発生しうるが、特別遊技状態での変動中演出を構成するものとして発生しうるものとしてもよい。以下の回転演出の説明においては、回転演出を含む変動中演出を対象変動と、対象変動に対応する当否抽選結果を対象当否抽選結果と称することもある。
【0025】
本実施形態における回転演出は、リーチ成立後に発生する(いわゆるスーパーリーチ演出の一種である)。本実施形態では、左装飾図柄群80gLから選択されて示された左装飾図柄80Lと、右装飾図柄群80gRから選択されて示された右装飾図柄80Rとが同種の装飾図柄80となることがリーチとされている(
図4(a)参照)。以下では、当該同種の装飾図柄80(リーチを構成する装飾図柄80)をリーチ図柄と称することもある。本実施形態では、リーチ成立時においては、リーチ図柄(左装飾図柄80Lと右装飾図柄80R)は擬似停止(遊技者には停止したように見えるがわずかに揺れ動いた状態)にある。リーチ成立時においてリーチ図柄が完全に停止した状態にある構成としてもよい。
【0026】
回転演出は、演出要素10が回転しているように表示される(
図4(b)参照)ことを基本的態様とする演出である。演出要素10は、第一画像11と当該第一画像11の裏側に存在するように表示される第二画像12とを含むものとされる。第一画像11および第二画像12は、装飾図柄80を含むものとされる(本実施形態では、リーチ図柄とされた左装飾図柄80Lと右装飾図柄80R以外の装飾図柄80である中装飾図柄80Cを含むものとされる)。第一画像11はリーチ図柄と同種の装飾図柄80を含むものとされる。例えば、リーチ図柄が「6」の装飾図柄80(数字の「N」を含む装飾図柄80を『「N」の装飾図柄80』と表記する)である場合には、第一画像11は「6」の装飾図柄80を含むものとされる。一方、第二画像12はリーチ図柄と異種の装飾図柄80を含むものとされる。本実施形態では、規定順でリーチ図柄とされた装飾図柄80の一つ前の装飾図柄80を含むものとされる。リーチ図柄が「6」の装飾図柄80である場合には、第二画像12は規定順で「6」の装飾図柄80の一つ前の「5」の装飾図柄80を含むものとされる。なお、ここでいう規定順とは、通常の変動表示順である。本実施形態では、各装飾図柄80は数字の順で変動表示される(なお、最も大きな数字である「7」の装飾図柄80の次は、最も小さな数字である「1」の装飾図柄80とされる)ため、当該数字の順が規定順とされている。
【0027】
演出要素10の回転軸C(仮想上の回転軸)は、平面方向(前後方向に直交する面方向)に沿うものとされる。本実施形態では、上下方向に沿う回転軸Cとされる。演出要素10が回転すると第一画像11および第二画像12の一方が表示される範囲が大きる、または、小さくなるという変化が生じる(
図4(b)等参照)。また、第一画像11および第二画像12の一方が真っ直ぐ遊技者側を向いた状態においては、他方は全く表示されない(視認できない)状態にある。演出要素10が180度回転することで、第一画像11と第二画像12の関係が逆になる。以下の説明においては、第一画像11が真っ直ぐ遊技者側を向き、第二画像12が表示されない状態(第一画像11が真正面に表示された状態)を第一表示状態と、第二画像12が真っ直ぐ遊技者側を向き、第一画像11が表示されない状態(第二画像12が真正面に表示された状態)を第二表示状態と称する。
【0028】
本実施形態における回転演出は、通常態様となることもあれば、特殊態様となることもある。通常態様となることが「デフォルト」であるため、通常態様となる蓋然性の方が、特殊態様となる蓋然性よりも高い。好ましくは、回転演出が発生した場合には90%以上が通常態様となることが好ましい。
【0029】
通常態様の回転演出は、遊技者に有利な有利結末および遊技者に不利な不利結末のいずれかに至る。対象当否抽選結果が大当たりである場合には有利結末に至ることがあり(対象当否抽選がはずれである場合には不利結末に至る可能性がなく)、対象当否抽選結果がはずれである場合には不利結末に至ることがある(対象当否抽選結果が大当たりである場合には不利結末に至る可能性がない)。
【0030】
通常態様の回転演出の流れは次のようなものである。回転演出が開始される前にリーチが成立したことが示される(
図4(a)参照)。その後、回転演出の冒頭にて、演出要素10が回転し、一方側表面にリーチ図柄と同種の装飾図柄80(第一画像11)を、他方側表面にリーチ図柄とは異なる種類の装飾図柄80(第二画像12)を有するものであることが示される(
図4(b)参照)。この段階にて、リーチ図柄と同種の装飾図柄80が示されれば当たりであることを遊技者は感じ取ることができる。なお、回転演出にて、二つのリーチ図柄は表示領域911の左側および右側に表示されているから、遊技者はリーチが成立した状態であることを把握できる。
【0031】
その後、第一表示状態となりそうな状況になる(
図4(c-1)参照)ことと、第二表示状態になりそうな状況になる(
図4(c-2)参照)こととが繰り返される「煽り演出」(第一表示状態と第二表示状態のどちらかになりそうであることを遊技者に示唆する「煽り」)が発生する(
図4(c)参照)。煽り演出後、有利結末となる場合には第一表示状態となって演出要素10の回転が停止する(
図5(a-1)参照)。つまり、第一画像11が含むリーチ図柄と同じ種類の装飾図柄80が表示された状態となる。そして、同じ装飾図柄80の三つ揃い(大当たり組み合わせ)が表示された状態で対象変動が終了する(
図5(a-2)参照)。一方、不利結末となる場合には第二表示状態となって演出要素10の回転が停止する(
図5(b-1)参照)。つまり、第二画像12が含むリーチ図柄と異なる種類の装飾図柄80が表示された状態となる。そして、いわゆるリーチはずれ組み合わせ(左右の装飾図柄80L、80Rは同種であるが、中はそれとは異なる)が表示された状態で対象変動が終了する(
図5(b-2)参照)。
【0032】
このように、通常態様の回転演出は、第一画像11および第二画像12の一方が表示された状態(他方が表示されていない状態)となることで、遊技者に有利な状況になったことが示される(有利結末)か、不利な状況になったことが示される(不利結末)かのどちらかとなるというものである。第一画像11と第二画像12が選択肢として提示され、どちらか一方が選択されること(第一表示状態は第一画像11が選択されたことを示し、第二表示状態は第二画像12が選択されたことを示す)が通常態様の回転演出であるとみることもできる。
【0033】
一方、特殊態様の回転演出は、上記煽り演出が発生することまでは通常態様と同じである。上記煽り演出後、第一表示状態および第二表示状態のいずれにも至らず、第一表示状態と第二表示状態の間の中途状態で演出要素10の回転が停止する(
図6(a)参照)。第一表示状態および第二表示状態の一方から他方へは、(仮想的に)演出要素10が180度回転することで到達するのであるから、中途状態は第一表示状態からおおよそ90度(第二表示状態からおおよそ-90度)回転した状態ということである。第一表示状態や第二表示状態は演出要素10が「正面」を向いた状態であるとすれば、中途状態は演出要素10が「横」を向いた状態であるということがいえる。
【0034】
回転演出は、第一画像11およびその裏側に存在するように表示される第二画像12を含む演出要素10が回転するものであるため、第一画像11が表示される(第二画像12が表示されない)第一表示状態に至る(
図5(a-1)参照)か、第二画像12が表示される(第一画像11が表示されない)第二表示状態に至る(
図5(b-1)参照)こと(通常態様となること)を遊技者は予測する(第一画像11が選択される結果に至るか、第二画像12が選択される結果に至ることを遊技者は予測する)。そんな中で特殊態様の回転演出が発生した場合には、第一画像11が真正面に来るでもなく、第二画像12が真正面に来るでもない、中途状態で演出要素10の回転が停止する(
図6(a)参照)ため、通常態様となる(有利結末または不利結末に至る)ことを予測している遊技者に驚きを与えるものとなる。
【0035】
中途状態で演出要素10の回転が停止した後は、どのように演出が進行するものであってもよい。本実施形態では、中途状態で演出要素10の回転が停止した後、突発的に専用演出(特殊態様の回転演出が発生しなければ発生することがない演出)が発生するものとされる(
図6(b)参照)。本実施形態では、対象当否抽選結果が大当たりでなければ特殊態様の回転演出が発生しない。専用演出は、遊技者に有利な状況となったことを示す専用画像が表示された上で、同じ装飾図柄80の三つ揃いが表示される(
図6(c)参照)。
【0036】
このように、本実施形態では、対象当否抽選結果が大当たりである場合には、通常態様の有利結末に至る回転演出を含む対象変動となるか、特殊態様となる回転演出を含む対象変動となる。一方、対象当否抽選結果がはずれである場合には、通常態様の不利結末に至る回転演出を含む対象変動となる。
【0037】
ここで、本実施形態では、回転演出が通常態様となることよりも、特殊態様となることの方が、遊技者にとって有利な事象とされている。通常態様の回転演出は、不利結末に至ることよりも有利結末に至ることの方が遊技者にとって有利であるところ、有利結末に至ることよりも特殊態様となることの方が遊技者にとって有利なものとされているということである。回転演出が通常態様(有利結末)に至った場合よりも特殊態様となった場合の方が、遊技者が得る利益(出玉)の期待値が高い設定であればよい。このような期待値の違いを設定する方法は種々考えられる。本実施形態では、回転演出が特殊態様となった場合には対象当否抽選結果が特別大当たりであることが確定する(
図6(c)参照)が、通常態様(有利結末)となった場合には特別大当たりであることが確定せず、通常大当たりの可能性もある設定(
図6(a-2)参照)とされている。このようにすることで、「イレギュラー」な態様(結末)である特殊態様となることが、遊技者にとって最も好ましい回転演出の結果であるという演出形態となる。
【0038】
以下、上記回転演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0039】
〇具体例1-1
上記実施形態における回転演出は、対象当否抽選結果を報知する(対象当否抽選結果に応じた結末に至る)スーパーリーチ演出の一種であることを説明したが、対象当否抽選結果を報知するものではなくてもよい(回転演出の結果により、対象当否抽選結果が確定する構成としなくてもよい)。例えば、対象当否抽選結果が大当たりである蓋然性(信頼度)を示唆するものとしてもよい。なお、本例のようにする場合には、第一画像11や第二画像12は装飾図柄80を含むものしないことが好ましい(具体例1-2参照)。
【0040】
通常態様の回転演出は、第一表示状態で演出要素10の回転が停止した場合の方が、第二表示状態で演出要素10の回転が停止した場合よりも信頼度が高い設定とする。特殊態様の回転演出となった場合には、通常態様の回転演出となった場合(第一表示状態となった場合)よりも信頼度が高い設定とする。
【0041】
通常態様となった場合には対象当否抽選結果が確定しないが、特殊態様の回転演出となった場合には対象当否抽選結果が大当たりであることが確定する(信頼度=100%である)設定としてもよい。このようにすることで、回転演出が特殊態様となることは、プレミアパターンとして機能するという演出形態となる。
【0042】
〇具体例1-2
