(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008021
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】コンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109853
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】515315026
【氏名又は名称】株式会社クロス・マーケティンググループ
(71)【出願人】
【識別番号】523132996
【氏名又は名称】加藤 拓巳
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】梅山 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 リツ
(72)【発明者】
【氏名】一木 要輔
(72)【発明者】
【氏名】亀井 晋
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンセプト評価調査結果と売上結果の差を小さくするコンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、ユーザ端末から、カテゴリ毎に商品又はサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信してモニターを複数のモニター分類に分類し、商品又はサービスのコンセプトページを各端末に表示させ、商品又はサービスの購入意思を示す評価値を受信し、第1の評価占有率を算出し、購入履歴データを基に、モニター分類及びカテゴリ毎に、商品又はサービスの第1の市場占有率を算出し、算出した第1の評価占有率と第1の市場占有率との誤差を算出し、新たなコンセプトページを各端末に表示させ、商品又はサービスの購入意思を示す評価値を受信し、第2の評価占有率を算出し、モニター分類及び新たな商品又はサービスのカテゴリに応じた誤差を基に生成された重みによって補正する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテゴリの異なる複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末と通信する通信部と、
前記各モニター端末から、前記カテゴリごとに前記商品またはサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信し、当該回答情報に応じて前記モニターを複数のモニター分類に分類し、
前記商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記商品またはサービスの第1の評価占有率を算出し、
前記購入意思の評価対象となった前記商品またはサービスの、実際の購入履歴データを基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、当該商品またはサービスの第1の市場占有率を算出し、
前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記算出した第1の評価占有率と前記算出した第1の市場占有率との誤差を算出し、
新たな商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごとに、前記商品またはサービスの第2の評価占有率を算出し、
前記算出した第2の評価占有率を、前記モニター分類及び前記新たな商品またはサービスのカテゴリに応じた前記誤差を基に生成された重みによって補正する、
制御部と
を具備するコンセプト評価調査システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンセプト評価調査システムであって、
前記制御部は、前記モニター端末から、前記回答情報として、前記モニターがイノベータ理論における5つのタイプのうちどのタイプであるかを問う意識調査に対する回答情報を受信し、当該タイプに応じて前記モニターを前記複数のモニター分類に分類する
コンセプト評価調査システム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンセプト評価調査システムであって、
前記制御部は、前記イノベータ理論における前記5つのタイプのうち、アーリーアダプターの割合が所定割合以上となる前記商品またはサービスの発売開始からの時期を示す中心時期情報を、前記カテゴリごとに記憶し、当該カテゴリごとに、当該中心時期情報が示す時期に前記新たな商品またはサービスを購入したモニターのモニター端末から前記評価値を受信する
コンセプト評価調査システム。
【請求項4】
カテゴリの異なる複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末から、前記カテゴリごとに前記商品またはサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信し、当該回答情報に応じて前記モニターを複数のモニター分類に分類し、
前記商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記商品またはサービスの第1の評価占有率を算出し、
