(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007878
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電動作業車
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20250109BHJP
B62D 25/10 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D25/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109579
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大野 航平
(72)【発明者】
【氏名】小田切 誠
【テーマコード(参考)】
3D004
3D235
【Fターム(参考)】
3D004AA13
3D004BA05
3D004CA05
3D004CA13
3D004DA12
3D004DA14
3D235AA14
3D235AA17
3D235AA21
3D235BB24
3D235BB41
3D235CC05
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC14
3D235DD02
3D235DD12
3D235DD17
3D235FF02
3D235HH08
(57)【要約】
【課題】電動作業車において、外部電源の充電器を接続部に接続することが容易に行えるように構成する。
【解決手段】機体の前部に設けられたボンネット4と、ボンネット4の後方に設けられた運転部5とが備えられている。バッテリへ充電を行う充電器が接続される接続部39が備えられ、接続部39がボンネット4の前部に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置が設けられた機体と、
バッテリと、
前記バッテリの電力により作動し、前記走行装置に動力を供給するモータと、
前記機体の前部に設けられたボンネットと、
前記ボンネットの後方に設けられた運転部と、
前記バッテリへ充電を行う充電器が接続される接続部とが備えられ、
前記接続部が、前記ボンネットの前部に配置されている電動作業車。
【請求項2】
前記バッテリが、前記ボンネットの内部に配置されている請求項1に記載の電動作業車。
【請求項3】
前記ボンネットは、天井部と、前面部と、右横面部と、左横面部とを有し、
右前照灯及び左前照灯が、前記前面部の上部の右部及び左部に設けられ、
前記接続部は、前記充電器が前後方向に沿って接続される姿勢で、前記右前照灯と前記左前照灯との間に配置されている請求項1又は2に記載の電動作業車。
【請求項4】
前記接続部は、前記ボンネットの内部に配置され、
前記前面部における前記接続部に対向する部分に、前記充電器の前記接続部への接続を可能にする開閉可能なカバー部が設けられている請求項3に記載の電動作業車。
【請求項5】
前記ボンネットは、天井部と、前面部と、右横面部と、左横面部とを有し、
前記接続部は、前記充電器が前後方向又は上下方向に沿って接続される姿勢で、前記天井部の前部に配置されている請求項1又は2に記載の電動作業車。
【請求項6】
前記接続部は、前記ボンネットの内部に配置され、
前記天井部における前記接続部に対向する部分に、前記充電器の前記接続部への接続を可能にする開閉可能なカバー部が設けられている請求項5に記載の電動作業車。
【請求項7】
前記ボンネットは、天井部と、前面部と、右横面部と、左横面部とを有し、
前記接続部は、前記充電器が左右方向に沿って接続される姿勢で、前記右横面部の前部の下部又は前記左横面部の前部の下部に配置されている請求項1又は2に記載の電動作業車。
【請求項8】
前記接続部は、前記ボンネットの内部に配置され、
前記右横面部又は前記左横面部における前記接続部に対向する部分に、前記充電器の前記接続部への接続を可能にする開閉可能なカバー部が設けられている請求項7に記載の電動作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動作業車において、バッテリへの充電の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業車の一例である電動トラクタでは、ボンネットが機体の前部に設けられ、運転部がボンネットの後方に設けられたものが多くある。
このような電動トラクタにおいて、特許文献1に開示されているように、外部電源の充電器が接続されてバッテリへの充電が行われる接続部が、運転部の操縦ハンドルに対して横側の部分に設けられたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動トラクタでは、フロントローダ等の作業装置が機体に取り付けられて、作業が行われることが多い。この場合、フロントローダ等の作業装置では、作業装置の一部が運転部の右横方及び左横方に位置することがある。
