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特開2025-7998空調設備の成績係数の測定方法、測定装置、及び測定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007998
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】空調設備の成績係数の測定方法、測定装置、及び測定プログラム
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20250109BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
F25B49/02 A
F25B1/00 399Y
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109800
(22)【出願日】2023-07-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】322004005
【氏名又は名称】ティーケイケイホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田尻 惠保
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 高幸
(57)【要約】
【課題】空調設備の成績係数を汎用性の高い仕法で測定する。
【解決手段】空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、冷却塔9から冷凍機8へと冷却水(循環水)を送水して供給する冷却水供給管91に第1温度計測手段32を取り付けて冷却水(循環水)の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、冷凍機8から冷却水(循環水)を回収して冷却塔9へと戻す冷却水回収管93に第2温度計測手段33を取り付けて冷却水(循環水)の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、冷却水供給管91に質量流量計測手段34を取り付けて冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、下記の数式8に従って成績係数COPを計算する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する方法であり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、
前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段を取り付けて前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、
前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段を取り付けて前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、
前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段を取り付けて前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、
下記の数式1
(数1) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する、
ことを特徴とする成績係数の測定方法。
【請求項2】
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段を取り付けて計測した消費電力量である、
ことを特徴とする請求項1に記載の成績係数の測定方法。
【請求項3】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する装置であり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する手段と、
下記の数式2
(数2) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する手段と、を備える、
ことを特徴とする成績係数の測定装置。
【請求項4】
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、
ことを特徴とする請求項3に記載の成績係数の測定装置。
【請求項5】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定するプログラムであり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する処理と、
下記の数式3
(数3) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する処理と、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする成績係数の測定プログラム。
【請求項6】
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、
ことを特徴とする請求項5に記載の成績係数の測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調設備の成績係数を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台の圧縮機と、圧縮機の各々の吐出口が接続された凝縮器と、圧縮機の各々の吸込口が接続された蒸発器とを備え、冷凍負荷に応じて圧縮機の運転台数を制御するターボ冷凍機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-204870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷凍機を含む空調設備の電力効率、エネルギー消費効率を表す指標として、一般に成績係数(COP:Coefficient Of Performance)が用いられる。成績係数(COP)は、定められた温度条件下の消費電力1kWあたりの冷房(又は暖房)能力を表し、数値が大きいほどエネルギー効率がよく、省エネ性能が高いことを示す指標である。