上記実施形態における第一画像11や第二画像12は装飾図柄80を含むものであることを説明したが、このような装飾図柄80を含むものとしなくてもよい。第一画像11は第一表示状態で演出要素10の回転が停止したときに発生する事象(第一表示状態となったときの状況)を示唆する要素を含み、第二画像12は第二表示状態で演出要素10の回転が停止したときに発生する事象(第二表示状態となったときの状況)を示唆する要素を含むものであればよい。
【0043】
例えば、第一画像11は「発展」の文字を含むものとし、第一表示状態で演出要素10の回転が停止したときには回転演出後に発展演出が発生するものとする(対象当否抽選結果が大当たりである可能性が残存する)(
図7(a)(b-1)参照)。また、第二画像12は「残念」の文字を含むものとし、第二表示状態で演出要素10の回転が停止したときには回転演出後に発展演出が発生しないものとする(対象当否抽選結果がはずれであることが確定するようにする)(
図7(a)(b-2)参照)。特殊態様となったときには、発展演出とは異なる演出(専用演出)が実行されるようにする(
図7(a)(c)参照)。
【0044】
第一表示状態および第二表示状態のいずれで回転が停止しても対象当否抽選結果が大当たりとなる可能性が残存するようにしてもよい。例えば、第一画像11は「A」の文字を含むものとし、第一表示状態で演出要素10の回転が停止したときには回転演出後に発展演出Aが発生するものとする(
図8(a)(b-1)参照)。また、第二画像12は「B」の文字を含むものとし、第二表示状態で演出要素10の回転が停止したときには回転演出後に発展演出Bが発生するものとする(
図8(a)(b-2)参照)。発展演出Aの方が発展演出Bよりも信頼度が高い設定とすれば、第一表示状態で演出要素10の回転が停止することの方が、第二表示状態で演出要素10の回転が停止することよりも、遊技者にとって有利であるということになる。特殊態様となったとき(
図8(a)(c)参照)には、発展演出Aや発展演出Bとは異なる演出(専用演出)が実行されるようにする(
図8(a)(c)参照)。
【0045】
〇具体例1-3
通常態様の回転演出は、第一表示状態となる結末または第二表示状態となる結末に至るものであることを説明したが、第一表示状態および第二表示状態の一方に至ることが決まっているものとしてもよい。つまり、遊技者には、第一画像11が表示された状態(第一表示状態)または第二画像12が表示された状態(第二表示状態)のどちらかに至るように見えるが、実際には一方の状態に至ることが決まっており、他方の状態に至ることはないという構成としてもよい。このようにしても、遊技者には第一画像11および第二画像12のどちらかが選択されるであろう演出のように見えるため、特殊態様となったとき(中途状態で演出要素10の回転が停止したとき)に遊技者が驚くであろう演出となる。
【0046】
〇具体例1-4
回転演出にて回転する演出要素10は、厚みのある物体であるように見える演出形態とする。具体的には次の通りである。演出要素10は、その本体部分として、厚みを有する第一物体10aおよび厚みを有する第二物体10bが裏面をくっつけるように背中合わせに張り合わされたかのような態様とされる(
図9(a)参照)。そのため、第一物体10a(の裏面)と第二物体10b(の裏面)との間には両者の境界(境界線10L)が存在することになる。第一画像11は、第一物体10aの表面(裏面の反対面)に表される。第二画像12は、第二物体10bの表面(裏面の反対面)に表される。
【0047】
このような演出要素10の態様とされるため、中途状態は、第一物体10aの側面(厚み方向の面)と第二物体10bの側面(厚み方向の面)、および、両側面の境界である境界部が表示された状態(
図9(c)参照)となる(なお、当該側面や境界部は、第一表示状態や第二表示状態では表示されない(見えない)(
図9(b-1)(b-2)参照))。このような「側面」が見えた状態は中途半端な状態であってここで演出要素10の回転が停止することは予測しづらいものであるから、当該中途状態にて回転が停止することは遊技者にとって想定外の事象になる。
【0048】
〇具体例1-5(具体例1-4をさらに具体化した例)
特殊態様の回転演出が発生した場合には、次のような専用演出(特殊態様の回転演出が発生した場合にしか発生しない事後演出)が発生するものとする。上述した通り、演出要素10が中途状態にて回転が停止し、境界部が表示された状態となる(
図10(a)参照)。その後、当該境界部を引き離すような演出が発生する(
図10(b)参照)。つまり、第一物体10a(の側面)と第二物体10b(の側面)とが互いに遠ざかるように変位して、その間から所定の画像(特殊画像15)が表れる。特殊画像15は、遊技者に有利な状況となったことを示すものとされる。上記実施形態のように対象当否抽選結果が大当たりであることが確定する設定とするのであれば、大当たり獲得を示す(大当たり獲得を祝福する)所定のキャラクタが特殊画像15として表示されるようにすることが考えられる(
図10(c)(d)参照)。このようなキャラクタが表示される構成とするのであれば、キャラクタの動作により第一物体10aと第二物体10bが引き離されたかのように見える演出形態とすることが好ましい(
図10(b)参照)。
【0049】
このように、特殊態様の回転演出が発生した場合には、(表面に第一画像11が表された)第一物体10aと(表面に第二画像12が表された)第二物体10bが引き離されて特殊画像15が表示されるという専用演出が発生するようにすることで、第一画像11(第一物体10a)および第二画像12(第二物体10b)のいずれも選択されなかったということが分かりやすい演出の流れとなる。
【0050】
2-2)表示モード変化演出
変動中演出の基本的態様は、設定されている「ステージ」(モード等とも称される)に応じて異なる。本実施形態では「キャラクタステージ」と称される所定のステージが設定されている状態で実行される変動中演出中は、装飾図柄80が複合態様で表示される。なお、所定の演出ステージにあるか否かにかかわらず装飾図柄80が複合態様で表示されるようにしてもよい。
【0051】
複合態様にある装飾図柄80は、主要素部81および当該主要素部81に付随する副要素部82を含む。主要素部81は、装飾図柄80の種類を区別するための要素である。主要素部81が異なれば、装飾図柄80の種類は異なるということになる。本実施形態における主要素部81は「数字」を含む部分である。副要素部82は、キャラクタを表した部分である。副要素部82にかかわらず、主要素部81(数字)が同じであれば同種、異なれば異種の図柄ということになる。
【0052】
複合態様にある複数種の装飾図柄80の表示モード(表示の様式)として、通常表示モード(
図11(a)参照)と特定表示モード(
図11(b)参照)が設けられている。つまり、複数種の装飾図柄80が複合態様で表示されているときは、通常表示モードで表示された状態にあるか、特定表示モードで表示された状態にある。なお、通常表示モードおよび特定表示モードのいずれにおいても、複数種の装飾図柄80を含む各装飾図柄群80gは、数字の順で変動表示される。
【0053】
通常表示モード(
図11(a)参照)は、装飾図柄80の種類に応じて副要素部82とされるキャラクタの種類が異なる表示態様である。装飾図柄80の種類は図柄が含む数字によって決まるのであるから、各数字に付随するキャラクタの種類が異なるということである。各種キャラクタは同じ種類のものを表していると遊技者が把握できる範囲でその態様が変化してもよいものとする(以下同じ)。本実施形態における装飾図柄80の種類は七種であるから、七種の異なるキャラクタが用意されている。なお、本実施形態では、遊技機のモチーフとなった原作に登場する七種のキャラクタ(キャラクタA~G)が用意される(図面においては各種キャラクタを「A」~「G」の文字を付して表す)。以下の説明において「対応キャラクタ」というときには、通常表示モードにおける各種装飾図柄80のキャラクタをいうものとする。「1」の装飾図柄80はキャラクタAが対応キャラクタであり、「2」の装飾図柄80はキャラクタBが対応キャラクタであり、「3」の装飾図柄80はキャラクタCが対応キャラクタであり、・・・「7」の装飾図柄80はキャラクタGが対応キャラクタである。
【0054】
特定表示モード(
図11(b)参照)は、装飾図柄80の種類にかかわらず副要素部82とされるキャラクタが特定キャラクタで共通している表示態様である。本実施形態では、キャラクタGが特定キャラクタとされている。つまり、特定表示モードにあるときには、「1」~「7」の装飾図柄80のいずれにも、キャラクタGが付随した状態にある(キャラクタA~Fは表示されない)。
【0055】
複数種の装飾図柄80のうち、「7」の装飾図柄80は特別装飾図柄80tである(それ以外の「1」~「6」の装飾図柄80は特別装飾図柄80tではない(非特別装飾図柄80uである))。ある変動において特別装飾図柄80t(「7」の装飾図柄80)によるリーチ(三つの装飾図柄群80gのうちの二つから選択されて示された装飾図柄80が同種となる状態)が成立した場合には、非特別装飾図柄80u(「1」~「6」の装飾図柄80のいずれか)によるリーチが成立した場合よりも当否抽選結果が当たりとなる蓋然性(信頼度)が高くなるように設定されている(
図11(c)参照)。つまり、特別装飾図柄80tは、非特別装飾図柄80uよりも、リーチ成立時にいわゆるチャンスアップであることを示す図柄として設定されている。
【0056】
加えて、特別装飾図柄80tの三つ揃い(大当たり組み合わせ)により当否抽選結果が大当たりであることが報知された場合の方が、非特別装飾図柄80uの三つ揃いにより当否抽選結果が大当たりであることが報知された場合よりも、当選した大当たりにより得られる利益(出玉)の期待値が大きくなるように設定されている。本実施形態では、特別装飾図柄80tの三つ揃い(大当たり組み合わせ)により当否抽選結果が大当たりであることが報知された場合には、その大当たりが特別大当たりであることは確定する一方、非特別装飾図柄80uの三つ揃いにより当否抽選結果が大当たりであることが報知された場合には、その大当たりは通常大当たりである可能性がある(特別大当たりおよび通常大当たりのいずれの可能性もある)構成とされている。
【0057】
このように、「7」の装飾図柄80(特別装飾図柄80t)は、その他の装飾図柄80(非特別装飾図柄80u)よりも遊技者にとって「価値ある図柄」として設定されている。そのため、「7」の装飾図柄80の対応キャラクタである「キャラクタG」は、他のキャラクタに比して「価値あるキャラクタ」であると印象付けられる。本実施形態では、当該「価値あるキャラクタ」であるキャラクタGを特定キャラクタとし、特定表示モードにおいては装飾図柄80の種類によらずキャラクタGが副要素部82として付随するようにしている。
【0058】
装飾図柄80が複合態様で表示されている状態においては、基本的には通常表示モードにある(通常表示モードが「デフォルト」である)。本実施形態では、通常表示モードから特定表示モードに変化する表示モード変化演出(
図12参照)が発生しうる。表示モード変化演出は、いわゆるチャンスアップ演出として発生する。ある変動(対象変動)にて表示モード変化演出が発生した場合の方が、発生しなかった場合に比して、当該変動に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)の信頼度が高くなるように設定される。
【0059】
本実施形態では、対象変動の開始と略同時に通常表示モードから特定表示モードへの変化が発生する(
