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特開2025-7931レーザー式ガス濃度測定装置およびそれを備えた包装機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007931
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】レーザー式ガス濃度測定装置およびそれを備えた包装機
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/61 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G01N21/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109696
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
(72)【発明者】
【氏名】宮部 祐樹
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059EE01
2G059GG01
2G059GG02
2G059HH02
2G059JJ11
2G059PP02
(57)【要約】
【課題】レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部のセンサ突起部およびレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部のセンサ突起部が吸着時に包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがないレーザー式ガス濃度測定装置およびそれを備えた包装機を提供する。
【解決手段】本発明のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、第1吸着部6および第2吸着部7がそれぞれ、包装容器Hの吸着時におけるセンサ突起部70,71による包装容器Hの損傷を防止するための包装容器損傷防止部72を有している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、前記包装容器の吸着時におけるセンサ突起部による前記包装容器の損傷を防止するための包装容器損傷防止部を有していることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置。
【請求項2】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周がR面取りされていることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置。
【請求項3】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周が透明性カバーまたは透明性シートにて被包され、或いは透明性材料にて被覆されていることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置。
【請求項4】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端に球面形状のレーザー光屈折用レンズが設けられていることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置。
【請求項5】
前記第1吸着部および前記第2吸着部は、前記包装容器の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザー式ガス濃度測定装置。
【請求項6】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、前記包装容器の吸着時におけるセンサ突起部による前記包装容器の損傷を防止するための包装容器損傷防止部を有しているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機。
【請求項7】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周がR面取りされているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機。
【請求項8】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周が透明性カバーまたは透明性シートにて被包され、或いは透明性材料にて被覆されているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機。
【請求項9】
特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端に球面形状のレーザー光屈折用レンズが設けられているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機。
【請求項10】
前記第1吸着部および前記第2吸着部は、前記包装容器の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている請求項6ないし9のいずれかに記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器内の特定ガスの濃度を測定することができるレーザー式ガス濃度測定装置およびそれを備えた包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
被包装物が特に食品の場合、保存期間や賞味期限を長くするために、包装時に包装容器内に残留する空気を排除して窒素等の不活性ガスを充填するガス置換包装が行われている。例えば特許文献1には、包装容器内に被包装物を投入すると共に、包装容器に挿入したノズルから不活性ガスを充填して、不活性ガスと包装容器内の酸素との置換作用を行なう不活性ガス充填方法が開示されている。
【0003】
