(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007882
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20250109BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20250109BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20250109BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20250109BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
G08B25/04 K
G08B21/02
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109585
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 亮介
【テーマコード(参考)】
5C054
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CF06
5C054DA07
5C054HA27
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C087AA03
5C087DD03
5C087DD13
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG12
5C087GG17
5C087GG70
5H181AA01
5H181AA06
5H181AA24
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE08
5H181MA48
5H181MB08
5H181MB13
(57)【要約】
【課題】任意の領域に注目した画像を取得する。
【解決手段】制御装置10は制御部27を有する。制御部27は移動体12への搭乗時に搭乗者の端末装置13に識別情報を付与する。制御部27は識別情報が付与された端末装置13からの異常通知に応じて任意の位置の映像を撮像装置によって取得させる。任意の位置を端末装置13が移動体12の内部で指定する。撮像装置を移動体12内に設置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体への搭乗時に搭乗者の端末に識別情報を付与し、前記識別情報が付与された前記端末からの異常通知に応じて、前記端末によって指定される前記移動体の内部の任意の位置の映像を、前記移動体内に設置される撮像装置によって取得させる制御部を備える
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記端末に付与した識別情報を記憶する記憶部を、更に備え、
前記制御部は、前記搭乗者の前記移動体からの退去時に、該搭乗者の前記端末に付与した前記識別情報を記憶部から削除する
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記異常通知を送信する端末に識別情報が付与されているかを、前記記憶部に記憶した前記識別情報と照合することにより、判別する
制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記端末による前記搭乗者の生体異常の検出から所定時間経過したこと、又は介助依頼の入力を検出したことに基づく前記異常通知に応じて、前記移動体内における該端末の位置の映像を前記撮像装置に取得させる
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記異常通知を受信する場合、該異常通知を送信した前記端末に前記移動体内における該端末の位置の送信を要請し、該端末から受信することにより前記移動体内における該端末の位置を取得する
制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記異常通知とともに、該異常通知を送信した前記端末の前記移動体内の位置を取得する
制御装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記移動体の内部の任意の位置を指定する画像が表示された前記端末への操作に基づく該任意の位置を前記任意に指定される位置として、取得する