図12(b)→(c)参照)。つまり、変動開始時に、表示されているキャラクタが全て特定キャラクタ(キャラクタG)に変化する。遊技者にとってみれば、変動開始とともに各種装飾図柄80に付随するのが特定キャラクタで共通する状態に変化したときに、当該変動がチャンスであることを把握するという演出形態となる。なお、本実施形態では、対象変動が終了することを契機として通常表示モードに戻る。つまり、対象変動の開始から終了までが特定表示モードとされる。
【0060】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、装飾図柄80の種類毎に副要素部82とされるキャラクタが異なる通常表示モードから、装飾図柄80の種類にかかわらず副要素部82とされるキャラクタが特定キャラクタで一定である特定表示モードに変化するという面白みのある演出(表示モード変化演出)を実行することができる。
【0061】
特定表示モードは、遊技者にとって最も価値の高い特別装飾図柄80t(「7」の装飾図柄80)の対応キャラクタである特定キャラクタ(キャラクタG)が各装飾図柄80に付随して表示されるものであるため、通常表示モードから特定表示モードへの変化がいわゆるチャンスアップであるということが分かりやすい。
【0062】
以下、上記表示モード変化演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0063】
〇具体例2-1
特定表示モードは、副要素部82とされる特定キャラクタの態様が装飾図柄80の種類毎に異なるものとする。つまり、装飾図柄80の種類によらず副要素部82が特定キャラクタで共通するということは維持しつつも、特定キャラクタの態様が装飾図柄80の種類毎に異なるものとする(
図13参照)。特定キャラクタの態様の違いを設定する手法としては種々考えられる。特定キャラクタのポーズ、装い(服装等)、色彩等を異ならせて態様の違いを作り出すことが考えられる(
図13には「ポーズ」が異なる例を示す)。
【0064】
このようにすることで、装飾図柄80の種類にかかわらず共通して特定キャラクタが副要素部82とされるという特定表示モードの特徴を残しつつも、装飾図柄80の種類毎の違いを明確なものとすることができる。
【0065】
〇具体例2-2
特定キャラクタは、通常表示モードにて副要素部82として表示されるキャラクタのいずれとも異なるものとする。例えば、通常表示モードは、上記実施形態と同じである(「1」~「7」の装飾図柄80のそれぞれの副要素部82がキャラクタA~Gとされる)(
図14(a)参照)とした場合において、特定表示モードでは特定キャラクタとしてキャラクタH(キャラクタA~Gのいずれとも異なる種類のキャラクタ)が「1」~「7」の装飾図柄80の副要素部82として表示されるものとする(
図14(b)参照)。キャラクタHは、特定表示モード「専用のキャラクタ」であるともいえる。
【0066】
このようにすることで、通常表示モードでは表示されないキャラクタが特定キャラクタとして特定表示モードで表示されることになるから、通常表示モードと特定表示モードの違いがより明確になる(特定表示モードに変化したことが分かりやすい)。ただし、上記実施形態のように、特別装飾図柄80t(「7」の装飾図柄80)の対応キャラクタ(キャラクタG)を特定キャラクタとするという構成ではないから、特定キャラクタが他のキャラクタに比して「価値あるキャラクタ」であると印象付けられるという作用は発現されにくい。
【0067】
〇具体例2-3
特定表示モード(表示モード変化演出)において特定キャラクタとされるキャラクタの種類が変化しうる構成とする。例えば、上記実施形態のようにキャラクタGが特定キャラクタとされる第一特定表示モード(
図15(b-1)参照)とされることもあれば、キャラクタCが特定キャラクタとされる第二特定表示モード(
図15(b-2)参照)とされることもある設定とする。そして、表示モード変化演出は、第一特定表示モードおよび第二特定表示モードの一方となった場合の方が、他方となった場合よりも、対象当否抽選結果の信頼度が高い設定とする。このようにすることで、特定表示モードとされた場合には、どの種のキャラクタが特定キャラクタとされているかに遊技者が注目するであろう演出形態となる。
【0068】
第一特定表示モードおよび第二特定表示モードの信頼度の高低は、通常表示モードにおけるリーチ成立時の信頼度に応じたものとすることが好ましい。例えば、通常表示モードでは、「3」の装飾図柄80のリーチが成立した場合よりも、「7」の装飾図柄80のリーチが成立した場合の方が高信頼度であるとする。これを踏まえると、「3」の装飾図柄80の対応キャラクタであるキャラクタCよりも、「7」の装飾図柄80の対応キャラクタであるキャラクタGの方が、より価値の高いキャラクタであると印象付けられることから、表示モード変化演出は、キャラクタCが特定キャラクタとされる第二特定表示モードとなった場合(
図15(b-2)参照)よりも、キャラクタGが特定キャラクタとされる第一特定表示モード(
図15(b-1)参照)となった場合の方が高信頼度である設定とするとよい。
【0069】
〇具体例2-4
上記実施形態では、特定表示モードにおいては、各装飾図柄群80gが含む複数種の装飾図柄80の全て(「1」~「7」の装飾図柄80の全て)の副要素部82が特定キャラクタとされることを説明したが、複数種の装飾図柄80のうちの一部である二種以上の副要素部82が特定キャラクタとされる構成としてもよい。
【0070】
本例のようにしても、二種以上の装飾図柄80の副要素部82が共通するキャラクタ(特定キャラクタ)となるのであるから、通常(通常表示モード)とは異なる状態にあることを遊技者は把握することができる。ただし、上記実施形態のように複数種の装飾図柄80の全ての副要素部82が特定キャラクタとされる構成とした方が、特定表示モードとなっていることが明確である(遊技者が気付きやすい)という利点がある。
【0071】
複数種の装飾図柄80のうち、副要素部82が特定キャラクタとされる装飾図柄80とそうでない装飾図柄80とは所定条件に基づいて区分けされるものとするとよい。例えば、奇数の装飾図柄80(「1」、「3」、「5」、「7」の装飾図柄80)の三つ揃いにより報知された大当たりの方が、偶数の装飾図柄80(「2」、「4」、「6」の装飾図柄80)の三つ揃いにより報知された大当たりよりも遊技者が享受する利益(出玉)の期待値が大きいという設定(例えば、いわゆる確変ループ機において、奇数の装飾図柄80の三つ揃いであれば大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態であることが確定するが、偶数の装飾図柄80の三つ揃いであれば大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態となることが確定しないといった設定)において、奇数の装飾図柄80の副要素部82が特定キャラクタとされ、偶数の装飾図柄80の副要素部82は特定キャラクタではない(通常表示モードと同じ)とされるようにする。つまり、二種以上の「高価値の図柄」には特定キャラクタが含まれるようにして、その他の図柄との区別を明確にすることが考えられる。
【0072】
〇具体例2-5
対象変動において、表示モード変化演出が発生するタイミングは一定ではないものとする。すなわち、複数の候補タイミングのうちのいずれかにおいて通常表示モードから特定表示モードへの変化が発生しうるようにする。例えば、(1)対象変動の開始と略同時、(2)対象変動の開始から5秒後、(3)リーチ成立時、の三つが候補タイミングとされた構成とする(
図16には、リーチ成立時に特定表示モードへの変化が発生する例を示す)。
【0073】
本例のようにする場合、特定表示モードへの変化が発生したタイミングが対象当否抽選結果の信頼度を示唆するものとしてもよい。例えば、対象変動にて特定表示モードへの変化(表示モード変化演出)が発生するタイミングが遅いほど当該信頼度が高いといった設定とする。このようにすることで、特定表示モードへの変化が発生した場合には、そのタイミングにも遊技者が注目するであろう演出形態となる。
【0074】
また、本例のようにする場合、特定表示モードへの変化(表示モード変化演出)が発生した際にはそれを遊技者に示す演出(変化報知演出)が発生しうるようにするとよい(
図16(c)参照;変化報知演出として「G登場」の画像が表示されている)。当該変化が発生するタイミングが不定であると変化していることに遊技者が気付かないおそれが高まるから、変化報知演出が発生するようにしてこのようなおそれを低減するとよい。変化報知演出は、副要素部82の変化が生じていることに遊技者が気付くきっかけを与えるものであればよい(変化報知演出は、表示モード変化演出が発生しなければ発生することがない「専用の演出」であるといえる)。
【0075】
〇具体例2-6
表示モード変化演出が、いわゆる先読み演出として発生しうるものとする(先読み演出自体は公知であるから詳細な説明を省略する)。対象変動よりも前に実行される一または連続する二以上の変動(先読み演出に利用される変動)を先の変動とすると、当該先の変動から対象変動にかけて特定表示モードが維持されるようにする(少なくとも、対象変動とその一つ前の先の変動とに跨って特定表示モードが維持される)(
図17(a)(b)(c-1)参照)。このようにすることで、特定表示モードの継続が、先読み演出の継続を示すという分かりやすい演出形態とすることができる。
【0076】
なお、本例のようにする場合、対象変動まで至らずに特定表示モードが終了する(先の変動にて特定表示モードが終了する)「ガセ」の先読み演出が発生しうるようにしてもよい(
図17(a)(b)(c-2)参照)。このようにした場合には、対象変動まで特定表示モードが継続すれば(
図17(c-1)参照)チャンスアップとなり、継続しなければ(
図17(c-2)参照)チャンスアップとならないという遊技性が実現できる。対象変動まで特定表示モードが継続しなければ対象当否抽選結果がはずれであることが確定する設定としてもよい。
【0077】
2-3)特定先読みモード
本実施形態にかかる遊技機1は、先読み演出の一種として、特定先読み演出を実行することができる。なお、本実施形態では、当該特定先読み演出は通常遊技状態にて発生しうるものであるが、特別遊技状態にて発生しうるものとしてもよい。
【0078】
特定先読み演出は、新たに保留情報(変動前保留情報)が取得されたことを契機として発生しうる演出である(
図18参照)。つまり、新たな「始動入賞」(
図18(b)参照)と略同時(遊技者が始動入賞と同時に発生していると感じるタイミング)に発生する(
図18(c)参照)ことがある、いわゆる入賞時先読み演出である(先バレ演出(予告)等とも称される。この種の演出自体は公知である。)。なお、本実施形態における特定先読み演出は通常遊技状態にて発生しうるものであり、通常遊技状態は第一始動領域904aに向かって遊技球を発射させるべき状態であるから、特定先読み演出における保留情報とは、第一変動前保留情報(特
図1保留)のことをいう。以下の説明においては、特定先読み演出の契機となった保留情報(変動前保留情報)を対象保留情報と、対象保留情報に対応する保留図柄(変動前保留図柄72)を対象保留図柄と称することもある(図面においては、対象保留図柄に「T」を付して示す)。
【0079】
特定先読み演出は、対象保留情報に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)の信頼度が高まったこと(チャンスアップ)を示唆するものである。つまり、新たに保留情報が取得された際に、特定先読み演出が発生した場合の方が、発生しなかった場合に比して、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性は高い。