特許文献1の電動トラクタにおいて、作業装置の一部が運転部の右横方及び左横方に位置すると、外部電源の充電器を接続部に接続することが、作業装置により行い難くなることが考えられるので、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、電動作業車において、外部電源の充電器を接続部に接続することが容易に行えるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動作業車は、走行装置が設けられた機体と、バッテリと、前記バッテリの電力により作動し、前記走行装置に動力を供給するモータと、前記機体の前部に設けられたボンネットと、前記ボンネットの後方に設けられた運転部と、前記バッテリへ充電を行う充電器が接続される接続部とが備えられ、前記接続部が、前記ボンネットの前部に配置されている。
【0007】
本発明によると、接続部がボンネットの前部に配置されているので、作業者は、機体の前方に立ちながら、バッテリへ充電を行う充電器を接続部に接続することができる。これにより、機体に取り付けられた作業装置の一部が運転部の右横方及び左横方に位置したとしても、作業装置の影響を受けること少なく、作業者は充電器を接続部に容易に接続することができるので、充電作業の作業性を向上させることができる。
【0008】
本発明において、前記バッテリが、前記ボンネットの内部に配置されていると好適である。
【0009】
本発明によると、接続部がボンネットの前部に配置され、バッテリがボンネットの内部に配置されることにより、接続部とバッテリとが接近する。これにより、接続部及びバッテリのハーネス等が短いものになるので、構造の簡素化を図ることができる。
【0010】
本発明において、前記ボンネットは、天井部と、前面部と、右横面部と、左横面部とを有し、右前照灯及び左前照灯が、前記前面部の上部の右部及び左部に設けられ、前記接続部は、前記充電器が前後方向に沿って接続される姿勢で、前記右前照灯と前記左前照灯との間に配置されていると好適である。
【0011】
電動作業車では、ボンネットが天井部、前面部、右横面部及び左横面部を有している場合、右前照灯及び左前照灯が、ボンネットの前面部の上部の右部及び左部に設けられることがある。
【0012】
本発明によると、前述の構成において、接続部が右前照灯と左前照灯との間に配置されて、充電器が前後方向に沿った姿勢で接続部に接続されるように、接続部の姿勢が設定されている。これにより、作業者にとって、機体の前方に立ちながら充電器を接続部に接続することが容易に行えるようになるので、充電作業の作業性の向上の面で有利である。
【0013】
本発明において、前記接続部は、前記ボンネットの内部に配置され、前記前面部における前記接続部に対向する部分に、前記充電器の前記接続部への接続を可能にする開閉可能なカバー部が設けられていると好適である。
【0014】
本発明によると、接続部は、ボンネットの内部に配置されて、ボンネット及びカバー部により覆われるので、接続部への雨水の進入や埃の付着等が少なくなって、接続部の破損を少なくすることができる。
作業者が充電器を接続部に接続する場合、作業者は、カバー部を開操作することによって、充電器を接続部に無理なく接続することができるので、作業性の低下を伴うものではない。
【0015】
本発明において、前記ボンネットは、天井部と、前面部と、右横面部と、左横面部とを有し、前記接続部は、前記充電器が前後方向又は上下方向に沿って接続される姿勢で、前記天井部の前部に配置されていると好適である。
【0016】
本発明によると、ボンネットが天井部、前面部、右横面部及び左横面部を有している場合、接続部がボンネットの天井部の前部に配置されて、充電器が前後方向又は上下方向に沿った姿勢で接続部に接続されるように、接続部の姿勢が設定されている。これにより、作業者にとって、機体の前方に立ちながら充電器を接続部に接続することが容易に行えるようになるので、充電作業の作業性の向上の面で有利である。
【0017】
本発明において、前記接続部は、前記ボンネットの内部に配置され、前記天井部における前記接続部に対向する部分に、前記充電器の前記接続部への接続を可能にする開閉可能なカバー部が設けられていると好適である。
【0018】
本発明によると、接続部は、ボンネットの内部に配置されて、ボンネット及びカバー部により覆われるので、接続部への雨水の進入や埃の付着等が少なくなって、接続部の破損を少なくすることができる。
作業者が充電器を接続部に接続する場合、作業者は、カバー部を開操作することによって、充電器を接続部に無理なく接続することができるので、作業性の低下を伴うものではない。
【0019】