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクから取得する音声が犯罪性の高い言語群であるか判断される場合に、画像を撮像する車両用防犯監視システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両用防犯監視システムは、タクシー等の比較的少数の人が乗車する車両に適用される。しかし、バス等のように比較的広い空間に人が乗込む移動体では、当該空間の中で監視の必要性の高い領域に注目した画像を得ることが難しかった。
【0005】
従って、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、移動体内の比較的広い空間内で任意の領域に注目した画像を取得する制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による制御装置は、
移動体への搭乗時に搭乗者の端末に識別情報を付与し、前記識別情報が付与された前記端末からの異常通知に応じて、前記端末によって指定される前記移動体の内部の任意の位置の映像を、前記移動体内に設置される撮像装置によって取得させる制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成された本開示に係る制御装置によれば、移動体内の広い空間内で任意の領域に注目した画像が取得される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る制御装置を含む監視システムのネットワーク構成を示す図である。
【
図2】
図1の移動体の概略構成を示す配置図である。
【
図3】
図1の端末装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図3の表示部に表示させる介助依頼の要否の入力を要求する画像の例を示す図である。
【
図5】
図3の表示部に表示させる第1の通報画像の例を示す図である。
【
図6】
図3の表示部に表示させる第2の通報画像の例を示す図である。
【
図7】
図3の表示部に表示させる第3の通報画像の例を示す図である。
【
図8】
図1の制御部が実行する第1の識別情報管理処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図1の制御部が実行する異常対応処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を適用した制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、一実施形態に係る制御装置10を含む監視システム11は、少なくとも1つの移動体12、少なくとも1つの端末装置(端末)13、及び制御装置10を含んで構成されてよい。
図1において、2台の移動体12及び3台の端末装置13が描画されているが、例示であって、限定されない。
【0011】
移動体12は、搭乗する搭乗者が携行する端末装置13と通信してよい。移動体12は、ネットワーク14を介して制御装置10と通信してよい。制御装置10は、移動体12を介して端末装置13に第1の識別情報を情報として送信する。制御装置10は、第1の識別情報を送信した端末装置13からの異常通知に応じて、移動体12の内部における任意の位置の映像を撮像させる。以下に、移動体12、端末装置13、及び制御装置10の詳細な構成が説明される。
【0012】
移動体12は、例えば車両、船舶、および航空機等を含んでよい。車両は、例えば自動車、鉄道車両、生活車両、および滑走路を走行する固定翼機等を含んでよい。自動車は、例えば乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含んでよい。車両の分類は、上述した例に限られない。例えば、自動車は、道路を走行可能な産業車両を含んでよい。複数の分類に同じ車両が含まれてよい。船舶は、例えばマリンジェット、ボート、およびタンカー等を含んでよい。航空機は、例えば固定翼機および回転翼機等を含んでよい。移動体12は、例えば、10名以上等の比較的多数の搭乗者が搭乗する搭乗空間を有してよい。
【0013】
図2に示すように、移動体12は、通信装置15、乗降登録部16、少なくとも3つのアンテナ17、及び撮像部18を含んで構成されてよい。通信装置15は、車載ネットワーク又は専用線を介して、乗降登録部16、アンテナ17、及び撮像部18と互いに通信可能に接続される。
【0014】
通信装置15は、車載通信機であってよい。通信装置15は、ネットワーク14に接続する通信モジュールを含んでよい。通信装置15は、移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでよい。通信装置15は、ネットワーク14を介して制御装置10に接続される。通信装置15は、制御装置10に情報を送信する際に当該情報に、移動体12を識別する第2の識別情報を付加してよい。通信装置15は、車載ネットワーク又は専用線を介して通信する通信モジュールを含んでよい。通信装置15は、制御装置10から受信する情報又は指令を乗降登録部16、アンテナ17、及び撮像部18に送信してよい。
