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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007839
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】気泡除去方法及び気泡除去装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/50 20060101AFI20250109BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
C23C14/50 D
H01L21/68 N
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109493
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】300075751
【氏名又は名称】株式会社オプトラン
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】山本 留生
(72)【発明者】
【氏名】並木 恵一
【テーマコード(参考)】
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA09
4K029CA01
4K029CA05
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131BA53
5F131CA70
5F131EC32
5F131EC52
5F131EC62
(57)【要約】
【課題】貼着部材に特別な加工を施すことなく、被着体との間に生じる気泡を除去することが可能な気泡除去方法及び気泡除去装置の提供。
【解決手段】本発明に係る気泡除去方法は、ワークWと貼着部材13とを貼着させた際にこれらの間に生じる気泡を除去する気泡除去方法であって、線状部材配置工程と、押圧工程とを含んで構成されている。線状部材配置工程は、ワークWと貼着部材13との間に線状部材14を貼着部材13の一端から他端にかけて延伸するように配置する。押圧工程は、線状部材配置工程を行った後、ワークW及び貼着部材13の少なくとも何れか一方を他方に向けて押圧する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体と貼着部材とを貼着させた際にこれらの間に生じる気泡を除去する気泡除去方法であって、
前記被着体と前記貼着部材との間に線状部材を該貼着部材の一端から他端にかけて延伸するように配置する線状部材配置工程と、
前記線状部材配置工程を行った後、前記被着体及び前記貼着部材の少なくとも何れか一方を他方に向けて押圧する押圧工程と、
を含む、気泡除去方法。
【請求項2】
前記被着体は、ワークであり、
前記貼着部材は、前記ワークを貼着可能なワーク貼着部を有し、
前記線状部材配置工程は、前記ワークと前記ワーク貼着部との間に前記線状部材を配置する工程を含む、請求項1に記載の気泡除去工程。
【請求項3】
前記被着体は、弾性変形可能な弾性部材からなり、基台上に設けられた接着テープに貼着される基台取付部を有し、
前記貼着部材は、粘着シートからなり、前記被着体の外周を前記基台取付部の一端から他端にかけて回り込むように貼着され、前記接着テープに貼着される基台側貼着部と、該基台側貼着部とは反対側でワークを貼着可能なワーク側貼着部とを有し、
前記貼着部材と前記接着テープとの粘着力を第1粘着力とし、前記貼着部材と前記ワークとの粘着力を第2粘着力とし、前記貼着部材と前記弾性部材との粘着力を第3粘着力とした場合、
前記第1粘着力>前記第2粘着力>前記第3粘着力
前記弾性部材と前記接着テープとの接着力>前記第2粘着力>前記第3粘着力
の関係が成立し、
前記線状部材配置工程は、前記弾性部材と前記ワーク側貼着部との間に前記線状部材を配置する工程を含む、請求項1に記載の気泡除去工程。
【請求項4】
前記被着体は、弾性変形可能な弾性部材からなり、基台上に設けられ、
前記貼着部材は、粘着シートからなり、前記弾性部材の外周全体を被覆するように貼着され、前記基台上に設けられた接着テープに貼着される基台側貼着部と、該基台側貼着部とは反対側でワークを貼着可能なワーク側貼着部とを有し、
前記貼着部材と前記接着テープとの粘着力を第1粘着力とし、前記貼着部材と前記ワークとの粘着力を第2粘着力とし、前記貼着部材と前記弾性部材との粘着力を第3粘着力とした場合、
前記第1粘着力>前記第2粘着力>前記第3粘着力
の関係が成立し、
前記線状部材配置工程は、前記弾性部材と前記基台側貼着部及び前記ワーク側貼着部の少なくとも何れか一方との間に前記線状部材を配置する工程を含む、請求項1に記載の気泡除去工程。
【請求項5】
前記被着体及び前記貼着部材は、減圧可能な空間内に収容され、
前記気泡除去方法は、前記押圧工程を行った後、前記空間内を減圧する減圧工程を含む、請求項1~4の何れか1項に記載の気泡除去方法。
【請求項6】
前記線状部材配置工程は、前記貼着部材と前記被着体との間に複数の前記線状部材を互いに間隔を空けて並行に配置する工程を含む、請求項1~4の何れか1項に記載の気泡除去方法。
【請求項7】
前記線状部材は、外径が0.03~0.1mmの範囲内である、請求項1~4の何れか1項に記載の気泡除去方法。
【請求項8】
被着体と貼着部材とを貼着させた際にこれらの間に生じる気泡を除去する気泡除去装置であって、
前記貼着部材の前記被着体が貼着される貼着面上に、該貼着面の一端から他端にかけて延伸するように配される線状部材を備える、気泡除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡除去方法及び気泡除去装置に関し、特に、被着体と貼着部材とを貼着させた際にこれらの間に生じる気泡を除去する気泡除去方法及び気泡除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、粘着シート等の貼着部材として、貼着面が平滑な面に形成されたものが広く知られている。
しかしながら、このような貼着部材では、被着体に貼着した際、空気の逃げ道がないことから、これらの間に気泡が生じやすく、その結果、貼着部材の外観上の見栄えが悪くなるなどの問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解消するべく、例えば、特許文献1に記載の貼着部材(粘着加工シート)が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の貼着部材は、粘着層に独立した多数の小凸部が形成されたものである。
このような技術によれば、被着体に貼着部材を貼着した状態で、各小凸部間に空気の逃げ道が形成されるため、気泡の発生を抑制することができ、その結果、見栄えのよい貼着状態を実現等することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2587198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の貼着部材では、粘着層に小凸部を形成するための金型を準備等する必要があるため、製造コストが必然的に増加する等の問題があった。
【0007】