そして、製品検査において、被包装物を包装した包装容器内に残存する酸素濃度を計測する方法として、本件出願人が例えば特許文献2にレーザー式ガス濃度測定装置による計測方法を提案している。
【0004】
ところで、このレーザー式ガス濃度測定装置による計測方法は、大半のガス分子が特定波長の光を吸収するという性質を利用して、一定距離内のガス分子の数を計測しガス濃度を測定するものである。そのため、レーザー式ガス濃度測定装置のレーザー発生部の先端部やレーザー受光部の先端部と包装容器(被測定物)との間隙にガス分子が存在しないよう、それらの密着性が重要となる。
【0005】
しかし、包装容器が特に極薄のトレイフィルムや包装袋である場合などには、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部のセンサ突起部およびレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部のセンサ突起部が強く接触して包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3742042号公報
【特許文献2】特許第5124719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部のセンサ突起部およびレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部のセンサ突起部が吸着時に包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがないレーザー式ガス濃度測定装置およびそれを備えた包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、前記包装容器の吸着時におけるセンサ突起部による前記包装容器の損傷を防止するための包装容器損傷防止部を有していることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置である(請求項1)。
【0009】
また、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周がR面取りされていることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置である(請求項2)。
【0010】
さらに、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周が透明性カバーまたは透明性シートにて被包され、或いは透明性材料にて被覆されていることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置である(請求項3)。
【0011】
さらに、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端に球面形状のレーザー光屈折用レンズが設けられていることを特徴とするレーザー式ガス濃度測定装置である(請求項4)。
【0012】
前記第1吸着部および前記第2吸着部は、前記包装容器の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザー式ガス濃度測定装置である(請求項5)。
【0013】
さらに、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、前記包装容器の吸着時におけるセンサ突起部による前記包装容器の損傷を防止するための包装容器損傷防止部を有しているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項6)。
【0014】
さらに、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周がR面取りされているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項7)。
【0015】
さらに、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端面の外周が透明性カバーまたは透明性シートにて被包され、或いは透明性材料にて被覆されているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項8)。
【0016】
さらに、上記課題を解決するものは、特定波長のレーザー光を照射する発信器を有するレーザー発生部と、前記発信器から発振されるレーザー光を受光する受信器を有するレーザー受光部とを備えたレーザー式ガス濃度計を有し、前記レーザー発生部の先端部には包装容器を吸着するための第1吸着部が設けられ、前記レーザー受光部の先端部には前記包装容器を吸着するための第2吸着部が設けられ、前記第1吸着部および前記第2吸着部はそれぞれ、センサ突起部の先端に球面形状のレーザー光屈折用レンズが設けられているレーザー式ガス濃度測定装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項9)。
【0017】
前記第1吸着部および前記第2吸着部は、前記包装容器の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている請求項6ないし9のいずれかに記載の包装機である(請求項10)。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載のレーザー式ガス濃度測定装置によれば、第1吸着部および第2吸着部がそれぞれ包装容器の損傷を防止する包装容器損傷防止部を有しているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0019】
請求項2に記載のレーザー式ガス濃度測定装置によれば、第1吸着部および第2吸着部はそれぞれ先端面の外周がR面取りされているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0020】