【0005】
ここで、冷房の成績係数(COP)を計算、測定する従来の一般的な方法では、空調設備の冷凍能力を把握するために冷凍機の本体内部にセンサー類を取り付ける必要がある。この場合、例えばパッケージエアコンなど筐体が小さいコンパクト収納のタイプでは配管周りが狭隘であるために冷凍機の本体内部にセンサー類を取り付けることができないという問題がある。
【0006】
従来の一般的な方法における上記のような問題もふまえ、空調設備の例えば性能評価に利用したり適切な制御などのための省電力管理に利用したりするために、成績係数(COP)を簡易に、また、汎用性の高い手順、方法で測定することが望まれる。
【0007】
そこで本発明は、1つの側面では、空調設備の成績係数を汎用性の高い仕法で測定することが可能な技術を提供することを目的とする。なお、本発明では冷房の成績係数(COP)の測定を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る成績係数の測定方法は、空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する方法であり、前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段を取り付けて前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段を取り付けて前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段を取り付けて前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、下記の数式1に従って成績係数COPを計算する、ようにしてもよい。
(数1) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
【0009】
本発明に係る成績係数の測定方法は、前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段を取り付けて計測した消費電力量である、ようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る成績係数の測定装置は、空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する装置であり、前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する手段と、下記の数式2に従って成績係数COPを計算する手段と、を備える、ようにしてもよい。
(数2) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
【0011】
本発明に係る成績係数の測定装置は、前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、ようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る成績係数の測定プログラムは、空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定するプログラムであり、前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する処理と、下記の数式3に従って成績係数COPを計算する処理と、をコンピュータに実行させる、ようにしてもよい。
(数3) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
【0013】
本発明に係る成績係数の測定プログラムは、前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1つの側面では、空調設備の成績係数を汎用性の高い仕法で測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態における冷凍機を含む空調設備の全体構成の概略を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る成績係数の測定方法の処理手順であり、本発明の実施の形態に係る成績係数の測定装置及び成績係数の測定プログラムにおける処理ステップを示すフロー図である。
図3】本発明の実施の形態に係る成績係数の測定装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】空調設備のヒートバランスを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。下記の実施の形態では、本発明に係る成績係数の測定方法が全体構成の概略を図1に示す冷凍機8を含む空調設備に適用される場合を例に挙げて説明する。
【0017】
(冷凍機の全体構成)
図1は、実施の形態における冷凍機8を含む空調設備の全体構成の概略を示す図である。
【0018】
冷凍機8は、冷却塔9の冷却水供給管91と、冷却水ポンプ81を介して接続されている。
【0019】
冷却塔9は、冷却水(言い換えると、循環水)を貯留する水槽92と、水槽92から冷凍機8へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管91と、冷凍機8から冷却水を回収して水槽92へと戻す冷却水回収管93と、を備える。
【0020】
冷却塔9は、図に示す例では、冷凍機8から回収された冷却水と外気(空気)とが相互に直角に交差しながら流れる直交流型である。しかしながら、冷却塔9は、直交流型に限定されるものではなく、冷凍機8から回収された冷却水と外気(空気)とが相互に逆向きに対向するように流れる向流型であってもよい。