【0080】
本実施形態では、対象保留情報が取得されることを契機としてスピーカ65から特定音が出力されることが特定先読み演出として発生する(
図18(c)参照)。特定音は、特定先読み演出が発生したときでなければ出力されない音(専用の音)である。このような「専用の演出」であれば特定先読み演出の具体的態様は音が出力されることに限られない。例えば、表示領域911に所定の画像が表示される(特定先読み演出が発生せずとも表示される画像ではない)とされることが特定先読み演出として発生するようにしてもよい。また、発光装置が所定の発光態様で発光する(特定先読み演出が発生せずとも発生する発光態様ではない)ことが特定先読み演出として発生するようにしてもよい。
【0081】
本実施形態における特定先読み演出は、対象保留情報が取得された後、一定時間(本実施形態では2秒)で終了するものであり(一時的に実行されるものである)、対象当否抽選結果を報知する変動(対象変動)にて実行されるものではない。ただし、対象保留情報が取得された後、対象変動が開始される時点や対象変動の途中時点まで特定先読み演出が継続するようにしてもよい。
【0082】
本実施形態では、当該特定先読み演出の発生確率(信頼度)を遊技者が変化させることができるものとされている。具体的には、複数種の特定先読みモードが設けられており(
図19(a)参照)、遊技者が任意に選択した特定先読みモードが実際に設定される。特定先読み演出は、現在設定されている特定先読みモードに応じて特定先読み演出を実行するか否かを決定する(以下の説明においては、現在設定されている特定先読みモードを「現設定モード」と称することもある)。
【0083】
現設定モードの選択方法はどのようなものであってもよい。本実施形態では、変動中演出が実行されていない待機状態中に操作手段(押しボタン60や十字キー61)を操作することで好みの特定先読みモードを現設定モードとして選択することができる(
図19(b)参照)。現設定モードを選択する選択画面においては、各種特定先読みモードの特性を示す説明画像が表示されるようにすることが好ましい。本実施形態とは異なり、変動中に特定先読みモードを変化させることができるようにしてもよい。
【0084】
本実施形態における特定先読み演出は、対象保留情報が取得された時点での「消化順」に応じ、対象当否抽選結果の信頼度が決まるよう構成されている。複数種の特定先読みモードのいずれが設定されているかに応じ、当該信頼度が異なることとなる。「消化順」とは、記憶手段に記憶されている保留情報(変動前保留情報)のうち、対応する当否抽選結果の報知が早いものから数えた順である。本実施形態では、第一変動前保留情報(特
図1保留)の最大の記憶数は四つであるから、四つの消化順が存在することになる。以下では、早いものから消化順1(保留1)、消化順2(保留2)、消化順3(保留3)、消化順4(保留4)と称する。
【0085】
本実施形態では、以下のような特定先読みモードが設けられている。なお、以下で説明する各種特定先読みモードのうち、一部のモードのみが設けられたものとしてもよい。また、ある種の特定先読みモードに該当する二以上の異なるモードが設けられたものとしてもよい(例えば、第一特定先読みモードの範疇に含まれるが、その具体的内容が異なる二以上のモードが設けられた構成とする)。
【0086】
<第一特定先読みモード>
対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順(以下、単に消化順と称することもある)が遅いほど対象当否抽選結果の信頼度が高くなるモードである(
図19(a-1)参照)。換言すれば、特定先読み演出が発生する直前に既に取得されている保留情報(既に表示されている保留図柄)の数が多いほど、対象当否抽選結果に期待がもてるというものである。
【0087】
好ましくは、対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順が一つ遅くなるにつれて増加する信頼度の値が、略同じである(略均等に増加する)ようにするとよい(
図19(a-1)に示した例は、消化順が一つ遅くなるにつれて信頼度が約15%増加する例である。なお、信頼度が略同じであるとは、少数第一位を四捨五入した確率値(整数値)が一致するもののことをいう(以下同じ)。)。このようにすることで、消化順が一つ遅くなることで略一定の信頼度が高くなるという点で分かりやすいモードとなる。
【0088】
<第二特定先読みモード>
対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順(以下、単に消化順と称することもある)が早いほど対象当否抽選結果の信頼度が高くなるモードである(
図19(a-2)参照)。換言すれば特定先読み演出が発生する直前に既に取得されている保留情報(既に表示されている保留図柄)の数が少ないほど、対象当否抽選結果に期待がもてるというものである。
【0089】
好ましくは、対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順が一つ早くなるにつれて増加する信頼度の値が、略同じである(略均等に増加する)ようにするとよい(
図19(a-2)に示した例は、消化順が一つ早くなるにつれて信頼度が約10%増加する例である)。このようにすることで、消化順が一つ早くなることで略一定の信頼度が高くなるという点で分かりやすいモードとなる。
【0090】
<第三特定先読みモード>
対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順がNa以上(ただし、Na≧2であるとする)であれば、信頼度が略同じであるモードである。
図19(a-3)に示した例は、消化順3以上(消化順3、消化順4)であれば、信頼度が66%で略同じであるというものである。このようにすることで、消化順がある値以上であれば一定の信頼度があるという点で分かりやすいモードとなる。
【0091】
<第四特定先読みモード>
対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順がNb以下(ただし、Nb≦3であるとする)であれば、信頼度が略同じであるモードである。
図19(a-4)に示した例は、消化順2以下(消化順1、消化順2)であれば、信頼度が33%で略同じであるというものである。このようにすることで、消化順がある値以下であれば一定の信頼度があるという点で分かりやすいモードとなる。
【0092】
<第五特定先読みモード>
対象保留情報が取得された時点での当該対象保留図柄の消化順が特定順であれば対象当否抽選結果が大当たりであることが確定する(信頼度=100%である)モードである(
図19(a-5)参照)。全ての消化順(消化順1~4)のうち、一部の消化順が特定順とされる(全ての消化順が特定順とされない)。二以上の消化順が特定順とされてもよい。消化順が特定順以外の順(非特定順)であれば大当たりであることが確定しない。
図19(a-5)に示した例は、消化順1が特定順とされた(消化順2、3、4が非特定順とされた)ものである。第五特定先読みモードが現設定モードであるときには、特定先読み演出の発生時における消化順が特定順か否かに遊技者が注目するであろう遊技性となる。なお、いずれの消化順が特定順であるか遊技者に示されるようにすることが好ましい(例えば、「保留1の入賞で音が鳴ったら当たり確定」といった表示がなされるようにする(
図19(b)参照))。第五特定先読みモードとして、特定順が異なる二種以上の第五特定モードが設けられた構成としてもよい。
【0093】
以上の通りであるため、設定されている特定先読みモードの種類が異なれば、対象保留情報が取得された時点での消化順が同じであっても対象当否抽選結果の信頼度が異なりうることになる。入賞時先読み演出は、対象保留が取得されたときの消化順が同じであれば信頼度が同じであることが通常であるが、本実施形態では特定先読みモードの種類に応じて異なりうるという面白みのある遊技性が実現できる。
【0094】
なお、本実施形態では、信頼度が低いほど、当該消化順で特定先読み演出が発生しやすい(発生する確率が高い)。例えば、第一特定先読みモードは、消化順が遅いほど特定先読み演出が発生しにくいというモードになり、第二特定先読みモードは消化順が遅いほど特定先読み演出が発生しやすいというモードになる。よって、特定先読みモードが異なれば、各消化順で特定先読み演出が発生する確率が異なりうることになる。
【0095】
また、本実施形態では、複数種の特定先読みモードのうちから現設定モードとする特定先読みモードを遊技者が任意に選択することができる。つまり、消化順に応じた特定先読み演出の信頼度パターンを候補のうちから遊技者が任意に選択することができる。
【0096】
以下、上記特定先読みモードに関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0097】
〇具体例3-1
上記実施形態では、複数種の特定先読みモードのうちから現設定モードとするモードを遊技者が任意に選択することができるものであることを説明したが、遊技者が選択することができるのではなく、現設定モードとされる特定先読みモードの変化が自動で変化する(モード変化が勝手に起こる)ようにしてもよい。
【0098】
本例のようにする場合、現設定モードとされている特定先読みモードの種類が遊技者が明確に示されるようにしてもよいし、明確には示されないようにしてもよい。前者のようにする場合には、例えば、各種特定先読みモードの名称がそのまま表示されるようにすればよい。後者のようにする場合には、表示される示唆画像20が現設定モードとされている特定先読みモードの種類を示唆するものとする。例えば、
図20(a)に示すように、示唆画像20の種類に応じ、各種特定先読みモードが現設定モードとして設定されている確率が異なるものとする。示唆画像20はその種類に応じて態様が異なることを遊技者が把握できればどのようなものであってもよい。所定条件が成立した場合に限り示唆画像20が表示される構成としてもよい。例えば、リーチ成立時に複数種の示唆画像20のうちのいずれかが表示される(リーチ成立を条件として示唆画像20が表示される)ものとする(
図20(b)参照)ことが考えられる。つまり、所定条件が成立したときに
図20(a)の確率(振り分け)となる抽選を行い、複数種の示唆画像20のうちのいずれか一種が表示されるものとする。この示唆画像20の種類から、現設定モードを遊技者が予測する。
【0099】
〇具体例3-2
対象保留情報が取得されること(特定先読み演出が発生すること)を契機として特殊演出が発生しうるものとする。特殊演出は、特定先読み演出とは別の演出である。つまり、特定先読み演出は、特殊演出を伴って発生する(複合パターン(
図21(a-1)参照)となる)こともあれば、特殊演出を伴わずに発生する(非複合パターン(
図21(a-2)参照)となる)こともある設定とする。例えば、表示領域911に所定の画像(特殊画像22)が出力されることが特殊演出として発生する構成とすることが考えられる(
図21(a-1)参照)。また、図示しないが、振動装置が特殊態様で振動することが特殊演出として発生する構成とすることも考えられる。また、図示しないが、発光装置が特殊態様で発光することが特殊演出として発生する構成とすることも考えられる。
【0100】