請求項3に記載のレーザー式ガス濃度測定装置によれば、第1吸着部および第2吸着部はそれぞれ先端面が透明性カバーまたは透明性シートにて被包され、或いは透明性材料で被覆されているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0021】
請求項4に記載のレーザー式ガス濃度測定装置によれば、第1吸着部および第2吸着部はそれぞれ先端面に球面形状のレーザー光屈折用レンズが設けられているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0022】
請求項5に記載のレーザー式ガス濃度測定装置によれば、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部およびレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が振動することによって、より包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与える振動機構を備えたレーザー式ガス濃度測定装置であっても、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0023】
請求項6に記載の包装機によれば、第1吸着部および第2吸着部がそれぞれ包装容器の損傷を防止する包装容器損傷防止部を有しているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0024】
請求項7に記載の包装機によれば、第1吸着部および第2吸着部はそれぞれ先端面の外周がR面取りされているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0025】
請求項8に記載の包装機によれば、第1吸着部および第2吸着部はそれぞれ先端面が透明性カバーまたは透明性シートにて被包され、或いは透明性材料で被覆されているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0026】
請求項9に記載の包装機によれば、第1吸着部および第2吸着部はそれぞれ先端面に球面形状のレーザー光屈折用レンズが設けられているため、吸着時にセンサ突起部の角部が包装容器に当接することがなく、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【0027】
請求項10に記載の包装機によれば、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部およびレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が振動することによって、より包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与える振動機構を備えたレーザー式ガス濃度測定装置であっても、レーザー発生部の先端部に設けられた第1吸着部やレーザー受光部の先端部に設けられた第2吸着部が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の一実施例を説明するための正面図である。
図2図1の右側面図である。
図3図1の平面図である。
図4図1に示したレーザー式ガス濃度測定装置のセンサーベッドの拡大正面図である。
図5図4の底面図である。
図6図1に示したレーザー式ガス濃度測定装置の特徴的構成を説明するための説明図である。
図7図1に示したレーザー式ガス濃度測定装置のセンサーベッド内の構造を説明するための正面側から視た一部拡大縦断面図である。
図8図1に示したレーザー式ガス濃度測定装置の作用を説明するための説明図である。
図9】本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例の特徴的構成を説明するための説明図である。
図10】本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例の特徴的構成を説明するための説明図である。
図11】本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例およびその作用を説明するための説明図である。
図12】本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例およびその作用を説明するための説明図である。
図13】本発明の包装機の一実施例を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明では、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、包装容器Hの吸着時におけるセンサ突起部70,71による包装容器Hの損傷を防止するための包装容器損傷防止部72を有していることで、レーザー発生部2の先端部に設けられた第1吸着部6のセンサ突起部70およびレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7のセンサ突起部71が吸着時に包装容器(被測定物)Hにキズやピンホール等の損傷を与えることがないレーザー式ガス濃度測定装置Gおよびそれを備えた包装機Pを実現した。
【実施例0030】
本発明のレーザー式ガス濃度測定装置を図1ないし図8に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装容器H内の特定ガスの濃度を測定するレーザー式ガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、包装容器Hの吸着時の振動に伴うセンサ突起部70,71による包装容器Hの損傷を防止するための包装容器損傷防止部72を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0031】
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスによりガス置換をして包装された包装容器H内の特定ガスである酸素濃度をレーザー式ガス濃度計5によって測定するものであり、単独の測定装置として使用され、または、ロータリー式包装機、トラック式包装機、横ピロー包装機、縦ピロー包装機、製袋包装機等の各種包装機のアウトラインに設けられたコンベア式検査工程に設置して使用され、さらには、ロータリー式包装機、トラック式包装機、横ピロー包装機、縦ピロー包装機、製袋包装機等の各種包装機内の検査工程に設置して使用される。