前記購入意思の評価対象となった前記商品またはサービスの、実際の購入履歴データを基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、当該商品またはサービスの第1の市場占有率を算出し、
前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記算出した第1の評価占有率と前記算出した第1の市場占有率との誤差を算出し、
新たな商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごとに、前記商品またはサービスの第2の評価占有率を算出し、
前記算出した第2の評価占有率を、前記モニター分類及び前記新たな商品またはサービスのカテゴリに応じた前記誤差を基に生成された重みによって補正する
コンセプト評価調査方法。
【請求項5】
情報処理装置に、
カテゴリの異なる複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末から、前記カテゴリごとに前記商品またはサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信し、当該回答情報に応じて前記モニターを複数のモニター分類に分類するステップと、
前記商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記商品またはサービスの第1の評価占有率を算出するステップと、
前記購入意思の評価対象となった前記商品またはサービスの、実際の購入履歴データを基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、当該商品またはサービスの第1の市場占有率を算出するステップと、
前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記算出した第1の評価占有率と前記算出した第1の市場占有率との誤差を算出するステップと、
新たな商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごとに、前記商品またはサービスの第2の評価占有率を算出するステップと、
前記算出した第2の評価占有率を、前記モニター分類及び前記新たな商品またはサービスのカテゴリに応じた前記誤差を基に生成された重みによって補正するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介したコンセプト評価調査に関するデータを処理可能なコンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、新商品や新サービスのコンセプトとして最も評価の良い案を採用したい、新商品や新サービスのターゲット層を見極めたいなどといった場合に行うアンケート調査手法として、コンセプト評価調査(コンセプト受容性調査)が知られている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、商品プロフィールを基に顧客購買調査票を生成して顧客にコンセプト評価調査を行ない、データが記入され回収された調査票における調査回答の表現に対応した評価点に従い、購買意思を含む顧客購買心理を定量化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際の販売店では、売上シェアによって、その商品を扱っている販売店数や広告出稿量、売り場面積等が異なることから、少数の商品またはブランドが市場を独占している場合に、異なる複数の商品またはブランドについて一律の基準でコンセプト評価調査を行っても、調査結果と実際の売上結果(市場占有率)との間に乖離が生じてしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることが可能なコンセプト評価調査システム、コンセプト評価調査方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るコンセプト評価調査システムは、通信部と制御部とを有する。前記通信部は、カテゴリの異なる複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末と通信する。前記制御部は、前記各モニター端末から、前記カテゴリごとに前記商品またはサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信し、当該回答情報に応じて前記モニターを複数のモニター分類に分類し、前記商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記商品またはサービスの第1の評価占有率を算出する。また制御部は、前記購入意思の評価対象となった前記商品またはサービスの、実際の購入履歴データを基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、当該商品またはサービスの第1の市場占有率を算出し、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記算出した第1の評価占有率と前記算出した第1の市場占有率との誤差を算出する。そして制御部は、新たな商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごとに、前記商品またはサービスの第2の評価占有率を算出し、前記算出した第2の評価占有率を、前記モニター分類及び前記新たな商品またはサービスのカテゴリに応じた前記誤差を基に生成された重みによって補正する。