ある種の特定先読みモード現設定モードとして設定されている状態において、一部の消化順で発生する特定先読み演出は複合パターンとなり、他の消化順で発生する特定先読み演出は非複合パターンとなるようにする。例えば、現設定モードとされている特定先読みモードにおいて、信頼度を高い方から数えた一または二以上の消化順で発生する特定先読み演出は複合パターンとなり、それ以外の消化順で発生する特定先読み演出は非複合パターンとなるようにする。より分かりやすくするため、最も信頼度が高い消化順で発生する特定先読み演出は複合パターンとなり、それ以外の消化順で発生する特定先読み演出は非複合パターンとなるようにしてもよい(
図21(b)参照)。このようにすることで、特殊演出は、現設定モードにおいて期待のもてる消化順で特定先読み演出が発生したことを強調するものとして機能する。つまり、現設定モードとされている特定先読みモードの種類に応じて消化順毎の信頼度は種々変化するから、特殊演出の発生より期待がもてる状況であることが強調されるようにする。
【0101】
なお、特殊演出は、特定先読み演出とともに開始されて特定先読み演出とともに終了するようにすることが好ましい。ただし、特殊演出が、特定先読み演出よりも先に終了したり、特定先読み演出よりも後に終了したりするようにすることを否定するわけではない。特に、特殊演出が特定先読み演出よりも後に終了するようにした場合には、特定先読み演出が終了した後も特殊演出が実行された状態にあるため、何らかの事情により特定先読み演出の発生に気付かなかったときであっても、特殊演出の存在により(複合パターンの)特定先読み演出が発生したことが分かる遊技性となる。
【0102】
〇具体例3-3
特定順で特定先読み演出が発生した場合に大当たり確定となる特定先読みモード(上記実施形態にて説明した第五特定先読みモード)が設けられているものとする。この特定先読みモードとして、特定順が異なる複数種のモードが設けられているものとする。例えば、消化順1を特定順とする(消化順2~4を非特定順とする)特定先読みモードA、消化順2を特定順とする(消化順1、3、4を非特定順とする)特定先読みモードB、消化順3を特定順とする(消化順1、2、4を非特定順とする)特定先読みモードC、消化順4を特定順とする(消化順1~3を非特定順とする)特定先読みモードDが設けられ(
図22(a)参照)、いずれのモードも遊技者が任意に選択可能であるとする。このようにすることで、「価値の高い」消化順を、遊技者が任意に決定できるという遊技性が実現できる。
【0103】
上記例とは異なり、特定順で特定先読み演出が発生することは、その他の消化順(非特定順)で特定先読み演出が発生することよりも高信頼度であるものの大当たり確定ではない設定としてもよい。つまり、最も高信頼度(≠信頼度100%)となる消化順が異なる複数種のモードが設けられ(
図22(b)参照)、いずれのモードも遊技者が任意に選択できる構成としてもよい。
【0104】
〇具体例3-4
特定順で特定先読み演出が発生した場合に大当たり確定となる特定先読みモードを選択した際に、特定順がランダムに決定されるものとする(
図22(a)に示した特定先読みモードA~Dのいずれかがランダムに選択されるものとする)。すなわち、特定順を遊技者が把握できないよう内部抽選によりいずれかの消化順が特定順とされるようにする。例えば、消化順1~4のそれぞれが特定順とされる確率が1/4ずつとなるような内部抽選を経て、消化順1~4のいずれかが特定順とされるようにする。
【0105】
このようにした場合には、いずれの消化順が特定順とされているのか遊技者には分からないため、それを予測しつつ楽しむという遊技性(ある消化順で特定先読み演出が発生した場合には、当該消化順が特定順であることを期待するという遊技性)が実現される。
【0106】
〇具体例3-5
上記実施形態における特定先読み演出は入賞時先読み演出であることを説明したが、入賞時先読み演出ではない先読み演出(始動入賞と略同時には発生しない先読み演出)が特定先読み演出とされた構成としてもよい。この場合、特定先読み演出が発生したときにおける対象保留図柄の消化順と現設定モードとされている特定先読みモードの種類に応じた対象当否抽選結果の信頼度になる。
【0107】
また、特定先読み演出は、二以上の先の変動に亘って連続的に発生するものであってもよい。例えば、(1)対象保留図柄が消化順4~消化順1であるとき(四つの先の変動に亘って)特定先読み演出が発生するパターン、(2)対象保留図柄が消化順3~消化順1であるとき(三つの先の変動に亘って)特定先読み演出が発生するパターン、(3)対象保留図柄が消化順2~消化順1であるとき(二つの先の変動に亘って)特定先読み演出が発生するパターン、(4)対象保留図柄が消化順1であるとき(一つの先の変動にて)特定先読み演出が発生するパターン、という四つのパターンが発生しうるようにする。この場合には、特定先読み演出が最初に発生したときにおける対象保留図柄の消化順((1)の場合は消化順4、(2)の場合は消化順3、(3)の場合は消化順2、(4)の場合は消化順1)と現設定モードとされている特定先読みモードの種類に応じた対象当否抽選結果の信頼度となる。
【0108】
2-4)カスタマイズの保存機能
本実施形態にかかる遊技機1は、各種設定を任意に変更することが可能なカスタマイズ機能を備える。なお、このようなカスタマイズ機能自体は公知である(公知のものと同様の構成を採用することができる)。
【0109】
カスタマイズ機能の対象となる複数種のカスタマイズ項目は、演出項目(演出設定)と環境項目(環境設定)に区分けできる(
図23(a)参照)。演出項目は、当否抽選結果を示唆する(信頼度を示唆する)ものとして変動中に発生する演出(変動中演出を構成する演出)の発生確率を変化させるというものである。環境項目は、遊技環境に関するものであり、変動中に発生する各種演出の発生確率に変化を及ぼさないものである。演出項目として二種以上の項目が、環境項目として二種以上の項目が設けられている。本実施形態では、以下のような項目が設けられている。なお、以下のような項目を設けることは一例であり、適宜増減することができる。
【0110】
演出項目としては、先読み演出、プレミア演出、ボタンバイブの三種類が設けられている(
図23(a)参照)。各種演出自体は公知であるため簡単に説明する。先読み演出は、ある当否抽選結果(対象当否抽選結果)が大当たりとなる蓋然性が高まったことを、当該対象当否抽選結果に対応する変動(対象変動)よりも前に実行される一または二以上の先の変動中に示唆するものである。本実施形態では、複数種の先読み演出が発生しうる。プレミア演出は、対象変動にて発生した場合、対象当否抽選結果が大当たりとなることが確定する演出である。本実施形態では、複数種のプレミア演出が発生しうる。ボタンバイブは、対象変動の開始や途中において押しボタン60が振動する演出である(押しボタン60の振動は、遊技している(発射ハンドルを握っている)遊技者に伝わる)。なお、このような振動する操作手段自体は周知であるからその構造の説明は省略する。
【0111】
各種演出項目は、演出の発生確率を変化させる選択肢が二以上設けられる。本実施形態では、先読み演出については、選択肢として、「通常」、「チャンス」、「激熱」、「無し」の四つが設けられている。「通常」はデフォルト(基本)の設定である。「チャンス」は、「通常」である場合よりも先読み演出の発生確率が低く、「通常」である場合よりも先読み演出が発生したときの信頼度(対象当否抽選結果の信頼度をいう。以下同じ。)が高い設定である。「激熱」は、「チャンス」である場合よりも先読み演出の発生確率が低く、「チャンス」である場合よりも先読み演出が発生したときの信頼度が高い設定である(信頼度100%としてもよい)。「無し」は、先読み演出が発生しない(発生確率0%である)設定である。プレミア演出については、選択肢として、「通常」、「確率高」、「必須」の三つが設けられている。「通常」はデフォルト(基本)の設定である。「確率高」は、「通常」である場合よりもプレミア演出の発生確率が高い設定である。「必須」は、当たり変動であれば必ず一つのプレミア演出が発生する設定である(当然、「確率高」よりもプレミア演出の発生確率が高い設定である)。「ボタンバイブ」については、選択肢として、「通常」、「確率高」の二つが設けられている。「通常」はデフォルト(基本)の設定である。「確率高」は、「通常」である場合よりもボタンバイブの発生確率が高く、「通常」である場合よりも先読み演出が発生したときの信頼度も高い設定である。
【0112】
環境項目としては、音量、光量、オートボタン、保留バイブ、BGMカスタマイズの五種類が設けられている(
図23(a)参照)。各種環境項目は、選択肢が二以上設けられている。「音量」は音量1~音量5のいずれかを選択できる(五段階設定であり、数字が大きいほど大きい)。なお、本実施形態では、音量3がデフォルト(初期設定)とされている。「光量」は光量1~光量5のいずれかを選択できる(五段階設定であり、数字が大きいほど大きい)。なお、本実施形態では、光量3がデフォルト(初期設定)とされている。「オートボタン」は、遊技者に対し押しボタン60(操作手段)の操作が要求される操作演出において、実際の操作がなされなくても仮想的な操作がなされるようにする機能である。本実施形態では、選択肢として、当該機能を無効とする(当該機能を使わない)「OFF」、当該機能を有効とする(当該機能を使う)「ON」の二つが設けられている(「OFF」がデフォルトである)。保留バイブは、変動前保留図柄72(変動前保留情報)の数が所定数以上となったときに振動(押しボタン60のバイブ)を発生させてそれを遊技者に知らせる機能である。本実施形態では、選択肢として、当該機能を無効とする(当該機能を使わない)「OFF」、変動前保留図柄72が三つ、四つとなったときに振動が発生する「保3・保4バイブ」、変動前保留図柄72が四つとなったときに振動が発生する「保4バイブ」の三つが設けられている(「OFF」がデフォルトである)。なお、本実施形態では、当該機能は通常遊技状態で発現されるものであり、カウントされる変動前保留図柄72は第一変動前保留図柄72(特
図1保留)である。BGMカスタマイズは、変動中に出力される背景楽曲(BGM)を、候補となる楽曲のうちから任意の楽曲を選択することができる機能である。本実施形態では、選択肢として、「曲1」~「曲7」の七つが設けられている(「曲1」がデフォルトである)(実際には楽曲のタイトル等が表示される)。
【0113】
各カスタマイズ項目の設定(選択肢の選択)は、変動中演出が実行されていない待機状態にて、操作手段(押しボタン60、十字キー61)を操作することで行うことができる。本実施形態では、十字キー61の操作によりカーソルを移動させ、押しボタン60の操作により選択操作(決定操作)を行う。また、本実施形態では、変動中演出が実行されている最中(変動中)も、所定の禁止条件(例えば、リーチ演出が実行されていること)が成立していない状態であれば操作手段(押しボタン60、十字キー61)を操作することで行うことができる。具体的な設定方法等はどのようなものであってもよいから説明を省略する。好ましくは、複数種のカスタマイズ項目のうち、いずれが演出項目であるか、いずれが環境項目であるかが区別できるようにされていることが好ましい。例えば、待機状態におけるカスタマイズ画面において、演出項目と環境項目が分けて表示されるようにする(
図23(a)参照)。
【0114】
本実施形態にかかる遊技機1は、カスタマイズの保存機能を備える。カスタマイズの保存機能は、複数種のカスタマイズ項目の少なくとも一部である二種以上の項目を対象項目とし、当該対象項目のカスタマイズ状況を暗号化して出力し、当該カスタマイズ状況を遊技者が再び利用する際には複合化するというものである。