【0032】
本願における包装容器とは、包装袋、上端が開口したトレイと上端開口を被覆するフィルムからなるトレイ型樹脂製包装容器、瓶類の他、食品を充填した包装容器に限定されず、例えば医療用輸液を充填した輸液バッグなどの食品以外を充填した包装容器も広く包含される概念である。
【0033】
レーザー式ガス濃度計5は、図7に示すように、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4を備えている。この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、包装容器Hに対して一面側からレーザー発生部2の先端部の第1吸着部6とレーザー受光部4の先端部の第2吸着部7が当接するように構成されているが、これに限定されるものではなく、レーザー発生部2とレーザー受光部4が包装容器Hの両側に対向配置されるように構成されたものも本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の範疇に包含される。
【0034】
レーザー式ガス濃度計5は、半導体レーザーを光源とする赤外線吸収分光法を利用するもので、測定対象の分子(測定ガス:この実施例では酸素ガス)に固有周波数の光を与えると光エネルギーを吸収し、これを測定することによりガス濃度の表示を行なうものである。
【0035】
具体的には、レーザー発生部2の発信器1から発振されるレーザー光Lは、レーザー発生部2の鏡筒部9内を通過して包装容器H内に侵入し、レーザー受光部4の受信器3に受光されるように構成されている。発信器1から発振される特定波長のレーザー光Lは、酸素ガスの場合、波長(固有周波数)760~770nmの範囲から選択される。そして、特定波長のレーザー光Lが、包装容器H内に残留している酸素ガスによって吸収されると、レーザー受光部4の受信器3に受光されたレーザー光Lの吸光度に基づいて包装体H内に残留している酸素ガスのガス濃度が測定されるように構成されている。
【0036】
レーザー発生部2は、発信器1から発振されるレーザー光Lの波長を特定の波長に設定し、所定の光強度に調整する制御部10を有している。制御部10は、半導体レーザー素子(図示しない)から出力されるレーザー光Lの波長を測定対象の特定ガス固有の特定波長に調整して、レーザー光Lが所定の入射光強度で射出されるように増幅制御する。
【0037】
レーザー受光部4は、包装容器Hを透過したレーザー光Lを受光する受信器3と、受信器3からの受光信号に基づいてガス濃度を測定する測定部12とを有している。
【0038】
受信器3は、包装容器Hを透過したレーザー光Lの透過光強度を電気的な透過光信号に変換する素子、例えばフォトダイオード(図示しない)を有している。これによって、包装容器Hを透過したレーザー光Lの透過光強度を電気的に処理することができる。
【0039】
測定部12は、透過光強度に係る透過光信号と、発信器1から発振されたレーザー光Lの入射光強度に係る入射光信号に基づいて透過率を計算し、当該透過率に基づいてレーザー光の特定ガスによる吸光度を求め、当該吸光度に基づいて包装容器H内の特定ガスの濃度を測定するように構成されている。
【0040】
そして、レーザー発生部2またはレーザー受光部4は、先端部にそれぞれ包装容器Hを吸着可能な第1吸着部6または第2吸着部7を有している。第1吸着部6または第2吸着部7はそれぞれ吸盤部6a,7aを有しており、それら吸盤部の内部6a,7aには、それぞれセンサ突起部70,71が配されている。これら第1吸着部6または第2吸着部7は、レーザー発生部2の先端部やレーザー受光部4の先端部と被測定物(包装容器H)との密着性または密閉性を確保(隙間なく付着させ空気を入れない状態を確保)するために設けられている。
【0041】
具体的には、レーザー発生部2またはレーザー受光部4は、図7に示すように、鏡筒部9,13の先端部に包装容器Hを吸着可能な第1吸着部6または第2吸着部7をそれぞれ有している。これらの第1吸着部6または第2吸着部7は、吸引穴14,15が鏡筒部9,13に設けられた連通路16,17を介して第一真空源20および第二真空源21に連通されることによりそれぞれ吸引可能に構成されている。
【0042】
なお、この実施例のレーザー式ガス濃度計5は、連通路16,17とレーザー経路18,19とがそれぞれ連通しているため、第1吸着部6または第2吸着部7による吸引によって、レーザー発生部2とレーザー受光部4のレーザー経路18,19内も同様の真空雰囲気下となり測定精度をより高めることができるよう構成されている。
【0043】
また、鏡筒部9,13の先端部には、図7に示すように、発信器1から発振されるレーザー光Lを屈折させてレーザー受光部4の受信器3に受光させるためのレンズ26a,26bがそれぞれ設けられている。これにより、発信器1から発振されるレーザー光Lを屈折させて受信器3に対する光軸を調整し、レーザー光Lを受信器3に確実に受光させることができるように構成されている。
【0044】
そして、レーザー発生部2の第1吸着部6とレーザー受光部4の第2吸着部7は、図4ないし図7に示すように、センサーヘッド27に取り付けられ、このセンサーヘッド27が図8に示した往復動機構28により往復動可能に構成されることでレーザー発生部2の第1吸着部6およびレーザー受光部4の第2吸着部7が包装容器Hに当接可能に構成されている。このように、レーザー式ガス濃度測定装置Gは、レーザー発生部2の第1吸着部6およびレーザー受光部4の第2吸着部7を備えたセンサーヘッド27を往復動機構28により往復動させることで包装容器Hに当接可能であるため、様々な種類の包装容器や包装機に対して汎用的に使用可能で、かつ簡素な構造にて包装容器内のガス濃度を測定できるように構成されている。なお、この実施例の往復動機構28はエアシリンダにて構成されているが、これに限定されるものではなく、センサーヘッド27を往復動させることができるものであればどのようなものでもよく、例えばサーボモータなどでもよい。