【0021】
冷却塔9は、図に示す例では、また、冷凍機8から回収された冷却水と外気(空気)とを直接的に接触させて冷却水の一部を蒸発させることによって温度の低下を図る開放型である。しかしながら、冷却塔9は、開放型に限定されるものではなく、冷凍機8から回収された冷却水を配管回路内に流通させることによって熱交換を行う密閉型であってもよい。
【0022】
さらに言えば、冷却塔9は、冷却水回収管93(或いは、図に示す例における冷却水回収管93に相当する構成、構造)を介して冷凍機8から回収された冷却水の温度を低下させたうえで冷却水供給管91(或いは、図に示す例における冷却水供給管91に相当する構成、構造)を介して冷凍機8へと供給する仕組み、機序であれば、どのような仕組み、機序であってもよい。
【0023】
冷却塔9は図に示す例では上述のとおり開放型であり、冷却水が蒸発によって濃縮されるので、一定量の水の入れ替えを定期的に行うために注水管(図示していない)を介してブロー及び注水が行われて水槽92へと水(具体的には例えば、水道水)が補給される。
【0024】
冷凍機8は、凝縮器82、減圧機構83、蒸発器84、及び圧縮機86を備える。
【0025】
蒸発器84では、冷媒が蒸発し、冷水ポンプ88によって空調機(図示していない)から回収されて冷水配管841を流通する冷水(例えば、12℃程度)から熱を奪い冷却する。冷却された冷水(例えば、7℃程度)は空調機(図示していない)へと供給される。
【0026】
蒸発した冷媒ガスは、圧縮機86により、吸込側85から吐出側87へと昇圧して送られる。なお、圧縮機86は、「ターボ式」、「ターボコンプレッサー」、「全密閉型圧縮機」などと呼ばれるタイプの圧縮機であってよい。
【0027】
凝縮器82では、昇圧された冷媒ガスは、冷却水ポンプ81によって冷却塔9から供給されて冷却水配管821を流通する冷却水(例えば、32℃程度)によって冷却され凝縮して、熱を冷却水へと放出する。冷却水は、熱の放出を受けて、例えば37℃程度になる。
【0028】
凝縮器82で液体になった冷媒は、膨張による減圧機構83を介して蒸発器84へと戻り、再び蒸発して冷水を冷却する。冷凍機8ではこのサイクルが繰り返される。
【0029】
(成績係数の測定方法)
図2は、本発明に係る成績係数の測定方法の具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る成績係数の測定方法の処理手順を示すフロー図であり、また、本発明に係る成績係数の測定装置の具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る成績係数の測定装置1における処理ステップを示すフロー図であり、さらに、本発明に係る成績係数の測定プログラムの具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る成績係数の測定プログラムにおける処理ステップを示すフロー図である。
【0030】
実施の形態に係る成績係数の測定方法は、空調機、冷凍機8、及び冷却塔9を含む空調設備の成績係数COPを測定する方法であり、空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、冷却塔9から冷凍機8へと冷却水(循環水)を送水して供給する冷却水供給管91に第1温度計測手段32を取り付けて冷却水(循環水)の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、冷凍機8から冷却水(循環水)を回収して冷却塔9へと戻す冷却水回収管93に第2温度計測手段33を取り付けて冷却水(循環水)の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、冷却水供給管91に質量流量計測手段34を取り付けて冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、下記の数式8に従って成績係数COPを計算する、ようにしている。
【0031】
まず、本発明における成績係数の測定の考え方を説明する。
【0032】
空調設備への入力電力をPin〔kW〕とするとともに空調対象(具体的には、空調機)の冷凍能力をPcool〔kW〕とすると、成績係数COPは一般的には下記の数式4で表される。
(数4) COP = Pcool/Pin
【0033】
上記の数式4における空調対象の冷凍能力Pcool〔kW〕として、冷凍機8の蒸発器84から空調機へと供給される冷水の熱量〔kW〕が一般的には用いられる。なお、熱量は、流量と温度差と水の比熱との積で表される。
【0034】
ここで、冷却塔9からの排出熱量をPex〔kW〕とすると、空調設備のヒートバランス(言い換えると、電気エネルギーと熱エネルギーとのヒートバランス)は図4に示すようになり、このヒートバランスに基づいて下記の数式5が成り立つ。
(数5) Pex = Pcool+Pin
【0035】
上記の数式4に数式5を代入すると、成績係数COPは下記の数式6で表される。
(数6) COP = (Pex-Pin)/Pin
【0036】
冷却塔9からの排出熱量Pex〔kW〕は、冷却塔9(また、凝縮器82)の冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕、低温側温度Tlow〔℃〕、及び高温側温度Thigh〔℃〕を用いて下記の数式7で表される。なお、水の比熱は4.2〔kJ/℃/kg〕である。
(数7) Pex = 4.2×L×(Thigh-Tlow)
【0037】
上記の数式6に数式7を代入すると、最終的に、成績係数COPは下記の数式8で表される。
(数8) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
【0038】
上記の数式8のように、成績係数COPは、冷却塔9からの排出熱量Pexに対応する冷却水(循環水)の高温側温度Thighと低温側温度Tlowとの差及び質量流量L、並びに空調設備への入力電力Pinを用いて表せることが導かれる。すなわち、成績係数COPは、空調対象(具体的には、空調機)の冷凍能力Pcoolを用いなくても表せることが分かる。