【0115】
本実施形態におけるカスタマイズ保存機能の利用方法は次の通りである(ただし、当該方法はあくまで一例である)。待機状態にて表示されるカスタマイズ画面にて各カスタマイズ項目について好みの選択肢を選択する。その上で、「保存」と表示される箇所を選択する(
図23(a)参照)。これにより、現在のカスタマイズ状況が暗号化して出力される。本実施形態では、現在のカスタマイズ状況に応じたパスワードが表示される(
図23(b)参照)。遊技者は当該パスワードを記録しておく。なお、本実施形態では、カスタマイズ状況が同じであれば、全く同じパスワードが出力されるようにされる。カスタマイズ状況が盗用されることの実害は無いといえるから、保存するカスタマイズ状況が同じであれば生成されるパスワードは毎回同じとされる(カスタマイズ状況と生成されるパスワードが1:1の関係とされる)。つまり、保存するカスタマイズ状況が同じであっても生成されるパスワードが毎回異なりうるといった設定としなくてもよい。よって、対象項目の組み合わせパターンを網羅する最低限のパスワードの組み合わせが構成できればよい。本実施形態では、対象項目の組み合わせパターンは25200個である。例えば、パスワードに五十音(ひらがな)を用いるのであれば、3ケタのパスワードで足りる。
【0116】
現在のカスタマイズ状況に応じた二次元コードが表示されるものとしてもよい。表示される二次元コードをスマートフォン等の端末に読み込むことで暗号化された情報(パスワード)が端末に表示されるようにしてもよい。
【0117】
新たに遊技を開始する際に保存したカスタマイズ状況を利用する際には、暗号(パスワード)を複合する。待機状態にて所定の操作を行うことでパスワード入力画面を表示させ、記録したパスワードを入力する(
図24(a)参照)。パスワードが入力された場合には、当該パスワードに対応するカスタマイズ状況となるように、各対象項目の設定を自動的に変化させる(
図24(b)参照)。
【0118】
パスワード入力により保存したカスタマイズ状況が反映された際には、どのようなカスタマイズ状況となったかが示されるようにすることが好ましい。すなわち、各対象項目がどのような設定とされたのかが一時的に表示されるようにすることが好ましい(
図24(b)参照)。このようにすることで、遊技者は、好みのカスタマイズが設定されたか否かを確認することができる。
【0119】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、カスタマイズ保存機能を利用することにより、好みのカスタマイズ状況を容易に設定することができる。
【0120】
以下、上記カスタマイズ保存機能に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0121】
〇具体例4-1
上記実施形態では、カスタマイズ保存機能の対象項目には演出項目と環境項目の両方が含まれることを説明したが、対象項目の全てが環境項目である設定とする。上記実施形態に則していえば、音量、光量、オートボタン、保留バイブ、BGMカスタマイズの少なくとも一部が対象項目とされた構成とする(
図25参照)。
【0122】
演出項目は、遊技の本質的部分の設定であり、その日の気分等によって変化することもある。よって、演出項目は対象項目に含まれないようにする。一方、環境項目は、遊技の環境に関する設定であるため、遊技者は毎回同じ設定とすることが多い。したがって環境項目に関してはカスタマイズ保存機能の対象とし、新たに遊技を行う際に好みの遊技環境を容易に設定できるようにする。
【0123】
〇具体例4-2
生成されたパスワードが他機種においても用いることができる設定とする。カスタマイズ保存機能の対象項目が同じであれば、機種が異なっても好みのカスタマイズを反映できるようにする。このようにするため、遊技機においては、暗号化手段により生成されたパスワードが他機種にて用いることができることの表示がなされるようにする。例えば、パスワードが表示されている際に、「当該パスワードは〇〇の他機種においても利用可能です」(〇〇はメーカ名を示す)といった表示がなされるようにする(
図26参照)。利用可能な具体的な機種名が表示されるようにしてもよい。
【0124】
本例のようにする場合、上記具体例4-1のように、カスタマイズ保存機能の対象項目の全てが環境項目である構成とすることが好ましい。環境項目は機種が異なっても共通して用いられることが多い(演出項目は変動中に発生する演出の発生確率に関するものであり、機種が異なれば異なることが多い)から、対象項目の全てが環境項目である構成とし、当該環境項目に関するカスタマイズ状況を機種を横断して利用できるようにする。
【0125】
〇具体例4-3
複数種のカスタマイズ項目のうち、いずれを対象項目とするかを、遊技者が任意に選択できるようにする。つまり、カスタマイズ保存機能の対象項目の組み合わせを遊技者が任意に選択できるようにする。
【0126】
例えば、上記実施形態にて説明したようなカスタマイズ項目がある構成において、「先読み演出」、「ボタンバイブ」、「音量」、「光量」を対象項目とする選択を行い(
図27(a)参照)、各対象項目について好みの選択肢を選択する(「例えば、「先読み演出」について「チャンス」、「ボタンバイブ」について「確率高」、「音量」について「音量1」、「光量」について「光量5」を選択する)(
図27(b)参照)。このカスタマイズについて暗号化されたパスワードを記録しておけば、新たに遊技を行う際に当該パスワードを入力する(複合化する)ことで、上記対象項目についてはパスワード発行時のカスタマイズ状況が自動的に設定される。なお、対象項目以外のカスタマイズ項目についてはデフォルトの設定とされる。このようにすることで、好みの設定が決まっているカスタマイズ項目のみを容易に設定することができる。
【0127】
本例のようにする場合、パスワードが入力されて(
図28(a)参照)カスタマイズ状況が反映されたときに、対象項目が表示される(
図28(b)参照)ようにすることが好ましい。つまり、遊技者は複数のカスタマイズ項目のうちいずれを対象項目としたか忘れている可能性があるから、どの項目について保存されたカスタマイズ状況が反映されたかが表示されるようにする(対象項目とされていないカスタマイズ項目は表示されない)。上記例でいえば、「先読み演出」、「ボタンバイブ」、「音量」、「光量」について保存されたカスタマイズ状況が反映されたことが表示されるようにする。これと併せて、各対象項目の設定も表示される(「先読み演出」について「チャンス」、「ボタンバイブ」について「確率高」、「音量」について「音量1」、「光量」について「光量5」の設定がなされたことが示される)ようにするとよい。
【0128】
2-5)途中演出
本実施形態にかかる遊技機1は、途中演出(
図29参照)を実行することが可能である。途中演出は、特別遊技状態にて発生しうるものである。上述した通り、本実施形態における特別遊技状態は、当否抽選確率(大当たり確率)が1/70であり、100回転連続して当否抽選結果がはずれとなることで終了する(ST回数(継続回数)=100回である)状態である。当該特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が大当たりとなる確率(いわゆる継続率)は、(1-(69/70)^100)×100=76.3(%)である(当否抽選結果がはずれとなることが100回連続すること((69/70)^100)が起きない確率が「継続率」になる)。これは、特別大当たり遊技終了後の特別遊技状態の開始時点(特別遊技状態にて未だ一回も当否抽選が実行されていない状態)(
図29(a)の時点)における、当該特別遊技状態にて当否抽選結果が大当たりとなる確率であるといえる。なお、当該継続率や後述する途中確率等の各種確率は少数第一位までで表すものとする(少数第二位を四捨五入するものとする)。ただし、これはあくまで一例である。少数第一位を四捨五入して整数で表す等してもよい。
【0129】
本実施形態では、特別遊技状態の途中時点(特別遊技状態が開始されてから少なくとも一回の当否抽選が実行された後の状態をいう)にて途中演出が発生しうる。特別遊技状態が終了するまでの残りの連続はずれ回数を「残回数」とする(残回数は、100からスタートして、当否抽選結果がはずれとなる度に1ずつ減少する値である)と、残回数が99以下の状態が特別遊技状態の途中時点であるということになる。特別遊技状態においては、当該残回数を表す残回数画像32が表示領域911に表示される。なお、残回数画像32は、現在実行されている変動を含めた残回数が表示されるものであってもよいし、現在実行されている変動を含めない残回数が表示されるものであってもよい。途中演出が発生する時点は、複数個所設定されていることが好ましい。本実施形態では、残回数が75回、50回、25回の三箇所にて途中演出が発生する。つまり、当否抽選に当選せずに特別遊技状態が終了したとした場合(特別遊技状態が開始されてから100回連続して当否抽選結果がはずれとなった場合)には、三回の途中演出が発生する。
【0130】
途中演出は、当該時点における、特別遊技状態が終了するまでに当否抽選に当選する確率である途中確率を表示する演出である。換言すれば、当該時点におけるいわゆる引き戻し確率を表示するということである。残回数がM回である状態での途中確率(引き戻し確率)は、「(1-(69/70)^M)×100」で算出できる。よって、
・残回数が75回での途中確率は(1-(69/70)^75)×100=66.0%
・残回数が50回での途中確率は(1-(69/70)^50)×100=51.3%
・残回数が25回での途中確率は(1-(69/70)^25)×100=30.2%
ということになる。
【0131】
残回数が75回である変動(特別遊技状態が開始されてから25回目の変動)にて、その時点での途中確率である「66.0(%)」を表示する途中演出が実行される。本実施形態では、残回数である「75」を含む表示(残回数画像32)とともに途中確率を表す途中確率画像30が表示される(
図29(c)参照)。同様に、残回数が50回である変動(特別遊技状態が開始されてから50回目の変動)にて、その時点での途中確率である「51.3(%)」を表す途中確率画像30が、「50」を含む残回数画像32とともに表示される(
図29(e)参照)。残回数が25回である変動(特別遊技状態が開始されてから75回目の変動)にて、その時点での途中確率である「30.2(%)」を表す途中確率画像30が、「25」を含む残回数画像32とともに表示される(
図29(g)参照)。
【0132】
なお、「100-引き戻し確率」(%)の値を表示することも途中確率の表示にあたるものとする。当該値は、厳密には特別遊技状態にて当否抽選に当選しない確率(引き戻さない確率)を示すものであるが、当該値を表示しても遊技者は引き戻し確率を容易に把握することができるから、当該値の表示は途中確率の表示にあたるものとする。上記例でいえば、残回数が75回で「34.0(%)」、残回数が50回で「48.7(%)、残回数が25回で「69.8(%)」の表示を行うことも途中確率の表示にあたるものとする。
【0133】
本実施形態にかかる遊技機1では、特別遊技状態の途中時点での引き戻し確率が遊技者に明示されるという面白みのある遊技性が実現できる。
【0134】
以下、上記途中演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0135】
〇具体例5-1