しかも、特許文献1に記載の貼着部材では、主に、小凸部が被着体に貼着される構成となっているため、被着体との貼着力(密着力)が自ずと弱くなってしまうといった問題もあった。
【0008】
ところで、ワーク(例えば、ガラス基板)の表面に成膜等の処理(以下、「表面処理」という)を行う場合、貼着部材にワークを保持させた状態で行うことがある。
この場合、仮に、特許文献1に記載の貼着部材を用いてワークを保持させると、貼着不良(密着不良)が原因で、ワークが貼着部材から離脱等するおそれがあり、斯かる場合、成膜等の品質が低下するなどの問題を招く。
【0009】
このような問題は、小凸部が形成されていない貼着部材、例えば、上記した従来の貼着部材を用いることが考えられる。
しかしながら、一般に、成膜等の表面処理は、大気圧以下に減圧した状態(真空状態)で行われるため、気泡が生じやすい貼着部材(例えば、上記した従来の貼着部材)を用いると、減圧した際に気泡が膨張してしまい、ワークと貼着部材との貼着力が低下するといった問題が生じる。
【0010】
なお、本願出願人は、先に出願した特願2022-109237号や特願2022-178166号(以下、「先行出願」という)において、貼着部材を用いてワークを保持するワーク保持機構及びワーク保持方法を開示している。
【0011】
ここで、先行出願に係る貼着部材を備えたワーク保持機構について図8を参照しつつ説明する。
図8に示すように、先行出願に係るワーク保持機構110´は、支持具11と、支持具11上に設けられた接着テープ12と、接着テープ12に対し支持具11と反対側から設けられた弾性部材115(弾性シート)と、弾性部材115の外周をその底部115bの一端から他端にかけて回り込むように貼着される貼着部材113(粘着シート)とを備え、貼着部材113は、支持具11上に設けられた接着テープ12に貼着される基台側貼着部113bと、基台側貼着部113bとは反対側でワーク(例えば、ガラス基板、図6の「ワークW」参照)を貼着可能なワーク側貼着部113aとを有したものとなっている。
【0012】
また、ワーク保持機構110´では、貼着部材113と接着テープ12との粘着力(以下、「第1粘着力」という)、貼着部材113とワークとの粘着力(以下、「第2粘着力」という)、貼着部材113と弾性部材115との粘着力(以下、「第3粘着力」という)が、それぞれ、
・第1粘着力>第2粘着力>第3粘着力
・弾性部材115と接着テープ12との粘着力>第2粘着力>第3粘着力
の関係が成立するように設定されている。
【0013】
このように構成されたワーク保持機構110´では、貼着保持されたワークを貼着部材113から取り外す方向に移動させると、ワーク側貼着部113aを弾性部材115の上部115aから徐々に剥離させていくことが可能である(図7(a)及び(b)参照)。
すなわち、先行出願に係るワーク保持機構110´によれば、ワークと貼着部材113との貼着面積(貼着力)を減少させていくことが可能なため、ワークの取り外しを容易に行うことができる。
【0014】
また、先行出願に係るワーク保持機構110´では、その後、ワークを貼着部材113に押圧することで、ワーク側貼着部113aを弾性部材115の上部115aに再度貼着させることができるように構成されている。
その結果、先行出願に係るワーク保持機構110´では、ワークを貼着部材113に押圧した際、これらを互いに面接触させた状態で貼着することが可能なため、ワークを貼着部材113から外れにくくすることができる。
【0015】
このように、先行出願に係るワーク保持機構110´によれば、成膜等の表面処理の際にはワークを外れにくくすることができる一方、表面処理後にはワークを容易に取り外すことが可能である。
【0016】
しかしながら、先行出願に係るワーク保持機構110´では、弾性部材115の上部115aにワーク側貼着部113aを貼着させた場合、上記した従来の貼着部材と同様に、これらの間に気泡が生じやすい。
斯かる場合、ワーク側貼着部113aと弾性部材115の上部115aとの貼着力が低下するため、場合によっては、これらが剥離等する可能性が少なからずともあり、これが原因で、保持されたワークが貼着部材113から剥がれるといった問題が生じかねない。
【0017】
また、先行出願に係るワーク保持機構110´では、貼着部材113と弾性部材115との間に気泡が生じた結果、ワーク側貼着部113aの表面側が凸凹な面になると、ワークと貼着部材113との貼着面積が減少するため、ワークを貼着保持する貼着部材113の貼着力が低下するといった問題を招く。
【0018】
さらに、先行出願に係るワーク保持機構110´では、ワークの取り外し・取り付けを繰り返し行うと、その都度生じる気泡が原因でワーク側貼着部113aに縦皺やたるみなどが形成されるおそれがある。
斯かる場合、ワークや弾性部材115に貼着するワーク側貼着部113a(貼着部材113)の貼着力が低下するため、ワークを安定的に保持することが困難になるといった問題が生じやすい。
【0019】
これらの点を踏まえると、先行出願に係るワーク保持機構110´は、ワークを安定的に保持する観点から、未だ改善の余地があるものといえる。
【0020】
本発明は、このような課題を解消するためになされたものであり、貼着部材に特別な加工を施すことなく、被着体との間に生じる気泡を除去することが可能な気泡除去方法及び気泡除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題は、被着体と貼着部材とを貼着させた際にこれらの間に生じる気泡を除去する気泡除去方法であって、前記被着体と前記貼着部材との間に線状部材を該貼着部材の一端から他端にかけて延伸するように配置する線状部材配置工程と、前記線状部材配置工程を行った後、前記被着体及び前記貼着部材の少なくとも何れか一方を他方に向けて押圧する押圧工程と、を含む、ことにより解決される。
【0022】
なお、前記気泡除去方法に係る発明においては、前記被着体は、ワークであり、前記貼着部材は、前記ワークを貼着可能なワーク貼着部を有し、前記線状部材配置工程は、前記ワークと前記ワーク貼着部との間に前記線状部材を配置する工程を含む、と好適である。
【0023】
また、前記気泡除去方法に係る発明においては、前記被着体は、弾性変形可能な弾性部材からなり、基台上に設けられた接着テープに貼着される基台取付部を有し、前記貼着部材は、粘着シートからなり、前記被着体の外周を前記基台取付部の一端から他端にかけて回り込むように貼着され、前記接着テープに貼着される基台側貼着部と、該基台側貼着部とは反対側でワークを貼着可能なワーク側貼着部とを有し、前記貼着部材と前記接着テープとの粘着力を第1粘着力とし、前記貼着部材と前記ワークとの粘着力を第2粘着力とし、前記貼着部材と前記弾性部材との粘着力を第3粘着力とした場合、前記第1粘着力>前記第2粘着力>前記第3粘着力、前記弾性部材と前記接着テープとの接着力>前記第2粘着力>前記第3粘着力の関係が成立し、前記線状部材配置工程は、前記弾性部材と前記ワーク側貼着部との間に前記線状部材を配置する工程を含む、と好適である。
【0024】
