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特開2025-7833衣服立体乾燥機及びこれに使用するボタン割れ防止用具
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  • 特開-衣服立体乾燥機及びこれに使用するボタン割れ防止用具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007833
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】衣服立体乾燥機及びこれに使用するボタン割れ防止用具
(51)【国際特許分類】
   D06F 73/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
D06F73/00 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109485
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】504435818
【氏名又は名称】株式会社三幸社
(74)【代理人】
【識別番号】100084571
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 玄陽
(72)【発明者】
【氏名】打越 裕介
(57)【要約】      (修正有)
【課題】衣服立体乾燥機で衣服を乾燥仕上げするとき、衣服が熱風等で揺動し、通路の内壁面にあたってボタンが損壊、損傷することを防止する。
【解決手段】本発明は、洗濯物としての衣服2をハンガー3に吊し、トンネル状の通路1aを移送して熱風で乾燥仕上げする衣服立体乾燥機1である。衣服2を熱風で乾燥仕上げする工程に対応する通路1aの箇所に、衣服2が熱風で通路1aの内壁面にあたってボタン2aが損壊するのを防止するためのボタン割れ防止用具を設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物としての衣服をハンガーに吊し、トンネル状の通路を移送して熱風で乾燥仕上げする衣服立体乾燥機であって、衣服を熱風で乾燥仕上げする工程に対応する通路の箇所に、衣服が熱風で通路の内壁面にあたってボタンが損壊するのを防止するためのボタン割れ防止用具が設けられていることを特徴とする衣服立体乾燥機。
【請求項2】
請求項1記載の衣服立体乾燥機であって、通路の入口側と出口側にボタン割れ防止用具の取り付け箇所が設けられ、この取り付け箇所にボタン割れ防止用具を取り付けるための取り付け手段がボタン割れ防止用具の両側に設けられていることを特徴とする衣服立体乾燥機。
【請求項3】
請求項2記載の衣服立体乾燥機であって、ボタン割れ防止用具が柔軟質の面状材で形成され、通路の内壁面に沿って張られることを特徴とする衣服立体乾燥機。
【請求項4】
請求項2記載の衣服立体乾燥機に使用するボタン割れ防止用具であって、通路の入口側と出口側に設けられているボタン割れ防止用具の取り付け箇所に取り付けるための取り付け手段が両側に設けられていることを特徴とするボタン割れ防止用具。
【請求項5】
請求項4記載の衣服立体乾燥機に使用するボタン割れ防止用具であって、柔軟質の面状材で形成されていることを特徴とするボタン割れ防止用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物としての衣服をハンガーに吊し、トンネル状の通路を移送して熱風で乾燥仕上げする衣服立体乾燥機に関し、更に詳しくは衣服のボタンが通路の内壁面にあたって損壊、損傷するのを防止できるよう形成した衣服立体乾燥機及びこれに使用するボタン割れ防止用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衣服立体乾燥機としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この従来機は、衣服をハンガーに掛け、このハンガーをチェーンコンベアに吊るした状態でトンネル状の通路に通し、ハンガーが通路を移動する間に蒸気を衣服に吹き付け、蒸気で蒸らした後、熱風を吹き付けて衣服を乾燥仕上げするよう形成されている。
【0003】
而して、この種の衣服立体乾燥機で衣服に熱風等を吹き付けると、吊るされた状態の衣服は前後に大きく波打つように揺れ動くことになる。従って、この種の乾燥機の場合は、衣服がトンネル状の通路の内壁面に強くあたりながら、移送されるものである。
【0004】