【0015】
乗降登録部16は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信可能な通信モジュールを含んでよい。乗降登録部16は、移動体12の乗降口19近傍に設けられてよい。乗降登録部16は通信面を有してよい。搭乗者が移動体12への搭乗時に、当該通信面に端末装置13を、例えば10センチ以下の間隔まで近接させることが搭乗条件として定められていてよい。搭乗者が移動体12から降車時に、当該通信面に端末装置13を、例えば10センチ以下の間隔まで近接させることが降車条件として定められていてよい。近距離無線通信可能な端末装置13が通信面に近接することにより、後に詳細に説明するように、当該端末装置13への第1の識別情報の送信又は削除の指令の送信が実行されてよい。第1の識別情報は、各移動体12内に位置する端末装置13を識別するためにローカルに使用される識別情報である。
【0016】
複数のアンテナ17それぞれは、移動体12の異なる位置に設けられてよい。アンテナ17は、端末装置13と無線通信可能な通信モジュールを含んでよい。アンテナ17は、端末装置13へ情報を送信する際に当該情報に、アンテナ17を識別する第3の識別情報を付加してよい。
【0017】
撮像部18は、移動体12内の搭乗空間を撮像可能に設けられてよい。撮像部18は、少なくとも1台の撮像装置を含んでよい。撮像装置は移動体12内に設置されてよい。撮像部18は、互いに撮影範囲の異なる複数の撮像装置を含んでよい。撮像装置は、光学的に変倍可能であってよい。撮像部18は、撮像装置の光軸方向を変更可能なモータを含んでよい。撮像部18は、例えば、通信装置15を介した制御装置10の指令に基づいて撮像装置の光軸方向を変更することにより、特定の領域を撮影可能な状態に調整してよい。撮像部18は、例えば、通信装置15を介した制御装置10の指令に基づいて撮像装置の撮像可能領域のうち、特定の領域の画像のみを取得してよい。
【0018】
撮像装置は、制御装置10からの撮像指令に基づいて、移動体12内で任意に指定された位置を撮像してよい。撮像装置は、通信装置15を介して撮像した画像を制御装置10に送信してよい。
【0019】
図3に示すように、端末装置13は、生体センサ部20、方位センサ21、表示部22、入力部23、通信部24、記憶部25、及び制御部26を含んで構成されてよい。端末装置13は、搭乗者が携行可能であって、無線通信及び近距離無線通信可能な機器である。端末装置13は、例えば、スマートホン、スマートウォッチである。
【0020】
生体センサ部20は、端末装置13を携行する搭乗者の生体情報を検出する少なくとも一つの生体センサを含む。生体センサは、例えば、搭乗者の心拍数、活動量、血中酸素飽和度、脈波、活動量、体温等を検出するセンサであってよい。
【0021】
方位センサ21は、端末装置13において定められている方向が、地上でいずこの方向を向いているかを検出してよい。端末装置13において定められている方向は、例えば、端末装置13の表示部22の上方向であってよい。
【0022】
表示部22は、画像を表示してよい。表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のパネルディスプレイである。
【0023】
入力部23は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部23に含まれる入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、表示部22と一体的に設けられたタッチスクリーンである。
【0024】
通信部24は、少なくとも近距離無線通信可能な通信モジュールを含んでよい。通信部24は、乗降登録部16と近距離無線通信を行ってよい。通信部24は、アンテナ17と無線通信可能な通信モジュールを含んでよい。通信部24は、移動体12内の複数のアンテナ17それぞれが放射する信号波の電波強度を検出してよい。通信部24は、端末装置13から制御装置10に情報を送信する際に、当該端末装置13に対して定められている第4の識別情報を付加してよい。第4の識別情報は、例えば端末装置13を一意に特定可能な、ユニークな情報であってよい。
【0025】
記憶部25は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の任意の記憶デバイスを含む。記憶部25は、制御部26を機能させる多様なプログラム、及び制御部26が用いる多様な情報を記憶してよい。記憶部25は、例えば、端末装置13に対して送信される第1の識別情報、各アンテナ17から受信した電波の電波強度及び当該アンテナ17の第3の識別情報等を記憶してよい。