本発明において、前記ボンネットは、天井部と、前面部と、右横面部と、左横面部とを有し、前記接続部は、前記充電器が左右方向に沿って接続される姿勢で、前記右横面部の前部の下部又は前記左横面部の前部の下部に配置されていると好適である。
【0020】
本発明によると、ボンネットが天井部、前面部、右横面部及び左横面部を有している場合、接続部がボンネットの右横面部(左横面部)の前部の下部に配置されて、充電器が左右方向に沿った姿勢で接続部に接続されるように、接続部の姿勢が設定されている。これにより、作業者にとって、機体の前方に立ちながら充電器を接続部に接続することが容易に行えるようになるので、充電作業の作業性の向上の面で有利である。
【0021】
作業車の生産では、バッテリ及びモータが機体に搭載されることによって電動作業車が生産され、エンジンが機体に搭載されることによってエンジン作業車が生産されることがある。エンジン作業車が生産される場合、エンジンからの排気管の排気口が、ボンネットの右横面部(左横面部)の前部の下部に配置されることがある。
【0022】
本発明によると、ボンネットの右横面部(左横面部)の前部の下部が、接続部が配置される為の部分と、排気管の排気口が配置される為の部分とに、共用されるように構成することができるので、構造の簡素化を図ることができる。
【0023】
本発明において、前記接続部は、前記ボンネットの内部に配置され、前記右横面部又は前記左横面部における前記接続部に対向する部分に、前記充電器の前記接続部への接続を可能にする開閉可能なカバー部が設けられていると好適である。
【0024】
本発明によると、接続部は、ボンネットの内部に配置されて、ボンネット及びカバー部により覆われるので、接続部への雨水の進入や埃の付着等が少なくなって、接続部の破損を少なくすることができる。
作業者が充電器を接続部に接続する場合、作業者は、カバー部を開操作することによって、充電器を接続部に無理なく接続することができるので、作業性の低下を伴うものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図3】接続部、バッテリ及びモータ等の配置を示す縦断左側面図である。
【
図5】発明の実施の第1別形態において、接続部及びバッテリの付近の縦断左側面図である。
【
図6】発明の実施の第1別形態において、接続部及びバッテリの付近の平面図である。
【
図7】発明の実施の第2別形態において、接続部及びバッテリの付近の縦断左側面図である。
【
図8】発明の実施の第2別形態において、接続部及びバッテリの付近の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~
図8に電動作業車の一例であるトラクタが示されている。
図1~
図8において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0027】
(トラクタの全体構成)
図1及び
図2に示すように、右及び左の前輪1(走行装置に相当)、右及び左の後輪2(走行装置に相当)が、機体3に取り付けられている。機体3の前部にボンネット4が設けられ、機体3の後部に運転部5が設けられている。運転部5に、前輪1を操向操作する操縦ハンドル6、運転座席7及びロプスフレーム9が設けられている。
【0028】
図1及び
図3に示すように、機体3は、右及び左の機体フレーム10、無段変速装置11及びミッションケース12等を有して構成されている。ミッションケース12の前部に無段変速装置11が連結され、機体フレーム10が、無段変速装置11及びミッションケース12に連結されて、前後方向に沿って設けられている。前車軸ケース8が機体フレーム10の前部に取り付けられて、前輪1が前車軸ケース8に取り付けられている。後輪2が、ミッションケース12に取り付けられている。
【0029】
1本のトップリンク13と、右及び左のロアリンク14とが、ミッションケース12の後部に上下揺動可能に取り付けられている。右及び左のリフトアーム15が、ミッションケース12の後部に設けられ、リフトアーム15とロアリンク14とに亘って、ロッド16が接続されている。
【0030】
各種の作業装置(図示せず)が、トップリンク13及びロアリンク14に取り付け可能である。リフトアーム15が上下に揺動操作されることにより、トップリンク13及びロアリンク14を介して、作業装置が昇降操作される。
【0031】
(フロントローダの構成)
図1及び
図2に示すように、フロントローダ17が、機体3の前部に取り付けられている。フロントローダ17は、基部18、ブーム19、バケット20、ブームシリンダ21及びバケットシリンダ22、フレーム23等を有している。
【0032】
右及び左の基部18が、機体フレーム10に連結されて上方に向けて延出されており、ボンネット4の後部の右横方及び左横方に配置されている。右及び左のブーム19が、基部18の上部に上下揺動可能に取り付けられて前方に向けて延出されている。右及び左のブームシリンダ21が、基部18とブーム19とに亘って取り付けられており、ブームシリンダ21によりブーム19が昇降操作される。