さらに、前記気泡除去方法に係る発明においては、前記被着体は、弾性変形可能な弾性部材からなり、基台上に設けられ、前記貼着部材は、粘着シートからなり、前記弾性部材の外周全体を被覆するように貼着され、前記基台上に設けられた接着テープに貼着される基台側貼着部と、該基台側貼着部とは反対側でワークを貼着可能なワーク側貼着部とを有し、前記貼着部材と前記接着テープとの粘着力を第1粘着力とし、前記貼着部材と前記ワークとの粘着力を第2粘着力とし、前記貼着部材と前記弾性部材との粘着力を第3粘着力とした場合、前記第1粘着力>前記第2粘着力>前記第3粘着力の関係が成立し、前記線状部材配置工程は、前記弾性部材と前記基台側貼着部及び前記ワーク側貼着部の少なくとも何れか一方との間に前記線状部材を配置する工程を含む、
と好適である。
【0025】
また、前記気泡除去方法に係る発明においては、前記被着体及び前記貼着部材は、減圧可能な空間内に収容され、前記気泡除去方法は、前記押圧工程を行った後、前記空間内を減圧する減圧工程を含む、と好適である。
【0026】
さらに、前記気泡除去方法に係る発明においては、前記線状部材配置工程は、前記貼着部材と前記被着体との間に複数の前記線状部材を互いに間隔を空けて並行に配置する工程を含む、と好適である。
【0027】
また、前記気泡除去方法に係る発明においては、前記線状部材は、外径が0.03~0.1mmの範囲内である、と好適である。
【0028】
上記課題は、被着体と貼着部材とを貼着させた際にこれらの間に生じる気泡を除去する気泡除去装置であって、前記貼着部材の前記被着体が貼着される貼着面上に、該貼着面の一端から他端にかけて延伸するように配される線状部材を備える、ことによっても解決される。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明に係る気泡除去方法及び気泡除去装置によれば、比較的簡易な構成でありながらも、貼着部材に特別な加工を施すことなく、被着体との間に生じた気泡を効率的かつ安定的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明に係る気泡除去装置の一実施形態であるワーク保持機構を示す側面概略図である。
図2図2は、本発明に係る気泡除去方法を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、ワークと貼着部材との間に存在する気泡の状態を示す平面概略図であり、(a)は大気圧下での状態を示す図、(b)は減圧初期段階の状態を示す図、(c)は減圧終期段階の状態を示す図である。
図4図4は、図1のワーク保持機構を複数設けた装置を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図5図5は、図4のワーク保持機構を用いて試験を行った結果を示すグラフである。
図6図6は、ワーク保持機構の変形例を示す側面概略図である。
図7図7は、図6のワーク保持機構の動作を説明するための概略側面図であり、(a)は貼着部材に貼着したワークを取り外す直前の状態を示す図、(b)(a)のワークを貼着部材から取り外している最中の状態を示す図である。
図8図8は、本件出願人が先に出願したワーク保持機構を示す側面概略図である。
図9図9は、図6及び図8の各ワーク保持機構を用いて試験を行った結果を示すグラフである。
図10図10は、図6のワーク保持機構の変形例を示す側面概略図である。
図11図11は、図10のワーク保持機構の動作を説明するための側面概略図であり、(a)及び(b)はワークを貼着部材から取り外している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の気泡除去方法及び気泡除去装置を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る気泡除去装置の一実施形態を示す側面概略図、図2は本発明に係る気泡除去方法を説明するためのフローチャート、図3はワークと貼着部材との間に生じた気泡の状態を示す平面概略図である。
【0032】
<成膜装置1の全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係る気泡除去装置としてのワーク保持機構10は、ワークW(例えば、ガラス基板)に成膜等の表面処理を行う成膜装置1の内部(内部空間S)に設けられている。
詳しくは後述するが、ワーク保持機構10は、ワークWを貼着して保持するとともに(ワーク保持機能)、当該ワークWを貼着した際に生じる気泡を除去するように構成されている(気泡除去機能)。
なお、上記ワーク保持機構10と、ワークWと、内部空間Sとが、特許請求の範囲に記載の「気泡除去装置」と、「被着体」と、「減圧可能な空間」とに該当する。
【0033】
以下、本実施形態に係るワーク保持機構10について説明する前に、成膜装置1の構成について説明する。
【0034】
成膜装置1は、成膜室を構成する真空チャンバ2と、減圧手段3とを含んで構成されている。
真空チャンバ2は、内部空間Sを有し、この内部空間Sには、ワーク保持機構10や、図示は省略するが、成膜等の表面処理を行う際に必要な各種装置、例えば、真空蒸着を行うための装置(図示省略)、スパッタリングを行うための装置、ワークWを昇降等させてワーク保持機構10に着脱するための装置等が設けられている。
減圧手段3は、真空チャンバ2の内部空間Sを大気圧以下の真空状態に減圧するための装置であり、例えば、公知の真空排気ポンプを用いて構成することが可能である。減圧手段3による減圧は、ワークWに表面処理を行う際に行われる。
【0035】
(ワーク保持機構10)
次に、ワーク保持機構10について説明する。
図1に示すように、ワーク保持機構10は、支持具11と、接着テープ12と、貼着部材13と、線状部材14とを含んで構成されている。
なお、上記貼着部材13と、線状部材14とが、それぞれ特許請求の範囲に記載の「貼着部材」と、「線状部材」とに該当する。
【0036】
支持具11は、上下面の各々が平坦状に形成された部材であり、下面側が真空チャンバ2の底部に固定的に取り付けられている。
接着テープ12は、両面に接着層が形成された所謂両面テープであり、支持具11の上面に貼着されている。このような接着テープ12としては、例えば、公知のポリイミドからなる両面粘着テープを用いることができる。
【0037】
貼着部材13は、両面に粘着層が形成されたシート状の部材からなり、一面が接着テープ12を介して支持具11に貼着固定される一方、他面がワークWを貼着(保持)可能に構成されている。このような貼着部材13としては、例えば、テープ厚が1mm程度のポリイミドやシリコンからなる両面粘着テープを用いることが可能である。
なお、本実施形態では、支持具11を介して貼着部材13を真空チャンバ2に取り付けたが、支持具11を省略して、貼着部材13を真空チャンバ2に直接取り付けることも可能である。
【0038】
線状部材14は、直線状に延伸させることが可能な部材からなり、貼着部材13の上面に貼着されている。
具体的に、本実施形態に係る線状部材14は、貼着部材13の幅方向中央の位置で、かつ、その長さ方向の一端から他端にかけて延伸するようにして配置される(図3参照)。このような線状部材14としては、例えば、汎用されている糸材や針金を用いることが可能である。
詳しくは後述するが、本実施形態では、線状部材14が配置された貼着部材13にワークWを押圧等することで、当該ワークWが貼着部材13に貼着(保持)されるとともに、この際にこれらの間に生じた気泡が線状部材14を伝って外部に排出されるように構成されている(図3の「気泡A1,A2」及び「空気A3」参照)。
なお、上記貼着部材13の上面が特許請求の範囲に記載の「貼着面」に該当する。