【0008】
この構成により、モニター分類ごと及び商品・サービスのカテゴリごとにコンセプト調査における評価占有率と実際の市場占有率との誤差を算出しておき、新たな商品・サービスのコンセプト調査においてモニター分類ごとの評価占有率を、当該商品・サービスに応じた誤差に応じた重みで補正することで、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることができる。
【0009】
前記制御部は、前記モニター端末から、前記回答情報として、前記モニターがイノベータ理論における5つのタイプのうちどのタイプであるかを問う意識調査に対する回答情報を受信し、当該タイプに応じて前記モニターを前記複数のモニター分類に分類してもよい。
【0010】
これにより、モニターをイノベータ理論における5つのタイプで分類することで、新たな商品・サービスの普及過程と各モニターの意識とのずれを商品・サービスごとに算出してコンセプト評価調査の精度を向上させることができる。
【0011】
前記制御部は、前記イノベータ理論における前記5つのタイプのうち、アーリーアダプターの割合が所定割合以上となる前記商品またはサービスの発売開始からの時期を示す中心時期情報を、前記カテゴリごとに記憶し、当該カテゴリごとに、当該中心時期情報が示す時期に前記新たな商品またはサービスを購入したモニターのモニター端末から前記評価値を受信してもよい。
【0012】
これにより、新商品・新サービスの普及に最も影響を与えるとされるアーリーアダプターの意見を重視したコンセプト評価調査を、商品・サービスのカテゴリごとに高精度に実行することができる。
【0013】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
カテゴリの異なる複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末から、前記カテゴリごとに前記商品またはサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信し、当該回答情報に応じて前記モニターを複数のモニター分類に分類し、
前記商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記商品またはサービスの第1の評価占有率を算出し、
前記購入意思の評価対象となった前記商品またはサービスの、実際の購入履歴データを基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、当該商品またはサービスの第1の市場占有率を算出し、
前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記算出した第1の評価占有率と前記算出した第1の市場占有率との誤差を算出し、
新たな商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごとに、前記商品またはサービスの第2の評価占有率を算出し、
前記算出した第2の評価占有率を、前記モニター分類及び前記新たな商品またはサービスのカテゴリに応じた前記誤差を基に生成された重みによって補正する、ことを含む。
【0014】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、
カテゴリの異なる複数の商品またはサービスのコンセプトの評価調査の対象ユーザとなる複数のモニターの各モニター端末から、前記カテゴリごとに前記商品またはサービスの発売開始からの購入時期に関する意識調査の回答情報を受信し、当該回答情報に応じて前記モニターを複数のモニター分類に分類するステップと、
前記商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記商品またはサービスの第1の評価占有率を算出するステップと、
前記購入意思の評価対象となった前記商品またはサービスの、実際の購入履歴データを基に、前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、当該商品またはサービスの第1の市場占有率を算出するステップと、
前記モニター分類ごと及び前記カテゴリごとに、前記算出した第1の評価占有率と前記算出した第1の市場占有率との誤差を算出するステップと、
新たな商品またはサービスのコンセプトを示すコンセプトページを前記各モニター端末に表示させ、当該コンセプトページを介して当該商品またはサービスの購入意思を示す評価値を受信し、当該評価値を基に、前記モニター分類ごとに、前記商品またはサービスの第2の評価占有率を算出するステップと、
前記算出した第2の評価占有率を、前記モニター分類及び前記新たな商品またはサービスのカテゴリに応じた前記誤差を基に生成された重みによって補正するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査システムの構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバのハードウェア構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバが利用するイノベータ理論について説明した図である。
【
図5】