【0045】
さらに、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、図5に示すように、第1吸着部6と第2吸着部7の配置ラインの中点にて直交するライン上に設けられた第3吸盤部29および第4吸盤部30を有している。これら第3吸盤部29および第4吸盤部30によって、より確実に包装容器Hを吸着することができ、包装容器H内のガス濃度の測定精度を向上させることができるよう構成されている。第3吸盤部29および第4吸盤部30は、第1吸着部6と第2吸着部7と同様、第一真空源20および第二真空源21により吸引可能に構成されている。なお、第1吸着部6と第2吸着部7は、図6ないし図8に示すように、包装容器Hに対して斜め方向から当接し吸着するが、第3吸盤部29および第4吸盤部30は包装容器Hに対して直交する方向から当接し吸着するように構成されており、第1吸着部6と第2吸着部7による吸着を補助し、包装容器Hをより確実に吸着するよう作用する。
【0046】
振動機構8は、第1吸着部6および第2吸着部7を包装容器Hの吸着時に振動させるためのものであり、この実施例の振動機構8は、図8に示すように、異なる真空圧力(真空度)に設定された第一真空源20と第二真空源21を有し、第一真空源20による吸引時に第二真空源21のON・OFFを高速(良好な振動を発生させるためには好ましくは10~100Hz、この実施例では30HzでON・OFFまたは電磁弁を開閉するように設定されている。)で繰り返すことで脈動を発生させ第1吸着部6および第2吸着部7を振動させる。
【0047】
具体的には、この実施例の振動機構8は、第一真空源20が第一真空ポンプであり、第二真空源21が第二真空ポンプであり、第一真空ポンプ20を開閉する第一真空電磁弁22と、第二真空ポンプ21を開閉する第二真空電磁弁23とを有し、第一真空電磁弁22を開いて第一真空ポンプ20(例えば-40kPa)にて吸引し、かつ第二真空電磁弁23による開閉を高速で繰り返しながら第二真空ポンプ21(例えば-60kPa)にて吸引することで脈動を発生させ、第1吸着部6および第2吸着部7を振動させる。これにより、第1吸着部6および第2吸着部7の吸着時に真空圧力に強弱をつけることができ、第1吸着部6および第2吸着部7と包装容器Hとの間隙に存在する空気を除去して密着性を向上させることができると共に、包装容器H内の残存酸素等も循環させ包装容器H内のガス濃度の測定精度を向上させることができるよう構成されている。なお、この図8では包装容器Hが包装袋で表されているがトレイ型樹脂製包装容器であってもよい。
【0048】
第一真空ポンプ20、第二真空ポンプ21、第一真空電磁弁22、第二真空電磁弁23、第一真空ポンプ20および第二真空ポンプ21の真空圧力を設定する操作パネル24は、図8に示すようにPLC25により制御されるように構成されている。
【0049】
なお、真空源は、この実施例のような真空ポンプに限定されるものではなく、吸引可能なものであればどのようなものでもよく、例えばブロワやエジェクタなどであってもよい。また、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30がセンサーヘッド27の定位置に固定されているが、これに限定されるものではなく、包装容器または包装機に対応して、第1吸着部6と第2吸着部7の離隔距離または第3吸盤部29と第4吸盤部30の離隔距離をスライド機構などにより調整可能に構成されたものも本発明の範疇に包含される。
【0050】
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、図1ないし図3および図8に示すように、包装容器Hを順次搬送するコンベア31、第一真空源20、第二真空源21、第一真空電磁弁22、第二真空電磁弁23、操作パネル24、PLC25、往復動機構28、往復動機構28により昇降可能に設けられたセンサーヘッド27およびセンサーカバー(透明性樹脂ボックス)32を有している。そして、コンベア31により順次搬送されてくる包装容器Hに対して、センサーヘッド27が往復動機構28により順次降下して包装容器Hの上面に被覆されたフィルムに当接し、振動機構8により第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30にて包装容器Hを吸着しながら振動させることにより包装容器H内のガス濃度(この実施例では酸素濃度)を順次測定するように構成されている。
【0051】
なお、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、振動機構8により第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30をすべて振動させるものであるが、第3吸盤部29および第4吸盤部30は別の真空源にて包装容器Hを吸着するように構成され振動機構により振動しないものも本発明の範疇に包含される。
【0052】
そして、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置Gは、図6または図7に示すように、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、包装容器Hの吸着時の振動に伴うセンサ突起部70,71による包装容器Hの損傷を防止するための包装容器損傷防止部72を有している。これにより、包装容器Hの吸着時にレーザー発生部2の先端部に設けられた第1吸着部6およびレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7を振動させる振動機構8を備えたレーザー式ガス濃度測定装置であっても、レーザー発生部2の先端部に設けられた第1吸着部6のセンサ突起部70およびレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7のセンサ突起部71が吸着時の振動により包装容器(被測定物)Hにキズやピンホール等の損傷を与えることが防止される。
【0053】