【0039】
従来の一般的な方法のように上記の数式4に従って成績係数COPを計算するには、空調対象(具体的には、空調機)の冷凍能力Pcoolを把握するために冷凍機8の本体内部にセンサー類を取り付ける必要がある。この場合、例えばパッケージエアコンなど筐体が小さいコンパクト収納のタイプでは配管周りが狭隘であるために冷凍機の本体内部にセンサー類を取り付けることができないという問題がある。
【0040】
これに対して、上記の数式8に従って成績係数COPを計算するには、冷凍機8に対して外付けのセンサー類で計測可能な冷却塔9からの排出熱量Pexと空調設備への入力電力Pinとを用いるので、計算に必要なデータの収集が容易である。上記の数式8に従って成績係数COPを計算する方法は、特に、冷凍機8の蒸発器84側にセンサー類を取り付けることが困難なパッケージエアコンに適用することも可能であり、汎用性が高い。
【0041】
数式8における空調設備への入力電力Pin〔kW〕は、冷凍機8の圧縮機86に対して電力量計測手段31(電力量計)が取り付けられて消費電力量として計測される。
【0042】
数式8における冷却水(循環水)の低温側温度Tlow〔℃〕は、冷却塔9(具体的には、水槽92)から冷凍機8(具体的には、凝縮器82)へと冷却水(循環水)を送水して供給する冷却水供給管91に第1温度計測手段32(温度測定センサー)が取り付けられて計測される。
【0043】
数式8における冷却水(循環水)の高温側温度Thigh〔℃〕は、冷凍機8(具体的には、凝縮器82)から冷却水(循環水)を回収して冷却塔9(具体的には、水槽92)へと戻す冷却水回収管93に第2温度計測手段33(温度測定センサー)が取り付けられて計測される。
【0044】
数式8における冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕は、冷却塔9(具体的には、水槽92)から冷凍機8(具体的には、凝縮器82)へと冷却水(循環水)を送水して供給する冷却水供給管91に質量流量計測手段34(流量測定センサー)が取り付けられて計測される(図1参照)。
【0045】
数式8における冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕は、あるいは、冷凍機8(具体的には、凝縮器82)から冷却水(循環水)を回収して冷却塔9(具体的には、水槽92)へと戻す冷却水回収管93に質量流量計測手段(流量測定センサー)が取り付けられて計測される(図1には図示していない)。
【0046】
質量流量計測手段34は、冷却水(循環水)に気泡や異物が混入していても質量流量を正確に計測することができる流量測定センサーであることが好ましい。
【0047】
実施の形態に係る成績係数の測定方法の実行にあたっては、まず、成績係数の計算に必要な計測データを取得する(ステップS1)。
【0048】
具体的には、冷凍機8の圧縮機86に対して取り付けられている電力量計測手段31によって計測が行われて空調設備への入力電力Pin〔kW〕が取得される。
【0049】
また、冷却水供給管91に対して取り付けられている第1温度計測手段32によって計測が行われて冷却水(循環水)の低温側温度Tlow〔℃〕が取得される。
【0050】
また、冷却水回収管93に対して取り付けられている第2温度計測手段33によって計測が行われて冷却水(循環水)の高温側温度Thigh〔℃〕が取得される。
【0051】
さらに、冷却水供給管91(又は、冷却水回収管93)に対して取り付けられている質量流量計測手段34によって計測が行われて冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕が取得される。
【0052】
空調設備への入力電力Pin、並びに、冷却水(循環水)の低温側温度Tlow、高温側温度Thigh、及び質量流量Lは、同一の時点(時刻)において計測が行われて同一時点における計測値が取得される。空調設備への入力電力Pin、並びに、冷却水(循環水)の低温側温度Tlow、高温側温度Thigh、及び質量流量Lは、時系列で計測が行われてもよく、その場合は、時系列における複数時点のうちの少なくとも一部が同一の時点(時刻)とされて同一時点における計測値が取得される。
【0053】
次に、成績係数を計算する(ステップS2)。
【0054】
具体的には、ステップS1の処理において取得された空調設備への入力電力Pin並びに冷却水(循環水)の低温側温度Tlow、高温側温度Thigh、及び質量流量Lそれぞれの計測値を用いて、上記の数式8に従って成績係数COPを計算する。
【0055】
(成績係数の測定装置)
図3は、実施の形態に係る成績係数の測定装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0056】
実施の形態に係る成績係数の測定装置1は、空調機、冷凍機8、及び冷却塔9を含む空調設備の成績係数COPを測定する装置であり、空調設備への入力電力Pin〔kW〕、冷却塔9から冷凍機8へと冷却水(循環水)を送水して供給する冷却水供給管91に第1温度計測手段32が取り付けられて計測された冷却水(循環水)の低温側温度Tlow〔℃〕、冷凍機8から冷却水(循環水)を回収して冷却塔9へと戻す冷却水回収管93に第2温度計測手段33が取り付けられて計測された冷却水(循環水)の高温側温度Thigh〔℃〕、及び冷却水供給管91に質量流量計測手段34が取り付けられて計測された冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕を取得する手段としての取得部121と、下記の数式8に従って成績係数COPを計算する手段としての計算部122と、を備える、ようにしている。
【0057】