【0039】
<ワーク保持機構10の動作>
次に、このように構成されたワーク保持機構10による気泡除去方法について図1図3を参照しつつ説明する。以下においては、貼着部材13へのワークWの貼着は、大気圧下で行うことを前提として説明する。
【0040】
図2に示すように、本実施形態に係る気泡除去方法は、線状部材配置工程S100と、押圧工程S200と、減圧工程S300とを含んで構成されている。
なお、上記気泡除去方法と、線状部材配置工程S100と、押圧工程S200と、減圧工程S300とが、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「気泡除去方法」と、「線状部材配置工程」と、「押圧工程」と、「減圧工程」とに該当する。
【0041】
(線状部材配置工程S100)
本実施形態に係る気泡除去方法は、図2に示すように、線状部材配置工程S100を行うことから始まる。
【0042】
線状部材配置工程S100では、線状部材14を貼着部材13の上面に配置する作業を行う。
具体的に、線状部材配置工程S300では、図3に示すように、線状部材14を、貼着部材13の幅方向における略中央の位置で、かつ長手方向における一端から他端にかけて延伸するように貼着する作業を行う。
【0043】
なお、線状部材14の端部は、貼着部材13の長手方向における端部からはみ出るように配置するか、または当該端部に近接した位置に配置することが好ましい。これにより、押圧工程S200や減圧工程S300を行った際に、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡(図3の「気泡A1」)を、外部に効率よく排出することが可能になる。この点についての説明は後述する。
【0044】
図2に示すように、本実施形態に係る気泡除去方法では、線状部材押圧工程S100を行った後、押圧工程S200が行われるように構成されている。
【0045】
(押圧工程S200)
押圧工程S200では、ワークWを貼着部材13に貼着して押圧する作業を行う。なお、このような押圧は、ワークWを昇降等させる装置を用いて機械的に行ってもよく、人手により行うことも可能である。
【0046】
図3(a)に示すように、ワークWを貼着部材13に貼着すると、これらの間には気泡A1が生じやすい。
この状態で、ワークWを押圧すると、気泡A1は、当該ワークWと貼着部材13との間で押し潰されて拡張していくようになる。
上記したように、本実施形態では、貼着部材13に線状部材14が貼着配置されているため、拡張した気泡A1が線状部材14に接すると、当該気泡A2は、当該線状部材14を伝うように移動して外部に排出されるようになっている(「空気A3」参照)。
【0047】
このように、本実施形態では、押圧工程S200を行うことによって、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡(気泡A1,A2)を除去することが可能になっている。その結果、本実施形態では、ワークWと貼着部材13との貼着性(密着性)を向上させることができるので、ワークWを貼着保持する貼着部材13の貼着力を増加させることが可能である。
【0048】
なお、貼着部材13に押圧されるワークWの押圧力は、貼着部材13と接触する接触面積や、気泡A1の発生量等に応じて適宜調整することが可能である。
例えば、ワークWと貼着部材13との接触面積が大きい場合や、気泡A1の発生量が多い場合には、比較的強めの押圧力でワークWを押圧すればよい。これにより、気泡A1を線状部材14に接触させやすくすることができるので、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡(気泡A1,A2)を効率的に除去することが可能である。
これとは逆に、ワークWと貼着部材13との接触面積が小さい場合等には、自重を利用してワークWを押圧するか、又は比較的軽めの押圧力でワークWを押圧すればよい。
【0049】
図2に示すように、本実施形態に係る気泡除去方法では、押圧工程S200を行った後、減圧工程S300を行うように構成されている。
【0050】
(減圧工程S300)
減圧工程S300では、真空チャンバ2の内部空間Sを減圧する作業を行う(図1参照)。
具体的に、本実施形態に係る減圧工程S300では、減圧手段3を作動(駆動)させる作業を行う。
【0051】
図3(b)及び(c)は、減圧工程S300を行った後の気泡の状態を示す平面概略図であり、(b)は減圧初期段階の状態(低真空状態)を示す図、(c)は減圧終期段階の状態(高真空状態)を示す図である。
【0052】
図3(b)に示すように、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡A1、すなわち、上記した押圧工程S200を行ってもなお、これらの間に残存する気泡A1は、内部空間S(図1参照)が減圧されるのに従って、徐々に膨張していくようになる。
【0053】
その後、気泡A1は、内部空間Sが減圧されていくのに従ってさらに膨張すると、図3(c)に示すように、線状部材14に接するようになる(「気泡A2」参照)。これにより、線状部材14に接した気泡A2は、当該線状部材14を伝って外部に排出されるため(「空気A3」参照)、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡A1が、徐々に除去されていくこととなる。その結果、ワークWと貼着部材13との貼着面積が増加するため、当該ワークWを貼着保持する貼着部材13の貼着力をさらに向上させることが可能になる。
【0054】
図2に示すように、本実施形態に係る気泡除去方法では、減圧工程S300を行った後、
(1)ワークWに対する表面処理、
(2)貼着部材13からのワークWの取り外し、
(3)新たなワークW(表面処理を行っていないワークW)の準備、
等の作業を順に行い、その後、再度、押圧工程S200を行うように構成されている。
【0055】
なお、本実施形態では、減圧工程S300を行った後、線状部材配置工程S100を行うことなく(貼着部材13上に配置された線状部材14を取り換えることなく)、押圧工程S200を繰り返し実行するように構成したが(減圧工程S300→押圧工程S200→減圧工程→・・・)、ワークWに表面処理等を行う度に、貼着部材13から線状部材14を取り外し、その後、線状部材配置工程S100を行うように構成することも可能である(減圧工程S300→線状部材押圧工程S100→押圧工程S200→減圧工程S300→・・・)。
【0056】
<試験1>
ところで、線状部材14は、その直径が細すぎると、気泡を外部に効率的に排出しにくくなる一方、その反面、当該直径が太すぎると、貼着部材13へのワークWの貼着が阻害されるなどの問題が生じることが考えられる。このため、本願出願人は、このような問題を検証するべく、線状部材14の直径に関する試験(以下、「試験1」という)を行った。以下、「試験1」について図1図3を参照しつつ説明する。
【0057】
「試験1」では、以下の条件のワークW及びワーク保持機構10(図1参照)を用いて、直径の異なる複数の線状部材14毎に、線状部材配置工程S100、押圧工程S200及び減圧工程S300(図2参照)を順に行った。
・ワークW:ガラス基板(幅:100mm、長さ:100mm)
・接着テープ12:ポリイミドテープ(PIテープ)