その結果、従来、この種の乾燥機でボタン付きの衣服を乾燥仕上げすると、ボタンがトンネル状の通路の内壁面にあたって損壊、損傷し易い、という問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6-75395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って、本発明の解決しようとする技術的課題は、衣服立体乾燥機で衣服を乾燥仕上げするとき、衣服が熱風等で揺動し、通路の内壁面に強くあたってボタンが損壊、損傷することを防止し、ボタンの交換に要する手間暇や費用の発生を一掃できるよう形成した衣服立体乾燥機及びこれに使用するボタン割れ防止用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち、本発明は、図1等に示されるように、洗濯物としての衣服2をハンガー3に吊し、トンネル状の通路1aを移送して熱風で乾燥仕上げする衣服立体乾燥機1であって、衣服2を熱風で乾燥仕上げする工程に対応する通路1aの箇所に、衣服2が熱風で通路1aの内壁面にあたってボタン2aが損壊するのを防止するためのボタン割れ防止用具4が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この場合、本発明は、通路1aの入口側と出口側にボタン割れ防止用具4の取り付け箇所5が設けられ、この取り付け箇所5にボタン割れ防止用具4を取り付けるための取り付け手段4aがボタン割れ防止用具4の両側に設けられているのが好ましい。
【0009】
なぜならこれによると、狭い通路1aに衣服2のボタン割れ防止用具4を張る操作を、通路1aの入口側と出口側から行うことができ、ボタン割れ防止用具4の着脱操作、交換操作を、簡便且つ迅速にできるからである。
【0010】
また本発明は、ボタン割れ防止用具4が柔軟質の面状材で形成され、通路1aの内壁面に沿って張られるのが好ましい。
【0011】
なぜならこの場合は、ボタン割れ防止用具4の構造や装着を簡単化、低コスト化できるからである。柔軟質の面状材としては、例えばフェルトやゴムシート等がある。
【0012】
また本発明の衣服立体乾燥機1に使用するボタン割れ防止用具4としては、ボタン割れ防止用具4の取り付け箇所5に取り付けるための取り付け手段4aが両側に設けられているものがある。
この場合、ボタン割れ防止用具4は、柔軟質の面状材で形成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、このように洗濯物としての衣服をハンガーに吊し、トンネル状の通路を移送して熱風で乾燥仕上げする衣服立体乾燥機であって、衣服を熱風で乾燥仕上げする工程に対応する通路の箇所に、衣服が熱風で通路の内壁面にあたってボタンが損壊するのを防止するためのボタン割れ防止用具が設けられているものである。
【0014】
従って、本発明は、ハンガーに吊るした状態で衣服を移送するとき、熱風等で衣服が揺動して通路の内壁面に強くあたっても、ボタン割れ防止用具で衝撃を緩和できる。
【0015】
その結果、本発明を使用すれば、ボタンの損壊、損傷を防止でき、ひいてはボタンを交換するための手間暇や費用、更には割れたボタンを片付ける手間暇を一掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】Aは本発明の衣服立体乾燥機の好適な一実施形態を示す斜視図、BはAのB―B線における要部断面図である。
図2図1BのII―II線における同上衣服立体乾燥機の要部断面図である。
図3図2のIII―III線における要部断面図である。
図4】本発明のボタン割れ防止用具を図1Bの状態で見たときの正面図である。
図5】取り付け手段の他の実施形態を示す要部正面図である。
図6図5に示す取り付け手段の使用状態時の要部斜視図である。
図7図5に示す取り付け手段の使用状態時の上から見た要部断面図である。
図8】取り付け手段の更に他の実施形態を示す要部正面図である。
図9】Aは図8に示す取り付け手段の使用状態時の上から見た要部断面図、BはAのB―B線における取り付け箇所の要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面に従って説明する。
本発明の衣服立体乾燥機1は、図1図2等に示されるように、洗濯物としての衣服2をハンガー3に吊し、トンネル状の通路1aを移送して熱風で乾燥仕上げする装置である。
【0018】
衣服立体乾燥機1は、具体的には衣服2が掛けられているハンガー3をチェーンコンベア1bに吊るした状態でトンネル状の通路1aに通し、通路1aを移送する間に蒸気室1cで衣服2に蒸気を吹き付けて蒸らし、その後、乾燥室1dで熱風を衣服2に吹き付けて乾燥仕上げする装置である。蒸気室1cは通路1aの入口側に設けられ、続いて乾燥室1dが衣服2の移送方向に沿って直列状に設けられている。
【0019】
本発明の衣服立体乾燥機1は、衣服2を熱風で乾燥仕上げする工程に対応する通路1aの箇所に、衣服2が熱風で通路1aの内壁面にあたってボタン2aが損壊するのを防止するためのボタン割れ防止用具4が設けられている。
【0020】