実施の形態に係る成績係数の測定プログラムは、空調機、冷凍機8、及び冷却塔9を含む空調設備の成績係数COPを測定するプログラムであり、空調設備への入力電力Pin〔kW〕、冷却塔9から冷凍機8へと冷却水(循環水)を送水して供給する冷却水供給管91に第1温度計測手段32が取り付けられて計測された冷却水(循環水)の低温側温度Tlow〔℃〕、冷凍機8から冷却水(循環水)を回収して冷却塔9へと戻す冷却水回収管93に第2温度計測手段33が取り付けられて計測された冷却水(循環水)の高温側温度Thigh〔℃〕、及び冷却水供給管91に質量流量計測手段34が取り付けられて計測された冷却水(循環水)の質量流量L〔kg/sec〕を取得する処理(ステップS1)と、下記の数式8に従って成績係数COPを計算する処理(ステップS2)と、をコンピュータ(この実施の形態では、成績係数の測定装置1)に実行させる、ようにしている。
【0058】
成績係数の測定装置1は、データサーバ2と、通信ネットワーク4を介して相互に通信可能であるように接続されている。成績係数の測定装置1は、例えば、アプリケーションサーバー(APサーバー)として構成されてもよく、また、汎用的なコンピュータによって構成されてもよい。
【0059】
通信ネットワーク4は、例えばインターネット又はモバイル通信ネットワークからなる通信回線網であり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、及びイーサネット(登録商標)などを含んでもよい。
【0060】
データサーバ2は、成績係数の計算に必要な計測データが記録、蓄積されるデータベースを格納する。
【0061】
データサーバ2は、少なくとも、通信部21、及び記憶部22を有し、これらの構成要素が当該データサーバ2の内部において通信バス29を介して相互に情報やデータの送受信(伝送)可能であるように電気的に接続されている。
【0062】
通信部21は、データサーバ2と通信ネットワーク4とを接続する、通信ネットワーク4に対する通信インターフェースとしての機能を備え、通信ネットワーク4を介して接続される成績係数の測定装置1や電力量計測手段31、第1温度計測手段32、第2温度計測手段33、及び質量流量計測手段34などの外部装置との通信処理を行う。
【0063】
電力量計測手段31、第1温度計測手段32、第2温度計測手段33、及び質量流量計測手段34は、それぞれ、通信機能を備え、各々が計測を行って取得した計測データを通信ネットワーク4を介してデータサーバ2へと送信する。
【0064】
記憶部22は、任意の記憶媒体によって構成されてよく、種々の情報やデータを記憶する。記憶部11は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)やハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などのストレージデバイスによって構成されてよく、また、複数種類の記憶媒体の組合せであってもよい。
【0065】
記憶部22は、電力データベース221、温度データベース222、及び流量データベース223を格納する。
【0066】
電力データベース221には、電力量計測手段31から送信された空調設備への入力電力Pinの計測データと、当該の空調設備への入力電力Pinが計測された時点(時刻)を示すタイムスタンプ等と、の組合せデータが記録、蓄積される。
【0067】
温度データベース222には、第1温度計測手段32から送信された冷却水(循環水)の低温側温度Tlowの計測データと、第2温度計測手段33から送信された冷却水(循環水)の高温側温度Thighの計測データと、これら冷却水(循環水)の低温側温度Tlow及び高温側温度Thighが計測された時点(時刻)を示すタイムスタンプ等と、の組合せデータが記録、蓄積される。
【0068】
流量データベース223には、質量流量計測手段34から送信された冷却水(循環水)の質量流量Lの計測データと、当該の冷却水(循環水)の質量流量Lが計測された時点(時刻)を示すタイムスタンプ等と、の組合せデータが記録、蓄積される。
【0069】
成績係数の測定装置1は、記憶部11と、制御部12と、表示部13と、入力部14と、通信部15と、を有し、これらの構成要素が当該成績係数の測定装置1の内部において通信バス19を介して電気的に接続されている。
【0070】
記憶部11は、任意の記憶媒体によって構成されてよく、種々の情報やデータを記憶する。記憶部11は、例えば、制御部12によって実行される、成績係数の測定装置1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)やハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などのストレージデバイスや、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報やデータ等を記憶するランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)などのメモリによって構成されてよく、また、これらの組合せであってもよい。
【0071】
制御部12は、成績係数の測定装置1に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部12は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてよい。制御部12は、記憶部11に記憶されている所定のプログラム(尚、成績係数の測定プログラムを含む)を読み出すことにより、成績係数の測定装置1に係る種々の機能を実現する。すなわち、成績係数の測定装置1に係る種々の機能は、記憶部11に記憶されているソフトウェア(尚、成績係数の測定プログラムを含む)による情報処理が、ハードウェアの一例である制御部12によって具体的に実現されることで、制御部12に含まれる各機能部として実行されうる。制御部12は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部12を有するように構成されてもよい。また、制御部12は、複数の制御部の組合せであってもよい。
【0072】
表示部13は、成績係数の測定装置1の筐体に含まれる(言い換えると、筐体と一体である)ものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイによって構成されてよい。表示部13は、例えば、成績係数(COP)の測定結果などを表示する。
【0073】