図4のイノベータ理論におけるアーリーアダプターの中心時期について説明した図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバが作成する異なるカテゴリの商品の発売開始からの購入時期をモニター分類ごとに記録したデータを示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバによる誤差情報データベースの生成処理の流れを示したフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバがモニター端末に表示させるコンセプトページの例を示した図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバがモニター端末に表示させる回答入力ページの例を示した図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバがる生成する誤差情報データベースを概念的に示した図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバによるコンセプト評価調査処理の流れを示したフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態に係るコンセプト評価調査サーバによるコンセプト評価調査処理を概念的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るコンセプト評価調査システムの構成を示した図である。
【0019】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上のコンセプト評価調査サーバ100と、複数のモニター端末200と、依頼者端末300とを含む。
【0020】
コンセプト評価調査サーバ100は、依頼者からの依頼に基づいて商品またはサービスのコンセプト評価調査を実施するサーバである。コンセプト評価調査サーバ100は、複数のモニター端末200及び依頼者端末300とインターネット50を介して接続されている。
【0021】
コンセプト評価調査サーバ100は、具体的には、モニター端末200へ、回答ページへのアクセス情報(ハイパーリンク等)と共にコンセプト評価調査回答依頼(メール等のメッセージ)を送信し、モニター端末200から当該コンセプト評価調査の回答情報を受信する。そしてコンセプト評価調査サーバ100は、当該回答情報を集計して依頼者へのコンセプト評価調査結果の納品情報を生成し、依頼者端末300へ送信する。
【0022】
モニター端末200(200A,200B,200C...)は、コンセプト評価調査サーバ100により実施されるコンセプト評価調査の対象ユーザ(回答者;モニター)となる会員として、コンセプト評価調査サーバ100の運営元の企業と契約しているユーザの端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0023】
モニター端末200は、コンセプト評価調査サーバ100からコンセプト評価調査回答依頼及び回答ページを受信してブラウザ等により表示し回答を入力してコンセプト評価調査サーバ100へ回答情報(評価情報)を送信する。
【0024】
依頼者端末300は、コンセプト評価調査を依頼する企業(の担当者等)により使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。依頼者端末300は、コンセプト評価調査サーバ100へコンセプト評価調査実施依頼を送信し、コンセプト評価調査完了後、コンセプト評価調査サーバ100からコンセプト評価調査結果の納品情報を受信する。
【0025】
本実施形態において、上記コンセプト評価調査サーバ100によってモニター端末200に表示される回答ページは、複数の商品について商品コンセプトを表示する複数のコンセプトページと、当該コンセプトページの表示後に複数の商品のうちモニターが購入したい商品を1つ選択させる回答入力ページとから構成される。
【0026】
また詳細は後述するが、コンセプト評価調査サーバ100は、当該コンセプト評価調査を実施する上で、新たな商品・サービスの市場における普及率を示すマーケティング理論であるイノベータ理論にしたがって、モニターに意識調査を行い、モニターを5つのモニター分類(イノベータ/アーリーアダプター/アーリーマジョリティ/レイトマジョリティ/ラガード)に分類する。そしてコンセプト評価調査サーバ100は、当該モニター分類ごとに、商品のコンセプト評価調査の回答と当該商品の実際の売上結果との誤差を算出して記憶しておき、新たな商品のコンセプト評価調査において、モニターの回答を当該誤差に応じた重みによって補正することが可能である。
【0027】
[コンセプト評価調査サーバのハードウェア構成]
図2は、上記コンセプト評価調査サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、コンセプト評価調査サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0028】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらコンセプト評価調査サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0029】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0030】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0031】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0032】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0033】