ここで、衣服2を熱風で乾燥仕上げする工程に対応する通路1aの箇所とは、具体的には乾燥室1dに対応する通路1aの部分を意味する。そして、この実施形態の場合は、図1B等に示されるように、通路1aの入口側と出口側にボタン割れ防止用具4の取り付け箇所5が設けられている。この取り付け箇所5は、この実施形態では通路1aの入口側の外壁1eの上下位置と、出口側の外壁1fの上下位置に、フック状に設けられている。
【0021】
ボタン割れ防止用具4は、この実施形態では柔軟質の面状材で形成されている。具体的には、長方形状のフェルトを布カバーで被覆してシート状に形成され、横長に張られている。
【0022】
またボタン割れ防止用具4は、上記の取り付け箇所5に、ボタン割れ防止用具4を取り付けるための取り付け手段4aが設けられている。この取り付け手段4aは、この実施形態では紐である。取り付け手段4aとしての紐は、ボタン割れ防止用具4の両側の上下位置に基端が縫い付けられ、先端は開放されている。
【0023】
ボタン割れ防止用具4は、取り付け手段4aとしての紐を、上記の取り付け箇所5に締結したり、輪掛けすることで通路1aの内壁面に幕状に張られている。この場合、通路1aの入口側の外壁1eの取り付け箇所5に締結する紐は、乾燥室1dが入口側から離れているため、出口側の外壁1fの取り付け箇所5に締結する紐より長く形成されている。
【0024】
またボタン割れ防止用具4は、この実施形態では通路1aの内壁面の両側に張られている。従って、これによると、前見頃のボタン2aと袖のボタン2aの向きに柔軟に対応して、ボタン2aの損壊や損傷を防止できる。またこれによると、作業者がチェーンコンベア1bに衣服2を吊るすとき、ボタン2aの向きに注意を払うことなく、衣服2を迅速且つ楽に懸吊できるものである。
【0025】
次に、この実施形態の本発明の作用を説明する。
本発明の衣服立体乾燥機1は、チェーンコンベア1bが始動すると、ハンガー3に吊るされている衣服2がトンネル状の通路1aに通される。
【0026】
そして衣服2は、先ず蒸気室1cにおいて蒸気で蒸らされる。次に衣服2は、乾燥室1dで熱風が上から吹き付けられ、循環する熱風で乾燥仕上げされる。
【0027】
而して、本発明の衣服立体乾燥機1は、衣服2を熱風で乾燥仕上げする工程における通路1aの箇所、換言すると、乾燥室1dの通路1aの箇所に、ボタン割れ防止用具4が、上記の衣服2に対向するよう張られている。
従って、本発明の場合は、衣服2が熱風や振動で波打つように揺れても、ボタン割れ防止用具4によって、ボタン2aは通路1aの内壁面に強くあたることがない。その結果、これによると、ボタン2aの損壊、損傷を防止できる。
【0028】
なお、本発明のボタン割れ防止用具4は着脱自在に形成されている。従って、これによると、汚れたときは取り付け手段4aとしての紐を解いて通路1aから取り外し、クリーニング済みのものや新品に交換できる。
【0029】
以上の処において、本発明の場合、上記のボタン割れ防止用具4は柔軟質の面状材で形成されているのであれば、上例のようなフェルトには限られず、またその厚みやデザイン等も任意である。
【0030】
ボタン割れ防止用具4が、例えばフェルトやゴムシートのような軟質性のものではなく、布地やネット、ビニールシートのような柔らかな材質のもので形成される場合は、通路1aの内壁面から少し離して張ることで本発明は実現される。従って、本発明の場合、ボタン割れ防止用具4は、通路1aの内壁面に直接張られる場合には限られない。本発明は、このように布地やネット等の面状材によっても、ボタン2aが通路1aの内壁面に強くあたるのを防止でき、ボタン2aの損壊、損傷を防止できるものである。
【0031】
また本発明の場合、取り付け手段4aは、紐などの線状部材には限られない。即ち、図5に示されるように、取り付け手段4aとしての帯片の一端に、雄型の面状ファスナー6と雌型の面状ファスナー7が設けられ、この一端が、図6図7に示されるように、側面視でコの字形の取り付け箇所5の開口部5aに通されて鉤着されるのでも良い。
【0032】
また取り付け手段4aは、図8に示されるように茄子環で実現されるのでも良い。この場合は、図9に示されるように、取り付け箇所5が、取り付け手段4aとしての茄子環に対応する金属製の環状金具で形成されることで、その開口部5aを介してワンタッチで着脱が可能になる。
【0033】
なお、取り付け手段4aが、図5図8に示されるように形成される場合は、ボタン割れ防止用具4を緊張して張ることができるよう、例えばゴム紐等の伸縮部材を介して取り付け手段4aを取り付け箇所5に固定できるよう形成されるのが好ましい。また取り付け手段4aがこれらの場合は、ボタン割れ防止用具4の洗濯時は、ボタン割れ防止用具4から取り外すことができるよう形成されているのが好ましい。
【符号の説明】
【0034】
1 衣服立体乾燥機
1a 通路
2 衣服
2a ボタン
3 ハンガー
4 ボタン割れ防止用具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9