入力部14は、成績係数の測定装置1の筐体に含まれる(言い換えると、筐体と一体である)ものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。入力部14は、例えば、キーボードによって構成されてよい。作業者によってなされる操作入力を入力部14が受け付け、当該操作入力が命令信号として通信バス19を介して制御部12へと伝送される。そして、制御部12が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行する。
【0074】
通信部15は、成績係数の測定装置1と通信ネットワーク4とを接続する、通信ネットワーク4に対する通信インターフェースとしての機能を備え、通信ネットワーク4を介して接続されるデータサーバ2などの外部装置との通信処理を行う。
【0075】
制御部12は、取得部121、及び計算部122を備える。なお、本発明の説明における「伝送」は、記憶部11への記憶及び記憶部11からの読出しを介して行われる情報やデータのやりとりを含む。
【0076】
取得部121は、実施の形態に係る成績係数の測定方法におけるステップS1の処理において取得されて、データサーバ2に格納されているデータベースに記録、蓄積されている計測データを通信ネットワーク4を介して取得する。
【0077】
取得部121は、具体的には、データサーバ2に格納されている、電力データベース221から空調設備への入力電力Pinの計測データ(計測値)を取得し、温度データベース222から冷却水(循環水)の低温側温度Tlowの計測データ(計測値)及び高温側温度Thighの計測データ(計測値)を取得し、さらに、流量データベース223から冷却水(循環水)の質量流量Lの計測データ(計測値)を取得する。
【0078】
取得部121は、各データベースから、計測データそれぞれと組み合わせられている、当該の計測データが計測された時点(時刻)を示すタイムスタンプ等を参照して同一時点における計測データ(計測値)を取得する。
【0079】
なお、計測データは、電力量計測手段31、第1温度計測手段32、第2温度計測手段33、及び質量流量計測手段34のうちの少なくとも1つから通信ネットワーク4を介して成績係数の測定装置1へと直接送信されるようにしてもよい。計測データが前記の計測手段(31、32、33、34)のすべてから通信ネットワーク4を介して成績係数の測定装置1へと直接送信されるようにしてもよく、この場合には、成績係数の測定装置1とデータサーバ2との間の通信は行われないようにしてよく、また、成績係数の測定装置1は通信部15を有しないようにしてもよい。
【0080】
また、計測データは、作業者によって入力部14を介して入力されるようにしてもよい。この場合には、成績係数の測定装置1は通信部15を有しないようにしてよく、成績係数の測定装置1とデータサーバ2との間の通信は行われないようにしてよい。
【0081】
取得部121は、空調設備への入力電力Pinの計測データ(計測値)、冷却水(循環水)の低温側温度Tlowの計測データ(計測値)、冷却水(循環水)の高温側温度Thighの計測データ(計測値)、及び冷却水(循環水)の質量流量Lの計測データ(計測値)を計算部122へと伝送する。
【0082】
計算部122は、取得部121から伝送される空調設備への入力電力Pinの計測値、並びに、冷却水(循環水)の低温側温度Tlowの計測値、高温側温度Thighの計測値、及び質量流量Lの計測値を用いて上記の数式8に従って成績係数COPを計算する(実施の形態に係る成績係数の測定方法におけるステップS2の処理に相当する)。
【0083】
そして、計算部122は、計算された成績係数COPの値を表示部13に表示させる。
【0084】
(作用効果)
実施の形態に係る成績係数の測定方法、成績係数の測定装置1、及び成績係数の測定プログラムによれば、冷凍機8に対して外付けのセンサー類で計測可能な冷却水(循環水)の高温側温度Thigh、低温側温度Tlow、及び質量流量L並びに空調設備への入力電力Pinを用いて成績係数COPを計算する、すなわち、冷凍機8の本体内部への取り付けが必要なセンサー類で計測される指標を用いないで成績係数COPを計算するようにしているので、空調設備の成績係数を汎用性の高い仕法で測定することが可能となる。
【0085】
また、実施の形態に係る成績係数の測定方法、成績係数の測定装置1、及び成績係数の測定プログラムは、ビル用のマルチエアコンのように1台の冷却塔で複数のパッケージエアコンを制御している空調設備に対しても適用することができ、且つ、そのような空調設備の成績係数を効率的に測定することが可能となる。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成態様は上記の実施の形態に限定されるものではなく、上記の実施の形態に、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変形や変更などが加えられた形態も本発明に含まれる。
【0087】
例えば、上記の実施の形態では本発明に係る成績係数の測定方法が全体構成の概略を図1に示す冷凍機8を含む空調設備に適用される場合を例に挙げて説明したが、本発明が適用されうる空調設備は上記の実施の形態における冷凍機8を含む空調設備には限定されない。さらに言えば、本発明に係る成績係数の測定方法は、上記の実施の形態における冷凍機8の圧縮機86並びに冷却塔9の冷却水供給管91及び冷却水回収管93に対応する構成を有する空調設備であれば、どのような態様の空調設備であっても適用されうる。
【0088】
また、上記の実施の形態では空調設備への入力電力Pin〔kW〕が冷凍機8の圧縮機86に対して電力量計測手段31(電力量計)が取り付けられて消費電力量として計測されるようにしているが、空調設備への入力電力Pinは、上記の実施の形態における計測対象や計測方法に限定されるものではなく、空調設備への入力電力に対応する指標(計測値)を把握しうる計測対象や計測方法であれば、他の仕法によって計測されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 成績係数の測定装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 計算部