【0026】
制御部26は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部26は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
【0027】
制御部26は、乗降登録部16と無線通信できた場合、当該乗降登録部16から送信される第1の識別情報が記憶部25に記憶されているか否かを判別してよい。制御部26は、第1の識別情報が記憶部25に記憶されていない場合、乗車する状況であることを乗降登録部16に通知してよい。制御部26は、通知後に乗降登録部16から送信される第1の識別情報を記憶部25に格納してよい。制御部26は、第1の識別情報が記憶部25に記憶されている場合、第1の識別情報又は退去する状況であることを乗降登録部16に通知してよい。制御部26は、通知後に乗降登録部16から送信される削除指令に基づいて、記憶部25から第1の識別情報を削除してよい。
【0028】
制御部26は、第1の識別信号を受信した後、乗降登録部16又はアンテナ17と、通信装置15を介して制御装置10に情報を送信する際に、当該情報に当該第1の識別情報を関連付けて送信してよい。
【0029】
制御部26は、制御装置10から情報として取得する、搭乗している移動体12に設けられる複数のアンテナ17の位置と、記憶部25から読出す複数のアンテナ17それぞれの電波強度に基づいて、移動体12内における端末装置13の位置を算出してよい。制御部26は、算出した位置を情報として記憶部25に格納してよい。制御部26は、制御装置10からの通知要請に応じて、当該位置を情報として制御装置10に送信してよい。又は、制御部26は、当該位置を情報として周期的に制御装置10に送信してよい。
【0030】
又は、制御部26は、端末装置13の位置を制御装置10に算出させるために、移動体12内の複数のアンテナ17から受信する電波の電波強度を情報として、それぞれのアンテナ17の第3の識別情報に関連付けて記憶部25に格納してよい。制御部26は、制御装置10からの通知要請に応じて、記憶部25に記憶した、情報としての最新の複数のアンテナ17の電波強度とそれぞれの第3の識別情報を制御装置10に送信してよい。又は、制御部26は、記憶部25に記憶した、情報としての最新の複数のアンテナ17の電波強度とそれぞれの第3の識別情報を周期的に制御装置10に送信してよい。
【0031】
制御部26は、通信部24及び通信装置15を介して、異常通知を制御装置10に送信してよい。異常通知の送信は、以下に説明される。
【0032】
制御部26は、入力部23が介助依頼の入力を検出する場合、異常通知を制御装置10に送信するように通信部24を制御してよい。
【0033】
制御部26は、生体センサ部20から取得する生体情報を分析してよい。制御部26は、生体情報の分析に基づいて端末装置13の携行者、言換えると搭乗者に生体異常が発生しているか否かを判別してよい。制御部26は、生体異常が発生していると判別する場合、異常通知を制御装置10に送信するように通信部24を制御してよい。又は、制御部26は、生体異常が発生していると判別する場合、異常通知を送信する前に、
図4に示すように、介助依頼の要否の入力を要求する画像を表示部22に表示させてよい。制御部26は、当該画像の表示中に、介助依頼の入力を入力部23が検出する場合、異常通知を制御装置10に送信してよい。又、制御部26は、当該画像の表示後から所定時間が経過するまで、介助依頼の要否の入力を入力部23が検出しない場合、異常通知を制御装置10に送信してよい。
【0034】
制御部26は、生体情報を制御装置10に分析させるために、生体情報を制御装置10に送信してよい。制御部26は、生体情報の送信に対して制御装置10から生体異常が発生していることを示す情報を受信する場合、介助依頼の要否の入力を要求する画像を表示部22に表示させてよい。当該画像の表示後、制御部26は、生体情報の分析を端末装置13が実行する構成と同じ処理を実行してよい。
【0035】
制御部26は、入力部23が周囲異常の発生の入力を検出する場合、異常発生位置の示唆を要求する通報画像を表示部22に表示させてよい。通報画像は、移動体12の内部の任意の位置を指定可能な画像である。
【0036】
通報画像は、