特に本実施形態では、記憶部18は、コンセプト評価調査対象となるモニター情報、コンセプト評価調査においてモニター端末200に表示させるコンセプトページを構成する情報等を記憶するとともに、これらのデータを用いてコンセプト評価調査サーバ100がコンセプト評価調査に関する処理(回答ページの表示処理や回答情報の集計処理等)を実行するためのアプリケーションその他のプログラムを記憶している。後述するが、記憶部18は、そのようなデータを含むデータベースとして、依頼者情報データベース、モニター情報データベース、市場売上情報データベース、調査情報データベース及び誤差情報データベースを有している。
【0034】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記モニター端末200及び依頼者端末300との間の通信処理を担う。
【0035】
図示しないが、上記モニター端末200のハードウェア構成も上記コンセプト評価調査サーバ100のハードウェア構成と同様である。またモニター端末200には、上記コンセプト評価調査サーバ100と接続して商品コンセプト評価に関する処理を実行するためのアプリケーションがインストールされており、当該アプリケーションを介してコンセプト評価調査サーバ100にアクセスしてもよい。
【0036】
[コンセプト評価調査サーバのデータベース構成]
図3は、上記コンセプト評価調査サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0037】
同図に示すように、コンセプト評価調査サーバ100は、記憶部18に、依頼者情報データベース31、モニター情報データベース32、市場売上情報データベース33、調査情報データベース34及び誤差情報データベース35を有している。
【0038】
依頼者情報データベース31は、コンセプト評価調査サーバ100の運営元企業の顧客であるコンセプト評価調査の依頼者に関する情報を記憶する。具体的には、依頼者情報データベース31は、ユーザID、パスワード、企業名、担当者名、メールアドレス、電話番号、住所等の情報を依頼者毎に記憶している。
【0039】
モニター情報データベース32は、上記コンセプト評価調査サーバ100の運営元とモニター契約を締結している消費者であるモニター(モニター端末200のユーザ)に関する情報を記憶する。具体的には、モニター情報データベース32は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所(居住地)、年齢(層)、性別、家族構成(既婚/未婚、または家族の人数、子供の有無等)、職業(職種、学校)、年収(世帯年収、個人年収)、使用しているSNS、居住形態(戸建て、マンション、持ち家、賃貸など)、携帯電話(キャリア情報)、自動車の保有状況、免許の有無など、趣味の関心事項等の情報をモニター毎に記憶している。さらにモニター情報データベース32には、各モニターがモニター端末200を介して購入した商品の購入履歴情報(商品名、購入日時等)も記憶している。
【0040】
市場売上情報データベース33は、コンセプト評価の対象となる複数の商品(ブランド)の市場における売上状況を示すデータを記憶している。当該データは、他の調査会社から受信したモニターの購買履歴データから作成されたものであってもよいし、各販売店から直接または他社を介して受信したPOS(Point of Sale)データから集計されたものであってもよい。当該売上情報データは、例えば1日、1週間等の定期的なタイミングで最新のものに更新される。さらに当該データから、各商品の市場における売上高シェア(市場占有率)が算出され当該市場売上情報データベース33に記憶されてもよい。
【0041】
また上記売上状況を示すデータには、各商品の販売開始時期と売上時期(購入時期)を示すデータも含まれており、上記市場売上情報データベース33には、イノベータ理論におけるタイプ(イノベータ/アーリーアダプター/アーリーマジョリティ/レイトマジョリティ/ラガード)ごとに各商品の販売開始時期から購入時期の期間を記録したデータ(購入時期トラッキングデータ;
図6参照)も記憶されている。
【0042】
調査情報データベース34は、上記モニターを対象に作成されたコンセプト評価調査に関する情報、すなわち、各モニター端末200に表示させる回答ページ(上記商品コンセプトページ及び回答入力ページ)を構成するデータ(テキストや画像)や、各モニター端末200から受信した回答データ等を記憶している。
【0043】
誤差情報データベース35は、上記調査情報データベース34に記憶されたコンセプト評価調査の回答データ(商品の購入意思を示すデータ)を集計することで算出された各商品の評価占有率(その商品を購入したいと回答したモニターの数が調査対象の全モニター数に占める割合)と、上記市場売上情報データベース33に記憶された当該商品の売上が上記比較対象の全商品中に占める割合(市場占有率)との誤差に関する情報を、商品カテゴリごと及び上記モニター分類ごとに記憶している。