具体的には、この実施例の包装容器損傷防止部72は、第1吸着部6および第2吸着部7がそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aの外周がR面取りされていることにより形成されたR面取り部にて構成されている。これら包装容器損傷防止部72によりセンサ突起部70,71の先端面70a,70bの外周角部がなくなり、このセンサ突起部70,71の角部が包装容器Hに当接することがなく、レーザー発生部2の先端部に設けられた第1吸着部6やレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7が包装容器Hにキズやピンホール等の損傷を与えることが防止される。
【0054】
つぎに、図9に示した本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例について説明する。
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置80は、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装容器H内の特定ガスの濃度を測定するレーザー式ガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aの外周が透明性カバーまたは透明性シート81にて被包され、或いは透明性材料81にて被覆されている。
【0055】
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置80と前述したレーザー式ガス濃度測定装置Gとの相違は包装容器損傷防止部(透明性シート或いは透明性材料)81の構成のみであり、他はレーザー式ガス濃度測定装置Gと同様である。レーザー式ガス濃度測定装置Gと同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0056】
具体的には、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置80では、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aの外周が透明性カバーまたは透明性シート(包装容器損傷防止部)81にて被包され、或いは透明性材料(包装容器損傷防止部)81にて被覆(コーティング)されている。
【0057】
そして、これらの包装容器損傷防止部(透明性シートまたは透明性シート或いは透明性材料)81により、センサ突起部70,71の先端面70a,70bの外周部に存在する角部が被包または被覆(コーティング)されるため、センサ突起部70,71の角部が包装容器Hに当接することがなく、レーザー発生部2の先端部に設けられた第1吸着部6やレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7が包装容器Hにキズやピンホール等の損傷を与えることが防止される。
【0058】
なお、包装容器損傷防止部81を構成する透明性シート或いは透明性材料の形成材料としては、使用する包装容器Hに当接してもキズやピンホール等の損傷を与えないものであればどのようなものでもよく、例えば軟質樹脂やシリコーンなどが好適に使用できる。また、連通路16,17の吸引穴14,15側の端部(穴)は、突起部70,71の先端面70a,71aを被包または被覆した透明性カバー、透明性シートまたは透明性材料(包装容器損傷防止部)81に設けてもよく、突起部70,71の側部に設けてもよい。
【0059】
さらに、図10に示した本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例について説明する。
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置90は、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装容器H内の特定ガスの濃度を測定するレーザー式ガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aに球面形状のレーザー光屈折用レンズ(包装容器損傷防止部)91が設けられている。
【0060】
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置90と前述したレーザー式ガス濃度測定装置Gとの相違は、包装容器損傷防止部(球面形状のレーザー光屈折用レンズ)91の構成のみであり、他はレーザー式ガス濃度測定装置Gと同様である。レーザー式ガス濃度測定装置Gと同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0061】
具体的には、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置90では、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aに球面形状のレーザー光屈折用レンズ(包装容器損傷防止部)91を有している。この球面形状のレーザー光屈折用レンズ(包装容器損傷防止部)91は先端側が球面形状で、基端側がセンサ突起部70,71の先端面70a,71aと同一外形(この実施例では円形)に形成され、先端面70a,71aにそれぞれ取り付けられている。ただし、先端側および基端側が球面形状のレーザー光屈折用レンズがセンサ突起部の先端に配されていてもよい。また、連通路16,17の吸引穴14,15側の端部(穴)は、突起部70,71の先端面70a,71aに取り付けられた球面形状のレーザー光屈折用レンズ(包装容器損傷防止部)91に設けてもよく、突起部70,71の側部に設けてもよい。さらに、球面形状のレーザー光屈折用レンズとしては、例えばサファイヤレンズが好適に使用できる。
【0062】