・貼着部材13:粘着シート(幅:10mm、長さ:50mm、テープ厚:1.0mm)
・線状部材14:糸
・線状部材14の直径:0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.06mm、0.1mmの計5種類
なお、以下においては、説明の便宜上、線状部材14の直径が、0.01mmの試験を「試験1a」、0.02mmの試験を「試験1b」、0.03mmの試験を「試験1c」、0.06mmの試験を「試験1d」、0.1mmの試験を「試験1e」ということとする。
【0058】
また、「試験1」では、直径の異なる複数の線状部材14毎に、
・押圧工程S200実施前後における気泡量の変化(図3(a)参照)、
・減圧工程S300実施前後における気泡量の変化(図3(c)参照)、
を目視で確認(目視検査)することにより行った。
【0059】
「試験1a」~「試験1e」を行った結果、各試験において、以下のような気泡量の変化を確認することができた。
(1)「試験1a」及び「試験1b」の試験結果
・押圧工程S200の実施前後における気泡量の変化:減少
・減圧工程S300の実施前後における気泡量の変化:変化なし
(2)「試験1c」及び「試験1d」の試験結果
・押圧工程S200の実施前後における気泡量の変化:減少
・減圧工程S300の実施前後における気泡量の変化:減少
(3)「試験1e」の試験結果
・押圧工程S200の実施前後における気泡量の変化:減少
・減圧工程S300の実施前後における気泡量の変化:減少(減圧工程S300の実施後において気泡消失)
【0060】
このような試験結果から、線状部材14の直径が、0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.06mm、0.1mmの何れの場合でも、大気圧下で貼着部材13にワークWを押圧すると、これらの間に存在する気泡量が減少することを確認することができた。
【0061】
一方、真空チャンバ2(図1参照)の内部空間Sを減圧したときの気泡量の変化については、線状部材14の直径を、0.03mm以上としたときに初めて減少し、0.1mmのときにワークWと貼着部材13が全面に亘って貼着(全面貼着)することが分かった。
【0062】
以上の試験結果から、ワークWに表面処理を行う場合、すなわち、大気圧状態から真空状態に変更する環境下の場合、線状部材14の直径は、好ましくは0.03mm~0.1mm、より好ましくは0.1mmであることが判明した。
【0063】
<試験2>
また、本願出願人は、上記した「試験1」に加え、ワークWを貼着保持する貼着部材13の貼着力(密着力)を検証するための試験(以下、「試験2」という)も行った。
以下、「試験2」について図4及び図5を参照しつつ説明する。
【0064】
「試験2」は、大気圧下で貼着部材13にワークWを押圧した状態(「押圧工程S200」実施後、「減圧工程S300」実施前の状態)で、貼着部材13の貼着力を測定することにより行った。貼着力の測定は、ワークWに引張応力を付与して測定する公知の手法(引張試験方法)を用いて行っている。なお、「試験2」で用いたワークWは、幅:500mm、長さ:250mmのガラス基板である。
【0065】
図4は、「試験2」で用いた装置を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
「試験2」では、図4に示す装置を使用した。
図4に示すように、「試験2」で使用した装置は、上記したワーク保持機構10(図1参照)を、一定の間隔を空けて複数(本試験では「5台」)並設したものである。
また、「試験2」では、図4に示す装置(以下、「線状部材有ワーク保持装置」という)のほか、当該装置から線状部材14を取り外したもの(図示省略、以下、「線状部材無ワーク保持装置」という)を用いた試験も行った。なお、「線状部材無ワーク保持装置」を用いた試験は、「線状部材有ワーク保持装置」と同一の試験条件(例えば、貼着力の測定方法)で行っている。
【0066】
図5は、「試験2」の試験結果を示すグラフである。
図5に示すグラフから、「線状部材有ワーク保持装置」の場合、貼着部材13にワークWを貼着(押圧)してから「約14分」経過するまでの間、その貼着力が、「50N」から「40N」に緩やかに減少するように推移し、その後、剥離を示す「0N」に向けて急落していることが読み取れる。
これに対し、「線状部材無ワーク保持装置」では、貼着部材13にワークWを押圧してから「約7分」経過するまでの間、その貼着力が、「50N」から「40N」に緩やかに減少するように推移し、その後、剥離を示す「0N」に急落していることが分かる。
【0067】
すなわち、「試験2」では、貼着部材13に線状部材14を配置した場合、当該貼着部材13にこれが配置されていない場合と比較して、ワークWを「約2倍」の時間に亘って保持できることが判明した。
この点、貼着部材13上に線状部材14を配置することで、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡が効率的に除去され、これにより、貼着部材13の貼着力が増加されることを実証できたといえる。
【0068】
以上のように、本実施形態では、貼着部材13上に線状部材14を配置した後(図2の「線状部材配置工程S100」)、貼着部材13へのワークWの押圧(図2の「押圧工程S200」)、及びこれらが収納された内部空間Sの減圧(図2の「減圧工程S300」)を行うことで、ワークWと貼着部材13との間に存在する気泡が、線状部材14を伝って外部に排出されるように構成されている。
【0069】
すなわち、本実施形態では、ワークWと貼着部材13との間に生じた気泡(図3の「気泡A1」等参照)を効率的かつ安定的に除去することが可能なため、これらの貼着面積を増加させることができる。
その結果、本実施形態では、ワークWと貼着部材13との貼着力を増大させることができるので、ワークWを安定的に保持することが可能である。
【0070】
また、本実施形態では、上記した従来技術(実用新案登録第2587198号公報)のように、貼着部材に加工等を施すことなく、線状部材14としての糸材等(汎用品)を貼着部材13上に配置(貼着)するだけで、気泡を除去するための構成(気泡除去装置)を得ることができるので、その作製が極めて容易である。
【0071】
<第2実施形態>
なお、上記実施形態では、貼着部材に貼着される被着体が、ワークW(例えば、ガラス基板)である場合を例にとって説明したが、本発明は、これに限られず、他の部材であっても構わない。
以下、被着体がワークW以外の部材である場合の一実施形態(変形例)を、図6図9を参照しつつ説明する。なお、以下において、上記実施形態と同様な構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、説明の便宜上、上記実施形態を「第1実施形態」、以下に示す変形例を「第2実施形態」ということとする。
【0072】
図6及び図7に示すように、第2実施形態では、貼着部材113に貼着される被着体が、当該貼着部材113とともに、ワークWを保持するワーク保持機構110に設けられる構成となっている。以下、このような被着体及び貼着部材を含むワーク保持機構110について図6図9を参照しつつ説明する。
【0073】
(ワーク保持機構110)