【0033】
バケット20が、ブーム19の前部に上下揺動可能に取り付けられている。フレーム23が、右及び左のブーム19に亘って連結されている。バケットシリンダ22がバケット20とフレーム23とに亘って接続されており、バケットシリンダ22によりバケット20がスクイ操作及びダンプ操作される。
【0034】
(モーアの構成)
図1及び
図2に示すように、モーア24が、機体フレーム10に昇降可能に取り付けられており、前輪1及び後輪2の間に配置されている。
【0035】
モーア24は、上下方向に沿った軸芯周りに回転駆動される3個のブレード(図示せず)が、左右方向に沿って並ぶようにモーア24の内部に配置されており、ブレードにより刈り取られた草が、モーア24の右の排出部24aから右横方に排出される。
【0036】
(機体の前部の構成)
図3及び
図4に示すように、バッテリ27、インバータ28及びモータ29、バッテリ33等が、機体フレーム10の前部に設けられている。
【0037】
右及び左の支持部材25(
図1参照)が機体フレーム10の前部に連結されており、平板状の支持フレーム26が支持部材25に連結されている。バッテリ27が、支持フレーム26の上面部に取り付けられており、ボンネット4の内部にバッテリ27が設けられている。
【0038】
インバータ28が、支持フレーム26の下面部の前部に取り付けられている。モータ29が、支持フレーム26の下面部の後部に取り付けられて、右及び左の機体フレーム10の間に配置されている。
【0039】
インバータ28及びモータ29を下方から覆う下部カバー30が設けられ、ファン31が下部カバー30の前部に取り付けられている。外気がファン31により下部カバー30の内部に導入されて、外気によりインバータ28及びモータ29の冷却が行われる。
【0040】
アーチ状のフレーム32が、右及び左の機体フレーム10に亘って連結されて、ボンネット4の後端部の位置に配置されており、12Vのバッテリ33がフレーム32に取り付けられている。
【0041】
バッテリ27の電力がインバータ28に供給され、インバータ28においてバッテリ27の直流電力が交流電力に変換されてモータ29に供給され、モータ29が作動する。
バッテリ27の電力がDC-DCコンバータ(図示せず)に供給され、DC-DCコンバータにおいて12Vに減圧さる。12Vに減圧された電力が、バッテリ33に供給される。トラクタに装備された各種の機器(図示せず)が、バッテリ33の12Vの電力により作動する。
【0042】
(前輪及び後輪、モーアへの伝動系の構成)
図3に示すように、モータ29の動力が、伝動軸34を介して無段変速装置11に伝達される。無段変速装置11は、静油圧式に構成されて、前進側及び後進側に無段階に変速可能である。
【0043】
無段変速装置11により変速された動力が、ミッションケース12の内部に設けられた副変速装置(図示せず)及び後輪デフ装置(図示せず)を介して、後輪2に伝達される。後輪デフ装置の直前から分岐した動力が、伝動軸35,36を介して、前車軸ケース8の内部に設けられた前輪デフ装置(図示せず)に伝達され、前輪デフ装置から前輪1に伝達される。
【0044】
PTO軸37が、ミッションケース12の前部に下部に前向きに設けられ、PTO軸38が、ミッションケース12の後部に後向きに設けられている。伝動軸34により伝達される動力において、無段変速装置11による変速が行われない動力が、PTO軸37,38に伝達され、無段変速装置11による変速が行われない動力により油圧ポンプ(図示せず)が駆動される。
【0045】
PTO軸37の動力が、伝動軸(図示せず)を介してモーア24に伝達される。PTO軸38の動力が、トップリンク13及びロアリンク14に取り付けられた作業装置に、伝動軸(図示せず)を介して伝達される。油圧ポンプからの作動油により、フロントローダ17のブームシリンダ21及びバケットシリンダ22、リフトアーム15を揺動操作する油圧シリンダ(図示せず)が作動する。
【0046】
(バッテリにおける請求項との対応)
以上の構成により、走行装置(前輪1及び後輪2)が設けられた機体3と、バッテリ27とが備えられている。バッテリ27の電力により作動し、走行装置(前輪1及び後輪2)に動力を供給するモータ29が備えられている。
機体3の前部に設けられたボンネット4と、ボンネット4の後方に設けられた運転部5とが備えられている。バッテリ27が、ボンネット4の内部に配置されている。
【0047】
(ボンネットの構成)
図1~
図4に示すように、ボンネット4は、天井部40と、前面部41と、右横面部42と、左横面部43とを有して、合成樹脂により一体的に構成されている。ボンネット4は、左右方向に沿った軸芯P1周りに揺動可能にフレーム32に取り付けられており、閉位置(