このように、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置90は、第1吸着部6および第2吸着部7がそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,70bに球面形状のレーザー光屈折用レンズ(包装容器損傷防止部)91を有しているため、包装容器の吸着時にレーザー発生部2の先端部に設けられた第1吸着部6およびレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7を振動させる振動機構8を備えたレーザー式ガス濃度測定装置であっても、センサ突起部70,71の角部が包装容器Hに当接することがなく、レーザー発生部の先端部2に設けられた第1吸着部6やレーザー受光部4の先端部に設けられた第2吸着部7が包装容器(被測定物)にキズやピンホール等の損傷を与えることが防止される。
【0063】
なお、本発明における包装容器損傷防止部は、図6および図7図9または図10に示した各実施例に限定されるものではなく、第1吸着部および第2吸着部のセンサ突起部の角部が包装容器に直接接触しないようにした構成を広く包含する。
【0064】
さらに、図11に示した本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例について説明する。
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置と前述したレーザー式ガス濃度測定装置Gとの相違は振動機構の構成のみであり、他はレーザー式ガス濃度測定装置Gと同様である。レーザー式ガス濃度測定装置Gと同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0065】
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置は、第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30にて吸引して包装容器Hを吸着するための真空源は真空ポンプ41のみであり、真空ポンプ41による吸引は、PLC25による真空ポンプ41および真空電磁弁42の制御によって行われる。そして、この実施例の振動機構40は、第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30が取り付けられたセンサーヘッド27にバイブレーター43が設けられ、このバイブレーター43が振動することでセンサーヘッド27が振動し、これに伴って第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30が、真空ポンプ41による吸引中に振動するように構成されている。
【0066】
なお、この実施例のバイブレーター43は、PLC25により振動電磁弁44が制御されることによりバイブレーター43を振動させるエアー式ロータリー型バイブレーターであるが、センサーヘッド27または少なくとも第1吸着部6および第2吸着部7を振動させることができるものであればどのような振動装置でもよく、例えばエアー式ピストン型振動機や電気式バイブレーターなどで構成されたレーザー式ガス濃度測定装置も本発明の範疇に包含される。
【0067】
さらに、図12に示した本発明のレーザー式ガス濃度測定装置の他の実施例について説明する。
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置と前述したレーザー式ガス濃度測定装置Gとの相違も振動機構の構成のみであり、他はレーザー式ガス濃度測定装置Gと同様である。レーザー式ガス濃度測定装置Gと同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0068】
この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置は、第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30にて吸引して包装容器Hを吸着するための真空源は真空ポンプ51のみであり、真空ポンプ51による吸引はPLC25により真空ポンプ51および真空電磁弁52を制御することにより行われる。
【0069】
そして、この実施例の振動機構50は、上記吸引機構(真空ポンプ51および真空電磁弁52)と、大気と連通する大気連通部54(この実施例では一端側が大気開放されたパイプ55と、パイプ55を開閉するための電磁弁53)とを有している。
【0070】
そして、真空源(真空ポンプ51)による吸引時に大気連通部54の開閉を高速で繰り返すことで脈動を発生させ、第1吸着部6、第2吸着部7、第3吸盤部29および第4吸盤部30を振動させるように構成されている。
【0071】
このように、本発明のレーザー式ガス濃度測定装置は2つの異なる圧力を用いて脈動を生起させるために、前述したレーザー式ガス濃度測定装置Gのように、2つの真空源である第一真空源30と第二真空源32を使用するものに限定されず、この実施例のレーザー式ガス濃度測定装置のように、1つの真空源(真空ポンプ51)と大気連通部54とを有し、異なる圧力を真空圧力と大気圧で実現したものも本発明の範疇に包含される。
【0072】
さらに、本発明の包装機の実施例について順次説明する。
図13に示した実施例の包装機Pは、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、包装容器Hの吸着時の振動に伴うセンサ突起部70,71による包装容器Hの損傷を防止するための包装容器損傷防止部72を有しているレーザー式ガス濃度測定装置Gを備えている包装機である。以下、各構成について説明するがレーザー式ガス濃度測定装置Gについては同一構成であるため同一符号を付し説明を省略する。
【0073】
この包装機Pはロータリー包装機であり、各種包装工程後の下流側アウトラインQにレーザー式ガス濃度測定装置Gが設けられ、コンベア31にて順次搬送されてくる包装容器Hに対して上方よりセンサーヘッド27が昇降して酸素濃度を測定するように構成されている。なお、図13ではレーザー式ガス濃度測定装置Gのセンサーカバー32、操作パネル24およびPLC25は省略されている。
【0074】