【0044】
これら各データベースは、後述するコンセプト評価調査サーバ100によるコンセプト評価調査処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0045】
[イノベータ理論について]
ここで、イノベータ理論について説明する。
図4は、イノベータ理論の概要について説明した図である。
【0046】
同図に示すように、イノベータ理論では、新たな製品・サービスが普及していく過程では、これらを採用するタイミングが早い消費者から順番に以下の(1)~(5)の5つの異なるタイプの集団の意思決定を経るものとされており、これに基づき、マーケティング戦略や市場のライフサイクルなどに関する検討を行うことが望ましいと考えられている。
【0047】
(1)イノベータ:
新しいものを誰よりも早く使うことに執念を持ち,最初期段階で冒険的に採用する。
(2)アーリーアダプター:
新しいものを思慮深く判断して初期段階で採用し,意見を発信して周囲に影響を与える。
(3)アーリーマジョリティ:
普及率が半数を超える前に,品質と価格が成熟したことを確認して採用する。
(4)レイトマジョリティ:
多数派が採用したことを確認し,周囲の圧力を受けながら慎重に採用する。
(5)ラガード:
最も保守的であり,広く普及した後に,確実に良いことがわかったうえで採用する。
【0048】
この5つのタイプのうち、アーリーアダプターはこの後に続くアーリーマジョリティやレイトマジョリティに大きな影響を与えることから、アーリーアダプターが商品・サービスを採用することがそれ以降のタイプに商品・サービスを普及させる鍵を握ると考えられている。
【0049】
一方で、初期市場(イノベーター・アーリーアダプター)とメインストリーム市場(アーリーマジョリティ・レイトマジョリティ)の間にはキャズムと呼ばれる大きな溝が存在しており、このキャズムを乗り超えられない限り、新しい商品・サービスはメインストリーム市場で普及することなく、小規模な初期市場の中でやがて消えていく運命を辿るともされている。したがって、アーリーアダプターのみならず、アーリーマジョリティが商品・サービスを採用することも重要となる。
【0050】
図5は、
図4のイノベータ理論におけるアーリーアダプターの中心時期について説明した図である。同図に示すように、本実施形態に係るコンセプト評価調査サーバ100は、各商品について、商品の発売開始からの所定の経過時期(T+1,T+2,…)ごとに、その商品を購入したユーザに購入理由(イノベータ理論の5つのタイプのうちどのタイプの価値観に基づくか)を尋ねるアンケートを行った結果を保持する。
【0051】
コンセプト評価調査サーバ100は、当該アンケートの結果を基に、各調査時期に当該商品を購入したユーザのタイプ別の比率を算出し、各タイプの比率が所定の閾値(例えば50%以上、最大比率等)を超えた時期を、その商品に関するそのタイプの中心時期として特定する。例えば同図に示すように時期T+1がイノベータの中心時期として特定され、次期T+nがアーリーアダプターの中心時期として特定される。コンセプト評価調査サーバ100は、当該各タイプの中心時期を、商品カテゴリごとに特定し、特定した情報を、上記市場売上情報データベース33等に記憶する。
【0052】
また上述したように、上記市場売上情報データベース33には、
図6に示すように、イノベータ理論のタイプごとに各商品の販売開始時期から購入時期の期間を記録した購入時期トラッキングデータも記憶されている。
【0053】
同図で示すように、各タイプに対応する購入時期は、商品カテゴリによって異なることが分かる。例えば、同じアーリーアダプターに対応する購入時期は、ドリンク類では発売から2か月であるのに対して、化粧品類では4か月となっている。
【0054】
本実施形態においてコンセプト評価調査サーバ100は、この商品カテゴリごとに異なる各タイプの購入時期、特に、アーリーアダプターの中心時期を考慮してコンセプト評価調査を実行する。
【0055】
[コンセプト評価調査サーバの動作]
次に、以上のように構成されたコンセプト評価調査サーバ100の動作について説明する。当該動作は、コンセプト評価調査サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0056】
(誤差情報データベース生成処理)
まず、上記誤差情報データベース35の生成処理について説明する。
図7は、当該誤差情報データベース35の生成処理の流れを示したフローチャートである。
【0057】
同図の処理の前処理として、コンセプト評価調査サーバ100のCPU11は、回答ページ(商品コンセプトページや回答入力ページ)を作成し、上記調査情報データベース34に記憶しておく。
【0058】
まずコンセプト評価調査サーバ100のCPU11は、上記モニター情報データベース32から、調査対象の商品の発売開始からT+n時期(すなわち、アーリーアダプターの中心時期)の購入者を抽出し、当該モニターのモニター端末200へ、商品コンセプト評価依頼をメール等のメッセージで送信する(ステップ41)。当該回答依頼には、回答ページへのアクセス情報(ハイパーリンク等)が含まれる。
【0059】
続いてCPU11は、いずれかのモニター端末200から、回答ページアクセスあったか否かを判断する(ステップ42)。
【0060】