図1,2,3参照)及び閉位置から上方に離れた開位置に操作することができる。
【0048】
多数の小さな開口部が設けられたフロントグリル46が、ボンネット4の前面部41の下部と右横面部42の前部と左横面部43の前部とに亘って設けられている。フロントグリル46は、ボンネット4の前面部41の一部であり、ボンネット4の右横面部42の一部であり、ボンネット4の左横面部43の一部である。
【0049】
右前照灯44及び左前照灯45が、ボンネット4の前面部41の上部の右部及び左部に設けられている。多数の小さな開口部が設けられたサイドグリル49が、ボンネット4の右横面部42及び左横面部43に設けられている。
【0050】
ボンネット4の前面部41における右前照灯44及び左前照灯45の間の部分に、開口部47が開口されている。カバー部48が、左右方向に沿った軸芯P2周りに揺動可能にボンネット4の前面部41(開口部47の上縁部)に取り付けられている。カバー部48は、閉位置(
図1参照)及び開位置(
図2及び
図3参照)に操作可能である。
【0051】
(外部電源の充電器が接続されてバッテリへの充電が行われる接続部の構成)
図3及び
図4に示すように、ボンネット4の内部において、側面視でアングル状の右及び左のフレーム50が、機体フレーム10の前端部とフレーム32とに亘って連結されており、バッテリ27の上方及び前方に配置されている。
【0052】
ボンネット4の内部において、上下方向に沿った右及び左のフレーム51が、支持フレーム26の前部とフレーム50の上部の前部とに亘って連結されており、バッテリ27の前方に配置されている。左右方向に沿ったフレーム52が、右及び左のフレーム50の上部に亘って連結されており、バッテリ27の上方に配置されている。
【0053】
図2,3,4に示すように、ボンネット4の内部において、左右方向に沿ったフレーム53が、右及び左のフレーム50の前部の上部に亘って連結されている。接続部39が、フレーム53の左右中央部に取り付けられている。接続部39は、前方に向いており、ボンネット4の前面部41の開口部47の後方に配置されている。カバー部48が閉位置(
図1参照)に操作されていると、接続部39は、カバー部48により覆われてボンネット4の前方に露出しない。
【0054】
カバー部48が開位置(
図2及び
図3参照)に操作されると、接続部39は、ボンネット4の開口部47を介して、ボンネット4の前方に向けて露出する。作業者は、外部電源(図示せず)の充電器(図示せず)を、ボンネット4の前方からボンネット4の開口部47を通して、接続部39に接続する。これにより、外部電源の充電器が前後方向に沿った姿勢で接続部39に接続され、外部電源の電力が接続部39からバッテリ27に充電される。
【0055】
(接続部における請求項との対応)
以上の構成により、バッテリ27へ充電を行う充電器が接続される接続部39が備えられ、接続部39が、ボンネット4の前部に配置されている。
【0056】
ボンネット4は、天井部40と、前面部41と、右横面部42と、左横面部43とを有している。右前照灯44及び左前照灯45が、前面部41の上部の右部及び左部に設けられている。接続部39は、充電器が前後方向に沿って接続される姿勢で、右前照灯44と左前照灯45との間に配置されている。
【0057】
接続部39は、ボンネット4の内部に配置されている。前面部41における接続部39に対向する部分に、充電器の接続部39への接続を可能にする開閉可能なカバー部48が設けられている。
【0058】
(発明の実施の第1別形態)
図5及び
図6に示すように、ボンネット4の天井部40における前部の左右中央部に、開口部54が開口されている。カバー部55が、左右方向に沿った軸芯P3周りに揺動可能に、ボンネット4の天井部40の前部(開口部54の後縁部)に取り付けられている。カバー部55は、閉位置及び開位置(
図5参照)に操作可能である。
【0059】
ボンネット4の内部において、左右方向に沿ったフレーム56が、右及び左のフレーム50の上部の前部に亘って連結されている。接続部39が、フレーム56の左右中央部に取り付けられている。接続部39は、上方に向いており、ボンネット4の開口部54の下方に配置されている。カバー部55が閉位置に操作されていると、接続部39は、カバー部55により覆われてボンネット4の上方に露出しない。
【0060】
カバー部55が開位置(
図5参照)に操作されると、接続部39は、ボンネット4の開口部54を介して、ボンネット4の上方に向けて露出する。作業者は、外部電源(図示せず)の充電器(図示せず)を、ボンネット4の上方からボンネット4の開口部54を通して、接続部39に接続する。これにより、外部電源の充電器が上下方向に沿った姿勢で接続部39に接続され、外部電源の電力が接続部39からバッテリ27に充電される。
【0061】
図5及び