13 表示部
14 入力部
15 通信部
19 通信バス
2 データサーバ
21 通信部
22 記憶部
221 電力データベース
222 温度データベース
223 流量データベース
29 通信バス
31 電力量計測手段
32 第1温度計測手段
33 第2温度計測手段
34 質量流量計測手段
4 通信ネットワーク
8 冷凍機
81 冷却水ポンプ
82 凝縮器
821 冷却水配管
83 減圧機構
84 蒸発器
841 冷水配管
85 吸込側
86 圧縮機
87 吐出側
88 冷水ポンプ
9 冷却塔
91 冷却水供給管
92 水槽
93 冷却水回収管
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る空調設備の成績係数の測定方法は、空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する方法であり、前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段を取り付けて前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段を取り付けて前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段を取り付けて前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、下記の数式1に従って成績係数COPを計算する、ようにしてもよい。
(数1) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る空調設備の成績係数の測定方法は、前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段を取り付けて計測した消費電力量である、ようにしてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明に係る空調設備の成績係数の測定装置は、空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する装置であり、前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する手段と、下記の数式2に従って成績係数COPを計算する手段と、を備える、ようにしてもよい。
(数2) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に係る空調設備の成績係数の測定装置は、前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、ようにしてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本発明に係る空調設備の成績係数の測定プログラムは、空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定するプログラムであり、前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する処理と、下記の数式3に従って成績係数COPを計算する処理と、をコンピュータに実行させる、ようにしてもよい。
(数3) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る空調設備の成績係数の測定プログラムは、前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、ようにしてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。下記の実施の形態では、本発明に係る空調設備の成績係数の測定方法が全体構成の概略を図1に示す冷凍機8を含む空調設備に適用される場合を例に挙げて説明する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
空調設備の成績係数の測定方法)
図2は、本発明に係る空調設備の成績係数の測定方法の具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る成績係数の測定方法の処理手順を示すフロー図であり、また、本発明に係る空調設備の成績係数の測定装置の具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る成績係数の測定装置1における処理ステップを示すフロー図であり、さらに、本発明に係る空調設備の成績係数の測定プログラムの具体的な構成態様の一例としての、実施の形態に係る成績係数の測定プログラムにおける処理ステップを示すフロー図である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
空調設備の成績係数の測定装置)
図3は、実施の形態に係る成績係数の測定装置1の機能構成を示すブロック図である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
例えば、上記の実施の形態では本発明に係る空調設備の成績係数の測定方法が全体構成の概略を図1に示す冷凍機8を含む空調設備に適用される場合を例に挙げて説明したが、本発明が適用されうる空調設備は上記の実施の形態における冷凍機8を含む空調設備には限定されない。さらに言えば、本発明に係る空調設備の成績係数の測定方法は、上記の実施の形態における冷凍機8の圧縮機86並びに冷却塔9の冷却水供給管91及び冷却水回収管93に対応する構成を有する空調設備であれば、どのような態様の空調設備であっても適用されうる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する方法であり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、