図5に示すように、他の搭乗者の移動体12における位置psを示す第1の通報画像であってよい。制御部26は、ブラウザ又は専用のアプリケーションにより第1の通報画像を表示させてよい。ブラウザで表示する構成において、第1の通報画像は、制御装置10から付与されてよい。アプリケーションで表示する構成において、第1の通報画像は、制御装置10から受信する他の搭乗者の移動体12における位置ps及び移動体12の搭乗空間の寸法等の情報に基づいて、制御部26に作成されてよい。第1の通報画像では、他の搭乗者の位置psが異常発生位置の示唆の要求として表示されてよい。制御部26は、第1の通報画像における他の搭乗者の位置psのいずれかを指定する入力を入力部23が検出する場合、当該位置psを任意に指定される位置の情報として制御装置10に送信してよい。制御部26は、他の搭乗者の位置ps以外の位置を指定する入力を入力部23が検出する場合、当該位置を任意に指定される位置の情報として制御装置10に送信してよい。
【0037】
又は、通報画像は、
図6に示すように、移動体12の搭乗空間を描画した第2の通報画像であってよい。制御部26は、ブラウザ又は専用のアプリケーションにより第2の通報画像を表示させてよい。ブラウザで表示する構成において、第2の通報画像は、制御装置10から付与されてよい。アプリケーションで表示する構成において、第2の通報画像は、制御装置10から受信する移動体12の搭乗空間の寸法等の情報に基づいて、制御部26に作成されてよい。制御部26は、第2の通報画像におけるいずこかの位置を指定する入力を入力部23が検出する場合、当該位置を任意に指定される位置の情報として制御装置10に送信してよい。
【0038】
又は、通報画像は、
図7に示すように、異常の発生方向を指定することを要求する第3の通報画像であってよい。端末装置13の携行者は、端末装置13の方向を変化させて異常の発生方向を指定してよい。端末装置13の携行者は、第3の通報画像に含まれる指定用の画像(例えば矢印等)の向きをタッチパネルで操作して、異常の発生方向を指定してよい。制御部26は、ブラウザ又は専用のアプリケーションにより第3の通報画像を表示させてよい。ブラウザで表示する構成において、第3の通報画像は、制御装置10から送信されてよい。アプリケーションで表示する構成において、第3の通報画像は、制御部26に作成されてよい。制御部26は、第3の通報画像の表示後、所定の方位を指定した状態で、所定の判別時間以上経過する場合、当該方位が示す移動体12内での方向を、任意の位置を指定し得る異常の発生方向の情報として制御装置10に送信してよい。
【0039】
図1に示すように、制御装置10は、制御部27を含んで構成される。制御装置10は、更に、通信部28及び記憶部29を含んで構成されてよい。制御装置10は、例えば、サーバ装置であってよい。
【0040】
通信部28は、ネットワーク14に接続する通信モジュールを含んでよい。通信部28は、例えば、有線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。
【0041】
記憶部29は、例えば、RAM、ROM等の任意の記憶デバイスを含む。記憶部29は、制御部27を機能させる多様なプログラム、及び制御部27が用いる多様な情報を記憶してよい。記憶部29は、例えば、移動体12別に端末装置13に付与した第1の識別情報を記憶する。付与とは、端末装置13に第1の識別番号を割当てることを意味してよい。
【0042】
制御部27は、1以上のプロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、PLDを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。制御部27は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC、及びSiPのいずれかであってもよい。
【0043】
制御部27は、搭乗者が移動体12に搭乗する場合、当該搭乗者の端末装置13に第1の識別情報を付与する。前述のような搭乗条件において、搭乗者は移動体12に搭乗する場合に携行する端末装置13を乗降登録部16に近接させることが想定される。例えば、制御部27は、搭乗者が乗車する状況であることを示す情報を乗降登録部16及び通信装置15を介して取得する場合、搭乗者が移動体12に搭乗することを認定してよい。又、例えば、制御部27は、乗降登録部16及び通信装置15を介して取得する第4の識別情報が記憶部29に記憶されていない場合、搭乗者が移動体12に搭乗することを認定してよい。制御部27は、新たに付与する時点で同じ移動体12に関して記憶部29に記憶されている他の端末装置13の第1の識別情報と異なった第1の識別情報を付与してよい。
【0044】
制御部27は、端末装置13に付与した第1の識別情報を、記憶部29に格納してよい。制御部27は、第1の識別情報とともに、第2の識別情報を通信装置15から取得してよい。又、制御部27は、第1の識別情報とともに、第4の識別情報を端末装置13から取得してよい。制御部27は、取得する第2の識別情報及び第4の識別情報を、第1の識別情報に関連付けて記憶部29に格納してよい。