図6において、接続部39が、斜め上方前方に向けてフレーム56に取り付けられてもよい。この構成によると、外部電源の充電器は、ボンネット4の前方上方からボンネット4の開口部54を通して、前後方向に沿った姿勢で接続部39に接続される。
【0062】
(発明の実施の第1別形態の接続部における請求項との対応)
以上の構成により、バッテリ27へ充電を行う充電器が接続される接続部39が備えられ、接続部39が、ボンネット4の前部に配置されている。
【0063】
ボンネット4は、天井部40と、前面部41と、右横面部42と、左横面部43とを有している。接続部39は、充電器が前後方向又は上下方向に沿って接続される姿勢で、天井部40の前部に配置されている。
【0064】
接続部39は、ボンネット4の内部に配置されている。天井部40における接続部39に対向する部分に、充電器の接続部39への接続を可能にする開閉可能なカバー部55が設けられている。
【0065】
(発明の実施の第2別形態)
図7及び
図8に示すように、ボンネット4の左横面部43の前部(フロントグリル46の左部の下部)に、開口部57が開口されている。カバー部58が、上下方向に沿った軸芯P4周りに揺動可能に、ボンネット4の左横面部43の前部の下部(フロントグリル46の左部の下部)(開口部57の後縁部)に取り付けられている。カバー部58は、閉位置及び開位置(
図8参照)に操作可能である。
【0066】
ボンネット4の内部において、ブラケット59が左のフレーム51の下部に連結されており、接続部39がブラケット59に取り付けられている。接続部39は、左方に向いており、ボンネット4の開口部57の右方に配置されている。カバー部58が閉位置に操作されていると、接続部39は、カバー部58により覆われてボンネット4の左方に露出しない。
【0067】
カバー部58が開位置(
図8参照)に操作されると、接続部39は、ボンネット4の開口部57を介して、ボンネット4の左方に向けて露出する。作業者は、外部電源(図示せず)の充電器(図示せず)を、ボンネット4の左方からボンネット4の開口部57を通して、接続部39に接続する。これにより、外部電源の充電器が左右方向に沿った姿勢で接続部39に接続され、外部電源の電力が接続部39からバッテリ27に充電される。
【0068】
図7及び
図8において、接続部39が、右のフレーム51の下部に、右方に向けて取り付けられ、開口部57及びカバー部58が、ボンネット4の右横面部42の前部の下部(フロントグリル46の右部の下部)に設けられてもよい。
【0069】
(発明の実施の第2別形態の接続部における請求項との対応)
以上の構成により、バッテリ27へ充電を行う充電器が接続される接続部39が備えられ、接続部39が、ボンネット4の前部に配置されている。
【0070】
ボンネット4は、天井部40と、前面部41と、右横面部42と、左横面部43とを有している。接続部39は、充電器が左右方向に沿って接続される姿勢で、右横面部42の前部の下部又は左横面部43の前部の下部に配置されている。
【0071】
接続部39は、ボンネット4の内部に配置されている。右横面部42又は左横面部43における接続部39に対向する部分に、充電器の接続部39への接続を可能にする開閉可能なカバー部58が設けられている。
【0072】
(発明の実施の第3別形態)
図7及び
図8に示す構成において、バッテリ27、インバータ28及びモータ29等が廃止され、エンジン(図示せず)が機体フレーム10の前部に搭載されて、エンジン作業車が生産されることがある。
【0073】
この場合、ボンネット4の開口部57を残し、カバー部58を廃止して、エンジンからの排気管(図示せず)の排気口をボンネット4の開口部57に配置して、エンジンの排気がボンネット4の開口部57から外部に排出されるように構成すればよい。
【0074】
(発明の実施の第4別形態)
図1~
図8に示す構成において、接続部39が、ボンネット4の内部ではなく、ボンネット4の前部に直接に取り付けられてもよい。この構成によると、接続部39が露出するので、接続部39に取り付け及び取り外し可能な防塵用及び防水用のキャップ(図示せず)が備えられるとよい。
【0075】
(発明の実施の第5別形態)
後輪2に代えてクローラ走行装置(図示せず)を、走行装置として装備してもよい。
前輪1及び後輪2に代えてクローラ走行装置(図示せず)を、走行装置として装備してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、トラクタばかりではなく、電動カートや運搬車等の他の電動作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0077】
1 前輪(走行装置)
2 後輪(走行装置)
3 機体
4 ボンネット
5 運転部
27 バッテリ
29 モータ
39 接続部
40 天井部
41 前面部
42 右横面部
43 左横面部
44 右前照灯
45 左前照灯
48 カバー部
55 カバー部
58 カバー部