図6に示すように、ワーク保持機構110は、第1実施形態に係るワーク保持機構10と同様に、ワークW(例えば、ガラス基板)を保持するための装置であり、当該ワークWの表面処理を行う成膜装置1内(内部空間S)に設けられている(図1参照)。
なお、上記ワーク保持機構110と、ワークWとが、それぞれ、特許請求の範囲(請求項3)に記載の「気泡除去装置」と、「ワーク」とに該当する。
【0074】
ワーク保持機構110は、先行出願に係るワーク保持機構110´(図8参照)と同様に、支持具11と、接着テープ12と、貼着部材113と、弾性部材115とを備えるほか、第1実施形態と同様な構成からなる線状部材14を含んで構成されている。
なお、上記支持具11と、接着テープ12と、貼着部材113と、弾性部材115と、線状部材14とが、それぞれ、特許請求の範囲(請求項3)に記載の「基台」と、「接着テープ」と、「貼着部材」と、「弾性部材」と、「線状部材」とに該当する。
【0075】
ここで、貼着部材113及び弾性部材115について改めて説明する。
弾性部材115は、弾性変形可能な公知の弾性シートからなり、その底部115bが接着テープ12を介して支持具11に貼着固定されている。
貼着部材113は、粘着性を有するシート状の部材(例えば、両面粘着テープ)からなり、弾性部材115の外周を底部115bの幅方向における一端から他端にかけて回り込むように貼着されている。
このように構成された貼着部材113は、接着テープ12を介して支持具11に貼着固定される基台側貼着部113bと、基台側貼着部113bとは反対側でワークWを貼着可能なワーク側貼着部113aと有したものとなっている。
なお、上記基台側貼着部113bと、ワーク側貼着部113aと、底部115bが、それぞれ特許請求の範囲(請求項3)に記載の「基台側貼着部」と、「ワーク側貼着部」と、「基台取付部」とに該当する。
【0076】
また、第2実施形態に係るワーク保持機構110では、弾性部材115と接着テープ12との接着力(以下、「接着力A0」という)、貼着部材113と接着テープ12との粘着力(以下、「第1粘着力A1」という)、貼着部材113とワークWとの粘着力(以下、「第2粘着力B1」という)、貼着部材113と弾性部材115との粘着力(以下、「第3粘着力C1」という)が、それぞれ、
・第1粘着力A1>第2粘着力B1>第3粘着力C1
・接着力A0>第2粘着力B1>第3粘着力C1
の関係が成立するように設定されている(図7(a)参照)。
なお、上記接着力A0と、第1粘着力A1と、第2粘着力B1と、第3粘着力C1とが、それぞれ、特許請求の範囲(請求項3)に記載の「接着力」と、「第1粘着力」と、「第2粘着力」と、「第3粘着力」とに該当する。
【0077】
さらに、第2実施形態に係るワーク保持機構110では、第2貼着力B1及び第3粘着力C1が、貼着部材113に貼着されたワークWを取り外す力(図7(b)参照、以下、「剥離力E」という)との関係において、
・第2粘着力B1>剥離力E>第3粘着力C1
となるように設定されている。
【0078】
第2実施形態に係る線状部材14は、貼着部材113のワーク側貼着部113aと弾性部材115の上部115aとの間に配置されている。
具体的に、線状部材14は、ワーク側貼着部113aの裏面側に貼着され、貼着部材113を弾性部材115に貼着した状態で、弾性部材115の幅方向中央の位置で、かつ、その長さ方向の一端から他端にかけて延伸するように配置される(図3参照)。
なお、上記線状部材14を貼着部材113と弾性部材115との間に配置する作業が、特許請求の範囲(請求項3)に記載の「線状部材配置工程」に該当する。
【0079】
また、第2実施形態に係る線状部材14は、貼着部材113を弾性部材115に貼着した状態で、弾性部材115の上部115aに埋設配置されるようになっている。これにより、ワーク側貼着部113aの表面側を略平坦な面とすることができるので、ワークWを貼着部材113に貼着する貼着する際、これらを良好に面接触させることが可能になっている。
【0080】
このように構成されたワーク保持機構110では、貼着部材113にワークWを押圧する押圧工程S200(図2参照)を行うと、図7(a)に示すように、ワークWが貼着部材113に貼着されるようになっている。
【0081】
第2実施形態では、その後、第1実施形態と同様に、減圧工程S300(図2参照)やワークWに表面処理を行う工程等を行った後、ワークWを剥離力Eで取り外す作業が行われるように構成されている。
【0082】
ワークWを取り外す方向(紙面の上側の方向、以下、「取外方向」という)に移動させると、接着力A0及び第1粘着力A1~第3粘着力A3が、
・第1粘着力A1>第2粘着力B1>剥離力E>第3粘着力C1
・接着力A0>第2粘着力B1>剥離力E>第3粘着力C1
の関係が成立するように設定されているため、貼着部材113及び弾性部材115は、図7(b)のような挙動を示すようになる。
【0083】
すなわち、第2実施形態では、ワークWを剥離力Eで取外方向に移動させると、貼着部材113のワーク側貼着部113aが、弾性部材115の上部115aから積極的に剥がれ、これらの間に隙間G1が形成されるようになっている。
【0084】
その後、ワークWを取外方向にさらに移動させると、貼着部材113は、ワーク側貼着部113aのうちのワークWとの貼着部分が引っ張られることで、当該貼着部分を中心として、ワークWの取外方向に移動することとなる。その結果、貼着部材113は、ワークWとの貼着部分を最上部とする弧を描く形状となり、ワークWから徐々に剥離するようになっている。
【0085】
すなわち、第2実施形態では、ワークWを貼着部材113から取り外す場合、第1実施形態に係るワーク保持機構10(図1参照)であれば、貼着部材13とワークWとの粘着力(第2粘着力B1に対応する粘着力)以上の力が必要になるところ、ワーク保持機構110では、第2粘着力B1よりも小さい力(剥離力E)でこれを行うことが可能になっている。
【0086】
第2実施形態では、このようなワークWの取外作業を行った後、第1実施形態と同様に、新たなワークWを貼着部材113に取り付ける作業を繰り返し行うように構成されている(図2の「減圧工程S300」→「押圧工程S200」→「減圧工程S300」→・・・参照)。
【0087】
このように、第2実施形態では、貼着部材113へのワークWの取り外し・取り付けが繰り返し行われるのに対応して、弾性部材115に対する貼着部材113の着脱も同様に行われる構成となっている。
【0088】
この点、ワーク保持機構110では、ワークWをより安定的に保持するため、ワークW及び貼着部材113が第2粘着力B1で適切に貼着されることに加え、貼着部材113及び弾性部材115も第3粘着力C1で適切に貼着されること、すなわち、当該貼着部材113と弾性部材115との間に気泡が生じることなく、これらが強い貼着力(密着力)で貼着されていることが好ましい。
【0089】
仮に、貼着部材113と弾性部材115とが、このような密着力で貼着されていないと、ワークWが貼着部材113に貼着されている状態であっても、貼着部材113と弾性部材115との貼着が解除等されるおそれがあり、斯かる場合、ワークWが貼着部材113から離脱するといった問題が生じる。
【0090】
また、貼着部材113と弾性部材115との間に気泡が生じている状態で、これらの貼着が繰り返し行われると、当該貼着部材113に折皺等が形成される可能性があり、斯かる場合、貼着部材113と弾性部材115との第3粘着力C1が低下するばかりか、ワークWと貼着部材113との第2粘着力B1も低下するといった問題を招く。