【0045】
制御部27は、端末装置13に付与した第1の識別情報を、通信装置15及び乗降登録部16を介して、当該端末装置13に送信してよい。
【0046】
制御部27は、搭乗者が移動体12から退去する場合、当該搭乗者の端末装置13に付与した第1の識別情報を記憶部29から削除してよい。前述のような降車条件において、搭乗者は移動体12に退去する場合に携行する端末装置13を乗降登録部16に近接させることが想定される。例えば、制御部27は、搭乗者が退去する状況であることを示す情報を乗降登録部16及び通信装置15を介して取得する場合、搭乗者が移動体12から退去することを認定してよい。又、例えば、制御部27は、乗降登録部16及び通信装置15を介して取得する第1の識別情報及び第4の識別情報の少なくとも一方が記憶部29に記憶されている場合、搭乗者が移動体12から退去することを認定してよい。
【0047】
更に、制御部27は、搭乗者が移動体12から退去する場合、端末装置13に送信されている第1の識別情報を端末装置13から削除する指令を端末装置13に送信してよい。制御部27は、第1の識別情報とともに当該第1の識別情報に関連付けられて記憶されている第4の識別情報を記憶部29から削除してよい。
【0048】
制御部27は、アンテナ17及び通信装置15を介して端末装置13から任意の情報を受信する場合、記憶部29に記憶した第1の識別情報と照合することにより、当該端末装置13に第1の識別情報が付与されているか否かを判別する。例えば、制御部27は、端末装置13から任意の情報とともに受信する第1の識別情報と、記憶部29に記憶した第1の識別情報との照合により判別を行ってよい。又、例えば、制御部27は、端末装置13から任意の情報とともに受信する第4の識別情報と関連付けられている第1の識別情報が記憶部29に存在するか否かを照合することにより判別を行ってよい。任意の情報は、異常通知であってよい。
【0049】
制御部27は、第1の識別情報が付与された端末装置13に移動体12における端末装置13の位置の通知要請を、通信装置15及びアンテナ17を介して端末装置13に送信してよい。制御部27は、通知要請に対して端末装置13から受信する端末装置13の位置を情報として、当該第1の識別情報に関連付けて記憶部29に格納してよい。又は、制御部27は、通知要請を行うことなく周期的に端末装置13から当該位置を取得する構成においては、当該位置を情報として、端末装置13に付与された第1の識別情報に関連付けて記憶部29に格納してよい。
【0050】
制御部27は、端末装置13の代わりに、当該端末装置13の位置を算出してよい。具体的には、制御部27は、周期的に又は電波強度の通知要請に応じて端末装置13から取得する各アンテナ17に関連付けられた電波強度に基づいて、当該端末装置13の位置を算出してよい。制御部27は、算出した端末装置13の位置を情報として、当該第1の識別情報に関連付けて記憶部29に格納してよい。
【0051】
制御部27は、第1の識別情報が付与された端末装置13からの異常通知に応じて、端末装置13によって指定される移動体12の内部の任意の位置の映像を、撮像装置に取得させる。以下に異常通知及び端末装置13によって指定される移動体12の内部の任意の位置が説明される。
【0052】
制御部27は、介助依頼が入力された端末装置13からの異常通知を受信するとき、当該異常通知に応じて映像を撮像装置に取得させてよい。
【0053】
制御部27は、生体異常を検出した端末装置13からの異常通知、又は端末装置13が生体異常を検出してから所定時間が経過したことにより送信された異常通知を受信する場合、当該異常通知に応じて映像を撮像装置に取得させてよい。
【0054】
制御部27は、端末装置13から生体情報を受信する場合、当該生体情報を分析してよい。制御部27は、生体情報の分析に基づいて端末装置13の携行者、言換えると搭乗者に生体異常が発生しているか否かを判別してよい。制御部27は、生体異常が発生していると判別する場合、端末装置13から異常通知が送信されていることとして便宜上認定してよい。又は、制御部27は、生体異常が発生していると判別する場合、生体情報を送信した端末装置13に、生体異常が発生していることを情報として送信してよい。制御部27は、生体異常が発生していることの送信に対して異常通知を受信する場合、又は前述の異常通知が送信されていることを認定する場合、当該異常通知に応じて映像を撮像装置に取得させてよい。
【0055】
制御部27は、介助依頼又は生体異常に基づく異常通知を受信する場合に、端末装置13からの移動体12内での位置を受信してよい。
【0056】