回答ページにアクセスがあったと判断した場合(ステップ42のYes)、CPU11は、本調査(コンセプト評価調査)の前調査として、イノベータ理論における5つのタイプに関する意識調査ページをモニター端末200に表示させる(ステップ43)。
【0061】
当該意識調査ページの設問内容は、例えば以下のようなものである。
[設問]〇〇〇(調査対象商品のカテゴリ)の購入について、以下の価値観の中で、最も自分に当てはまるものを選択してください。
1.新しいものを誰よりも早く使う意識を持ち,冒険的に新商品を採用する (イノベータ)
2.新しいものを思慮深く判断して、新商品を初期段階で採用する (アーリーアダプター)調べて合理的
3.新商品の普及率が半数を超える前に,品質と価格が成熟したことを確認して採用する (アーリーマジョリティ)
4.新商品を採用した人が多数派になったことを確認してから慎重に採用する (レイトマジョリティ)
5.新商品が広く普及した後に,確実に良いものだとわかったうえで採用する (ラガード)
【0062】
続いてCPU11は、モニター端末200から上記意識調査に関する回答情報を受信したか否かを判断する(ステップ44)。当該回答情報を受信したと判断した場合(ステップ44のYes)、CPU11は、当該回答情報を基に、回答元のモニターを上記5つのタイプに応じたモニター分類(イノベータ/アーリーアダプター/アーリーマジョリティ/レイトマジョリティ/ラガード)のいずれかに分類し、当該モニター分類情報を上記モニター情報データベース32に記憶する(ステップ45)。
【0063】
続いてCPU11は、モニター端末200に調査対象の各商品のコンセプトページを順次表示させる(ステップ46)。
図8は、当該コンセプトページの表示例を示した図である。
【0064】
同図に示すように、コンセプトページは、商品(同図の例ではドライヤー)のコンセプト(コンセプト、特徴、基本性能、商品イメージ、商品ブランド名、価格、企業ブランド名等)を示すコンセプト情報61を含む。
【0065】
またコンセプト情報61の例えば下部には、現在表示中のページの前のページへ表示を遷移するための戻るボタン64と、次のページへ表示を遷移するための進むボタン65が設けられる。
【0066】
同図(A)、(B)、(C)に示すように、CPU11は、1つの商品について、掲載内容の異なる複数のコンセプトページをスライドショーのように切り替えて表示させる。例えば、同図(A)のページでは商品のコンセプト及び特徴が表示され、同図(B)のページでは商品イメージが表示され、同図(C)のページでは商品ブランド名、価格、企業ブランド名が表示されるといったように、掲載内容が切り替わる。
【0067】
図7に戻り、CPU11は、全ての商品のコンセプトページの表示が終了したか否かを判断する(ステップ47)。
【0068】
全ての商品のコンセプトページの表示が終了していないと判断した場合(ステップ47のNo)、CPU11は、残りの商品についてコンセプトページを表示させ上記ステップ46移行の処理を繰り返す。
【0069】
一方、全ての商品のコンセプトページの表示が終了したと判断した場合(ステップ47のYes)、CPU11は、モニター端末200に、購入希望商品の回答入力ページを表示させる(ステップ48)。
【0070】
図9は、当該回答入力ページの表示例を示した図である。同図に示すように、回答入力ページには、例えば、「これまで見ていただいた以下の商品の中で、どれを最も購入したいですか?」といった設問66と、上記コンセプトページに表示された複数の商品の中から1つの商品を選択させるための選択肢67と、対応する商品画像68とが表示される。
【0071】
選択肢67は、例えばラジオボタン(及び商品名)であるが、これに限られず、チェックボックスやプルダウンメニュー等の他の形式で表示されてもよい。
【0072】
また当該回答入力ページの例えば下部には、選択した選択肢67を示す情報を回答情報(評価情報)としてコンセプト評価調査サーバ100へ送信するための回答送信ボタン69が設けられる。
【0073】
図7に戻り、CPU11は、前記モニター端末200から、当該回答入力ページの回答送信ボタン69を介して、回答情報を受信したか否かを判断する(ステップ49)。
【0074】
モニター端末200から回答情報を受信したと判断した場合(ステップ49のYes)、CPU11は、当該回答情報を調査情報データベース34に記憶する(ステップ50)。
【0075】
続いてCPU11は、上記調査情報データベース34を参照し、上記蓄積された回答情報のサンプル数が所定数に達したか否かを判断する(ステップ51)。
【0076】
上記所定数分の回答情報が蓄積されたと判断した場合(ステップ51のYes)、CPU11は、当該回答情報を上記モニター分類ごとに集計し、当該モニター分類ごとの商品の評価占有率(全回答数に対する各商品の購入意思を有すると回答したモニターの比率)を算出する(ステップ52)。
【0077】
続いてCPU11は、上記市場売上情報データベース33から、調査対象の各商品のモニター分類(イノベータ理論におけるタイプ)ごとの市場占有率情報を取得する(ステップ53)。
【0078】
そしてCPU11は、上記算出した各商品の評価占有率と市場占有率のモニター分類ごとの誤差を算出する(ステップ54)。
【0079】
例えば、あるモニター分類における評価占有率が20%で、市場占有率が15%であった場合、CPU11は、15/20=0.75を誤差として算出する。
【0080】