具体的には、この実施例の包装機Pは、ロータリー式ガス充填包装機であり、給袋工程を行う給袋ステーション、賞味期限等の印字工程を行う印字ステーション、包装容器の開口工程を行う開口ステーション、被包装物の充填工程を行う充填ステーション、ノズル挿入及び仮付けシール工程を行う仮シールステーション、ガス置換・モミホグシ工程を行うガス置換ステーション、トップシール工程を行うトップシールステーション、シール冷却工程を行うシール冷却テーションおよび製品排出工程を行う製品排出ステーションの各包装ステーションにて製品(食品)を量産する包装機である。
【0075】
包装機Pの機台60上には、縦向きの間欠回転軸(図示しない)を回転自由に支持したスタンド61が設けられ、その間欠回転軸に取り付けた円盤状回転体62には、包装容器Hを掴着又は釈放するための複数のグリップ対gが等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。そして、これらのグリップ対gに包装容器(包装袋)Hが吊り下げ状に支持されて間欠移動し、各包装ステーションにおいて包装工程が行われるように構成されている。
【0076】
なお、この実施例の包装機Pは、円盤状回転体62を間欠回転駆動させるロータリー式ガス充填包装機であるが、本発明の包装機はこれに限定されるものではなく、公知の直線移動方式またはトラック方式の包装機でもよい。このトラック方式の包装機とは、例えば直線部とその両端の半円形部からなる環状通路を水平移動する移動体に多数のグリップ対を直立姿勢または水平姿勢に変換自在に設け、給袋工程で供給される包装容器を各グリップ対に支持して当該包装容器を開口工程、被包装物充填工程、ガス充填工程、袋口のシール工程等の各工程に間欠停止させて被包装物の袋詰めを行うようにした構造のものをいう。
【0077】
図13に示した包装機Pは、製品排出後の下流側アウトラインQにレーザー式ガス濃度測定装置Gが配置されたものであるが、本発明の包装機は、包装工程中の一包装ステーションにレーザー式ガス濃度測定装置が配されたものであってもよい。
【0078】
具体的には、例えばシール冷却工程を行うシール冷却テーションと製品排出工程を行う製品排出ステーションとの間に包装容器(包装袋)のガス濃度を測定する工程を行うガス濃度測定ステーションが設けられ、グリップ対により吊り下げ状に支持されて順次間欠移動して来る包装容器(包装袋)に対して、外側に配置されたレーザー式ガス濃度測定装置Gによってガス濃度を順次測定するように構成されたものであってもよい。
【0079】
さらに、本発明の包装機の範疇には横ピロー包装機も含まれ、例えばシート状のフィルムを送り出して製袋しつつ被包装物を当該袋(包装容器)内に充填し、センターシールした後、底部を順次シールカットして包装する横ピロー包装機において、センターシール部や製品排出部などに本発明のレーザー式ガス濃度測定装置を配置した包装機も含まれる、
【0080】
さらに、本発明の包装機の範疇には縦ピロー包装機も含まれ、例えばシート状のフィルムを送り出して製袋しつつ被包装物をホッパーより当該袋(包装容器)内に充填し、底シールおよびカッター部にてシールカットして包装する縦ピロー包装機において、底シールおよびカッター部または製品排出部などに本発明のレーザー式ガス濃度測定装置を配置した包装機も含まれる。
【0081】
さらに、本発明の包装機としては、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装容器H内の特定ガスの濃度を測定するレーザー式ガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aの外周が透明性カバーまたは透明性シート81にて被包され、或いは透明性材料81にて被覆されているレーザー式ガス濃度測定装置80を備えた包装機であってもよい。レーザー式ガス濃度測定装置80の各構成について前述した通りであり、同一構成部分について同一符号を付し説明を省略する。
【0082】
さらに、本発明の包装機としては、被包装物Sを充填しガス置換して包装された包装容器H内の特定ガスの濃度を測定するレーザー式ガス濃度測定装置であって、特定波長のレーザー光Lを照射する発信器1を有するレーザー発生部2と、発信器1から発振されるレーザー光Lを受光する受信器3を有するレーザー受光部4とを備えたレーザー式ガス濃度計5を有し、レーザー発生部2の先端部には包装容器Hを吸着するための第1吸着部6が設けられ、レーザー受光部4の先端部には包装容器Hを吸着するための第2吸着部7が設けられ、第1吸着部6および第2吸着部7は包装容器Hの吸着時に振動機構8により振動可能に構成され、第1吸着部6および第2吸着部7はそれぞれ、センサ突起部70,71の先端面70a,71aに球面形状のレーザー光屈折用レンズ(包装容器損傷防止部)91が設けられているレーザー式ガス濃度測定装置90を備えた包装機であってもよい。レーザー式ガス濃度測定装置90の各構成について前述した通りであり、同一構成部分について同一符号を付し説明を省略する。
【符号の説明】
【0083】
G レーザー式ガス濃度測定装置
P 包装機
S 被包装物
H 包装容器
1 発信器
2 レーザー発生部
3 受信器
4 レーザー受光部
5 レーザー式ガス濃度計
6 第1吸着部
7 第2吸着部
8 振動機構
9 鏡筒部
10 制御部
11 受光ケーブル
12 測定部
13 鏡筒部
14,15 吸引穴
16,17 連通路
18,19 レーザー経路
20 第一真空源(第一真空ポンプ)
21 第二真空源(第二真空ポンプ)
22 第一真空電磁弁
23 第二真空電磁弁
24 操作パネル
25 PLC
26a,26b レーザー光屈折用レンズ
27 センサーヘッド
28 往復動機構
29 第3吸盤部
30 第4吸盤部
31 コンベア
32 センサーカバー
40 振動機構
41 真空ポンプ
42 真空電磁弁
43 バイブレーター
44 振動電磁弁
50 振動機構
51 真空ポンプ
52 真空電磁弁
53 電磁弁
54 大気連通部
55 パイプ
60 機台
61 スタンド
62 円盤状回転体
70,71 センサ突起部
72 包装容器損傷防止部
80 レーザー式ガス濃度測定装置
81 包装容器損傷防止部
90 レーザー式ガス濃度測定装置
91 包装容器損傷防止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図13