制御部27は、介助依頼又は生体異常に基づく異常通知を受信する場合、端末装置13から周期的に送信される移動体12内での位置に基づいて、最新の端末装置13の位置の映像を取得させてよい。端末装置13の位置の把握とは、前述のように、当該位置を情報として端末装置13から受信すること、又は端末装置13から受信するアンテナ17の電波強度に基づいて算出することであってよい。
【0057】
制御部27は、端末装置13の移動体12内の位置を周期的に受信しない構成において、介助依頼又は生体異常に基づく異常通知を受信に応じて、当該異常通知を送信した端末装置13に位置の通知要請を行ってよい。制御部27は、通知要請に応じて当該端末装置13から移動体12内における端末装置13の位置を情報として取得してよい。又は制御部27は、当該異常通知を送信した端末装置13に電波強度の通知要請を行ってよい。制御部27は、通知要請に応じて当該端末装置13から取得する電波強度に基づいて、端末装置13の位置を算出してよい。
【0058】
制御部27は、端末装置13から周囲異常の発生の入力に基づく異常通知を受信するとき、当該異常通知に応じて映像を撮像装置に取得させてよい。制御部27は、周囲異常の発生の制御装置10への通知のために、端末装置13からの要請に応じて端末装置13に通報画像を表示させるための情報を送信してよい。制御部27は、例えば、第1の通報画像、第2の通報画像、及び第3の通報画像のいずれかを情報として端末装置13に送信してよい。制御部27は、例えば、第1の通報画像を端末装置13において生成するために、移動体12における全端末装置13の位置及び移動体12の搭乗空間の寸法を情報として端末装置13に送信してよい。制御部27は、例えば、第2の通報画像を端末装置13において生成するために、移動体12の搭乗空間の寸法を情報として端末装置13に送信してよい。
【0059】
制御部27は、第1の通報画像、第2の通報画像、又は第3の通報画像が表示された端末装置13への操作に基づく任意の位置を取得してよい。制御部27は、当該任意の位置に基づいて、撮像装置に映像を取得させてよい。制御部27は、前述のように、第1の通報画像又は第2の通報画像が表示される端末装置13から任意に指定される位置そのものが情報として送信されることにより、当該任意に指定される位置を取得する。又は、制御部27は、前述のように、第3の通報画像が表示される端末装置13から送信される移動体12内での方向と、当該端末装置13の移動体12内での位置及び移動体12内の他の端末装置13の位置とに基づいて、任意に指定される位置を取得する。具体的には、制御部27は、端末装置13の移動体12での位置から、受信する移動体12内での方向に位置する他の端末装置13を記憶部29から探索することにより、任意に指定される位置を取得してよい。
【0060】
次に、本実施形態において制御部27が実行する、第1の識別情報管理処理について、
図8のフローチャートを用いて説明する。第1の識別情報管理処理は、通信装置15を介した乗降登録部16からの通信を受信する場合に開始する。
【0061】
ステップS100において、制御部27は、搭乗者が移動体12に搭乗する状況であるか、退去する状況であるかを判別する。搭乗する状況である場合、プロセスはステップS101に進む。退去する状況である場合、プロセスはステップS103に進む。
【0062】
ステップS101では、制御部27は、新規な第1の識別情報を生成する。更に、制御部27は、乗降登録部16及び通信装置15を介して端末装置13から送信される第4の識別情報を、生成した第1の識別情報に関連付けて記憶部29に格納する。格納後、プロセスはステップS102に進む。
【0063】
ステップS102では、制御部27は、ステップS101において生成した第1の識別情報を、通信装置15及び乗降登録部16を介して端末装置13に送信する。送信後、第1の識別情報管理処理は終了する。
【0064】
ステップS103では、制御部27は、乗降登録部16及び通信装置15を介して端末装置13から送信される第1の識別情報及び第4の識別情報を記憶部29から削除する。削除後、プロセスはステップS104に進む。
【0065】
ステップS104では、制御部27は、第1の識別情報の削除の指令を、通信装置15及び乗降登録部16を介して端末装置13に送信する。送信後、第1の識別情報管理処理は終了する。
【0066】
次に、本実施形態において制御部27が実行する、異常対応処理について、
図9のフローチャートを用いて説明する。異常対応処理は、異常通知を受信する場合に開始する。
【0067】
ステップS200において、制御部27は、異常通知が生体異常若しくは介助依頼に基づいているか、又は周囲異常に基づいているかを判別する。生体異常又は介助依頼に基づく場合、プロセスはステップS201に進む。周囲異常に基づく場合、プロセスはステップS202に進む。