CPU11は、以上の処理を調査対象となった全ての商品について繰り返す。またCPU11は、以上の処理を、カテゴリの異なる他の複数の商品についても繰り返し実行し、
図10に示すように、商品カテゴリ(X,Y,Z…)ごとかつモニター分類ごとの上記誤差情報を蓄積して誤差情報データベース35を生成する。
【0081】
(コンセプト評価調査処理)
続いて、上記生成した誤差情報データベース35を用いたコンセプト評価調査処理について説明する。
図11は、コンセプト評価調査サーバ100による、コンセプト評価調査処理の流れを示したフローチャートである。また
図12は、当該コンセプト評価調査処理を概念的に示した図である。
【0082】
ステップ71~ステップ82の処理は、上記
図7に示した誤差情報データベース35の生成処理のフローチャートにおけるステップ41~ステップ52の処理と同様である。
【0083】
なおステップ71においてコンセプト評価調査回答依頼を送信するモニター端末200の数は、依頼者によってコンセプト評価調査依頼時に予め定められた回答サンプル数に、回答が得られない場合を考慮して所定数または所定割合の数を加えた数とされる(例えば依頼された1000サンプルに対して1080のモニター端末200へ送信)。したがってCPU11は、商品発売開始からT+n時期の購入者が少なくとも上記回答サンプル数+αだけ蓄積されるのを待って同図の処理を実行する。
【0084】
またステップ81において蓄積される回答サンプル数は、上記依頼者によって予め定められた回答サンプル数である。
【0085】
CPU11は、回答情報を集計し、モニター分類ごとに商品の評価占有率を算出すると(ステップ82)、当該各評価占有率を、上記誤差情報データベース35に記憶されたモニター分類ごとの誤差に応じた重みによって補正する(ステップ83)。
【0086】
上述のように、評価占有率に対する市場占有率の割合を誤差として算出する場合、当該誤差をそのまま重みとして使用することができる。例えばある商品のあるモニター分類における誤差が0.75であり、当該商品と同カテゴリの調査対象商品の上記算出した評価占有率が30%であった場合、当該誤差を重みとして乗じて、30×0.75=22.5に補正される。
【0087】
そしてCPU11は、上記重みによる補正後の評価占有率情報を、例えばモニター分類ごとに適宜加工または整形等して、依頼者へ納品するための納品データを生成して依頼者端末300へ送信し、処理を終了する(ステップ84)。
【0088】
この場合CPU11は、依頼者の要望によっては、特定のモニター分類(例えばアーリーアダプターまたはアーリーマジョリティ)の評価占有率情報のみを納品データとして依頼者端末300へ送信してもよい。
【0089】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、コンセプト評価調査サーバ100は、イノベータ理論に基づくモニター分類ごと及び商品・サービスのカテゴリごとにコンセプト調査における評価占有率と実際の市場占有率との誤差を算出しておき、新たな商品・サービスのコンセプト調査においてモニター分類ごとの評価占有率を、当該商品・サービスに応じた誤差に応じた重みで補正することで、コンセプト評価調査の結果と実際の売上結果との差を極力小さくすることができる。
【0090】
またイノベータ理論における5つのタイプのうち商品の普及に最も影響を与えるとされるアーリーアダプターのモニターを対象とし、かつ商品カテゴリごとにアーリーアダプターの中心時期を特定することで、商品カテゴリごとに商品の普及度をより高精度に予測することができる。
【0091】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0092】
上述の実施形態では、コンセプト評価調査サーバ100は、アーリーアダプターの中心時期に商品を購入したモニターを調査対象としたが、これに代えて、アーリーマジョリティの中心時期に購入したモニターを調査対象としてもよい。
【0093】
上述の実施形態では商品がコンセプト評価調査の対象とされたが、サービスがコンセプト評価調査の対象とされてもよい。
【0094】
上述の実施形態では、イノベータ理論におけるタイプに基づいてモニターが5つのモニター分類に分類されたが、分類基準はこれに限られず、モニターが異なる価値観基準で異なる数のモニター分類に分類されてもよい。
【0095】
上述の実施形態で示したコンセプト評価調査サーバ100は、その機能が複数のサーバや情報処理装置に分散されたシステムとして構成されていても構わない。例えば、上述の処理のうち、誤差情報データベース35の生成処理と、その後のコンセプト評価調査処理とは、別個のサーバで実行されてもよい。
【0096】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「コンセプト評価調査方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「コンセプト評価調査方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0097】
11……CPU
18……記憶部
19……通信部
31……依頼者情報データベース
32……モニター情報データベース
33……市場売上情報データベース
34……調査情報データベース
35……誤差情報データベース
61……コンセプト情報
100…コンセプト評価調査サーバ
200…モニター端末
300…依頼者端末