【0091】
そこで、ワーク保持機構110では、貼着部材113と弾性部材115の上部115aとの間に、第1実施形態と同様な線状部材14を配置するようにしている。これにより、第1実施形態で説明したように、貼着部材113と弾性部材115との間に生じる気泡を除去することができるので、その結果、上記したような問題を解消することが可能である。
【0092】
<試験3>
本願出願人は、貼着部材113と弾性部材115との貼着性(密着性)を検証するべく、線状部材14が配置されたワーク保持機構110(図6参照)と、比較対象としての線状部材14が未配置のワーク保持機構110´(図8参照)を用いて試験(以下、「試験3」という)を行った。なお、以下において、説明の便宜上、図6に示すワーク保持機構110を「線状部材有ワーク保持機構」、図8に示すワーク保持機構110´を「線状部材無ワーク保持機構」ということとする。
【0093】
「試験3」では、「線状部材有ワーク保持機構」及び「線状部材無ワーク保持機構」を用いて、以下に示す条件1~条件3の貼着部材113及び弾性部材115毎に試験を起こった。
(1)条件1
・貼着部材113:ポリイミド基材シリコン両面粘着テープ(「カプトン両面テープ NO.760H(寺岡製作所製)」)
・弾性部材115:シリコン系の弾性シート
(2)条件2
・貼着部材113:ポリイミド基材シリコン両面粘着テープ(「カプトン両面テープ NO.760H(寺岡製作所製)」)
・弾性部材115:非シリコン系の弾性シート
(3)条件3
・貼着部材113:ポリイミド基材シリコン両面粘着テープ(「ポリイミド基材シリコン両面粘着テープ 4390(3M製)」)
・弾性部材115:非シリコン系の弾性シート
なお、「試験3」では、ワークWとして、上記した「試験1」及び「試験2」と同様に、「ガラス基板」を使用した。
【0094】
また、「試験3」では、「真空状態」下で、貼着部材113に貼着した「ガラス基板」に「引張荷重:40N」を加え、当該貼着部材113が「ガラス基板」を保持している時間(以下、「保持時間」という)を計測することにより行った。なお、「試験3」では「保持時間」の計測を最長「60分」とした。
【0095】
図9は、「試験3」の試験結果を示すグラフである。
図9に示すグラフから、「線状部材有ワーク保持機構」では、条件1~条件3の何れの条件においても、「ガラス基板」を「試験3」の最長計測時間である「60分」もの間、貼着保持していることが読み取れる。
これに対し、「線状部材無ワーク保持機構」では、条件1~条件3の何れの条件においても、「ガラス基板」を約「20分」程度しか貼着保持していないことが分かる。
【0096】
「ガラス基板」を保持する保持時間が「線状部材有ワーク保持機構」よりも「線状部材無ワーク保持機構」の方が短い理由としては、後者が、貼着部材113と弾性部材115との間に気泡が多く存在している状態で「ガラス基板」を保持していたこと、すなわち、当該気泡によって、貼着部材113と弾性部材115との貼着が徐々に解除されていったことが原因と考えられる。
【0097】
この点、「試験3」を行うことによって、貼着部材113と弾性部材115との間に線状部材14を配置した場合、これらの間に生じる気泡を有効に除去できることを実証できたといえる。
【0098】
このように、第2実施形態に係るワーク保持機構110によれば、ワークWを、成膜等の表面処理の際にはより安定的に保持することができ、当該表面処理後には比較的小さな力で取り外すことが可能である。
【0099】
<変形例>
上記第2実施形態では、接着テープ12に、弾性部材115の底部115bを、貼着部材113の基板側貼着部113b,113bとともに接着するように構成したが、図10に示すワーク保持機構210のように接着しないように構成することもできる。以下、変形例に係るワーク保持機構210について図10及び図11を参照しつつ説明する。なお、ワーク保持機構210は、上記第2実施形態に係るワーク保持機構110と、弾性部材115に対する貼着部材の貼着態様が異なるのみで、その他の構成と同様であるため、必要な場合を除き、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0100】
(ワーク保持機構210)
図10に示すように、変形例に係るワーク保持機構210は、上記した支持具11と、接着テープ12と、線状部材14と、弾性部材115とを備えるほか、上記した貼着部材113(図6参照)とは構成が異なる貼着部材213を含んで構成されている。
なお、上記ワーク保持機構210と、支持具11と、接着テープ12と、貼着部材213と、線状部材14と、弾性部材115とが、それぞれ、特許請求の範囲(請求項4)に記載の「気泡除去装置」と、「基台」と、「接着テープ」と、「貼着部材」と、「線状部材」と、「弾性部材」とに該当する。
【0101】
貼着部材213は、弾性部材115の幅方向における外周全体を被覆するように貼着され、ワークWを貼着可能なワーク側貼着部213aと、支持具11上に取り付けられた接着テープ12に接着される基台側貼着部213bとを有している。
すなわち、本変形例に係る貼着部材213では、弾性部材115に貼着した状態で、基台側貼着部213bとワーク側貼着部213aとが相対向(全対向)して配置されるようになっている。なお、このような貼着部材213としては、例えば、両面貼着シート等の粘着シートを用いることができる。
なお、上記ワーク側貼着部213aと、基台側貼着部213bとが、それぞれ、特許請求の範囲(請求項4)に記載の「ワーク側貼着部」と、「基台側貼着部」とに該当する。
【0102】
このように構成された変形例では、図6に示す第2実施形態とは異なり、弾性部材115に貼着された貼着部材213の基台側貼着部213bを接着テープ12に接着することで、弾性部材115が支持具11に取り付けられるようになっている。
【0103】
変形例に係る線状部材14は、第2実施形態に係る線状部材14(図6参照)と同様に、貼着部材213のワーク側貼着部213aと弾性部材115の上部115aとの間に配置されている。
具体的に、変形例に係る線状部材14は、ワーク側貼着部213aの裏面側に貼着され、貼着部材213を弾性部材115に貼着した状態で、弾性部材115の幅方向中央の位置で、かつ、その長さ方向の一端から他端にかけて延在するように配置される(図3参照)。
【0104】
なお、変形例に係る線状部材14は、第2実施形態に係る線状部材14(図6参照)と同様に、貼着部材213を弾性部材115に貼着した状態で、弾性部材115の上部115aに埋設配置され、これにより、ワーク側貼着部213aの表面側を略平坦な面とすることが可能になっている。
【0105】
また、本変形例に係るワーク保持機構210では、第2実施形態に係るワーク保持機構110(図6参照)と同様に、貼着部材213と接着テープ12との第1粘着力A2、貼着部材213とワークWとの第2粘着力B2、貼着部材213と弾性部材115との第3粘着力C2が、それぞれ、
・第1粘着力A2>第2粘着力B2>第3粘着力C2
の関係が成立するように設定されている。
なお、上記第1粘着力A2と、第2粘着力B2と、第3粘着力C2とが、それぞれ、特許請求の範囲(請求項4)に記載の「第1粘着力」と、「第2粘着力」と、「第3粘着力」とに該当する。