特別遊技状態における連続する二以上の変動のそれぞれにて、途中確率が表示されるようにする。例えば、特別遊技状態における全ての変動において途中確率が表示されるようにすることも考えられる。残回数が100回である変動では確率「76.3(%)」の画像が表示され(
図30(a)参照)、残回数が99回である変動では途中確率「75.9(%)」の途中確率画像30が表示され(
図30(b)参照)、残回数が98回である変動では途中確率「75.6(%)」の途中確率画像30が表示され(
図30(c)参照)、残回数が97回である変動では途中確率「75.2(%)」の途中確率画像30が表示され(
図30(d)参照)、・・・といったように、はずれとなるたびに途中確率が更新されていく構成とする。なお、最初の変動(残回数が100回)で表示される確率「76.3(%)」は、厳密には「途中」の確率ではなく、特別遊技状態の継続率そのものなのであるから、最初の変動では当該確率が表示されない構成としてもよい。
【0136】
上記例とは異なり、残回数が所定回数(例えば50回)に至るまで(残回数が100~50回の間)は毎変動途中確率を表示する、残回数が所定回数(例えば50回)以下となった後(残回数が50~1回の間)は毎変動途中確率を表示するといったように、特別遊技状態における一部の連続する変動にて途中確率が表示されるようにしてもよい。
【0137】
このように、連続する二以上の変動のそれぞれにて途中確率が表示されるようにすることで、残回数が1少なくなることによる引き戻し確率(途中確率)の減少を遊技者が感じ取ることができる遊技性が実現できる。
【0138】
〇具体例5-2
上記実施形態における特別遊技状態は、高確率状態(確変状態)であることを説明したが、低確率状態であるものが対象とされた構成としてもよい。すなわち「低確率・時短有(高ベース)」状態の途中で、当該状態が終了するまでに当否抽選に当選する確率が表示される構成としてもよい。
【0139】
〇具体例5-3
特別遊技状態が進行する(残回数)が少なくなるにつれて途中確率(引き戻し確率)は低下するのであるから、当該確率を見たくない遊技者がいることも考えられる。そのため、遊技者の行動によらなければ途中確率(途中確率画像30)が表示されることがない構成とする。例えば、操作手段の所定操作がなされない限り途中確率が表示されないようにする。すなわち、操作手段の所定操作がなされること(
図31(b)参照)を契機として、途中演出が実行されていない状態(
図31(a)参照)から途中演出が実行されている状態(
図31(c)参照)への変化が生じるものとする。上記所定操作はどのようなものであってもよい。単なる単発操作であってもよい。ただ、単発操作であると遊技者が意図せず途中確率が表示されてしまうという状況が生じかねないから、このようなおそれを低減するのであれば、所定時間(例えば2秒)以上の長押し操作といったように、遊技者が意図せず所定操作の条件を満たしてしまうおそれが低い設定とするとよい。
【0140】
本例のようにすることで、途中確率を見たいと考えている遊技者に対してのみ途中確率が表示される構成となる。また、特別遊技状態における任意の変動(任意の回転数)にて途中確率を表示させることができる構成となる。
【0141】
〇具体例5-4
特別遊技状態の終了は、特別遊技状態にて獲得した第二当否抽選情報(第二変動前保留情報(特
図2保留))に対応する当否抽選結果の報知が完了する時点である構成としてもよい。つまり、特別遊技状態であることによって獲得しやすい(通常遊技状態では獲得しにくい)第二当否抽選情報に対応する当否抽選結果が全て報知される(全ての特
図2保留が消化される)ことを特別遊技状態の終了とし、それまでに当否抽選に当選する確率を途中確率(引き戻し確率)とする。上記実施形態のように、記憶手段による第二変動前保留情報の最大の記憶数(特
図2保留の最大の記憶数)が四つである場合には、特別遊技状態が開始されてから104回(特別遊技状態のST回数(100)+第二変動前保留情報の最大記憶数(4))連続して当否抽選結果がはずれとなることが特別遊技状態の終了として途中確率(引き戻し確率)が算出され、それが途中演出にて表示されるようにする。このようにした場合、例えば、残回数画像32が75回である状態での途中確率は(1-(69/70)^79)×100=67.9%となる。
【0142】
本例のようにすることは、いわゆる「二種遊技機」の遊技性(スペック)とされる場合に特に有効である。このような二種遊技機の遊技性自体は公知であるからその遊技性は簡単に説明する。第二当否抽選情報に基づく第二当否抽選(特
図2抽選)は、大当たりに当選することだけでなく、小当たりに当選することでも大当たりの獲得に期待がもてる。つまり、第二当否抽選の実質大当たり確率は、「大当たり確率P1+小当たり確率P2」である。一方、第一当否抽選は、大当たりに当選しなければ大当たりを獲得できない(大当たり確率P1)である。つまり、通常遊技状態は大当たり確率はP1であるが、特別遊技状態は実質大当たり確率がP1+P2であり、P2の分、特別遊技状態の方が有利(高確率)であるという設定である。この場合には、厳密には特別遊技状態が終了していても(厳密には通常遊技状態に移行していても)、記憶手段に記憶されている第二当否抽選情報の分は、高確率の第二当否抽選が実行されることになるため、第二当否抽選情報に対応する当否抽選結果の報知が完了した(特
図2保留が全て消化された)時点を特別遊技状態の終了時点として途中確率(引き戻し確率)を算出するとよい。
【0143】
〇具体例5-5
特別遊技状態にて途中演出が発生する設定とするか否かを、遊技者が任意に選択できるものとする。例えば、特別遊技状態が開始される際に、複数種のモードのうちのいずれかを遊技者が任意に選択できるものとし、そのうちのいずれかは途中演出が発生するモードであるが、他のモードは途中演出が発生しないモードであるとする(
図32参照。途中演出が発生するモードを「引き戻し確率表示モード」として示す。)。モード選択時において、途中演出が発生するモードは、途中で引き戻し確率が表示されるような構成であることを説明する画像が表示されるようにすることが好ましい。例えば、「ラッシュ中に引き戻し確率が表示」の画像が表示されるようにする(「ラッシュ」は特別遊技状態のことを表す)。なお、特別遊技状態中(変動中)にモード変更可能な構成としてもよい。
【0144】
このようにすることで、特別遊技状態の途中で途中確率が表示されることを好ましくないと考える遊技者は、途中確率が表示されないモードを選択すればよいことになる。
【0145】
〇具体例5-6
継続回数(ST回数)が異なる二種以上の特別遊技状態が設けられているとする。例えば、継続回数が100回である第一特別遊技状態、継続回数が120回である第二特別遊技状態、継続回数が140回である第三特別遊技状態の三種が設けられているとする(
図33(a)参照)。
【0146】
このような構成において、実際には第二特別遊技状態や第三特別遊技状態が設定されているにもかかわらず、第一特別遊技状態であるかのように見せかける場合があるとする。すなわち、実際には継続回数が120回や140回であるにもかかわらず、継続回数が100回であるかのようにして特別遊技状態(ラッシュ)が実行される。このような場合、特別遊技状態中に似非残回数Nf(実際の残回数Nrとは異なる値であって遊技者に残回数と見せかける値)を表す似非残回数画像32fが表示される(
図33(b)参照)。第一特別遊技状態と見せかけるため、似非残回数画像32fは「100」から開始され、当否抽選結果がはずれとなる度に「1」ずつ減少していくものとされる。
【0147】
例えば、実際には第二特別遊技状態であるにもかかわらず、第一特別遊技状態と見せかける場合には、実際の残回数Nrが「95」(遊技者には隠されている残回数)である状態にて、似非残回数Nfとして「75」の表示がなされる(似非残回数画像32fが表示される)ことになる。この状況で「66.0(%)」(1-(69/70)^75)×100)の似非途中確率(似非途中確率画像30f)が表示される演出(似非途中演出)が実行されるようにする(
図33(b)参照)。つまり、実際の残回数が「95」であるということは、実際の途中確率は「74.5(%)」(1-(69/70)^95)×100)であるが、遊技者には残回数が「75」であるかのように見せているため、当該数値に基づいて「似非」の途中確率(引き戻し確率)が表示されるようにする。図示しないが、同様に、実際の残回数Nrが「70」である状態にて、似非残回数Nfとして「50」の表示がなされることになるが、この状況では「51.3(%)」(1-(69/70)^50)×100)の似非途中確率が表示されるようにする。また、実際の残回数Nrが「45」である状態にて、似非残回数Nfとして「25」の表示がなされることになるが、この状況では「30.2(%)」(1-(69/70)^25)×100)の似非途中確率が表示されるようにする。実際には第三特別遊技状態であるが、第一特別遊技状態と見せかける場合も同様である。実際の残回数Nrではなく、似非残回数Nfに基づいて算出された似非途中確率が表示されるようにする。
【0148】
本例のようにする場合、似非途中確率が表示された状態(似非途中演出が実行された状態)から、途中確率が表示された状態(途中演出が実行された状態)に変化する演出(変化演出)を実行することが可能である。例えば、実際には第三特別遊技状態ではあるが、第一特別遊技状態であると見せかけている状態において、実際の残回数Nrが「65」であるときに、似非残回数Nf(似非残回数画像32f)として「25」の表示がなされ、似非途中確率(似非途中確率画像30f)として「30.2(%)」(1-(69/70)^25)×100)の表示がなされていたとする(
図34(a)参照)。この状態から、似非残回数Nfである「25」に代えて実際の残回数Nrである「65」(残回数画像32)が表示されるとともに、似非途中確率である「30.2(%)」に代えて途中確率(途中確率画像30)である「60.8(%)」(1-(69/70)^65)×100)が表示されるようにする(
図34(c)参照)。当該変化のきっかけとして、残回数が上乗せされたかのように見せる上乗せ演出が発生するようにしてもよい(
図34(b)参照)。
【0149】
このようにすることで、遊技者には、残回数が「25」から「65」に増加し(残回数の「上乗せ」が発生し)、かつ、それに伴って引き戻し確率が「30.2(%)」から「60.8(%)」に増加したように見える演出となる。つまり、残回数の「上乗せ」が生じたことが、引き戻し確率の上昇により強調されるという分かりやすい演出形態とすることができる。
【0150】
〇具体例5-7
途中確率(引き戻し確率)が、確率を表す数値そのもので表示されない構成としてもよい。例えば、メータの大きさにより途中確率が表される構成としてもよい。上記具体例5-1にて説明したように二以上の連続する各変動にて途中確率が表示されるものとするのであれば、変動が終了する(はずれが報知される)度に途中確率を表すメータが変化するという演出形態となる。
【0151】
3)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0152】
上記実施形態にて説明した事項は、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した点を除いて、回胴式遊技機等その他の遊技機にも適用することが可能である。
【0153】