【0068】
ステップS201では、制御部27は、異常通知を送信した端末装置13の位置を取得する。位置の取得は、異常通知とともに位置を受信することにより実行されてよい。又は、位置の取得は、異常通知とともに取得する第1の識別情報に基づいて、当該第1の識別情報の最新の位置を記憶部29から読出すことにより実行されよい。又は、位置の取得は、異常通知とともに取得する第1の識別情報を付与された端末装置13に位置の通知要請の送信に対して新規に受信することにより実行されてよい。取得後、プロセスはステップS203に進む。
【0069】
ステップS202では、制御部27は、異常通知とともに受信する情報に基づいて、任意に指定される位置を取得する。任意に指定される位置の取得は、第1の通報画像又は第2の通報画像が表示される端末装置13から任意に指定される位置を受信することにより実行されてよい。又は、任意に指定される位置の取得は、第3の通報画像が表示される端末装置13から送信される移動体12内での方向と、当該端末装置13の移動体12内での位置及び移動体12内の他の端末装置13の位置とに基づく探索により実行されてよい。取得後、プロセスはステップS203に進む。
【0070】
ステップS203では、制御部27は、ステップS201又はステップS202において取得した位置を撮像する指令を、通信装置15を介して撮像部18に送信する。送信後、異常対応処理は終了する。
【0071】
以上のような構成の本実施形態の制御装置10は、移動体12への搭乗時に搭乗者の端末装置13に第1の識別情報を付与し、第1の識別情報が付与された端末装置13からの異常通知に応じて、端末装置13によって指定される移動体12の内部の任意の位置の映像を、移動体12内に設置される撮像装置によって取得させる。このような構成により、制御装置10は、異常の発生を具体的に判断した搭乗者が携行する端末装置13から異常通知及び任意の位置を把握するので、監視の必要性の高い領域に注目した画像を取得し得る。
【0072】
又、制御装置10は、端末装置13に付与した第1の識別情報を記憶する記憶部29を更に備え、制御部27は搭乗者の移動体12からの退去時に当該搭乗者の端末装置13に付与した第1の識別情報を記憶部29から削除する。このような構成により、制御装置10は、端末装置13を介して搭乗中の搭乗者を認識し得る。したがって、制御装置10は、移動体12の外部近傍に位置する搭乗者の端末装置13から情報を受信したとしても、当該情報を不要な情報と認定し得る。
【0073】
以上、制御装置10の実施形態を説明してきたが、本開示の実施形態としては、装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、又はメモリカード等)としての実施態様をとることも可能である。
【0074】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であってもよい。さらに、プログラムは、制御基板上のCPUにおいてのみ全ての処理が実施されるように構成されてもされなくてもよい。プログラムは、必要に応じて基板に付加された拡張ボード又は拡張ユニットに実装された別の処理ユニットによってその一部又は全部が実施されるように構成されてもよい。
【0075】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0076】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0077】
本開示に記載された構成要件の全て、及び/又は、開示された全ての方法、又は、処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。また、本開示に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一、又は、均等となる特徴の一例にすぎない。
【0078】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0079】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の通報画像は、第2の通報画像と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0080】
10 制御装置
11 監視システム
12 移動体
13 端末装置
14 ネットワーク
15 通信装置
16 乗降登録部
17 アンテナ
18 撮像部
19 乗降口
20 生体センサ部
21 方位センサ
22 表示部
23 入力部
24 通信部
25 記憶部
26 制御部
27 制御部
28 通信部
29 記憶部
ps 他の搭乗者の移動体における位置