【0106】
すなわち、ワーク保持機構210では、貼着されたワークWを貼着部材213から剥離力Eで取り外そうとすると、第3粘着力C2が、第2粘着力B2及び第3粘着力C2よりも小さく設定されているため、貼着部材213のワーク側貼着部213aと弾性部材115の上部115aとの貼着が徐々に解除されていくようになる。
【0107】
その結果、ワーク保持機構210では、貼着部材213のワーク側貼着部213aと弾性部材115の上部115aとの間から剥離させることが可能である(図11(a)の「隙間G2」参照)。これにより、変形例に係るワーク保持機構210においても、第2実施形態に係るワーク保持機構110(図7(b)参照)と同様に、第2粘着力B2よりも小さい力(剥離力E)で、ワークWを取り外すことができる。
【0108】
また、ワーク保持機構210では、貼着部材213のワーク側貼着部213aと弾性部材115の上部115aとの間に、第2実施形態に係るワーク保持機構110(図7(b)参照)と同様な線状部材14が配置されている。
すなわち、変形例に係るワーク保持機構210では、押圧工程S200や減圧工程S300を行った際に、貼着部材213と弾性部材115との間に存在する気泡を良好に外部に排出させることが可能なため(図3参照)、ワークWをより安定的に保持することができる。
【0109】
このように、変形例に係るワーク保持機構210によれば、第2実施形態に係るワーク保持機構110(図6参照)と同様に、ワークWを、成膜等の表面処理の際にはより安定的に保持することができ、当該表面処理後には比較的小さな力で取り外すことが可能である。
【0110】
ところで、本変形例では、第2貼着部材213が、上記した第2実施形態(図6参照)とは異なり、弾性部材115(例えば、弾性シート)の外周全体を被覆するように貼着されている。このため、ワークWを貼着部材213から取り外す場合、取外方向や剥離力Eの大きさ等によっては、図11(b)のような態様で、貼着部材213の基台側貼着部213bと弾性部材115の下部115bとの間から剥離していく場合も有り得る。
【0111】
斯かる場合、貼着部材213は、ワーク側貼着部213aのうちのワークWとの貼着部分が引っ張られることで、当該部分を最上部とする弧を描く形状となり、弾性部材115も、貼着部材213に引っ張られて、底部115bと貼着部材213の基台側貼着部213bとの間にドーム状の隙間G3を形成しながら湾曲するようになる。
すなわち、貼着部材213と弾性部材115とが、図11(b)に示す態様で剥離する場合でも、ワークWの取外方向への移動に伴って、貼着部材213をワークWから徐々に剥離させることが可能である。
【0112】
このように、変形例に係るワーク保持機構210では、図11(b)に示す態様で剥離する場合も有り得るが、この場合でも、図11(a)に示す態様で剥離する場合と同様に、第2粘着力B2よりも小さい力(剥離力E)で、ワークWを取り外すことが可能である。
【0113】
しかしながら、このような剥離態様でワークWを取り外した後、貼着部材213の基台側貼着部213bと弾性部材115の下部115bとが貼着すると、上記したように、その間に気泡が生じやすい。斯かる場合、貼着部材213と弾性部材115との貼着性(密着性)が低下するという問題、すなわち、ワークWを保持する貼着部材213の貼着力(保持力)が低下するといった問題が生じる。
【0114】
そこで、本変形例では、このような剥離態様で貼着部材213と弾性部材115とが剥離する場合、貼着部材213の基台側貼着部213bと弾性部材115の下部115bとの間に線状部材14を配置するようにしている。なお、このような配置は、線状部材14を、例えば、基台側貼着部213bの裏面側に貼着することにより実現することが可能である(図11(b)参照)。これにより、貼着部材213の基台側貼着部213bと弾性部材115の下部115bとの間に生じる気泡を除去することができるので、その結果、ワークWを保持する貼着部材213の貼着力(保持力)を向上させることが可能である。
【0115】
なお、本変形例では、線状部材14を、図11(a)及び(b)の何れか一方の位置に配置する場合を例示したが、両方の位置にそれぞれ配置することも可能である。
【0116】
また、上記第2実施形態及びこの変形例では、線状部材14を、貼着部材113(貼着部材213)側に取り付けた場合を示したが、弾性部材115側に取り付けてもよい。
【0117】
さらに、上記各実施形態では、線状部材14を、貼着部材と弾性部材との間に一本配置する場合を例示したが、複数本配置することも可能である。この場合、複数の線状部材は、互いに間隔を空けて並行に配置すればよい。
このように構成すれば、貼着部材と弾性部材との間に生じた気泡をより効率的かつ安定的に除去することを期待できる。
【0118】
なお、上記各実施形態では、ワークW(被着体)を貼着部材に向けて押圧するように構成したが、その逆であってもよく、ワークW及び貼着部材が互いに押圧し合うように構成することも可能である。
【0119】
また、上記各実施形態では、気泡を除去する気泡除去方法として、ワーク保持機構を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、シート状の貼着部材(例えば、シールやステッカー)を、所定の平滑面(被着体、例えば、自動販売機の外面)に貼着(貼付)する場合でも、本発明に係る気泡除去方法を適用することができる。この場合、例えば、直線状に延伸させた線状部材を貼着部材の貼着面からはみ出るように貼着した後、これを上記した所定の平滑面に貼り付ければよい。この場合、線状部材は、貼着部材を平滑面に貼着した後、除去する(引き抜く)ことも可能である。
【0120】
さらに、上記各実施形態では、線状部材配置工程及び押圧工程を行った後、減圧工程を行うように構成したが(図2等参照)、被着体と貼着部材とを貼着する目的や用途等に応じて、減圧工程を省略することも可能である。
【0121】
また、上記各実施形態では、気泡除去装置の一例として、ワーク保持機構を示したが、貼着部材を被着体に貼着する装置であれば、如何なる装置(例えば、シール材を製品等に貼り付ける装置)にも本発明を適用することが可能である。
【0122】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されるものではない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることはもちろんであることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0123】
1 成膜装置
2 真空チャンバ
3 減圧手段
10,110,210 ワーク保持機構(気泡除去装置)
110´ ワーク保持機構
11 支持具(基台)
12 接着テープ
13,113,213 貼着部材
113a,213a ワーク側貼着部
113b,213b 基台側貼着部
14 線状部材
115 弾性部材
115a 上部
115b 底部(基台取付部)
W ワーク
S 内部空間
A1,A2 気泡
A3 空気
G1~G3 隙間
A0 接着力
A1,A2 第1粘着力
B1,B2 第2粘着力
C1,C2 第3粘着力
E 剥離力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11