前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段を取り付けて前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、
前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段を取り付けて前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、
前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段を取り付けて前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、
下記の数式1
(数1) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する、
ことを特徴とする空調設備の成績係数の測定方法。
【請求項2】
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段を取り付けて計測した消費電力量である、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調設備の成績係数の測定方法。
【請求項3】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する装置であり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する手段と、
下記の数式2
(数2) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する手段と、を備える、
ことを特徴とする空調設備の成績係数の測定装置。
【請求項4】
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、
ことを特徴とする請求項3に記載の空調設備の成績係数の測定装置。
【請求項5】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定するプログラムであり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する処理と、
下記の数式3
(数3) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する処理と、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする空調設備の成績係数の測定プログラム。
【請求項6】
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、
ことを特徴とする請求項5に記載の空調設備の成績係数の測定プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する方法であり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕を計測し、
前記空調設備への前記入力電力Pinは、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段を取り付けて計測した消費電力量であり、
前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段を取り付けて前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕を計測し、
前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段を取り付けて前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕を計測し、
前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段を取り付けて前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を計測し、
下記の数式1
(数1) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する、
ことを特徴とする空調設備の成績係数の測定方法。
【請求項2】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定する装置であり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する手段と、
下記の数式2
(数2) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する手段と、を備え、
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、
ことを特徴とする空調設備の成績係数の測定装置。
【請求項3】
空調機、冷凍機、及び冷却塔を含む空調設備の成績係数COPを測定するプログラムであり、
前記空調設備への入力電力Pin〔kW〕、前記冷却塔から前記冷凍機へと冷却水を送水して供給する冷却水供給管に第1温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の低温側温度Tlow〔℃〕、前記冷凍機から前記冷却水を回収して前記冷却塔へと戻す冷却水回収管に第2温度計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の高温側温度Thigh〔℃〕、及び前記冷却水供給管又は前記冷却水回収管に質量流量計測手段が取り付けられて計測された前記冷却水の質量流量L〔kg/sec〕を取得する処理と、
下記の数式3
(数3) COP = [4.2×L×(Thigh-Tlow)-Pin]/Pin
但し、4.2:水の比熱〔kJ/℃/kg〕
に従って成績係数COPを計算する処理と、をコンピュータに実行させ、
前記空調設備への前記入力電力Pinが、前記冷凍機の圧縮機に電力量計測手段が取り付けられて計測された消費電力量である、
ことを特徴とする空調設備の成績係数の測定プログラム。