上記実施形態では、当否抽選結果の態様として大当たりおよびはずれが設定され、大当たりとなることで大当たりが獲得される(大当たり遊技が実行される)ものであるが、いわゆる小当たり経由により大当たりが獲得できるものとしてもよい。このように小当たり経由で大当たりが獲得できる遊技性(いわゆる「二種遊技機」の遊技性)を備えたもの自体は周知であるため詳細な説明を省略するが、例えば小当たりに当選した場合、(遊技機の故障や遊技者が指示通り遊技を行わない等のイレギュラーな事象が発生した場合を除き)それが大当たりの獲得に繋がるという設定(実質的に小当たり当選と大当たり当選が同一視できる設定)である設定とするのであれば、上記実施形態にて説明した「大当たり」は、「小当たり」に置き換えることができる(例えば「大当たり確率」とは、大当たりに当選する(直当たりとなる確率)と小当たりに当選する確率を合算した確率であり、「小当たり」に当選することは「大当たり」に当選することと実質的に同じである)ものとする。
【0154】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0155】
・手段1-1
第一画像と当該第一画像の裏側に存在するように表示される第二画像とを含む演出要素が回転しているように表示される回転演出を実行することが可能な遊技機であって、前記回転演出として、前記第一画像が表示されて前記第二画像が表示されない第一表示状態、または、前記第二画像が表示されて前記第一画像が表示されない第二表示状態で前記演出要素の回転が停止する通常態様と、前記第一表示状態と前記第二表示状態の間の中途状態で前記演出要素の回転が停止する特殊態様と、が発生しうることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、第一表示状態や第二表示状態で演出要素の回転が停止せずに中途状態で停止する(遊技者が予測しないところで停止する)ことがあるという面白みのある回転演出を実行することができる。
【0156】
・手段1-2
前記回転演出が前記通常態様となることよりも、前記特殊態様となることの方が、遊技者にとって有利な事象であることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が予測しない結果(特殊態様)となることが遊技者にとって有利なことである演出形態となる
【0157】
・手段1-3
前記回転演出は、表面に前記第一画像が表された厚みを有する第一物体、および、表面に前記第二画像が表された厚みを有する第二物体が一体化された前記演出要素が回転しているように表示される演出であって、
前記中途状態は、前記第一物体および前記第二物体の側面およびその境界が表示された状態であることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、演出要素が中途半端な状態で停止したということがより明確となる。
【0158】
・手段2-1
複数種の装飾図柄の組み合わせにより当否抽選結果が報知される遊技機であって、 前記装飾図柄は、その種類を区別するための主要素部と、当該主要素部に付随する副要素部を有し、複数種の前記装飾図柄の表示モードとして、前記装飾図柄の種類に応じて前記副要素部とされるキャラクタの種類が異なる通常表示モードと、前記装飾図柄の種類にかかわらず前記副要素部とされるキャラクタが特定キャラクタで同じである特定表示モードと、が設けられていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、装飾図柄の種類毎に副要素部とされるキャラクタが異なる通常表示モードから、装飾図柄の種類にかかわらず副要素部とされるキャラクタが特定キャラクタで一定である特定表示モードに変化するという面白みのある演出を実行することができる。
【0159】
・手段2-2
複数種の前記装飾図柄の一種である特別装飾図柄によりリーチが成立した場合には、その他の種類の前記装飾図柄によりリーチが成立した場合よりも当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されており、前記特定キャラクタは、前記通常表示モードにて前記特別装飾図柄の前記副要素部とされるキャラクタであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、特定キャラクタは「価値あるキャラクタ」と印象付けられる。そのため、特定表示モードは、各種装飾図柄の付随部が当該「価値あるキャラクタ」に変化するという分かりやすい演出になる。
【0160】
・手段2-3
前記特定表示モードは、前記副要素部とされる前記特定キャラクタの態様が前記装飾図柄の種類毎に異なるものであることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、装飾図柄の種類にかかわらず共通して特定キャラクタが副要素部とされるという特定表示モードの特徴を残しつつも、装飾図柄の種類毎の違いを明確なものとすることができる。
【0161】
・手段3-1
始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される当否抽選情報に基づき当否抽選を実行する当否抽選手段と、装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を実行する変動中演出実行手段と、前記変動中演出が実行されている状態で取得された前記当否抽選情報を保留情報として所定数を限度に記憶する記憶手段と、前記保留情報である対象保留情報が新たに取得されたことを契機として、当該対象保留情報に対応する対象当否抽選結果が当たりとなる蓋然性である信頼度が高まったことを示唆する特定先読み演出を実行する特定先読み演出実行手段と、複数種の特定先読みモードのうちのいずれかを設定するモード設定手段と、を備え、設定されている前記特定先読みモードの種類が異なれば、前記対象保留情報が取得された時点での当該対象保留情報の消化順が同じであっても前記対象当否抽選結果の信頼度が異なりうることを特徴とする遊技機。ただし、前記消化順とは、前記記憶手段に記憶されている前記保留情報のうち、対応する当否抽選結果の報知が早いものから数えた順である。
上記遊技機は、対象保留情報が取得された時点での消化順が同じであっても対象当否抽選結果の信頼度が異なりうるという面白みのある遊技性を実現できる。
【0162】
・手段3-2
複数種の前記特定先読みモードのうちの一種は、前記対象保留情報が取得された時点での当該対象保留情報の消化順が遅いほど前記対象当否抽選結果の信頼度が高くなるものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
当該特定先読みモードが設定されているときには、特定先読み演出が発生したときの消化順が遅いほどチャンスであるという遊技性になる。
【0163】
・手段3-3
複数種の前記特定先読みモードのうちの一種は、前記対象保留情報が取得された時点での当該対象保留情報の消化順が特定順であれば前記対象当否抽選結果が当たりであることが確定し、当該特定順以外の順であれば前記対象当否抽選結果が当たりであることが確定しないものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
当該特定先読みモードが設定されているときには、特定先読み演出が発生したときの消化順が特定順であれば当たり確定になるという遊技性になる。
【0164】
・手段3-4
複数種の前記特定先読みモードのうちのいずれを設定するかを、遊技者が任意に選択可能であることを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が好みの遊技性を選択できるものとなる。
【0165】
・手段4-1
カスタマイズ可能なカスタマイズ項目が複数種設けられた遊技機であって、複数種の前記カスタマイズ項目の少なくとも一部である二種以上の対象項目のカスタマイズ状況に基づいた暗号を生成する暗号化手段と、暗号が入力された場合に、当該暗号が生成された時点におけるカスタマイズ状況を前記対象項目に関して反映させる複合化手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、対象項目に関し、好みのカスタマイズ状況を容易に設定することができる。
【0166】
・手段4-2
複数種の前記カスタマイズ項目として、遊技環境に関する二種以上の環境項目が設けられ、前記対象項目は全て前記環境項目であることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
環境項目の設定は遊技者毎に毎回同じとされることが多いから、対象項目とされるのは環境項目に限られていることが好ましい。
【0167】
・手段4-3
前記暗号化手段により生成された暗号を他機種にて用いることができることの表示がなされることを特徴とする手段4-1または手段4-2に記載の遊技機。
このように、ある機種において行ったカスタマイズを他機種を遊技する際にも反映させることができるようにすることで、遊技者の利便性に資する。
【0168】
・手段4-4
複数種の前記カスタマイズ項目のうち、いずれを前記対象項目とするかを、遊技者が任意に選択できることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、好みの設定が決まっているカスタマイズ項目のみを対象項目とすることができる。
【0169】
・手段5-1
当否抽選結果が当たりとなることを目指して遊技する遊技状態として、開始されてから規定回数連続してはずれとなることで終了する特別遊技状態が設けられた遊技機であって、前記特別遊技状態の途中時点にて、当該時点での当該特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が当たりとなる確率である途中確率を表示する途中演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、特別遊技状態の途中にて、途中確率(引き戻し確率)が示されるという面白みのある遊技性が実現できる。
【0170】
・手段5-2
遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記操作手段の所定操作がなされることを契機として、前記途中演出が実行されていない状態から前記途中確率が表示された状態に変化することを特徴とする手段5-1に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が望んだ場合に限り、途中確率(引き戻し確率)が表示されるという構成となる。
【0171】
・手段5-3
前記特別遊技状態が終了するまでの残りのはずれ回数である残回数が実際にはNr回であるものの、Nf回(Nf<Nr)であるかのような表示がなされている状態において、前記残回数がNf回であると仮定した場合における前記特別遊技状態が終了するまでに当否抽選結果が当たりとなる確率である似非途中確率を表示する似非途中演出を実行することが可能であることを特徴とする手段5-1または手段5-2に記載の遊技機。
このようにすることで、途中確率(引き戻し確率)が上がったかのように見える演出を実行することが可能となる。
【符号の説明】
【0172】
1 遊技機
10 演出要素
11 第一画像
12 第二画像
10a 第一物体
10b 第二物体
20 示唆画像
30 途中確率画像
32 残回数画像
60 押しボタン
61 十字キー
65 スピーカ
70 保留図柄(71 変動中保留図柄 72 変動前保留図柄)
80 装飾図柄
80t 特別装飾図柄
80u 非特別装飾図柄
81 主要素部
82 副要素部
904 始動領域(904a 第一始動領域 904b 第二始動領域)
906 大入賞領域
91 表示装置
911 表示領域